JP4692023B2 - 有害生物防除方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有害生物防除方法、特に(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと殺虫性糸状菌との併用による有害生物防除方法殺虫性油剤等に関する。 本発明は、殺虫性油剤等に関するものである。
(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンが殺虫活性を有することが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、ある種の糸状菌が殺虫活性を有することが知られている(例えば、特許文献2、3参照)。
特公平6−62610号公報 特開2003−95834号公報 米国特許2002/0146444パンフレット
現在、コナジラミ類やアブラムシ類等の難防除有害生物に対して、当該有害生物に防除効果を有する各種薬剤を1週間から1ヶ月程度の間隔を空けてローテーション施用することが薦められているが、このような方法を用いてもこれらの難防除害虫を十分に防除することは必ずしも容易なことではなく、より優れた防除方法が望まれている。
本発明者等は、かかる状況下に鋭意検討した結果、特定の薬剤の組み合わせとそれに応じた施用方法(具体的には、同時・連続処理)とにより、上記のような難防除有害生物に対してもより低薬量で優れた防除効果を発揮することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと殺虫性糸状菌との併用による有害生物防除方法であり、一方の薬剤を有害生物又は有害生物の生息場所に施用した後4日間以内に他方の薬剤を前記の有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物防除方法(以下、本発明方法と記すこともある。);
2.(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンの施用量と殺虫性糸状菌の施用量との薬剤量:菌数比率(g:CFU)が、1:10〜1:1017であることを特徴とする前項1記載の有害生物防除方法;
3.(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンの施用量が200mg/ha〜5000g/haであることを特徴とする前項1〜2のいずれかの前項記載の有害生物防除方法;
4.殺虫性糸状菌の施用量が1×1011CFU/ha〜1×1015CFU/haであることを特徴とする前項1〜3のいずれかの前項記載の有害生物防除方法;
5.殺虫性糸状菌がペーシロマイセス属、ボーベリア属、メタリジウム属、ノムラエア属、バーティシリウム属、ヒルステラ属、クリシノミセス属、ソロスポレラ属及びトリポクラディウム属からなる群から選択される属に属する一種以上の糸状菌であることを特徴とする前項1〜4のいずれかの前項記載の有害生物防除方法;
6.殺虫性糸状菌がペーシロマイセス・テヌイペス、ペーシロマイセス・フモソロセウス、ペーシロマイセス・ファリノーサス、ボーベリア・バッシアナ、ボーベリア・ブロングニアティー、メタリジウム・アニソプリエ、メタリジウム・フラボビリデ、メタリジウム・シリンドロスポラエ、ノムラエア・リレイ及びバーティシリウム・レカニからなる群から選択される種に属する一種以上の糸状菌であることを特徴とする前項1〜5のいずれかの前項記載の有害生物防除方法;
7.殺虫性糸状菌がペーシロマイセス・テヌイペス T1株(FERM BP−7861)であることを特徴とする前項1〜6のいずれかの前項記載の有害生物防除方法;
8.(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと殺虫性糸状菌との併用により有害生物を防除する際に、一方の薬剤を有害生物又は有害生物の生息場所に施用した後4日間以内に他方の薬剤を前記の有害生物又は有害生物の生息場所に施用するための、(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと殺虫性糸状菌との使用;
9.有効成分として、(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと殺虫性糸状菌とを含有することを特徴とする有害生物防除剤;
等を提供するものである。
本発明方法は、有害生物の防除に優れた効果を有し、特にコナジラミ類やアブラムシ類等の難防除有害生物に対して優れた効果を示す。
本発明方法において用いられる薬剤の一つである「(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オン」(以下、本化合物と記すこともある。)は、下記の化1で示される殺虫性化合物であって、例えば、特公平6−62610号公報等に記載された公知な化合物である。当該化合物は、前記公報に記載された方法で製造することができる。
Figure 0004692023
本発明方法において用いられる薬剤の他の一つである「殺虫性糸状菌」(以下、本殺虫性糸状菌と記すこともある。)は、例えば、ペーシロマイセス(Paecilomyces)属、ボーベリア(Beauveria)属、メタリジウム(Metarhizium)属、ノムラエア(Nomuraea)属、バーティシリウム(Verticillium)属、ヒルステラ(Hirsutella)属、クリシノミセス(Culicinomyces)属、ソロスポレラ(Sorosporella)属及びトリポクラディウム(Tolypocladium)属からなる群から選択される属に属する一種以上の糸状菌等を挙げることができる。
ペーシロマイセス属に属する殺虫性糸状菌としては、例えば、ペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)に属する糸状菌、ペーシロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)に属する糸状菌、ペーシロマイセス・ファリノーサス(Paecilomyces farinosus)に属する糸状菌等を挙げることができる。具体的には、ペーシロマイセス・テヌイペス T1株(寄託番号FERM BP−7861)、ペーシロマイセス・テヌイペス ATCC44818、ペーシロマイセス・フモソロセウス IFO8555、ペーシロマイセス・フモソロセウス IFO7072、ペーシロマイセス・フモソロセウスATCC20874等を挙げることができる。ボーベリア属に属する殺虫性糸状菌としては、例えば、ボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana)、ボーベリア・ブロングニアティー(Beauveria brongniartii)に属する糸状菌等を挙げることができる。具体的には、ボーベリア・バッシアナATCC74250株等を挙げることができる。メタリジウム属に属する殺虫性糸状菌としては、例えば、メタリジウム・アニソプリエ(Metarhizium anisopliae)、メタリジウム・フラボビリデ(Metarhizium flavoviride)、メタリジウム・シリンドロスポラエ(Metarhizium cylindrosporae)に属する糸状菌等を挙げることができる。ノムラエア属に属する殺虫性糸状菌としては、例えば、ノムラエア・リレイ(Nomuraea rileyi)に属する糸状菌等を挙げることができる。バーティシリウム属に属する殺虫性糸状菌としては、例えば、バーティシリウム・レカニ(Verticillium lecanii)に属する糸状菌等を挙げることができる。
これらは、天然から分離してもよいし、菌株保存機関等から購入してもよい。天然から分離する場合には、まず、体が硬化し、体からキノコ状のものが生えている死亡虫を野外から採取する。当該死亡虫に形成されている分生子を白金耳で触れ、SDY培地(組成:ペプトン 1%(W/V)、酵母エキス 1%(W/V)、ブドウ糖 2%(W/V)、寒天 1.5%(W/V))やCzapek培地(組成:NaNO 0.3%(W/V)、KHPO 0.1%(W/V)、MgSO・7HO 0.05%(W/V)、KCL 0.05%(W/V)、FeS0・7HO 0.001%(W/V)、ショ糖 3%(W/V)、寒天 1.5%(W/V))等の固体培地に線を引くように擦りつける。25℃で培養し、数日後に生えてきた菌の独立したコロニーを切り取り、新しいSDY培地やCzapek培地等の固体培地に移植し、さらに25℃で培養する。生育してきた菌について、植物防疫特別増刊号No.2天敵微生物の研究手法(社団法人日本植物防疫協会発行)記載の方法等に従って、属、種等の同定を行い、糸状菌を選抜すればよい。
つぎに、選抜された糸状菌の殺虫活性の有無を確認する。選抜された糸状菌をSDY培地やCzapek培地等の固体培地で25℃で培養し、形成された分生子を1×10CFU/ml(CFU:コロニー形成単位)となるように滅菌水に懸濁し、分離源となった死亡虫と同種の昆虫10頭を懸濁液に30秒間浸漬する。浸漬した昆虫を25℃、湿度100%の条件下で飼育し、接種後6日後に死亡虫が観察される菌株を、殺虫性糸状菌として選抜することができる。
本殺虫性糸状菌は、液体培地又は固体培地を用いて培養することにより調製することができる。
当該糸状菌の培養に用いられる液体培地又は固体培地は、当該糸状菌が増殖するものであれば特に限定されるものではなく、微生物培養に通常使用される炭素源、窒素源、有機塩及び無機塩等を適宜含む培地が用いられる。
液体培地は、通常水に炭素源、窒素源、有機塩、無機塩、ビタミン類等を適宜混合することにより調製できる。
液体培地に用いられる炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、シュークロース等の糖類、グリセロール等の糖アルコール類、フマル酸、クエン酸、ピルビン酸等の有機酸、動植物油及び糖蜜等が挙げられる。培地に含まれる炭素源の量は、通常0.1〜20%(w/v)である。
液体培地に用いられる窒素源としては、例えば、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コーン・スティープ・リカー(Corn Steep Liquior)、綿実粉、乾燥酵母、カザミノ酸等の天然有機窒素源、硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩や硝酸塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩、尿素及びアミノ酸類が挙げられる。培地に含まれる窒素源の量は、通常0.1〜30%(w/v)である。
液体培地に用いられる有機塩や無機塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の塩化物、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩が挙げられ、具体的には例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸一水素カリウム及びリン酸ニ水素カリウムが挙げられる。培地に含まれる無機塩や有機塩の量は、通常0.0001〜5%(w/v)である。
ビタミン類としては、チアミン等が挙げられる。
固体培地としては、例えば、米類、麦類等の主穀類、トウモロコシ、栗、稗、コーリャン、蕎麦等の雑穀類、オガ粉、バガス、籾殻、フスマ、莢、藁、コ−ンコブ、綿実粕、オカラ、寒天、ゼラチン等を挙げることができる。また、これらの2種以上を混合して使用することもでき、さらに、前記液体培地に使用される炭素源、窒素源、有機塩、無機塩、ビタミン等を適宜混合したものが挙げられる。
本殺虫性糸状菌の培養に用いられる培地の具体的例としては、液体培地として、2%マルトエキス液体培地、オートミール液体培地、ポテトデキストロース液体培地、サブロー液体培地及びL−broth液体培地等が挙げられ、固体培地として、米、大麦、フスマ、寒天培地(2%マルトエキス寒天培地、オートミール寒天培地、ポテトデキストロース寒天培地、サブロー寒天培地及びL−broth寒天培地等)等が挙げられる。
本殺虫性糸状菌の培養は、微生物の培養に通常使用される方法を用いて行うことができる。即ち、液体培地を用いて培養する方法としては、例えば、試験管振盪式培養、往復式振盪培養、ジャーファーメンター培養及びタンク培養が挙げられ、固体培地を用いて培養する方法としては、例えば、静置培養が挙げられ、必要に応じ切り返しを加えてもよい。培養温度は、当該菌が生育可能な範囲で適宜変更することができるが、通常15℃〜35℃の範囲で有り、培地のpHは通常約5〜7の範囲である。培養時間は培養条件により異なるが、通常約1日間〜約2ヶ月間の範囲である。
当該菌は、当該菌を培養した培養液を遠心分離する方法、当該菌を培養した固体培地上に蒸留水等を加えて表面から菌体をかきとる方法や、固体培地を乾燥させ粉砕した後、篩により分画する方法等により得ることができる。
また本殺虫性糸状菌として市販の殺虫性糸状菌製品を用いてもよい。例えば、バータレック(商標登録)(アリスタライフサイエンス(株))、マイコタール(商標登録)(アリスタライフサイエンス(株))、ボタニガードES(商標登録)(アリスタライフサイエンス(株))、プリファード(商標登録)(東海物産(株))等を挙げることができる。
本発明方法では、本殺虫性糸状菌を種々の形態で利用することができる。例えば、分生子、芽状胞子(blastospore)、菌糸体、菌糸体の断片等の形態で施用したり、これらの形態の2種若しくはそれ以上の混合物の形態で施用することもできる。
本発明方法において防除対象となる有害生物としては、例えば、昆虫類や有害ダニ類等の広範囲な有害生物を挙げることができる。その代表的な有害生物の例としては下記のものが挙げられる。
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis pserudobrassicae)等のアブラムシ類、カメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolli)等のコナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilalis)、シバツトガ(Parapediasia teterrella)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brasicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna)、ヘリオティス属(Heliothis spp.)、ヘリコベルパ属(Helicoverpa spp.)、エアリアス属(Earias spp.)等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)等のシロチョウ類、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、コドリングモス(Cydia pomonella)等のハマキガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)等のチビガ類、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)等のホソガ類、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)等のコハモグリガ類、コナガ(Plutella xylostella)などのスガ類、ドクガ(Euproctis taiwana)、マイマイガ(Lymantria dispar)、モンシロドクガ(Euproctis similis)などのドクガ類、ヒメクロイラガ(Scopelodes contracus)などのイラガ類、マツカレハ(Dendrolimus spectabilis)などのカレハガ類、ピンクボールワーム(Pectinophora gossypiella)等のキバガ類、ヒトリガ類、ヒロズコガ類等
双翅目害虫:マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、ナスハモグリバエ(Liriomyza bryoniae)、トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)、ヨメナスジハモグリバエ(Liriomyza asterivora)、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)等のハモグリバエ類、イエカ類、ヤブカ類、ハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ハナバエ類、タマバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類等
鞘翅目害虫:ハムシ類、コガネムシ類、ゾウムシ類、オトシブミ類、カミキリムシ類、ゴミムシダマシ類等
アザミウマ目害虫:ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)等のスリップス属、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)等のフランクリニエラ属、チャノキイロアザミウマ(Sciltothrips dorsalis)等のシルトスリップス属等のアザミウマ類、クダアザミウマ類等
膜翅目害虫:ハバチ類、アリ類、スズメバチ類等
網翅目害虫:ゴキブリ類、チャバネゴキブリ類等
直翅目害虫:バッタ類、ケラ類
隠翅目害虫:ヒトノミ等
シラミ目害虫:ヒトジラミ等
シロアリ目害虫:ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)等のシロアリ類
ダニ目害虫:テトラニカス属(Tetranychus spp.)、パノニカス属(Panonychus spp.)等のハダニ類、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)等のフシダニ類、コナダニ類、マダニ類等
本発明方法において、(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オン(即ち、本化合物)の施用量と殺虫性糸状菌(即ち、本殺虫性糸状菌)の施用量との薬剤量:菌数比率(g:CFU)としては、1:10〜1:1017を挙げることができ、好ましくは1:10〜1:1016が挙げられる。
本発明方法において用いられる各々の薬剤(以下、本薬剤と記すこともある。)又は両者薬剤を含有する有害生物防除剤(以下、本発明有害生物防除剤と記すこともある。)は、他の何らの成分も加えず、そのまま有効成分(即ち、本化合物若しくは本殺虫性糸状菌)のみを単独又は混合して用いてもよいが、通常は当該有効成分にさらに固体坦体、液体坦体等、必要により界面活性剤、その他の製剤用補助剤を加えることにより、油剤、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、粉剤、粒剤、マイクロカプセル剤等の各種製剤にして用いることが好ましい。これらの製剤には、通常、重量比で約0.01〜95%の割合で有効成分を含有させることがよい。
製剤化の際に用いられる固体坦体としては、例えば、粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク類、セラミック類、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末や粒状物があげられる。
液体坦体としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、非芳香族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油、マシン油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド類)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド、植物油(大豆油、綿実油等)等があげられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化合物、ポリエチレングリコールエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体、シリコーン系界面活性剤等があげられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、糖類(澱粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールおよび3−tert−ブチル−4−メトキシフェノール)、植物油、鉱物油、界面活性剤、脂肪酸、脂肪酸エステル等が挙げられる。
水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤には、通常、重量比で約1〜75%の割合の有効成分を、重量比で約0.5〜15%の割合の懸濁補助剤(例えば、保護コロイドやチクソトロピー性を付与しうる物質)と重量比で約0〜10%の補助剤(例えば消泡剤、防錆剤、安定剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤等)とを含む水中で、微少に分散させることにより得ることができる。
これらの製剤には、通常、重量比で約0.01〜95%の割合で有効成分を含有させることがよい。
本発明有害生物防除剤は、本発明方法において用いられる各々の薬剤の有効成分(即ち、本薬剤)を上記の製剤手法により製剤した後、これら製剤を混合することにより調製することもできる(混用での併用)。即ち、本発明有害生物防除剤は、その製剤形態によっては、本化合物を予め製剤化したものと、本殺虫性糸状菌を予め製剤化したものとを混合することにより調製してもよく、また、両者を施用時に併用(混用での併用又は非混用での併用)することもできる。
このようにして製剤化された、本発明方法において用いられる各々の薬剤(即ち、本薬剤)又は両者薬剤を含有する有害生物防除剤(即ち、本発明有害生物防除剤)は、そのままで、又は水等に希釈して用いればよい。また、さらに他の殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料等を、本発明方法における防除効果を消失しない範囲において併用(混用での併用又は非混用での併用)することもできる。
本発明方法において用いられる各々の薬剤(即ち、本薬剤)又は両者薬剤を含有する有害生物防除剤(即ち、本発明有害生物防除剤)は、有害生物又は有害生物の生息場所(有害生物から保護すべき植物を含む)等に施用される。その際、本薬剤又は本発明有害生物防除剤が乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等に製剤化されたものである場合には、通常、水等で希釈して処理される。
これらの薬剤を施用する際には、一方の薬剤を有害生物又は有害生物の生息場所に施用した後4日間以内に他方の薬剤を前記の有害生物又は有害生物の生息場所に施用することが重要である。具体的には例えば、本化合物を施用した後4日間以内に本殺虫性糸状菌を施用してもよいし、また本殺虫性糸状菌を施用した後4日間以内に本化合物を施用してもよい。勿論、本化合物と本殺虫性糸状菌とを同時に混用で施用してもよいし、また本化合物と本殺虫性糸状菌とを同時に非混用で施用してもよい。
本発明方法において用いられる各々の薬剤(即ち、本薬剤)又は両者薬剤を含有する有害生物防除剤(即ち、本発明有害生物防除剤)を農園芸分野における有害生物又は有害生物の生息場所に対して施用する場合には、
(1)本薬剤の有効成分が(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンである場合、その施用量を200mg/ha〜5000g/haにすればよい。
(2)一方、本薬剤の有効成分が殺虫性糸状菌である場合、その施用量が1×1011CFU/ha〜1×1015CFU/haにすればよい。
尚、有害生物防除のための有効成分を粒剤、粉剤、油剤等のまま施用する場合には、通常、上記の施用量となるように何ら希釈することなくそのまま施用すればよい。また、有害生物防除のための有効成分を乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等を水に希釈して施用する場合でも、上記の施用量となるように水で希釈して施用すればよい。具体的には例えば、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等を水で希釈して用いる場合には、
(1)本薬剤の有効成分が(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンである場合、その施用濃度を0.001ppm〜100ppmにすればよい。
(2)一方、本薬剤の有効成分が殺虫性糸状菌である場合、その施用濃度が1×10CFU/ml〜1×10CFU/mlにすればよい。
上記の施用量(及び施用濃度)は、いずれも製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、害虫の種類、被害程度等の状況によって異なり、上記の範囲に関わることなく増減して適宜選択することができる。
以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 (本殺虫性糸状菌の調製)
500ml容フラスコに入れた100mlのポテトデキストロース培地(Difco Laboratories製)に予めポテトデキストロース寒天培地(Difco Laboratories製)で培養されたペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株(FERM BP−7861)の菌体を接種し、25℃で3日間振とう培養することにより、培養液を得た。滅菌水120mlが添加された滅菌済みフスマ80gに、前記培養液20mlを接種し、25℃、湿度90%の条件下で、光(2000〜3000ルクス)を間欠照射(明条件:連続14時間/日、暗条件:連続10時間/日)しながら17日間培養した。培養後、菌体(分生子を多く含む)が形成されたフスマを乾燥させ、乾燥後のフスマ及び直径20mmの瑪瑙ボール5個を日本工業規格標準ふるい(JIS Z 8801:60メッシュのふるいを使用)に入れ、これを日本工業規格標準ふるい(JIS Z 8801:100、200メッシュのふるいを使用)と重ねて、自動ふるい振とう機(FRITSCH社製)で10分間振とうすることにより、200メッシュ以下の画分に前記菌株の2×1010CFU/gのペーシロマイセス・テヌイペスT1株の菌体粉末を2.2g得た。
次に本発明方法が優れた有害生物防除効果を示すことを実施例により示す。尚、2種類の有効成分を混合して施用した際に予想される殺虫率の理論値は、E=X+Y−(X+Y/100)(因みに、当該式は薬剤の組み合わせに対する相乗効果および拮抗効果の判定基準を算出するために用いられている当該分野における一般的な数式である)により求められる。当該式において、
X:有効成分Aを施用量Mで施用した際の殺虫率(%)
Y:有効成分Bを施用量Nで施用した際の殺虫率(%)
E:有効成分Aを施用量Mで、有効成分Bを施用量Nで施用した際に予想される殺虫率の理論値(%)
実施例2 シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)に対する殺虫活性試験(その1)
トマト(ポンテローザ、タキイ種苗株式会社製)の種子をクレハ培土(呉羽化学株式会社製)を入れたプラスチックポットに植え、温室で第2葉期まで栽培した。生育したトマトにシルバーリーフコナジラミ成虫約100頭を放飼した。このようにして当該成虫に1日間産卵させた後のトマトから成虫を除去した後、これを25℃、湿度を制御しない条件下で光(2000〜3000ルクス)を間欠照射(明条件:連続14時間/日、暗条件:連続10時間/日)しながら8日間栽培した。8日後、トマトの葉の幼虫数を計測した。
一方の薬剤として25%水和剤(チェス水和剤、シンジェンタジャパン株式会社製)と、他方の薬剤として実施例1で得られたペーシロマイセス・テヌイペスT1株の菌体粉末とを混合して各々の所定施用量になるように加えた希釈液に、展着剤(新リノー、日本農薬株式会社製)を当該希釈液の1/5000量加えた後、この混合物を振とうすることにより試験用散布液を調製した(以下、本発明Aと記すこともある。)。得られた散布液を幼虫が寄生したトマトの植物体全体に1ポットあたり10ml散布した。散布後、当該植物体を25℃、湿度90%の条件下で光(2000〜3000ルクス)を間欠照射(明条件:連続14時間/日、暗条件:連続10時間/日)しながら8日間栽培した。尚、無処理区は、上記の散布液の代わりに展着剤を1/5000量加えた水を用いること以外は同様な試験方法を施した試験区であった。
8日後に、シルバーリーフコナジラミの生虫数を計測することにより、前記散布液の噴霧前後の生虫数から下記の式より死虫率(3反復の平均値)を算出した。
死虫率(%)=100×(散布前幼虫数−試験後生虫数)/散布前幼虫数
また、当該死虫率を下記の式によって補正することにより殺虫率を算出した。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:薬剤処理区における死虫率(%)
Mc:無処理区における死虫率(%)
その結果を表1に示す。
Figure 0004692023
実施例3 シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)に対する殺虫活性試験(その2)
トマト(ポンテローザ、タキイ種苗株式会社製)の種子をクレハ培土(呉羽化学株式会社製)を入れたプラスチックポットに植え、温室で第2葉期まで栽培した。生育したトマトにシルバーリーフコナジラミ成虫約100頭を放飼した。このようにして当該成虫に1日間産卵させた後のトマトから成虫を除去した後、これを25℃、湿度を制御しない条件下で光(2000〜3000ルクス)を間欠照射(明条件:連続14時間/日、暗条件:連続10時間/日)しながら8日間栽培した。8日後、トマトの葉の幼虫数を計測した。
一方の薬剤として25%水和剤(チェス水和剤、シンジェンタジャパン株式会社製)と、他方の薬剤として市販の殺虫性糸状菌製剤であるマイコタール水和剤(バーティシリウム・レカニ(Verticillium lecanii) 3.0×10CFU/g、アリスタライフサイエンス株式会社製)又はボタニガードES(ボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana) GHA株 1.6×1010CFU/g、アリスタライフサイエンス株式会社製)とを混合して各々の所定施用量になるように加えた希釈液に、展着剤(新リノー、日本農薬株式会社製)を当該希釈液の1/5000量加えた後、この混合物を振とうすることにより試験用散布液を調製した(以下、本発明B1(マイコタール水和剤)、B2(マイコタール水和剤)、C1(ボタニガードES)、C2(ボタニガードES)と記すこともある。)。得られた散布液を幼虫が寄生したトマトの植物体全体に1ポットあたり10ml散布した。散布後、当該植物体を25℃、湿度90%の条件下で光(2000〜3000ルクス)を間欠照射(明条件:連続14時間/日、暗条件:連続10時間/日)しながら8日間栽培した。尚、無処理区は、上記の散布液の代わりに展着剤を1/5000量加えた水を用いること以外は同様な試験方法を施した試験区であった。
8日後に、シルバーリーフコナジラミの生虫数を計測することにより、前記散布液の噴霧前後の生虫数から下記の式より死虫率(3反復の平均値)を算出した。
死虫率(%)=100×(散布前幼虫数−試験後生虫数)/散布前幼虫数
また、当該死虫率を下記の式によって補正することにより殺虫率を算出した。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:薬剤処理区における死虫率(%)
Mc:無処理区における死虫率(%)
その結果を表2に示す。
Figure 0004692023
実施例4 (ワタアブラムシ(Aphis gossypii)に対する殺虫活性試験(その1))
キュウリ(相模半白、タキイ種苗株式会社製)の種子を愛菜1号(片倉チッカリン株式会社製)を入れたプラスチックポットに植え、温室で第1葉期まで栽培した。生育したキュウリにワタアブラムシ成虫約30頭を放飼した。
一方の薬剤として25%水和剤(チェス水和剤、シンジェンタジャパン株式会社製)と、他方の薬剤として実施例1で得られたペーシロマイセス・テヌイペスT1株の菌体粉末とを混合して各々の所定施用量になるように加えた希釈液に、展着剤(新リノー、日本農薬株式会社製)を当該希釈液の1/5000量加えた後、この混合物を振とうすることにより試験用散布液を調製した(以下、本発明D1、D2と記すこともある。)。得られた散布液をワタアブラムシが寄生したキュウリの植物体全体に1ポットあたり10ml散布した。散布後、当該植物体をプラスチックカップで覆い、25℃、湿度90%の条件下で光(2000〜3000ルクス)を間欠照射(明条件:連続14時間/日、暗条件:連続10時間/日)しながら5日間栽培した。尚、無処理区は、上記の散布液の代わりに展着剤を1/5000量加えた水を用いること以外は同様な試験方法を施した試験区であった。
5日後に、ワタアブラムシの生虫数及び死虫数を計測することにより、下記の式より死虫率(3反復の平均値)を算出した。
死虫率(%)=100×死虫数/(死虫数+生虫数)
また、当該死虫率を下記の式によって補正することにより殺虫率を算出した。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:薬剤処理区における死虫率(%)
Mc:無処理区における死虫率(%)
その結果を表3に示す。
Figure 0004692023
実施例5 (ワタアブラムシ(Aphis gossypii)に対する殺虫活性試験(その2))
キュウリ(相模半白、タキイ種苗株式会社製)の種子を愛菜1号(片倉チッカリン株式会社製)を入れたプラスチックポットに植え、温室で第1葉期まで栽培した。生育したキュウリにワタアブラムシ成虫約30頭を放飼した。
一方の薬剤として25%水和剤(チェス水和剤、シンジェンタジャパン株式会社製)と、他方の薬剤として市販の殺虫性糸状菌製剤であるバータレック水和剤(バーティシリウム・レカニ(Verticillium lecanii) 5.0×10CFU/g、アリスタライフサイエンス株式会社製)又はボタニガードES(ボーベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana) GHA株 1.6×1010CFU/g、アリスタライフサイエンス株式会社製)とを混合して各々の所定施用量になるように加えた希釈液に、展着剤(新リノー、日本農薬株式会社製)を当該希釈液の1/5000量加えた後、この混合物を振とうすることにより、試験用散布液を調製した(以下、本発明E1(バータレック水和剤)、E2(バータレック水和剤)、F1(ボタニガードES)、F2(ボタニガードES)と記すこともある。)。得られた散布液をワタアブラムシが寄生したキュウリの植物体全体に1ポットあたり10ml散布した。散布後、当該植物体をプラスチックカップで覆い、25℃、湿度90%の条件下で光(2000〜3000ルクス)を間欠照射(明条件:連続14時間/日、暗条件:連続10時間/日)しながら5日間栽培した。尚、無処理区は、上記の散布液の代わりに展着剤を1/5000量加えた水を用いること以外は同様な試験方法を施した試験区であった。
5日後に、ワタアブラムシの生虫数及び死虫数を計測することにより、下記の式より死虫率(3反復の平均値)を算出した。
死虫率(%)=100×死虫数/(死虫数+生虫数)
また、当該死虫率を下記の式によって補正することにより殺虫率を算出した。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:薬剤処理区における死虫率(%)
Mc:無処理区における死虫率(%)
その結果を表4に示す。
Figure 0004692023
実施例6 ワタアブラムシ(Aphis gossypii)に対する殺虫活性試験(その3)
キュウリ(相模半白、タキイ種苗株式会社製)の種子を愛菜1号(片倉チッカリン株式会社製)を入れたプラスチックポットに植え、温室で第1葉期まで栽培した。生育したキュウリにワタアブラムシ成虫約30頭を放飼した。
(1)散布処理が1回の場合
25%水和剤(チェス水和剤、シンジェンタジャパン株式会社製)と、実施例1で得られたペーシロマイセス・テヌイペスT1株の菌体粉末とを混合して、若しくは単独で所定施用量になるように加えた希釈液に、展着剤(新リノー、日本農薬株式会社製)を当該希釈液の1/5000量加えた後、この混合物を振とうすることにより試験用散布液を調製した(以下、本発明G1と記すこともある。)。得られた散布液をワタアブラムシが寄生したキュウリの植物体全体に1ポットあたり10ml散布した。散布後、当該植物体をプラスチックカップで覆い、25℃、湿度90%の条件下で光(2000〜3000ルクス)を間欠照射(明条件:連続14時間/日、暗条件:連続10時間/日)しながら所定の日数(X日)栽培した。尚、無処理区は、上記の散布液の代わりに展着剤を1/5000量加えた水を用いること以外は同様な試験方法を施した試験区であった。
X日後に、ワタアブラムシの生虫数及び死虫数を計測することにより、下記の式より死虫率(3反復の平均値)を算出した。
処理X日後死虫率(%)=100×死虫数/(死虫数+生虫数)
また、当該死虫率を下記の式によって補正することにより殺虫率を算出した。
処理X日後殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:薬剤処理区におけるX日後の死虫率(%)
Mc:無処理区におけるX日後の死虫率(%)
(2)散布処理が2回の場合
25%水和剤(チェス水和剤、シンジェンタジャパン株式会社製)若しくは、実施例1で得られたペーシロマイセス・テヌイペスT1株の菌体粉末を単独で所定施用量になるように加えた希釈液に、展着剤(新リノー、日本農薬株式会社製)を当該希釈液の1/5000量加えた後、この混合物を振とうすることにより試験用散布液を調製した(以下、本発明G2、G3、G4、G5、G6、G7、比較例H1、H2、H3、H4、H5、H6と記すこともある。)。得られた一方の散布液を幼虫が寄生したトマトの植物体全体に1ポットあたり10ml散布した。散布後、当該植物体をプラスチックカップで覆い、25℃、湿度90%の条件下で光(2000〜3000ルクス)を間欠照射(明条件:連続14時間/日、暗条件:連続10時間/日)しながら(X−5)日間栽培した。当該植物体をプラスチックカップから取り出し、他方の散布液をワタアブラムシが寄生したキュウリの植物体全体に1ポットあたり10ml散布した。2回目の散布後、再び当該植物体をプラスチックカップで覆い、25℃、湿度90%の条件下で光(2000〜3000ルクス)を間欠照射(明条件:連続14時間/日、暗条件:連続10時間/日)しながら5日間栽培した。尚、無処理は、上記の散布液の代わりに展着剤を1/5000量加えた水を用いること以外は2回目の散布処理した試験方法と同様な試験方法を施した試験区であった。
2回目の散布処理より5日後(X日後)に、ワタアブラムシの生虫数及び死虫数を計測することにより、下記の式より死虫率(3反復の平均値)を算出した。
1回目処理X日後死虫率(%)=100×死虫数/(死虫数+生虫数)
また、当該死虫率を下記の式によって補正することにより殺虫率を算出した。
1回目処理X日後死虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:薬剤処理区における1回目処理よりX日後の死虫率(%)
Mc:無処理区における1回目処理よりX日後の死虫率(%)
その結果を表5、6及び7(表中の矢印方向は連続処理の順序を意味している。)に示す。
Figure 0004692023
Figure 0004692023
Figure 0004692023
本発明は、有害生物の防除に優れた効果を有し、特にコナジラミ類やアブラムシ類等の難防除有害生物に対して優れた効果を示す有害生物防除方法を提供可能とする。

Claims (10)

  1. (E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと、ペーシロマイセス属、ボーベリア属及びバーティシリウム属からなる群から選択される属に属する殺虫性糸状菌との併用による有害生物防除方法であり、一方の薬剤を有害生物又は有害生物の生息場所に施用した後4日間以内に他方の薬剤を前記の有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物防除方法。
  2. (E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと、ペーシロマイセス属に属する殺虫性糸状菌との併用による有害生物防除方法であり、一方の薬剤を有害生物又は有害生物の生息場所に施用した後4日間以内に他方の薬剤を前記の有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物防除方法。
  3. (E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと、ボーベリア属に属する殺虫性糸状菌との併用による有害生物防除方法であり、一方の薬剤を有害生物又は有害生物の生息場所に施用した後4日間以内に他方の薬剤を前記の有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物防除方法。
  4. (E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと、バーティシリウム属に属する殺虫性糸状菌との併用による有害生物防除方法であり、一方の薬剤を有害生物又は有害生物の生息場所に施用した後4日間以内に他方の薬剤を前記の有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物防除方法。
  5. (E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと、ペーシロマイセス・テヌイペス T1株(FERM BP−7861))である殺虫性糸状菌との併用による有害生物防除方法であり、一方の薬剤を有害生物又は有害生物の生息場所に施用した後4日間以内に他方の薬剤を前記の有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物防除方法。
  6. (E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンの施用量と殺虫性糸状菌の施用量との薬剤量:菌数比率(g:CFU)が、1:10 〜1:10 17 であることを特徴とする請求項1〜5記載の有害生物防除方法。
  7. (E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンの施用量が200mg/ha〜5000g/haであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの請求項記載の有害生物防除方法。
  8. 殺虫性糸状菌の施用量が1×10 11 CFU/ha〜1×10 15 CFU/haであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの請求項記載の有害生物防除方法。
  9. (E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと殺虫性糸状菌との併用により有害生物を防除する際に、一方の薬剤を有害生物又は有害生物の生息場所に施用した後4日間以内に他方の薬剤を前記の有害生物又は有害生物の生息場所に施用するための、(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと、ペーシロマイセス属、ボーベリア属及びバーティシリウム属からなる群から選択される属に属する殺虫性糸状菌との使用。
  10. 有効成分として、(E)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−1,2,4−トリアジン−3(2H)オンと、ペーシロマイセス属、ボーベリア属及びバーティシリウム属からなる群から選択される属に属する殺虫性糸状菌とを含有することを特徴とする有害生物防除剤。
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