JP5283872B2 - 腫瘍細胞に対する阻害剤の増殖抑制効果を評価する方法、及び腫瘍細胞の増殖を阻害する化合物をスクリーニングする方法 - Google Patents
腫瘍細胞に対する阻害剤の増殖抑制効果を評価する方法、及び腫瘍細胞の増殖を阻害する化合物をスクリーニングする方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5283872B2 JP5283872B2 JP2007224923A JP2007224923A JP5283872B2 JP 5283872 B2 JP5283872 B2 JP 5283872B2 JP 2007224923 A JP2007224923 A JP 2007224923A JP 2007224923 A JP2007224923 A JP 2007224923A JP 5283872 B2 JP5283872 B2 JP 5283872B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sample
- inhibitor
- substrate
- tyrosine kinase
- activity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/48—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving transferase
- C12Q1/485—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving transferase involving kinase
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2333/00—Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
- G01N2333/90—Enzymes; Proenzymes
- G01N2333/91—Transferases (2.)
- G01N2333/912—Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
- G01N2333/91205—Phosphotransferases in general
- G01N2333/9121—Phosphotransferases in general with an alcohol group as acceptor (2.7.1), e.g. general tyrosine, serine or threonine kinases
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2500/00—Screening for compounds of potential therapeutic value
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Zoology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Immunology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Description
アフィニティータグとしてGSTを選択した場合、固相は、例えばグルタチオンセファロースビーズ(以降、グルタチオンビーズとする)を用いることができる。膜貫通型チロシンキナーゼの酵素活性によってリン酸化したGST―substrateとグルタチオンビーズとを結合させる。これを回収し、還元型グルタチオンを添加すると、GSTとグルタチオンビーズとの結合を解離させることができる。これにより、リン酸化したGST−substrateを回収することができる。リン酸化したGST−EGFR substrateを回収する際には、あらかじめGST−substrateとグルタチオンビーズとを結合させてから酵素反応に用いてもよいし、酵素反応後にGST−substrateとグルタチオンビーズとを結合させてもよい。
また、アフィニティータグとしてヒスチジンを選択した場合、標識固相は例えばニッケルアガロースビーズを用いることができる。ヒスチジンとニッケルとの結合は例えば、Glycine−HCl等の酸や、イミダゾールを用いて解離させることができる。
アフィニティータグとしてマルトース結合タンパク質を選択した場合、標識固相は例えばアミロース磁性ビーズを用いることができる。マルトース結合タンパク質とアミロースとの結合は例えば、遊離のアミロースを添加することにより解離させることができる。
アフィニティータグとしてFLAGペプチドを選択した場合、標識固相は、シグマ社のFLAGアフィニティーゲルを用いることができる。FLAGペプチドとFLAGアフィニティーゲルの結合は例えば、Glycine−HCl等の酸や、3×FLAGペプチド(シグマ社)を用いて解離させることができる。
アフィニティータグとしてMycタグを選択した場合、標識固相は例えばMyc抗体を結合したアガロースビーズを用いることができる。また、標識抗体としてHAタグを選択した場合、HA抗体を結合したアガロースビーズを用いることができる。MycタグとMyc抗体との結合、HAタグとHA抗体との結合はどちらも例えば、酸やアルカリを加えてタンパク質を変性させることにより、解離させることができる。この時、変性したタンパク質を元の状態に戻すことのできる酸又はアルカリを選択することが好ましい。具体的には例えば、酸では塩酸等、アルカリでは水酸化ナトリウム等が挙げられる。
アフィニティータグとしてStrepタグを選択した場合、標識固相としてはIBA GmbH社のStrep−Tactin固相化ゲルカラムを用いることができる。StrepタグとStrep−Tactinの結合は例えば、ストレプトアビジンと可逆的に反応するデスチオビオチンを用いて解離させることができる。
又は、リン酸化基質に特異的に結合可能な抗体(以降、リン酸化基質認識抗体とする)と、リン酸化基質認識抗体に結合可能であり且つ標識物質を有する抗体(以降、リン酸化基質認識抗体に結合可能な抗体を二次抗体とする)を用いることにより、リン酸化基質に標識物質を結合させることができる。この場合、リン酸化基質認識抗体と二次抗体を介して、標識物質をリン酸化基質に実質的に結合させることができる。
又は、リン酸化基質認識抗体と、ビオチンを有する二次抗体と、標識物質を有するアビジンを用いることにより、リン酸化基質に標識物質を結合させることができる。この場合、リン酸化基質認識抗体と二次抗体とビオチンとアビジンを介して、標識物質をリン酸化基質に実質的に結合させることができる。なお、二次抗体がアビジンを有し、ビオチンが標識物質を有していてもよい。
又は、ビオチンを有するリン酸化基質認識抗体と、標識物質を有するアビジンを用いてもよいし、アビジンを有するリン酸化基質認識抗体と、標識物質を有するビオチンを用いてもよい。
標識物質が発するシグナルを検出することにより、リン酸化された基質を検出することができ、これにより膜貫通型チロシンキナーゼの活性を測定することができる。
また、リン酸化基質を含む溶液をチューブに収容し、蛍光物質を有するリン酸化基質認識抗体を加えてリン酸化基質と結合させ、蛍光強度を測定することにより、基質のリン酸化を検出することもできる。
標識物質が酵素である場合、固相酵素免疫検定法(以降、ELISA法とする)によって基質のリン酸化を検出することができる。ELISA法には、直接吸着法とサンドイッチ方が含まれる。
直接吸着法では、リン酸化基質を固相の表面に吸着させ、酵素を有するリン酸化基質認識抗体を加え、リン酸化基質と結合させる。次に、リン酸化基質認識抗体が有する酵素を、基質を加えて発色反応させ、この発色を検出すればよい。
サンドイッチ法では、固相にリン酸化基質認識抗体を結合させ(以降、固相抗体とする)、リン酸化基質を加えて固相抗体と結合させる。次に、酵素を有するリン酸化基質認識抗体(以降、標識抗体とする)を加え、リン酸化基質と結合させる。標識抗体の有する酵素を、基質を加えて発色反応させ、この発色を検出すればよい。
例えば酵素がアルカリホスファターゼである場合、基質としてニトロテトラゾリウムブルークロライド(NBT)及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシルホスフェイト(BCIP)の混合溶液を用いて反応させ、発色させることができる。酵素がペルオキシダーゼである場合、基質としてジアミノベンジジン(DAB)を用いて反応させ、発色させることができる。
サンドイッチ法を用いる場合、固相抗体と標識抗体とは、リン酸化基質の異なる部位に結合することが好ましい。すなわち、リン酸化基質に複数の抗体結合部位があるか、用いる2種類の抗体がリン酸化基質の異なる抗原決定基を認識することが好ましい。
標識物質が放射性同位元素である場合、放射線免疫検定法(以降、RIAとする)によって基質のリン酸化を検出することができる。具体的には、放射性同位元素を有するリン酸化基質認識抗体をリン酸化基質に結合させ、放射線をシンチレーションカウンター等によって測定し、基質のリン酸化を検出することができる。
また、阻害剤で処理された試料に含まれる膜貫通型チロシンキナーゼの第一の活性値と、阻害剤未処理の試料に含まれる膜貫通型チロシンキナーゼの第二の活性値とを測定し、得られた第一活性値及び第二活性値に基づいて、増殖抑制効果を評価することができる。具体的には、例えば、第一活性値と第二活性値とを比較し、第一活性値の有意な低下が認められれば、増殖抑制効果が高いと評価すればよい。第一活性値の有意な低下が認められなければ、増殖抑制効果が低いと評価すればよい。なお、第一活性値の有意な低下は、例えば、第一活性値と第二活性値との差又は割合を算出し、得られた差又は割合と所定の閾値とを比較することで確認することができる。例えば、第一活性値と第二活性値との差が閾値以上であれば、第一活性値の有意な低下が認められたとして、増殖抑制効果が高いと評価すればよい。差が閾値未満であれば、第一活性値の有意な低下が認められなかったとして、増殖抑制効果が低いと評価すればよい。また、第一活性値と第二活性値との割合が閾値未満であれば、第一活性値の有意な低下が認められたとして、増殖抑制効果が高いと評価すればよい。割合が閾値以上であれば、第一活性値の有意な低下が認められなかったとして、増殖抑制効果が低いと評価すればよい。
また、阻害剤で処理された試料に含まれる膜貫通型チロシンキナーゼの第一の活性値と、阻害剤未処理の試料に含まれる膜貫通型チロシンキナーゼの第二の活性値とを測定し、得られた第一活性値及び第二活性値に基づいて、感受性を判断することができる。具体的には、例えば、第一活性値と第二活性値とを比較し、第一活性値の有意な低下が認められれば、腫瘍細胞が阻害剤に対して感受性であると判断すればよい。第一活性値の有意な低下が認められなければ、腫瘍細胞が阻害剤に対して非感受性であると判断すればよい。なお、第一活性値の有意な低下は、例えば、第一活性値と第二活性値との差又は割合を算出し、得られた差又は割合と所定の閾値とを比較することで確認することができる。例えば、第一活性値と第二活性値との差が閾値以上であれば、第一活性値の有意な低下が認められたとして、腫瘍細胞が阻害剤に対して感受性であると判断すればよい。差が閾値未満であれば、第一活性値の有意な低下が認められなかったとして、腫瘍細胞が阻害剤に対して非感受性であると判断すればよい。また、第一活性値と第二活性値との割合が閾値未満であれば、第一活性値の有意な低下が認められたとして、腫瘍細胞が阻害剤に対して感受性であると判断すればよい。割合が閾値以上であれば、第一活性値の有意な低下が認められなかったとして、腫瘍細胞が阻害剤に対して非感受性であると判断すればよい。
4つのグルタミン酸残基と1つのチロシン残基からなる配列が5回繰り返されたアミノ酸配列(配列番号1)からなるペプチド(以降、poly(Glu、Tyr)ペプチドとする)とGSTとの融合タンパク質を作製し、この融合タンパク質を、膜貫通型チロシンキナーゼによりリン酸化されうる基質として用いた。以降、この融合タンパク質をGST-poly(Glu、Tyr)基質とする。
市販の膜貫通型チロシンキナーゼの細胞内ドメイン(intracellular domain;ICD)を用いてGST-poly(Glu、Tyr)基質をリン酸化し、ウエスタンブロッティングによりリン酸化したGST-poly(Glu、Tyr)基質を検出した。なお、膜貫通型チロシンキナーゼは、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞内ドメインから構成されており、細胞内ドメインにチロシンキナーゼの活性を示す部位が存在する。
緩衝液1(20mM HEPES pH7.4、10mM MnCl2、1% NP40、1mM DTT、0.2%プロテアーゼインヒビター(以降、PIとする)、10% グリセロール、200μM Na3VO4及び50mM NaFを含む)50μlと市販の膜貫通型チロシンキナーゼのICD 0.5pmolを混合し、これを反応用試料として以下の酵素反応に用いた。ここでは、ICDとして、PDGF Recepter β Kinase(以降、PDGFR-βとする)、VEGF Recepter 1 Kinase(以降、VEGFR1とする)、VEGF Recepter 2 Kinase(以降、VEGFR2とする)、EGF Recepter 1 Kinase(以降、HER1とする)、ErbB2 Kinase(以降、HER2とする)、ErbB4 Kinase(以降、HER4とする)、IGF-1Receptor Kinase(以降、IGF1Rとする)(全てCell Signaling Technology社)を用いた。なお、緩衝液1とPDGFR-βとを混合したものを反応用試料iとし、緩衝液1とVEGFR1とを混合したものを反応用試料ii、緩衝液1とVEGFR2とを混合したものを反応用試料iii、緩衝液1とHER1とを混合したものを反応用試料iv、緩衝液1とHER2とを混合したものを反応用試料v、緩衝液1とHER3とを混合したものを反応用試料vi、緩衝液1とIGF1Rとを混合したものを反応用試料viiとする。
反応用試料i 25μlと、GST-poly(Glu、Tyr)基質を含む基質溶液1(20mM HEPES pH7.4、10mM MnCl2、1mM DTT、1% NP40、0.2% PI、10% グリセロール、200μM Na3VO4、50mM NaF、40μM ATP、及び5μg GST-poly(Glu、Tyr)基質を含む)25μlとを混合し、25℃で60分間インキュベートした。この反応液に、SDSサンプルバッファーpH6.8(200mM Tris、40% グリセロール、8% SDS、及び10% 2−メルカプトエタノールを含む ) 25μlを加え、100℃で5分間ボイルして酵素反応を停止した。このようにして調製された溶液をSDS用試料i(+)とする。同様にして、反応用試料ii〜viiからSDS用試料ii(+)〜vii(+)を調製した。
各SDS用試料をポリアクリルアミドゲル(PAGミニ「第一」4/20(13W)(第一化学薬品株式会社))の別々ウェルに注入し、泳動槽(カセット電気泳動槽「第一」DPE−1020(ミニ2連式)(第一化学薬品株式会社))を用いて25mAで70分間電気泳動した。電気泳動によって分離したタンパク質を、ミニトランスブロットセル(バイオラッド社)を用いて100Vで1時間電圧をかけ、ポリアクリルアミドゲルからポリビニリデンフロライド(PVDF)メンブレン(Immobilon−FL 0.45μm ポアサイズ(ミリポア社))に転写した。このPVDFメンブレンを、4%ブロックエース(大日本住友製薬株式会社)溶液で60分間ブロッキングした。ブロッキングしたPVDFメンブレンを、一次抗体溶液(0.4%ブロックエース及び0.5μg/ml Anti−Phosphotyrosine clone 4G10(upstate社)を含む)2ml中で60分間振蕩した後、TBS−T(25mM Tris、150mM NaCl及び0.1% Tween−20を含む)で3回洗浄した。次に、このPVDFメンブレンを、二次抗体溶液(0.4%ブロックエース及び2.7μg/ml抗マウスイムノグロブリン・ウサギポリクローナル抗体 FITC標識(DAKO社)を含む)2ml中で60分間振蕩した後、TBS−Tで3回洗浄した。このPVDFメンブレンを乾燥させ、画像解析装置(Pharos FX system(バイオラッド社))を用いて解析し、蛍光を検出した。このようにして、ウエスタンブロッティングにより、SDS用試料i(+)〜vii(+)及びSDS用試料i(−)〜vii(−)に含まれるリン酸化されたGST-poly(Glu、Tyr)基質を検出した。
本例では、培養細胞から調製された膜貫通型チロシンキナーゼを含む反応用試料をATP競合的チロシンキナーゼ阻害剤で処理し、GST-poly(Glu、Tyr)基質を用いて反応用試料中の膜貫通型チロシンキナーゼ群の活性値を測定し、阻害剤が培養細胞のチロシンキナーゼ活性を阻害する程度を検討した。
5種類の培養細胞(MDA-MB453、MDA-MB468、SKBr3、Hela及びHT29)から調製された反応用試料を用いた。具体的には、培養細胞と細胞処理液(20mM HEPES pH7.4、0.2% PI、10% グリセロール、200μM Na3VO4、及び50mM NaFを含む)1mlとを混合し、ペッスルを用いて加圧することにより細胞膜を破壊し、細胞溶液を調製した。得られた細胞溶液を遠心分離し、上清を廃棄して沈殿物を回収した。回収した沈殿物と細胞膜可溶化液(20mM HEPES pH7.4、1% NP40、0.2% PI、10% グリセロール、200μM Na3VO4、及び50mM NaFを含む)とを混合し、ペッスルを用いて加圧することにより細胞膜を可溶化し、遠心分離して上清を回収した。この上清を反応用試料として用いた。MDA-MB453は乳癌由来の培養細胞であり、この細胞から調製された反応用試料を反応用試料MB453とする。MDA-MB468は乳癌由来の培養細胞であり、この細胞から調製された反応用試料を反応用試料MB468とする。SKBr3は乳癌由来の培養細胞であり、この細胞から調製された反応用試料を反応用試料SKBr3とする。Helaは子宮頸癌由来の培養細胞であり、この細胞から調製された反応用試料を反応用試料Helaとする。HT29は大腸癌由来の培養細胞であり、この細胞から調製された反応用試料を反応用試料HT29とする。
ELISA用のプレートとして、グルタチオンコートプレート(Reacti-Bind Clear Glutathione Coated Plates, 8-well Strip(PIERCE社))を用いた。まず、プレートの各ウェルをTBS−T(25mM Tris、150mM NaCl及び0.05% Tween−20を含む)で3回洗浄した。次に、各ウェルに、上記1において調製したGST-poly(Glu、Tyr)基質を含む基質溶液1(5μg/mlのGST-poly(Glu、Tyr)基質を含むTBS)50μlを入れ、軽く震蕩しながら25℃で1時間インキュベートした。インキュベート後、各ウェルをTBS-Tで2回洗浄し、さらに20mM HEPES pH7.4(0.05% Tween20を含む)で1回洗浄した。このようにして、ELISA用プレートのウェルの表面にGST-poly(Glu、Tyr)基質を結合させた。このELISA用プレートを以下の酵素反応に使用した。
本例では、PD153035(カルビオケム社)、AG1478(カルビオケム社)、4557W(EGFR/ErbB-2 Inhibitor)(カルビオケム社)、PDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor III(カルビオケム社)及びVEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor III(カルビオケム社)の5種類のATP競合的チロシンキナーゼ阻害剤を用いた。PD153035は、HER1及びHER2の阻害剤である。AG1478は、HER1及びHER2の阻害剤である。4557Wは、HER1及びHER2の阻害剤である。PDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIは、PDGFRの阻害剤である。VEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIはVEGFRの阻害剤である。各阻害剤の構造式は、図2に示した。
各反応溶液 50μlをELISA用プレートの別々のウェルに入れ、25℃でおよそ30分間インキュベートした。インキュベーション後、各ウェルに反応停止液(1mM EDTAを含むTBS-T)100μlを添加し、さらにTBS-Tで3回洗浄した。次に、各ウェルをStartingBlock T20 (TBS) Blocking Buffer(PIERCE社)300μlで洗浄した。洗浄後、StartingBlock T20 (TBS) Blocking BufferでHRP標識一次抗体(p-Tyr (PY20), sc-508 HRP(SANTA Cruz Biotechnology社))を1000倍希釈した一次抗体液を各ウェルに100μl入れ、25℃でおよそ1時間30分間軽く震蕩しながらインキュベートした。インキュベーション後、各ウェルをTBS-Tで5回洗浄した。洗浄後、TMB溶液(3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine (TMB) Liquid Substrate System for ELISA (Sigma社))150μlを各ウェルに入れ、室温で遮光しながら5〜30分の間で適度に呈色させたのち、VersaMax(Molecular Device社)で吸光度(650nm)を測定した。
測定結果に基づいて、図3のレーダーチャートを作成した。図3は、反応用試料MB453を用いた場合のレーダーチャート、反応用試料MB468を用いた場合のレーダーチャート、反応用試料SKBr3を用いた場合のレーダーチャート、反応用試料Helaを用いた場合のレーダーチャート及び反応用試料HT29を用いた場合のレーダーチャートを示している。これらレーダーチャートは、反応用試料に阻害剤の処理を行わなかった場合の測定値を100%として、反応用試料に阻害剤の処理を行って得られた測定値の割合を示した。レーダーチャートにおいて、1はPD153035で反応用試料を処理した場合、2はAG1478で反応用試料を処理した場合、3は4557Wで反応用試料を処理した場合、4はPDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIで反応用試料を処理した場合、5はVEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIで反応用試料を処理した場合である。
実施例1で用いた5種類の培養細胞(MDA-MB453、MDA-MB468、SKBr3、Hela及びHT29)について、実施例1で使用した5種類の阻害剤による細胞増殖への影響を確認した。
培養用プレート(96 Well Solid White Flat Bottom Polystyrene TC-Treated Microplates、Corning社)に1ウェルあたり1000個の細胞を撒き、37℃で24時間培養する。培養後、各ウェルに阻害剤を添加し、さらに37℃で3日間培養した。細胞は、実施例1で使用した5種類の培養細胞(MDA-MB453、MDA-MB468、SKBr3、Hela及びHT29)を用いた。阻害剤は、実施例1で使用した5種類の阻害剤(PD153035、AG1478、4557W、PDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor III及びVEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor III)を用いた。各阻害剤の濃度は表1の通りである。なお、表1の最終濃度とは、阻害剤がウェルに添加されて細胞と混合された時の濃度のことである。
細胞増殖の測定には、CellTiter-Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega社)を用いた。これは、培地中の代謝活性のある細胞に由来するATPを定量して、生存細胞を測定することができる試薬キットである。まず、キットに添付のプロトコルに従って測定用試薬を調製した。測定用試薬を1ウェルあたり100μl添加し、シェーカーで培養プレートを2分間撹拌した。撹拌後、プレートを10分間静置し、GENios(TECAN社)を用いて蛍光を測定した。培地中の代謝活性のある細胞に由来するATP量に比例して蛍光が生じることから、蛍光を測定することで培地中の生存細胞を測定することができる。
測定結果に基づいて、図4のレーダーチャートを作成した。図4は、MDA-MB453を用いた場合のレーダーチャート、MDA-MB468を用いた場合のレーダーチャート、SKBr3を用いた場合のレーダーチャート、Helaを用いた場合のレーダーチャート及びHT29を用いた場合のレーダーチャートを示している。これらのレーダーチャートは、細胞に阻害剤の処理を行わなかった場合の測定値を100%として、細胞に阻害剤の処理を行って得られた測定値の割合を示した。レーダーチャートにおいて、1はPD153035で細胞を処理した場合、2はAG1478で細胞を処理した場合、3は4557Wで細胞を処理した場合、4はPDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIで細胞を処理した場合、5はVEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIで細胞を処理した場合である。
なお、比較例2では、細胞の増殖抑制効果を確認するため、阻害剤で細胞を処理した後に細胞培養を必要とする。しかし、細胞培養には、煩雑な作業が伴い、また時間もかかる。さらに、実際に患者から採取した細胞を細胞培養することは容易ではない。ゆえに、阻害剤による細胞の増殖抑制効果を評価する場合、培養作業を必要としない本実施形態の方法は非常に有用であると考えられる。
実施例1で使用した阻害剤(AG1478及び4557W)による、マウス体内の腫瘍細胞の増殖への影響を確認した。
実施例1で使用したMDA-MB468を、225cm2のフラスコにおいて60%コンフェルエントとなるように、培養液(10% FBS(Hyclone社)を含むDMEM-F12(Sigma社))中で培養した。得られた培養細胞を、DMEM-F12 100μl中に約1×107個となるように懸濁して、MDA-MB468細胞液を調製した。
10週齢のメスのマウス(BALB/c nu/nu)の脂肪体(fat pad)に、MDA-MB468細胞液 100μlを注射した。14日後に、マウス体内において腫瘍が大きくなっていることを確認した。このようにして、3匹のマウス体内において腫瘍を形成させた。
MDA-MB468細胞液を注射してから14日後、腫瘍が発生したマウスに阻害剤溶液を注射した。具体的には、ジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma社) 100μlに、実施例1で使用したAG1478を溶解して、阻害剤溶液1を調製した。そして、阻害剤の投与量が30mg/kg/dayとなるように、マウスに阻害剤溶液1を注射した。阻害剤溶液1の注射は、7日間連続して行った。
また、DMSOに実施例1で使用した4557Wを溶解して、阻害剤溶液2を調製した。そして、上記阻害剤溶液1と同様にして、別のマウスに阻害剤溶液2を注射した。
さらに、比較のため、上記阻害剤溶液1と同様にして、別のマウスにDMSOを注射した。
最初にマウスに阻害剤溶液を注射した日を注射後1日目とした。そして、注射後1日目、3日目、5日目、8日目において、マウス体内の腫瘍の体積を測定した。腫瘍の体積は、腫瘍の長径と短径を測定し、腫瘍の形を楕円球と仮定して長径と短径から体積を算出した。
DMSOを注射したマウスについても、上記と同様にして腫瘍の体積を測定した。
測定結果を図5に示した。図5は、注射後1日目の体積を1として、3日目、5日目、8日目の体積の変化を示した。
図5から、阻害剤による、マウス体内の腫瘍細胞の増殖抑制効果を確認することができた。例えば、DMSOを注射したマウスの腫瘍の体積変化と、阻害剤を注射したマウスの腫瘍の体積変化とを比較すると、AG1478及び4557Wによる腫瘍細胞の増殖の阻害が認められた。そして、比較例2の結果は、実施例1の結果と一致した。すなわち、実施例1において、MDA-MB468の膜貫通型チロシンキナーゼ群の活性阻害効果が確認されたAG1478及び4557Wについて、比較例2においても、マウス生体内の腫瘍細胞の増殖の阻害が認められた。このことから、膜貫通型チロシンキナーゼ群の活性値から、阻害剤による生体内の腫瘍細胞の増殖抑制効果を評価することが可能であることがわかった。
本例では、実施例1で使用した反応用試料MB468を、2種類のATP競合的チロシンキナーゼ阻害剤を組み合わせて処理し、GST-poly(Glu、Tyr)基質を用いて処理された反応用試料MB468に含まれる膜貫通型チロシンキナーゼ群の活性値を測定し、活性値に基づいて2種類の阻害剤の組み合わせが、培養細胞のチロシンキナーゼ活性を阻害する程度を検討した。
実施例1で調製された反応用試料MB468を使用した。
実施例1で作製されたELISA用プレートを以下の酵素反応に使用した。
本例では、実施例1で使用したATP競合的チロシンキナーゼ阻害剤のうち、AG1478、4557W、PDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor III及びVEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIの4種類の阻害剤を用いた。2種類の阻害剤を組み合わせる場合には、AG1478と4557W、4557WとPDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor III、4557WとVEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIをそれぞれ組み合わせて使用した。
実施例1と同様にして、各反応溶液について、ELISA法により基質のリン酸化を測定した。
測定結果を図6に示した。図6は、反応用試料MB468に阻害剤の処理を行わなかった場合の測定値を100%として、反応用試料MB468に阻害剤の処理を行って得られた測定値の割合を示した。図中の2はAG1478で反応用試料MB468を処理した場合、3は4557Wで反応用試料MB468を処理した場合、4はPDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIで反応用試料MB468を処理した場合、5はVEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIで反応用試料MB468を処理した場合、2+3はAG1478と4557Wとを組み合わせて反応用試料MB468を処理した場合、3+4は4557WとPDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIとを組み合わせて反応用試料MB468を処理した場合、3+5は4557WとVEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIとを組み合わせて反応用試料MB468を処理した場合である。
培養細胞MDA-MB468について、実施例2で使用した各阻害剤による細胞増殖への影響を確認した。
比較例1と同様にして、培養プレートのウェルにおいてMDA-MB468を阻害剤で処理した後、細胞を培養した。阻害剤は、実施例2で使用したATP競合的チロシンキナーゼ阻害剤のうち4種類の阻害剤(AG1478、4557W、PDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor III及びVEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor III)を用いた。2種類の阻害剤を組み合わせる場合には、AG1478と4557W、4557WとPDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor III、4557WとVEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIをそれぞれ組み合わせて使用した。各阻害剤の濃度は表2の通りである。なお、表2の最終濃度とは、阻害剤がウェルに添加されてMDA-MB468と混合された時の濃度のことである。
比較例1と同様にして、細胞増殖を測定した。
測定結果を図7に示した。図7は、MDA-MB468に阻害剤の処理を行わなかった場合の測定値を100%として、MDA- MB468に阻害剤の処理を行って得られた測定値の割合を示した。図中の2はAG1478でMDA- MB468を処理した場合、3は4557WでMDA- MB468を処理した場合、4はPDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIでMDA- MB468を処理した場合、5はVEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIでMDA- MB468を処理した場合、2+3はAG1478と4557Wとを組み合わせてMDA- MB468を処理した場合、3+4は4557WとPDGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIとを組み合わせてMDA- MB468を処理した場合、3+5は4557WとVEGF Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor IIIとを組み合わせてMDA- MB468を処理し
た場合である。
Claims (9)
- 腫瘍細胞から細胞質を分離して膜貫通型チロシンキナーゼを含む試料を調製する試料調製工程と、
調製された試料から第1試料と第2試料を分取する分取工程と、
膜貫通型チロシンキナーゼの活性を阻害する阻害剤で前記分取された第1試料を処理する処理工程と、
前記阻害剤で処理された第1試料と前記分取された第2試料のそれぞれを、少なくとも2種類の膜貫通型チロシンキナーゼに対する基質と接触させて、前記第1試料中の膜貫通型チロシンキナーゼの活性により前記基質をリン酸化するとともに、前記第2試料中の膜貫通型チロシンキナーゼの活性により前記基質をリン酸化する接触工程と、
前記第1試料と前記第2試料のそれぞれについて前記リン酸化された基質を検出する検出工程と、
それぞれの検出結果に基づいて、前記第1試料中の膜貫通型チロシンキナーゼの第1活性値と前記第2試料中の膜貫通型チロシンキナーゼの第2活性値を測定する測定工程と、
前記阻害剤で処理された第1試料の第1活性値と前第2試料の第2活性値の比較結果と閾値に基づいて、前記腫瘍細胞に対する前記阻害剤の増殖抑制効果を評価する評価工程と、
を含み、
前記基質が、4つのGluと1つのTyrからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列、1つのGluと1つのTyrからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列、6つのGluと1つのTyrと3つのAlaからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列、1つのGluと1つのTyrと1つのAlaからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列 および2つのGluと1つのTyrと6つのAlaと5つのLysからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドである、腫瘍細胞に対する膜貫通型チロシンキナーゼ阻害剤の増殖抑制効果を評価する方法。 - 前記評価工程が、前記比較結果として、前記分取された第2試料から得られた第2活性値と前記阻害剤で処理された第1試料から得られた第1活性値との差を算出し、算出された差と閾値とを比較し、差が閾値以上の場合に、前記腫瘍細胞に対する前記阻害剤の増殖抑制効果が高いと評価する請求項1に記載の方法。
- 前記評価工程が、前記比較結果として、前記分取された第2試料から得られた第2活性値と前記阻害剤で処理された第1試料から得られた第1活性値との割合を算出し、算出された割合と閾値とを比較し、割合が閾値よりも低い場合に、前記腫瘍細胞に対する前記阻害剤の増殖抑制効果が高いと評価する請求項1に記載の方法。
- 前記試料調製工程が、前記腫瘍細胞を緩衝液中で破砕し、破砕された腫瘍細胞と界面活性剤を含む溶液とを混合し、得られた混合物の上清を採取することにより膜貫通型チロシンキナーゼ含む試料を調製する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤である請求項4に記載の方法。
- 前記膜貫通型チロシンキナーゼが、インシュリン様成長因子受容体(insulin-like growth factor receptor;IGFR)、血小板由来増殖因子受容体(platelet-derived growth factor receptor;PDGFR)、ヒト上皮細胞増殖因子受容体(human epithelial growth factor receptor;HER)及び血管内皮増殖因子受容体(vascular endothelial growth factor;VEGFR)を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記基質が、4つのGluと1つのTyrからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列である請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記阻害剤が、膜貫通型チロシンキナーゼのATP結合部位に結合することによって膜貫通型チロシンキナーゼの活性を阻害する請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 腫瘍細胞から細胞質を分離して膜貫通型チロシンキナーゼを含む試料を調製する試料調製工程と、
調製された試料から第1試料と第2試料を分取する分取工程と、
化合物で前記分取された第1試料を処理する処理工程と、
前記阻害剤で処理された第1試料と前記分取された第2試料のそれぞれを、少なくとも2種類の膜貫通型チロシンキナーゼに対する基質と接触させて、前記第1試料中の膜貫通型チロシンキナーゼの活性により前記基質をリン酸化するとともに、前記第2試料中の膜貫通型チロシンキナーゼの活性により前記基質をリン酸化する接触工程と、
前記第1試料と前記第2試料のそれぞれについて前記リン酸化された基質を検出する検出工程と、
それぞれの検出結果に基づいて、前記第1試料中の膜貫通型チロシンキナーゼの第1活性値と前記第2試料中の膜貫通型チロシンキナーゼの第2活性値を測定する測定工程と、
前記阻害剤で処理された第1試料の第1活性値と前第2試料の第2活性値の比較結果と閾値に基づいて、前記腫瘍細胞の増殖を阻害する化合物をスクリーニングするスクリーニング工程と、
を含み、
前記基質が、4つのGluと1つのTyrからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列、1つのGluと1つのTyrからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列、6つのGluと1つのTyrと3つのAlaからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列、1つのGluと1つのTyrと1つのAlaからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列 および2つのGluと1つのTyrと6つのAlaと5つのLysからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドである、腫瘍細胞の増殖を阻害する化合物をスクリーニングする方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007224923A JP5283872B2 (ja) | 2006-09-27 | 2007-08-30 | 腫瘍細胞に対する阻害剤の増殖抑制効果を評価する方法、及び腫瘍細胞の増殖を阻害する化合物をスクリーニングする方法 |
EP07117132A EP1905840B1 (en) | 2006-09-27 | 2007-09-25 | Method for assessing proliferation inhibiting effect of inhibitor, and method for screening a compound which inhibits proliferation of a tumor cell |
AT07117132T ATE492647T1 (de) | 2006-09-27 | 2007-09-25 | Verfahren zur beurteilung der proliferationshemmenden wirkung eines hemmers und verfahren zur screening einer verbindung zur hemmung der tumorproliferation |
DE602007011367T DE602007011367D1 (de) | 2006-09-27 | 2007-09-25 | Verfahren zur Beurteilung der proliferationshemmenden Wirkung eines Hemmers und Verfahren zur Screening einer Verbindung zur Hemmung der Tumorproliferation |
CN2007101515378A CN101157951B (zh) | 2006-09-27 | 2007-09-26 | 抑制剂对肿瘤细胞增殖抑制效果的评价方法及敏感性的判断方法 |
US11/905,027 US20080090254A1 (en) | 2006-09-27 | 2007-09-27 | Method for assessing proliferation inhibiting effect of inhibitor, and method for determining sensitivity of tumor cell to inhibitor |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006261699 | 2006-09-27 | ||
JP2006261699 | 2006-09-27 | ||
JP2007224923A JP5283872B2 (ja) | 2006-09-27 | 2007-08-30 | 腫瘍細胞に対する阻害剤の増殖抑制効果を評価する方法、及び腫瘍細胞の増殖を阻害する化合物をスクリーニングする方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008104456A JP2008104456A (ja) | 2008-05-08 |
JP5283872B2 true JP5283872B2 (ja) | 2013-09-04 |
Family
ID=38918544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007224923A Expired - Fee Related JP5283872B2 (ja) | 2006-09-27 | 2007-08-30 | 腫瘍細胞に対する阻害剤の増殖抑制効果を評価する方法、及び腫瘍細胞の増殖を阻害する化合物をスクリーニングする方法 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20080090254A1 (ja) |
EP (1) | EP1905840B1 (ja) |
JP (1) | JP5283872B2 (ja) |
CN (1) | CN101157951B (ja) |
AT (1) | ATE492647T1 (ja) |
DE (1) | DE602007011367D1 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1840221A1 (en) * | 2006-03-31 | 2007-10-03 | Sysmex Corporation | Method for measuring kinase activity |
JP4989127B2 (ja) * | 2006-06-30 | 2012-08-01 | シスメックス株式会社 | チロシンキナーゼの活性測定方法及びチロシンキナーゼの基質 |
JP2009089672A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Sysmex Corp | がんの再発リスクの判定方法 |
CN104931317B (zh) * | 2015-06-11 | 2018-05-25 | 宁波美晶医疗技术有限公司 | 一种血液前处理液 |
JP2020162420A (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-08 | シスメックス株式会社 | サイクリン依存性キナーゼ4/6阻害剤の感受性を判定するための方法、試薬キット、装置及びコンピュータプログラム |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996018626A1 (en) | 1994-12-13 | 1996-06-20 | F. Hoffmann-La Roche Ag | Imidazole derivatives as protein kinase inhibitors in particular egf-r tyrosine kinase |
US6667173B2 (en) * | 2000-12-01 | 2003-12-23 | The Schepens Eye Research Institute | Nucleic acids encoding platelet derived growth factor-alpha receptors |
US20020187511A1 (en) | 2001-03-30 | 2002-12-12 | Gerald Birk | Process for label-free measurement of modified substrate |
KR100852167B1 (ko) * | 2002-03-08 | 2008-08-13 | 삼성전자주식회사 | 평판 표시 장치 |
KR100897508B1 (ko) * | 2002-11-20 | 2009-05-15 | 삼성전자주식회사 | 램프 구동 장치와, 이를 갖는 백라이트 어셈블리 및 액정표시 장치 |
WO2004062475A2 (en) * | 2003-01-10 | 2004-07-29 | Albert Einstein College Of Medicine Of Yeshiva University | Fluorescent assays for protein kinases |
DE602005024964D1 (de) * | 2004-05-31 | 2011-01-05 | Sysmex Corp | Verfahren zur beurteilung der malignität einer säuger-krebszelle |
JP2008029320A (ja) * | 2006-03-31 | 2008-02-14 | Sysmex Corp | キナーゼの活性測定方法 |
EP1840221A1 (en) | 2006-03-31 | 2007-10-03 | Sysmex Corporation | Method for measuring kinase activity |
JP4989127B2 (ja) * | 2006-06-30 | 2012-08-01 | シスメックス株式会社 | チロシンキナーゼの活性測定方法及びチロシンキナーゼの基質 |
JP2009089672A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Sysmex Corp | がんの再発リスクの判定方法 |
-
2007
- 2007-08-30 JP JP2007224923A patent/JP5283872B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2007-09-25 DE DE602007011367T patent/DE602007011367D1/de active Active
- 2007-09-25 AT AT07117132T patent/ATE492647T1/de not_active IP Right Cessation
- 2007-09-25 EP EP07117132A patent/EP1905840B1/en not_active Not-in-force
- 2007-09-26 CN CN2007101515378A patent/CN101157951B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2007-09-27 US US11/905,027 patent/US20080090254A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008104456A (ja) | 2008-05-08 |
US20080090254A1 (en) | 2008-04-17 |
ATE492647T1 (de) | 2011-01-15 |
EP1905840B1 (en) | 2010-12-22 |
DE602007011367D1 (de) | 2011-02-03 |
CN101157951B (zh) | 2012-02-29 |
EP1905840A1 (en) | 2008-04-02 |
CN101157951A (zh) | 2008-04-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Gingras et al. | Hierarchical phosphorylation of the translation inhibitor 4E-BP1 | |
CN101490557B (zh) | 用于鉴定与zap-70相互作用的分子和纯化zap-70的方法 | |
Rao et al. | Leveraging compound promiscuity to identify targetable cysteines within the kinome | |
JP5283872B2 (ja) | 腫瘍細胞に対する阻害剤の増殖抑制効果を評価する方法、及び腫瘍細胞の増殖を阻害する化合物をスクリーニングする方法 | |
Srinivasan et al. | Reciprocal regulation of Abl and receptor tyrosine kinases | |
US20110212475A1 (en) | Fluorescently Or Spin-Labeled Kinases For Rapid Screening And Identification Of Novel Kinase Inhibitor Scaffolds | |
US20120107836A1 (en) | Development of fluorescently p-loop labelled kinases for screening of inhibitors | |
US20070238141A1 (en) | Method for measuring kinase activity | |
US20090098582A1 (en) | Method for determining risk of cancer relapse and computer program product | |
JP2008029320A (ja) | キナーゼの活性測定方法 | |
US20080003630A1 (en) | Tyrosine kinse substrate | |
Joseph et al. | SH2-dependent autophosphorylation within the Tec family kinase Itk | |
EP2278025B1 (en) | Method for evaluation of degree of malignancy of tumor cell | |
CA3138090A1 (en) | Kinase screening assays | |
EP2400033B1 (en) | Method for determining sensitivity of tumor cells to tyrosine kinase inhibitor and computer program product | |
EP2600150B1 (en) | Method for determining sensitivity of tumor cells to dasatinib and computer program | |
JP2007000082A (ja) | キナーゼ活性測定方法及び試薬 | |
Wu et al. | Assaying Bcr-Abl kinase activity and inhibition in whole cell extracts by phosphorylation of substrates immobilized on agarose beads | |
Kim et al. | Erkitinib, a novel EGFR tyrosine kinase inhibitor screened using a ProteoChip system from a phytochemical library | |
Hochwald et al. | Phosphohistidine signaling promotes FAK-RB1 interaction and growth factor-independent proliferation of esophageal squamous cell carcinoma | |
US20170030914A1 (en) | Detection of elevated levels of phosphorylated mcm and method of increasing mcm phosphorylation capacity | |
Ankudey | Modular design of peptide-based kinase biosensors for studying cancer cell signaling |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100806 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20110812 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120925 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121126 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130430 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130529 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5283872 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |