JP4787401B2 - 電池寿命の報知方法および電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電池寿命の報知方法およびコンピュータが読取可能な記録媒体に関し、電子時計に代表される専用のマイコンICを内蔵する電子機器の電池寿命を全機能の動作に必要な電圧を判断することができるように電池寿命の報知基準を調整することが可能な電池寿命の報知方法および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子時計は、多機能になってきている。例えば、アラーム、クロノグラフ、タイマーなどの時計補助機能や高度計機能などを時計機能とは別に搭載した腕時計が製造されている。前記高度計機能は、圧力センサによって気圧を検出することによって、気圧の変化から高度を計測するため、通常の時計機能や時計補助機能と比べて高い電圧を必要としている。
【0003】
一方、電源を電池によって供給される電子時計などの電子機器には、電池寿命を電池の電圧から判断して、表示させるようにした電池寿命の報知方法が知られている。この報知方法では、電子時計の時計機能を制御する専用のマイコンICに内蔵されているコンパレータによって、電池の電圧を検出して、予め設定された基準電圧と比較して、電池寿命を判断して報知している。
【0004】
また、その報知は、表示によって行う電子機器が知られている。例えば、乾電池の形状を象ったキャラクターを三分割し、分割した全ての部分を表示させているときには、十分な電圧があることを報知し、電圧が減少するにつれて、その表示する部分を消していって、電池寿命を報知させるようにした電子機器が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電池寿命の報知方法では、専用のマイコンICに内蔵されているコンパレータによって電池寿命を判断して報知しているため、そのコンパレータの検出分解能に応じた限られた範囲の電圧しか判断することができない。
【0006】
また、従来の電池寿命の報知方法では、時計機能や時計補助機能に必要な低い電圧を基準として、設計されている。このため、時計機能や時計補助機能に比べて高い電圧が必要な高度計機能などの場合には、電池寿命が切れていないと表示しているにもかかわらず、必要な電圧でないことが生じてしまうことがある。この場合、高度計機能を実行させてしまうと、正常に動作しなかったり、高度計機能の途中で電池切れを起こしてしまう問題点がある。
【0007】
つまり、通常、専用のマイコンICに内蔵のコンパレータの検出分解能は、±0.1[V]であるため、たとえソフトウェア等によって可変したとしても、基準値として設定できるのは、2.4[V],1.8[V],1.2[V],1.05[V]のように限られてしまう。例えば、検出電圧を2.4[V]に設定した場合には、実際の検出電圧は、マイコンICの量産バラツキにより、2.3〜2.5[V]と0.2[V]の検出幅を持っており、その量産バラツキに応じた範囲での設定しか行うことができない。このため、時計機能や時計補助機能のように、低い電圧まで使用が可能な機能の場合には、コンパレータの検出分解能が±0.1[V]でも十分な電池寿命を確保できた。しかしながら、重負荷、例えば、圧力センサーによる気圧検出を伴う高度計機能を備えた電子時計においては、その機能の動作電圧の下限値(約2.4[V])では、一般の電子時計の機能のそれ(約1.1[V])と比較して高いため、正常に動作しなかったり、電池切れを起こしてしまう問題点がある。
【0008】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電子時計に代表される専用のマイコンICを内蔵する電子機器の電池寿命を機能に応じて、正常に動作しなかったり、電池切れを起こさないように、電池寿命の報知基準の調整を容易に行うことができるようにして、汎用性の高い電池寿命の報知方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明の電池寿命の報知方法は、電子機器の全機能の動作に必要な最低駆動電圧値をアナログ量の基準電圧として生成させ,前記電圧値をA/D変換回路に入力させてディジタル値に変換させる基準電圧変換ステップと,前記A/D変換回路から出力されたディジタル値を電子機器の処理モード毎に必要な電圧値に対応する基準値として記憶させる基準値記憶ステップと,を含む報知基準調整モードステップと、アナログ量としての電池の電圧値をA/D変換回路に入力させてディジタル値に変換する電池電圧変換ステップと,予め記憶してある前記基準値を読み出す基準値読出ステップと、前記A/D変換回路から出力されたディジタル値と前記基準値とを比較する比較ステップと,比較結果によって全機能の動作に必要な電池寿命を判断して報知させる電池寿命判断報知ステップと,を含む電池寿命報知モードステップと、前記報知基準調整モ−ドと前記電池寿命報知モ−ドとのモードの切り替えを制御するモード切替制御ステップを含むことを処理上の特徴とする。
【0010】
これによって、電子時計に代表される専用のマイコンICを内蔵する電子機器の全機能に合わせて電池寿命の報知基準を調整することができるようになる。したがって、この発明によれば、機能に応じた基準電圧を容易に設定することができるため、汎用性の高い電池寿命の報知方法を提供することが可能になるため、機能を正常に動作させ、機能の動作中に電池切れを起こさせるのを防止することができるようになる。また、回路ブロック上のA/D変換回路の制御やEEPROMへの書き込みを行う高速な調整装置を必要とすることなく、報知基準を調整することができるようになる。
【0011】
なお、前記モード切替制御ステップには、任意のアナログ量としての電圧値を基準電圧として生成して前記A/D変換回路へ出力する安定化電源と,生成した基準電圧を出力させるとともに同期信号を出力する制御手段と,を備える調整装置からの同期信号を基にして報知基準調整モードへの切り替えを行う同期信号切替ステップを含ませてもよい。また、前記同期信号切替ステップには、前記同期信号とともに、電子機器に対するリセット入力がされたときに報知基準調整モードへの切り替えを行うリセット入力切替ステップを含ませてもよい。
【0012】
さらに、この発明の電子機器は、前記電池寿命の報知方法を使用したことを構成上の特徴とする。
なお、この発明のコンピュータが読取可能な記録媒体は、前記電池寿命の報知方法を、コンピュータに実行させるプログラムを格納したことを構成上の特徴としてもよい。
【0013】
なお、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フロッピーディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記録装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含むものとする。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであって良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0014】
また、前記A/D変換回路は、例えば特開平9−318403の明細書に記載されている様な、高度計機能の際に圧力を計測する圧力センサの出力をディジタル値に変換するセンサ検出用のA/D変換回路を利用するのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、この発明に使用する電子時計のハードウェアを示すブロック図である。この電子時計100は、CPU1、入力回路2、ROM3、EEPROM4、RAM5、発振回路6、分周回路7、表示部8、表示駆動回路9、A/D変換回路10、センサ11、センサ駆動回路12、電池13、選択回路14を主に備えている。
【0017】
CPU1は、電子時計100の全体の処理を司り、特に、報知基準調整モードステップと電池寿命報知モードステップとのモードの切り替えを制御するモード切替制御ステップを含む処理を実行する。
【0018】
前記報知基準調整モードステップは、電子時計100の全機能の動作に必要な最低駆動電圧値をアナログ量の基準電圧として生成させ、前記電圧値をA/D変換回路10に入力させてディジタル値に変換させる基準電圧変換ステップと、A/D変換回路10から出力されたディジタル値を電子時計100の処理モード毎に必要な電圧値に対応する基準値として記憶させる基準値記憶ステップと、を含む処理である。
【0019】
また、前記電池寿命報知モードステップは、アナログ量としての電池の電圧値をA/D変換回路10に入力させてディジタル値に変換する電池電圧変換ステップと、予め記憶してある前記基準値を読み出す基準値読出ステップと、A/D変換回路10から出力されたディジタル値と前記基準値とを比較する比較ステップと、比較結果によって全機能の動作に必要な電池寿命を判断して報知させる電池寿命判断報知ステップと、を含む処理である。
【0020】
入力回路2は、後述する調整装置からの同期信号を入力する。ROM3は、不揮発性の記憶媒体であり、各種プログラムや各種固定データを格納する。EEPROM4は、不揮発性の記憶媒体であり、後述するA/D変換回路10から出力されるの基準値を格納する。なお、この基準値は、AD_BLI2と表し、想定される電池の最高電圧と基準値AD_BLI2との中間を中間値AD_BLI1と表す。RAM5は、書き換え可能な記憶媒体であり、各種プログラムの変数等を格納する。
【0021】
発振回路6及び前記分周回路7は、時計機能を実現するクロックを生成する。記表示部8は、例えばLCDやLEDといった表示素子であり、時刻などのデータを表示する。表示駆動回路9は、表示部8への表示を制御する。A/D変換回路10は、アナログ量としての電圧値をディジタル値に変換する。センサ11は、例えば、圧力センサであり、気圧に応じた検出電圧を出力する。センサ駆動回路12は、例えば定電流電源であり、センサ11を駆動する。電池13は、電子時計100の電源である。選択回路14は、CPU1からの制御によって、A/D変換回路10に入力するアナログ量を電池の電圧かセンサの出力電圧か、または、後述する安定化電源が出力する基準電圧かを選択する。
【0022】
まず、図1に示した電子時計の電池寿命判断処理を説明する。図2は、図1に示した電子時計の電池寿命判断処理を説明するフローチャートである。CPU1は、電池寿命報知モード時には、EEPROM4に格納されている基準値AD_BLI2と、中間値AD_BLI1とを読み出す(ステップSa1)。そして、CPU1は、選択回路14に対して電池13の電圧をA/D変換回路10に入力させる指令を出し、A/D変換回路10に電池13の電圧をディジタル値に変換させる(ステップSa2)。
【0023】
次に、CPU1は、まず、中間値AD_BLI1とディジタル値(以下「A/D値」という。)とを比較し、A/D値の方が大きければ(ステップSa3,Yes)、電池マークを全点灯して今回処理を終了する(ステップSa4)。一方、A/D値の方が小さければ(ステップSa3,No)、基準値AD_BLI2とA/D値とを比較し、A/D値の方が大きければ(ステップSa5,Yes)、電池マークを半分点灯して今回処理を終了する(ステップSa6)。また、A/D値の方が小さければ(ステップSa5,No)、電池マークを全消灯して今回処理を終了する(ステップSa7)。つまり、上記電池寿命判断処理によれば、電池マーク全消灯までが、電池寿命の最低電圧値としてユーザに報知させることが可能になる。
【0024】
次に、基準電圧調整処理を説明する。図3は、この発明の実施の形態1に係る基準電圧調整処理を説明するブロック図であり、図1の電池13を調整装置15に置き換えたものである。図4は、この発明の実施の形態1に係る基準電圧調整処理を説明するフローチャートである。図5は、この発明の実施の形態1に係る基準電圧調整処理を説明するタイミングチャートである。なお、図5には、安定化電源17の生成する電圧VDDと、制御回路18が出力する同期信号としてのPi0,RESET,Pi1の各信号と、電子時計100が出力する信号としてのPo0,Po1,Po2の各信号とを上から順に示してある。また、安定化電源17が生成するアナログ電圧は、調整のための基準として使用する電圧として、3[V]、2.7[V] (AD_BLI1)AD_BLI1、2.4[V] (AD_BLI2)AD_BLI2の3種類を設定した場合を説明する。但し、アナログ電圧の設定は、これに限らず、設計に応じて適宜設定すればよい。
【0025】
まず、CPU1は、安定化電源13からのVDD3[V]が印加され(ステップSb1)、同期信号Pi0およびRESETが入力されると、報知基準調整モード(以下「BLI調整モード」という。)に切り替えて、実行を開始する(ステップSb2)。なお、リセット解除後にソフトウェアが動作を開始するまでには、スタンドバイタイム(125msec)だけ時間がかかる。この時間に、安定化電源13の電圧が2.7[V]に下がり、CPU1は、リセット解除時のPi0の入力条件により、BLI調整モードに入る。
【0026】
次に、CPU1は、6msec周期で監視してPi1のH入力を検出し、Po0に出力Hをビジ−信号として制御回路18に出力する(ステップSb4)。続いて、CPU1は、Po0をHにした後に、A/D変換を行うための前処理を行う。この前処理は、後述するように、A/D変換回路10に対してどういうパターンの信号を送るかというコマンドをROM3や実行中のプログラムなどから読み出して、A/D変換回路10に制御信号として出力する処理である。前記パターンの信号は、例えば、A/D変換回路の機能(電源電圧を測る測定の機能、センサを計る測定の機能)を選択回路14に選ばせる制御信号である。
【0027】
すると、A/D変換回路10は、A/D変換(1)を実行し(ステップSb5)、変換したディジタル値をCPU1に出力する。CPU1は、A/D変換が正常に行われたか否かを判断し、A/D変換動作に異常があった場合はPo2にHを出力し(ステップSb6,No:ステップSb7)、正常であった場合はLを出力する(ステップSb6,Yes:ステップSb8)。そして、CPU1は1回目のA/D変換動作の終了を示すためにPo0にLを出力する。
【0028】
次に、制御回路18が、Po0がLであることを確認した後、安定化電源17側が出力電圧をVDD2.4[V]に下げ(ステップSb9)、Pi1を再度LからHにすると、CPU1は、6msec周期で監視してPi1のH入力を検出し、Po0に出力Hをビジ−信号として制御回路18に出力する(ステップSb10)。続いて、CPU1は、Po0をHにした後に、A/D変換を行うための前処理を行う。すると、A/D変換回路10は、A/D変換(2)を実行し(ステップSb11)、変換したディジタル値をCPU1に出力する。
【0029】
ここで、CPU1は、2つのディジタル値(A/D値)をEEPROM4へ書き込む(ステップSb12)。また、CPU1は、A/D変換が正常に行われたか否かを判断し、A/D変換動作に異常があった場合は、Po2にHを出力し(ステップSb13,No:ステップSb14)、正常であった場合はLを出力する(ステップSb13,Yes:ステップSb15)。
【0030】
またさらに、CPU1は、EEPROM4の格納が正常に行われたか否かを判断し、動作に異常があった場合は、Po1にHを出力し(ステップSb16,No:ステップSb17)、正常であった場合はLを出力する(ステップSb16,Yes:ステップSb18)。CPU1は、最後に、2回目の動作終了を示すためにPo0にLを出力して動作を終了する。
【0031】
次に、図6および図7は、この発明の実施の形態1に係る基準電圧調整処理を説明する更に詳細なタイミングチャートである。なお、図6および図7中、上から順に、安定化電源17の生成する電圧VDD、同期信号としてのPi0、RESET、CEB(A/D変換回路10のイネ−ブル信号)、CSB(EEPROM4のイネ−ブル信号)、 ALEB(A/D変換回路10のアドレスラッチ信号)/SK(EEPROM4のシリアルクロック信号)、RDB(A/D変換回路10のデ−タ読出し制御信号)/DI(EEPROM4のシリアル入力信号)、WRB(A/D変換回路10のデ−タ書込み制御信号)/DO(EEPROM4のシリアル出力信号)、D3−D0(A/D変換回路10のアドレス/デ−タバス信号)(の各信号を順に示してある。尚、/は1つの信号線が複数の機能をもち、制御信号CEBとCSBの値によって、信号線の機能が切り替わることを示す。また、D3−D0にはALEB/SKの立ち下がりに同期してアドレス(1a)〜(9a)が出力され、WRB/DOの立ち下がりに同期してデータ(1d)〜(9d)が出力される。
【0032】
このタイミングチャートに示すように、CPU1は、BLI調整モードを開始後、A/D変換回路10と選択回路14に対して動作周波数選択(1d)と入力信号選択(2d)を送信する。この(2d)を受信すると、選択回路14はA/D変換入力信号として電池を選択し、A/D変換回路10がA/D変換を開始する。次にCPU1はA/D変換(1)のデータ(3d)〜(5d)を受信する。以下同様にして、入力信号選択(6d)の送信とA/D変換(2)のデータ(6d)〜(9d)の受信が行われる。
【0033】
また、CPU1は、A/D変換動作の終了後、CEBを常にHとし、これに続いてCSBをHからLにして、EEPROM4をイネ−ブルにする。その後、CPU1は、CEBをL→H→Lの動作を繰り返し、このLの期間中に、EEPROM4に対して書き込み動作(図7の(10)〜(11))を行う。そして、最後に、書き込み禁止コマンド(図7の(12))を出力して書き込み動作を終了する。その後、CPU1は、EEPROM4からの読出しコマンド(図7の(13))を生成し、EEPROM4から書き込んだデータ(図7の(14))を読み出して、先の書込みデータと読み出しデータを比較して、EEPROM4に対してデータが正確に書き込みが行えたか否かを判断する。なお、EEPROM4からの読出しは、例えば、0番地から64番地まで16bitデータ列を連続して出力させる。また、EEPROM4への書き込み動作時には、WRB/D0とD3−D0の出力をハイインピーダンス状態(Hi−Z)としておく。また、EEPROMからの読出し時には、D3−D0の出力をハイインピーダンス状態(Hi−Z)としておく。
【0034】
上記実施の形態1によれば、電子時計に代表される専用のマイコンICを内蔵する電子機器の全機能に合わせて電池寿命の報知基準を調整することができる効果が得られる。したがって、機能に応じた電圧を容易に設定することができるため、汎用性の高い電池寿命の報知方法を提供することが可能になり、機能を正常に動作させ、機能の動作中に電池切れを起こさせるのを防止することができる効果が期待できる。このため、回路ブロック上のA/D変換回路の制御やEEPROMへの書き込みを行う高速な調整装置を必要とせず、汎用の調整装置を使用して報知基準の調整を行うことができるため、安価に精度の高い調整を行うことができるようになる。
【0035】
(実施の形態2)
上記実施の形態1と異なる点は、モード切替時の同期信号である。以下、異なる点を説明する。なお、上記実施の形態1で説明したブロック構成(図3)は、この実施の形態2でも同一であるものとする。図8は、この発明の実施の形態2に係る基準電圧調整処理を説明するフローチャートである。図9は、この発明の実施の形態2に係る基準電圧調整処理を説明するタイミングチャートである。
【0036】
なお、図9には、安定化電源17の生成する電圧VDDと、制御回路18が出力する同期信号としてのPi0,RESETの各信号と、測定用信号としてのPo0,Po1,Po2の各信号とを上から順に示してある。したがって、上記実施の形態1に比べて同期信号としてのPi1が無い点が相違する。また、安定化電源17が生成するアナログ電圧は、上記実施の形態1と同様に、3[V]、2.7[V] (AD_BLI1)AD_BLI1、2.4[V] (AD_BLI2)AD_BLI2の3種類を設定した場合を説明する。
【0037】
まず、CPU1は、安定化電源13からのVDD3[V]が印加され(ステップSc1)、同期信号Pi0およびRESETが入力されると、報知基準調整モード(以下「BLI調整モード」という。)に切り替えて、実行を開始する(ステップSc2)。なお、リセット解除後にソフトウェアが動作を開始するまでには、スタンドバイタイム(125msec)だけ時間がかかる。そして、この実施の形態2では、リセット解除後にソフトウェアが動作を開始するまでのスタンドバイタイム(125msec)を含む時間t1(200ms)経過後に、CPU1は、リセット解除時のPi0の入力条件により、BLI調整モードに入る(ステップSc4)。
【0038】
次に、CPU1は、Po0をHにした後に、A/D変換を行うための前処理を行う。すると、A/D変換回路10は、A/D変換(1)を実行し(ステップSc5)、変換したディジタル値をCPU1に出力する。CPU1は、A/D変換が正常に行われたか否かを判断し、A/D変換動作に異常があった場合はPo2にHを出力し(ステップSc6,No:ステップSc7)、正常であった場合はLを出力する(ステップSc6,Yes:ステップSc8)。
【0039】
次に、制御回路18が、安定化電源17側が出力電圧をVDD2.4[V]に下げるとともに(ステップSc9)、Po0の立下りから時間(10ms)経過後の時間t2時に、CPU1は、Po0をHにした後に、A/D変換を行うための前処理を行う(ステップSc10)。すると、A/D変換回路10は、A/D変換(2)を実行し(ステップSc11)、変換したディジタル値をCPU1に出力する。
【0040】
ここで、CPU1は、2つのディジタル値(A/D値)をEEPROM4へ書き込む(ステップSc12)。また、CPU1は、A/D変換が正常に行われたか否かを判断し、A/D変換動作に異常があった場合は、Po2にHを出力し(ステップSc13,No:ステップSc14)、正常であった場合はLを出力する(ステップSc13,Yes:ステップSc15)。
【0041】
またさらに、CPU1は、EEPROM4の格納が正常に行われたか否かを判断し、動作に異常があった場合は、Po1にHを出力し(ステップSc16,No:ステップSc17)、正常であった場合はLを出力する(ステップSc16,Yes:ステップSc18)。CPU1は、最後に、2回目の動作終了を示すためにPo0にLを出力して動作を終了する。
【0042】
この実施の形態2によれば、上記実施の形態1の効果とともに、上記実施の形態2に比べて、1つ同期信号を少なくすることができるため、上記実施の形態1に比べて調整装置と電子時計との間の配線数を少なくすることが可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、電子時計に代表される専用のマイコンICを内蔵する電子機器の全機能に合わせて電池寿命の報知基準を調整することができる効果が得られる。したがって、この発明によれば、機能に応じた電圧を容易に設定することができるため、汎用性の高い電池寿命の報知方法を提供することが可能になり、機能を正常に動作させ、機能の動作中に電池切れを起こさせるのを防止することができる効果が期待できる。このため、回路ブロック上のA/D変換回路の制御やEEPROMへの書き込みを行う高速な調整装置を必要せず、汎用の調整装置を使用して報知基準の調整を行うことができるため、安価に精度の高い調整を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に使用する電子時計のハードウェアを示すブロック図である。
【図2】図1に示した電子時計の電池寿命判断処理を説明するフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1に係る電池寿命判断処理の基準電圧調整処理を実現するハードウェアを示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る基準電圧調整処理を説明するフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る基準電圧調整処理を説明するタイミングチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に係る基準電圧調整処理を説明する更に詳細なタイミングチャートである。
【図7】この発明の実施の形態2に係る基準電圧調整処理を説明する更に詳細なフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態2に係る基準電圧調整処理を説明するフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態2に係る基準電圧調整処理を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
100 電子時計
1 CPU
2 入力回路
3 ROM
4 EEPROM
5 RAM
6 発振回路
7 分周回路
8 表示部
9 表示駆動回路
10 A/D変換回路
11 センサ
12 センサ駆動回路
13 電池
14 選択回路
15 調整装置
16 安定化電源
17 制御回路
Claims (5)
- 電子機器の全機能の動作に必要な最低駆動電圧値をアナログ量の基準電圧として生成させる調整装置からの制御信号に同期し、前記電子機器に内蔵のCPUが前記電子機器に内蔵のA/D変換回路を制御し、前記電圧値を前記A/D変換回路に入力させてディジタル値に変換させる基準電圧変換ステップと、
前記A/D変換回路から出力されたディジタル値を電子機器の処理モード毎に必要な電圧値に対応する基準値として不揮発性の記憶媒体に記憶させる基準値記憶ステップと、
からなる報知基準調整モードステップと、
電池を前記調整装置と置き換えた後、前記電池の電圧値を前記A/D変換回路に入力させて変換したディジタル値を前記基準値と比較して報知する電池寿命報知モードステップと、
前記報知基準調整モ−ドと前記電池寿命報知モ−ドとのモードを切り替えるモード切替制御ステップと、
を有する電池寿命の報知方法。 - 前記電池寿命報知モードステップは、アナログ量としての電池の電圧値をA/D変換回路に入力させてディジタル値に変換する電池電圧変換ステップと、
予め記憶してある前記基準値を読み出す基準値読出ステップと、
前記A/D変換回路から出力されたディジタル値と前記基準値とを比較する比較ステップと、
比較結果によって全機能の動作に必要な電池寿命を判断して報知させる電池寿命判断報知ステップと、
を有する請求項1記載の電池寿命の報知方法。 - 前記モード切替制御ステップには、任意のアナログ量としての電圧値を基準電圧として生成して前記A/D変換回路へ出力する安定化電源と、生成した基準電圧を出力させるとともに同期信号を出力する制御手段と、を備える調整装置からの同期信号を基にして報知基準調整モードへの切り替えを行う同期信号切替ステップを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の電池寿命の報知方法。
- 前記同期信号切替ステップには、前記同期信号とともに、電子機器に対するリセット入力がされたときに報知基準調整モードへの切り替えを行うリセット入力切替ステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の電池寿命の報知方法。
- 電池と、
アナログ量としての電圧値をディジタル値に変換するA/D変換回路と、
前記A/D変換回路から出力された前記ディジタル値を格納する不揮発性の記憶媒体と、
前記A/D変換回路及び前記不揮発性の記憶媒体を制御するCPUと、を有し、
前記CPUは、前記電池を、全機能の動作に必要な最低駆動電圧値をアナログ量の基準電圧として生成させる調整装置に置き換えることにより、前記調整装置からの制御信号に同期して、前記CPUが前記最低駆動電圧値を前記A/D変換回路に入力させ、前記A/D変換回路から出力されたディジタル値を電子機器の処理モード毎に必要な電圧値に対応する基準値として前記不揮発性の記憶媒体に記憶させ、
前記電池を前記調整装置と置き換えることにより、アナログ量としての電池の電圧値を前記A/D変換回路に入力させてディジタル値に変換させ、予め記憶してある前記基準値を読み出して前記A/D変換回路から出力されたディジタル値と前記基準値とを比較させ、比較結果によって全機能の動作に必要な電池寿命を判断して報知させることを特徴とする電子機器。
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