JP2005257523A - モノパルスレーダー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モノパルスレーダー装置の変調周波数が高周波になると位相比較が困難になり、振幅比較方式が採用される。従来の振幅比較方式のモノパルスレーダー装置では、対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波の和と差から対象物の方位を検出するものであったため、高精度に対象物の方位を検出することが困難であった。本願発明は、高精度に対象物の方位を検出することのできる振幅比較方式のモノパルスレーダー装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本願発明のモノパルスレーダー装置は、このような目的を達成するために、本願発明のモノパルスレーダー装置は、2つの受信アンテナで対象物からの反射波を受信して、そのうちの一方の受信波の位相を遅延させたのち、2つの受信波の和の振幅値と差の振幅値との比から対象物の方位を検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、対象物の方位を検出するレーダー装置に関する。特に、2つの受信アンテナで受信して振幅値から対象物の方位を正確に検出することのできるモノパルスレーダー装置に関する。
従来のモノパルスレーダー装置には、2つのアンテナで受信した受信波の振幅を比較して対象物の方位を検出する振幅比較方式(例えば、非特許文献1参照。)や2つのアンテナで受信した受信波の位相を比較して対象物の方位を検出する位相比較方式(例えば、特許文献1、特許文献2参照)がある。また、両者を利用する方式(例えば、特許文献3参照。)もある。
モノパルスレーダー装置の変調周波数が高周波になると位相比較が困難になり、振幅比較方式が採用される。従来の振幅比較方式のモノパルスレーダー装置では、対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波の和と差から対象物の方位を検出するものであったため、高精度に対象物の方位を検出することが困難であった。また、振幅の測定も十分な精度を確保することができなかった。
特開平11−271434号公報 特開2000−230974号公報 特開平05−240948号公報 Radar Handbook(2nd edition)、Merril Ivan Skolnik著、MacGraw−Hill発行、1989/10
そこで、このような課題を解決するために、本願発明は、高精度に対象物の方位を検出することのできる振幅比較方式のモノパルスレーダー装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本願発明のモノパルスレーダー装置は、2つの受信アンテナで対象物からの反射波を受信して、そのうちの一方の受信波の位相を遅延させたのち、2つの受信波の和の振幅値と差の振幅値との比から対象物の方位を検出する。
具体的には、本願発明は、対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波により対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置において、前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波を所定量の位相だけ遅延させる位相シフト回路と、前記受信アンテナからの2つの受信波の和を求める第一の加算回路と、前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との和を求める第二の加算回路と、前記第一の加算回路からの2つの受信波の和の振幅値を求める第一の振幅値検出回路と、前記第二の加算回路からの2つの受信波の和の振幅値を求める第二の振幅値検出回路と、前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路と、を備えるモノパルスレーダー装置である。
本願他の発明は、対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波により対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置において、前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波を所定量の位相だけ遅延させる位相シフト回路と、前記受信アンテナからの2つの受信波の和を求める加算回路と、前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との差を求める減算回路と、前記加算回路からの2つの受信波の和の振幅値を求める第一の振幅値検出回路と、前記減算回路からの2つの受信波の差の振幅値を求める第二の振幅値検出回路と、前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路と、を備えるモノパルスレーダー装置である。
本願他の発明は、対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波により対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置において、前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波を所定量の位相だけ遅延させる位相シフト回路と、前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との和を求める加算回路と、前記受信アンテナからの2つの受信波の差を求める減算回路と、前記加算回路からの2つの受信波の和の振幅値を求める第一の振幅値検出回路と、前記減算回路からの2つの受信波の差の振幅値を求める第二の振幅値検出回路と、前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路と、を備えるモノパルスレーダー装置である。
本願他の発明は、対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波により対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置において、前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波を所定量の位相だけ遅延させる位相シフト回路と、前記受信アンテナからの2つの受信波の差を求める第一の減算回路と、前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との差を求める第二の減算回路と、前記第一の減算回路からの2つの受信波の差の振幅値を求める第一の振幅値検出回路と、前記第二の減算回路からの2つの受信波の差の振幅値を求める第二の振幅値検出回路と、前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路と、を備えるモノパルスレーダー装置である。
本願他の発明は、対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波により対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置において、前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波を所定量の位相だけ遅延させる位相シフト回路と、前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との和を求める加算回路と、前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との差を求める減算回路と、前記加算回路からの2つの受信波の和の振幅値を求める第一の振幅値検出回路と、前記減算回路からの2つの受信波の差の振幅値を求める第二の振幅値検出回路と、前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路と、を備えるモノパルスレーダー装置である。
本願他の発明は、上記発明のモノパルスレーダー装置において、前記第一の振幅値検出回路又は第二の振幅値検出回路は、2つの受信波の和又は2つの受信波の差を復調して復調信号を出力する復調回路と、前記復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路と、前記比較回路の比較値の大きさを制御して、前記比較回路からの出力の有無によって前記復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、を含み、2つの受信波の和の振幅値又は2つの受信波の差の振幅値を求めることを特徴とするモノパルスレーダー装置である。
本願他の発明は、対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波により対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置において、前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との和を求める加算回路と、前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との差を求める減算回路と、前記加算回路からの2つの受信波の和の振幅値を求める第一の振幅値検出回路と、前記減算回路からの2つの受信波の差の振幅値を求める第二の振幅値検出回路と、前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路と、を備えるモノパルスレーダー装置であって、前記第一の振幅値検出回路又は第二の振幅値検出回路は、2つの受信波の和又は2つの受信波の差を復調して復調信号を出力する復調回路と、前記復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路と、前記比較回路の比較値の大きさを制御して、前記比較回路からの出力の有無によって前記復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、を含み、2つの受信波の和の振幅値又は2つの受信波の差の振幅値を求めることを特徴とするモノパルスレーダー装置である。
本願他の発明は、これら上記発明において、前記受信アンテナからの2つの受信波、又は前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波のうちいずれかの振幅値を求める第三の振幅値検出回路をさらに備え、前記演算回路は、前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比、前記第二の振幅値検出回路からの振幅値と前記第三の振幅値検出回路からの振幅値との比又は前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第三の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出することを特徴とするモノパルスレーダー装置である。
本願他の発明は、これら上記発明において、 前記演算回路は、前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比、前記第二の振幅値検出回路からの振幅値と前記第三の振幅値検出回路からの振幅値との比及び前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第三の振幅値検出回路からの振幅値との比のうち、所定範囲内にある比から対象物の方位を検出することを特徴とするモノパルスレーダー装置である。
本願他の発明は、上記発明において、前記第三の振幅値検出回路は、前記受信アンテナからの2つの受信波、又は前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波のうちいずれかを復調して復調信号を出力する復調回路と、前記復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路と、前記比較回路の比較値の大きさを制御して、前記比較回路からの出力の有無によって前記復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、
を含み、受信波の振幅値を求めることを特徴とするモノパルスレーダー装置である。
本願他の発明は、これら上記発明において、前記2つの受信アンテナの間隔が、前記受信波の波長の2分の1以下であることを特徴とするモノパルスレーダー装置である。
本願他の発明は、これら上記発明において、前記位相シフト回路の受信波を遅延させる所定量が、π/2であることを特徴とするモノパルスレーダー装置である。
本願発明のパルス変調器は、高精度に対象物の方位を検出することができる。
以下に、図を参照しながら本願発明のモノパルスレーダー装置の実施形態を説明する。なお、本願発明のモノパルスレーダー装置は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態は、送信アンテナからの送信波が対象物で反射された後、2つの受信アンテナで受信した2つの受信波から対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置である。
図1を用いて本実施の形態のモノパルスレーダー装置を説明する。図1は、本実施の形態のモノパルスレーダー装置の概略構成を説明するブロック図であって、11は発振波を出力する発振器、12は発振波を分配する分配回路、13は所定周期でパルスを出力するパルス発生回路、14はパルス発生回路13からのパルスの有無で発振器11からの発振波の通過と遮断とを切り替えて変調パルスを出力するパルス変調器、15はパルス変調器14からの変調パルス波を放射する送信アンテナ、21は対象物から反射した受信波を受信する第一の受信アンテナ、22は対象物から反射した受信波を受信する第二の受信アンテナ、23は2つの受信アンテナ21、22からの2つの受信波の和又は差の振幅値から対象物の方位を検出する受信回路である。
まず、本実施の形態のモノパルスレーダー装置の送信系について説明する。図1において、パルス発生回路13は所定周期でパルスを発生する。所定周期は、最大検知距離の電波伝搬往復時間に相当するよりも長く設定する。例えば、最大検知距離を1500mとすると、所定周期を電波伝搬往復時間である10μsecより長く設定する。最大検知距離を30mとすると、所定周期を電波伝搬往復時間である200nsecより長く設定する。
図1において、発振器11は、変調周波数の発振波を出力する。分配回路12は、発振器11からの発振波をパルス変調器14と受信回路23に分配する。パルス変調器14は、パルス発生回路13からの所定周期のパルスの有無で発振器11からの発振波の通過と遮断とを切り替えて変調パルス波を出力する。送信アンテナ15は、パルス変調器14からの変調パルス波を放射する。
図2は、本実施の形態のモノパルスレーダー装置の送信系の動作を説明するタイミングチャート図である。図2の(A)、(B)、(C)は図1におけるA、B、C各点における動作波形を示す。図2(A)は、発振器からの発振波である。図2(B)はパルス発生回路からのパルス波形であり、パルス変調器は、このパルスの有無で発振器からの発振波(図2(A))の通過と遮断とを切り替えて変調パルス波を出力し、図2(C)に示す変調パルス波が得られる。
モノパルスレーダー装置では、変調パルス波を送信してから、対象物で反射された受信波を受信するまでの電波伝搬往復時間を測定すると、対象物までの距離を求めることができる。ここでは、変調パルス波を送信するモノパルスレーダー装置について説明したが、送信する送信波は連続波や周波数変調波であってもよい。
次に、本実施形態のパルス波レーダー装置の受信系について説明する。図3を用いて本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系を説明する。図3は、本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図であって、図1における受信回路23の構成と2つの受信アンテナを備えるものである。図3において、21は受信波を受信する第一の受信アンテナ、22は受信波を受信する第二の受信アンテナ、32aは2つの受信波の和を求める加算回路、33aは2つの受信波の差を求める減算回路、34a、34b、34cは2つの受信波の和、2つの受信波の差又は受信波を復調して復調信号を出力する復調回路、35a、35b、35cは復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路、36a、36b、36cは比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの出力の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路、37は振幅値検出回路からの復調信号の大きさの比、即ち、2つの受信波の和の振幅値と2つの受信波の差の振幅値との比、2つの受信波の和の振幅値と受信波の振幅値との比又は2つの受信波の差の振幅値と受信波の振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路である。復調回路34a、比較回路35a、及び比較値制御回路36aで第一の振幅値検出回路を構成する。復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bで第二の振幅値検出回路を構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで第三の振幅値検出回路を構成する。
図3において、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22は、送信アンテナの放射した変調パルス波が対象物で反射された受信波を受信する。第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22との間には間隔が必要である。後述するように、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22でそれぞれ受信した2つの受信波の間に生じた位相差を利用して、対象物の方位を検出するからである。
図3のD点、E点における変調パルス波の波形を図10に示す。図10において、(D)、(E)は、それぞれ図3のD点、E点における変調パルス波の波形である。横軸は時間、縦軸は振幅を表す。図10の(D)と(E)との間の位相差は、対象物の方位によって生じたものである。
変調パルス波の位相差を図11で説明する。図11において、21は第一の受信アンテナ、22は第二の受信アンテナ、dは第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22との間隔、αは対象物の方位角、Lは対象物から第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22とまでの距離差である。対象物が方位角αを持つと、対象物から第一の受信アンテナ21までの距離と、対象物から第二の受信アンテナ22までの距離との間に距離差Lが生じる。距離差Lは、
L=d×sin(α) (1)
で表される。この距離差Lによって、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22がそれぞれ受信する受信波にも位相差φが発生する。位相差φは、
φ=2・π・L/λ (2)
で表される。但し、λは受信波の波長である。(1)式、(2)式から、
φ=2・π・d×sin(α)/λ (3)
が得られる。
ここで、対象物の方位角αが検出できるようにするためには、φ≦πでなければならない。(3)式より、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22との間隔dは、
d≦λ/(2sin(α)) (4)
でなければならない。モノパルスレーダー装置の最大方位角をπ/2とすると、d≦λ/2となる。従って、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22との間隔dは、受信波の波長λの2分の1以下であることが望ましい。以下の実施の形態でも同様である。
図3において、加算回路32aは、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22からの2つの受信波の和を求める。2つの受信波の和は、変調周波数の位相を維持したまま加算することによって得られる。第一の振幅値検出回路は、得られた2つの受信波の和の振幅値を求める。ここでは、第一の振幅値検出回路を、復調回路34a、比較回路35a及び比較値制御回路36aで構成する。
復調回路34aは加算回路32aからの2つの受信波の和を復調して復調信号を出力する。この復調信号の大きさを検出するために、比較回路35aと比較値制御回路36aを利用する。比較回路は2つの入力信号の大小を比較する。図3においては、復調回路34aからの復調信号と比較値制御回路36aからの比較値との大小を比較する。例えば、比較回路35aは、比較値が復調信号よりも小さいと、復調信号を出力するように設定する。比較値制御回路36aが比較値を大きくしておき、徐々に比較値を小さくする。比較回路35aは、比較値が復調信号よりも小さくなると、復調信号を出力する。比較値制御回路36aは復調信号を検知したときの比較値から復調信号の大きさを求めることができる。比較値制御回路36aは、比較値を小さくしておき、徐々に比較値を大きくし、比較回路35aからの復調信号が消失したときの比較値から復調信号の大きさを求めてもよい。また、比較回路35aは、比較値が復調信号よりも大きいときに、復調信号を出力するように設定してもよい。この場合は、比較回路35aからの復調信号が消失すると、復調信号が比較値よりも大きくなったことを意味し、復調信号が出力されたときに、比較回路35aからの復調信号が比較値よりも小さくなったことを意味する。
このように、2つの受信波の和を復調して復調信号を出力する復調回路と、比較値との大小比較によって復調回路からの復調信号の出力を決定する比較回路と、比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの復調信号の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、によって2つの受信波の和の振幅値を求めることができる。
対象物の方位角による2つの受信波の和σは、
σ=Asin(ωt+φ)+Asin(ωt)
=Asin(ωt)・cosφ+Acos(ωt)・sinφ
+Asin(ωt)
=Asin(ωt)・(cosφ+1)
+Acos(ωt)・sinφ (5)
で表される。そのピーク値は、ωt=±π/2×(2n−1)のときなので、
2つの受信波の和の振幅値Σは、(5)式より、
Σ=A(1+cos(φ)) (6)
となる。
位相差φに対する2つの受信波の和の振幅値Σを図12に示す。図12において、横軸は位相差φ、縦軸は振幅値である。Σの絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものであるため、振幅値Σだけからは位相差φを求めることはできない。
図3において、減算回路33aは、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22からの2つの受信波の差を求める。2つの受信波の差は、変調周波数の位相を維持したまま減算することによって得られる。第二の振幅値検出回路は、得られた2つの受信波の差の振幅値を求める。ここでは、第二の振幅値検出回路を、復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bで構成する。
復調回路34bは減算回路33aからの2つの受信波の差を復調して復調信号を出力する。この復調信号の大きさを検出するために、比較回路35bと比較値制御回路36bを利用する。比較回路は2つの入力信号の大小を比較する。図3においては、復調回路34bからの復調信号と比較値制御回路36bからの比較値との大小を比較する。例えば、比較回路35bは、比較値が復調信号よりも小さいと、復調信号を出力するように設定する。比較値制御回路36bが比較値を大きくしておき、徐々に比較値を小さくする。比較回路35bは、比較値が復調信号よりも小さくなると、復調信号を出力する。比較値制御回路36bは復調信号を検知したときの比較値から復調信号の大きさを求めることができる。比較値制御回路36bは、比較値を小さくしておき、徐々に比較値を大きくし、比較回路35bからの復調信号が消失したときの比較値から復調信号の大きさを求めてもよい。また、比較回路35bは、比較値が復調信号よりも大きいときに、復調信号を出力するように設定してもよい。この場合は、比較回路35bからの復調信号が消失すると、比較回路35bからの復調信号が比較値よりも大きくなったことを意味し、復調信号が出力されたときに、復調信号が比較値よりも小さくなったことを意味する。
このように、2つの受信波の差を復調して復調信号を出力する復調回路と、比較値との大小比較によって復調回路からの復調信号の出力を決定する比較回路と、比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの復調信号の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、によって2つの受信波の差の振幅値を求めることができる。
対象物の方位角による2つの受信波の差δは、
δ=Asin(ωt)−Asin(ωt+φ)
=Asin(ωt)−Asin(ωt)・cosφ
−Acos(ωt)・sin(φ)
=Asin(ωt)・(1−cosφ)
−Acos(ωt)・sinφ (7)
で表される。そのピーク値は、ωt=±π/2×(2n−1)のときなので、
2つの受信波の差の振幅値Δは、(7)式より、
Δ=A(1−cos(φ)) (8)
となる。
位相差φに対する2つの受信波の差の振幅値Δを図13に示す。図13において、横軸は位相差φ、縦軸は振幅値である。Δの絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものであるため、振幅値Δだけからは位相差φを求めることはできない。
前述したように、2つの受信波の和の振幅値Σ又は2つの受信波の差の振幅値Δだけからは、位相差φを特定することはできないが、2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の差の振幅値Δとの比は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものではない。そこで、2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の差の振幅値Δとの比を求める。前述の2つの受信波の和の振幅値Σを2つの受信波の差の振幅値Δで除した値を図16に示す。図16において、横軸は位相差φ、縦軸は比である。図16において、位相差φの+方向と−方向が対称であるため、Σ/Δの値だけからは、対象物がアンテナの左方向なのか、右方向なのかは不明である。しかし、対象物の方位角を左方向か、右方向かに限定すればΣ/Δの値から位相差φを求めることができるため、位相差φから対象物の方位角を検出することはできる。あるいは、2つの受信波の和の位相又は2つの受信波の差の位相の位相差情報があれば、対象物がアンテナの左方向なのか、右方向なのかを判別することができる。
図3において、演算処理回路37は、予め位相差φに対する2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の差の振幅値Δとの比を記憶しておく。比較値制御回路36aからの2つの受信波の和の振幅値Σと比較値制御回路36bからの2つの受信波の差の振幅値Δとが演算処理回路37に入力されると、演算処理回路はその比を計算し、記憶している2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の差の振幅値Δとの比とを照合して、位相差φを求める。位相差φが求まると、(3)式より、対象物の方位角αを計算することができる。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、正確に2つの受信波の和の振幅値、2つの受信波の差の振幅値を求めることができ、これらの振幅値から対象物の方位を高精度に検出することができる。
図16において、2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の差の振幅値Δとの比がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりすると、位相差φを求める際の誤差が大きくなる。そこで、第一のアンテナ又は第二のアンテナが受信した受信波のうちいずれかの振幅値を求め、その振幅値と2つの受信波の和の振幅値Σ又は2つの受信波の差の振幅値Δとの比から対象物の方位を検出することもできる。
第一のアンテナ又は第二のアンテナが受信した受信波のうちいずれかの振幅値も求めるモノパルスレーダー装置を説明する。第一のアンテナ又は第二のアンテナが受信した受信波を振幅値検出回路に入力する。振幅値検出回路は、得られた受信波の振幅値Refを求める。図3において、第三の振幅値検出回路を、復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cの機能と動作は前述した復調回路34a、比較回路35a及び比較値制御回路36a、又は復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bと同様である。
このように、受信波を復調して復調信号を出力する復調回路と、比較値との大小比較によって復調回路からの復調信号の出力を決定する比較回路と、比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの復調信号の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、によって受信波の振幅値Refを求めることができる。
受信波の振幅値の絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるが、受信アンテナからの受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ又は2つの受信波の差の振幅値Δとの比は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものではない。そこで、受信アンテナからの受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ又は2つの受信波の差の振幅値Δとの比を求める。位相差φに対する受信波の振幅値Refは一定になる。従って、受信アンテナからの受信波の振幅値Refで2つの受信波の和の振幅値Σを除した値は図12のように、受信アンテナからの受信波の振幅値Refで2つの受信波の差の振幅値Δを除した値は図13のようになる。これらの形状は2つの受信波の和の振幅値Σ、2つの受信波の差の振幅値Δと同じであるが、それらの値から位相差φを求めることができる。但し、位相差φの+方向と−方向が対称であるため、Δ/Refの値又はΣ/Refの値だけからは対象物がアンテナの左方向なのか、右方向なのかは不明である。しかし、対象物の方位角を左方向か、右方向かに限定すれば位相差φを求めることができるため、位相差φから対象物の方位角を検出することはできる。あるいは、2つの受信波の和の位相又は2つの受信波の差の位相の位相差情報があれば、対象物がアンテナの左方向なのか、右方向なのかを判別することができる。
さらに、受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σとの比又は受信波の振幅値と2つの受信波の差の振幅値Δとの比を利用して、対象物の方位を高精度に検出することもできる。図12、図13、図16において、2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の差の振幅値Δとの比、受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σとの比又は受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δとの比がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりしたときに、位相差φを求める際の誤差が大きくなる。そこで、いずれかの比の値がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりしたときは、他の比のうちの1つで位相差φを求めるようにする。具体的には、図3の演算処理回路37がこれらの比の値から判定して、位相差φを求めるのに最適な比を選定する。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、正確に2つの受信波の和、2つの受信波の差の振幅値を求めることができ、受信アンテナからの受信波の振幅値を利用することによって、対象物の方位を高精度に検出することができる。
(実施の形態2)
他のモノパルスレーダー装置の実施の形態を説明する。本実施の形態は、送信アンテナからの送信波が対象物で反射された後、2つの受信アンテナで受信した2つの受信波から対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置である。
本実施の形態のモノパルスレーダー装置と実施の形態1で説明したモノパルスレーダー装置との差は、図1の概略構成の中の受信回路23である。本実施の形態の受信回路の概略構成を図4で説明する。図4は、本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図であって、図1における受信回路23の構成と2つの受信アンテナを備えるものである。図4において、21は受信波を受信する第一の受信アンテナ、22は受信波を受信する第二の受信アンテナ、31は2つの受信アンテナからの受信波のうち一方の受信波の位相を遅延させる位相シフト回路、32aは2つの受信波の和を求める第一の加算回路、32bは2つの受信波の和を求める第二の加算回路、34a、34b、34cは2つの受信波の和又は受信波を復調して復調信号を出力する復調回路、35a、35b、35cは復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路、36a、36b、36cは比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの出力の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路、37は振幅値検出回路からの復調信号の大きさの比、即ち2つの受信波の和の振幅値同士の比又は2つの受信波の和の振幅値と受信波の振幅値とのから対象物の方位を検出する演算処理回路である。復調回路34a、比較回路35a、及び比較値制御回路36aで第一の振幅値検出回路を構成する。復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bで、第二の振幅値検出回路を構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで、第三の振幅値検出回路を構成する。
図4において、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22は、送信アンテナの放射した変調パルス波が対象物で反射された受信波を受信する。第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22の機能、作用及び要求条件は実施の形態1と同様である。
図4において、第一の加算回路32aから復調回路34a、比較回路35a、比較値制御回路36aまでの機能及び作用は、実施の形態1の図3における加算回路32aから復調回路34a、比較回路35a、比較値制御回路36aまでの機能及び作用と同様である。従って、2つの受信波の和の振幅値Σは、
Σ=A(1+cos(φ)) (6)
となる。
位相差φに対する2つの受信波の和の振幅値Σを図12に示す。図12において、横軸は位相差φ、縦軸は振幅値である。Σの絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものであるため、振幅値Σだけからは位相差φを求めることはできない。
図4において、第二の加算回路32bは、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22からの2つの受信波の和を求める。但し、第二の受信アンテナ22からの受信波は、位相シフト回路31で所定量の位相だけ遅延させている。2つの受信波の和は、変調周波数の位相を維持したまま加算することによって得られる。第二の振幅値検出回路は、得られた2つの受信波の和の振幅値を求める。ここでは、第二の振幅値検出回路を、復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bで構成する。
2つの受信波の和を復調して復調信号を出力する復調回路と、比較値との大小比較によって復調回路からの復調信号の出力を決定する比較回路と、比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの復調信号の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、によって2つの受信波の和の振幅値を求めることができる。ここで、位相シフト回路31の遅延する位相量をπ/2に設定する。
対象物の方位角による2つの受信波の和σ’は、
σ’=Asin(ωt+φ+π/2)+Asin(ωt)
=−Asin(ωt)・sinφ+Acos(ωt)・cosφ
+Asin(ωt)
=Asin(ωt)・(1−sinφ)
+Acos(ωt)・cosφ (9)
で表される。そのピーク値は、ωt=±π/2×(2n−1)のときなので、
2つの受信波の和の振幅値Σ’は、(9)式より、
Σ’=A(1−sin(φ)) (10)
となる。
位相差φに対する2つの受信波の和の振幅値Σ’を図14に示す。図14において、横軸は位相差φ、縦軸は振幅値である。Σ’の絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものであるため、振幅値Σ’だけからは位相差φを求めることはできない。
前述したように、2つの受信波の和の振幅値Σ又は2つの受信波の和の振幅値Σ’だけからは、位相差φを特定することはできないが、2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の和の振幅値Σ’との比は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものではない。そこで、2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の和の振幅値Σ’との比を求める。前述の2つの受信波の和の振幅値Σを2つの受信波の和の振幅値Σ’で除した値を図17に示す。図17において、横軸は位相差φ、縦軸は比である。図17において、位相差φの+方向と−方向が非対称であり、位相差φが−πから+π/2の範囲では、位相差φを一意に決定することができるため、Σ/Σ’の値から対象物の方位角を検出することができる。
図4において、演算処理回路37は、予め位相差φに対する2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の和の振幅値Σ’との比を記憶しておく。比較値制御回路36aからの2つの受信波の和の振幅値Σと比較値制御回路36bからの2つの受信波の和の振幅値Σ’とが演算処理回路37に入力されると、演算処理回路はその比を計算し、記憶している2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の和の振幅値Σ’との比を照合して、位相差φを求める。位相差φが求まると、(3)式より、対象物の方位角αを計算することができる。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、正確に2つの受信波の和の振幅値を求めることができ、この振幅値から対象物の方位を高精度に検出することができる。
図17において、2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の和の振幅値Σ’との比がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりすると、位相差φを求める際の誤差が大きくなる。そこで、第一のアンテナ又は第二のアンテナが受信した受信波のうちいずれかの振幅値Refを求め、その振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ又は2つの受信波の和の振幅値Σ’との比から対象物の方位を検出することもできる。
図4において、第三の振幅値検出回路を、復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cの機能と動作は前述した図4の復調回路34a、比較回路35a及び比較値制御回路36a、又は復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bと同様である。
このように、受信波を復調して復調信号を出力する復調回路と、比較値との大小比較によって復調回路からの復調信号の出力を決定する比較回路と、比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの復調信号の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、によって受信波の振幅値Refを求めることができる。
受信波の振幅値の絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるが、受信アンテナからの受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ又は2つの受信波の和の振幅値Σ’との比は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものではない。そこで、受信アンテナからの受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ又は2つの受信波の和の振幅値Σ’との比を求める。位相差φに対する受信波の振幅値Refは一定になる。従って、受信アンテナからの受信波の振幅値Refで2つの受信波の和の振幅値Σを除した結果は図12のような形状に、受信アンテナからの受信波の振幅値Refで2つの受信波の和の振幅値Σ’を除した結果は図14のような形状になる。これらの形状は2つの受信波の和の振幅値Σ、2つの受信波の和の振幅値Σ’と同じであるが、それらの比の値から位相差φを求めることができる。2つの受信波の和の振幅値Σ’は−π/2から+π/2の範囲では、位相差φを一意に決定することができるため、Σ’/Refの値から対象物の方位角を検出することができる。但し、2つの受信波の和の振幅値Σは位相差φの+方向と−方向が対称であるため、Σ/Refの値だけからは対象物がアンテナの左方向なのか、右方向なのかは不明である。しかし、対象物の方位角を左方向か、右方向かに限定すれば位相差φを求めることができるため、位相差φから対象物の方位角を検出することはできる。あるいは、第一の加算回路32aからの2つの受信波の和の位相又は第二の加算回路32bからの2つの受信波の和の位相の位相差情報があれば、対象物がアンテナの左方向なのか、右方向なのかを判別することができる。
さらに、受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σとの比又は受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ’との比を利用して、対象物の方位を高精度に検出することもできる。図12、図14、図17において、2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の和の振幅値Σ’との比、受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σとの比又は受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ’との比がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりしたときに、位相差φを求める際の誤差が大きくなる。そこで、いずれかの比の値がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりしたときは、他の2つの比のうちの1つで位相差φを求めるようにする。具体的には、図4の演算処理回路37がこれらの比の値から判定して、位相差φを求めるのに最適な比を選定する。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、正確に2つの受信波の和の振幅値を求めることができ、受信アンテナからの受信波の振幅値を利用することによって、対象物の方位を高精度に検出することができる。
(実施の形態3)
他のモノパルスレーダー装置の実施の形態を説明する。本実施の形態は、送信アンテナからの送信波が対象物で反射された後、2つの受信アンテナで受信した2つの受信波から対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置である。
本実施の形態のモノパルスレーダー装置と実施の形態1で説明したモノパルスレーダー装置との差は、図1の概略構成の中の受信回路23である。本実施の形態の受信回路の概略構成を図5で説明する。図5は、本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図であって、図1における受信回路23の構成と2つの受信アンテナを備えるものである。図5において、21は受信波を受信する第一の受信アンテナ、22は受信波を受信する第二の受信アンテナ、31は2つの受信アンテナからの受信波のうち一方の受信波の位相を遅延させる位相シフト回路、32aは2つの受信波の和を求める加算回路、33aは2つの受信波の差を求める減算回路、34a、34b、34cは2つの受信波の和、2つの受信波の差又は受信波を復調して復調信号を出力する復調回路、35a、35b、35cは復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路、36a、36b、36cは比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの出力の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路、37は振幅値検出回路からの復調信号の大きさの比、即ち2つの受信波の和の振幅値と2つの受信波の差の振幅値の比、2つの受信波の和の振幅値と受信波の振幅値の比又は2つの受信波の差の振幅値と受信波の振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路である。復調回路34a、比較回路35a及び比較値制御回路36aで、第一の振幅値検出回路を構成する。復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bで、第二の振幅値検出回路を構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで、第三の振幅値検出回路を構成する。
図5において、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22は、送信アンテナの放射した変調パルス波が対象物で反射された受信波を受信する。第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22の機能、作用及び要求条件は実施の形態1と同様である。
図5において、加算回路32aから復調回路34a、比較回路35a、比較値制御回路36aまでの機能及び作用は、実施の形態1の図3における加算回路32aから復調回路34a、比較回路35a、比較値制御回路36aまでの機能及び作用と同様である。従って、2つの受信波の和の振幅値Σは、
Σ=A(1+cos(φ)) (6)
となる。
位相差φに対する2つの受信波の和の振幅値Σを図12に示す。図12において、横軸は位相差φ、縦軸は振幅値である。Σの絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものであるため、振幅値Σだけからは位相差φを求めることはできない。
図5において、減算回路33aは、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22からの2つの受信波の差を求める。但し、第二の受信アンテナ22からの受信波は、位相シフト回路31で所定量の位相だけ遅延させている。2つの受信波の差は、変調周波数の位相を維持したまま減算することによって得られる。第二の振幅値検出回路は、得られた2つの受信波の差の振幅値を求める。ここでは、第二の振幅値検出回路を、復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bで構成する。
2つの受信波の差を復調して復調信号を出力する復調回路と、比較値との大小比較によって復調回路からの復調信号の出力を決定する比較回路と、比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの復調信号の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、によって2つの受信波の差の振幅値を求めることができる。ここで、位相シフト回路31の遅延する位相量をπ/2に設定する。
対象物の方位角による2つの受信波の差δ’は、
δ’=Asin(ωt)−Asin(ωt+φ+π/2)
=Asin(ωt)+Asin(ωt)・sinφ
−Acos(ωt)・cos(φ)
=Asin(ωt)・(1+sinφ)
−Acos(ωt)・cosφ (11)
で表される。そのピーク値は、ωt=±π/2×(2n−1)のときなので、
2つの受信波の和の振幅値Δ’は、(11)式より、
Δ’=A(1+sin(φ)) (12)
となる。
位相差φに対する2つの受信波の差の振幅値Δ’を図15に示す。図15において、横軸は位相差φ、縦軸は振幅値である。Δ’の絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものであるため、振幅値Δ’だけからは位相差φを求めることはできない。
前述したように、2つの受信波の和の振幅値Σ又は2つの受信波の差の振幅値Δ’だけからは、位相差φを特定することはできないが、2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものではない。そこで、2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を求める。前述の2つの受信波の和の振幅値Σを2つの受信波の差の振幅値Δ’で除した値を図18に示す。図18において、横軸は位相差φ、縦軸は比である。図18において、位相差φの+方向と−方向が非対称であり、位相差φが−π/2から+πの範囲では、位相差φを一意に決定することができるため、Σ/Δ’の値から対象物の方位角を検出することができる。
図5において、演算処理回路37は、予め位相差φに対する2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を記憶しておく。比較値制御回路36aからの2つの受信波の和の振幅値Σと比較値制御回路36bからの2つの受信波の差の振幅値Δ’とが演算処理回路37に入力されると、演算処理回路はその比を計算し、記憶している2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を照合して、位相差φを求める。位相差φが求まると、(3)式より、対象物の方位角αを計算することができる。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、正確に2つの受信波の和の振幅値や2つの受信波の差の振幅値を求めることができ、この振幅値から対象物の方位を高精度に検出することができる。
図18において、2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりすると、位相差φを求める際の誤差が大きくなる。そこで、第一のアンテナ又は第二のアンテナが受信した受信波のうちいずれかの振幅値Refを求め、その振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ又は2つの受信波の差の振幅値Δ’との比から対象物の方位を検出することもできる。
図5において、第三の振幅値検出回路を、復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cの機能と動作は前述した図5の復調回路34a、比較回路35a及び比較値制御回路36a、又は復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bと同様である。
このように、受信波を復調して復調信号を出力する復調回路と、比較値との大小比較によって復調回路からの復調信号の出力を決定する比較回路と、比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの復調信号の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、によって受信波の振幅値Refを求めることができる。
受信波の振幅値の絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるが、受信アンテナからの受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ又は2つの受信波の差の振幅値Δ’との比は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものではない。そこで、受信アンテナからの受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ又は2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を求める。位相差φに対する受信波の振幅値Refは一定になる。従って、受信アンテナからの受信波の振幅値Refで2つの受信波の和の振幅値Σを除した結果は図12のような形状に、受信アンテナからの受信波の振幅値Refで2つの受信波の差の振幅値Δ’を除した結果は図15のような形状になる。これらの形状は2つの受信波の和の振幅値Σ、2つの受信波の差の振幅値Δ’と同じであるが、それらの比の値から位相差φを求めることができる。2つの受信波の差の振幅値Δ’は−π/2から+π/2の範囲では、位相差φを一意に決定することができるため、Δ’/Refの値から対象物の方位角を検出することができる。但し、2つの受信波の和の振幅値Σは位相差φの+方向と−方向が対称であるため、Σ/Refの値だけからは対象物がアンテナの左方向なのか、右方向なのかは不明である。しかし、対象物の方位角を左方向か、右方向かに限定すれば位相差φを求めることができるため、位相差φから対象物の方位角を検出することはできる。あるいは、加算回路32aからの2つの受信波の和の位相又は減算回路33aからの2つの受信波の差の位相の位相差情報があれば、対象物がアンテナの左方向なのか、右方向なのかを判別することができる。
さらに、受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σとの比又は受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を利用して、対象物の方位を高精度に検出することもできる。図12、図15、図18において、2つの受信波の和の振幅値Σと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比、受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σとの比又は受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりしたときに、位相差φを求める際の誤差が大きくなる。そこで、いずれかの比の値がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりしたときは、他の2つの比のうちの1つで位相差φを求めるようにする。具体的には、図5の演算処理回路37がこれらの比の値から判定して、位相差φを求めるのに最適な比を選定する。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、正確に2つの受信波の和の振幅値を求めることができ、受信アンテナからの受信波の振幅値を利用することによって、対象物の方位を高精度に検出することができる。
(実施の形態4)
他のモノパルスレーダー装置の実施の形態を説明する。本実施の形態は、送信アンテナからの送信波が対象物で反射された後、2つの受信アンテナで受信した2つの受信波から対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置である。
本実施の形態のモノパルスレーダー装置と実施の形態1で説明したモノパルスレーダー装置との差は、図1の概略構成の中の受信回路23である。本実施の形態の受信回路の概略構成を図6で説明する。図6は、本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図であって、図1における受信回路23の構成と2つの受信アンテナを備えるものである。図6において、21は受信波を受信する第一の受信アンテナ、22は受信波を受信する第二の受信アンテナ、31は2つの受信アンテナからの受信波のうち一方の受信波の位相を遅延させる位相シフト回路、32aは2つの受信波の和を求める加算回路、33aは2つの受信波の差を求める減算回路、34a、34b、34cは2つの受信波の和、2つの受信波の差又は受信波を復調して復調信号を出力する復調回路、35a、35b、35cは復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路、36a、36b、36cは比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの出力の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路、37は振幅値検出回路からの復調信号の大きさの比、即ち2つの受信波の和の振幅値と2つの受信波の差の振幅値の比、2つの受信波の和の振幅値と受信波の振幅値の比又は2つの受信波の差の振幅値と受信波の振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路である。復調回路34a、比較回路35a及び比較値制御回路36aで、第一の振幅値検出回路を構成する。復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bで、第二の振幅値検出回路を構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで、第三の振幅値検出回路を構成する。
図6において、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22は、送信アンテナの放射した変調パルス波が対象物で反射された受信波を受信する。第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22の機能、作用及び要求条件は実施の形態1と同様である。
図6において、加算回路32aは、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22からの2つの受信波の和を求める。但し、第二の受信アンテナ22からの受信波は、位相シフト回路31で所定量の位相だけ遅延させている。位相シフト回路31から加算回路32a、復調回路34a、比較回路35a、比較値制御回路36aまでの機能及び作用は、実施の形態2の図4における位相シフト回路31から加算回路32b、復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用と同様である。従って、2つの受信波の和の振幅値Σ’は、
Σ’=A(1−sin(φ)) (10)
となる。
位相差φに対する2つの受信波の和の振幅値Σ’を図14に示す。図14において、横軸は位相差φ、縦軸は振幅値である。Σ’の絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものであるため、振幅値Σ’だけからは位相差φを求めることはできない。
図6において、減算回路33aから、復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用は実施の形態1の図3における減算回路33aから、復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用と同様である。従って、2つの受信波の差の振幅値Δは、
Δ=A(1−cos(φ)) (8)
となる。
位相差φに対する2つの受信波の差の振幅値Δを図13に示す。図13において、横軸は位相差φ、縦軸は振幅値である。Δの絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものであるため、振幅値Δだけからは位相差φを求めることはできない。
前述したように、2つの受信波の和の振幅値Σ’又は2つの受信波の差の振幅値Δだけからは、位相差φを特定することはできないが、2つの受信波の和の振幅値Σ’と2つの受信波の差の振幅値Δとの比は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものではない。そこで、2つの受信波の和の振幅値Σ’と2つの受信波の差の振幅値Δとの比を求める。前述の2つの受信波の差の振幅値Δを2つの受信波の和の振幅値Σ’で除した値を図19に示す。図19において、横軸は位相差φ、縦軸は比である。図19において、位相差φの+方向と−方向が非対称であり、位相差φが−πから+π/2の範囲では、位相差φを一意に決定することができるため、Δ/Σ’の値から対象物の方位角を検出することができる。
図6において、演算処理回路37は、予め位相差φに対する2つの受信波の和の振幅値Σ’と2つの受信波の差の振幅値Δとの比を記憶しておく。比較値制御回路36aからの2つの受信波の和の振幅値Σ’と比較値制御回路36bからの2つの受信波の差の振幅値Δとが演算処理回路37に入力されると、演算処理回路はその比を計算し、記憶している2つの受信波の和の振幅値Σ’と2つの受信波の差の振幅値Δとの比を照合して、位相差φを求める。位相差φが求まると、(3)式より、対象物の方位角αを計算することができる。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、正確に2つの受信波の和の振幅値や2つの受信波の差の振幅値を求めることができ、この振幅値から対象物の方位を高精度に検出することができる。
図19において、2つの受信波の和の振幅値Σ’と2つの受信波の差の振幅値Δとの比がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりすると、位相差φを求める際の誤差が大きくなる。そこで、第一のアンテナ又は第二のアンテナが受信した受信波のうちいずれかの振幅値Refを求め、その振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ’又は2つの受信波の差の振幅値Δとの比から対象物の方位を検出することもできる。
図6において、第三の振幅値検出回路を、復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cの機能と動作は前述した図6の復調回路34a、比較回路35a及び比較値制御回路36a、又は復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bと同様である。
このように、受信波を復調して復調信号を出力する復調回路と、比較値との大小比較によって復調回路からの復調信号の出力を決定する比較回路と、比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの復調信号の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、によって受信波の振幅値Refを求めることができる。
受信波の振幅値の絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるが、受信アンテナからの受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ’又は2つの受信波の差の振幅値Δとの比は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものではない。そこで、受信アンテナからの受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ’又は2つの受信波の差の振幅値Δとの比を求める。位相差φに対する受信波の振幅値Refは一定になる。従って、受信アンテナからの受信波の振幅値Refで2つの受信波の和の振幅値Σ’を除した結果は図14のような形状に、受信アンテナからの受信波の振幅値Refで2つの受信波の差の振幅値Δを除した結果は図13のような形状になる。これらの形状は2つの受信波の和の振幅値Σ’、2つの受信波の差の振幅値Δと同じであるが、それらの比の値から位相差φを求めることができる。2つの受信波の和の振幅値Σ’は−π/2から+π/2の範囲では、位相差φを一意に決定することができるため、Σ’/Refの値から対象物の方位角を検出することができる。但し、2つの受信波の和の振幅値Δは位相差φの+方向と−方向が対称であるため、Δ/Refの値だけからは対象物がアンテナの左方向なのか、右方向なのかは不明である。しかし、対象物の方位角を左方向か、右方向かに限定すれば位相差φを求めることができるため、位相差φから対象物の方位角を検出することはできる。あるいは、減算回路33aからの2つの受信波の差の位相又は加算回路32aからの2つの受信波の和の位相の位相差情報があれば、対象物がアンテナの左方向なのか、右方向なのかを判別することができる。
さらに、受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ’との比又は受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δとの比を利用して、対象物の方位を高精度に検出することもできる。図13、図14、図19において、2つの受信波の和の振幅値Σ’と2つの受信波の差の振幅値Δとの比、受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ’との比又は受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δとの比がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりしたときに、位相差φを求める際の誤差が大きくなる。そこで、いずれかの比の値がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりしたときは、他の2つの比のうちの1つで位相差φを求めるようにする。具体的には、図5の演算処理回路37がこれらの比の値から判定して、位相差φを求めるのに最適な比を選定する。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、正確に2つの受信波の和の振幅値を求めることができ、受信アンテナからの受信波の振幅値を利用することによって、対象物の方位を高精度に検出することができる。
(実施の形態5)
他のモノパルスレーダー装置の実施の形態を説明する。本実施の形態は、送信アンテナからの送信波が対象物で反射された後、2つの受信アンテナで受信した2つの受信波から対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置である。
本実施の形態のモノパルスレーダー装置と実施の形態1で説明したモノパルスレーダー装置との差は、図1の概略構成の中の受信回路23である。本実施の形態の受信回路の概略構成を図7で説明する。図7は、本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図であって、図1における受信回路23の構成と2つの受信アンテナを備えるものである。図7において、21は受信波を受信する第一の受信アンテナ、22は受信波を受信する第二の受信アンテナ、31は2つの受信アンテナからの受信波のうち一方の受信波の位相を遅延させる位相シフト回路、33aは2つの受信波の和を求める第一の減算回路、33bは2つの受信波の差を求める第二の減算回路、34a、34b、34cは2つの受信波の差又は受信波を復調して復調信号を出力する復調回路、35a、35b、35cは復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路、36a、36b、36cは比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの出力の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路、37は振幅値検出回路からの復調信号の大きさの比、即ち2つの受信波の差の振幅値Δと2つの受信波の差の振幅値Δ’の比、2つの受信波の差の振幅値Δと受信波の振幅値の比又は2つの受信波の差の振幅値Δ’と受信波の振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路である。復調回路34a、比較回路35a及び比較値制御回路36aで、第一の振幅値検出回路を構成する。復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bで、第二の振幅値検出回路を構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで、第三の振幅値検出回路を構成する。
図7において、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22は、送信アンテナの放射した変調パルス波が対象物で反射された受信波を受信する。第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22の機能、作用及び要求条件は実施の形態1と同様である。
図7において、第一の減算回路33aは、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22からの2つの受信波の差を求める。第一の減算回路33aから復調回路34a、比較回路35a、比較値制御回路36aまでの機能及び作用は、実施の形態1の図3における減算回路33aから復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用と同様である。従って、2つの受信波の差の振幅値Δは、
Δ=A(1−cos(φ)) (8)
となる。
位相差φに対する2つの受信波の差の振幅値Δを図13に示す。図13において、横軸は位相差φ、縦軸は振幅値である。Δの絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものであるため、振幅値Δだけからは位相差φを求めることはできない。
図7において、減算回路33bは、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22からの2つの受信波の差を求める。但し、第二の受信アンテナ22からの受信波は、位相シフト回路31で所定量の位相だけ遅延させている。位相シフト回路31から減算回路33b、復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用は、実施の形態3の図5における位相シフト回路31から減算回路33a、復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用と同様である。従って、2つの受信波の和の振幅値Δ’は、
Δ’=A(1+sin(φ)) (12)
となる。
位相差φに対する2つの受信波の差の振幅値Δ’を図15に示す。図15において、横軸は位相差φ、縦軸は振幅値である。Δ’の絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものであるため、振幅値Δ’だけからは位相差φを求めることはできない。
前述したように、2つの受信波の差の振幅値Δ又は2つの受信波の差の振幅値Δ’だけからは、位相差φを特定することはできないが、2つの受信波の差の振幅値Δと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものではない。そこで、2つの受信波の差の振幅値Δと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を求める。前述の2つの受信波の差の振幅値Δを2つの受信波の差の振幅値Δ’で除した値を図20に示す。図20において、横軸は位相差φ、縦軸は比である。図20において、位相差φの+方向と−方向が非対称であり、位相差φが−π/2から+πの範囲では、位相差φを一意に決定することができるため、Δ/Δ’の値から対象物の方位角を検出することができる。
図7において、演算処理回路37は、予め位相差φに対する2つの受信波の差の振幅値Δと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を記憶しておく。比較値制御回路36aからの2つの受信波の差の振幅値Δと比較値制御回路36bからの2つの受信波の差の振幅値Δ’とが演算処理回路37に入力されると、演算処理回路はその比を計算し、記憶している2つの受信波の差の振幅値Δと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を照合して、位相差φを求める。位相差φが求まると、(3)式より、対象物の方位角αを計算することができる。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、正確に2つの受信波の差の振幅値を求めることができ、この振幅値から対象物の方位を高精度に検出することができる。
図20において、2つの受信波の差の振幅値Δと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりすると、位相差φを求める際の誤差が大きくなる。そこで、第一のアンテナ又は第二のアンテナが受信した受信波のうちいずれかの振幅値Refを求め、その振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δ又は2つの受信波の差の振幅値Δ’との比から対象物の方位を検出することもできる。
図7において、第三の振幅値検出回路を、復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cの機能と動作は前述した図7の復調回路34a、比較回路35a及び比較値制御回路36a、又は復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bと同様である。
このように、受信波を復調して復調信号を出力する復調回路と、比較値との大小比較によって復調回路からの復調信号の出力を決定する比較回路と、比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの復調信号の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、によって受信波の振幅値Refを求めることができる。
受信波の振幅値の絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるが、受信アンテナからの受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δ又は2つの受信波の差の振幅値Δ’との比は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものではない。そこで、受信アンテナからの受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δ又は2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を求める。位相差φに対する受信波の振幅値Refは一定になる。従って、受信アンテナからの受信波の振幅値Refで2つの受信波の差の振幅値Δを除した結果は図13のような形状に、受信アンテナからの受信波の振幅値Refで2つの受信波の差の振幅値Δ’を除した結果は図15のような形状になる。これらの形状は2つの受信波の差の振幅値Δ、2つの受信波の差の振幅値Δ’と同じであるが、それらの比の値から位相差φを求めることができる。2つの受信波の差の振幅値Δ’は−π/2から+π/2の範囲では、位相差φを一意に決定することができるため、Δ’/Refの値から対象物の方位角を検出することができる。但し、2つの受信波の差の振幅値Δは位相差φの+方向と−方向が対称であるため、Δ/Refの値だけからは対象物がアンテナの左方向なのか、右方向なのかは不明である。しかし、対象物の方位角を左方向か、右方向かに限定すれば位相差φを求めることができるため、位相差φから対象物の方位角を検出することはできる。あるいは、第一の減算回路33aからの2つの受信波の差の位相又は第二の減算回路33bからの2つの受信波の差の位相の位相差情報があれば、対象物がアンテナの左方向なのか、右方向なのかを判別することができる。
さらに、受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δとの比又は受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を利用して、対象物の方位を高精度に検出することもできる。図13、図15、図20において、2つの受信波の差の振幅値Δと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比、受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δとの比又は受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりしたときに、位相差φを求める際の誤差が大きくなる。そこで、いずれかの比の値がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりしたときは、他の2つの比のうちの1つで位相差φを求めるようにする。具体的には、図5の演算処理回路37がこれらの比の値から判定して、位相差φを求めるのに最適な比を選定する。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、正確に2つの受信波の和の振幅値を求めることができ、受信アンテナからの受信波の振幅値を利用することによって、対象物の方位を高精度に検出することができる。
(実施の形態6)
他のモノパルスレーダー装置の実施の形態を説明する。本実施の形態は、送信アンテナからの送信波が対象物で反射された後、2つの受信アンテナで受信した2つの受信波から対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置である。
本実施の形態のモノパルスレーダー装置と実施の形態1で説明したモノパルスレーダー装置との差は、図1の概略構成の中の受信回路23である。本実施の形態の受信回路の概略構成を図8で説明する。図8は、本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図であって、図1における受信回路23の構成と2つの受信アンテナを備えるものである。図8において、21は受信波を受信する第一の受信アンテナ、22は受信波を受信する第二の受信アンテナ、31は2つの受信アンテナからの受信波のうち一方の受信波の位相を遅延させる位相シフト回路、32aは2つの受信波の和を求める加算回路、33aは2つの受信波の差を求める減算回路、34a、34b、34cは2つの受信波の和、2つの受信波の差又は受信波を復調して復調信号を出力する復調回路、35a、35b、35cは復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路、36a、36b、36cは比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの出力の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路、37は振幅値検出回路からの復調信号の大きさの比、即ち2つの受信波の和の振幅値と2つの受信波の差の振幅値の比、2つの受信波の和の振幅値と受信波の振幅値の比又は2つの受信波の差の振幅値と受信波の振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路である。復調回路34a、比較回路35a及び比較値制御回路36aで、第一の振幅値検出回路を構成する。復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bで、第二の振幅値検出回路を構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで、第三の振幅値検出回路を構成する。
図8において、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22は、送信アンテナの放射した変調パルス波が対象物で反射された受信波を受信する。第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22の機能、作用及び要求条件は実施の形態1と同様である。
図8において、加算回路32aは、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22からの2つの受信波の和を求める。但し、第二の受信アンテナ22からの受信波は、位相シフト回路31で所定量の位相だけ遅延させている。位相シフト回路31から加算回路32a、復調回路34a、比較回路35a、比較値制御回路36aまでの機能及び作用は、実施の形態2の図4における位相シフト回路31から加算回路32b、復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用と同様である。従って、2つの受信波の和の振幅値Σ’は、
Σ’=A(1−sin(φ)) (10)
となる。
位相差φに対する2つの受信波の和の振幅値Σ’を図14に示す。図14において、横軸は位相差φ、縦軸は振幅値である。Σ’の絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものであるため、振幅値Σ’だけからは位相差φを求めることはできない。
図8において、減算回路33aは、第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22からの2つの受信波の差を求める。但し、第二の受信アンテナ22からの受信波は、位相シフト回路31で所定量の位相だけ遅延させている。位相シフト回路31から減算回路33a、復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用は、実施の形態3の図5における位相シフト回路31から減算回路33a、復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用と同様である。従って、2つの受信波の差の振幅値Δ’は、
Δ’=A(1+sin(φ)) (12)
となる。
位相差φに対する2つの受信波の差の振幅値Δ’を図15に示す。図15において、横軸は位相差φ、縦軸は振幅値である。Δ’の絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものであるため、振幅値Δ’だけからは位相差φを求めることはできない。
前述したように、2つの受信波の和の振幅値Σ’又は2つの受信波の差の振幅値Δ’だけからは、位相差φを特定することはできないが、2つの受信波の和の振幅値Σ’と2つの受信波の差の振幅値Δ’との比は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものではない。そこで、2つの受信波の和の振幅値Σ’と2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を求める。前述の2つの受信波の和の振幅値Σ’を2つの受信波の差の振幅値Δ’で除した値を図21に示す。図21において、横軸は位相差φ、縦軸は比である。図21において、位相差φの+方向と−方向が非対称であり、位相差φが−π/2から+π/2の範囲では、位相差φを一意に決定することができるため、Σ’/Δ’の値から対象物の方位角を検出することができる。
図8において、演算処理回路37は、予め位相差φに対する2つの受信波の和の振幅値Σ’と2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を記憶しておく。比較値制御回路36aからの2つの受信波の和の振幅値Σ’と比較値制御回路36bからの2つの受信波の差の振幅値Δ’とが演算処理回路37に入力されると、演算処理回路はその比を計算し、記憶している2つの受信波の和の振幅値Σ’と2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を照合して、位相差φを求める。位相差φが求まると、(3)式より、対象物の方位角αを計算することができる。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、正確に2つの受信波の和の振幅値や2つの受信波の差の振幅値を求めることができ、この振幅値から対象物の方位を高精度に検出することができる。
図21において、2つの受信波の和の振幅値Σ’と2つの受信波の差の振幅値Δ’との比がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりすると、位相差φを求める際の誤差が大きくなる。そこで、第一のアンテナ又は第二のアンテナが受信した受信波のうちいずれかの振幅値Refを求め、その振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ’又は2つの受信波の差の振幅値Δ’との比から対象物の方位を検出することもできる。
図8において、第三の振幅値検出回路を、復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cの機能と動作は前述した図8の復調回路34a、比較回路35a及び比較値制御回路36a、又は復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bと同様である。
このように、受信波を復調して復調信号を出力する復調回路と、比較値との大小比較によって復調回路からの復調信号の出力を決定する比較回路と、比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの復調信号の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、によって受信波の振幅値Refを求めることができる。
受信波の振幅値の絶対値は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるが、受信アンテナからの受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ’又は2つの受信波の差の振幅値Δ’との比は対象物からの反射率や、電波の拡散状態によって変わるものではない。そこで、受信アンテナからの受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ’又は2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を求める。位相差φに対する受信波の振幅値Refは一定になる。従って、受信アンテナからの受信波の振幅値Refで2つの受信波の和の振幅値Σ’を除した結果は図14のような形状に、受信アンテナからの受信波の振幅値Refで2つの受信波の差の振幅値Δ’を除した結果は図15のような形状になる。これらの形状は2つの受信波の和の振幅値Σ’、2つの受信波の差の振幅値Δ’と同じであるが、それらの比の値から位相差φを求めることができる。2つの受信波の和の振幅値Σ’は−π/2から+π/2の範囲では、位相差φを一意に決定することができるため、Σ’/Refの値から対象物の方位角を検出することができる。
さらに、受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ’との比又は受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比を利用して、対象物の方位を高精度に検出することもできる。図14、図15、図18において、2つの受信波の和の振幅値Σ’と2つの受信波の差の振幅値Δ’との比、受信波の振幅値Refと2つの受信波の和の振幅値Σ’との比又は受信波の振幅値Refと2つの受信波の差の振幅値Δ’との比がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりしたときに、位相差φを求める際の誤差が大きくなる。そこで、いずれかの比の値がゼロに近づいたり、無限大に近づいたりしたときは、他の2つの比のうちの1つで位相差φを求めるようにする。具体的には、図5の演算処理回路37がこれらの比の値から判定して、位相差φを求めるのに最適な比を選定する。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、正確に2つの受信波の和の振幅値を求めることができ、受信アンテナからの受信波の振幅値を利用することによって、対象物の方位を高精度に検出することができる。
(実施の形態7)
他のモノパルスレーダー装置の実施の形態を説明する。本実施の形態は、送信アンテナからの送信波が対象物で反射された後、2つの受信アンテナで受信した2つの受信波から対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置である。
本実施の形態のモノパルスレーダー装置と実施の形態1〜6で説明したモノパルスレーダー装置との差は、図1の概略構成の中の受信回路23である。本実施の形態の受信回路の概略構成を図9で説明する。図9は、本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図であって、図1における受信回路23の構成と2つの受信アンテナを備えるものである。図9において、21は受信波を受信する第一の受信アンテナ、22は受信波を受信する第二の受信アンテナ、31は2つの受信アンテナからの受信波のうち一方の受信波の位相を遅延させる位相シフト回路、32a、32bは2つの受信波の和を求める加算回路、33a、33bは2つの受信波の差を求める減算回路、34a、34b、34c、34d、34eは2つの受信波の和、2つの受信波の差又は受信波を復調して復調信号を出力する復調回路、35a、35b、35c、35d、35eは復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路、36a、36b、36c、36d、36eは比較回路の比較値の大きさを制御して、比較回路からの出力の有無によって復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路、37は振幅値検出回路からの復調信号の大きさの比、即ち2つの受信波の和の振幅値、2つの受信波の差の振幅値の比、受信波の振幅値の中から適切な比を選定して、対象物の方位を検出する演算処理回路である。復調回路34a、比較回路35a及び比較値制御回路36aで、第一の振幅値検出回路を構成する。復調回路34b、比較回路35b及び比較値制御回路36bで、第二の振幅値検出回路を構成する。復調回路34c、比較回路35c及び比較値制御回路36cで、第三の振幅値検出回路を構成する。復調回路34d、比較回路35d及び比較値制御回路36dで、第四の振幅値検出回路を構成する。復調回路34e、比較回路35e及び比較値制御回路36eで、第五の振幅値検出回路を構成する。
図9において第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22は、送信アンテナの放射した変調パルス波が対象物で反射された受信波を受信する。第一の受信アンテナ21と第二の受信アンテナ22の機能、作用及び要求条件は実施の形態1と同様である。
図9において、位相シフト回路31から加算回路32a、復調回路34a、比較回路35a、比較値制御回路36aまでの機能及び作用は、実施の形態2の図4における位相シフト回路31から加算回路32b、復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用と同様である。加算回路32bから復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用は、実施の形態1の図3における加算回路32aから復調回路34a、比較回路35a、比較値制御回路36aまでの機能及び作用と同様である。位相シフト回路31から減算回路33a、復調回路34c、比較回路35c、比較値制御回路36cまでの機能及び作用は、実施の形態3の図5における位相シフト回路31から減算回路33a、復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用と同様である。減算回路33bから復調回路34d、比較回路35d、比較値制御回路36dまでの機能及び作用は、実施の形態1の図3における減算回路33aから復調回路34b、比較回路35b、比較値制御回路36bまでの機能及び作用と同様である。復調回路34eから比較回路35e、比較値制御回路36eまでの機能及び作用は、実施の形態1の図3における復調回路34cから比較回路35c、比較値制御回路36cまでの機能及び作用と同様である。
これらの受信系で得られる2つの受信波の和の振幅値Σ、2つの受信波の和の振幅値Σ’、2つの受信波の差の振幅値Δ、2つの受信波の差の振幅値Δ’、受信波の振幅値Refの中から最適な比を選定し、これらの比から位相差φを決定することができる。位相差φが決定できると対象物の方位を検出することができる。
従って、本実施の形態のモノパルスレーダー装置では、前述した構成の振幅値検出回路を用いると、受信アンテナからの受信波の振幅値を利用することによって、対象物の方位を高精度に検出することができる。
本発明のモノパルスレーダー装置は車載用のみならず、固定して使用するものであっても、近距離用のモノパルスレーダー装置の分野でも利用することができる。
本実施の形態のモノパルスレーダー装置の概略構成を説明するブロック図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の動作を説明するタイミングチャート図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信系の概略構成を説明するブロック図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信波形を説明する図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信アンテナにおける位相差を説明する図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信波の振幅値を説明する図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信波の振幅値を説明する図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信波の振幅値を説明する図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信波の振幅値を説明する図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信波の振幅値の比を説明する図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信波の振幅値の比を説明する図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信波の振幅値の比を説明する図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信波の振幅値の比を説明する図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信波の振幅値の比を説明する図である。 本実施の形態のモノパルスレーダー装置の受信波の振幅値の比を説明する図である。
符号の説明
11 発振器
12 分配回路
13 パルス発生回路
14 パルス変調器
15 送信アンテナ

21 第一の受信アンテナ
22 第二の受信アンテナ
23 受信回路
32a、32b 加算回路
33a、33b 減算回路
34a、34b、34c、34d、34e 復調回路
35a、35b、35c、35d、35e 比較回路
36a、36b、36c、36d、36e 比較値制御回路

37 演算処理回路

Claims (12)

  1. 対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波により対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置において、
    前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波を所定量の位相だけ遅延させる位相シフト回路と、
    前記受信アンテナからの2つの受信波の和を求める第一の加算回路と、
    前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との和を求める第二の加算回路と、
    前記第一の加算回路からの2つの受信波の和の振幅値を求める第一の振幅値検出回路と、
    前記第二の加算回路からの2つの受信波の和の振幅値を求める第二の振幅値検出回路と、
    前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路と、を備えるモノパルスレーダー装置。
  2. 対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波により対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置において、
    前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波を所定量の位相だけ遅延させる位相シフト回路と、
    前記受信アンテナからの2つの受信波の和を求める加算回路と、
    前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との差を求める減算回路と、
    前記加算回路からの2つの受信波の和の振幅値を求める第一の振幅値検出回路と、
    前記減算回路からの2つの受信波の差の振幅値を求める第二の振幅値検出回路と、
    前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路と、を備えるモノパルスレーダー装置。
  3. 対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波により対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置において、
    前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波を所定量の位相だけ遅延させる位相シフト回路と、
    前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との和を求める加算回路と、
    前記受信アンテナからの2つの受信波の差を求める減算回路と、
    前記加算回路からの2つの受信波の和の振幅値を求める第一の振幅値検出回路と、
    前記減算回路からの2つの受信波の差の振幅値を求める第二の振幅値検出回路と、
    前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路と、を備えるモノパルスレーダー装置。
  4. 対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波により対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置において、
    前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波を所定量の位相だけ遅延させる位相シフト回路と、
    前記受信アンテナからの2つの受信波の差を求める第一の減算回路と、
    前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との差を求める第二の減算回路と、
    前記第一の減算回路からの2つの受信波の差の振幅値を求める第一の振幅値検出回路と、
    前記第二の減算回路からの2つの受信波の差の振幅値を求める第二の振幅値検出回路と、
    前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路と、を備えるモノパルスレーダー装置。
  5. 対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波により対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置において、
    前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波を所定量の位相だけ遅延させる位相シフト回路と、
    前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との和を求める加算回路と、
    前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との差を求める減算回路と、
    前記加算回路からの2つの受信波の和の振幅値を求める第一の振幅値検出回路と、
    前記減算回路からの2つの受信波の差の振幅値を求める第二の振幅値検出回路と、
    前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路と、を備えるモノパルスレーダー装置。
  6. 請求項1から5に記載のモノパルスレーダー装置において、
    前記第一の振幅値検出回路又は第二の振幅値検出回路は、2つの受信波の和又は2つの受信波の差を復調して復調信号を出力する復調回路と、
    前記復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路と、
    前記比較回路の比較値の大きさを制御して、前記比較回路からの出力の有無によって前記復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、
    を含み、2つの受信波の和の振幅値又は2つの受信波の差の振幅値を求めることを特徴とするモノパルスレーダー装置。
  7. 対象物からの反射波を2つの受信アンテナで受信して、2つの受信波により対象物の方位を検出するモノパルスレーダー装置において、
    前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との和を求める加算回路と、
    前記受信アンテナからの2つの受信波のうち一方の受信波と前記受信アンテナからの2つの受信波のうち他方の受信波との差を求める減算回路と、
    前記加算回路からの2つの受信波の和の振幅値を求める第一の振幅値検出回路と、
    前記減算回路からの2つの受信波の差の振幅値を求める第二の振幅値検出回路と、
    前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出する演算処理回路と、を備えるモノパルスレーダー装置であって、
    前記第一の振幅値検出回路又は第二の振幅値検出回路は、2つの受信波の和又は2つの受信波の差を復調して復調信号を出力する復調回路と、
    前記復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路と、
    前記比較回路の比較値の大きさを制御して、前記比較回路からの出力の有無によって前記復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、
    を含み、2つの受信波の和の振幅値又は2つの受信波の差の振幅値を求めることを特徴とするモノパルスレーダー装置。
  8. 前記受信アンテナからの2つの受信波、又は前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波のうちいずれかの振幅値を求める第三の振幅値検出回路をさらに備え、前記演算回路は、前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比、前記第二の振幅値検出回路からの振幅値と前記第三の振幅値検出回路からの振幅値との比又は前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第三の振幅値検出回路からの振幅値との比から対象物の方位を検出することを特徴とする請求項1から7に記載のいずれかのモノパルスレーダー装置。
  9. 前記演算回路は、前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第二の振幅値検出回路からの振幅値との比、前記第二の振幅値検出回路からの振幅値と前記第三の振幅値検出回路からの振幅値との比及び前記第一の振幅値検出回路からの振幅値と前記第三の振幅値検出回路からの振幅値との比のうち、所定範囲内にある比から対象物の方位を検出することを特徴とする請求項8に記載のモノパルスレーダー装置。
  10. 前記第三の振幅値検出回路は、前記受信アンテナからの2つの受信波、又は前記位相シフト回路で遅延させた一方の受信波のうちいずれかを復調して復調信号を出力する復調回路と、
    前記復調回路からの復調信号と比較値との大小を比較する比較回路と、
    前記比較回路の比較値の大きさを制御して、前記比較回路からの出力の有無によって前記復調回路からの復調信号の大きさを求める比較値制御回路と、
    を含み、受信波の振幅値を求めることを特徴とする請求項8又は9に記載のモノパルスレーダー装置。
  11. 前記2つの受信アンテナの間隔が、前記受信波の波長の2分の1以下であることを特徴とする請求項1から10に記載のいずれかのモノパルスレーダー装置。
  12. 前記位相シフト回路の受信波を遅延させる所定量が、π/2であることを特徴とする請求項1から11に記載のいずれかのモノパルスレーダー装置。
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