JP4787153B2 - 癌の再発のしやすさの試験方法及び抗癌剤に対する感受性の試験方法 - Google Patents

癌の再発のしやすさの試験方法及び抗癌剤に対する感受性の試験方法 Download PDF

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Description

本発明は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK1)およびサイクリン依存性キナーゼ2(CDK)の比活性に基づいて、癌の再発のしやすさを試験する方法、並びに、CDK1およびCDK2の比活性に基づいて、抗癌剤に対する感受性を試験する方法に関する。
現在、臨床で行われている癌診断としては、血清中の腫瘍マーカーを調べる血清診断、生検(バイオプシイ)による組織診、細胞診がある。
腫瘍マーカーとは、個体の発生、成熟の過程で発現されなくなった遺伝子が腫瘍細胞において発現したことによるタンパク、糖タンパク、脂質等の物質であり、血清診断は、腫瘍マーカーを検出することにより腫瘍の病期、悪性度を判定している。しかしながら、現在用いられている腫瘍マーカーの多くは、癌特異性がそれ程高くない。また、早期癌では発現量が微量であることから診断感度が低い。このような理由から、腫瘍マーカーによる癌診断の信頼性は、医療現場ではそれ程、高くないのが現状である。
一方、組織診、細胞診は、病理医及びセルスクリーナーが、採取された生体組織切片、細胞を染色後、顕微鏡観察し、その形態、染色の様子から、自らの経験に基づいて判定する診断方法である。しかし、染色方法が医療機関により区々であり、また最終的判定は観察者個々人が自らの経験に基づくことから、中分化型、ステージ1といった微妙な段階では、確定診断が難しく、治療の選択を誤って、重篤な癌の進行を招く例も珍しくない。
このような状況に鑑み、診断方法を画一化する方法として、TNM分類が考案され、世界的に流用されつつある。癌のTNM分類は、国際対癌連合(UICC)が採用する悪性腫瘍の進展度を表す方法で、「T」は原発腫瘍の大きさ、Nはリンパ転移のレベル、Mは遠隔転移を示している。そして、Tについて、進展度を1(腫瘍が組織内に限局している程度)〜4(組織外への腫瘍形成があらわれる程度)に分類し、Nについて、進展度を、0(局所リンパ節転移認められない)〜3(リンパ節転移を組織学的に認められる)に分類し、Mについて進展度を、0(遠隔転移なし)〜1(遠隔転移)に分類している。T、M、Nのいずれにおいても数値が大きい程、予後が低く、悪性度が高い癌である。
このようなTMN分類は治療法の決定や予後判定に有用であるとして、一般に使用されているが、TNM分類により早期癌であると判断された患者においても、乳癌の場合、約10〜20%の患者が5年以内に遠隔転移による再発を起こし、死亡するのが現状であり、臨床上の大きな問題点となっている。また、TMN分類に基づく判定は、診断時での病態を把握することはできても、予後を正確に予測するまにでは至っていない。
上記診断方法の他に、癌組織では、3倍体、4倍体といった倍数体の細胞が多く存在することに着目して、蛍光標示式細胞ソーター(FACS)を用いてDNA含量を測定し、その測定結果から癌の悪性度を診断する方法がある。しかしながら、採取した組織をFACSにかけるためには、単細胞にばらばらにする必要があるが、生検試料を単細胞の集団にすることは、一般に容易でなく、熟練した技術を要する。このような理由から、FACSを用いた癌診断の医療現場での実用化は、現在のところ難しいと考えられている。
以上のような実情から、単細胞化という面倒な試料調製を要求しない方法で、且つ臨床現場において、個々人の判断や医療機関の判定方法の差によるばらつきが少なく、確定診断に至ることができる診断方法の確立が望まれている。
近年、診断医によるバラツキが少ない癌の画一的診断方法として、装置を用いた分子診断が期待されている。
分子診断としては、DNAチップを用いて、遺伝子転写物の発現について、標準との比較結果から、癌の悪性度を判定する方法がある。しかしながら、単なる転写物の発現は、生体内で発現されるタンパク質発現との相関性がそれ程高くないことから、臨床現場では、その有効性が疑問視されている。
一方、生体で発現されるタンパク質に基づく分子診断の開発検討も進められている。
例えば、特許文献1に、試料のCDK1及びCDK4の発現量、さらには必要に応じてp53の突然変異状態を指標とする診断方法が提案されている。また、特許文献2では、CDK4、CDK6、サイクリン依存性キナーゼインヒビター(CDKインヒビター)の過剰発現を指標とする癌及び前癌状態の診断方法が提案されている。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の発現は、増殖因子によって増殖が誘導される細胞において高いことが知られているものの、一般には細胞内で一定量存在していて、リン酸化等の活性化をうけ、サイクリン分子と結合してCDKとサイクリンの複合体となることにより、CDKの種類に応じた細胞周期の特定段階で活性を示している。また、CDKインヒビターがCDK及び/又はサイクリン・CDK複合体に結合して、CDK活性を阻害することも知られている。このように、実際の細胞周期の調節は複雑であることから、単なるCDK、サイクリン、CDKインヒビターの発現量に基づく判定では、細胞周期の調節状態の指標としては不十分である。
特許文献3では、サイクリンとの結合、阻害因子の影響を考慮し、CDKの活性を癌の悪性度の指標とする診断方法、及び放射性物質を用いずにCDK活性を測定する方法が開示されている。しかしながら、当該方法で測定される活性に関するデータでは、現在、臨床現場で行われている癌診断の代用となる程の診断精度が得られていない。
また、抗癌剤治療の有効性の指標として、腫瘍細胞の抗癌剤感受性をインビトロで知りたい場合がある。インビトロでの腫瘍細胞の抗癌剤等の薬剤感受性試験としては、例えば、MTTアッセイ法とDISC法が知られている。MTTアッセイ法とは、MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)が生細胞に取り込まれたときはミトコンドリア内に存在する還元酵素(コハク酸デヒドロゲナーゼ)により開裂できるが、死細胞ではMTTを開裂できないことを利用したもので、MTT及び測定対象となる薬剤添加のもとに、3時間癌細胞を培養し、吸光度(コハク酸デヒドロゲナーゼ活性)を測定して、生細胞数を定量化する方法である。この方法では、実際の抗癌剤治療による再発の有無と照合した場合、正答率(正確度)は80%と報告されており、そのうちインビトロでの判定が抗癌剤感受性(陽性予測)で、実際の抗癌剤治療で再発しなかったもの(陽性予測率)の正答は68%であったと報告されている(非特許文献1)。
DISC法は、癌細胞を4日間、抗癌剤に接触させた後、死細胞をfast greenで染色し、生細胞をヘマトキシリンエオジンで染色することにより識別し、癌細胞の生死を判定する方法である。正答率(正確度)は82.7%であり、陽性予測率の正答は62.5%であると報告されている(非特許文献1)。
上記いずれの方法も、陽性予測率については70%未満であり、抗癌剤治療に踏み切るか否かの判断指標としては不十分である。
特表2002−504683号 特表2002−519681号 特開2002−335997号 Weisenthal,L.M.and Nygren.P(2002)Current status of cell culture drug resistance testing(CCDRT)、http://weisenthal.org/oncol_t.htm
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、臨床における癌の再発のしやすさの試験を行なうものであり、さらには医療機関や個々人による診断のばらつきをなくし、正確かつ安定に判定し得る癌の再発のしやすさを試験する方法を提供することにある。
さらに、抗癌剤に対する感受性の試験について、抗癌剤治療などの薬剤治療に踏み切るか否かの判断指標として利用できるように、従来の薬剤感受性試験よりも精度の高い抗癌剤に対する感受性を試験する方法を提供する。
本発明の方法は、癌患者から採取した腫瘍組織の細胞のCDK1の活性値と発現量との比(CDK1比活性)及びCDK2の活性値と発現量との比(CDK2比活性)の比を、所定の閾値と比較することにより、癌の再発のしやすさを試験する方法である。
本発明の方法は、癌患者から採取した腫瘍組織の細胞のCDK1の活性値と発現量との比(CDK1比活性)及びCDK2の活性値と発現量との比(CDK2比活性)の比を、所定の閾値と比較することにより、前記細胞の抗癌剤に対する感受性を試験する方法である。
尚、本明細書にいうCDKプロファイルとは、ある細胞が有する少なくとも1種類のCDKの活性値と発現量との比(例えば比活性)及び/又は複数のCDKの活性値、発現量より計算される数値(例えば、第1CDKの活性値と発現量との比(A1)と、第2CDKの活性値と発現量との比(A2)との比(例えば、A1/A2又はA2/A1)など)を含む情報のことである。
また、本明細書にいうサイクリン依存性キナーゼ(CDK)の比活性とは、所定量の酵素あたりの酵素活性をいい、下記式で求められる値である。
CDK比活性=CDK活性値/CDK発現量
式中、CDK活性値とは、リン酸化された基質量に基づく単位で、実際の細胞含有試料の測定値と標準品の活性値から求められる値(相対活性値)である。また、CDK発現量とは、実際の細胞含有試料に存在しているCDKの量(分子個数単位)をいう。
さらに、本発明にいう転移しやすさとは、癌細胞が原発巣から遠隔組織に移動し、転移巣を構築する確率の高さをいう。確率の高い癌細胞の生物学的特徴(転移のしやすさ)は浸潤能、移動能で示されることが知られている。
再発しやすさとは、ある分類(例えばステージ分類)に従って分類された癌患者群の再発の頻度をいう。例えば、ステージIIIは、再発率50%であり、ステージII(再発率20%)に比して再発しやすい。
予後の悪さとは、ある分類(例えばステージ分類)に従って分類された癌患者群の5年もしくは10年以内の死亡の頻度をいう。例えば、ステージIIIは、死亡率50%であり、ステージII(死亡率20%)に比較して死亡しやすく、予後が悪いとされる。
本発明の哺乳動物細胞の性質の判定方法は、比活性を指標とすることにより、測定試料の調製方法による誤差、バラツキを回避できる。また、本発明において判定指標として用いられる、2種のCDKの比活性を参酌したCDK比活性プロファイル、特に2種のCDKの比活性の比は、細胞周期に存在する細胞存在割合、異数媒体性などの癌をはじめとする性質と相関性が高いので、信頼性の高い分子診断が可能となる。さらに、細胞周期に基づく指標を用いていることから、現在の細胞の生物学的性格、性状だけでなく、臨床的性格の判定(代表的には悪性度)、抗癌剤等の薬剤、外部刺激に対する感受性若しくは耐性の判定も可能である。特に感受性の判定については、感受性(陽性)との判断について正答率が高いので、抗癌剤治療に踏み切るといった判断指標として優れている。
細胞周期を説明するための図である。 各種培養細胞のDNA含量の測定結果を示す図である。 DNA含量データの結果を説明するための図である。 各種培養細胞のS期の存在比率を示すグラフである。 各種培養細胞のCDK1比活性及びCDK2比活性の測定結果を示すグラフである。 乳癌患者由来組織のうちローリスクと判定された検体のCDK比活性プロファイルを示す図である。 乳癌患者由来組織のうちハイリスクと判定された検体のCDK比活性プロファイルを示す図である。 乳癌患者A〜IのCDK1比活性及びCDK2比活性の測定結果を示すグラフである。乳癌患者A〜Iは、抗癌剤ドセタキセルの投与治療を受け、投与後の腫瘍のサイズの変化が調べられた。 乳癌患者J〜PのCDK1比活性及びCDK2比活性の測定結果を示すグラフである。乳癌患者J〜Pは、抗癌剤パクリタキセルの投与治療を受け、投与後の腫瘍のサイズの変化が調べられた。
本発明の哺乳動物細胞の性質を判定する判定方法は、哺乳動物細胞の2種以上のサイクリン依存性キナーゼの発現量及び活性値を測定し、第1のサイクリン依存性キナーゼの活性値と発現量との比及び第2のサイクリン依存性キナーゼの活性値と発現量との比を含むCDKプロファイルに基づいて、該哺乳動物細胞の性質を判定する方法である。腫瘍細胞を含む組織に本発明の判定方法を適用することにより、腫瘍細胞の性質、癌の悪性度を診断することができる。
本発明の判定方法が対象とする哺乳動物は特に限定しないが、本発明の判定方法は、ヒト、特に臨床状態、より具体的には癌についての状態の判定が求められているヒトに有用である。
本発明の方法が対象とする細胞は、哺乳動物の生体組織、すなわち繊維性結合組織、軟骨組織、骨組織、血液、リンパ等の支持組織;上皮組織;筋組織;神経組織を構成する細胞であればよいが、特に個体としての調和を破り、増殖の制御機構に異常を来している組織の腫瘍細胞のように、病理的情報を得たい細胞に好適である。例えば、乳、肺、肝臓、胃、大腸、膵臓、皮膚、子宮、精巣、卵巣、甲状腺、副甲状腺、リンパ系統、骨髄などの位置にできる腫瘍の細胞が好適な対象となる。
これらの細胞は、該当する生体組織から直接採取した細胞であってもよいし、尿、喀痰などの生体からの排出物から分離して得られた細胞であってもよいし、継代培養された培養細胞であってもよい。癌に関する情報を得たい場合には、腫瘍組織から採取した細胞が好ましく用いられる。
判定する哺乳動物細胞の性質には、測定対象となる細胞の増殖能、悪性度が含まれる。細胞の増殖能とは、細胞の増殖活性レベルで、増殖の制御機構に異常を来しているか否か(癌化の有無)、さらには異数倍体性などに関する情報が該当する。細胞の悪性度とは、具体的には、転移のしやすさ、再発のしやすさ、予後の悪さなどが挙げられる。
ここで、再発とは、悪性腫瘍を摘出するために臓器を部分切除した後、残存臓器に同じ悪性腫瘍が再現する場合、及び原発巣から腫瘍細胞が分離して遠隔組織(遠隔臓器)へ運ばれ、そこで自立的に増殖する場合(転移再発)をいう。一般に5年以内に再発が認められる場合に「再発しやすい」という。また、ステージ分類ではステージIIIは再発率50%であり、ステージII(再発率20%)に比して再発しやすい。予後とは、疾病の経過及び終末を予知することで、5年又は10年後の死亡率が高い程予後は悪く、例えばステージIIIは死亡率50%で、ステージII(死亡率20%)より予後が悪い。
サイクリン依存性キナーゼとは、サイクリンと結合して活性化される酵素群の総称で、その種類に応じて、細胞周期の特定時期で機能している。また、CDKインヒビターとは、サイクリン・CDK複合体に結合し、その活性を阻害する因子群の総称である。
ここで、細胞が増殖を開始し、DNA複製、染色体の分配、核分裂、細胞質分裂などの事象を経て、2つの娘細胞となって出発点に戻るまでのサイクルである細胞周期は、図1に示すように、G1期、S期、G2期、M期の4期に分けられる。S期はDNAの複製期であり、M期は分裂期である。G1期は有糸分裂の完了からDNA合成の開始までの間で、M期にはいるための準備点検期である。G1期にある臨界点(動物細胞ではR点)をすぎると、細胞周期は始動し、通常途中でとまることなく、一巡する。G2期は、DNA合成の終了から有糸分裂の開始の間である。細胞周期の主なチェックポイントは、G1期からS期にはいる直前、G2期から有糸分裂への入り口である。特にG1期チェックポイントはS期開始の引き金をひくため、重要である。G1期のある点をすぎると、細胞は増殖シグナルがなくなっても、増殖を停止することなく、S→G2→M→G1と細胞周期を進行させるからである。尚、増殖を停止した細胞で、G1期のDNA含量をもった休止期(G0)があり、細胞周期からはずれた状態にある。増殖誘導により細胞周期内のG1期よりやや長い時間の後にS期へ進行することができる。
本発明の方法で用いられるサイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、CDK1、CDK2、CDK4、CDK6、サイクリンA依存性キナーゼ、サイクリンB依存性キナーゼ、及びサイクリンD依存性キナーゼからなる群より選ばれることが好ましい。サイクリンA依存性キナーゼとは、サイクリンAと結合して活性を示すCDKのことで、現在判明しているところでは、CDK1及びCDK2の双方をいう。またサイクリンB依存性キナーゼとはサイクリンBと結合して活性を示すCDKのことで、現在判明しているところではCDK1が該当する。サイクリンD依存性キナーゼとはサイクリンDと結合して活性を示すCDKのことで、現在判明しているところではCDK4及びCDK6の双方が該当する。
これらのCDKは、現在判明しているところ、表1に示すように、それぞれ対応するサイクリンと結合したサイクリン・CDK複合体(以下「活性型CDK」ということがある)となって、表1に示すような細胞周期の特定時期を活性化している。例えば、CDK1はサイクリンA又はBと、CDK2はサイクリンA又はEと、CDK4及びCDK6はサイクリンD1、D2、又はD3と結合して活性型となる。一方、CDK活性は表1に示すようなCDKインヒビターによって活性が阻害されることもある。例えば、p21はCDK1,2を阻害、p27はCDK2,4,6を阻害、p16がCDK4,6を阻害する。
Figure 0004787153
上記CDKのうち、2種類以上のCDKの発現量と活性値を測定し、各CDKにおけるこれらの比(すなわち、下記式で表されるCDK比活性またはその逆数)を求めて、CDKプロファイルを得る。
CDKの比活性=CDK活性値/CDK発現量
従って、CDKプロファイルとしては、具体的には、例えば、CDK比活性を含むプロファイル(CDK比活性プロファイル)やCDK比活性の逆数を含むプロファイル(CDK比活性の逆数プロファイル)などが挙げられる。
CDK活性値とは、特定のサイクリンと結合して、どれだけの基質(例えば、活性型CDK1、活性型CDK2はヒストンH1、活性型CDK4及び活性型CDK6はRb(網膜芽細胞腫タンパク、Retinoblastoma protein))をリン酸化するかというキナーゼ活性のレベル(単位をU(ユニット)で現す)をいい、従来より公知の酵素活性測定方法で測定できる。具体的には、測定試料の細胞溶解液から活性型CDKを含む試料を調製し、32P標識したATP(γ−〔32P〕−ATP)を用いて、基質タンパク質に32Pを取り込ませ、標識されたリン酸化基質の標識量を測定し、標準品で作成された検量線をもとに定量する方法がある。また放射性物質の標識を用いない方法としては、特開2002−335997号に開示の方法が挙げられる。この方法は、測定試料の細胞可溶化液から、目的の活性型CDKを含む試料を調製し、アデノシン5’−O−(3−チオトリホスフェート)(ATP−γS)と基質を反応させて、該基質タンパク質のセリン又はスレオニン残基にモノチオリン酸基を導入し、導入されたモノチオリン酸基の硫黄原子に標識蛍光物質又は標識酵素を結合させることによって基質タンパク質を標識し、標識されたチオリン酸基質の標識量(標識蛍光物質を用いた場合には蛍光量)を測定し、標準品で作成された検量線に基づいて定量する方法である。
活性測定に供する試料は、測定対象となる細胞の可溶化液から目的のCDKを特異的に採取することにより調製する。この場合、目的のCDKに特異的な抗CDK抗体を用いて調製してもよいし、特定のサイクリン依存性キナーゼ(例えばサイクリンA依存性キナーゼ、サイクリンB依存性キナーゼ、サイクリンE依存性キナーゼ)活性測定の場合には、抗サイクリン抗体を用いて調製する。いずれの場合も活性型CDK以外のCDKが試料に含まれることになる。例えばサイクリン・CDK複合体にCDKインヒビターが結合した複合体も含まれる。また、抗CDK抗体を用いた場合には、CDK単体、CDKとサイクリン及び/又はCDKインヒビターの複合体、CDKとその他の化合物との複合体などが含まれる。従って、活性値は、活性型、不活性型、各種競合反応が混在する状態下で、リン酸化された基質の単位(U)として測定される。
CDK発現量とは、細胞可溶化液から測定される目的のCDK量(分子個数に対応する単位)であって、タンパク質混合物から目的のタンパク質量を測定する従来公知の方法で測定できる。例えば、ELISA法、ウェスタンブロット法などを使用してもよいし、特開2003−130871号に開示の方法で測定することもできる。目的のタンパク質(CDK)は、特異的抗体を用いて捕捉すればよい。例えば、抗CDK1抗体を用いることにより、細胞内に存在するCDK1のすべて(CDK単体、CDKとサイクリン及び/又はCDKインヒビターの複合体、CDKとその他の化合物との複合体を含む)を捕捉できる。
従って、上記式により算出される比活性は、細胞に存在しているCDKのうち、活性を示すCDKの割合に相当し、判定対象である動物細胞の増殖状態に基づくCDK活性レベルといえる。このようにして求められるCDK比活性は、測定試料調製方法に依存しない。測定試料調製方法、特に生検材料から調製される測定試料(細胞可溶化液)は、実際に採取された組織中に含まれる非細胞性組織、例えば細胞外基質の多寡による影響をうけやすいことから、このような影響を控除した比活性又はその逆数を用いる意義は大きく、従来の単なる活性値と比べて、臨床的性格との相関性が高い。
2種類以上のCDK比活性又はその逆数を含むCDKプロファイルを知ることにより、いずれのCDK活性が優位になっているかを知ることができ、これにより細胞周期のいずれの時期にある細胞割合がどの程度であるか、あるいはいずれの時期の細胞割合が優勢かなどを知ることができる。
以下、CDK比活性を含むCDK比活性プロファイルを中心に、本発明の方法を説明する。
比活性を測定するCDKの種類は、知りたい性質の種類に応じて適宜選択すればよい。一般に、癌細胞は正常な増殖制御を逸脱して増殖が活発に行われていることから、S期、G2期にある細胞割合が多いと考えられ、このような場合に癌化していると考えられる。また、このような癌は、進行が早く、悪性であるといえる。さらに、異数媒体性は、異常なM期を経過したか、又はM期を経ずにG1期へ進んで、S期にはいったときに起ると考えられているため、M期に存在する細胞割合が少ないことも悪性であるといえる。従って、第1のサイクリン依存性キナーゼとしてCDK1、第2のサイクリン依存性キナーゼとしてCDK2を使用し、CDK1比活性の大きさに従い群に分類し、類似したCDK1比活性を持つ群の中ではCDK2比活性値がS期の細胞比率を反映する値となる。S期にある細胞が多い場合、当該細胞が構成細胞となっている組織が臨床的に悪性、すなわち転移しやすい予後の悪い悪性の癌であると判定することができる。
尚、CDKの種類、判明している作用から、2種類以上のCDK比活性を含むCDK比活性プロファイルにより細胞周期の特定時期の存在割合を推測し、細胞の悪性度を判定してもよいし、予め対応する正常組織細胞を標準細胞として測定した2種類以上のCDKの比活性プロファイルを求め、正常細胞との比較から悪性度を判定してもよい。
CDK比活性プロファイルとして、2種類のサイクリン依存性キナーゼの比活性の比を採用することが好ましい。この場合、2種類のサイクリン依存性キナーゼの比活性の比を、該比に対応する所定の閾値と比較することにより、細胞の性質を判定する。
本発明の細胞の性質判定方法で用いられる閾値は、測定対象の細胞の種類、判定項目により適宜決められる。閾値の設定は、対象となる項目に関する多数の細胞、個体のデータベースと、当該細胞のCDK比活性のデータベースとから、該当項目に対してボーダーとなる比活性の比の値を選択すればよい。例えば、癌の悪性度について病理医の判定が既知の複数の患者から採取された腫瘍細胞について、相関性があるとされる2種類のCDKの比活性の比をそれぞれ求め、求められた比を小さい順に並べて集団を2等分できる中央値を閾値とすることができる。
本発明の判定方法は、細胞の増殖能、悪性度といった性質だけでなく、細胞の刺激物質に対する感受性についても適用できる。例えば、近年指摘されている、患者の遺伝的体質による抗癌剤等の薬物の効き方の違いが、細胞の刺激物質に対する感受性の違いに起因する。つまり、細胞が本来もっている性質には、刺激物質に対して感受性か非感受性であるかといった性質も含まれ、2種類のCDKの比活性の比は、刺激物質に対する感受性とも関連している。従って、本発明の哺乳動物細胞の感受性判定方法は、第1のCDKの発現量と活性値との比及び第2のCDKの発現量と活性値との比を含むCDKプロファイルに基づいて、前記細胞の刺激物質に対する感受性を判定する方法である。前記CDKプロファイルとしては、CDK比活性を含むプロファイル(CDK比活性プロファイル)やCDK比活性の逆数を含むプロファイル(CDK比活性の逆数プロファイル)などがある。CDK比活性プロファイルを用いる態様としては、例えば、第1のサイクリン依存性キナーゼの比活性と第2のサイクリン依存性キナーゼの比活性との比を、所定の閾値と比較することにより、該細胞の刺激物質に対する感受性を判定する方法がある。
刺激物質としては、増殖因子、抗癌剤、及び変異原性物質からなる群より選ばれる。刺激物質の種類に応じて、判定する内容、感受性の内容は異なる。例えば、抗癌剤に対しては効き方の有無、変異原性物質や増殖因子に対しては応答性の有無などを判定することになる。
本発明の細胞の感受性判定方法で判定の基準となる閾値は、刺激物質の種類により適宜設定される。閾値の設定は、予めストックされている細胞の判定指標となるCDKの比活性の値と、これらの細胞の刺激物質に対する感受性の有無に関するデータとの相関性を調べ、感受性と非感受性の境界となる閾値が選ばれる。閾値の設定は、実際に刺激物質に曝された患者集団を、当該刺激物質に対する感受性群と非感受性群とに分別し、別途測定された2種類のCDKの比活性の比との関係に基づいて行なってもよいし、種々の腫瘍細胞の培養細胞を、刺激物質で刺激し、その増殖レベルや刺激物質に対する応答レベルを測定して、感受性群と非感受性群とに分別し、別途測定された2種類のCDK比活性の比との関係に基づいて設定してもよい。
測定対象となる細胞の種類、あるいは刺激物質の種類によっては、判定のための一方又は双方のCDK比活性の値自体が大変小さい場合や、逆に一方又は双方の比活性値が大変大きくて、比活性の比の値が閾値とはかけはなれた値となる場合がある。また、該当刺激物質に対して非感受性と判断されるような細胞には、測定項目となるCDKの比活性値自体が大変小さい場合がある。このような場合、比活性値の比で判断するだけでなく、判定に用いるCDKの比活性値の大小も考慮して刺激物質の感受性を判定することが好ましい。具体的には、比活性値自体についても、判定指標となる閾値を設定し、当該閾値との比較結果を加味して判定する。
刺激物質の感受性の判定にあたり、CDK比活性値及びCDK比活性の比それぞれを指標として閾値と比べる場合、これらの比較の順番については特に限定しないが、刺激物質の種類、細胞の種類に応じて、適宜取り扱いを決めることが好ましい。例えば、まず比活性値を閾値と比較して明らかに感受性又は非感受性と判断できるものについて判定した後、残りの細胞について、比活性の比について該当する閾値と比較して判定してもよい。あるいは、測定対象となる細胞が、一方若しくは双方の比活性値の大変小さい細胞又は一方若しくは双方の比活性値の大変大きい細胞である場合、まずCDKの比活性の比について該当する閾値と比較して感受性か非感受性かを判定した後、一方若しくは双方の比活性値が大変大きい細胞又は一方若しくは双方の比活性値が大変小さい細胞についてのみ、比活性値自体を該当する閾値と比較して感受性か非感受性かを判定しなおすことによって、比活性の比とこれに該当する閾値との比較に基づいた判定結果を修正してもよい。
尚、比活性値は、活性及び発現量の測定方法、測定に使用する抗体の種類等によって異なる。従って、本発明の判定方法で閾値との比較に基づいて判定する方法については、閾値を設定するときのデータベース作製時の比活性の測定方法と、判定対象となる細胞の比活性の測定方法とは一致させておく必要がある。
はじめに下記実施例で用いた測定試料の調製方法及びCDK比活性、CDK発現量の測定方法について説明する。
〔測定用試料の調製〕
測定しようとする生体試料として、外科的に採取した各組織(2mm)又は表2に示す腫瘍の培養細胞を用いた。
Figure 0004787153
生体試料を、0.1w/v%ノニデットP−40(NP−40)(カルビオケム社製)、50mMのトリス塩酸(pH7.4)、5mMのEDTA、50mMのフッ化ナトリウム、1mMのオルトバナジン酸ナトリウム及び100μl/mlのプロテアーゼ阻害剤カクテル(シグマ社)を含む溶解緩衝液中で、氷浴中で23G針をつけた5mlのシリンジで10回吸引排出を繰り返し、細胞溶解液を調製した。培養細胞については、1×10細胞/5mlとなるように調製した。
不溶物を15000rpmで5分間、4℃で遠心除去し、上清(細胞可溶化液)を、測定用試料とした。
〔CDK活性の測定〕
上記で調製した試料から、1.5ml容量のエッペンドルフチューブに、500μlの溶解緩衝液中に溶解物の全タンパク質量が100μgとなる量を加えてサンプルを調製した。
活性測定しようとするCDKに特異的抗体(サンタクルズバイオテクノロジー社のポリクローナル抗CDK1抗体又はポリクローナル抗CDK2抗体)2μg及び20μlのプロテインAをコートしたセファロースビーズ(バイオラッド社製)を、上記サンプルに加えて4℃で1時間反応させた後、ビーズを緩衝液(0.1%NP−40、50mMのトリス塩酸、pH7.0)で3回洗浄し、15μlのキナーゼ緩衝液中に再懸濁させて、目的のCDK含有試料が結合したビーズを含む試料を得た。
この試料は、CDK単体、サイクリン結合した活性型CDK、活性型CDKとCDKインヒビターの複合体、CDKとCDKインヒビターの複合体の全て(以下、これらを区別しないときは「CDK群」という)が捕捉され、ビーズに結合している。このようなCDK群の活性を、下記方法により測定した。
CDK1及びCDK2に対応する基質であるヒストンH1(アップステイトバイオテクノロジー製)10μg、5mMのアデノシン5’−O−(8−チオ3リン酸)(ATP−γS、シグマ社製)、及び緩衝液(20mMトリス塩酸(pH7.4)、0.1%TritonX−100)を含む基質溶液を調製し、この基質溶液を上記CDK試料液に加えて50μlとし、37℃で10分間振とうしてインキュベートした。下記式に示すように、基質のセリン又はスレオニン残基が、活性型CDKによりリン酸化され、モノチオリン酸化基質が得られる。
Figure 0004787153
反応後、1000rpmで10秒間遠心して、ビーズを沈殿させ、モノチオリン酸を溶解した上澄み液30μlを採取した。この上澄み液18μlに、150mMトリス塩酸、pH9.2、5mMのEDTAを含む結合緩衝液15μlを加えた。さらに、10mMのヨードアセチルフルオロセイン溶液(100mMトリス塩酸(pH7.5)、1mM EDTA)中で暗所において90分間室温にてインキュベートすることにより、モノチオリン酸化基質のチオリン酸中の硫黄を蛍光標識した。ヨードアセチルフルオロセインとチオリン酸との反応の停止は、6−メルカプトエタノールの添加により行った。
蛍光標識されたチオリン酸化基質0.4μgを、スロットブロッターを用いてPVDF膜上に添加し、吸引した。得られた膜を1%のウシ血清アルブミン(BSA)で30分間ブロックし、アビジン−FITC(ベクター製)を37℃で1時間反応させた。その後、膜を50mM TBS(25mMトリス塩酸(pH7.4)、150mMのNaCl)で10分間3回洗浄した。洗浄後、膜上のイメージを蛍光イメージアナライザー(バイオラッド社製)により分析した。活性は、検量線に基づいて算出した。
尚、検量線は、K−562慢性骨髄性白血病細胞に含まれる目的の活性型CDKのみを含む濃度の異なる溶液を用いて、CDK活性を測定することにより作成した。
従って、測定されるCDK活性1Uは、K−562細胞の総タンパク質1μgのときの酵素活性(一定量の基質を変化させる酵素量)と同等の活性を示す酵素量をいう。
〔CDK発現量の測定〕
TBS(25mMトリス塩酸(pH7.4)、150mMのNaCl)に浸漬して初期化したPVDFメンブレン(ミリポア社製)をセットしたスロットブロッターの各ウェル(2×2×3mm、許容量100μl)に、上記で調製した細胞可溶化液を50μlずつ注入した。各ウェルには、タンパク質が総量で5〜15μgずつ含まれている。
注入後、ウェルの底面、すなわちメンブレンの裏面から負圧約200mmHgで約15秒間吸引し、膜に試料を吸着させた。
次いで、試料に特異的に結合するウサギ抗CDK1抗体又はウサギ抗CDK2抗体(一次抗体)の溶液を、各ウェルに注入し、室温で約30分間静置した後、ウェル底面から負圧500mmHgで約15秒間吸引して、次いで、TBS(25mMトリス塩酸(pH7.4)、150mMのNaCl)で洗浄した。
次に、ビオチン化した抗ウサギ抗体(二次抗体)の溶液を各ウェルに注入し、室温で約30分間静置した後、ウェル底面から負圧500mmHgで約15秒間吸引して、その後、TBS(25mMトリス塩酸(pH7.4)、150mMのNaCl)で洗浄した。
FITC標識ストレプトアビジン試薬を40μlずつ注入し、約30分間室温で静置して、二次抗体をFITCで標識した。ウェル底面から負圧500mmHgで約15秒間吸引して、その後、TBS(25mMトリス塩酸(pH7.4)、150mMのNaCl)で洗浄した。
PVDFメンブレンをプレートからとりはずし、蒸留水で洗浄し、20%メタノールに5分間浸漬した。その後、約15分間室温で乾燥させた後、膜に吸着されたタンパク質の蛍光強度を、イメージアナライザ(バイオラッド社)によって分析、測定し、予め作成した検量線をもとに、FITC標識されたタンパク質(CDK1又はCDK2)を定量(CDK個数に対応する量を標準タンパク質の重量(mg)で換算)した。このようにして測定されるCDK量は、細胞中に存在しているCDK群(CDK単体、CDKとサイクリン及び/又はCDKインヒビターの複合体、CDKとその他の化合物との複合体など)の総量である。
尚、検量線は、0.005%のNP−40及び50μg/mlのBSAを含むTBS中に、5種類の濃度の純品の組換えCDKタンパク質の溶液を、上記と同様に処理したウェルに50μlずつ注入し、上記と同様の方法でFITC標識し、蛍光強度を測定して、蛍光強度と量の関係を表すことにより標準曲線を作成した。
〔CDK比活性の算出〕
上記で測定したCDK活性及びCDK発現量の測定値から、下記式により、CDK比活性(mU/ng又はU/ng)を算出した。
CDK比活性=CDK活性値/CDK発現量
〔実施例1:各種癌細胞の性質〕
各種癌細胞の病理的性格を知るために、表2に示した培養細胞について、DNA含量及びCDK比活性を調べた。
(1)DNA含量
目的とする細胞をトリプシン/EDTA処理によって分散後、PBSで2回洗浄し、100×g、4℃、5分間遠心によって細胞(2×10〜1×10細胞)を回収した。回収された細胞をボルテックスミキサーで攪拌しながら、予め−20℃に冷却した70%エタノール1mlを徐々に加えて細胞固定を行い、4℃又は−20℃で、2時間以上反応させた。細胞をPBSで2回洗浄した後、20Kユニット/mlのRNase〔シグマ社)、50μg/mlプロピジウムイオダイド(PI)、1mg/mlグルコース/PBSを加え、細胞を十分に分散させ、室温で1時間反応させて、DNAをPIで蛍光染色した。染色後、35mmナイロンメッシュ(FALCON)でゴミを取り除き、FACScalibur(BD)で励起波長488/536nm、617nm蛍光を測定し、解析を行った。
各測定結果を図2に示す。図2において、縦軸は蛍光強度で細胞数に相当し、横軸はDNA含量である。
動物細胞のDNA含量と細胞数の関係は、一般に図3に示されるように細胞周期に連動している。図2の測定結果に基づいて、ModFit(ベリティソフトウェアーハウス社製)を用いて、S期及びG1期の細胞の存在比率を調べ、その結果を図4に示す。
図2及び図4から、KATOIII、K562、Colo205細胞については、S期存在割合が高く、またKATOIII、Colo205、HeLa細胞については異数倍体性(特にaneuploidy)が見られた。
(2)CDK比活性
表2に示す培養細胞について、上記測定用試料の調製方法に基づいて調製した測定試料について、上記測定方法に従って、CDK1及びCDK2の活性、発現量を測定し、それぞれの比活性を求めた。結果を図5に示す。
図5中、細い黒棒はCDK2比活性であり、太い白棒はCDK1比活性を示し、左縦軸はCDK1比活性、右縦軸はCDK2比活性を示している。
CDK1比活性値の大きさに着目すると、CDK1比活性が比較的低い群(KATOIII、K−562、Colo205、HeLa、MCF−7細胞)と比較的高い群(SW480、SKBr3、T47D)に大別される。そして、それぞれの群において、CDK2比活性の大きさが、DNA含量の測定から得られるS期にある細胞割合の多さと対応していることがわかる。つまり、単にCDK2比活性値の大きさだけではS期の存在割合と対応させることができないが、まずCDK1比活性値に基づく群分けを行った後であればCDK2比活性値の大きさを細胞悪性と関連づけることができる。
〔実施例2:生検試料についての病理医の判定とCDK比活性プロファイルとの関係〕
実際の癌組織から採取した生検試料について、手術後5年間の遠隔転移による再発と、上記方法で測定したCDK1比活性及びCDK2比活性に基づくCDK比活性プロファイルとの関係を調べた。
(1)病理医の判定
実際の乳癌患者77人(No.1〜77)の生検試料についての、病理医の判定結果(TNM分類、リンパ節転移の状態、癌組織の大きさ、術後5年間の再発の有無、再発場所)を表3及び表4に示す。77人は、いずれも早期乳癌(StageI又はIIA)である。
表3中、「LN」は、手術時のリンパ節転移の状態を示し、「a」は所属リンパ節に転移が認められなかったもの、「b」は所属リンパ節のうち1〜3個に転移が認められたもの、「c」は所属リンパ節のうち4個以上に転移が認められなかったものに分類される。「T」は手術時の原発巣のサイズを示し、腫瘍径2cm以下を「a」、腫瘍径2cm〜5cmを「b」、腫瘍径5cm以上を「c」で示す。
(2)閾値の設定
乳癌患者126名から採取した生検試料から、上記方法に従って測定用試料を調製し、CDK1比活性、CDK2比活性を測定した。測定した癌集団(癌患者126名分)のCDK2比活性/CDK1比活性を低い方から順に並べ、集団を63対63に分けることができる値を、比の閾値とした。閾値は46であり、CDK2比活性値/CDK1比活性値を比が閾値(46)より小さい場合を再発リスクが低い(ローリスク)と判定し、CDK2比活性/CDK1比活性を比が閾値(46)以上の場合を再発リスクが高い(ハイリスク)と判定する。
(3)CDK比活性プロファイリングによる悪性度判定
患者77名から採取した生検試料から、上記方法に従って測定用試料を調製し、CDK1比活性、CDK2比活性を測定した。測定した癌集団(癌患者77名分)について、(2)で設定した閾値に従って、ハイリスク集団とローリスク集団に分類した。比活性プロファイルによる判定結果を、病理医の判定結果とともに表3及び表4に示す。
また、各患者(横軸)に対するCDK1比活性及びCDK2比活性を縦軸とするCDK比活性プロファイルのグラフ作成にあたり、CDK2比活性のスケールをCDK比活性のほぼ46倍のスケールとして、CDK比活性プロファイルの結果を示すグラフを作成した。ローリスク群に判定された患者No.1〜42のCDKプロファイルの結果を図6、ハイリスク群に判定された患者No.43〜77のCDKプロファイルの結果を図7に示す。
Figure 0004787153
Figure 0004787153
表4、図6、図7で示すように、悪性度が悪くないといわれる早期乳ガン患者77例中35例(No.43〜77)がCDK比活性プロファイリングにおいてハイリスクと判定され、そのうちの12例(No.66〜77)が術後5年間で再発を起こした。一方、CDK比活性プロファイリングにおいてローリスクと判定された42例中の再発は0例であった。このように、CDK1比活性値とCDK2比活性値を比較するだけでなく、両者の比(本実施例ではCDK2比活性/CDK1比活性)を考慮して、乳癌患者由来組織をプロファイリングした場合、CDK1比活性が低く、CDK2比活性が大きいときには、癌の悪性度が高いことがわかる。逆に、CDK2比活性が低く、CDK1比活性が大きいときには、癌の悪性度が低いことがわかる。換言すると、CDK2比活性が同程度に高くても(例えばNo.38とNo.67)、CDK1比活性が相対的に大きい癌は、悪性度が低いといえる。
また、より具体的には予め定めた所定の閾値と比較し、その比較結果から、癌の性質、悪性度を知ることができる。
〔実施例3:抗癌剤ドセタキセルに対する感受性〕
(1)閾値の設定及び判定基準
タキサン系抗癌剤治療した乳癌患者1000検体の、抗癌剤治療前に採取した乳癌組織を用いて、上記方法に従って測定試料を調製し、CDK1及びCDK2それぞれについて、活性及び発現量を測定して、比活性を算出した。一方、これらの乳癌患者にタキサン系抗癌剤投与を行なった結果、腫瘍が縮小した場合と腫瘍が縮小しなかった場合に分類し、腫瘍サイズの縮小群と非縮小群を分類できるようにCDK2比活性/CDK1比活性(比の閾値)を設定した。比活性の比の閾値は16となった。
また、CDK1比活性値又はCDK2比活性値が極端に大きい場合又は極端に小さい場合に、CDK1比活性値又はCDK2比活性値に基づいて腫瘍サイズの縮小群と非縮小群を分類できるように、閾値を設定した。CDK1比活性値の閾値は20となり、CDK2比活性値の閾値は500及び10000となった。
判定は、次のように行なった。まずCDK1比活性及びCDK2比活性の値を閾値と比較し、CDK1比活性値が20未満(CDK1比活性値<20)で且つCDK2比活性値が500未満(CDK2比活性値<500)の場合を非感受性と判定し、非感受性予測グループに分類される。一方、CDK2比活性値が10000超(CDK1比活性値>10000)の場合には感受性と判定し、感受性予測グループに分類される。
次いで、上記判定で非感受性群にも感受性群にも分類されなかったものについて、CDK2比活性/CDK1比活性を閾値(16)と比較し、前記比の値が16以上の場合を感受性群、16未満の場合を非感受性群と判定する。
尚、本実施例では、CDK1比活性値が0(CDK1比活性値=0)となり、且つCDK2比活性値が500以上10000以下(500≦CDK2比活性値≦10000)であった場合、CDK2比活性/CDK1比活性を便宜上無限大として判定した。つまり、この場合、比活性の比の閾値16以上であるため、感受性として判定した。
(2)CDK比活性プロファイルと感受性予測
抗癌剤治療を行なっていない乳癌患者A〜Iから採取した乳癌組織を用いて、上記方法に従って測定試料を調製し、CDK1及びCDK2それぞれについて、活性及びCDK発現量を測定して、比活性を算出した。
9名の乳癌患者(A〜I)のCDK1、CDK2比活性の値、及びCDK2比活性/CDK1比活性の比に基づいて、(1)で設定した閾値と比較し、感受性群及び非感受性群に分類した。また、患者A〜I(横軸)に対して、CDK1比活性及びCDK2比活性(縦軸)の関係を示すCDK比活性プロファイルを図8に示す。ここで、CDK2比活性の縦軸スケールは、CDK1比活性の縦軸スケールの16倍に設定した。
上記閾値に従って、患者A〜Iのドセタキセル感受性と予測判定されるグループと非感受性と予測判定されるグループに分類した結果は下記のようになる。
ドセタキセル非感受性予測グループ:患者A,B,C
ドセタキセル感受性予測グループ: 患者D,E,F,G,H,I
(3)抗癌剤ドセタキセルの治療効果
上記乳癌患者A〜Iについて、抗癌剤ドセタキセル(アベンティス社製)を、1回あたり60mg/m(体表面積)として、3〜4週間間隔で4回投与した。投与後、腫瘍のサイズが縮小していたかどうかを調べた。
腫瘍が縮小したか否かの判断は、病理医の触診により、Therasse P,Arbuck SG、Eisenhauer EA,Wanders J,Kaplan RS,Rubinstein L,Verweij J,Van Glabbeke M,van Oosterom AT,Christian MC,and Gwyther SG:New guidelines to evaluate the response to treatment in solid tumors.J.Natl.Cancer Inst 2000;92:205−216に記載された判定基準に基づいて、「Complete response」及び「Partial response」と判定された場合を腫瘍縮小と判断し、「Stable Disease」及び「Progressive Disease」と判定された場合を腫瘍非縮小と判断した。
腫瘍縮小と判断されなかった患者:A,B,C,D
腫瘍が縮小したと判断された患者:E,F,G,H,I
9名中8名の患者について、予測判定結果と一致し、特に実際の治療効果が認められる場合(陽性予測率)については、100%一致していた。
〔実施例4:抗癌剤パクリタキセルに対する感受性〕
(1)閾値の設定及び判定基準
実施例3で設定した閾値及び判定基準を援用した。
(2)CDK比活性プロファイルと感受性予測
抗癌剤治療を行なっていない乳癌患者J〜Pから採取した乳癌組織を用いて、上記方法に従って測定試料を調製し、CDK1及びCDK2それぞれについて、活性及び発現量を測定して、比活性を算出した。
7名の乳癌患者(J〜P)のCDK1、CDK2比活性の値、及びCDK2比活性値/CDK1比活性値の比に基づいて、(1)で設定した閾値と比較し、感受性群及び非感受性群に分類した。また、患者J〜P(横軸)に対して、CDK1比活性及びCDK2比活性(縦軸)の関係を示すCDK比活性プロファイルを図9に示す。ここで、CDK2比活性の縦軸スケールは、CDK1比活性の縦軸スケールの16倍に設定した。
上記閾値に従って、患者J〜Pのパクリタキセル感受性と予測判定されるグループと非感受性と予測判定されるグループに分類した結果は下記のようになる。
パクリタキセル非感受性予測グループ:患者J,K
パクリタキセル感受性予測グループ:患者L,M,N,O,P
(3)抗癌剤パクリタキセルの治療効果
上記乳癌患者A〜Iについて、抗癌剤パクリタキセル(ブリストル製薬社製)を、80mg/m(体表面積)で週1回投与し、これを12週間続けた後、腫瘍のサイズが縮小していたかどうかを調べた。腫瘍サイズが縮小したか否かの判断は、ドセタキセルの場合と同様の基準に基づいて行なった。
判断結果は、下記のようになった。
腫瘍縮小しなかった患者:J
腫瘍が縮小した患者:K,L,M,N,O,P
8名中7名の患者について、予測判定結果と実際に抗癌剤治療による判断結果が一致し(正確度:87.5%)、本発明の方法で陽性と判定した患者については100%腫瘍縮小が認められた。
本発明の判定方法に基づく細胞の性格、特に癌の悪性度に関する判定結果は、医療現場における臨床医の判定結果との相関性が高いので、癌などの細胞増殖調節機能障害に起因する病気の確定診断として適用可能である。また、ヒトの病気だけでなく、各種哺乳動物細胞の増殖機能調節障害に関する研究に利用できる。
さらに、本発明の刺激物質に対する動物細胞の感受性の判定方法は、抗癌剤、増殖因子、変異原性物質といった各種薬剤、薬物に対する細胞増殖の影響の有無を調べる方法として利用でき、特に癌細胞の種類による抗癌剤等の薬剤の効き方、個体の差異による抗癌剤等の薬剤の効き方の判定に利用することができる。これにより、抗癌剤治療を選択することが有効であるか否かを、実際に患者に投与する前に予測することができるので、本発明の感受性の判定方法を、適格な治療方法の選択指標として利用できる。

Claims (3)

  1. 癌患者から採取した腫瘍組織の細胞のCDK1の活性値と発現量との比(CDK1比活性)及びCDK2の活性値と発現量との比(CDK2比活性)の比を、所定の閾値と比較することにより、癌の再発のしやすさを試験する方法。
  2. 前記CDK1比活性及びCDK2比活性の比を、前記閾値と比較することにより、癌の再発のしやすさについて、少なくともハイリスクおよびローリスクのうちの一の試験結果を得る請求項1に記載の方法。
  3. 癌患者から採取した腫瘍組織の細胞のCDK1の活性値と発現量との比(CDK1比活性)及びCDK2の活性値と発現量との比(CDK2比活性)の比を、所定の閾値と比較することにより、前記細胞の抗癌剤に対する感受性を試験る方法。
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