JP4787205B2 - 半導体レーザの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は半導体レーザの製造方法に関するものであり、特に、ナイトライド系化合物半導体を用いた半導体レーザにおけるしきい値電流密度Jthを低減するための構成に特徴のある半導体レーザの製造方法に関するものである。
従来、短波長半導体レーザは、光ディスクやDVD等の光源として用いられているが、光ディスクの記録密度はレーザ光の波長の二乗に反比例するため、より短い波長の半導体レーザが要請されており、現在商品化されている最短波長の半導体レーザは630〜650nm近傍に波長を有する赤色半導体レーザであり、昨年発売されたDVDに用いられている。
しかし、より記録密度を高めるためにはさらなる短波長化が必要であり、例えば、光ディスクに動画を2時間記録するためには波長が400nm近辺の青色半導体レーザが不可欠となり、そのため、近年では次世代光ディスク用光源として、青色領域に波長を有する短波長半導体レーザに開発が盛んになされている。
この様な青色半導体レーザ用材料としては、II−VI族化合物半導体のZnSe系と、III-V族化合物半導体のGaN系とが研究されており、この内、ZnSe系は高品質の基板として実績の高いGaAsにほぼ格子整合することから、長い間ZnSe系の方が有利であると考えられ、世界中の研究者の大半がこのZnSe系の研究に従事していたという経緯があり、レーザの研究に関してはZnSe系の方が先んじている。
このZnSe系については、既に、注入励起による室温連続発振が報告されているが、本質的に劣化しやすい材料であることから信頼性が問題となり、未だ実用化には至っていない。
一方、GaN系の場合には、1993年末の日亜化学によるGaN高輝度LEDの発表を境に、ZnSe系でネックになっている信頼性に関して耐環境性に優れるGaNが見直され、世界中で研究者の大きな増加を見ている。
次いで、1995年12月初めには、同じく日亜化学によりパルスレーザ発振の成功が報告されて以来、急速に研究が進み、室温連続発振(CW発振)において、35時間の発振持続時間が報告されて以来、現在では、加速試験で推定10000時間の発振持続時間が報告されている。
ここで、図9及び図10を参照して従来の短波長半導体発光素子を説明するが、図9(a)は従来の短波長半導体レーザの光軸に垂直な概略的断面図であり、図9(b)は短波長発光ダイオードの概略的断面図であり、また、図10はバッファ層構造の異なる短波長半導体レーザの光軸に垂直な概略的断面図である。
図9(a)参照
まず、(0001)面を主面とするサファイア基板811上に、GaNバッファ層812を介して、n型GaNバッファ層813、n型In0.1 Ga0.9 N層814、n型Al0.15Ga0.85Nクラッド層815、n型GaN光ガイド層816、InGaNMQW活性層817、p型Al0.2 Ga0.8 N層818、p型GaN光ガイド層819、p型Al0.15Ga0.85Nクラッド層820、及び、p型GaNコンタクト層821をMOVPE法(有機金属気相成長法)によってエピタキシャル成長させる。
次いで、ドライ・エッチングによりn型GaNバッファ層813の一部を露出させて、Ti/Auからなるn側電極822を設けると共に、p型GaNコンタクト層821上にはNi/Auからなるp側電極823を設けたのち、さらに、ドライ・エッチングを施して一対の平行な端面を形成し、この端面を共振器面にすることによってパルスレーザ発振に成功している(例えば、非特許文献1参照)。
図9(b)参照
また、発光ダイオードの場合には、サファイア基板811上に、GaNバッファ層812を介して、n型GaN層824、n型またはp型のIn0.15Ga0.85N活性層825、及び、p型GaN層826をMOVPE法によってエピタキシャル成長させる。
この場合、低注入で動作する発光ダイオードとして実用的な発光輝度を得るためには、In0.15Ga0.85N活性層825のSi濃度或いはZn濃度を1×1017〜1×1021cm-3にする必要があり、また、In0.15Ga0.85N活性層825の層厚は1〜500nm、より好適には、10〜100nmにする必要がある(例えば、特許文献1或いは特許文献2参照)。
図10参照
図10は従来の他の短波長半導体レーザの光軸に垂直な断面図であり、まず、(0001)面を主面とするサファイア基板831上に、GaNバッファ層832を介して、n型GaN中間層833、n型Al0.09Ga0.91Nクラッド層834、n型GaN光ガイド層835、MQW活性層836、p型Al0.18Ga0.82Nオーバーフロー防止層837、p型GaN光ガイド層838、p型Al0.09Ga0.91Nクラッド層839、及び、p型GaNコンタクト層840をMOVPE法によって順次エピタキシャル成長させる。
次いで、図9(a)の場合と同様に、ドライ・エッチングによりp型GaNコンタクト層840及びp型Al0.09Ga0.91Nクラッド層839をメサエッチングすると共に、n型GaN中間層833の一部を露出させて、n型GaN中間層833の露出部にTi/Auからなるn側電極841を設けると共に、p型GaNコンタクト層840上にはストライプ状開口を有するSiO2 膜842を介してNi/Auからなるp側電極843を設け、次いでドライ・エッチングを施して共振器面となる一対の平行な端面を形成したものである。
また、オーバーフロー防止層、即ち、キャリアストッパー層をn型層側にも設けることも提案されており(例えば、特許文献3参照)、この場合には、n型不純物濃度が1×1018cm-3のSiドープのn型Al0.15Ga0.85N層を正孔ストッパー層として、また、p型不純物濃度が5×1019cm-3のMgドープのp型Al0.15Ga0.85N層を電子ストッパー層として活性層と光ガイド層との間に設けており、その際の成長温度はGaN或いはAlGaNを成長させる際の通常の成長温度である1100℃である。
特開平06−260682号公報 特開平06−260683号公報 特開平10−056236号公報 S.Nakamura et al.,Japanese Journal of Applied Physics, vol.35,p.L74,1996
しかし、従来の短波長半導体レーザの場合、しきい値電流密度が3.6kA/cm2 程度と、非常に大きいという問題があり、これは基板のサファイアに劈開性がないことのほかに、GaN系化合物半導体、即ち、ナイトライド系化合物半導体という材料が、光学利得を発生するためには、本質的に大きなキャリア密度を必要とするためである。
即ち、従来、実用化されている半導体レーザは、AlGaAs系やAlGaInP系等の閃亜鉛鉱型結晶構造のIII-V族化合物半導体を用いているのに対して、ナイトライド系化合物半導体は、非常に大きな禁制帯幅を有する六方晶ウルツ鉱構造であり、閃亜鉛鉱型結晶材料とは全く異なった物性を有しているためである。
この様なナイトライド系化合物半導体の物性上の大きな特徴は、六方晶であり結晶に異方性が存在すること、禁制帯幅が大きく有効質量が大きいこと、スピン軌道相互作用が小さく、価電子帯に、HH(Heavy Hole)、LH(Light Hole)、及び、CHの3つのバンドが近接して存在することの三つが挙げられる。
より、詳しく説明すると、まず、第1に、ホールの有効質量が大きいことに起因する特徴としては、
a.ホールの有効質量が大きいため、価電子帯の擬フェルミ準位EFpが上がりにくいこと、また
b.ホールの有効質量が大きく、また、LO(縦光学)フォノン散乱等が大きいため、ホールの移動度が小さいこと、また、
c.ホールの有効質量mが大きいため、温度Tにおけるホールの平均速度、即ち、ホールの熱速度vp は、
(m/2)vp 2 =(3/2)kTから、
p ∝m-1/2となり、
ホールの熱速度vp が小さいことが挙げられる。
第2に、価電子帯に、HH、LH、CHの3つのバンドが近接して存在し、その内の2つの有効質量が大きいことにより、ホールに対する擬フェルミ準位EFpが上がりにくいことが原因で、
d.反転分布を達成するために必要な伝導帯の擬フェルミ準位EFnの上昇が従来材料よりも大きくなり、且つ、バリア層と井戸層、或いは、活性層と光ガイド層とを構成するGaN/InGaN、或いは、Inx Ga1-x N/Iny Ga1-y Nのヘテロ接合における価電子帯におけるエネルギー不連続ΔEV と禁制帯幅の差ΔEg との比、即ち、ΔEV /ΔEg が、従来の材料系では0.4程度であったのに対して0.7程度と大きく、界面におけるバンドのオフセットが3:7で価電子帯側に偏るという特徴がある。
これらが原因となって、p型層側から活性層へのホールの注入が効率良く行われなくなり、特に、活性層が多重量子井戸(MQW)構造である場合、ホールの注入効率の悪さは量子井戸層(ウエル層)間のホール密度の不均一を生むことになり、且つ、活性層で有効に消費されない電子がp側へ溢れ出しp側光ガイド層或いはp型クラッド層へのオーバーフロー電流となることを、本発明者等はシミュレーションにより見出したのでこの事情を図11乃至図15を参照して説明する。
なお、図11乃至図15のシミュレーションについては、エレクトロンブロック層、即ち、オーバーフロー防止層の設けない構成でシミュレーションしている。
図11参照
図11は、活性層近傍におけるフェルミ準位の変化を示すものであり、図において拡大した円内に示す様に、価電子帯におけるホールに対する擬フェルミ準位EFpが、活性層においてp側光ガイド層より低エネルギー側にあることがわかる。
即ち、通常の材料系においては、ホールの注入によって擬平衡状態に達し、活性層とp側光ガイド層の擬フェルミ準位EFpはほぼ一致することになるが、ナイトライド系半導体材料においては、活性層とp側光ガイド層の擬フェルミ準位EFpの不一致が非常に大きく、p側光ガイド層から活性層へホールが有効に注入されていないことを示している。
図12参照
図12は、ウエル層が5層のMQW構造短波長半導体レーザにおけるホール電流の層位置依存性を示す図であり、注入されたホールがどこで再結合により消滅するかをシミュレーションした結果を示した図であり、図から明らかな様に、p型クラッド層より注入されたホール電流は、活性層に達する前にp側光ガイド層で4kA/cm2 だけ消費されている。
この消費された電流はレーザ発振に寄与しない無効電流であり、しきい値電流密度Jthの増加につながるものであるが、この様に、p側光ガイド層での再結合が大きい理由は、p型クラッド層から活性層へのホールの注入効率が悪いためである考えられる。
また、活性層がMQW構造である場合、ホールの注入効率の悪さは量子井戸層(ウエル層)間のホール密度の不均一を生み、レーザ発振を非効率にすることになるので、この事情を図13及び図14を参照して説明する。
図13参照
図13は、図11の状態における素子膜厚方向のホール密度分布のシミュレーション結果を示す図であり、図から明らかなように、MQW活性層におけるホール密度がp側光ガイド層に近いほど大きく、不均一になっていることが理解される。
図14参照
図14は、同じく図11の状態における素子膜厚方向の電子密度分布のシミュレーション結果を示す図であり、図から明らかなように、n側光ガイド層側から注入されるMQW活性層における電子密度もp側光ガイド層に向かうほど大きく不均一になっていることが理解され、これは上述のホール不均一注入が原因で、電荷中性条件を満たすために電子がホールに引き寄せられる結果である。
この様に、ホールと電子ともに同様の不均一が起きていることによって、多重量子井戸構造中における光学利得の発生を著しく不均一にすることが予想されるので、この事情を図15を参照して説明する。
図15参照
図15は、上述のナイトライド系化合物半導体を用いたMQW半導体レーザの多重量子井戸中における光学利得分布の説明図であり、p型クラッド層側から第1番目の量子井戸においてはp型クラッド層からの正孔の供給が多いため、大きな光学利得を有しているが、n型クラッド層側へ向かうにつれて光学利得は減少し、n型クラッド層側の2つの量子井戸においては光学利得を発生しないばかりか、光の損失が生じるという従来の閃亜鉛鉱型結晶構造の半導体を用いたレーザと異なる特性となる。
即ち、閃亜鉛鉱型結晶構造の半導体を用いた従来の半導体レーザにおいては、MQW構造が5層程度の量子井戸層から構成される場合には、キャリアが均一に注入されることが常識であり、光通信用長波長レーザでは5〜10層程度、DVD用赤色レーザでも5層程度用いているが、光学利得は均一に発生している。
この様な光学利得の量子井戸層間の不均一による光吸収層の発生は、二つの悪影響を与えることになり、第一は、光吸収層となっているn側の2つの量子井戸層においても、図13及び図14から明らかなようにキャリアが高密度に存在するため、再結合電流が大きいことを意味し、p側の3つの量子井戸層がレーザ発振のしきい値フェルミ準位に達する電流量をn側の2つの量子井戸層が増加させる結果となる。
第二に、n側の2つの量子井戸層が光吸収層であるために、レーザ発振するために克服すべき内部ロスが増加し、しきい値フェルミ準位EF thそのものが上昇してしまうという悪影響が生ずることになる。
図16参照
図16は、多重量子井戸活性層における量子井戸層の数を変えて実際に作製したMQW半導体レーザの光出力−電流特性を示す図であり、この場合、全体の光閉じ込めを一定にするために膜厚を変化させているが、5層の量子井戸層からなる活性層を設けたMQW半導体レーザの方が3層の量子井戸層からなる活性層を設けたMQW半導体レーザの場合よりしきい値電流密度Jthが高く、且つ、レーザ発振後の効率も悪いことがわかる。
これは、半導体レーザの効率は内部量子効率と内部ロスで決定されるため、n側の2つの量子井戸層が光吸収層になっていることによって、内部量子効率及び内部ロスの両者が劣化していることが原因であると考えられる。
また、従来のMQW構造半導体レーザでは、放射光電磁場の強度分布(放射光強度分布)が、図15に示す様に、活性層の中心位置に最大強度位置が来るように対称構造になっており、光学利得を発生する第1層目の量子井戸と最大強度位置とが一致していないため、光閉じ込めが有効に行われないという問題がある。
即ち、レーザ発振に寄与する実質的な利得は、光学利得に放射光強度分布を掛けたものであり、光学利得が大きくとも、その光学利得を発生する位置に放射光強度分布が存在しなければ発振に寄与できないことになる。
そして、実際には、放射光の活性層への分布は、全層を合計しても全体の光強度の約3%程度であるので、図15に示すようにただでさえ小さい光分布が最大光学利得を発生する層で大きくならないことは大きな問題となる。
また、現在報告されている、量子井戸層が10層乃至20層のMQWレーザの場合には、量子井戸構造全体では、光閉じ込めが充分であっても、実質的に、光学利得を発生しているp型クラッド層側から第1番目の量子井戸での光閉じ込めがかなり小さくなり、しきい値電流密度Jthが増加するという問題がある。
さらに、上述のdの理由により、禁制帯幅の差ΔEg の影響の約70%が価電子帯側に現れ、伝導帯側のエネルギー不連続ΔEC は小さくなり、電子のオーバーフローが問題となるため、従来の短波長半導体レーザにおいては、オーバーフロー防止層或いはキャリアストッパ層を設けているが、それによって、放射光強度分布がさらにn側にずれた非対称構造となり、光学利得の大きなp型クラッド層側から第1番目の量子井戸での光閉じ込めがさらに小さくなり、しきい値電流密度Jthが増加するという問題がある。
したがって、ナイトライド系化合物半導体を用いたMQW半導体レーザの特性を改善するためには、しきい値電流密度Jthを低減させることが必要になるが、そのためには、上述のキャリアの不均一注入を改善することが有効となる。
しかし、上述の様にナイトライド系化合物半導体を用いたMQW半導体レーザの場合には、ナイトライド系化合物半導体に特有な問題があり、従来の閃亜鉛鉱型結晶構造半導体の常識を適用するだけでは優れた解決手段が見つからず、ナイトライド系化合物半導体を用いたMQW半導体レーザに採用されている構成で、ナイトライド系化合物半導体には本質的ではない構成が無いか否かを検討することが必要になる。
そこで、検討するに、一般に、ホールの注入効率を改善するために、p側光ガイド層をp型層とすることによりホール濃度を高めることが考えられるが、この場合には、かえって、ホールの注入効率が低下するという問題がある。
即ち、ホールの注入効率が低い主たる原因は、p側光ガイド層におけるホールの移動度が小さいことであるが、p型ドーピングによって散乱が増えてホールの移動度を更に低下させることになる。
さらに、p型不純物のドーピング濃度を高めても、不純物の活性化率が小さいため、ホール濃度がなかなか上がらないことも問題となる。
また、一般に、MQW半導体レーザにおけるキャリアの不均一注入を改善するためには、多重量子井戸構造におけるウエル層の膜厚を薄くすること、バリア層の厚さを薄くすること、及び、バリア層の高さを低く、即ち、禁制帯幅を小さくすることが有効であると考えられる。
この内、ウエル層の膜厚は、レーザの光学利得特性を大きく左右し、レーザ設計の最重要項目であるため、独立に変化させることは難しいという問題があり、また、ナイトライド系MQW青色半導体レーザにおいて、バリア層の禁制帯幅を小さくするということは、バリア層中のIn組成を増加することを意味することになるが、これは歪の増加をもたらし、結晶性が劣化することになるので好ましくないので、この事情を図17を参照して説明する。
図17参照
図17は、バリア層として用いたInx Ga1-x Nを用いた場合の発光効率のIn組成比x依存性についての実験結果を示す図であり、In組成比xが大きいほど活性層にかかる歪がおおきくなり、発光効率が小さくなるため、バリア層のIn組成比xを大きくできず、したがって、量子井戸構造のバリアを低くして注入効率を高めることができない。
一方、バリア層の膜厚については、従来の閃亜鉛鉱型結晶構造半導体を用いたレーザにおいては、膜厚が薄いと量子井戸層間の波動関数の滲み出しによる相互作用が無視できなくなり、階段状であるはずの光学利得分布がなまり、一定キャリア密度当たりの光学利得が発生が低下するため、5nm以上の厚さにしており、この構成をナイトライド系化合物半導体を用いたMQW半導体レーザにおいてもそのまま採用している。
しかし、ナイトライド系化合物半導体を用いたMQW半導体レーザにおいては、上述のようにキャリアの有効質量が大きいため、量子井戸からの波動関数の滲み出しが少なく、且つ、バンド・ギャップの不均一性のため階段状の光学利得分布がもともと若干なまっており、そのため、5nm以上の膜厚は本質的な要件ではないとの結論に至った。
また、上述の様に、活性層で有効に消費されない電子がp側へ溢れ出しp側光ガイド層或いはp型クラッド層へのオーバーフロー電流となるとともに、p側光ガイド層から活性層へのホールの注入効率が悪いことが原因で、p側光ガイド層に溜まったホールが電子をp側層へと引き寄せることによっても、オーバーフローを増加させることになる。
さらに、上述のdの理由により、ヘテロ接合界面におけるバンドのオフセットが3:7で価電子帯側に偏り、伝導帯側のエネルギー不連続ΔEC は小さくなるので、この点からも電子のオーバーフローが問題となっており、従来の短波長の半導体レーザにおいては、オーバーフロー防止層或いはキャリアストッパ層を設けているが、それでも、しきい値キャリア密度Nthが高いのでオーバーフローが起きやすいという問題があり、この様にナイトライド系半導体においては、他の半導体よりも電子のオーバーフローが本質的な問題となる。
即ち、半導体レーザのしきい値電流密度Jthは、τs を電子のライフタイム、dを活性層の厚さ、eを素電荷、Nthをしきい値キャリア密度とした場合、
th=Nth・d・e/τs
で表され、しきい値フェルミ準位EF thは、キャリア密度Nに依存するフェルミ準位EF のしきい値キャリア密度Nthにおける値、即ち、
F th=EF (Nth
で表される。
このしきい値キャリア密度Nthは、キャリア密度Nの関数であるGm (modal gain:モード利得)がキャビティ・ロスを上回ってレーザ発振を開始するキャリア密度であり、しきい値キャリア密度Nthを小さくするためにはGm を大きくする必要がある。
このGm はΓを光閉じ込め係数とし、Gを活性層の組成及びキャリア密度等で決まる利得とすると、
m =Γ・G
で表されるので、活性層の厚さが薄くなり、且つ、光閉じ込めが不十分であればGm が小さくなり、それに伴ってしきい値キャリア密度Nthも大きくなり、したがって、しきい値フェルミ準位EF thが上がりやすくなる。
このしきい値フェルミ準位EF thも大きくなると、高エネルギー状態の電子の数が多くなるので、この点からも電子のオーバーフローが問題となる。
また、有効質量が大きいことが主な原因で、オーバーフロー防止層を設けない場合、p型クラッド層への電子のオーバーフローによるリーク電流が非常に大きいことを本発明者等はシミュレーションにより見出したのでこの事情を図18を参照して説明する。
図18参照
図18は、In0.15Ga0.85Nからなる5層のウエル層をIn0.05Ga0.95Nバリア層で挟んだMQW構造短波長半導体レーザにおける、電子のオーバーフロー電流の総電流量依存性のシミュレーション結果を、AlGaNクラッド層のAl組成を変化させて示したものであり、クラッド層のAl組成比が0.05の場合、即ち、Al0.05Ga0.95N層を用いた場合には、低電流領域からリーク電流が増加しはじまり、20kA/cm2 の時に、総電流量の半分以上がリークすることが分かる。
この様なリーク電流は、レーザ発振に寄与しない無効電流であり、これ自体がしきい値電流密度Jthの増加につながるばかりか発熱の原因ともなって、より一層レーザ発振を困難にするものである。
クラッド層としてAl組成比が0.05のAl0.05Ga0.95N層を用いた場合には、活性層との禁制帯幅の差は500meVもあり、従来の材料系では十分な差であるが、ナイトライド系においてはこの様にオーバーフロー電流が無視できない大きさになるため、オーバーフローによるリーク電流を低減するために、クラッド層のAl組成比を大きくしたAl0.15Ga0.85N層等が用いられている。
また、本発明者は、オーバーフロー電流は素子温度にも依存することをシミュレーションにより見出したのでこの事情を図19を参照して説明する。
図19参照
図19は、Al0.1 Ga0.9 Nクラッド層を用いた場合の電子のオーバーフロー電流の総電流量依存性のシミュレーション結果を、素子温度を変化させて示したものであり、図から明らかなように、素子温度が上昇すると高電流領域でオーバーフローが増加することが分かる。
そして、実際の素子では、オーバーフローした電流がp側電極まで達して発熱して素子温度を上昇させることになり、この素子温度の上昇によって更にオーバーフロー電流が増加するという悪循環が生じ、レーザ発振を阻害するものと考えられる。
一方、電子のオーバーフローを防止するために、p型Al0.15Ga0.85N層或いはAl0.18Ga0.82N層等のオーバーフロー防止層を設けた場合、このAl0.15Ga0.85N層或いはAl0.18Ga0.82N層はp側光ガイド層より屈折率が低いので、レーザ発振を得るために必要な光閉じ込めが大きく減少してしまう問題があり、且つ、ヘテロ接合界面にエネルギースパイクを形成して正孔の注入に対するバリアとなる問題がある。
また、上述の図10に示す様に、ナイトライド系化合物半導体を用いた従来のMQW半導体レーザにおいて、MQW活性層836とp型GaN光ガイド層838との間に、禁制帯幅の大きなp型Al0.18Ga0.82Nオーバーフロー防止層837を設けた場合には、内部ロスの増加を助長すると共にホールに対する電位障壁を大きくし駆動電圧を上昇させるという問題があり、また、電子親和力の差に起因する電位障壁によっても駆動電圧が上昇するという問題があるので、この事情を図20を参照して説明する。
図20(a)参照
図20(a)は従来の短波長半導体レーザのバンドダイヤグラムであり、図から明らかなように、p型Al0.18Ga0.82Nオーバーフロー防止層837の禁制帯幅が大きいため、p型GaN光ガイド層838との間に形成される障壁、即ち、実線で示す電圧非印加時の価電子帯のバンド端と破線で示す電圧印加時の価電子帯のバンド端844との間のエネルギー差が大きくなり、したがって、MQW活性層836へのホールの注入のための印加電圧Vを増大させることになる。
図20(b)参照
図20(b)は、p型Al0.18Ga0.82Nオーバーフロー防止層837の近傍における価電子帯側のバンドダイヤグラムを模式的に示す図であり、図に示すように、MQW活性層836とp型Al0.18Ga0.82Nオーバーフロー防止層837との界面、及び、p型Al0.18Ga0.82Nオーバーフロー防止層837とp型GaN光ガイド層838との界面に電子親和力の差に起因してノッチ845,846が形成され、このノッチ845,846がホールの注入に対する電位障壁となり、ホールの注入効率が低下することになる。
また、このオーバーフローを助長する他の要因としては、p型クラッド層の比抵抗が高いこと、及び、p型クラッド層における非発光寿命が短いことが挙げられ、これらの要因は本質的なものではないため、これらを改善することによってオーバーフローを低減することも考えられる。
しかし、現状では十分な結晶品質を有するp型クラッド層が得られておらず、例えば、比抵抗に関しては、p型クラッド層に対するドーピングが難しく、十分でないことが原因であるが、Al組成比の増加とともにドーピングが一層困難になるので、オーバーフローを低減するためにAl組成比の大きなp型クラッド層を使用した場合に、その比抵抗を低下させることは容易ではない。
また、非発光寿命に関しても、アンドープの結晶でも非発光寿命が1ns(ナノ秒)程度と従来材料より短く、p型ドーピング層に至っては0.1ns以下と考えられ、現実的には改善が難しいという問題がある。
即ち、ナイトライド系化合物半導体の結晶品質上の特徴としては、転位密度が非常に高いことが挙げられ、特に、成長基板としてサファイア基板を用いた場合には、成長層と十分格子整合しないため、成長層の結晶性が悪く、例えば、通常の転位密度は1010cm-2に達することが報告されており、また、非発光寿命が1ns(ナノ秒)程度と非常に速いという問題がある。
また、p型不純物のドーピングによって、p側光ガイド層の結晶性が劣化し、非発光寿命はさらに短く0.1ns(=100ps)程度となり、非発光性再結合の量が増大することになり、レーザ発振のためのしきい値電流密度Jthがさらに増大することになる。
このため、Mgをドープしてもホール濃度を上げることが容易ではないナイトライド系半導体において、p側光ガイド層のホール濃度を上げることによる効果より、p型ドーピングに伴う移動度の低下や、結晶性の劣化の方が問題になるものと考えられる。
一方、転位密度に関しては、1010cm-2の値は、転位密度が104 cm-2以下である従来の閃亜鉛鉱型結晶構造半導体の約100万倍であるが、この様なナイトライド系化合物半導体においては、転位は非発光中心を形成しないのでデバイスの特性には影響しないと言われており、したがって、非発光中心を低減するために転位密度を低減する必要はないので、この様な高密度の転位密度が存在したままで半導体レーザが実現されている。
また、ナイトライド系半導体レーザの活性層として通常用いられているInGaNは、上記のナイトライド系化合物半導体に共通する物性的特徴の他に、従来材料と全く異なる性質を有している。
即ち、InGaNはInNとGaNとの混晶であるが、InNの禁制帯幅が1.9eVであるのに対してGaNの禁制帯幅は3.4eVと非常に大きく異なり、また、結晶成長温度もInNが600℃前後であるのに対して、GaNが1000℃前後と大きく異なっている。
これらのことが原因で、このInGaN混晶は非常に混ざりにくいことが知られており、非混晶領域が大きく、且つ、In組成比が0.2以下と小さい領域においても、In組成比の増加に伴い組成分離している割合が大きくなるという問題がある。
この結果、In組成比が0.15程度のInGaN層において、200μm程度のマクロな領域で見たフォトルミネッセンス(PL)スペクトルの半値幅は、組成分離による結晶内不均一を反映して非常に大きく、良い結晶でも150meVである。
このことは、従来の閃亜鉛鉱型結晶構造の半導体では薄膜化すれば大きくなるはずのPLスペクトルの半値幅がInGaN混晶では逆に小さくなり、この現象が、極低温に冷却しても半値幅の変化は殆どないという、従来の材料とは全く異なる性質の原因である。
これらのInGaNにおける特徴は、サファイア基板、SiC基板、或いは、スピネル基板等の成長基板として用いる基板の種類に依存せず、また、減圧MOVPE法(減圧有機金属気相成長法)、常圧MOVPE法、或いは、MBE法(分子線エピタキシャル成長法)等の成長方法にも依存せず、さらに、六方晶或いは立方晶等の結晶構造にも依存せずに出現するものであり、この様な本質的な特徴は、ある程度許容すべき、避けられない特殊性であると考えられる。
この様に、従来のInGaNを活性層とする短波長半導体レーザや発光ダイオード(LED)においては、この様な結晶内組成不均一性をそのままにして開発が進められており、LEDでは実際にこの大きな組成不均一性を持ったまま製品化が行われているものと考えられる。
また、短波長半導体レーザにおいても、上述の様にレーザ発振には成功しているものの、これまでは適当な評価手段がなかったため、実際の短波長半導体レーザにおいて、レーザ共振器全体でどの程度の組成不均一が生じているのかは分からず、且つ、この様な組成不均一がデバイス特性にどの様な影響を及ぼすかは知られておらず、したがって、レーザ発振に必要な結晶品質がどの程度のものであり、且つ、この様な品質の結晶をどの様な条件で成長した場合に再現性良く得られるかは全く未知であった。
そこで、本発明者等は、最近、短波長半導体レーザの活性層となるInGaN混晶について、1μmという微小スポット径でフォトルミネッセンス(PL)測定を行うことにより、InGaN混晶中の組成不均一の程度を定量的に評価する手法を開発した。
この様な評価を行った結果、InGaNMQW(多重量子井戸)活性層のPLピーク波長が、結晶内で非常に大きな分布を有することが判明したので、図21及び図22を参照して説明する。
なお、この測定を行った従来の短波長半導体レーザの詳細については未発表である。
図21(a)参照
図21(a)は、レーザ発振しなかった素子において、10000μm2 の領域内でPLスペクトルを2μmおきに2500点測定した場合の、各測定点におけるPLピーク波長とPL光強度の相関を示すものであり、396nm(≒3.131eV)から416nm(≒2.980eV)の範囲に渡って、PLピーク波長、PL光強度ともに大きく分布し、PLピーク波長分布範囲は151meV、即ち、約150meVであった。
因に、光通信用半導体レーザとして用いられているInGaAs系の活性層について同様の評価を行った結果、PLピーク波長分布が5meV程度の分布、即ち、InGaN混晶の1/30程度の分布しか持っていなかったことが判明し、この結果からもInGaN系が非常に特殊な材料系であり、従来の常識が通用しないことが分かる。
このInGaN系半導体レーザにおいては、物性上の理由からしきい値電流密度Jthが本質的に高い上、この様な活性層の組成不均一の大きさはレーザ発振を達成する上で致命的な欠点となるものであり、上述の評価からは、PLピーク波長分布が150meV以上の場合にはレーザ発振しないという結果が得られている。
図21(b)参照
図21(b)は、レーザ発振した素子において、10000μm2 の領域内でPLスペクトルを2μmおきに2500点測定した場合の、各測定点におけるPLピーク波長とPL光強度の相関を示すものであり、PLピーク波長分布範囲は400nm(≒3.100eV)から412nm(≒3.009eV)の範囲に渡って、91meV、即ち、約90meVであり、且つ、PL光強度分布も小さいものであった。
図22(a)参照
図22(a)は、上記の様なPLピーク波長分布を有するInGaN系半導体レーザの電流−光出力特性(I−L特性)を示す図であり、414.3nmの波長において、室温パルス発振が達成されたが、電流を増大するにつれて明確にキンクが現れている。
なお、PL波長とレーザ発振波長とは互いに若干異なるものである。
図22(b)参照
図22(b)は、図22(a)と同じInGaN系半導体レーザに、しきい値電流密度Jthの1.1倍、1.2倍、或いは、1.3倍の電流を流した場合の発振波長を表すもので、電流が多くなるにしたがって多波長発振が起こっており、この多波長発振が図22(a)におけるI−L特性におけるキンクの原因となっていることが分かる。
従来、InGaN系半導体レーザにおいては、発振波長が多波長であったり、或いは、注入電流によって大きく変化することが知られており、これは、活性層内における量子ドット(量子箱)化が反映しているものと考えられていた。
即ち、従来においては、多波長発振が量子効果に起因すると考えられており(必要ならば、Japanese Journal of Applied Physics,vol.35,1996,p.217参照)、実際に、InGaN層中に量子ドットが存在することが報告(必要ならば、Applied Physics Letters,vol.70,1997,p.981参照)されている。
しかし、本発明者の研究の結果、上述の様に活性層内における組成不均一性に起因するPLピーク波長の空間的分布が多波長発振の原因であると考えられるに至ったので、この事情を図23を参照して説明する。
図23参照
図23の棒グラフは、図21(b)に示した測定結果におけるPLピーク波長のヒストグラムであり、一方、折れ線グラフは図12に示したように実際にレーザ発振した半導体レーザについて光励起による発振スペクトルの強度分布を示したもので、両者を重ね合わせると、非常に良い一致が得られ、このことから、多波長発振はPLピーク波長分布、即ち、活性層内の組成不均一が原因であると考えられる。
そして、この様な多波長発振は、しきい値電流密度Jthを増加させるばかりか、I−L特性におけるキンク、近視野像及び遠視野像の劣化等の光学特性の劣化にもつながるため、光学装置用光源としてもInGaN系半導体レーザにおいては、活性層の組成分布を抑制することが重要になる。
この様に、本発明者等の実験の結果、レーザ発振のためには150meV以下のPLピーク波長分布、即ち、In組成比において±0.03の分布範囲内になるように設定することが必要であることが判明し、また、多波長発振を抑制するためには、PLピーク波長分布を90meV以下に、即ち、In組成比において±0.018以下にすることが必要であることが判明し、好適には50meV以下、さらに、より好適には、20meV以下にすることが望ましい。
さらに、上記の図9(b)の短波長半導体発光素子は本質的に発光ダイオードであるため、不純物濃度或いは層厚についての記載はあるものの、半導体レーザにした場合には、どの様な条件で効率の良い、低しきい値電流密度でのレーザ発振が生ずるかについては何ら示唆するところがないものである。
したがって、本発明は、ナイトライド系化合物半導体を用いた短波長半導体レーザのしきい値電流密度を低減することを目的とする。
ここで、課題を解決するための手段を説明するが、図1は本発明の原理的構成の説明図である。
図1参照
(1)本発明は、本発明は、ナイトライド系化合物半導体を用いた半導体レーザの製造方法において、活性層とp側の光ガイド層との間に設け且つ前記p側の光ガイド層よりバンドギャップの広いエレクトロンブロック層の成長温度を600℃〜900℃としてMg濃度が7×10 19 cm -3 以上になるようにMgをドープして成長することを特徴とする。
この様に、活性層のp側に設けるエレクトロンブロック層のMg濃度を7×1019cm-3以上とすることによって、発光スペクトルの評価から、キャリアのオーバーフローを効果的に抑制することができる。特に、エレクトロンブロック層の成長温度を、従来の成長温度である1100℃近傍より低い、活性層の成長温度と同様の600℃〜900℃とすることによって、活性層における発光強度を高め、且つ、p型光ガイド層における発光を低減することができる。
この理由は必ずしも明らかではないが、エレクトロンブロック層の価電子帯側に深い不純物準位が高密度に形成され、この不純物準位を介した不純物伝導(impurity conduction、或いは、hopping conduction)或いはトンネル伝導によってホールが活性層に注入されるので、ホールの注入効率が改善されるためと考えられる。
)また、本発明は、前記(1)において、エレクトロンブロック層の成長温度を活性層の成長温度と同じにしたことを特徴とする。
本発明によれば、ナイトライド系化合物半導体からなる半導体レーザに挿入するp型エレクトロンブロック層を、Mg濃度が7×1019cm-3以上の高濃度層によって構成しているので、電子をオーバーフローを殆ど完全に抑制することができ、それによってしきい値電流密度Jthが低減されて低消費電力化が可能になり、光情報記録装置等の光源としてその高密度化に寄与するところが大きい。
本発明は、ナイトライド系化合物半導体を用いた半導体レーザの活性層のp側に設けるエレクトロンブロック層を設ける際に、その成長温度を600℃〜900℃としてMg濃度を7×1019cm-3以上としたものである。
ここで、図2乃至図8を参照して、エレクトロンブロック層の不純物濃度を7×1019cm-3以上とすると共に、エレクトロンブロック層の成長温度を600℃〜900℃とすることによって、電子のオーバーフローを防止し、それによって、しきい値電流密度を低減させる、本発明の実施例1を説明する。
まず、図2を参照して、本発明の実施例1の短波長半導体レーザの製造工程を説明する。
図2参照
まず、改良レイリー法によりバルク成長させた、(0001)面、即ち、c面を主面とする六方晶の6H−SiCからなるキャリア濃度が4×1018cm-3のn型SiC基板711上に、TMGa、TMAl、アンモニア、ドーパント源としてSiH4 、及び、キャリアガスとしての水素を成長ガスとして用いたMOVPE法によって、成長圧力を70〜760Torr、例えば、100Torrとし、成長温度を800〜1200℃、例えば、1100℃とした状態で、厚さ50nm〜5μm、例えば、350nmで、不純物濃度が不純物濃度が5×1017〜1×1019cm-3、例えば、8×1018cm-3のn型Al0.09Ga0.91Nバッファ層712を成長させる。
引き続いて、TMAl、TMGa、アンモニア、ドーパントとしてSiH4 、及び、キャリアガスとしての水素を用いて、成長圧力を70〜760Torr、例えば、100Torrとし、成長温度を800〜1200℃、例えば、1100℃とした状態で、厚さ0.1〜2.0μm、例えば、0.55μmで、不純物濃度が1.0×1017〜1.0×1020cm-3、例えば、2.0×1018cm-3のn型Al0.09Ga0.91Nクラッド層713を成長させる。
引き続いて、TMGa、アンモニア、ドーパントとしてSiH4 、及び、キャリアガスとしての水素を用いて、成長圧力を70〜760Torr、例えば、100Torrとし、成長温度を800〜1200℃、例えば、1100℃とした状態で、厚さ10〜300nm、例えば、100nmで、不純物濃度が5×1017〜1×1019cm-3、例えば、2×1018cm-3のn型GaN光ガイド層714を成長させる。
引き続いて、TMGa、TMIn、アンモニア、及び、キャリアガスとしてのN2 を用いて、成長圧力を70〜760Torr、例えば、100Torrとし、成長温度を600〜900℃、例えば、780℃とした状態で、厚さ1nm〜10nm、例えば、5nmのアンドープIn0.03Ga0.97Nバリア層で分離された厚さ3〜10nm、例えば、4nmのアンドープIn0.15Ga0.85Nウエル層を2〜10層、例えば、3層成長させてMQW活性層715を形成する。
引き続いて、TMAl、TMGa、アンモニア、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、及び、キャリアガスとしてのN2 を用いて、成長圧力を70〜760Torr、例えば、100Torrとし、成長温度を600〜900℃、例えば、780℃とした状態で、厚さ5〜30nm、例えば、20nmで、不純物濃度が7×1019cm-3以上、例えば、1×1020cm-3のp+ 型Al0.18Ga0.82Nエレクトロンブロック層716を成長させる。
引き続いて、TMGa、アンモニア、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、及び、キャリアガスとしてのN2 を用いて、成長圧力を70〜760Torr、例えば、100Torrとし、成長温度を800〜1200℃、例えば、1100℃とした状態で、厚さ10〜300nm、例えば、100nmで、不純物濃度が1.0×1017〜1.0×1020cm-3、例えば、1.5×1019cm-3のp型GaN光ガイド層717を成長させる。
引き続いて、TMAl、TMGa、アンモニア、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、及び、キャリアガスとしてのN2 を用いて、成長圧力を70〜760Torr、例えば、100Torrとし、成長温度を800〜1200℃、例えば、1100℃とした状態で、厚さ0.1〜2.0μm、例えば、0.55μmで、不純物濃度が1.0×1017〜1.0×1020cm-3、例えば、1.5×1019cm-3のp型Al0.09Ga0.91Nクラッド層718を成長させる。
引き続いて、TMGa、アンモニア、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、及び、キャリアガスとしてのN2 を用いて、成長圧力を70〜760Torr、例えば、100Torrとし、成長温度を800〜1200℃、例えば、1100℃とした状態で、厚さ0.1〜2.0μm、例えば、0.1μmで、不純物濃度が1.0×1017〜1.0×1020cm-3、例えば、1.5×1019cm-3のp型GaN第1コンタクト層719を成長させ、引き続いて、p型GaN第1コンタクト層719と同じ条件で、不純物濃度が5.0×1019〜5.0×1020cm-3、例えば、1.5×1020cm-3で、厚さが5〜50nm、例えば、20nmのp+ 型GaN第2コンタクト層720を成長させる。
なお、この場合の成長速度は、n型層712〜714については、2μm/hrとし、MQW活性層715については、0.3μm/hrとし、p+ 型Al0.18Ga0.82Nエレクトロンブロック層716については、0.9μm/hrとし、また、p型層717〜720については、2.6μm/hrとする。
次いで、n型SiC基板711の裏面を研磨して、全体の厚さが100μm程度まで薄くしたのち、ドライ・エッチングによりp+ 型GaN第2コンタクト層720乃至p型Al0.09Ga0.91Nクラッド層718をメサエッチングして、例えば、幅が4μmで高さが0.5μmのストライプ状メサを形成する。
次いで、n型SiC基板711の裏面にはNi/Ti/Auからなるn側電極722を設けると共に、p+ 型GaN第2コンタクト層720上には、例えば、幅が2μmのストライプ状開口を有するSiO2 膜721を介してNi/Ti/Auからなるp側電極723を設け、共振器長Lが700μmとなるように素子分割することによってMQW半導体レーザが完成する。
なお、ストライプの方向は〈1−100〉方向とし、劈開面は(1−100)面とする。
図3参照
図3は上記の本発明の実施例1のMQW半導体レーザの電流−光出力特性を測定した結果の内、最もしきい値電流の小さかった素子の電流−光出力特性を示すものであり、図から明らかなように、しきい値電流の最小値は380mAであった。
また、図示しないものの、今回測定した内での最大値は600mAで、平均は500mAであり、それ以前のしきい値電流である650〜1600mA、平均値900mAに比較して大幅にしきい値電流が低減している。
この様な、p+ 型エレクトロンブロック層を用いた効果を確認するために、上記の半導体レーザと同様の結晶成長工程で表面発光型LEDを作製して発光スペクトルを測定したので、その結果を図4及び図6を参照して説明する。
図4(a)及び(b)参照
図4(b)は、測定のために作製した表面発光型LEDの概略的断面図であり、また、図4(a)は上面図であり、(0001)面、即ち、c面を主面とする六方晶の6H−SiCからなるキャリア濃度が4×1018cm-3のn型SiC基板731上に、厚さが0.35μmで、不純物濃度が不純物濃度が8×1018cm-3のn型Al0.09Ga0.91Nバッファ層732、厚さが0.55μmで、不純物濃度が2.0×1018cm-3のn型Al0.09Ga0.91Nクラッド層733、厚さ100nmで、不純物濃度が2×1018cm-3のn型GaN光ガイド層734、厚さが5nmのアンドープIn0.03Ga0.97Nバリア層で分離された厚さ4nmのアンドープIn0.15Ga0.85Nウエル層を3層成長させたMQW活性層735、厚さが20nmのp型Al0.18Ga0.82Nエレクトロンブロック層736、厚さが100nmで、不純物濃度が5.0×1019cm-3のp型GaN光ガイド層737、厚さが0.2μmで、不純物濃度が5.0×1019cm-3のp型Al0.09Ga0.91Nクラッド層738、厚さが0.1μmで、不純物濃度が5.0×1019cm-3のp型GaN第1コンタクト層739、厚さが20nmで、不純物濃度が1.5×1020cm-3のp+ 型GaN第2コンタクト層740を順次堆積させる。
次いで、n型SiC基板731の裏面にはNi/Ti/Auからなるn側電極741を設けるとともに、p+ 型GaN第2コンタクト層740の表面には略正方形の開口部を有するSiO2 膜742を介してNi/Auからなる半透明電極743を設け、その周囲にNi/Auからなるボンディングパッド744を設けることによってp側電極を形成する。
なお、半透明電極743を介して見えているp+ 型GaN第2コンタクト層740の寸法は37μm角であり、また、素子寸法は300μm角である。
この様な、表面発光型LEDを、p型Al0.18Ga0.82Nエレクトロンブロック層736のMg濃度を0〜2×1020cm-3の範囲で変化させるとともに、p型Al0.18Ga0.82Nエレクトロンブロック層736の成長温度を780℃及び1100℃の2つの温度にして結晶成長を行った。
ついで、この表面発光型LEDに、室温において、幅100μsで、周波数が1kHzのパルス電流を順方向に100mA通電し、半透明電極743から放射される光をレンズで集光したのち、グレーティングを通して分光し、光電子増倍管により検出することによって測定を行った。
図5参照
図5は、表面発光型LEDとして、従来の条件であるエレクトロンブロック層のMg濃度が5×1019cm-3で、成長温度が1100℃の試料と、新条件であるエレクトロンブロック層のMg濃度が1×1020cm-3で、成長温度が780℃の試料との測定結果を比較したものである。
図から明らかなように、新条件において、InGaNからなるMQW活性層735の発光中心波長である400nm近傍の発光強度が格段に強くなっており、強度比にして約10倍になっている。
また、従来条件のLEDにおいては、波長363nmをピークにしたp型GaN光ガイド層737の発光が存在するが、新条件のLEDにおいては、この波長帯の発光がほとんど見られず、このことから、p型GaN光ガイド層737へオーバーフローする電子が無くなったものと考えられる。
図6(a)参照
図6(a)は、InGaNからなるMQW活性層735における発光強度のMg濃度依存性を表す図であり、図から明らかなように、7×1019cm-3近傍を境にして発光強度が急激に増加し、従来条件の場合と比較すると3桁程度増加する。
また、同じMg濃度の場合には、成長温度を780℃とした新条件の場合に、2桁程度以上の発光強度の増加が見られる。
図6(b)参照
図6(b)は、p型GaN光ガイド層737における発光強度のMg濃度依存性を表す図であり、図から明らかなように、5×1019cm-3近傍を境にして発光強度が減少するが、成長温度を780℃とした新条件の場合には、Mg濃度を7×1019cm-3以上とした場合に、発光がほとんど観測されなかった。
以上の図5及び図6の測定結果から、本発明の実施例1の様に、p+ 型Al0.18Ga0.82Nエレクトロンブロック層716のMg濃度を7×1019cm-3以上、より好適には、1×1020cm-3以上にすることによって電子のオーバーフローを防止することができ、MQW活性層715において効率良く再結合が行われるので、しきい値電流密度Jthの低減が可能になる。
特に、p+ 型Al0.18Ga0.82Nエレクトロンブロック層716の結晶成長温度をMQW活性層715と同じ範囲の600℃〜900℃、例えば、780℃とした場合に、効果が顕著になる。
なお、下限の600℃はInGaNの単結晶成長が可能な温度の下限であり、また、上限の900℃はInGaNの成長温度の実質的な上限である。
この様に、p+ 型Al0.18Ga0.82Nエレクトロンブロック層716のMg濃度を7×1019cm-3以上にすることにより、電子のオーバーフローがほぼ完全に抑制される理由は不明であるが、1.0×1020cm-3はMgが活性化する濃度限界以上の高不純物濃度であるので、p+ 型Al0.18Ga0.82Nエレクトロンブロック層716の価電子帯側の禁制帯に高密度の不純物準位が形成され、この不純物準位がホールの注入効率の改善に役立ち、その結果、電子のオーバーフローが抑制されるとも考えられるので、この事情を図7を参照して説明する。
図7参照
図7はMQW活性層715近傍のバンドダイヤグラムであり、p型GaN光ガイド層717におけるホールは、不純物準位724によるトンネル伝導或いは不純物準位724を介した不純物伝導によってMQW活性層715に注入されるので、ホールの注入効率が改善され、その結果、従来においてはp型GaN光ガイド層717に滞留したホールの電界により引き寄せられていた電子が引き寄せられなくなるので、電子のオーバーフローが抑制されるのではないかと考えられ、それによって、しきい値電流密度Jth低くすることが可能になる。
図7及び図20(a)参照
また、このMQW半導体レーザを駆動する場合、p型GaN光ガイド層717の価電子帯のバンド端が不純物準位724に達する程度に印加電圧Vをすれば良く、図7と図20(a)との対比から明らかなように、従来のMQW半導体レーザに比べて駆動電圧を低くすることが可能になる。
次に、図8を参照して、従来の短波長半導体レーザのp型エレクトロンブロック層、即ち、p型オーバーフロー防止層におけるMg濃度が5×1019cm-3以下であった理由について検討する。
図8(a)参照
図8(a)は、p型GaN層におけるp型キャリア濃度、即ち、ホール濃度のMg濃度依存性を調べた図であり、Mg濃度が低い場合、p型キャリア濃度はMg濃度と共に増加するが、Mg濃度が約5×1019cm-3の時に最大になり、それ以上のMg濃度では逆に低下する。
この様なp型GaN層におけるp型キャリア濃度のMg濃度依存性は、p型AlGaN層についても成立するものであり、したがって、p+ 型Al0.18Ga0.82Nエレクトロンブロック層716においても、5×1019cm-3を境としてp型キャリア濃度が低下すると考えられる。
この様に、あるドーパント濃度を境として、それ以上のドーパント濃度でキャリア濃度が飽和或いは低下する現象は、他の化合物半導体においても一般的に見られる現象であり、従来の短波長半導体レーザにおいて、p型エレクトロンブロック層のMg濃度として5×1019cm-3という値が用いられているのは、上述の事情によるものと推測される。
したがって、本発明の実施例1の様に、p型エレクトロンブロック層のMg濃度を7×1019cm-3以上とすることは、p型キャリア濃度を増加させる手段としては全く有効ではなく、かえって不利であるので、Mgの濃度を7×1019cm-3以上とすることによって電子のオーバーフローが抑制されるという本発明者による新たな知見なしには採用し得ない構成である。
また、キャリア濃度が飽和するような高ドーピング濃度領域においては、過剰ドーピングによる結晶性の低下という現象が見られることが一般的であり、結晶性の低下に伴ってキャリアの移動度も低下するので、他に特段の事情がない限り過剰ドーピングは採用されない手法であり、この点からも、p型エレクトロンブロック層のMg濃度を7×1019cm-3以上にすることは予測し得ないものである。
図8(b)参照
図8(b)は、MOVPE法で成長させたp型GaN層におけるp型キャリア濃度の成長温度依存性を調べた図であり、成長温度の上昇と共にp型キャリア濃度が増加する。 即ち、成長温度を低くするとp型キャリア濃度は増加せず、逆に低下することが分かる。
この様なp型GaN層におけるp型キャリア濃度の成長温度依存性は、p型AlGaN層についても成立するものであり、したがって、p型エレクトロンブロック層の成長温度を、本発明のように600℃〜900℃とすることは、600℃〜900℃、より好適には730〜830℃、例えば、780℃とすることによって電子のオーバーフローが抑制されるという本発明者による新たな知見なしには採用し得ない構成である。
また、GaN層或いはAlGaN層の成長温度を900℃以下と低くすると、表面モホロジーが著しく悪化するため、通常は、p型GaN層或いはp型AlGaN層の結晶成長温度として900℃〜1200℃の範囲、例えば、1100℃の高い温度を採用しており、この点からも、p型エレクトロンブロック層の結晶成長温度を600℃〜900℃にすることは予測し得ないものである。
以上、本発明の実施例1を説明してきたが、本発明は実施例に記載した構成に限られるものではなく、各種の変更が可能であり、例えば、p型エレクトロンブロック層をAl0.18Ga0.82Nで構成しているが、この様な組成比に限られるものでなく、他の組成比のAlGaNでも良く、さらには、活性層及びp型クラッド層の組成に応じてAlx Gay In1-x-y N(0<x<1、0<y<1)の範囲内で変えても良いものである。
また、上記の実施例1の説明においては、活性層としてウエル層が3層のMQW活性層を用いているが、他の構成のMQW活性層、例えば、厚さ5nmの6層のIn0.03Ga0.97Nバリア層によって、厚さ2.5nmの5層のIn0.15Ga0.85Nウエル層を交互に挟んだMQW活性層等を用いても良く、さらには、SQW活性層を用いても良いものである。
また、上記の実施例1の説明においては、p側光ガイド層をp型層で、また、n側光ガイド層をn型層で構成しているが、少なくとも一方をアンドープ層で構成しても良いものである。
本発明の原理的構成の説明図である。 本発明の実施例1のMQW半導体レーザの説明図である。 本発明の実施例1のMQW半導体レーザの電流−光出力特性の説明図である。 本発明の実施例1における効果を確認するために作製した表面発光型LEDの説明図である。 表面発光型LEDの発光スペクトル強度の構成条件依存性の説明図である。 表面発光型LEDにおける発光強度のMg濃度依存性の説明図である。 本発明の実施例1のMQW半導体レーザのMQW活性層近傍のバンドダイヤグラムである。 p型GaN層におけるp型キャリア濃度の構成条件依存性の説明図である。 従来の短波長半導体発光素子の説明図である。 従来の短波長半導体レーザの説明図である。 従来のMQW半導体レーザの発振時のバンドダイヤグラムである。 従来のMQW構造短波長半導体レーザにおけるホール電流の層位置依存性の説明図である。 従来のMQW半導体レーザの発振時のホール密度分布の説明図である。 従来のMQW半導体レーザの発振時の電子密度分布の説明図である。 従来のMQW短波長半導体レーザにおける光学利得と放射光強度分布の説明図である。 従来のMQW半導体レーザの光出力−電流特性の説明図である。 量子井戸構造活性層の発光効率のInx Ga1-x Nバリア層のIn組成比x依存性の説明図である。 オーバーフロー電流のクラッド層組成依存性の説明図である。 オーバーフロー電流の素子温度依存性の説明図である。 従来の短波長半導体レーザのバンドダイヤグラムの説明図である。 従来の短波長半導体レーザのPLピーク波長分布の説明図である。 従来の短波長半導体レーザにおける光出力特性の説明図である。 従来の短波長半導体レーザにおけるPLピーク波長のヒストグラムと光強度の相関の説明図である。
符号の説明
711 n型SiC基板
712 n型Al0.09Ga0.91Nバッファ層
713 n型Al0.09Ga0.91Nクラッド層
714 アンドープGaN光ガイド層
715 MQW活性層
716 p+ 型Al0.18Ga0.82Nエレクトロンブロック層
717 p型GaN光ガイド層
718 p型Al0.09Ga0.91Nクラッド層
719 p型GaN第1コンタクト層
720 p+ 型GaN第2コンタクト層
721 SiO2
722 n側電極
723 p側電極
724 不純物準位
731 n型SiC基板
732 n型Al0.09Ga0.91Nバッファ層
733 n型Al0.09Ga0.91Nクラッド層
734 n型GaN光ガイド層
735 MQW活性層
736 p型Al0.18Ga0.82Nエレクトロンブロック層
737 p型GaN光ガイド層
738 p型Al0.09Ga0.91Nクラッド層
739 p型GaN第1コンタクト層
740 p+ 型GaN第2コンタクト層
741 n側電極
742 SiO2
743 半透明電極
744 ボンディングパッド
811 サファイア基板
812 GaNバッファ層
813 n型GaNバッファ層
814 n型In0.1 Ga0.9 N層
815 n型Al0.15Ga0.85Nクラッド層
816 n型GaN光ガイド層
817 InGaNMQW活性層
818 p型Al0.2 Ga0.8 N層
819 p型GaN光ガイド層
820 p型Al0.15Ga0.85Nクラッド層
821 p型GaNコンタクト層
822 n側電極
823 p側電極
824 n型GaN層
825 In0.15Ga0.85N活性層
826 p型GaN層
831 サファイア基板
832 GaNバッファ層
833 n型GaN中間層
834 n型Al0.09Ga0.91Nクラッド層
835 n型GaN光ガイド層
836 MQW活性層
837 p型Al0.18Ga0.82Nオーバーフロー防止層
838 p型GaN光ガイド層
839 p型Al0.09Ga0.91Nクラッド層
840 p型GaNコンタクト層
841 n側電極
842 SiO2
843 p側電極
844 電圧印加時の価電子帯のバンド端
845 ノッチ
846 ノッチ

Claims (2)

  1. ナイトライド系化合物半導体を用いた半導体レーザの製造方法において、活性層とp側の光ガイド層との間に設け且つ前記p側の光ガイド層よりバンドギャップの広いエレクトロンブロック層の成長温度を600℃〜900℃としてMg濃度が7×10 19 cm -3 以上になるようにMgをドープして成長することを特徴とする半導体レーザの製造方法。
  2. 前記エレクトロンブロック層の成長温度を活性層の成長温度と同じにしたことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザの製造方法。
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