JPH05310509A - 甘藷用生長促進剤 - Google Patents

甘藷用生長促進剤

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JPH05310509A
JPH05310509A JP13216091A JP13216091A JPH05310509A JP H05310509 A JPH05310509 A JP H05310509A JP 13216091 A JP13216091 A JP 13216091A JP 13216091 A JP13216091 A JP 13216091A JP H05310509 A JPH05310509 A JP H05310509A
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JP
Japan
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sweet potato
salt
parts
sweet potatoes
growth promoter
Prior art date
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Pending
Application number
JP13216091A
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English (en)
Inventor
Michiyasu Okamura
充康 岡村
Yuriko Yoshida
百合子 吉田
Saburo Yamamura
三郎 山村
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Hokko Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はクエン酸(塩)とリンゴ酸(塩)と
の特定の割合の混合物およびオーキシン活性を有する植
物ホルモン物質の3種混合物を有効成分としてなる甘藷
用生長促進剤を提供することを目的とする。 【構成】 クエン酸またはその塩と、リンゴ酸またはそ
の塩が2:8ないし8:2の比率からなる混合物とオー
キシン活性を有する植物生長ホルモン物質との3種混合
物を有効成分として含有することを特徴とする甘藷用生
長促進剤。該混合物を甘藷の茎葉に散布するか、もしく
は該混合物に甘藷を浸漬処理することにより甘藷の発根
を促進し、その結果、品質向上、増収をもたらす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な甘藷用生長促進
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】クエン酸やリンゴ酸などの有機酸が植物
の生長を促進すること(特公昭56−34565号公
報)、さらにクエン酸またはその塩とリンゴ酸またはそ
の塩の混合物を根菜類、果菜類、果樹類、花き類に茎葉
散布するか、もしくはこれらの栽培地の土壌中に灌注す
るか、またはこれらの植物の幼苗を浸漬処理することに
より、作物の生長を促進して増収すること(特開平2−
178203号公報)が知られている。
【0003】一方、オーキシン活性を有する植物生長ホ
ルモン物質(以下、「オーキシン類」という)で農業上
実用に供されているものは、インドール酪酸による花木
類の発根促進、パラクロルフェノキシ酪酸(以下、「4
−CPA」という)によるトマト、ナスの着果促進、2
−メチル−4−クロルフェノキシ酪酸(以下、「MCP
B」という)によるりんご、日本なしの収穫前落果防止
などである(「農薬ハンドブック 1989年版」 第
378頁〜第401頁、日本植物防疫協会発行)。
【0004】しかし、有機酸、オーキシン類による甘藷
に対する発根促進、品質向上、増収などの作用について
は知られていない。
【0005】一方、塩化コリンは、甘藷苗の浸漬処理で
発根促進、塊根肥大促進作用を示すことが知られている
(特公昭61−58441号公報)。しかしながら、塩
化コリンの茎葉散布による甘藷の発根促進、品質向上、
増収などの作用は期待できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまで、茎葉散布に
よる甘藷の発根促進、品質向上、増収効果を期待しうる
薬剤は、開発されていない。そのため、甘藷に対する安
全性が高く、かつ茎葉散布と浸漬処理による甘藷の発根
促進、品質向上、増収効果を発揮する薬剤の創製が、要
望されている。
【0007】したがって、本発明は、茎葉散布や浸漬処
理方法により、甘藷の発根促進、品質向上、増収効果を
もたらす新規な甘藷用生長促進剤を提供せんとするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
課題を解決するために多数の化合物を供試し鋭意検討し
た。その結果、有効成分としてクエン酸またはその塩
と、リンゴ酸またはその塩、およびオーキシン類との3
種混合物を甘藷苗に茎葉散布、あるいは浸漬処理するこ
とにより、甘藷に薬害もなく、かつ極めてすぐれた甘藷
の発根促進、品質向上、増収効果を発揮することを見い
だした。
【0009】したがって、本発明は、クエン酸またはそ
の塩と、リンゴ酸またはその塩が2:8ないし8:2の
比率からなる混合物とオーキシン類との3種混合物を含
有することを特徴とする甘藷用生長促進剤を提供するも
のである。
【0010】本発明を実施する方法(製剤化の方法) 本発明の甘藷用生長促進剤を製剤化するに際しては、本
発明の有効成分であるクエン酸、リンゴ酸はそのまま使
用することができるが、通常は水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムな
どの無機塩基、またはピリジン、トリエタノールアミン
などの有機塩基でpHを4から8の範囲内に調整して使
用するのがよい。さらに、クエン酸、リンゴ酸はナトリ
ウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの無機
塩または第4級アンモニウム塩などにしてもその効力は
何ら変わるものではない。
【0011】本発明では、クエン酸またはその塩と、リ
ンゴ酸またはその塩との混合比率は2:8ないし8:2
とすることが望ましい。
【0012】一方、本発明の有効成分であるオーキシン
類は、インドール酪酸、MCPB、2−メチル−4−ク
ロルフェノキシチオ酢酸−S−エチル(以下、「フェノ
チオール」という)、2,4−ジクロルフェノキシ酢酸
(以下、「2,4−D」という)、4−CPAなどが使
用できる。
【0013】そして、本発明では、クエン酸またはその
塩と、リンゴ酸またはその塩とからなる混合物とオーキ
シン類との混合比率は1:10000ないし50000
0:1とすることが望ましい。
【0014】一般に、本発明の甘藷用生長促進剤は、農
薬製剤に常用される液体担体、固体担体などを用いて液
剤、水和剤、水和顆粒剤、フロアブル剤あるいは乳剤な
どの任意の剤型にして使用することもできる。
【0015】使用できる担体としては、例えば、固体担
体としては、鉱物質粉末(カオリン、ベントナイト、ク
レー、モンモリロナイト、タルク、ホワイトカーボンな
ど)、植物性粉末(大豆粉、小麦粉、木粉、タバコ粉、
でんぷんおよび結晶セルロースなど)、高分子化合物
(石油樹脂、ポリ塩化ビニル、ケトン樹脂など)、アル
ミナおよびワックス類などが挙げられる。
【0016】また、液体担体としては、水、アルコール
類(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、iso−プロピルアルコール、ブタノー
ルおよびベンジルアルコールなど)、グリコール類(エ
チレングルコールなど)などが挙げられる。
【0017】また、水和剤、フロアブル剤などの製剤化
に際しては、必要に応じて、分散、可溶化、湿潤、発
砲、潤滑、拡展などの目的で各種の界面活性剤などを使
用することができる。この場合、界面活性剤としては、
非イオン型界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオ
キシエチレンソルビタンアルキルエステルおよびソルビ
タンアルキルエステルなど)、陰イオン型界面活性剤
(アルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルホサク
シネート、アルキルスルフォネート、ポリオキシエチレ
ンアルキルスルフォネート、アリールスルフォネートな
ど)、陽イオン型界面活性剤(ラウリルアミン、ステア
リルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメ
チルベンジルアンモニウムクロリド、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミンなど)、両性型界面活性剤(ラウリル
ベタイン、ステアリルベタイン、硫酸エステルなど)が
挙げられるが、もちろんこれらの例示のみに限定される
ものではない。
【0018】また、通常、製剤に用いられる物理性改良
剤、分解防止剤、防腐剤、酸化防止剤なども使用でき
る。
【0019】前記した各種製剤を調整する場合、本発明
の甘藷用生長促進剤は、1部〜40部(重量部)の範囲
で含有できる。
【0020】また、本発明の甘藷用生長促進剤の使用に
際しては、既存の植物生長調整剤、殺菌剤、殺虫剤、肥
料などと併用することもできる。
【0021】本発明の甘藷用生長促進剤の使用時期は、
茎葉散布する場合は、挿苗3時間前から2日前、あるい
は定植直後から30日後であり、浸漬処理する場合は、
挿苗1時間前から24時間前である。施用薬量は、本発
明の有効成分を3種成分の合計量で、茎葉散布する場合
は、10アール当たり0.01ppm〜5000ppm
であり、また浸漬処理する場合は0.0001〜100
ppmである。
【0022】本発明の甘藷用生長促進剤を液剤、乳剤、
水和顆粒剤または水和剤として使用する場合はこれらを
水で所定濃度に希釈できる。そして、茎葉散布剤として
の散布液量は、10アール当たり、100〜500lと
すればよい。
【0023】実施例 本発明の製剤化について実施例によってさらに具体的に
説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。なお、実施例中で部とは、すべて重量
部を示す。
【0024】実施例1 乳剤 クエン酸 12部、リンゴ酸 6部、フェノチオール
9部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル
10部、キシロール 63部に溶解して乳剤を得る。
【0025】実施例2 水和剤 クエン酸ナトリウム 12部、リンゴ酸ナトリウム 6
部、2,4−Dナトリウム塩 6部、リグニンスルホン
酸ナトリウム 3部、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル 2部およびクレー 71部をハンマーミル
で粉砕、混合して水和剤を得る。
【0026】実施例3 水和剤 クエン酸ナトリウム 12部、リンゴ酸ナトリウム 6
部、MCPB 6部、リグニンスルホン酸ナトリウム
3部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 2
部およびクレー71部をハンマーミルで粉砕、混合して
水和剤を得る。
【0027】実施例4 水和顆粒剤 クエン酸ナトリウム 5部、リンゴ酸ナトリウム 5
部、インドール酪酸 10部、リグニンスルホン酸ナト
リウム 3部、ラウリル硫酸ナトリウム 2部、クレー
75部を加え、ハンマーミルで混合する。これに、水
15部を加えて混練し、押し出し造粒機にて造粒す
る。次いで、乾燥し、さらに篩別(14〜32メッシ
ュ)して水和顆粒剤を得る。
【0028】実施例5 乳剤 クエン酸ナトリウム 0.006部、リンゴ酸ナトリウ
ム 0.012部、フェノチオール 9部、ポリオキシ
エチレンスチリルフェニルエーテル 10部、キシロー
ル 80.982部に溶解して乳剤を得る。
【0029】次に、本発明の甘藷用生長促進剤の有用性
を試験例によって、さらに具体的に示す。
【0030】試験例1 甘藷苗の発根促進効果 実施例2に準じて調製したクエン酸、リンゴ酸および
2,4−Dナトリウム塩を含有する水和剤を、所定濃度
となるよう水で希釈した。
【0031】採苗後、冷暗所で7日間保管した甘藷苗
(品種:ベニコマチ)の切口が、予め上記により得た薬
液500mlを充填した直径11cm、高さ15cmの
大きさのプラスチックポットに充分浸るようにし、24
時間浸漬処理した。処理した苗は、水洗せず予め水道水
500mlを充填した前記の大きさのプラスチックポッ
トでさらに7日間水耕栽培した。
【0032】調査は水耕7日後に行い、最長根長、根部
生体重量、茎葉部生体重量について測定した。
【0033】本試験は、1区15本とし、3連制で実施
した。その結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】試験例2 甘藷苗の定植前の茎葉散布によ
る品質向上、増収効果 実施例1に準じて調製したクエン酸、リンゴ酸、フェノ
チオールの混合物およびクエン酸ナトリウム塩、リンゴ
酸ナトリウム塩、フェノチオールの混合物からなる乳剤
を所定濃度に希釈した。これを採苗後、冷暗所で7日間
保管した甘藷苗(品種:紅高系)に、滴下する程度の薬
液量を茎葉散布した。散布した苗は、圃場に直立挿しで
定植した。
【0036】本発明の甘藷用生長促進剤による甘藷の初
期生育促進効果は、定植40日後に各区20株の茎葉部
の分枝数、分枝長および生体重量を調査し、求めた。ま
た、甘藷の増収効果は、定植102日後に各区40株を
堀り取り総収量を、品質向上効果は、農協企画基準(千
葉かんしょ選果基準による)に基づき調査し、それぞれ
示した。さらに、デンプン含量の指標としての切り干し
歩合は、厚さ0.5cmに輪切りした「イモ」の生体重
量(F)および、3日間天日で乾燥させた後の乾物重量
(D)を測定することによって、次式から求めた。
【数1】切り干し歩合(%)=(D÷F)×100 本試験は、1区50m2とし、3連制で実施した。その
結果を表2〜表3に示した。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】試験例3 甘藷苗の定植後の茎葉散布によ
る品質向上、増収効果 実施例3に準じて調製したクエン酸、リンゴ酸およびM
CPBの混合物からなる水和剤を所定濃度に希釈し、1
0アール当たり200l相当量の薬液を、定植10日後
の甘藷苗(品種:高系14号)全体に茎葉散布した。
【0040】本発明の甘藷用生長促進剤による甘藷の初
期生育促進効果は、定植40日後に各区20株の茎葉部
の分枝数、分枝長および生体重量を調査して求めた。ま
た、増収効果は定植105日後に各区40株を堀り取り
総収量を、品質向上効果は農協規格基準(千葉かんしょ
選果基準による)に基づき調査し、それぞれ示した。さ
らに、デンプン含量の指標としての切り干し歩合は、試
験例2と同様にして求めた。
【0041】本試験は、1区50m2とし、3連制で実
施した。その結果を表4〜表5に示した。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【発明の効果】本発明の甘藷用生長促進剤は、甘藷苗に
茎葉散布するか、あるいは浸漬処理することにより、甘
藷の発根促進、品質向上、増収効果を発揮する。
【0045】すなわち、第一に本発明の甘藷用生長促進
剤は、甘藷苗の発根を促進し、茎葉部の初期生育を促進
し、増収させる。さらに、高品質のイモ収量を増加させ
るとともに、デンプン含量の指標となる切り干し歩合を
も増加させる。
【0046】第二に、本発明の甘藷用生長促進剤は甘藷
に薬害をもたらさないのみならず環境を汚染することが
なく、しかも人畜に悪影響を及ぼさないため安全に使用
することができる。
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 甘藷用生長促進剤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項】クエン酸またはその塩と、リンゴ酸またはそ
    の塩が2:8ないし8:2の比率からなる混合物とオー
    キシン活性を有する植物生長ホルモン物質との3種混合
    物を有効成分として含有することを特徴とする甘藷用生
    長促進剤。
JP13216091A 1991-05-09 1991-05-09 甘藷用生長促進剤 Pending JPH05310509A (ja)

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JP13216091A JPH05310509A (ja) 1991-05-09 1991-05-09 甘藷用生長促進剤

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