JP4788444B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)を用いたシリコン単結晶の製造方法に関し、さらに詳しくは、シリコン単結晶の引上げ時に石英ルツボの内表面に生成する結晶相が剥離せず、安定した引上げが可能なシリコン単結晶の製造方法に関する。
CZ法によってシリコン単結晶を育成させる場合、多結晶シリコン原料を石英ルツボ内に装入し、その中で溶解する。多結晶シリコンが完全に溶解した後、種結晶をシリコン融液に浸し、石英ルツボを回転させながらシリコン単結晶を引上げていく。
石英ルツボは高温にさらされるので、その内表面では石英ガラスの結晶化が進み、ルツボの内表面に斑点状の石英ガラスの結晶相が形成される。この結晶化はルツボに含まれる不純物が核になって進行する。
近年、シリコン単結晶の大口径化に伴い石英ルツボも大型になってきているが、大量のシリコン原料を溶融するために石英ルツボの側壁はより高温にさらされる。さらに、同一のルツボで複数本のシリコン単結晶の引上げを行う場合には、操業が長時間にわたり、その間ルツボは高温にさらされることになる。そのため、ルツボの内表面は劣化し易く、結晶相が形成される可能性がますます高くなる。
この結晶相は、構造的には外周部のリング状に茶褐色を呈する領域とその内側の透明または白色の領域からなっている。このような斑点状に不均一に形成された結晶相は剥離し易い状態にあり、特に内側の透明または白色の部分が剥離すると、それが結晶成長を阻害し、結晶中に有転位化を招く等、シリコン単結晶の育成に悪影響が生じる。そのため、シリコン単結晶の安定した引上げが困難となり、また、単結晶の歩留が低下する。
この問題を解決するために、特許文献1では、シリコン融液で満たされた石英ルツボに電場を印加することによりルツボ内表面の劣化を防止し、さらに劣化した内面を修復できるとするシリコン結晶の製造方法が提案されている。これは電場を印加することにより内面の均一な失透(結晶化)を促進する効果によるものである。しかし、電場をかけただけでは、引上げの初期にはルツボ内表面の失透が観察されるものの、引上げ後半では石英ルツボの溶損による劣化を完全には防止できず、期待されるほどの失透効果は得られない。
特表2003−505335号公報
本発明は、前述した従来技術における問題点を解決し、シリコン単結晶の引上げが行われている間、石英ルツボ内表面に生成される結晶相の剥離を防止して、大口径のシリコン単結晶の安定した引上げが可能であり、さらには、同一のルツボでの複数本のシリコン単結晶の引上げも可能なシリコン単結晶の製造方法の提供を目的としている。
本発明者らは、前記の課題を解決するために検討を重ねた結果、CZ法により石英ルツボ内で多結晶シリコンを溶融しこの融液から単結晶を引上げ、成長させるに際し、石英ルツボとして合成石英ルツボを用い、当該石英ルツボ内の多結晶シリコンにバリウム化合物を添加するとともに、石英ルツボ側に負の電圧を印加することにより、石英ルツボの内表面に形成される結晶相の剥離をなくし、シリコン単結晶の育成に対する悪影響を抑制できることを知見した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その要旨は、下記のシリコン単結晶の製造方法にある。
すなわち、CZ法により、石英ルツボ内で多結晶シリコンを溶融しこの融液から単結晶を引上げるシリコン単結晶の製造方法において、前記石英ルツボとして合成石英ルツボを用い、当該石英ルツボ側に負の電圧を印加するとともに、石英ルツボ内の多結晶シリコンにバリウム化合物を添加するシリコン単結晶の製造方法である。
ここでいう「合成石英ルツボ」とは、天然の石英(水晶)粉末を原料とする通常の石英ルツボの側壁および底の部分(ここでは、これらを壁部、底部の区別なしに「天然層」と記す)の内表面側に合成石英(これを「合成層」という)を形成させた石英ルツボである。合成層の厚さは通常は5mm以下である。
前記シリコン融液中のバリウムの濃度は、0.1〜2ppmが望ましい。なお、「バリウム濃度」とは、バリウム化合物の添加形態には関係なく、バリウムに換算した濃度である。
前記バリウム化合物の添加に際し、通常は、塩化バリウム、酸化バリウム、水酸化バリウムおよび炭酸バリウムのうちの1種または2種以上を用いるのがよい。
前記印加電圧は、1〜30Vが望ましい。より望ましくは、1〜10Vである。
また、前記合成石英ルツボの天然層におけるアルミニウムの濃度を10ppm以上とすれば、ルツボの高温下での強度を高めることができ、同一のルツボによる複数本のシリコン単結晶の引上げにも対応可能となる。
本発明のシリコン単結晶の製造方法によれば、石英ルツボ内表面に生成される結晶相の剥離、特にリング状に茶褐色を呈する部分よりも内側の部分の剥離を防止してシリコン単結晶の育成に対する悪影響を抑制し、大口径のシリコン単結晶を安定して引上げ、製造することができる。さらに、同一のルツボによる複数本のシリコン単結晶の製造も可能である。
以下に、本発明のシリコン単結晶の製造方法を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法の実施に適したシリコン単結晶引上装置の構成例を模式的に示す図である。図示するように、この装置は、カーボンルツボ2に保持された石英ルツボ1と、石英ルツボ1に装入される多結晶シリコン原料を加熱、溶解するためのヒーター4を備えている。カーボンルツボ2の底部中央には回転および上下動可能に構成されたルツボ軸3が取り付けられている。石英ルツボ1としては、合成石英ルツボを用いる。
石英ルツボ1およびヒーター4の周りには断熱材6が設けられ、また、引上げられる単結晶を囲繞し、石英ルツボ1内のシリコン融液表面からの放熱を遮蔽するための遮蔽部材5が取り付けられている。
石英ルツボ1の中心軸上には、ルツボ軸3と同一軸上で逆方向または同方向に回転する引上げ軸(ワイヤ)9が配設されており、引上げ軸9の下端には種結晶8が保持されている。さらに、引上げ軸9に保持された種結晶8とカーボンルツボ2を介してルツボ軸3に支持された石英ルツボ1との間に、石英ルツボ側に負の電圧を印加できる直流電源装置10が設置されている。なお、図示していないが、装置全体が気密に構成され、上部および下部にアルゴンガスの導入口および排出口が取り付けられている。
このように構成されたシリコン単結晶引上装置を用いて本発明のシリコン単結晶の製造方法を実施するには、石英ルツボ1内に多結晶シリコン原料と不純物としてのバリウム化合物を装入してアルゴンガス雰囲気中で加熱、溶解し、そのシリコン融液7に種結晶8を浸漬して単結晶の育成を開始する。このとき、直流電源装置10を用いて石英ルツボ1側に負の電圧を印加しておく。
続いて、種結晶8を回転させながら引上げ軸9で引き上げ、結晶を無転位化するために種結晶を細く絞るシード絞りを行い、所定の直径を有するボディ(定径部)にするための肩を形成した後、所定の直径でシリコン単結晶11を成長させる。この間、ルツボ軸3を回転させることにより石英ルツボ1を種結晶8と同方向または逆方向に回転させる。単結晶11が目標長さに達すると終端部のテイル絞りを行い、単結晶の育成を終了する。
本発明のシリコン単結晶の製造方法においては、石英ルツボとして合成石英ルツボを用いる。
これにより、以下に述べるように、石英ルツボの内表面でのバリウムを核とした結晶化の速度が速まり、ルツボ内表面に剥離しにくい結晶相が形成される。
通常、石英ルツボの製造には天然の石英(水晶)の粉末(微量の不純物が不可避的に含まれる)が原料として使用されるのに対し、合成石英ルツボは、通常の石英ルツボの側壁および底の部分(天然層)の内表面側に高純度の合成石英からなる合成層を形成させたもので、この合成層に含まれる不純物は極めて少ない。
この合成石英ルツボを使用し、ルツボに装入される多結晶シリコンに不純物としてバリウム化合物を添加し、加熱、溶解すると、ルツボの内表面での結晶化が促進されるのであるが、これは、ルツボの合成層に含まれる不純物が極めて少ないので、ルツボの内表面がバリウムの影響を強く受けやすくなることによるものと考えられる。このようにして生成した結晶は厚く成長することはなく、剥離しにくい。
本発明のシリコン単結晶の製造方法では、石英ルツボ側に負の電圧を印加する。
すなわち、前記図1に示す直流電源装置10によりルツボ側を負極(−極)として直流電圧を印加するのであるが、この電圧印加にともなって石英ルツボの外表面側に負極、内表面側に正極が形成され、合成石英ルツボの天然層側に含まれる微量の他の不純物(Na、K、Li)の合成層側への移動が阻止される。
この電圧の印加によって、不純物の極めて少ない合成層を有する合成石英ルツボを使用することに加え、合成石英ルツボの天然層中に含まれる微量の他の不純物(Na、K、Li)の合成層側への拡散による影響を極力排除し、石英ルツボの内表面にバリウムのみを結晶化の核として存在させて結晶化を促進させ、剥離しにくい結晶を生成させる条件を創出することができる。
このように、本発明の製造方法で石英ルツボ側に負の電圧を印加するのは、石英ルツボに微量含まれるNa、K、Li等の不純物を結晶化の核として作用させるために内表面近傍に移動させるのが目的ではなく、これら不純物の内表面側への拡散を防止するためである。したがって、印加する電圧は大きくする必要はなく、30V以下とするのが望ましい。より望ましくは10V以下である。しかし、1V未満では前記不純物の拡散防止効果が非常に小さいので、印加電圧は1V以上とするのが望ましい。
さらに、本発明のシリコン単結晶の製造方法では、石英ルツボに装入する多結晶シリコンにバリウム化合物を添加して、シリコン融液中にバリウムを存在させる。
バリウム化合物の添加は、石英ルツボの内表面で結晶化の核として作用させるためである。この作用効果を十分に発揮させるために前記石英ルツボ側への負の電圧印加が必要であり、後述する実施例に示すように、電圧の印加を行わない場合は、バリウム化合物を添加してもその効果が現れず、結晶相の剥離が生じる。また、電圧印加の前提として前記の合成石英ルツボの使用が必須であり、それによって不純物(Na、K、Li)の合成層側への拡散を防止し、ルツボの内表面にバリウムのみを存在させて結晶化の核としての作用効果を発揮させることが可能となる。
前記石英の結晶化は、石英ルツボ内表面の全面で生じさせる必要はない。したがって、石英ルツボ内のシリコン融液のバリウム濃度を低く抑えることができ、融液に対する質量比で2ppm以下とするのが望ましい。2ppmを超えると結晶化が進行して結晶が厚くなり、剥離しやすくなる。一方、バリウム濃度の下限は、0.1ppmが望ましく、0.1ppm未満では結晶相の剥離が起こりやすい。
バリウム化合物の添加は、石英ルツボに装入された多結晶シリコンの中心部に投入するのが望ましい。前述のように、合成石英ルツボの合成層に含まれる不純物が極めて少なく、ルツボの内表面がバリウムの影響を強く受けやすくなっているので、局部的な結晶化を避けてルツボ内表面を均等に失透させるためである。
多結晶シリコンに添加するバリウム化合物の形態は、塩化バリウム、酸化バリウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム等のいずれであっても同等の効果が期待でき、それらの複合添加、さらにこれら以外のバリウム化合物の添加も可能である。通常は、入手しやすく、取り扱いが容易な塩化バリウム、酸化バリウム、水酸化バリウムおよび炭酸バリウムのうちの1種または2種以上を用いるのがよい。シリコン融液中におけるバリウム化合物の存在状態は必ずしも明らかではないが、シリコン融液中のバリウムとしての濃度(バリウムに換算した濃度)が重要で、結晶化の速度を速め、剥離しにくい結晶相を形成させるためには、バリウム濃度を前記所定の範囲内に調整することが望ましい。
また、合成石英ルツボの天然層におけるアルミニウムの濃度を10ppm以上とすれば、ルツボの高温下での強度を高めることができる。合成石英ルツボは、合成層の粘度が天然層のそれよりも低く、側壁厚さ等が同一の天然原料を用いた通常の石英ルツボと比較して強度が劣るが、前記のようにアルミニウムを添加することにより天然層の粘度を高めて合成石英ルツボ全体としての高温下での強度を改善することできる。これにより、同一のルツボによる複数本のシリコン単結晶の引上げにも対応可能となる。
以上述べたように、CZ法により、石英ルツボ内で多結晶シリコンを溶融しこの融液から単結晶を引上げるシリコン単結晶の製造方法において、ルツボに装入する多結晶シリコンにバリウム化合物を添加するに際し、合成石英ルツボを用い、当該石英ルツボ側に負の電圧を印加することが必要で、このような限定された条件の下でシリコン単結晶を育成することにより、はじめて石英ルツボの内表面でのバリウムを核とした結晶化の速度を速め、剥離しにくい結晶相を形成させることが可能となる。
その結果、単結晶の引上げが行われている間、結晶相の剥離、特にリング状に茶褐色を呈する部分よりも内側の部分の剥離を防止してシリコン単結晶の育成に対する悪影響を抑制し、大口径のシリコン単結晶を安定して製造することができる。さらに、同一のルツボで複数本のシリコン単結晶の製造も可能である。
(実施例1)
前記図1に示した構成を有するシリコン単結晶引上装置を用い、CZ法により多結晶シリコン原料の溶解およびその融液からの単結晶の引上げを行い、シリコン単結晶の良品率および石英ルツボ内表面の状態(斑点状に生成した結晶相の剥離状況)を調査した。
石英ルツボとしては、内径22インチで、内表面側の厚さ2mmが合成層の合成石英ルツボを使用し、そのルツボ内に高純度の多結晶シリコン140kgを装入した。さらに、ドーパントとして所定量のホウ素(B)を添加した。ホウ素の添加量は、シリコン単結晶育成時に、その比抵抗がシリコン単結晶前半で10Ω・cmになるように調整した。
シリコン単結晶引上装置のチャンバー内はアルゴン雰囲気とし、石英ルツボ側が負極になるように電圧を印加するとともに、ルツボ内に装入した多結晶シリコンの中心部近傍(前記図1のルツボ1内の符号Aを付した部分)に炭酸バリウムを添加して、直径200mmのp型<100>シリコン単結晶を育成した。なお、印加電圧は5Vで一定とした。
表1に、バリウム添加量、シリコン単結晶の良品率、および引上げ終了後における石英ルツボ内表面の状態を示す。「石英ルツボ内表面の状態」とは、斑点状に生成した結晶相において、外周部のリング状に茶褐色を呈する部分よりも内側の部分(以下、「リングの内側」という)の剥離状況である。また、「シリコン単結晶の良品率」とは、単結晶の引上げ総数に対する合格数の比で、バリウム添加無しのときの良品率を1.00として表示した。
Figure 0004788444
表1に示したように、バリウム化合物を添加することによりシリコン単結晶の良品率はいずれも向上した。特に、バリウム添加量が0.1〜2ppmの範囲では顕著な向上が見られた。
石英ルツボ内表面の状態(リングの内側の剥離状況)についても、バリウム添加無しの場合(リングの内側の80%が剥離)に比較していずれも良好であった。特に、バリウム添加量が0.1〜2ppmの範囲では結晶相が速やかに形成され、剥離は見られなかった。しかし、バリウム添加量が0.05ppmではリングの内側の30%が剥離し、また、添加量5ppmでは結晶化が進行して厚い結晶相が認められ、さらに結晶化した部分の剥離現象が観察された。さらに、添加量が1〜5ppmの範囲での結晶相の剥離状況を詳細に調査した結果、2ppmを超えると結晶化が進行して厚くなりやすいことが確認できた。
これらの結果から判断して、ルツボ内の多結晶シリコンへのバリウム添加量は0.1〜1ppmとするのが望ましい。
(実施例2)
次に、印加電圧の効果を確認するため、印加電圧を0〜35Vの範囲で変更して、シリコン単結晶の良品率および石英ルツボ内表面の状態(リングの内側の剥離状況)に及ぼす影響を調査した。バリウム添加量は1ppmで一定とした。
表2に調査結果を示す。表2において、「シリコン単結晶の良品率」は、印加電圧が1Vのときの良品率を1.00として表した値である。
Figure 0004788444
表2に示したように、電圧の印加を行わない場合(印加電圧が0V)は、バリウム化合物を添加していてもその効果が現れず、結晶相(リングの内側)の剥離が認められた。その影響でシリコン単結晶の良品率も低下傾向を示した。
これに対し、電圧を印加することによってシリコン単結晶の良品率は向上し、リングの内側の剥離状況は改善された。すなわち、印加電圧が1V以上では、リングの内側の剥離は認められなかった。したがって、印加電圧は1V以上とするのが望ましく、シリコン単結晶の良品率の顕著な向上を期待するには、5V以上とするのがより望ましい。しかし、印加電圧を高くし過ぎると、シリコン単結晶の良品率が低下する。その理由は明らかではないが、印加電圧が30Vになると、シリコン単結晶の良品率は0.99と若干低下し、印加する電圧を上げて35Vにすると、さらに低下した(但し、電圧を印加しない場合に比較すると、同等またはそれ以上である)。
これらの結果から判断して、石英ルツボ側が負極になるように印加する電圧は、1〜30Vが望ましく、1〜10Vとするのがより望ましい。
本発明のシリコン単結晶の製造方法は、CZ法によるシリコン単結晶の育成を、石英ルツボとして天然の石英粉末を原料とする石英ルツボの内表面側に合成石英を形成させた合成石英ルツボを用い、当該石英ルツボ側に負の電圧を印加するとともに、ルツボに装入する多結晶シリコンにバリウム化合物を添加する条件の下で行う方法で、石英ルツボの内表面の結晶化速度を速め、剥離しにくい結晶相を形成させて結晶相の剥離を防止し、シリコン単結晶の育成に対する悪影響を抑制することができる。
このシリコン単結晶の製造方法は、大口径のシリコン単結晶の製造、さらには、同一のルツボでの複数本のシリコン単結晶の製造に好適に利用することができる。
本発明の製造方法の実施に適したシリコン単結晶引上装置の構成例を模式的に示す図である。
符号の説明
1:石英ルツボ
2:カーボンルツボ
3:ルツボ軸
4:ヒーター
5:遮蔽部材
6:断熱材
7:シリコン融液
8:種結晶
9:引上げ軸
10:直流電源装置
11:シリコン単結晶

Claims (5)

  1. チョクラルスキー法により、石英ルツボ内で多結晶シリコンを溶融しこの融液から単結晶を引上げるシリコン単結晶の製造方法において、前記石英ルツボとして天然の石英粉末を原料とする石英ルツボの内表面側に合成石英を形成させた合成石英ルツボを用い、当該石英ルツボ側に負の電圧を印加するとともに、石英ルツボ内の多結晶シリコンにバリウム化合物を添加することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記シリコン融液中のバリウムとしての濃度が0.1〜2ppmであることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記バリウム化合物の添加に際し、塩化バリウム、酸化バリウム、水酸化バリウムおよび炭酸バリウムのうちの1種または2種以上を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記印加電圧が1〜30Vであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリコン単結晶の製造方法。
  5. 前記合成石英ルツボの天然の石英粉末を原料とする部分におけるアルミニウムの濃度が10ppm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシリコン単結晶の製造方法。
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