JP2001233714A - 植物発根誘導剤とその処理方法 - Google Patents
植物発根誘導剤とその処理方法Info
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Abstract
導させ効率的に活着できる使い勝手に優れた植物発根誘
導剤及びに無根植物体の発根誘導方法を提供すること。 【解決手段】つぎの式: 【化1】 (式中、Rは水素、アルカリ金属、メチル、エチル、1
−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、イソブチル、
2−ブチル、(R)−2−ブチル、(S)−2−ブチ
ル、tert-ブチル、1−ペンチルのアルキル基及びアリ
ル基を示す)で示される化合物を有効成分として含む溶
液であって、培土に挿し木した無根の植物体の葉面上に
霧状噴霧することで当該植物の発根を誘導するところに
特徴を有する植物発根誘導剤と、該植物発根誘導剤を無
根の植物体の葉面上に霧状噴霧することで当該植物の発
根を誘導するところに特徴を有する無根植物体の発根誘
導方法、である。
Description
無根の植物体に対して発根誘導させ効率的に活着できる
使い勝手に優れた植物発根誘導剤及びに無根植物体の発
根誘導方法に関するものである。
ール−3−酪酸(商品名:オキシベロン)やα−ナフタ
レンアセトアミド(商品名:ルートン、トランスプラン
トン)が市販されており、特開平9−241239号公
報には4−クロロインドール−3−酢酸のエステル類
が、そして特公平6−62563号公報にはジクロロイ
ンドール−3−酢酸誘導体が開示されている。
て、インドール−3−酢酸等が公知であり、また、エン
ドウ未熟種子より4−クロロインドール−3−酢酸が単
離され強力なオーキシン活性を有しペルオキシダーゼ等
の酵素に対して難分解性であるため、その活性に持続性
のあることが見出されている。
ール−3−酢酸及びその誘導体、インドール−3−酪酸
及びその誘導体は、植物体内においてはインドール環の
2及び3−位の炭素原子の反応性が高いため、酸化を受
けて分解し易く、その活性を十分発揮できないまま植物
体内で消失してしまうという欠点があった。
用に対しては例えば茎葉等の切り口に直接そのまま粉衣
するか、または水で所定濃度に希釈しその中に例えば茎
葉の切り口をソーキングするかディッピングをするもの
であり、切り取った茎葉をそれぞれ一本ずつ粉衣したり
一本ずつソーキング若しくはディッピングした後に、例
えばプラグ内の培土に植え付けることになるため、スム
ーズな作業が難しく作業時間を要し作業効率が悪いとい
う問題があった。
ものであって、挿し木した無根の植物体の葉面上に、
5,6−ジクロロインドール−3−酢酸とその塩並びに
エステル類の水溶液をミスト状にして噴霧すると、前記
無根の植物体に対して発根を効率的に誘導でき活着させ
得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。なお、その作用メカニズムは明らかではないが、葉
面上にミスト状に噴霧された化合物は、葉裏の気孔等を
介して吸収され、篩管を経由して作用部位に達し原基へ
分化誘導する作用と、この原基より不定根の発生を促す
作用と連続して発現されるものと考えられる。
した無根の植物体に対しても発根誘導でき効率的に活着
させ得る使い勝手と作業効率に優れた植物発根誘導剤と
その処理方法を提供せんとするところにある。
に本発明が採用した手段の要旨とするところは、叙上の
特許請求の範囲に記載のとおりである。
の式:
−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、イソブチル、
2−ブチル、(R)−2−ブチル、(S)−2−ブチ
ル、tert-ブチル、1−ペンチルのアルキル基及びアリ
ル基を示す)で示される化合物を有効成分として含む溶
液であって、培土に挿し木した無根の植物体の葉面上に
霧状噴霧することで当該植物の発根を誘導することを特
徴とする植物発根誘導剤」を、その要旨とするものであ
る。
度が、10-7〜10-2Mの範囲内であることを特徴とす
る請求項1記載の植物発根誘導剤」を、その要旨とする
ものである。
−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、イソブチル、
2−ブチル、(R)−2−ブチル、(S)−2−ブチ
ル、tert-ブチル、1−ペンチルのアルキル基及びアリ
ル基を示す)で示される化合物を有効成分として含む溶
液を、培土にさし木した無根の植物体の葉面上に霧状噴
霧することで当該植物の発根を誘導することを特徴とす
る無根植物体の発根誘導方法」を、その要旨とするもの
である。
度が、10-7〜10-2Mの範囲内であることを特徴とす
る請求項3記載の無根植物体の発根誘導方法」を、その
要旨とするものである。
ると、実際の使用に際しては、従来のように一本ずつ切
り口をソーキングしたりディッピングした後に培土に植
え込みするのではなく、プラグ内の培土に、茎葉や枝穂
など無根の植物体を直接植え込み、その上方から、簡易
噴霧器や霧吹きなどを使用して葉面上に霧状にして直接
噴霧することができ、これら無根の植物体を発根させて
活着させることができ、確実に栄養繁殖させることがで
きる。
え込んでおいて、例えば背負い式の噴霧器や栽培用ハウ
スに備えたスプリンクラー、灌水パイプ等を介して霧状
に噴霧することもでき、スムーズな作業ができてかかる
作業時間の短縮が図れる。
る植物の発根誘導方法によると、実際の使用に際して
は、プラグ内の培土に無根の植物体を直接植え込みその
上方から霧吹きなどを使用して当該植物体の葉上に噴霧
するから、従来のように一本ずつ切り口をソーキングし
たりドッピングした後に培土に植え込みする必要がな
く、スムーズな作業ができてかかる作業時間の短縮が図
れる。
剤を、実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、その
要旨を越えない限り、以下の実施例により本発明が限定
されるものではない。
は、植物の種類によって異なるが、おおむね1x10-7
M〜1x10-2Mの濃度範囲で使用される。1x10-7
Mより希薄溶液であると、植物に対する発根誘導作用が
不十分である傾向があり、1x10-2Mよりも濃厚であ
ると、植物によっては発根誘導作用を認められない場合
もある。なお、この濃度範囲はあくまでも便宜的なもの
に過ぎず、植物体の種類等毎にその最適濃度を予備検討
し、その結果に基づいて水で適宜希釈して使用すること
が好ましい。
応じて単独水溶液として使用できるし、濃厚溶液を調製
しておき使用時に例えば水にて所定の濃度に希釈して使
用できる。さらに、アルコールなど溶解補助剤にて溶解
しこれを所定の濃度となるように水で希釈して使用して
もよいし、キシレン等の有機溶媒に溶解しさらに例えば
ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテルとアル
キルベンゼンスルホン酸カルシウムの混合物と混合して
乳剤を得、この乳剤を所定の濃度になるように水で希釈
して使用するようにしても構わない。
するため、例えば農薬として通常用いられるドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、ノニフェニルエーテルな
どの補助剤を混合することもできるし、他の農薬、肥
料、展着剤、あいは市販の植物成長調節剤などと適宜混
合して使用することも可能である。
桑、サトウ大根、サトウキビなどの工芸用作物などの作
物だけでなく、松、杉、檜、ヒバなどの樹木、花卉、観
賞用植物など、様々な植物体に適用できる。
活着促進作用 栄養栽培中のスミレ苗を供試験した。スミレ苗の茎の下
方部を切り取り、無根のスミレ挿し穂(無根)を調整し
た。培土を充填したプラグトレーにスミレの挿し穂(無
根)をそれぞれ1本づつ植え付け、十分に灌水した。
ハウス内の作業台上にプラグトレーを並べ、5,6−ジ
クロロインドール−3−酢酸(5,6-Cl2 -IAA)水溶液
(5ppm)を霧吹きにてミスト状にして葉面が均一に
濡れる程度に噴霧し(1回のみ)、1日毎に1〜2回灌
水しながら38日間生育させた後、発根した挿し穂数、
発根しなかった挿し穂数、及び枯死した挿し穂数を数え
た。5,6−ジクロロインドール−3−酢酸(5,6-Cl2-
IAA)水溶液の代わりに水のみをミスト状にして噴霧し
た後、上記と同一条件下で生育したものを対照群とし
た。その結果を表1に示す。
のうち73本は枯死し、わずか27本(27%)が発根
したに過ぎなかったのに対して、処理群では挿し穂98
本のうち79本(81%)が発根し、枯死したものは1
4本だけであり、5,6−ジクロロインドール−3−酢
酸による発根、活着効果が極めて顕著であった。また、
無差別に掘り起こし視認した結果、対照群は7日目以降
でないと発根誘導の存在を確認できなかったが、処理群
にあっては3日目前後から発根誘導が認められた(統計
処理はしていない)。
名:ニッテン)を含む4−クロロインドール−3−酢酸
水溶液を使用した処理群の発根、活着成績を、1000
倍希釈した展着剤(商品名:ニッテン)のみを使用した
対処群と対比しても、上記と同様の結果が得られた。
促進作用 キクの茎の先端から5−10cm部分より5cmの長さ
の茎を切り取り、葉を2枚ずつ付けた挿し穂を調製し
た。これを露地条件の挿し穂8本ずつを一区として、非
検液(5ppm)水溶液をマスコットスプレーで霧状に
し葉面が均一に濡れる程度に1回噴霧した。これらのポ
ットを夜間最低温度15℃以上、日中最高温度30℃以
下の温度範囲に設定したキャビネット内で生育させた。
栽培期間中、土壌の乾燥程度により適宜適当量の灌水を
行った。
掘り上げて、各穂毎の発根程度をランク別に指数化し
た。その結果を、表2に示す。
ンドール−3−酢酸とその塩並びにエステル類に属する
化合物を有効成分とする植物発根誘導剤によると、実際
の使用に際しては、従来にように一本ずつ切り口をソー
シングしたりディッピングした後に培土に植え込むので
はなく、プラグ内の培土に茎葉や枝穂など無根の植物体
を直接植え込み、その上方から簡易噴霧器や霧吹きなど
を使用して葉面上に霧状にして直接噴霧することができ
るし、また、プラグ内の培土に無根の植物体を植え込ん
でおいて、例えば背負い式の噴霧器や栽培用ハウスに備
えたスプリンクラー、灌水パイプ等を介して霧状に噴霧
することもできるから、かかる作業をスムーズに実施で
きて作業効率の向上が図れる。
して噴霧するために誠に使い勝手に優れており、また無
根植物体に対して発根を効率的に誘導でき活着させるこ
とができる。すなわち、確実に栄養繁殖させ得る植物発
根誘導剤と無根植物体の発根誘導方法が提供でき、極め
て実効性に優れた効果が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】つぎの式: 【化1】 (式中、Rは水素、アルカリ金属、メチル、エチル、1
−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、イソブチル、
2−ブチル、(R)−2−ブチル、(S)−2−ブチ
ル、tert-ブチル、1−ペンチルのアルキル基及びアリ
ル基を示す)で示される化合物を有効成分として含む溶
液であって、培土に挿し木した無根の植物体の葉面上に
霧状噴霧することで当該植物の発根を誘導することを特
徴とする植物発根誘導剤。 - 【請求項2】前記化合物の濃度が、10-7〜10-2Mの
範囲内であることを特徴とする請求項1記載の植物発根
誘導剤。 - 【請求項3】つぎの式: 【化2】 (式中、Rは水素、アルカリ金属、メチル、エチル、1
−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、イソブチル、
2−ブチル、(R)−2−ブチル、(S)−2−ブチ
ル、tert-ブチル、1−ペンチルのアルキル基及びアリ
ル基を示す)で示される化合物を有効成分として含む溶
液を、培土にさし木した無根の植物体の葉面上に霧状噴
霧することで当該植物の発根を誘導することを特徴とす
る無根植物体の発根誘導方法。 - 【請求項4】前記化合物の濃度が、10-7〜10-2Mの
範囲内であることを特徴とする請求項3記載の無根植物
体の発根誘導方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000045601A JP3343588B2 (ja) | 2000-02-23 | 2000-02-23 | 無根植物体の発根誘導方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000045601A JP3343588B2 (ja) | 2000-02-23 | 2000-02-23 | 無根植物体の発根誘導方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001233714A true JP2001233714A (ja) | 2001-08-28 |
JP3343588B2 JP3343588B2 (ja) | 2002-11-11 |
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ID=18568156
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000045601A Expired - Lifetime JP3343588B2 (ja) | 2000-02-23 | 2000-02-23 | 無根植物体の発根誘導方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3343588B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007145718A (ja) * | 2005-11-24 | 2007-06-14 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 有害生物防除能力を有する微生物の施用方法 |
JP2011250733A (ja) * | 2010-06-01 | 2011-12-15 | Oji Paper Co Ltd | 植物の挿し木苗製造方法 |
JP5165154B2 (ja) * | 2010-04-27 | 2013-03-21 | 日本製紙株式会社 | 細胞分化促進剤およびその用途 |
-
2000
- 2000-02-23 JP JP2000045601A patent/JP3343588B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP5165154B2 (ja) * | 2010-04-27 | 2013-03-21 | 日本製紙株式会社 | 細胞分化促進剤およびその用途 |
JP2011250733A (ja) * | 2010-06-01 | 2011-12-15 | Oji Paper Co Ltd | 植物の挿し木苗製造方法 |
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