JP4788921B2 - 電動ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、電動モータによってブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発せさせる電動ディスクブレーキに関し、特に、非通電状態で制動力を保持することができる駐車ブレーキ機構を備えた電動ディスクブレーキに関するものである。
電動ディスクブレーキとしては、電動モータのロータの回転運動をボールねじ機構、ボールランプ機構等の回転−直動変換機構を用いてピストンの直線運動に変換し、ピストンによってブレーキパッドをディスクロータに押圧させることにより、制動力を発生させるものが知られている。電動ディスクブレーキは、運転者のブレーキペダル踏力(又は変位量)をセンサによって検出し、制御装置によって、この検出値に基づいて電動モータの回転を制御することより、所望の制動力を発生させることができる。
この種の電動ディスクブレーキには、例えば特許文献1に記載されているように、電動モータのロータの回転を機械的にロックすることによって電動モータへの通電を停止した後も制動状態を保持できるようにした駐車ブレーキ機構を備えたものがある。
特開2005−9633号明細書
上記特許文献1に記載された電動ディスクブレーキでは、電動モータのロータに爪車を取付け、ソレノイドアクチュエータによって爪車の爪部に係合、離脱可能な係合爪を設け、電動モータのロータを制動位置へ回転させ後、係合爪を爪車に引っ掛けることにより、非通電状態において制動状態を保持できるようにしている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された駐車ブレーキ機構を備えた電動ディスクブレーキでは、次のような問題がある。上記特許文献1に記載されたものでは、駐車ブレーキ機構は、図4に示すように、ピンCによって回動可能に支持されたアームAを有しており、このアームAに、電動モータのロータ(図示せず)をロックするための係合爪T、ソレノイドアクチュエータのプランジャP、保持バネS1、バネS2等の部品が連結されている。そして、ソレノイドアクチュエータのプランジャPの移動によってアームAをピンCを軸として回動させることにより、係合爪Tによってロータのロック及びロック解除を行う。そして、ロック解除状態にあるときには、ソレノイドアクチュエータに電力を供給して係合爪Tを爪車から離間させている。
一般的に電動ディスクブレーキは、車両のサスペンション装置のバネ下に装着されるため、車両走行中には、路面の凹凸によって上下に激しく振動する。この振動によって電動ディスクブレーキの駐車ブレーキ機構の各部品には上下方向の加速度aが生じる。このとき、上下方向の加速度aによって各部品の重心の位置(アームAの回動中心であるピンCからの距離)に応じて、アームAにはピンC回りのモーメント力Mが作用することになる。モーメント力Mは、次の(1)式で表すことができる。
M=M1+M2
=m1・a・r1+m2・a・r2
=(m1・r1+m2・r2)a …(1)
ここで、
M1:アームA(係合爪T、バネS2等が取付けられた状態、以下、同じ)に作用するモーメント力
M2:プランジャPに作用するモーメント力
m1:アームAの質量
m2:プランジャPの質量
r1:回動中心(ピンC)からアームAの重心までの距離。
r2:回動中心(ピンC)からプランジャPの重心までの距離。
このため、走行中の振動によるモーメント力MによってアームAが回動しないように、ソレノイドアクチュエータの推力及び保持力を充分大きくする必要があり、ソレノイドアクチュエータが大型化し、消費電力も増大するという問題がある。また、特許文献1のものとは異なり、係合爪と爪車から離間させるためにばねを用いるものの場合でも、ばねの戻し力を充分大きくする必要があり、ばねが大型化するという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、走行中の振動による駐車ブレーキ機構への影響を軽減するようにした電動ディスクブレーキを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、電動モータと、該電動モータのロータの回転を直線運動に変換する回転−直動変換機構とをキャリパ本体内に備え、該回転−直動変換機構によってブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させ
、更に、複数の爪部を有し前記ロータの回転に伴って回転する爪車と、前記キャリパ本体に対して回動可能に支持されて前記爪部に係合可能な係合爪部材と、該係合爪部材に連結される可動部を有する駆動手段と、前記係合爪部材を前記爪車から離脱した位置に保持する保持手段とが設けられ、前記駆動手段によって前記係合爪部材を回動させて前記爪車の爪部に引っ掛けることによって前記ロータの回転をロックして制動状態を保持する駐車ブレーキ機構を備えた電動ディスクブレーキにおいて、
前記駐車ブレーキ機構は、前記係合爪部材の重心と前記駆動手段の可動部の重心との間に前記係合爪部材の回動中心が配置され、前記係合爪部材の質量と前記係合爪部材の回動中心から前記係合爪部材の重心までの距離との積と、前記可動部の質量と前記係合爪部材の回動中心から前記可動部の重心までの距離との積とが、ほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする。
請求項2の発明に係る電動ディスクブレーキは、上記請求項1の構成において、前記駆動手段は、ソレノイドアクチュエータであり、前記可動部は、前記ソレノイドアクチュエータのプランジャであることを特徴とする。
請求項3の発明に係る電動ディスクブレーキは、上記請求項1又は2の構成において、前記保持手段は、前記係合爪部材を前記爪車から離間させる方向に付勢する付勢手段であることを特徴とする。
請求項1の発明に係る電動ディスクブレーキによれば、振動によって各部品に加速度が生じても係合爪部材にはモーメント力が作用しないので、駆動手段に対する負荷を軽減することができる。
請求項2の発明に係る電動ディスクブレーキによれば、ソレノイドアクチュエータに対する負荷を軽減することができる。
請求項3の発明に係る電動ディスクブレーキによれば、付勢手段に対する負荷を軽減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る電動ディスクブレーキ1は、キャリパ浮動型ディスクブレーキであって、車輪と共に回転するディスクロータ2と、サスペンション部材等の車体側の非回転部分(図示せず)に固定されるキャリア3と、ディスクロータ2の両側に配置されてキャリア3によって支持される一対のブレーキパッド4、5と、ディスクロータ2を跨ぐように配置されて一対のスライドピン6、6によってキャリア3に対してディスクロータ2の軸方向に沿って移動可能に支持された電動キャリパ7とを備えている。
電動キャリパ7は、キャリパ本体8と、ピストンユニット9と、モータユニット10とで構成されている。キャリパ本体8には、ディスクロータ2の一側に対向して開口する貫通穴を有する円筒状のシリンダ部11と、シリンダ部11からディスクロータ2を跨いで反対側へ延びる爪部12と、シリンダ部11から略直径方向に延びて一対のスライドピン6、6がそれぞれ取付けられる一対の腕部13とが一体に形成されている。シリンダ部11の内周面には、ピストンユニット9のピストン14(後述)が摺動可能に嵌合される案内ボア15とピストンユニット9に取付けられた調整スクリュ16(後述)の雄ねじ17が螺合される雌ねじ18とが形成されている。
ピストンユニット9は、有底円筒状のピストン14と、ピストン14の内部に収容されたボールランプ機構19(回転−直動変換機構)及び差動減速機構20と、パッド摩耗補償機構21とを一体化したものである。ピストン14は、キャリパ本体8の案内ボア15に摺動可能に嵌合されて一方のブレーキパッド5に当接し、ピン5Aによって回り止めされている。ピストン14と案内ボア15との間は、ダストシール22及びシールリング23によってシールされている。
ボールランプ機構19は、ピストン14の底面に対して固定されピストン14と共に軸方向に移動可能な直動ディスク24と、回転方向に移動可能な回転ディスク25と、これらの互いの対向面に形成されたボール溝26、27(傾斜溝)間に装入されたボール28とを備えている。回転ディスク25は、複数のウエーブワッシャまたは一体のコイルドウエーブワッシャ29によって直動ディスク24側へ常時付勢されている。そして、直動ディスク24と回転ディスク25とを相対回転させると、傾斜されたボール溝26、27間でボール28が転動することにより、直動ディスク24と回転ディスク25とが回転角度に応じて軸方向に相対移動する。これにより、回転運動を直線運動に変換することができる。
差動減速機構20は、偏心軸30と、偏心軸30の偏心部31にベアリング31A、31Bによって回転可能に支持されて2つの外歯32A、32Bを有するリング状の平歯車32と、ボールランプ機構19の回転ディスク25に形成されて平歯車32の一方の外歯32Aに噛合う内歯33と、偏心軸30の回転軸に対して回転可能に支持されて平歯車32の他方の外歯32Bに噛合う内歯34を有するリングギヤ部材35とを備えている。偏心軸30は、一端が回転ディスク25に回転可能に支持され、他端部がモータユニット10内へ延ばされて、その先端部に外側スプライン36が形成されている。リングギヤ部材35の一端部は、スラストベアリング37を介して回転ディスク25の端部に当接している。そして、偏心軸30を回転させて平歯車32を公転させることにより、平歯車32の外歯32Aに噛合う内歯33を有する回転ディスク25と外歯32Bに噛合う内歯34を有するリングギヤ部材35とが差動回転し、これらの一方を固定することによって他方を所定の減速比で減速して回転させることができる。
パッド摩耗補償機構21は、ボールランプ機構19の直動ディスク24と回転ディスク25との間に装着されたリミッタ38と、差動減速機構20のリングギヤ部材35に結合された調整スクリュ16と、調整スクリュ16に連結されたリングギヤ部材35とピストン14との間に介装されたウエーブワッシャ38Aとを備えている。リミッタ38は、捻りバネによって直動ディスク24と回転ディスク25との間に一定の遊びをもって戻し方向に付勢力を付与するものである。調整スクリュ16は、外周部に雄ねじ17(台形ねじ)が形成され、この雄ねじ17がキャリパ本体8のシリンダ部11に形成された雌ねじ18(台形ねじ)に螺合されている。調整スクリュ16は、ウエーブワッシャ38Aによって一定の保持力をもって回転しないように保持されており、この保持力に抗して回転させることにより、雄ねじ17及び雌ねじ18の相対回転によって軸方向に移動させることができる。また、調整スクリュ16は、回転ディスク25からの反力をスラストベアリング37及びリングギヤ部材35を介して受けて、雄ねじ17及び雌ねじ18を介してキャリパ本体8へ伝達する。
モータユニット10は、モータ39(電動モータ)と、モータ39の回転位置を検出するレゾルバ40と、モータ39の回転位置を保持するための駐車ブレーキ機構41と一体化したものである。モータ39は、キャリパ本体8の端部に結合されるベースプレート43に取付けられてピストンユニット9の調整スクリュ16に挿入される円筒状のモータケース44を備え、モータケース44の内周部にコイル等からなるモータステータ45が固定されている。モータケース44は、有底円筒状のモータケース本体44Aとその開口を閉じるモータケース蓋44Bとからなり、モータケース本体44Aとモータケース蓋44Bとに設けられた開口部に軸受46、47が取付けられ、これらの軸受46、47によって円筒状のモータロータ48(ロータ)が回転可能に支持されている。モータケース44は、キャリパ本体8のシリンダ部11の内周に当接して径方向に支持されている。モータロータ48の内周部には、ピストンユニット9の偏心軸30の外側スプライン36に係合する内側スプライン49が形成されており、モータロータ48と偏心軸30との間で回転力を伝達するとともに、これらが軸方向に相対移動できるようになっている。
レゾルバ40は、ベースプレート43に固定されたレゾルバステータ50と、ベースプレート43に挿通されたモータロータ48の先端部に取付けられてレゾルバステータ50の内周に位置するレゾルバロータ51とを備えており、これらの相対回転によってモータロータ48の回転位置を表す電気信号を出力するようになっている。
主に図1に示されるように、駐車ブレーキ機構41は、モータロータ48に取付けられた爪車52と、爪車52の外周側に配置されてピン53によってベースプレート43に回動可能に支持された係合爪部材54と、ベースプレート43(図2)に固定されて係合爪部材54を駆動するソレノイドアクチュエータ55(駆動手段)とを備えている。
爪車52は、モータロータ48の後端部(図2の右端部)に嵌合されてキー56によってモータロータ48と共に回転するように固定されている。爪車52の外周部には、多数の爪部57が一定間隔で形成されている。
係合爪部材54は、その回動中心であるピン53をはさんで両側に延ばされ、その一端部に係合爪部63が形成されており、ピン53を軸として回動することによって、係合爪部63が爪車52の爪部57の1つに係合、離脱できるようになっている。爪車52の爪部57及び係合爪部材54の係合爪部63は、一定方向に傾斜を有する鉤形に形成されており、互いに係合したとき、爪車52の図1における反時計方向(制動解除方向)への回転をロックすると共に、時計方向(制動方向)への回転に対しては、ロックを解除する方向へ係合爪部材54を回動させる力が発生するようになっている。また、本実施の形態では、爪車52の爪部57は、頂部及び底部が平坦な形状に形成されているが、このような平坦な形状を有しなくてもよい。
ソレノイドアクチュエータ55は、そのプランジャ55A(可動部)の先端部が係合爪部材54の他端部(係合爪部63が形成された一端部に対して、回動中心であるピン53をはさんで反対側に延ばされた端部)にピン55Cによって連結されており、通電によって係合爪部材54を回動させて、係合爪部63を爪車52の爪部57に係合、離脱できるようになっている。より具体的には、プランジャ55Aはその外周に圧縮バネ55B(付勢手段)を有し、常時はこの圧縮バネ55Bのバネ力により係合爪部63を爪車52の爪部57から離脱させるようにし、ソレノイドアクチュエータ55への通電によって係合爪部材54を回動させて、係合爪部63を爪車52の爪部57に係合させるようになっている。しかしながら、これに限らず、圧縮バネ55Bの代りに引張バネを設けて、ソレノイドアクチュエータ55への通電によって係合爪部材54を回動させて、係合爪部63を爪車52の爪部57から離脱させるようにしてもよい。また、バネを設けず、永久磁石等によってプランジャ55Aをその両端位置で保持できるソレノイドアクチュエータ55を使用することにより、係合爪部材54を係合、離脱位置へ移動させた後、非通電状態でプランジャ55Aをそれぞれの位置で保持することができる。
ここで、図3に示すように、係合爪部材54は、上述のようにその回動中心であるピン53をはさんで両側に延ばされているが、その重心(符号m1で示す)は、ピン53に対して係合爪部63側に配置されており、その反対側の端部にプランジャ55Aが連結されている。なお、プランジャ55Aの重心を符号m2で示す。これにより、車両のバネ下の振動によって生じる上下方向(振動方向)の加速度aに対して係合爪部材54に作用するピン53回りのモーメント力Mは、次の(2)式で表すことができる。
M=M1−M2
=m1・a・r1−m2・a・r2
=(m1・r1−m2・r2)a …(2)
ここで、
M1:係合爪部材54に作用するモーメント力
M2:プランジャ55Aに作用するモーメント力
m1:係合爪部材54の質量
m2:プランジャ55Aの質量
r1:回動中心(ピン53)から係合爪部材54の重心までの距離。
r2:回動中心(ピン53)からプランジャ55Aの重心までの距離。
そして、係合爪部材54の質量m1と回動中心(ピン53)から係合爪部材54の重心までの距離r1との積(m1・r1)と、プランジャ55Aの質量m2と回動中心(ピン53)からプランジャ55Aの重心までの距離r2との積(m2・r2)とが、できるだけ等しく(m1・r1=m2・r2)なるように各部の形態(形状、寸法及び質量等)が設定されている。すなわち、係合爪部材54及びこれに連結されたプランジャ55A等の可動部を含む全体の重心位置が加速度aの方向(振動方向)に平行で係合爪部54の回動中心(ピン53)を通る直線上のほぼ近傍に配置されるようなっている。
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
制動時には、運転車のブレーキ操作に基づいてコントローラ(図示せず)からモータ39へ制御電流を供給してモータロータ48を制動方向へ回転させる。モータロータ48の回転は、差動減速機構20によって所定の減速比で減速され、ボールランプ機構19によって直線運動に変換されて、ピストン14を前進させる。ピストン14の前進によって、一方のブレーキパッド5がディスクロータ2に押圧され、その反力によってキャリパ本体8がキャリア3のスライドピン6に沿って移動して、爪部12が他方のブレーキパッド4をディスクロータ2に押圧して制動力を発生させる。また、制動解除時には、モータロータ48を逆回転させることによってピストン14を後退させて、ブレーキパッド4、5をディスクロータ2から離間させる。
そして、コントローラによって、各種センサを用いて、各車輪の回転速度、車両速度、車両加速度、操舵角および車両横加速度等の車両状態を検出し、これらの検出に基づいてモータ39の回転を制御することにより、倍力制御、アンチロック制御、トラクション制御および車両安定化制御等を実行することができる。
次に、差動減速機構20及びパッド摩耗補償機構21の作動について説明する。
制動時にモータロータ48によって偏心軸30が回転すると、偏心部31の偏心回転によって平歯車32が公転して、平歯車32の外歯32A、32Bに噛合った回転ディスク25とリングギヤ部材35とが差動回転する。このとき、通常は、ウエーブワッシャ38Aによって調整スクリュ16と共にリングギヤ部材35の回転が固定され、一方、回転ディスク25は、リミッタ38の遊びの範囲で自由に回転することができるので、回転ディスク25のみが回転する。これにより、ボールランプ機構19がピストン14を前進させてブレーキパッド4、5をディスクロータ2に押圧する。ブレーキパッド4、5がディクスロータ2の押圧を開始した後は、その反力が雄ねじ17及び雌ねじ18に作用することにより、これらの間の摩擦力が増大して調整スクリュ16すなわちリングギヤ部材35の回転が確実にロックされる。したがって、回転ディスク25はリミッタ38のバネ力に抗して回転することができる。
ブレーキパッド4、5が摩耗して、回転ディスク25がリミッタ38の遊びの範囲を超えてもディスクロータ2を押圧しない場合、回転ディスク25にリミッタ38のバネ力が作用して、回転ディスク25が固定され、調整スクリュ16がリングギヤ部材35と共にウエーブワッシャ38Aの保持力に抗して回転する。これにより、調整スクリュ16が雄ねじ17及び雌ねじ18の相対回転によって前進してピストンユニット9を前進させる。ブレーキパッド4、5がその摩耗分だけ前進してディスクロータ2の押圧を開始すると、前述したように、その反力によって雄ねじ17及び雌ねじ18の摩擦力が増大して調整スクリュ16の回転がロックされる。その後は、回転ディスク25がリミッタ38のバネ力に抗して回転して、ボールランプ機構19によってピストン14が前進する。このようにして、ブレーキパッド4、5が摩耗した分だけ調整スクリュ16によってピストンユニット9を前進させることができ、ブレーキパッド4、5の摩耗を補償することができる。
次に、駐車ブレーキ機構41の作動について説明する。
駐車ブレーキを作動させる場合には、先ず、モータロータ48を制動方向に回転させてブレーキパッド4、5をディスクロータ2に所望の力で押圧させる。この状態で、ソレノイドアクチュエータ55を作動させて係合爪部材54の係合爪部63を爪車52の爪部57に押し付ける。このとき、係合爪部63と爪部57とは、頂部が互いに干渉して係合されない場合もある。次に、モータロータ48を制動解除方向に回転させて係合爪部63と爪部57とを確実に係合させる。そして、モータ39への通電を停止し、ブレーキパッド4、5のディスクロータ2への押圧力を確認した後、ソレノイドアクチュエータ55への通電を停止して係合爪部63と爪部57との係合状態を保持する。これにより、モータ39及びソレノイドアクチュエータ55への通電を停止した状態で制動状態を保持することができる。
駐車ブレーキの作動を解除する場合には、ソレノイドアクチュエータ55へは通電せずに、モータロータ48への通電でこれを制動方向へ僅かに回転させることにより、係合爪部材54の係合爪部63と爪車52の爪部57との係合が緩み、圧縮バネ55Bの付勢力によって係合爪部材54が係合爪部63と爪部57との係合を解除する方向へ回動し、ブレーキパッド4、5からの反力及びウエーブワッシャ29のバネ力により、または、モータロータ48の制動解除方向への通電により、モータロータ48を制動解除方向に回転させて制動力を解除する。
次に、車両走行中のバネ下の振動によってディスクブレーキ1が上下方向に振動して係合爪部54に上下方向の加速度aが生じた場合について説明する。
係合爪部材54の質量m1と回動中心(ピン53)から係合爪部材54の重心までの距離r1との積(m1・r1)と、プランジャ55Aの質量m2と回動中心(ピン53)からプランジャ55Aの重心までの距離r2との積(m2・r2)とが、できるだけ等しく(m1・r1=m2・r2)なるように、すなわち、係合爪部材54及びこれに連結されたプランジャ55A等の可動部を含む全体の重心位置が加速度aの方向に平行で係合爪部材54の回動中心(ピン53)を通る直線上のほぼ近傍に配置されるようになっているので、加速度aに対して係合爪部材54にはモーメント力Mが殆ど生じない(M≒0)。その結果、圧縮バネ55Bのバネ力及びソレノイドアクチュエータ55の推力及び保持力が小さくてすみ、消費電力を低減すると共にこれらの小型、軽量化を図ることができる。
なお、係合爪部材54、その回動中心(ピン53)及び係合爪部材54に連結されたプランジャ55A(プランジャ)等の形態は、上述のものに限らず、これらの可動部を含む全体の重心位置が加速度aの方向に平行で係合爪部材54の回動中心を通る直線上のほぼ近傍に配置されるようになっていればよい。また、本実施形態では、爪車52をモータロータ48に設けるようにしたが、爪車52は、モータロータ48の回転に伴って回転する部位で、爪車52を回転を固定、保持することで、ピストン14の位置を保持できる部位に設ければよく、例えば、回転ディスク25に設けるようにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係る電動ディスクブレーキを示す図2のA−A線による縦断面図である。 図1に示す電動ディスクブレーキの縦断面図である。 図1に示す電動ディスクブレーキの駐車ブレーキ機構に上下方向の加速度が生じた場合に作用するモーメント力を示す説明図である。 従来の電動ディスクブレーキの駐車ブレーキ機構に上下方向の加速度が生じた場合に作用するモーメント力を示す説明図である。
符号の説明
1 電動ディスクブレーキ、2 ディスクロータ、4、5 ブレーキパッド、39 モータ(電動モータ)、41 駐車ブレーキ機構、48 モータロータ(ロータ)、52 爪車、54 係合爪部材、53 ピン(回動中心)、55 ソレノイドアクチュエータ(駆動手段)、55A プランジャ(可動部)、57 爪部

Claims (3)

  1. 電動モータと、該電動モータのロータの回転を直線運動に変換する回転−直動変換機構とをキャリパ本体内に備え、該回転−直動変換機構によってブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させ、更に、複数の爪部を有し前記ロータの回転に伴って回転する爪車と、前記キャリパ本体に対して回動可能に支持されて前記爪部に係合可能な係合爪部材と、該係合爪部材に連結される可動部を有する駆動手段と、前記係合爪部材を前記爪車から離脱した位置に保持する保持手段とが設けられ、前記駆動手段によって前記係合爪部材を回動させて前記爪車の爪部に引っ掛けることによって前記ロータの回転をロックして制動状態を保持する駐車ブレーキ機構を備えた電動ディスクブレーキにおいて、
    前記駐車ブレーキ機構は、前記係合爪部材の重心と前記駆動手段の可動部の重心との間に前記係合爪部材の回動中心が配置され、前記係合爪部材の質量と前記係合爪部材の回動中心から前記係合爪部材の重心までの距離との積と、前記可動部の質量と前記係合爪部材の回動中心から前記可動部の重心までの距離との積とが、ほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする電動ディスクブレーキ。
  2. 前記駆動手段は、ソレノイドアクチュエータであり、前記可動部は、前記ソレノイドアクチュエータのプランジャであることを特徴とする請求項1に記載の電動ディスクブレーキ。
  3. 前記保持手段は、前記係合爪部材を前記爪車から離間させる方向に付勢する付勢手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動ディスクブレーキ。
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