JP4788290B2 - パルスレーダ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電波を送受信して、対象物までの距離と方位を検出するレーダ装置に関する。
従来のパルスレーダ装置による対象物検出動作の様子を図11に示す。このパルスレーダ装置は、送信アンテナ101を備えた送信系を1つ、受信アンテナ102を備えた受信系を1つを有して、送信アンテナ101と受信アンテナ102による送受信信号により距離Rを検知し、検知エリアの領域Eに存在する検知対象物の位置を検出する。このような構成のパルスレーダ装置においては、送信から受信までの時間から距離Rを求めることができるが、検知対象物103の方位を求めることはできない。
この方位を検出できるレーダとして、1つのビーム位置で、1つのパルス(モノパルス)を処理して距離・方位情報を得るモノパルス方式レーダやアンテナビームを対象物の近傍を連続して走査するビーム走査方式レーダがある。特に、モノパルス方式レーダは、受信時刻の異なる複数のビームを走査して計測するビーム走査方式レーダと違って時間的な変動の影響を受けないため精度の高い距離、方位情報が得られる。このモノパルス方式には、振幅を検出する振幅比較モノパルス方式と位相を検出する位相比較モノパルス方式(位相モノパルス方式)がある。
この位相モノパルス方式のレーダ装置による対象物検出動作の様子を図12に示す。このレーダ装置は、対象物からの反射波を2個以上のアンテナで受信するものであり、受信アンテナの位置が異なるので、受信アンテナ間で角度差が生じる。この角度差を検出することで検知対象物の方位角θを検出することができ、そのため、ビーム走査することなく方位角θの検出が可能である。
この方位角θの導出について説明する。2つの受信アンテナ102a、102b間の距離をd、検知対象物103の方位角をθ、レーダ波の波長をλとしたとき、2つの受信アンテナ102a、102bが受信する信号の位相差Δφは、
Δφ=(2πdsinθ)/λ ・・・(1)
となり、従って、対象物103の方位角θは、
θ=arcsin(Δφ・λ/2πd)・・(2)
となる。このようにして受信信号の位相差Δφから対象物103の方位角θを求めることができる。なお、ここでいう位相差Δφは、1波長(λ)に対するレーダ波の経路差(2πd・sinθ)の割合として定義される。
上記のような位相モノパルス方式のレーダの応用として、アレーアンテナと、マルチビーム形成手段と、ピーク検出手段と、高分解能処理器とを備えたレーダ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、同様にアレーアンテナと、アンテナビーム形状を鋭角・遠距離もしくは広角・近距離に切り換えるためのアンテナスイッチと、アンテナスイッチを切り換える切換制御装置とを備えたモノパルスレーダシステムが知られている(例えば、特許文献2参照)。上述した特許文献1、2に示されるような装置においては、いずれも検出精度の向上を図るには、構成が複雑となり高価なものとなる。
特開2003−139849号公報 特開2003−248055号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、上述のパルス方式と位相モノパルス方式の考え方を基に、構成が簡単で安価に、検知対象物までの距離、方位角を精度良く検出することができるパルスレーダ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、1つの送信系と複数の受信系を用いて物体までの距離、及び方位角を検出するパルスレーダ装置において、パルス状の送信信号を送信する送信手段と、前記物体から反射した反射波を受信する前記複数の受信系に対応して設けられた受信手段と、前記受信手段からの各受信信号を前記送信信号とミキシングしてミキシング信号をそれぞれ得るミキシング手段と、前記少なくとも1つのミキシング信号の出力に基づいて前記物体までの距離を算出する距離検出手段と、前記複数のミキシング信号の出力に基づいて各受信系における受信信号の位相差を算出し、この位相差より前記物体の方位角を求める方位角検出手段と、前記送信手段からの送信信号を90°移相するπ/2移相器と、を備え、前記ミキシング手段は、前記複数の受信系にそれぞれ2個づつ設けられ、前記方位角検出手段は、前記複数の受信系のうちの、1つの受信系における2個のミキシング手段により、それぞれ前記受信信号と前記送信信号とをミキシングして得られるミキシング信号と、前記受信信号と前記送信信号を前記π/2位相器で90°移相した信号とをミキシングして得られるミキシング信号と、を用いて前記物体の方位角を求めるものである。
請求項の発明は、請求項に記載のパルスレーダ装置において、前記方位角検出手段は、前記ミキシング信号の振幅より位相を検出し、検出物体の方位角を求めるものである。
請求項の発明は、請求項に記載のパルスレーダ装置において、前記方位角検出手段は、前記ミキシング信号の時間差より位相を検出し、検出物体の方位角を求めるものである。
請求項の発明は、請求項に記載のパルスレーダ装置において、前記方位角検出手段は、前記ミキシング信号をサンプリング処理するために等価サンプリングによるサンプリング手段を備えたものである。
請求項1の発明によれば、受信信号と送信信号とのミキシング信号を基に物体距離を算出し、複数の受信系の受信信号の位相差を算出して物体の方位角を求めるので、物体までの距離と方位角を精度良く検出することができると共に、1つの受信信号を用いて位相の異なる2つのミキシング信号が得られるので、ミキシング信号間の立上り時間差をより正確に検出することができる
請求項の発明によれば、位相の異なる2つのミキシング信号の振幅を用いてミキシング信号の位相の検出を行うので、方位角の検出が容易となる。
請求項の発明によれば、位相の異なる2つのミキシング信号の位相差を受信時間差により検出するので、受信信号の位相差の測定精度が高まる。
請求項の発明によれば、等価的に高速のサンプリングにより高精度に波形の観測ができるので、複数の検出対象物が異なる距離に配置されている場合にも、観測波形が重ならず、最も近い対象物から順次、方位角を検出することができる。
以下、本発明の実施形態に係るパルスレーダ装置について、図面を参照して説明する。図1は第1の実施形態によるパルスレーダ装置1(以下、本装置という)の構成を示す。本装置1は、1つの送信系2と、2つの受信系4、5とを備える。送信系2は、パルス状の送信信号aを出力する送信部3(送信手段)と、この送信部3から出力される送信信号aを電波として送出する送信アンテナ2a(送信手段)とを有する。受信系4、5は、送信系2によって送信された電波が物体(検知対象物)により反射された反射波を受信する2つの受信アンテナ4a、5a(受信手段)と、これらに接続される受信部6a、6b(受信手段)とをそれぞれ備える。これらの受信部6a、6bは、各受信アンテナ4a、5aからの第1、第2の受信信号b1、b2を送信信号aとミキシングしてミキシング信号m1、m2を得るミキサ61、62(ミキシング手段)を備える。さらに、本装置1は、ミキシング信号m1又はm2に基づいて物体の距離を算出する距離検出部7(距離検出手段)と、ミキシング信号m1及びm2に基づいて受信信号b1、b2の位相差を算出し、これより物体の方位角を算出する方位角検出部8(方位角検出手段)とを備える。
送信部3は、送信信号aを出力するための発振器3aと、クロック発生器3bとを備え、送信アンテナ2aより送信信号aを送出すると共に、送信信号aの送信タイミングt1を距離検出部7に伝える。距離検出部7は、受信部6a、6bの各ミキサ61、62で得られたミキシング信号m1、m2の波形の立上りを検出する波形立上り検出器7aと、物体までの距離を算出する距離演算器7bを備えている。この距離演算器7bは、波形立上り検出器7aの出力情報であるミキシング信号m1又はm2の立上り時刻(受信時刻)t2及び発振器3aからの出力情報である送信時刻t1に基づいて物体までの距離を算出する。方位角検出部8は、ミキシング信号m1、m2の各波形の立上りを検出する波形立上り検出器8aと、波形立上り検出器8aで検出されるミキシング信号m1とm2の立上り時刻t2、t3から方位角θを算出する方位角演算器8bとを備える。
図2は本装置1の動作を説明するための各種信号波形を示す。図2において、aは送信信号、b1、b2は第1、第2の受信信号、m1、m2は送信信号aと受信信号b1、b2とのミキシングによる第1、第2のミキシング信号である。
本装置1においては、送信部3よりパルス化された送信信号aを送信アンテナ2aより検知対象物に向けて送信し、検知対象物で反射させ、その反射信号を受信アンテナ4a、5aで受信信号b1、b2として受信し、受信部6a、6bのミキサ61、62により受信信号b1、b2を送信信号aとミキシングしてミキシング信号m1、m2を得る。このミキシング信号m1とm2の立ち上がり時刻t2、t3と送信時刻t1とを用いて、距離検出部7は距離を検出し、方位角検出部8は方位角を検出する。このように、ミキシング信号m1、m2の立上り時刻の検出により簡単に受信時間差を得ることができるので、対象物までの距離と方位角を容易に得ることができる。また、得られた受信時刻、受信時間差からの距離、方位角の算出も複雑な演算処理を必要としないので、距離演算器7b及び方位角演算器8bの演算時間を短縮でき、応答を速めることができる。
次に、対象物までの距離Rの求め方について説明する。図2に示すように、送信信号aの送信から受信までの時間差Taは、送信信号aの送信時刻t1と、送信信号aと第1の受信信号b1のミキシング信号m1の立上り時刻t2の時間差Ta=t2−t1で得られ、距離Rは、R=Ta×C/2(ただし、Cは光速)で求められる。具体的には、クロック発生器3b(CL)が発生する時間基準パルスの数をカウンタで送信時刻t1から数え始め、受信時刻t2に数え終わったときのパルス数とパルス間隔とからTa、従って距離Rが得られる。
また、方位角θは、第1の受信アンテナ4aと第2の受信アンテナ5aの間隔をdとし、第1の受信アンテナ4aと第2の受信アンテナ5aでの受信時刻t2、t3をミキシング信号m1、m2の立上り時刻から求め、送信信号aの周波数をfa、周期をTfとして、受信信号b1、b2間の位相差Δφは、次式で求められる。
Δφ=2π(t3−t2)/Tf・・・(3)
従って、方位角θは、前述の式(2)を用いて、
θ=arcsinΔφ・λ/2πd=arcsin(t3−t2)λ/(Tf・d)
より、容易に求められる。
なお、図2におけるミキシング信号m1、m2の各波形は、検知対象物が静止状態である場合を示しているが、反射波が移動物体から反射された場合は、ドップラ効果により、ミキシング信号はドップラ信号となり周波数変動しているのでその波形は、立上り検出波形Dに示すように、略SIN波形を成す。この場合も、このSIN波形の立上りを検出することにより、2つの受信信号b1、b2の受信時刻の検出が可能であり、距離及び方位角を検出することができる。
上述した本実施形態によれば、送信信号aの送信時刻t1と受信信号b1の受信時刻t2による到達所要時間(t2−t1)と、受信信号b1及び受信信号b2の受信時間差(t3−t2)を、各ミキシング信号の立上り波形を基に直接各受信時刻を検出して求めることができる。従って、精度の良い受信時間差情報が簡単に得られ、検知対象物までの正確な距離、及び方位角の検出を容易に行うことができる。
図3は本発明の第2の実施形態に係るパルスレーダ装置1の構成を示す。本装置1は、予め所望の検出距離及び方位角の情報を記憶するための記憶装置9と、記憶した距離・方位角情報と測定された距離・方位角とを比較するための比較器11をさらに備え、距離検出部7及び方位角検出部8で検出された距離及び方位角が、記憶装置9に記憶された距離及び方位角の設定範囲内にあるときにのみ検出距離及び方位角を出力するものである。本実施形態は、この記憶装置9と、比較器11を備えた点以外は、前記実施形態と同様である。図3において、第1の実施形態と同一部材には、同一符号を付す(以下、同様)。
本装置1は、ミキサ61、62からのミキシング信号を用いて距離検出部7により距離、方位角検出部8により方位角をそれぞれ検出する。この検出された距離・方位角情報は、記憶装置9に予め記憶されている所望の距離・方位角のデータと比較器11にて比較され、検出データが所望の範囲のエリアB内にあれば検出結果として出力する。
図4は本装置1の検知可能なエリアを示す。本装置1においては、検知可能なエリアAが一意に定まるため、ユーザが所望しないエリアの対象物を検知する虞がある。このため、本装置1は予め所望の範囲のエリアBを記憶装置9に記憶しておき、この記憶したデータと検知した距離・方位角とを比較器11で比較し、検知データが所望の範囲のエリアB内であれば検知結果として出力することにより所望の検知結果を得る。これにより、ユーザが所望しないエリアの対象物を検出することがなくなると共に、不要な検出演算を省いて出力応答を速くし、ユーザの利便性を高めることができる。
図5、本発明の第3の実施形態に係るパルスレーダ装置の構成を示す。本装置1は、2つの受信系4、5に対応する受信部6a、6bにそれぞれ2つずつ設けたミキサ(61と63、及び62と64)と、送信信号aを90°移相するπ/2移相器12と、をさらに備える。図6は本装置1の動作を説明するための各種信号波形を示す。
本装置1において、送信部3よりパルス化された送信信号aは送信アンテナ2aより発射され、検知対象物で反射され、この反射波を受信アンテナ4a、5aで第1及び第2の受信信号b1、b2として受信する。この受信アンテナ4aで受信された第1の受信信号b1と送信信号aは、受信部6aのミキサ61でミキシングされ、第1のミキシング信号が得られる。また、π/2移相器12で90°移相された送信信号aと第1の受信信号b1はミキサ63でミキシングされ、第3のミキシング信号m3が得られる。同様に、受信アンテナ5aで受信された第2の受信信号b2と送信信号aはミキサ62でミキシングされ、第2のミキシング信号m2が得られると共に、π/2移相器12で90°移相された送信信号aと、第2の受信信号b2がミキサ64でミキシングされ、第4のミキシング信号m4が得られる。これらの得られた第1〜第4のミキシング信号m1〜m4は、方位角検出部8に加えられ、距離検出部7には、ミキシング信号m1、m2と、少なくともミキシング信号m3、m4のいずれかが加えられる。
方位角検出部8は、波形立上り検出器8aにおいて、図6に示される第1、第3のミキシング信号m1、m3の検出振幅V1、V3を検出し、この振幅により第1の受信信号b1の位相を検出する。ここで、例えば、検出振幅V1、V3が等しい場合は、送信信号aと第1の受信信号b1の位相が45°となり、一方、検出振幅V1、V3が互いに+−逆符号でそれらの絶対値が等しい場合は、位相は−45°となる。このようにして、ミキシング信号の振幅により位相φ1を一意的に検出することができる。同様に、第2、第4のミキシング信号m2、m4の検出振幅V2、V4より、位相φ2を検出することができる。従って、φ2とφ1の差をとれば、2つの受信アンテナ4a、5a間の受信信号b1、b2の位相差Δφを得ることができる。このΔφと前述の式(2)を用いて、方位角演算器8bによる演算により方位角θを求めることができる。
また、方位角検出部8は、図6に示すように、波形立上り検出器8aで検出されるミキシング信号m1とm2間、又はミキシング信号m3とm4間の立上り波形のいずれか又は両方の立上り時刻差を用いて、第1の受信信号b1と第2の受信信号b2間の受信時間差Tb(=t3−t2)を検出できる。これにより、前記と同様に、2つの受信アンテナ4a、5a間の受信信号b1、b2の位相差Δφを2πTb/Tfから得ることができ、前述の式(2)を用いて、方位角演算器8bにおいて方位角θを求めることができる。この測定は、時間検出から方位角を求めるので、測定精度がより高くなる。また、ミキシング信号m1、m3及びm2、m4の電圧の検出振幅V1、V3及びV2、V4のそれぞれの絶対値を取って合成することにより、常に正符号の検出電圧を得ることができるので、この絶対値処理により正確で安定した立上り検出を行うことができ、さらに精度の良い位相検出を行うことができる。なお、図6では、検知対象物が静止状態である場合のミキシング信号波形を示して説明したが、検知対象物が移動状態であっても前記と同様に距離、方位角を検出することができる。
図7は本発明の第4の実施形態に係るパルスレーダ装置1の構成を示す。本装置1は、前記第1の実施形態において、受信部6a、6bと距離検出部7及び方位角検出部8との間に、繰り返し入力に対し等価的に高速のサンプリングを行える等価サンプリング部10をさらに備えたものである。この等価サンプリング部10は、受信部6a、6bからのミキシング信号m1、m2を送信部3から送出される第1のパルス信号(以下、第1のパルスという)を生成する第1パルス生成手段13と、第1のパルスの周波数と異なる周波数を有する第2のパルス信号(以下、第2のパルスという)を生成する第2パルス生成手段14と、第1及び第2のパルスの同期を検出する同期検出手段15と、受信部6a、6bからのミキシング信号m1、m2をサンプリングするサンプリング手段16とを備える。
上記第1パルス生成手段13で生成された第1のパルスは、送信部3のクロック発生器3bのクロック信号と同期されており、この第1のパルスと第2パルス生成手段14で生成された第2のパルスを同期検出手段15で同期を検出した時、2番目以降の第1のパルスの発生時刻が第2のパルスに対し順次、Δtずつ進むように構成されている。また、同期検出手段15は、サンプリング手段16でのサンプリングを開始するためのトリガとなる同期信号を形成する。
図8は本装置1の動作を説明するための波形を示す。送信部3は、第1パルス生成手段13でパルス化された第1のパルスを送信出力する。この送信信号aは検知対象物で反射され、その反射信号は受信アンテナ4a、5a(図1参照)で受信されて2つの受信信号b1、b2が得られる。この受信信号b1、b2は受信部6a、6bのミキサ61、62でミキシング信号m1、m2に変換される。第2パルス生成手段14は、第1のパルス周波数と異なる(低い)周波数でなる第2のパルス(この2発目は、第1のパルスのそれよりΔtだけ遅い)を生成する。同期検出手段15は、第1パルス生成手段13のパルス立ち上がりと第2パルス生成手段14のパルス立ち上がりが一致する時刻(T1)を同期として検出する。サンプリング手段16は、同期検出手段15から出力される同期信号をトリガとしてミキシング信号m1(m2)のサンプリングを第2のパルスのタイミングで開始し、次の同期信号が入力されるまで、つまりミキシング信号m1(m2)と第2のパルスの立ち上がりが一致する時刻(T2)まで行う。このように、サンプリング手段16は、繰り返し入力されるパルスレーダのミキシング信号に対し、第1パルスからΔtだけ少しずつずらした第2パルスでサンプリングすることにより、等価的にミキシング信号の波形期間を細かくサンプリングする高速のサンプリングとなる等価サンプリング形式を取っている。このサンプリング結果より距離検出部7と方位角検出部8は、それぞれ距離、方位角を精度良く算出することができる。
ここでの距離の算出は、サンプリング手段16において、第2のパルスのタイミングでミキシング信号m1(m2)をサンプリングするため、第1のパルスの周波数をfc1、第2のパルスの周波数をfc2とすると、距離精度は、(1/fc2−1/fc1)×c/2となる。例えば、fc1=4.004004…MHz、fc2=4MHz、媒体を光又は電波(c≒3.0×10m)とした場合、距離精度は3.75cm(=0.25ns)となる。距離Rは、距離検出部7にてサンプリング信号のn番目にて対象物を検知できたとすると、
R=(1/fc2−1/fc1)×c×n/2
で求められ、精度良く距離の検出ができる。また、方位角検出に関しても、従来では複数の対象物が異なる距離で配置されていた場合は、クロックをカウントするタイミングによって複数の波形が重なってしまい、方位角を検出できない恐れがあったが、この手法により、サンプリングする第2のパルスの位相が常に移動していることにより波形が重ならないため、最も近い対象物から順次、方位角の検出が可能とる。なお、2つのパルス周波数の設定は、一方のパルスが他方のパルスとある周期毎に正確に同期する周波数を選択しなければならない。
図9は、本発明の第5の実施形態に係るパルスレーダ装置の構成を示す。本装置1は、前記第1の実施形態において、受信部6a、6bと距離検出部7及び方位角検出部8の間にパルス積分器17をさらに備えている。
本装置1において、送信部3よりのパルス化された送信信号aは検知対象物で反射され、その反射波を受信アンテナ4a、5aで受信する。反射波の受信信号b1、b2と送信信号aをミキシングしたミキシング信号m1、m2は、パルス積分器17でパルス積分されることにより雑音成分が低減されて距離検出部7、及び方位角検出部8に加えられる。距離検出部7、及び方位角検出部8は、この雑音成分が抑圧されたミキシング信号m1、m2を用いて距離演算器7b及び方位角演算器7bにおいてそれぞれ演算処理を行うので、演算処理の誤りが低減される。これにより、距離検出部7、及び方位角検出部8における各受信信号時間の検出精度が向上し、最大検知距離を延ばすことができ、方位角の測定精度を向上することができる。
図10は、本発明の第6の実施形態に係るパルスレーダ装置1の構成を示す。本装置1は、前記第1の実施形態において、受信部6a、6bと距離検出部7及び方位角検出部8の間に自動利得制御器18をさらに備えている。
本装置1において、送信部3で生成された送信信号aは、送信アンテナ2aより送信され、検知対象物にあたって反射されて反射信号となり、この反射信号は受信アンテナ4a、5aで受信信号b1、b2として受信される。受信信号b1、b2は受信部6a、6bのミキサ61、62で送信信号aとミキシングされ、ミキシング信号m1、m2に変換される。このミキシング信号m1、m2は自動利得制御器18により利得が制御され出力レベルが一定化される。この一定化されたミキシング信号m1、m2は、距離検出部7及び方位角検出部8に入力され演算処理されて、距離及び方位角がそれぞれ検出される。
通常、レーダ装置においては、対象物からの受信波は検出物体の距離に著しく左右されるため、その出力は至近距離と遠方では数十dB以上のレベル差を生じる。そのため、自動利得制御を行なうことにより、近距離では目標を見失わない範囲で利得を下げて感度を抑制し、遠距離になるに従って感度を上げていくことが可能になる。また、図10の構成では、ミキシング信号m1、m2を自動利得制御器18に入力する構成となっているが、ミキシング前に自動利得制御器18を設置して受信アンテナからの受信信号(RF信号)そのものを利得制御する構成も可能である。
次に、本発明の第7の実施形態に係るパルスレーダ装置(図示なし)について説明する。本実施形態は、第1の実施形態と同様の構成において、2つの受信アンテナの間隔を送信信号の周波数の1/2波長以内に配置したものである。通常、レーダ装置では、方位角を測定するには、受信アンテナを2個配置する必要があるが、アンテナ間距離を広くすると、前記式(1)より、例えば、対象物の方位角θがπ/2近くになれば、位相差が1/2波長以上になる。この時、比較する送信信号aと受信信号b1(又はb2)の観測する波形の対応する周期位置がずれてくる可能性があるため、送受信信号間で対応する波形の正確な位相比較ができず、方位角の検出ができなくなる虞がある。本実施形態では、2つの受信アンテナ間距離dを半波長(λ/2)内にすることにより、両受信アンテナ間隔が最大でλ/2しかずれないので、観測する送受信信号の波形の対応する周期位置のずれ(本来、比較すべき波形を誤って次の周期の波形を観測する)を防ぎ、送受信信号間で正確な対応波形による位相比較ができるので、前方180°の方位角の検出が可能となる。
上述した各種実施形態に係るパルスレーダ装置1においては、1つの送信系2と、2つの受信系4、5を備え、送信アンテナ2aからの送信信号aの検知対象物による反射波を各受信アンテナ4a、5aで受信した受信信号b1、b2と送信信号aとをミキサ61、62でミキシングすることにより、時間差を持つミキシング信号m1、m2を容易に得ることができる。このミキシング信号m1、m2を基に、これらの検出時間差から検知対象物までの距離及び方位角を簡単な構成で精度良く検出することができる。
本発明の第1の実施形態に係るパルスレーダ装置の構成図。 同上装置の動作を説明するための波形図。 本発明の第2の実施形態に係るパルスレーダ装置の構成図。 同装置の検知領域を示す図。 本発明の第3の実施形態に係るパルスレーダ装置の構成図。 同上装置の動作を説明するための波形図。 本発明の第4の実施形態に係るパルスレーダ装置の構成図。 同上装置の動作を説明するための波形図。 本発明の第5の実施形態に係るパルスレーダ装置の構成図。 本発明の第6の実施形態に係るパルスレーダ装置の構成図。 従来のレーダ装置の検出動作を説明するための図。 別の従来のレーダ装置の検出動作を説明するための図。
符号の説明
1 パルスレーダ装置
2 送信系
2a 送信アンテナ(送信手段)
3 送信部(送信手段)
4、5 受信系
4a、5a 受信アンテナ(受信手段)
6a、6b 受信部(受信手段)
61〜64 ミキサ(ミキシング手段)
7 距離検出部(距離検出手段)
8 方位角検出部(方位角検出手段)
10 等価サンプリング部
11 記憶装置
12 90°移相器
16 サンプリング手段
17 パルス積分器
18 自動利得制御器

Claims (4)

  1. 1つの送信系と複数の受信系を用いて物体までの距離、及び方位角を検出するパルスレーダ装置において、
    パルス状の送信信号を送信する送信手段と、
    前記物体から反射した反射波を受信する前記複数の受信系に対応して設けられた受信手段と、
    前記受信手段からの各受信信号を前記送信信号とミキシングしてミキシング信号をそれぞれ得るミキシング手段と、
    前記少なくとも1つのミキシング信号の出力に基づいて前記物体までの距離を算出する距離検出手段と、
    前記複数のミキシング信号の出力に基づいて各受信系における受信信号の位相差を算出し、この位相差より前記物体の方位角を求める方位角検出手段と、
    前記送信手段からの送信信号を90°移相するπ/2移相器と、
    を備え、
    前記ミキシング手段は、前記複数の受信系にそれぞれ2個づつ設けられ、
    前記方位角検出手段は、前記複数の受信系のうちの、1つの受信系における2個のミキシング手段により、それぞれ前記受信信号と前記送信信号とをミキシングして得られるミキシング信号と、前記受信信号と前記送信信号を前記π/2位相器で90°移相した信号とをミキシングして得られるミキシング信号と、を用いて前記物体の方位角を求めることを特徴とするパルスレーダ装置。
  2. 前記方位角検出手段は、前記ミキシング信号の振幅より位相を検出し、検出物体の方位角を求めることを特徴とする請求項1に記載のパルスレーダ装置。
  3. 前記方位角検出手段は、前記ミキシング信号の時間差より位相を検出し、検出物体の方位角を求めることを特徴とする請求項1に記載のパルスレーダ装置。
  4. 前記方位角検出手段は、前記ミキシング信号をサンプリング処理するために等価サンプリングによるサンプリング手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のパルスレーダ装置。
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