JP4702343B2 - 携帯端末装置 - Google Patents
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Description
しかし、起動時に毎回システムプログラムを揮発性メモリにロードしたのでは、起動に時間がかかってしまう。また、揮発性メモリにロードされたシステムプログラムが電気的なノイズによって破壊されるおそれがあった。
そこで、起動前に予めシステムプログラムを揮発性メモリにロードしておくことにより、起動時間を短縮し、さらに、起動時に揮発性メモリにシステムプログラムがロード済みであるか否かをチェックし、ロード済みであれば、そのシステムプログラムが揮発性メモリ上で正常に起動できるか否かをチェックし、正常であればそのシステムプログラムを実行するという技術が提案されている(特許文献1)。
図5は、従来の携帯端末装置における消費電流の説明図である。従来のものは、電源が切れている期間中CPUは待機状態(スリープ状態)である。このため、電源が切られているときにサブバッテリから継続して供給する電流として、揮発性メモリに格納されているデータを保持するために揮発性メモリに供給する保持電流およびRTCへ供給する動作電流の他に、CPUの待機状態を保持するためにCPUへ供給する待機電流も必要である。
また、電源が切れているときのサブバッテリの消費電力が大きいため、揮発性メモリのデータ保持時間が短くなり、起動時にはバッテリの電圧が低下しているという事態が起きやすい。このような事態になると、再度、不揮発性メモリからシステムプログラムを揮発性メモリへロードすることになり、起動に時間がかかってしまう。
起動手段は、携帯端末装置の電源が切れているときに所定の時間毎にCPUを起動させる。そして、CPUは、この携帯端末装置の電源が切れている状態において起動手段により起動されたときに、揮発性メモリに格納されている検査データを新たな検査データに更新する更新処理を実行する。また、主電源は、この携帯端末装置の電源が切れている状態では、起動手段により起動して更新処理を実行する期間のみCPUへ電力を供給する。
さらに、CPUは、起動手段により起動するタイミングになったときに、最初のタイミングからの経過時間が、揮発性メモリにシステムプログラムおよび検査データが格納された状態を副電源が維持できる時間を超えているか否かを判定し、超えていると判定した場合は不揮発性メモリからシステムプログラムを読出して揮発性メモリに格納し、かつ、超えていないと判定した場合は更新処理を実行する。
主電源は、この携帯端末装置の電源が切れている状態では、起動手段により起動して更新処理を実行する期間のみCPUへ電力を供給するため、電源が切れている期間中は継続してCPUへ電極を供給する従来のものよりも消費電力を小さくすることができる。
また、電源が切れている状態において起動手段により起動されたときに、揮発性メモリに格納されているシステムプログラムが正常か異常かを検査するための検査データを新たな検査データに更新することができるため、揮発性メモリに格納されているシステムプログラムが、起動タイミング間に電気的なノイズなどによって破壊されていることを起動タイミング毎に検出することができる。
さらに、起動手段が起動した最初のタイミングからの経過時間が、揮発性メモリにシステムプログラムおよび検査データが格納された状態を副電源が維持できる時間を超えている場合は、電圧低下によって揮発性メモリ内のシステムプログラムが異常になっているおそれがあるため、そのような場合は、再度、不揮発性メモリからシステムプログラムを読出して揮発性メモリに格納し、そのシステムプログラムを用いるので、携帯端末装置を正常に機能させることができる。
また、上記の経過時間が上記の時間を超えていない場合は、電圧低下によるシステムプログラムの異常の可能性はないため、検査データの更新のみを行うことにより、CPUの処理時間を短縮するとともに処理負荷を軽減することにより、CPUの消費電力を極力抑えることができる。
[主な電気的構成]
この実施形態に携帯端末装置の主な電気的構成について図を参照しながら説明する。図1は、この実施形態に係る携帯端末装置の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
メインバッテリ15は、CPU11およびRTC12が動作するための動作電源、RAM30の格納データを保持するための保持電流などを供給する。サブバッテリ17は、メインバッテリ15がオンしているときにメインバッテリ15によって充電され、電源が切れている期間中にRTC12へ動作電源を供給し、RAM30へ保持電流を供給する。
次に、フラッシュメモリ20からRAM30に転送されたシステムプログラムが正常か異常かを判定するための固定情報(検査データまたは整合性データともいう)について図2を参照して説明する。図2は、図1に示す携帯端末装置に備えられたフラッシュメモリおよびRAMに格納されるデータの一部を示す説明図であり、(a)はフラッシュメモリから固定情報をRAMへ転送する様子を模式的に示す模式図、(b)は固定情報の構成を示す説明図である。
固定情報23は、固定情報23の書込み箇所(書込みアドレス)を特定するための固定情報番号23aと、固定情報23bと、日付時刻情報23cと、CRC(Cyclic Redundancy Check)チェックサム23dとから構成される。なお、CRCチェックサムに代えてパリティチェックサムなどを用いても良い。
RAM30のワーク領域31には、固定情報1,2,3をそれぞれ格納するための固定情報1格納領域31aと、固定情報2格納領域31bと、固定情報3格納領域31cとが設けられている。固定情報1〜3として格納する情報は任意であり、例えば、1,2,3などの文字を示すキャラクタ情報を固定情報として用いることができる。
次に、この発明の特徴である消費電流について図3を参照して説明する。図3は、電源オフ時とオン時における消費電流を示す説明図である。
電源がオフになっている期間(ta,ta,ta・・)は、サブバッテリ17からRAM30およびRTC12へ保持電流が供給されており、CPU11へ動作電源は全く供給されていない。また、RTC12が計測する日付時刻が、固定情報を更新するタイミングt1,t2,t3・・tnになると、電源がオンし、CPU11へ動作電源が供給され、CPU11が起動し、後述する固定情報の更新処理などが実行される。このとき、CPU11の動作電流が消費される。そして、CPU11が更新処理を終了すると、再び電源がオフになり、CPU11への動作電源の供給が停止する。
従って、電源がオフになっている期間もサブバッテリ17からCPU11へ待機用の電流を継続して供給するものよりもサブバッテリ17の消費電力を小さくすることができる。
従って、起動時に再度フラッシュメモリ20からシステムプログラムをRAM30にロードすることにより、起動に時間がかかってしまうおそれが小さい。
次に、CPU11が実行する固定情報の更新処理の流れについて、それを示す図4のフローチャートを参照しながら説明する。
電源キー13のオン操作により、あるいは、RTC12の計測時間が電源オンを指示する時間になったことにより電源がオンすると、CPU11が起動し、ローダが起動する(ステップ(以下、Sと略す)1)。そして、CPU11は、RTC12(図1)の状態が正常か異常かを判定し(S2)、正常であると判定した場合は(S2:Yes)、RAM30の固定情報格納領域32に格納されている固定情報a〜cが総て正常か異常かをチェックする(S3)。
S3において、RAM30の固定情報格納領域32に格納されている固定情報a〜cが総て正常であると判定した場合は(S3:Yes)、RTC12から現在の日付時刻tnを取得する(S4)。
続いて、CPU11は、S6にて算出した経過時間Δtが、予め設定された規定時間tbを経過しているか否かを判定する(S7)。
続いて、CPU11は、RAM30に格納されている固定情報a〜cの各日付時刻情報23cを、先のS4にてRTC12から取得した現在の日付時刻を示す情報にそれぞれ更新する(S9)。
ここで、電源キー13をオン操作したことによるものではない、つまり、RTC12の計測時間が予め設定された起動時間になって電源オンを指示したことによるものであると判定した場合は(S10:No)、RAM30に格納されている固定情報a〜cの各日付時刻情報23cを、先のS4にてRTC12から取得した現在の日付時刻を示す情報にそれぞれ更新する(S11)。
従って、RAM30に格納されているシステムプログラムが、起動タイミング間に電気的なノイズなどによって破壊されていることを起動タイミング毎に検出することができ、破壊が検出された場合は、フラッシュメモリ20からシステムプログラムをRAM30へ再ロードすることにより、常に正常なシステムプログラムをRAM30に格納しておくことができる。
つまり、電源キー13のオン操作によって起動したときは、RAM30に格納されているシステムプログラムは正常な状態である確率が高くなるため、使用時にシステムプログラムを再ロードすることにより起動時間が遅くなるおそれが小さい。
15・・メインバッテリ(主電源)、17・・サブバッテリ(副電源)、
20・・フラッシュメモリ(不揮発性メモリ)、23・・固定情報(検査データ)、
30・・RAM(揮発性メモリ)。
Claims (1)
- この携帯端末装置を機能させるためのシステムプログラムを実行するCPUと、
前記システムプログラムが格納された不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリから読出された前記システムプログラムと、前記システムプログラムが正常か異常かを検査するための検査データとを格納する揮発性メモリと、
前記CPU、不揮発性メモリおよび揮発性メモリへ電力を供給する主電源と、
前記主電源にて電力を供給することができないときに前記揮発性メモリへ電力を供給する副電源と、を備えており、
前記CPUは、
前記主電源が立ち上がったときに既に前記揮発性メモリに前記システムプログラムおよび検査データが格納されている場合は、その格納されている検査データに基づいて前記システムプログラムが正常か異常かを判定し、正常と判定した場合は、前記揮発性メモリに格納されている前記システムプログラムを実行し、異常と判定した場合は、前記不揮発性メモリから前記システムプログラムを読出して前記揮発性メモリに格納し、その格納されたシステムプログラムを実行する携帯端末装置において、
この携帯端末装置の電源が切れているときに所定の時間毎に前記CPUを起動させる起動手段を備えており、
前記CPUは、
この携帯端末装置の電源が切れている状態において前記起動手段により起動されたときに、前記揮発性メモリに格納されている前記検査データを新たな検査データに更新する更新処理を実行するとともに、
前記起動手段により起動するタイミングになったときに、最初の前記タイミングからの経過時間が、前記揮発性メモリに前記システムプログラムおよび検査データが格納された状態を前記副電源が維持できる時間を超えているか否かを判定し、超えていると判定した場合は前記不揮発性メモリから前記システムプログラムを読出して前記揮発性メモリに格納し、かつ、超えていないと判定した場合は前記更新処理を実行し、
前記主電源は、
この携帯端末装置の電源が切れている状態では、前記起動手段により起動して前記更新処理を実行する期間のみ前記CPUへ電力を供給することを特徴とする携帯端末装置。
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