JP3867268B2 - 電動ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電動モータの回転運動を直線運動に変換してブレーキパッドをディスクロータに押圧することによって制動力を発生させる電動ディスクブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開昭60−206766号公報に開示されているように、電動モータのロータの回転運動をボールねじ機構によってピストンの進退動に変換し、ピストンによってブレーキパッドをディスクロータに押圧させることにより、制動力を発生させるようにした電動ディスクブレーキ装置が知られている。この種の電動ディスクブレーキは、運転者によるブレーキペダル踏力(または変位量)をセンサによって検出し、コントローラによって、この検出に応じて電動モータの回転を制御して、所望の制動力を得る。
【0003】
上記のような電動ディスクブレーキ装置では、各種センサを用いて、各車輪の回転速度、車両速度、車両加速度、操舵角、車両横加速度等の車両状態を検出し、コントローラによってこれらの検出に基づいて電動モータの回転を制御することにより、倍力制御、アンチロック制御、トラクション制御および車両安定化制御等を比較的簡単に組み込むことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような電動ディスクブレーキにおいて、万一、故障、断線等によって車載バッテリ等の電源電圧が低下して、電動モータに供給される電力が不足した場合、できる限り電力の消費を抑えつつ制動状態を維持することが望まれる。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、電源電圧の低下に対して、電力の消費を抑えつつ、効率的に制動力を発生させることができる電動ディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、キャリパ本体に設けられた電動モータのロータの回転運動をピストンの直線運動に変換して、該ピストンによってブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させる電動ディスクブレーキと、ブレーキ操作に応じて前記電動ディスクブレーキの電動モータに駆動電圧を供給して前記電動ディスクブレーキの制動力を制御するコントローラとを備えた電動ディスクブレーキ装置において、
前記コントローラは、前記電動モータの駆動中に電源電圧が低下したとき、ブレーキ操作に応じた駆動電圧を前記電動モータに供給できるかどうかをブレーキ操作に応じた必要電圧により判断し、供給可能な電圧が必要電圧未満となった場合、前記電動ディスクブレーキがその時点の制動状態を維持できる維持電圧まで駆動電圧を低下させることを特徴とする。
このように構成したことにより、電源電圧の低下に対して、電動ディスクブレーキの機械的損失を利用して、駆動電圧より低い電圧で制動状態を維持して、消費電力を低減する。
請求項2に係る発明は、キャリパ本体に設けられた電動モータのロータの回転運動をピストンの直線運動に変換して、該ピストンによってブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させる電動ディスクブレーキと、ブレーキ操作に応じて前記電動ディスクブレーキの電動モータに駆動電圧を供給して前記電動ディスクブレーキの制動力を制御するコントローラとを備えた電動ディスクブレーキ装置において、
前記電動ディスクブレーキは、前記電動モータのロータの回転をロックするロック機構を備え、前記コントローラは、前記電動モータの駆動中に電源電圧が低下したとき、ブレーキ操作に応じた駆動電圧を前記電動モータに供給できるかどうかをブレーキ操作に応じた必要電圧により判断し、供給可能な電圧が必要電圧未満となった場合、前記ロック機構を作動させて前記電動モータのロータの回転をロックするとともに、前記電動モータへの駆動電圧の供給を停止することを特徴とする。
このように構成したことにより、電源電圧の低下に対して、ロック機構によって制動状態を維持し、駆動電圧の供給を停止して消費電力を低減する。
また、請求項3に係る発明は、キャリパ本体に設けられた電動モータのロータの回転運動をピストンの直線運動に変換して、該ピストンによってブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させる複数の電動ディスクブレーキと、ブレーキ操作に応じて前記複数の電動ディスクブレーキの電動モータに駆動電圧を供給して前記複数の電動ディスクブレーキの制動力を制御するコントローラとを備えた電動ディスクブレーキ装置において、
前記コントローラは、前記電動モータの駆動中に電源電圧が低下したとき、ブレーキ操作に応じた駆動電圧を前記全ての電動ディスクブレーキの電動モータに供給できるかどうかをブレーキ操作に応じた必要電圧により判断し、供給可能な電圧が必要電圧未満となった場合、前記複数の電動ディスクブレーキのうちの一部に対して、その時点の制動状態を維持できる維持電圧まで駆動電圧を低下させ、残りの電動ディスクブレーキに対して、ブレーキ操作に応じた駆動電圧を供給することを特徴とする。
このように構成したことにより、電源電圧の低下に対して、一部の電動ディスクブレーキへ供給する駆動電圧を低下させ、その電動ディスクブレーキの機械的損失を利用して制動状態を維持して消費電力を低減し、その分の電力を残りの電動ディスクブレーキに供給して制動力を増大させる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、電動ディスクブレーキ1は、車輪(図示せず)とともに回転するディスクロータ2の一側(通常は車体に対して内側)にキャリパ本体3が配置されており、キャリパ本体3には、略C字形に形成されてディスクロータ2を跨いで反対側へ延びる爪部4がボルト(図示せず)によって一体的に結合されている。ディスクロータ2の両側、すなわち、ディスクロータ2とキャリパ本体3との間および爪部4の先端部との間に、それぞれブレーキパッド6,7が設けられている。ブレーキパッド6,7は、車体側に固定されるキャリヤ8によってディスクロータ2の軸方向に沿って移動可能に支持されて、制動トルクをキャリヤ8で受けるようになっており、また、キャリパ本体3は、キャリヤ8に取付けられたスライドピン(図示せず)によってディスクロータ2の軸方向に沿って摺動可能に案内されている。
【0008】
キャリパ本体3には、電動モータ9と、電動モータ9の回転を減速する差動減速機構10と、差動減速機構10によって減速された電動モータ9の回転運動を直線運動に変換して、ブレーキパッド6に当接するピストン11を進退動させるボールランプ機構12と、ブレーキパッド6,7の磨耗に応じてピストン11の位置を調整するパッド磨耗補償機構13と、電動モータ9の回転をロックする駐車ブレーキ機構14(ロック機構)とが設けられている。
【0009】
電動モータ9は、キャリパ本体3に固定されたステータ15と、キャリパ本体3に軸受16,17によって回転可能に支持されたロータ18とを備え、コネクタ19を介して接続された後述するコントローラCからの駆動電圧によって回転し、ロータ18に連結されたレゾルバ(図示せず)によって、その回転位置が検出され、所望の角度だけ回転することができる。
【0010】
差動減速機構10は、オルダム機構20およびサイクロイドボール減速機構21からなり、電動モータ9のロータ18に連結された偏心軸22の回転によってオルダム機構20の偏心板23が公転し、この公転運動によってサイクロイドボール減速機構21がボールランプ機構12の回転ディスク24を一定の減速比でロータ18とは逆方向に回転させるようになっている。なお、図1中、符号δは、偏心軸22のロータ18の回転軸に対する偏心量を示す。
【0011】
ボールランプ機構12は、回転ディスク24および直動ディスク25に形成されたボール溝(傾斜溝)間にボール26が装入されており、回転ディスク24が回転すると、ボール26が溝内を転動することにより、その回転角度に応じて直動ディスク25が軸方向に沿って移動して、ピストン11を進退動させるようになっている。
【0012】
パッド磨耗補償機構13は、電動モータ9のロータ18の回転を一方向クラッチおよびバネ手段(図示せず)を介して直動ディスク24に伝達することにより、ブレーキパッド6,7が磨耗してピストン11との間に隙間が生じたとき、回転ディスク24と直動ディスク25とが一体回転して、直動ディスク24とピストン11との間の調整ねじ27によってピストン11を前進させて、ブレーキパッド6,7の磨耗を調整する。
【0013】
駐車ブレーキ機構14は、電動モータ9のロータ18の外周部に一体に設けられた爪車28と、この爪車28に係合する係合爪を有するロック手段(図示せず)とを備え、コントローラCからの指令信号に応じて、ロック手段がアクチュエータ等によって係合爪を爪車に係合させることにより、ロータ18の回転をロックできるようになっている。ロック手段は、電力を供給することなくロック状態およびロック解除状態を機械的に保持することができる。
【0014】
なお、図1中、符号29は回転ディスクを支持するクロスローラベアリング、30はオルダム機構20の偏心軸22と偏心板23との間に介装された軸受、31はピストンブーツである。
【0015】
次に、コントローラCによる電動ディスクブレーキ1の制御について説明する。通常、コントローラCは、正常モードで各車輪に装着された電動ディスクブレーキ1(1つのみ図示する)の制動力を制御する。正常モードにおいては、制動時には、運転者のブレーキペダル踏力(または変位量)をブレーキぺダルセンサBによって検出し、この検出に基づいて、ドライバ回路によって各車輪の電動ディスクブレーキ1の電動モータ9に駆動電圧を出力して、ロータ18を所定のトルクで所定の回転角だけ回転させる。ロータ18の回転は、差動減速機構10によって減速され、ボールランプ機構12によって直線運動に変換されて、ピストン11を前進させる。ピストン11によって、一方のブレーキパッド6がディスクロータ2に押圧され、その反力によってキャリパ本体3がキャリヤ8のスライドピンに沿って移動して、爪部4が他方のブレーキパッド7をディスクロータ2に押圧する。これにより、運転者は、ブレーキペダル踏力に応じて制動力を調節することができる。制動解除時には、電動モータ9を逆回転させて、ピストン11を後退させ、ブレーキパッド6,7をディスクロータから離間させて制動解除する。
【0016】
コントローラCは、各種センサSを用いて、各車輪の回転速度、車両速度、車両加速度、操舵角、車両横加速度等の車両状態を検出し、これらの検出に基づいて電動モータ9の回転を制御することにより、倍力制御、アンチロック制御、トラクション制御および車両安定化制御等を実行することができる。
【0017】
また、コントローラCは、運転者の駐車ブレーキスイッチPの操作によって、駐車ブレーキ機構14のロック手段に作動信号を出力して、電動モータ9のロータ18のロックおよびロック解除を行う。
【0018】
さらに、コントローラCは、車載バッテリE(電源)の電源電圧Vを監視し、電源電圧Vが所定の基準電圧V1以下になった場合(例えば、定格36Vのバッテリに対して検出電圧が30V以下に低下した場合)、電圧低下モードを実行する。
【0019】
本発明の第1実施形態に係る電圧低下モードにおいて、コントローラCは、ブレーキペダルセンサBの検出に基づいて、ペダル踏力に応じたパッド押圧力(ピストン推力)を発生させるために必要な必要電圧VRを計算する。このとき、必要電圧VRは、例えば、電動モータ9の回転速度を0として、そのパッド押圧力に応じたトルクを発生させるための電流および電動モータ9の抵抗値から算出することができる。
【0020】
電源電圧Vが必要電圧VR以上である場合、ペダル踏力に応じた駆動電圧を電動モータ9に供給する。これにより、ペダル踏力に応じた制動力を得ることができる。
【0021】
ペダル踏力の増大または電源電圧Vの更なる低下によって、電源電圧Vが必要電圧VR未満となった場合、電動モータ9へ供給する駆動電圧をその時点で発生しているパッド押圧力を維持するのに必要な維持電圧Vmまで低下させる。ここで、ピストン11の推力によって、キャリパ本体3、爪部4等は、僅かに弾性変形するため、ロータ18の回転位置を固定して、ピストン11を固定することにより、パッド押圧力を保持することができる。また、制動力を増大させるためには、電動モータ9は、差動減速機構10およびボールランプ機構12の機械的損失に打勝ってピストン11を移動させる必要があるが、制動力を維持する場合には、これらの機械的損失分だけ小さいトルクでパッド押圧力を維持することができるので、同じ制動力に対して、維持電圧Vmは必要電圧VRよりも小さくなる。維持電圧Vmは、差動減速機構10およびボールランプ機構12の機械的損失等に基づいて決定することができる。
【0022】
これにより、電源電圧Vが低下した状態においても、発生しうる制動力を確保しながら、消費電力を低減することができ、車載バッテリEへの負担を軽減することができる。車載バッテリEの電圧が低下しているとき、消費電力が増大すると、バッテリ電圧は急激に低下するが、電圧低下モードの制御によって、制動力を維持しつつ、消費電力を低減することができるので、車載バッテリEの更なる電圧低下を抑制することができる。
【0023】
上記第1実施形態に係るコントローラCが行う電圧低下モードの制御フローの一例について、図2を参照して説明する。
図2に示すように、ステップS1では、ブレーキペダルセンサBからペダル踏力を表す信号を入力する。ステップS2では、ペダル踏力に応じたパッド押圧力(ピストン11の推力)を発生させるために必要な必要電圧VRを計算する。ステップS3では、電源電圧Vと必要電圧VRとを比較し、電源電圧Vが必要電圧VR以上である場合は、ステップS4へ進み、電動モータ9に必要電圧VRを供給してステップS5へ進む。ステップS5では、電源電圧Vを確認し、電源電圧Vが基準電圧V1を超える場合は、正常モードへ復帰し、基準電圧V1を以下である場合は、ステップS1へ戻る。ステップS3で、電源電圧Vが必要電圧VR未満である場合は、ステップS6へ進み、電動モータ9に供給する電圧をパッド押圧力を維持するのに必要な維持電圧Vmに低下させてステップS1へ戻る。
【0024】
これにより、上記第1実施形態に係る電圧低下モードを実行することができ、電源電圧Vが低下した状態においても、制動力を維持しつつ、消費電力を低減することができ、車載バッテリEへの負担を軽減することができる。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態に係る電圧低下モードの制御について説明する。第2実施形態では、コントローラCは、上記第1実施形態と同様、電圧低下モードにおいて、ブレーキペダルセンサBの検出に基づいて、ペダル踏力に応じたパッド押圧力(ピストン推力)を発生させるために必要な必要電圧VRを計算する。そして、電源電圧Vが必要電圧VR以上である場合、ペダル踏力に応じた駆動電圧を電動モータ9に供給して、ペダル踏力に応じた制動力を得る。
【0026】
一方、ペダル踏力の増大または電源電圧Vの更なる低下によって、電源電圧Vが必要電圧VR未満となった場合は、駐車ブレーキ機構14のロック手段に作動信号を出力して電動モータ9のロータ18の回転をロックするとともに、電動モータ9への駆動電圧の供給を停止する。その後、ペダル踏力に応じた必要電圧VRが得られれば、駐車ブレーキ機構14によるロックを解除して、電動モータ9への駆動電圧の供給を復帰する。
【0027】
これにより、電源電圧Vが低下した状態においても、制動力を維持しつつ、消費電力を低減することができ、車載バッテリEへの負担を軽減することができる。また、断線等によって制動中に電動モータ9への駆動電流が遮断された場合でも制動状態を維持することができる。
【0028】
次に、上記第2実施形態に係る電圧低下モードの制御フローの一例について、図3を参照して説明する。
図3において、ステップS1からステップS3までは、図2に示す制御フローと同じである。ステップS3において、電源電圧Vが必要電圧VR以上である場合は、ステップS4で駐車ブレーキ機構14の作動を解除し、さらに、ステップS5で電動モータ9に必要電圧VRを供給してステップS6へ進む。ステップS6では、電源電圧Vを確認し、電源電圧Vが基準電圧V1を超える場合は、正常モードへ復帰し、基準電圧V1以下である場合は、ステップS1へ戻る。
【0029】
ステップS3で、電源電圧Vが必要電圧VR未満である場合は、ステップS7へ進み、駐車ブレーキ機構14を作動させて電動モータ9のロータ18の回転をロックするとともに、電動モータ9への駆動電圧の供給を停止してステップS1へ戻る。
【0030】
これにより、上記第2実施形態の電圧低下モードを実行することができ、電源電圧Vが低下した状態においても、制動力を維持しつつ、消費電力を低減することができ、車載バッテリEへの負担を軽減することができる。また、断線等によって制動中に電動モータ9への駆動電流が遮断された場合でも制動状態を維持することができる。
【0031】
次に、第3実施形態に係る電圧低下モードの制御について説明する。
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様、コントローラCは、電圧低下モードにおいて、ブレーキペダルセンサBの検出に基づいて、車両の全車輪(通常は4輪)の電動ディスクブレーキ1について、ペダル踏力に応じたパッド押圧力(ピストン推力)を発生させるために必要な必要電圧VRを計算する。そして、電源電圧Vが必要電圧VR以上である場合、ペダル踏力に応じた駆動電圧を電動モータ9に供給して、ペダル踏力に応じた制動力を得る。
【0032】
一方、ペダル踏力の増大または電源電圧Vの更なる低下によって、電源電圧Vが必要電圧VR未満となった場合は、電動モータ9へ供給する駆動電圧をその時点で発生しているパッド押圧力を維持するのに必要な維持電圧Vmまで低下させる。これにより、制動力を維持しながら消費電力を低下させることができる。
【0033】
そして、一部の車輪(例えば、4輪車において左前輪および右後輪の2輪)の電動ディスクブレーキ1について、ペダル踏力に応じたパッド押圧力(ピストン推力)を発生させるために必要な必要電圧VR´(全車輪の電動ディスクブレーキ1に対する必要電圧VRより小さい)を計算し、電源電圧Vが必要電圧VR´以上であれば、ペダル踏力に応じた駆動電圧をこれら一部の車輪の電動ディスクブレーキ1に供給して制動力を増大させる。
【0034】
次いで、これら一部の車輪の電動ディスクブレーキ1について、供給電圧をパッド押圧力を維持するのに必要な維持電圧Vm´まで低下させて、制動力を維持しながら消費電力を低下させる。さらに、残りの車輪(例えば、4輪車において右前輪および左後輪の2輪)の電動ディスクブレーキ1について、ペダル踏力に応じたパッド押圧力(ピストン推力)を発生させるために必要な必要電圧VR´を計算し、電源電圧Vが必要電圧VR´以上であれば、ペダル踏力に応じた駆動電圧をこれら残りの車輪の電動ディスクブレーキ1に供給して制動力をさらに増大させる。
【0035】
このようにして、消費電力を低減しつつ、順次、制動力を維持、増大させることができ、上記第1実施形態の場合よりも結果として大きな制動力を得ることができる。
【0036】
次に、上記第3実施形態に係る電圧低下モードの制御フローの一例について説明する。なお、第3実施形態の電圧低下モードは、図2に示す第1実施形態の制御フローにおいて、ステップS6の代りに図4に示すサブルーチンを実行するものであるから、図4のサブルーチンについてのみ詳細に説明する。
【0037】
図2の制御フローのステップS3において、電源電圧Vが必要電圧VR未満である場合、図4に示すサブルーチンを実行する。図4において、ステップS31で、全車輪の電動ディスクブレーキ1について、電動モータ9へ供給する電圧を維持電圧Vmまで低下させてステップS32へ進む。ステップS32では、一部の車輪(左前輪および右後輪)について、電源電圧Vをペダル踏力に応じたパッド押圧力(ピストン推力)を発生させるために必要な必要電圧VR´とを比較する。電源電圧Vが必要電圧VR´以上の場合は、ステップS33で、これら一部の車輪の電動ディスクブレーキ1に必要電圧VR´を供給して、ステップS34へ進む。電源電圧Vが必要電圧VR´未満の場合は、ステップ31へ戻る。
【0038】
ステップS34では、残りの車輪(右前輪および左後輪)について、電源電圧Vをペダル踏力に応じたパッド押圧力(ピストン推力)を発生させるために必要な必要電圧VR´とを比較する。電源電圧Vが必要電圧VR´以上の場合は、ステップS35で、これら残りの車輪の電動ディスクブレーキ1に必要電圧VR´を供給して、図2のメインルーチンのステップ1へ戻る。電源電圧Vが必要電圧VR´未満の場合は、ステップS36へ進む。
【0039】
ステップS36では、一部の車輪の電動ディスクブレーキ1について、電動モータ9への供給電圧を維持電圧Vm´まで低下させてステップS37へ進む。ステップS37では、残りの車輪について、電源電圧Vをペダル踏力に応じたパッド押圧力(ピストン推力)を発生させるために必要な必要電圧VR´とを比較する。電源電圧Vが必要電圧VR´以上の場合は、ステップS38で、これら一部の車輪の電動ディスクブレーキ1に必要電圧VR´を供給して、図2のメインルーチンのステップ1へ戻る。電源電圧Vが必要電圧VR´未満の場合は、ステップS36へ戻る。
これにより、上記第3実施形態の電圧低下モードを実行することができ、消費電力を低減しつつ、順次、制動力を維持、増大させて、上記第1実施形態の場合よりも結果として大きな制動力を得ることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明に係る電動ディスクブレーキ装置によれば、電源電圧の低下に対して、電動ディスクブレーキの機械的損失を利用して、駆動電圧より低い電圧で制動状態維持して消費電力を低減することができるので、制動状態を確保するとともに、電源への負担を軽減することができる。
請求項2の発明に係る電動ディスクブレーキ装置によれば、電源電圧の低下に対して、ロック機構によって制動状態を維持し、駆動電圧の供給を停止して消費電力を低減することができるので、制動状態を確保するとともに、電源への負担を軽減することができる。
また、請求項3の発明に係る電動ディスクブレーキ装置によれば、電源電圧の低下に対して、一部の電動ディスクブレーキへ供給する駆動電圧を低下させ、電動ディスクブレーキの機械的損失を利用して制動状態を維持して消費電力を低減し、その分の電力を残りの電動ディスクブレーキに供給して制動力を増大させることができる。その結果、電源電圧の低下に対して高い制動力を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動ディスクブレーキ装置の概略構成を示す全体図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るコントローラの電圧低下モードにおける制御を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施形態に係るコントローラの電圧低下モードにおける制御を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第3実施形態に係るコントローラの電圧低下モードにおける制御のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 電動ディスクブレーキ
2 ディスクロータ
3 キャリパ本体
6,7 ブレーキパッド
9 電動モータ
11 ピストン
14 駐車ブレーキ機構(ロック機構)
18 ロータ
C コントローラ

Claims (3)

  1. キャリパ本体に設けられた電動モータのロータの回転運動をピストンの直線運動に変換して、該ピストンによってブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させる電動ディスクブレーキと、ブレーキ操作に応じて前記電動ディスクブレーキの電動モータに駆動電圧を供給して前記電動ディスクブレーキの制動力を制御するコントローラとを備えた電動ディスクブレーキ装置において、
    前記コントローラは、前記電動モータの駆動中に電源電圧が低下したとき、ブレーキ操作に応じた駆動電圧を前記電動モータに供給できるかどうかをブレーキ操作に応じた必要電圧により判断し、供給可能な電圧が必要電圧未満となった場合、前記電動ディスクブレーキがその時点の制動状態を維持できる維持電圧まで駆動電圧を低下させることを特徴とする電動ディスクブレーキ装置。
  2. キャリパ本体に設けられた電動モータのロータの回転運動をピストンの直線運動に変換して、該ピストンによってブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させる電動ディスクブレーキと、ブレーキ操作に応じて前記電動ディスクブレーキの電動モータに駆動電圧を供給して前記電動ディスクブレーキの制動力を制御するコントローラとを備えた電動ディスクブレーキ装置において、
    前記電動ディスクブレーキは、前記電動モータのロータの回転をロックするロック機構を備え、前記コントローラは、前記電動モータの駆動中に電源電圧が低下したとき、ブレーキ操作に応じた駆動電圧を前記電動モータに供給できるかどうかをブレーキ操作に応じた必要電圧により判断し、供給可能な電圧が必要電圧未満となった場合、前記ロック機構を作動させて前記電動モータのロータの回転をロックするとともに、前記電動モータへの駆動電圧の供給を停止することを特徴とする電動ディスクブレーキ装置。
  3. キャリパ本体に設けられた電動モータのロータの回転運動をピストンの直線運動に変換して、該ピストンによってブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させる複数の電動ディスクブレーキと、ブレーキ操作に応じて前記複数の電動ディスクブレーキの電動モータに駆動電圧を供給して前記複数の電動ディスクブレーキの制動力を制御するコントローラとを備えた電動ディスクブレーキ装置において、
    前記コントローラは、前記電動モータの駆動中に電源電圧が低下したとき、ブレーキ操作に応じた駆動電圧を前記全ての電動ディスクブレーキの電動モータに供給できるかどうかをブレーキ操作に応じた必要電圧により判断し、供給可能な電圧が必要電圧未満となった場合、前記複数の電動ディスクブレーキのうちの一部に対して、その時点の制動状態を維持できる維持電圧まで駆動電圧を低下させ、残りの電動ディスクブレーキに対して、ブレーキ操作に応じた駆動電圧を供給することを特徴とする電動ディスクブレーキ装置。
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