JP4993431B2 - 目標物の位置測定方法および位置測定装置 - Google Patents
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Description
FMを三角波の繰り返しで行なうものとすると、送信信号の周波数と時間の関係は図8の実線で示すようになり、距離Rのところに存在する目標物(静止しているものとする)からの反射信号の周波数と時間の関係は同図の点線で示すようになる。この結果、送信信号と反射信号間のビート信号周波数frは図9に示すようになり、このビート信号周波数を測定すれば、目標物までの距離を検出できるすなわち、FMの繰り返し周波数をfm,FMの周波数偏移幅をΔfとすれば、距離Rの目標物からの反射信号と送信信号間のビート信号周波数frは次式
fr=4R・fm・Δf/c (cは光速) (1)
で与えられる。
fb=fr−fd (負の場合) (2)
fb=fr+fd (正の場合) (3)
ただし、
fd=2V・f0/c (Vは目標物との相対速度) (4)
したがって、変調の各サイクル毎にfb(正)とfb(負)を別々に測定すれば、frとfd、すなわち、目標物までの距離Rと相対速度Vをそれぞれ別々に求めることができる。具体的には、(2)、(3)式より測定したfb(正)とfb(負)を加算して2で割ればfr、すなわち、目標物までの距離Rが求まり、fb(正)から fb(負)を減算して2で割ればfd、すなわち、相対速度Vが求まる。
そこで、広角レーダ装置では、複数のアンテナで受信した信号電力を比較する方法で目標物の方位角を算出する。通常レーダで使用するアンテナは利得を持っており、放射する電力が強ければそれに比例して受信電力が強くなり、また、ビーム中心方向(法線方向)から両側に外れるほど受信電力が小さくなる。図12(b)はアンテナ素子Awの法線方向を00としたときの利得であり、ビーム幅が680の場合の例である。2つのアンテナ素子Aw,Bwを図12(a)に示すように、それぞれの法線方向をずらして配置すれば、各アンテナAw,Bwの利得は図12(c)における実線、点線で示すようになる。したがって、2つのビームの差を演算すれば、図12(d)に示すように2つのアンテナの法線方向の範囲RA(00〜340)でほぼ直線となる。これより、受信電力の差を演算することにより目標物の方位角θを求めることができる。
上記追尾装置は、着目目標物を識別して航跡情報を求めるものであるが、測定誤差の度合を示す値を出力するものではなく、また、測定誤差の度合に応じた補正制御、その他の制御をするものではない。広角レーダ装置は、目標物までの距離が遠いと、あるいは、複数の目標物が等距離に多数存在すると測定精度が低下する。測定した位置の精度が悪ければ測定データを使用しない、あるいは、使用しても信頼度を示す値を同時に出力する、あるいは、測定誤差に応じた位置補正をするなどの制御ができる。しかし、従来は、測定誤差の度合を示す値を出力しないため、かかる制御ができない問題がある。
本発明の別の目的は広角レーダ装置で測定した目標物の現在位置を、目標物までの距離及び測定誤差に基づいて決定できるようにすることである。
本発明の位置測定方法は、少数の送受信アンテナ素子を備え、各送信アンテナ素子から送信信号を送信し、目標物に反射した反射信号を対応する受信アンテナ素子で受信し、送信信号と反射信号間のビート信号周波数に基づいて目標物までの距離及び目標物の移動速度を算出し、かつ、それぞれの反射信号の電力差に基づいて目標物の方向を算出する広角レーダ装置における目標物の位置測定方法であり、1)目標物の現在位置、速度、移動方向に基づいて所定時間後の目標物の位置を予測して予測位置とし、2)所定時間後の目標物の位置を測定して測定位置とし、3)前記測定位置までの距離が小さいほど測定位置の信頼度の重み大きくなるように第1の重みW1を決定すると共に、前回までの測定位置の測定誤差の度合が小さいほど該測定位置の信頼度の重みが大きくなるように第2の重みW2を決定し、4)前記第1の重みW1と第2の重みW2を加算した加算値(W1+W2)を前記測定位置の位置データに乗算した乗算結果と、1から該加算値を減算した減算値{1−(W1+W2)}を前記予測位置の位置データに乗算した乗算結果とを加算して目標物の現在位置(X C ,Y C )を決定し、5)該決定した現在位置と前記測定位置の差を累積して今回までの前記測定誤差の度合を示す値を決定すると共に出力する。
本発明の位置測定装置は、少数の送受信アンテナ素子を備え、各送信アンテナ素子から送信信号を送信し、目標物に反射した反射信号を対応する受信アンテナ素子で受信し、送信信号と反射信号間のビート信号周波数に基づいて目標物までの距離及び目標物の移動速度を算出し、かつ、それぞれの反射信号の電力差に基づいて目標物の方向を算出する広角レーダ装置における目標物の位置測定装置であり、目標物の現在位置、速度、移動方向に基づいて所定時間後の目標物の位置を予測して予測位置とする手段、所定時間後の目標物の位置を測定して測定位置とする位置測定手段、前記測定位置までの距離が小さいほど測定位置の信頼度の重み大きくなるように第1の重みW1を規定する第1の重みテーブル、前回までの測定位置の測定誤差の度合が小さいほど該測定位置の信頼度の重みが大きくなるように第2の重みW2を規定する第2の重みテーブル、前記測定位置までの距離に応じた第1の重みW1と前回までの測定誤差の度合に応じた第2の重みW2を前記各テーブルより決定し、該第1の重みW1と第2の重みW2を加算した加算値(W1+W2)を前記測定位置の位置データに乗算した乗算結果と、1から該加算値を減算した減算値{1−(W1+W2)}を前記予測位置の位置データに乗算した乗算結果とを加算して目標物の現在位置(X C ,Y C )を決定する位置決定手段、該決定した現在位置と前記測定位置の差を累積して今回までの前記測定誤差の度合を示す値を決定して出力する手段、を備えている。
又、本発明によれば、測定点までの距離に応じた第1の重みと測定誤差の度合に応じた第2の重みを考慮して目標物の位置を決定するようにしたから、測定位置精度を向上することができる。
目標物距離・速度演算部12は、第1、第2の送受信部11a,11bから入力する信号に基づいて目標物までの距離R1,R2、目標物の速度V1,V2を演算し、それぞれの平均値を目標物までの距離R及び相対速度Vとして出力する。反射強度検出部13、14は第1、第2の受信アンテナATR1,ATR2により受信した信号の強度、すなわち反射波強度を検出し、目標物方向演算部15は第1、第2の反射波強度の差を演算し、該差に基づいて目標物の方向θを演算して出力する。
XR=R・sinθ
YR=R・cosθ
により計算できる。
ついで、予測点PP(XP,YP)と測定点PR(XR,YR)を用いて目標物の現在位置をPC(XC,YC)を後述する方法で決定する。また、目標物位置推定部16は、該現在位置PC(XC,YC)と前記測定点PR(XR,YR)間の距離Dを累積し、累積値Eを測定誤差の度合を示す値として出力する。
目標物位置推定部16は、所定時間後の目標物の位置PP(XP,YP)を目標物の現在位置PC-1(XC-1,YC-1)、相対速度V、移動方向に基づいてを予測する(ステップ101)。ついで、所定時間後の目標物の位置PR(XR,YR)を測定し(ステップ102)、予測点PP(XP,YP)と測定点PR(XR,YR)間に、測定距離R及び測定誤差Eを考慮して目標物の真の位置PC(XC,YC)を決定して出力する(ステップ103)。
ついで、目標物位置推定部16は、ステップ103で決定した現在位置PC(XC,YC)と前記測定点PR(XR,YR)間の距離Dを誤差Eiとして計算し(ステップ104)、最新のN個の誤差Eiを累積し、累積値E(=ΣEi)を測定誤差の度合を示す値として出力する(ステ
ップ105)。
しかる後、次式
により目標物の現在位置PC(XC,YC)を計算する(ステップ203)。
以上にしたがって目標物の現在位置を決定し、該現在位置と前記測定点位置との差を誤差として累積して出力するにしたから、測定誤差の度合に基づいた制御を行うことができる。又、測定点までの距離に応じた第1の重みと測定誤差に応じた第2の重みを考慮して目標物の位置を決定するようにしたから、測定位置精度を向上することができる。
ATR1,ATR2 受信アンテナ
11 広角レーダ送受信部
12 目標物距離・速度演算部
13、14 反射強度検出部
15 目標物方向演算部
16 目標物位置推定部
Claims (2)
- 少数の送受信アンテナ素子を備え、各送信アンテナ素子から送信信号を送信し、目標物に反射した反射信号を対応する受信アンテナ素子で受信し、送信信号と反射信号間のビート信号周波数に基づいて目標物までの距離及び目標物の移動速度を算出し、かつ、それぞれの反射信号の電力差に基づいて目標物の方向を算出する広角レーダ装置における目標物の位置測定方法において、
目標物の現在位置、速度、移動方向に基づいて所定時間後の目標物の位置を予測して予測位置とし、
所定時間後の目標物の位置を測定して測定位置とし、
前記測定位置までの距離が小さいほど測定位置の信頼度の重みが大きくなるように第1の重みW1を決定すると共に、前回までの測定位置の測定誤差の度合が小さいほど該測定位置の信頼度の重みが大きくなるように第2の重みW2を決定し、
前記第1の重みW1と第2の重みW2を加算した加算値(W1+W2)を前記測定位置の位置データに乗算した乗算結果と、1から該加算値を減算した減算値{1−(W1+W2)}を前記予測位置の位置データに乗算した乗算結果とを加算して目標物の現在位置(XC,YC)を決定し、
該決定した現在位置と前記測定位置の差を累積して今回までの前記測定誤差の度合を示す値を決定すると共に出力する、
ことを特徴とする測定位置補正方法。 - 少数の送受信アンテナ素子を備え、各送信アンテナ素子から送信信号を送信し、目標物に反射した反射信号を対応する受信アンテナ素子で受信し、送信信号と反射信号間のビート信号周波数に基づいて目標物までの距離及び目標物の移動速度を算出し、かつ、それぞれの反射信号の電力差に基づいて目標物の方向を算出する広角レーダ装置における目標物の位置測定装置において、
目標物の現在位置、速度、移動方向に基づいて所定時間後の目標物の位置を予測して予測位置とする手段、
所定時間後の目標物の位置を測定して測定位置とする位置測定手段、
前記測定位置までの距離が小さいほど測定位置の信頼度の重み大きくなるように第1の重みW1を規定する第1の重みテーブル、
前回までの測定位置の測定誤差の度合が小さいほど該測定位置の信頼度の重みが大きくなるように第2の重みW2を規定する第2の重みテーブル、
前記測定位置までの距離に応じた第1の重みW1と前回までの測定誤差の度合に応じた第2の重みW2を前記各テーブルより決定し、該第1の重みW1と第2の重みW2を加算した加算値(W1+W2)を前記測定位置の位置データに乗算した乗算結果と、1から該加算値を減算した減算値{1−(W1+W2)}を前記予測位置の位置データに乗算した乗算結果とを加算して目標物の現在位置(XC,YC)を決定する位置決定手段、
該決定した現在位置と前記測定位置の差を累積して今回までの前記測定誤差の度合を示す値を決定して出力する手段、
を備えたことを特徴とする位置測定装置。
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