JP2007145718A - 有害生物防除能力を有する微生物の施用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハウス施設内で、有害生物防除能力を有する微生物を含有する水希釈液を、水粒径10μm〜300μmのミスト状態で、有害生物、有害生物の生息場所又は有害生物から保護すべき植物に散布する工程を有することを特徴とする有害生物防除方法等。
【選択図】なし
Description
即ち、本発明は、
1.ハウス施設内で、有害生物防除能力を有する微生物を含有する水希釈液を、水粒径10μm〜300μmのミスト状態で、有害生物、有害生物の生息場所又は有害生物から保護すべき植物に散布する工程を有することを特徴とする有害生物防除方法(以下、本発明防除方法と記すこともある。);
2.1回当りの散布量が100L/ha〜3000L/haであることを特徴とする前項1記載の有害生物防除方法;
3.ハウス施設外の明暗条件が暗条件である時間帯に散布することを特徴とする前項1又は2記載の有害生物防除方法;
4.ハウス施設外の明暗条件が散布後少なくとも6時間以上暗条件を実質的に維持し得る時間帯に散布することを特徴とする前項1〜3のいずれかの前項記載の有害生物防除方法;
5.有害生物防除能力を有する微生物が殺虫性微生物であることを特徴とする前項1〜4のいずれかの前項記載の有害生物防除方法;
6.殺虫性微生物が天敵糸状菌であることを特徴とする前項4記載の有害生物防除方法;
7.有害生物防除能力を有する微生物が、ペーシロマイセス属、ボーベリア属、メタリジウム属、ノムラエア属、バーティシリウム属、ヒルステラ属、クリシノミセス属、ソロスポレラ属及びトリポクラディウム属からなる群から選択される属に属する一種以上の糸状菌であることを特徴とする前項1〜4のいずれかの前項記載の有害生物防除方法;
8.有害生物防除能力を有する微生物が、ペーシロマイセス・テヌイペス、ペーシロマイセス・フモソロセウス、ペーシロマイセス・ファリノーサス、ボーベリア・バッシアナ、ボーベリア・ブロングニアティー、メタリジウム・アニソプリエ、メタリジウム・フラボビリデ、メタリジウム・シリンドロスポラエ、ノムラエア・リレイ及びバーティシリウム・レカニからなる群から選択される種に属する一種以上の糸状菌であることを特徴とする前項1〜4のいずれかの前項記載の有害生物防除方法;
9.有害生物防除能力を有する微生物が、ペーシロマイセス・テヌイペス T1株(FERM BP−7861)であることを特徴とする前項1〜4のいずれかの前項記載の有害生物防除方法;
10.有害生物防除能力を有する微生物の施用量が、1×1011CFU/ha〜1×1015CFU/haであることを特徴とする前項1〜9のいずれかの前項記載の有害生物防除方法;
本発明において用いられる殺虫性微生物としては、例えば、天敵糸状菌等の殺虫性微生物を挙げることができる。ここで「天敵糸状菌」としては、自然界で広く見られる、害虫等の有害生物に対する天敵糸状菌が利用でき、その具体例としては、例えば、ペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)、ペーシロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)、ペーシロマイセス・ファリノーサス(Paecilomyces farinosus)等のペーシロマイセス(Paecilomyces)属、ボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana)、ボーベリア・ブロングニアティー(Beauveria Brongniartii)等のボーベリア(Beauveria)属、メタリジウム・アニソプリエ(Metarhizium anisopliae)、メタリジウム・フラボビリデ、メタリジウム・シリンドロスポラエ等のメタリジウム属(Metarhizium)、ノムラエア・リレイ等のノムラエア属(Nomuraea)、バーティシリウム・レカニ(Verticillium lecanii)等のバーティシリウム属(Verticillium)、ヒルステラ・ソムプソニア(Hirsutella thompsonii)等のヒルステラ属(Hirsutella)、エントモファーガ・アウリカエ(Entomomophaga aulicae)、エントモファーガ・マイマイガ(Entomomophaga maimaiga)、エントモファーガ・ムスカエ(Entomomophaga muscae)等のエントモファーガ属(Entomophaga)、クリシノミセス(Culicinomyces)属、ソロスポレラ(Sorosporella)属、アスケルソニア(Aschersonia)属、モナクロスポリウム(Monacrosporium)属、ネオジギテス(Neozygites)属及びトリポクラディウム(Tolypocladium)属からなる群から選択される属に属する一種以上の糸状菌等を挙げることができる。
当該微生物が天敵糸状菌等の殺虫性微生物である場合には、例えば、下記のようにして当該微生物を選抜すればよい。
天然から分離する場合には、まず、体が硬化し、体からキノコ状のものが生えている死亡虫を野外から採取する。当該死亡虫に形成されている分生子を白金耳で触れ、SDY培地(組成:ペプトン 1%(W/V)、酵母エキス 1%(W/V)、ブドウ糖 2%(W/V)、寒天 1.5%(W/V))やCzapek培地(組成:NaNO3 0.3%(W/V)、K2HPO4 0.1%(W/V)、MgSO4・7H2O 0.05%(W/V)、KCL 0.05%(W/V)、FeS04・7H2O 0.001%(W/V)、ショ糖 3%(W/V)、寒天 1.5%(W/V))等の固体培地に線を引くように擦りつける。25℃で培養し、数日後に生えてきた菌の独立したコロニーを切り取り、新しいSDY培地やCzapek培地等の固体培地に移植し、さらに25℃で培養する。生育してきた菌について、植物防疫特別増刊号No.2天敵微生物の研究手法(社団法人日本植物防疫協会発行)記載の方法等に従って、属、種等の同定を行い、糸状菌を選抜すればよい。
つぎに、選抜された糸状菌の殺虫活性の有無を確認する。選抜された糸状菌をSDY培地やCzapek培地等の固体培地で25℃で培養し、形成された分生子を1×108CFU/ml(CFU:コロニー形成単位)となるように滅菌水に懸濁し、分離源となった死亡虫と同種の昆虫10頭を懸濁液に30秒間浸漬する。浸漬した昆虫を25℃、湿度100%の条件下で飼育し、接種後6日後に死亡虫が観察される菌株を、殺虫性糸状菌として選抜することができる。
当該微生物の培養に用いられる液体培地又は固体培地は、当該微生物が増殖するものであれば特に限定されるものではなく、微生物培養に通常使用される炭素源、窒素源、有機塩及び無機塩等を適宜含む培地が用いられる。
液体培地は、通常水に炭素源、窒素源、有機塩、無機塩、ビタミン類等を適宜混合することにより調製できる。
液体培地に用いられる炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、シュークロース等の糖類、グリセロール等の糖アルコール類、フマル酸、クエン酸、ピルビン酸等の有機酸、動植物油及び糖蜜等が挙げられる。培地に含まれる炭素源の量は、通常0.1〜20%(w/v)である。
液体培地に用いられる窒素源としては、例えば、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コーン・スティープ・リカー(Corn Steep Liquior)、綿実粉、乾燥酵母、カザミノ酸等の天然有機窒素源、硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩や硝酸塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩、尿素及びアミノ酸類が挙げられる。培地に含まれる窒素源の量は、通常0.1〜30%(w/v)である。
液体培地に用いられる有機塩や無機塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の塩化物、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩が挙げられ、具体的には例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸一水素カリウム及びリン酸ニ水素カリウムが挙げられる。培地に含まれる無機塩や有機塩の量は、通常0.0001〜5%(w/v)である。
ビタミン類としては、チアミン等が挙げられる。
固体培地としては、例えば、米類、麦類等の主穀類、トウモロコシ、栗、稗、コーリャン、蕎麦等の雑穀類、オガ粉、バガス、籾殻、フスマ、莢、藁、コ−ンコブ、綿実粕、オカラ、寒天、ゼラチン等を挙げることができる。また、これらの2種以上を混合して使用することもでき、さらに、前記液体培地に使用される炭素源、窒素源、有機塩、無機塩、ビタミン等を適宜混合したものが挙げられる。
当該微生物の培養に用いられる培地の具体的例としては、液体培地として、2%マルトエキス液体培地、オートミール液体培地、ポテトデキストロース液体培地、サブロー液体培地及びL−broth液体培地等が挙げられ、固体培地として、米、大麦、フスマ、寒天培地(2%マルトエキス寒天培地、オートミール寒天培地、ポテトデキストロース寒天培地、サブロー寒天培地及びL−broth寒天培地等)等が挙げられる。
当該微生物は、当該微生物を培養した培養液を遠心分離する方法、当該微生物を培養した固体培地上に蒸留水等を加えて表面から菌体をかきとる方法や、固体培地を乾燥させ粉砕した後、篩により分画する方法等により得ることができる。
鱗翅目害虫:フキノメイガ(Ostrinia zaguliaevi)、ハイマダラメイガ(Hellula undalis)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、ヨトウガ(Mamestra brasicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna)、ヘリオティス属(Heliothis spp.)、ヘリコベルパ属(Helicoverpa spp.)、エアリアス属(Earias spp.)等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)等のシロチョウ類、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、コドリングモス(Cydia pomonella)等のハマキガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)等のチビガ類、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)等のホソガ類、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)等のコハモグリガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ドクガ(Euproctis taiwana)、マイマイガ(Lymantria dispar)、モンシロドクガ(Euproctis similis)等のドクガ類、ヒメクロイラガ(Scopelodes contracus)等のイラガ類、マツカレハ(Dendrolimus spectabilis)、オビカレハ(Malacosoma neustria)等のカレハガ類、ピンクボールワーム(Pectinophora gossypiella)等のキバガ類、クワゴマダラヒトリ(Lemyra imparilis)、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、ヒロズコガ類、シンクイムシ類、等
双翅目害虫:マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、ナスハモグリバエ(Liriomyza bryoniae)、トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)、ヨメナスジハモグリバエ(Liriomyza asterivora)、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)等のハモグリバエ類、イエカ類、ヤブカ類、ハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ウリミバエ(Bactrocera cucurbitae)等のミバエ類、ハナバエ類、タマバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類等
鞘翅目害虫:ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、キクスイカミキリ(Phytoecia rufiventris)等のカミキリムシ類、ウリハムシモドキ(Atrachya menetriesi)、ナスナガスネトビハムシ(Psylliodes angusticollis)等のハムシ類、オオニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctomaculata)、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)等のテントウムシ類、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)等のコガネムシ類、ヤサイゾウムシ(Listroderes costirostris)等のゾウムシ類、オトシブミ類、等
アザミウマ目害虫:ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ハナアザミウマ(Thrips hawaiiensis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ダイズウスイロアザミウマ(Thrips setosusu)等のスリップス属、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)等のフランクリニエラ属、チャノキイロアザミウマ(Sciltothrips dorsalis)等のシルトスリップス属等のアザミウマ類、クダアザミウマ類等
膜翅目害虫:チュウレンジハバチ(Arge pagana)等のハバチ類等
直翅目害虫:バッタ類、ケラ類
ダニ目害虫:ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus Kanzawai)、アシノワダニ(Tetranychus ludeni)、オウトウハダニ(Tetranychus viennensisi)等のテトラニカス属(Tetranychus)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)等のパノニカス属(Panonychus)及びクローバーハダニ(Bryobia praetiosa)、ニセクローバハダニ(Bryobia rubrioculus)等のハダニ類、チャノヒメハダニ(Brevipalpus obovatus)等のヒメハダニ類、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali)等のフシダニ類、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)等のホコリダニ類、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)等のコナダニ類等
液体坦体としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、非芳香族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油、マシン油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド類)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド、植物油(大豆油、綿実油等)等があげられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化合物、ポリエチレングリコールエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体、シリコーン系界面活性剤等があげられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、糖類(澱粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールおよび3−tert−ブチル−4−メトキシフェノール)、植物油、鉱物油、界面活性剤、脂肪酸、脂肪酸エステル等が挙げられる。
水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤には、通常、重量比で約1〜75%の割合の有効成分を、重量比で約0.5〜15%の割合の懸濁補助剤(例えば、保護コロイドやチクソトロピー性を付与しうる物質)と重量比で約0〜10%の補助剤(例えば消泡剤、防錆剤、安定剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤等)とを含む水中で、微少に分散させることにより得ることができる。
これらの製剤には、通常、重量比で約0.01〜95%の割合で有効成分を含有させることがよい。
(1)1回当りの散布量を、例えば、100L/ha〜3000L/haにすれば好ましい。
(2)ハウス施設外の明暗条件が、例えば、暗条件である時間帯に散布すれば好ましい。
(3)ハウス施設外の明暗条件が、散布後少なくとも6時間以上暗条件を実質的に維持し得る時間帯(即ち、例えば、ハウス施設外の明暗条件が主として暗条件となる夕方から夜間にかけた時間帯等)に散布すれば好ましい。
(4)有害生物防除能力を有する微生物の施用量を、例えば、1×1011CFU/ha〜1×1015CFU/haにすれば好ましい。
500ml容フラスコに入れた100mlのポテトデキストロース培地(Difco Laboratories製)に予めポテトデキストロース寒天培地(Difco Laboratories製)で培養されたペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株(FERM BP−7861)の菌体を接種し、25℃で3日間振とう培養することにより、培養液を得た。滅菌水120mlが添加された滅菌済みフスマ80gに、前記培養液20mlを接種し、25℃、湿度90%の条件下で、光(2000〜3000ルクス)を間欠照射(明条件:連続14時間/日、暗条件:連続10時間/日)しながら17日間培養した。培養後、菌体(分生子を多く含む)が形成されたフスマを乾燥させ、乾燥後のフスマ及び直径20mmの瑪瑙ボール5個を日本工業規格標準ふるい(JIS Z 8801:60メッシュのふるいを使用)に入れ、これを日本工業規格標準ふるい(JIS Z 8801:100、200メッシュのふるいを使用)と重ねて、自動ふるい振とう機(FRITSCH社製)で10分間振とうすることにより、200メッシュ以下の画分に前記菌株の2×1010CFU/gのペーシロマイセス・テヌイペスT1株の菌体粉末を2.2g得た。
実施例1で得られたペーシロマイセス・テヌイペスT1株(寄託番号FERM BP−7861)の菌体粉末をフロアブル剤(胞子数:5×108/mL含有)として製剤化した後、当該製剤に水を所定施用量になるように加えよく混合することにより、所望の水希釈液(以下、水希釈液Aと記す。表1参照)を調製した。
ガラス瓶に、石油系炭化水素油(日米礦油株式会社製)93重量%及びペグノール24−O(東邦化学工業株式会社製)5重量%を入れ、これをよく混合した。当該混合物に菌体粉末2重量%を加え、さらに混和することにより、フロアブル剤を得る。
トマト(ポンテローザ、タキイ種苗株式会社製)の種子をクレハ培土(呉羽化学株式会社製)を入れたプラスチックポットに植え、温室(20〜25℃、60〜95%RH)で高さ30cmになるまで栽培した。生育したトマトの葉上に存在した、自然発生したオンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)の幼虫数を計測した。
一方、実施例1及び2で得られたボーベリア・バッシアナ及びペーシロマイセス・テヌイペスT1株の菌体粉末を各々の所定施用量になるように加えた水希釈液(表1参照)に、展着剤(新リノー、日本農薬株式会社製)を当該希釈液の1/5000量加えた後、この混合物を振とうすることにより試験用散布液を調製した。得られた散布液を、予め10μm〜150μmのミストを発生するように設定・調整された市販の細霧噴霧装置(HOLBEIN ART MATERIALS社製)を用いて、幼虫が寄生したトマトの植物体全体に1ポット当たり10mL又は30mLを自動散布した。尚、散布時間帯は、ハウス施設外の明暗条件が主として暗条件となる夕方から夜間にかけて実施した。因みに、散布量としてはそれぞれ約300L/ha程度又は約1000L/ha程度に相当する。
また比較対照区として、ハンドスプレイヤー(水粒径:500μmを越える大きさ)を用いて1ポット当たり10mL又は30mLを手散布した。尚、散布時間帯及び散布量は上記の本発明区と同様な条件に揃えた。
散布後、当該植物体を前記の温室(20〜25℃、60〜95%RH)で7日間栽培した。尚、無処理区は、上記の散布液の代わりに展着剤を1/5000量加えた水を用いること以外は同様な試験方法を施した試験区であった。
散布前日及び7日後に、オンシツコナジラミの生存幼虫数を計数した。結果を表1に示した。尚、幼虫死虫率(3反復の平均値)を下記の算出式より算出した。
死虫率(%)=(散布前日の生存幼虫数−散布7日後の生存幼虫数)/(散布前日の生存幼虫数)×100
Claims (10)
- ハウス施設内で、有害生物防除能力を有する微生物を含有する水希釈液を、水粒径10μm〜300μmのミスト状態で、有害生物、有害生物の生息場所又は有害生物から保護すべき植物に散布する工程を有することを特徴とする有害生物防除方法。
- 1回当りの散布量が100L/ha〜3000L/haであることを特徴とする請求項1記載の有害生物防除方法。
- ハウス施設外の明暗条件が暗条件である時間帯に散布することを特徴とする請求項1又は2記載の有害生物防除方法。
- ハウス施設外の明暗条件が散布後少なくとも6時間以上暗条件を実質的に維持し得る時間帯に散布することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの請求項記載の有害生物防除方法。
- 有害生物防除能力を有する微生物が殺虫性微生物であることを特徴とする請求項請求項1〜4のいずれかの請求項記載の有害生物防除方法。
- 殺虫性微生物が天敵糸状菌であることを特徴とする請求項5記載の有害生物防除方法。
- 有害生物防除能力を有する微生物が、ペーシロマイセス属、ボーベリア属、メタリジウム属、ノムラエア属、バーティシリウム属、ヒルステラ属、クリシノミセス属、ソロスポレラ属及びトリポクラディウム属からなる群から選択される属に属する一種以上の糸状菌であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの請求項記載の有害生物防除方法。
- 有害生物防除能力を有する微生物が、ペーシロマイセス・テヌイペス、ペーシロマイセス・フモソロセウス、ペーシロマイセス・ファリノーサス、ボーベリア・バッシアナ、ボーベリア・ブロングニアティー、メタリジウム・アニソプリエ、メタリジウム・フラボビリデ、メタリジウム・シリンドロスポラエ、ノムラエア・リレイ及びバーティシリウム・レカニからなる群から選択される種に属する一種以上の糸状菌であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの請求項記載の有害生物防除方法。
- 有害生物防除能力を有する微生物が、ペーシロマイセス・テヌイペス T1株(FERM BP−7861)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの請求項記載の有害生物防除方法。
- 有害生物防除能力を有する微生物の施用量が、1×1011CFU/ha〜1×1015CFU/haであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの請求項記載の有害生物防除方法。
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