以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。図1は本発明に係る実施の形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図である。なお、本実施の形態では、本発明の遊技機を所謂第1種特別電動役物のパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂第2種特別電動役物や所謂第3種特別電動役物のパチンコ機にも適用可能であることは勿論である。
本実施形態のパチンコ機1は、図1に示すように、発射ハンドル9の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤7の遊技領域7aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー17に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体2と、この筐体2に開閉可能に装着された前扉3とを有しており、前扉3の前面には、透明ガラス(図示せず)を有するガラス枠5が開閉可能に取り付けられている。透明ガラスの奥側には、遊技盤7が配置されている。前扉3における遊技盤7の左右上方には演出用照明装置23が配置されており、前扉3における遊技盤7の下方左部にはスピーカ(図示せず)を有する放音装置8が配置されている。また、ガラス枠5における右側部には、前扉3を筐体2側に施錠又は解放するための施錠装置4が配置されている。なお、筐体2及び前扉3等から遊技機本体が構成されている。
前扉3における遊技盤7の下方には上皿13が設けられており、上皿13における左上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口18が設けられ、上皿13における右上部壁面には、球貸ボタン14a及びプリペイドカード返却ボタン14bが設けられている。
また、前扉3における上皿13の下方には下皿15が配置されており、該下皿15の右部には、不図示の球発射装置を操作して遊技球を遊技領域7aに向けて打ち出すための発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿15には、上皿13からオーバーフローした遊技球が放出される球放出口19が形成されており、下皿15の左部には灰皿24が配置されている。なお、図1中の符号10は、発射ハンドル9の操作で発射された遊技球を遊技領域7aに導くガイドレールを示し、符号22はアウト口を示している。また、本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域7aにて入賞することなく落下してアウト口22に入り込んだ遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
遊技領域7aには、遊技球ステージSを有するセンター飾り(ユニット役物)12が中央部分に配設されている。センター飾り12の下部左方には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口29,30が配設されており、センター飾り12の下方には、始動チャッカー(入賞口)16と、アタッカー17とが順次配設されている。
センター飾り12は、後述する前枠体12aを遊技盤7の表側(前側)から装着した後、遊技盤7の裏側(後側)から後枠体12bを前枠体12aに位置合わせしつつ装着するように構成されるもので、その中央部分に開口11が形成され、かつ遊技盤7には、該開口11から露出するように図柄表示装置6が設けられている。始動チャッカー16は、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように、始動チャッカー開閉ソレノイド103(図14参照)によって作動させられる。なお、始動チャッカー16の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘59が打ち込まれている。
始動チャッカー16には、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われる。また、アタッカー17は、大当たり発生時に開放され、遊技盤7の遊技領域7aに打ち出されて転動落下する遊技球Baを入賞させる。アタッカー17は、大当たり発生中、1回の開放で10個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、10個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
更に遊技領域7aには、図柄表示装置6の左上方に風車115が配設されており、図柄表示装置6の下方における始動チャッカー16の左側には、スルーゲート61が配設されている。このスルーゲート61は、始動チャッカー16を開閉動作させるための抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
そして、遊技領域7aにおけるスルーゲート61、入賞口29,30及び始動チャッカー16等の周囲には、遊技球ステージSから零れた遊技球や、発射されてから遊技球ステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘54を含む多数の障害釘が打ち込まれている。
また、遊技球ステージSにおけるワープ導入口32の周囲及びその上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘を含む多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域7に打ち出された遊技球Baを始動チャッカー16等に、遊技球ステージSを介して入球させ又は遊技球ステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、本実施形態における「ワープ導入」という語句は、遊技領域7aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域7aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー16の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域7aにおいて始動チャッカー16左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー16方向に導く役割を担っている。
次に、センター飾り12について図2ないし図4を参照して説明する。なお、図2は当該パチンコ機に搭載されたセンター飾り(ユニット役物)を単体で示す斜視図、図3はセンター飾りを図2とは別の角度から見た状態で示す斜視図、図4はセンター飾りを示す正面図である。
すなわち、図2及び図4に示すように、センター飾り12は、遊技領域7aの前面及び背面から個別に組み付けられて一体になる一対の前枠体12a及び後枠体12b、つまり、開口11を中央部に有する略筒状の前枠体12a及び後枠体12bを備えており、前枠体12aの周囲には、その複数箇所から外方に張り出すようにブラケット部27が形成されている。各ブラケット部27には、前枠体12aを遊技盤7にその前側から埋め込んだ形でネジ止めするために表裏貫通した孔27aが形成されている。
後述するが、後枠体12bは、遊技盤7の前側に前枠体12aを装着した後に、遊技盤7の背面側から、前枠体12aに対して位置合わせした状態で、遊技盤7及び前枠体12aに対して固定される。この際、後枠体12bは、前枠体12aに対しては数本(例えば2本)のネジによって位置合わせ的に固定されるが、それ以上の本数(例えば8本)のネジによって遊技盤7の裏面に堅固に固定される。
センター飾り12は、開口11の左方に位置するワープ導入口32と、開口11の下方に位置する遊技球ステージSと、開口11の左方に位置する照明装置50と、開口11の右方に位置する演出作動装置39と、開口11の上方に位置する照明装置25と、照明装置25の更に上方に位置する照明装置40とを備えている。
前枠体12aの遊技球ステージSの下方前部には、ステージ面に設けられた球導入案内路42bに連通する球放出口53が形成されている。遊技球ステージS上に導入されて球導入案内路42bに導入された遊技球は、始動チャッカー16(図1参照)の直上方に位置する球放出口53から落下して、一対の障害釘59(図1参照)の間を通って始動チャッカー16にほぼ確実に(つまり、97〜99%の確率で)入賞するようになっている。
照明装置50は、半透明の外壁パネル50pの内部に配置された照明基板28(図7参照)に実装された複数個の不図示の発光ダイオード(LED)を有しており、これらLEDの発光駆動により、開口11から露出する図柄表示装置6や、遊技球ステージSを左方から照明するように構成されている。そして、外壁パネル50pにおける上部及び下部には、センター飾り12の左右方向にやや長く形成された略矩形状の透明パネル31(図1及び図4参照)の左方に突出する突起(図示せず)を係止するための凹部50a,50bが形成されている。これら凹部50a,50bに左端部を係止された透明パネル31は、その右端部を、演出作動装置39側にネジ止めされることで、遊技球ステージSの前側にて、図柄表示装置6のほぼ全域を覆うように配置される。このように配置された透明パネル31は、遊技球ステージS下方の道釘(図示せず)等で弾き返された遊技球が演出部材43側に飛び込む現象を確実に防止する。なお、図4中の符号31a,31bは夫々、透明パネル31の上縁部と照明装置25の外壁パネル25aとの間の隙間、及び透明パネル31の下縁部と湾曲面38との間の隙間を示している。
照明装置25は、センター飾り12の左右方向に流れる筋状の凹凸を有する半透明パネル25aを有し、かつ該半透明パネル25aの内方に配置された照明基板51(図7参照)に実装された複数個(本実施形態では9個)のLED51a(図7参照)を有しており、これらLEDの発光駆動により、図柄表示装置6や遊技球ステージSを上方から照明するように構成されている。
照明装置40は、楓等の木の葉を模写した半透明パネル40aと、この半透明パネル40aの間を縫うように曲がりくねった雲状に配置された雲状模様部40bとを有し、かつこれら半透明パネル40a及び雲状模様部40bの内方に配置された照明基板46(図7参照)に実装された複数個(本実施形態では17個)のLED46a(図7参照)を有しており、これらLED46aの発光駆動により、センター飾り12の上部を装飾照明するように構成されている。
センター飾り12の照明装置25の図中の右側には、大当たり抽選保留表示装置49と大当たり抽選結果を報知する特別図柄表示装置48とが互いに隣接して配置されている。大当たり抽選保留表示装置49は、複数個(本実施形態では4個)を図の左右方向(横方向)に配列した発光部47を点灯又は消灯させる発光駆動を行うことにより、大当たり抽選の複数回分(本実施形態では4回分)に対応する表示を行う(つまり、大当たり抽選の結果を表示する)ものである。特別図柄表示装置48は、大当たり抽選の結果を特別図柄で表示するものであり、例えば7セグメント表示装置によって構成される。上記発光部47はいずれも、時代劇中の忍者等が用いる手裏剣のクナイを模写した色付き半透明状のパネルと、該パネル内に配置された不図示の発光ダイオード(LED)とから構成される。
また、センター飾り12は、遊技球ステージSの略中央部に、ワープ導入口32と球放出口53との間に配置されて、ワープ導入口32から導入された遊技球の進路を振り分ける振り分け装置Dを備えている。振り分け装置Dは、ワープ導入口32から受け入れた遊技球Baの進路を3方向に振り分ける一次側振り分け部35、及び、該一次側振り分け部35によって振り分けられた遊技球Baを始動チャッカー16に高確率(ほぼ確実、即ち97〜99%の確率)で入賞させる第1案内路36aと低確率(2〜7%の確率)で入賞させる第2案内路36b,36cとに振り分ける二次側振り分け部36を有している。また振り分け装置Dは、遊技球ステージSの前端部に、上方に向けて突出するように形成された前壁部27bを有している。この前壁部27bには、球放出口53に対向する部位に切欠き27cが形成されている。
また、前壁部27bの背面側の遊技球ステージS上には、二次側振り分け部36を中央に位置させた形で全体的にステージSの左右幅方向にて湾曲する湾曲面38が形成されている。この湾曲面38は、球放出口53に対向し且つ切欠き27cに合致するように形成された最も低い第1湾曲面38bと、二次側振り分け部36の前側に位置して第1湾曲面38bから左右方向にそれぞれ高くなるように湾曲する第2湾曲面38aと、二次側振り分け部36の左右に位置して第2湾曲面38aより更に高くなるように湾曲する第3湾曲面38cとから構成される。
センター飾り12の開口11の下部には、ワープ導入口32から導入されて放出口33から放出される遊技球Baを遊技球ステージSの右方向に転動移動させる湾曲面34が形成されている。この湾曲面34は、遊技球ステージSの中央部分が最も低くなる形状を有するもので、この最も低い部分に上記一次側振り分け部35が配置されている。
一次側振り分け部35は、湾曲面34の中央部にて二次側振り分け装置36の第1案内路36aに対応する形で配置された第1案内路35aと、第1案内路35aの左右にて二次側振り分け装置36の第2案内路36b,36cに夫々対応する形で配置された第2案内路35b,35cとを有している。第1案内路35aの中央部には、放出口33から勢いよく放出されて湾曲面34上を転動移動して遊技球ステージSの右側で折り返して次第に勢いが弱まった遊技球Baを係合して第1案内路36a側に導くようにステージ前側にやや傾斜する案内溝gが形成されている。
二次側振り分け部36は、中央部(つまり球放出口53の真上)に、一次側振り分け部35から送られた遊技球を始動チャッカー16に向けて落下させて略100%(つまり、97〜99%の確率)の確率で入賞させる上記第1案内路36aを有し、該第1案内路36aの左右には、一次側振り分け部35から送られた遊技球を前壁部27bに向けて放出させる上記第2案内路36b,36cを有している。第1案内路36aと第2案内路36bとの間及び第1案内路36aと第2案内路36cとの間には、それぞれ導入面52a,52bが形成されている。
二次側振り分け部36は更に、導入面52a,52bに落下して該導入面52a,52bのステージ後方への傾斜に沿って転動する遊技球を球放出口53に導く連通孔42bと、該連通孔42bに向けて導入面52bからの遊技球を案内する案内面42aと、を有している。第1案内路36a及び第2案内路36b,36cは夫々、クナイの刃形状を模写して形成されている。第1案内路36aは、左右中央がステージSの前後方向に延在する溝状に形成されて、一次側振り分け部35側から送られる遊技球を、高い精度で始動チャッカー16に向けて落下させ得るように構成されている。なお、案内面42a、連通孔42b及び球放出口53によって第3案内路が構成されている。
また、遊技球ステージSの左右幅方向の右側に配置された演出作動装置(回動演出手段)39は、後述する第2演出制御手段108の制御で、日本刀を模った演出部材43を演出上の所定の契機で回動させ、該演出部材43の刃部43aを遊技球ステージ上に振り下ろす動作をさせるように構成されている。振り下ろされた演出部材43は、第2演出制御手段108の制御で、初期位置(図2ないし図4に示す直立位置)に復帰される。
つまり、演出作動装置39は、遊技球ステージSの左右幅方向の一側に、日本刀を模った演出部材43を演出上の所定の契機で、遊技球ステージSの上方に振り下ろすように回動軸90(図6参照)を中心として回動動作させるように構成される。また、演出部材43の動作に連動するように、回動軸63,102(図5,図10参照)を共通の回動軸として相対回動するように構成された前側円板部材41と後側円板部材44(図9参照)とが配置されている。これら前側円板部材41及び後側円板部材44は、演出部材43の回動演出時に、後側円板部材44の背面側に配置された基板111に実装された複数(例えば4個)のLED112(図10参照)によって適時照明される。これらLED112からの照明光は、後側円板部材44の背面側に配置されたディンプル113(図10参照)によって拡散されながら、後側円板部材44及び前側円板部材41を透過し、前側円板部材41及び後側円板部材44に夫々印刷等によって形成された模様(例えば「斬」や「忍」の文字、或いは「忍者の顔」)等を前面側(図4の手前側)に向けて浮き立たせる。
演出部材43は、刃部43a、鐔部43b及び柄部43cを直立状態にて上から順に有しており、刃部43aの最上部は、図9に示すように、開口11の上部の天井模様部89の背面側にてやや上方に突出する程度の部分で切断された形状を呈している。センター飾り12における演出作動装置39の右側前部には円形開口hが形成されており、この円形開口hから上記前側円板部材41が露出している。図2ないし図4に示すように(図5も併せて参照)、遊技球ステージSと演出作動装置39との間には、演出部材43の柄部43cの下部から遊技球ステージSに向かって上昇するように傾斜した傾斜壁部45が配置されている。この傾斜壁部45は、遊技球ステージS側から遊技球Baが演出部材43側に飛び込む現象を回避するために設けられている。
次に、図5ないし図10を参照して、演出作動装置39の詳細な構成について説明する。なお、図5は図4に示したセンター飾りを同図A-A線に沿って切断して矢視方向に見た状態で示す平面断面図、図6は図4に示したセンター飾りを後枠部の一部及び前カバーの一部を外した状態で示す正面図、図7は図6に示した状態から前枠体や前カバーを外した状態で示す正面図、図8は図7に示した状態から更に演出作動装置の前カバーを外した状態で示す正面図、図9は図8の状態の後枠体を水平方向にやや回動させた状態を示す斜視図、図10は前側円板部材及び後側円板部材のギヤ機構を示す側面図である。なお、図7ないし図9は、前枠体12a側に設けられた照明基板46を、後枠体12b側との相対位置を理解し易くするために、後枠体12b側の対応位置に仮想的に置いた状態で示している。
演出部材43は、センター飾り12の開口11の上方に若干寸法(例えば2〜3[cm])突出した直立状態(図6の実線で示す初期位置)から開口11の中央部に向かって回動して傾斜状態(図6の二点鎖線で示す最終位置)になるように配置された日本刀状に構成されている。傾斜壁部45の右部に配置された回動軸90は、センター飾り12の後枠体12bに後端部が固定されると共に、前端部近傍に同軸に回動自在に支持された回動部材72に対して固定されている。この回動部材72は、回動軸90からその長手方向に直線的に延在する長孔72aを有している。
演出部材43は、半透明状の色付きプラスチック材(透過性材料)を用いてモールド成形されたものであり、背面側に複数個(例えば6個)のLED109(図6参照)を有しており、それらLED109を発光させその投射光を演出部材43から透過させることによって、演出部材43の表面に印刷形成された図柄(つまり、日本刀の刃文等)を浮かび上がらせて演出表示するように構成される。
後枠体12bにおける演出部材43の右方には、刀回動モータMが固定されており、この刀回動モータMの駆動軸110(図10参照)から減速機構であるギヤ列114(図10参照)を介して回転が伝達される回転軸88には、その前端側からピニオンギヤ60,62が一軸状に固定されている。なお、当該「一軸状」とは、共通の回転軸88上にて軸方向距離を異ならせた形で順次配置された状態を意味している。
後枠体12bにおける演出部材43の右方には、図5、図9及び図10に示すように、前側円板部材41と後側円板部材44とが相対回動自在に配置されており、後側円板部材44の回動支軸(回動軸)102と、該回動支軸102の中心部分を軸方向に貫通する前側円板部材41の回動支軸(回動軸)63とが配置されている。回動支軸102の後端部には、後側円板部材44と一軸状に駆動ギヤ55が固定され、かつ駆動ギヤ55にはピニオンギヤ60が噛合している。回動支軸63の後端部には、前側円板部材41と一軸状に駆動ギヤ57が固定され、かつ駆動ギヤ57には伝達ギヤ58が噛合している。また、後枠体12bにおける駆動ギヤ55,57の下方には、伝達ギヤ58が、ピニオンギヤ62に噛合した状態で回動支軸73aによって軸支されている。伝達ギヤ58は、その前面の外周縁近傍に突起73bを有しており、この突起73bは上記回動部材72の長孔72aに摺動自在に嵌合している。
上記構成により、第2演出制御手段108(図15参照)の制御で刀回動モータMが駆動する際、ピニオンギヤ60,62を支持する回転軸88が図9の反時計回り方向(つまり、図10における矢印R1及びR2方向)に回転すると、伝達ギヤ58が時計回り方向(つまり、図10における矢印R3方向)に回転することで、回動部材72が図9の反時計回り方向に回動する。これにより、演出部材43が回動軸90を中心として反時計回り方向に回動して、センター飾り12の開口11の中央部分(つまり、遊技球ステージS上)に向かって振り下ろされる。これと同時に、前側円板部材41が駆動ギヤ57の回転により図9の反時計回り方向(つまり、図10における矢印R6及びR7方向)に回動させられ、かつ後側円板部材44が駆動ギヤ55の回転により図9の時計回り方向(つまり、図10における矢印R4及びR5方向)に回動させられて、前側円板部材41と後側円板部材44とが相対回動する。
前側円板部材41及び後側円板部材44には、演出部材43が回動前の初期位置(図9に示す状態)にある状態では、意味を為さない言葉や模様が第1の特定模様として設けられている。そして、それら前側円板部材41及び後側円板部材44は、演出部材43の回動に伴う相対回動に従って次第に意味が判明する図柄へと変位し、その回動動作の最終段階においては、第2の特定模様としての一定の意味を有する文字や絵柄が判明するように構成される。つまり、相対回動により、半透明な前側円板部材41に描かれた図柄と、後側円板部材44に描かれた図柄とが予め定められた所定角度だけ相対回動した結果、その時点で初めて意味の分かる図柄(文字や絵など)が現出する。このような文字としては例えば「斬」や「忍」、絵としては例えば「忍者の顔」が挙げられる。
また、演出部材43の回動動作では、大当たりに当選するか否かを判定する際の期待度の違いによって演出部材43の回動角が異なるように構成しており、ステージS上への演出部材43の回動角が大きいほど、大当たりが当選される見かけ上の確率である期待度(信頼度とも言う)が高くなるように構成されている。
次に、図4と、図4の背面側を示す図11とを参照して、センター飾り12の後枠体12bについて説明する。なお、図11はセンター飾りを背面側から見た状態で示す背面図である。
すなわち、後枠体12bは、図4の正面視において前枠体12aより全体的にひとまわり程度大きく形成されるもので、左右に張り出した張出し部64及びその上下部分には、複数のネジ挿入孔64aが穿設されている。これらのネジ挿入孔64aは、図11に示すように、後枠体12bを、先に遊技盤7の表側から装着した前枠体12aに対して位置合わせした状態で遊技盤7の裏面に堅固に固定するためのものである。図11における左右の張出し部64のやや開口11寄りに形成された2箇所のリブ部84には、略矩形状の後枠体12bのほぼ四隅に位置するように固定用突起67が、少なくとも図柄表示装置6の荷重を支え得る強度を有してそれぞれ突出形成されている。
更に、後枠体12bの上部縁部の左右には夫々、図2及び図3に示すようにハブ部110aが突出形成されており、それら一対のハブ部110aに対向する後枠体12bの上部縁部の左右には夫々、ハブ部110bが突出形成されている。それらハブ部110bには、後枠体12bを前枠体12aに対して不図示のビスで位置決め固定するためのネジ挿入孔86(図10参照)が夫々に貫通形成されている。ハブ部110a及びハブ部110bは、前枠体12a及び後枠体12bを互いに係合させて双方の相対位置を決定するべき前側係合部及び後側係合部を夫々に構成している。また、ネジ挿入孔86は、後枠体12b側に固定される図柄表示装置6の荷重を前枠体12a側にも担わせるようにするためのものではなく、単に後枠体12bと前枠体12aとを位置ずれさせないようにするためのものである。従って、後枠体12b側の図柄表示装置6の重量に起因する応力が前枠体12a側に作用することは殆ど無い。
ここで、パチンコ機1の背面側にセンター飾り12を装着した状態について、図12を参照して説明する。なお、同図は、本パチンコ機1の裏面をセンター飾り12を視認可能な状態にして示す背面図であり、装着したセンター飾り12の配置構造を理解し易くするため、センター飾り12の背面側に本来装備される図柄表示装置6やサブ基板105等は図示を省略している。
筐体2の裏面側には、前扉3よりもやや小型の方形枠状に形成された裏セット盤70が、前扉3の裏面に設けられた複数のレバーL…を利用して着脱可能にセット保持されている。裏セット盤70の各部には、遊技場内の遊技島(図示せず)に設置してある球貯留装置からの予備賞球を貯留する予備賞球貯留タンク68と、予備賞球貯留タンク68から供給された予備賞球を落下移動させつつ整列させるタンクレール69と、球圧を軽減して予備賞球を下方に流下させる整列待機通路74と、遊技盤7での入賞状態に応じてタンクレール69を通って予備賞球貯留タンク68から供給される予備賞球を賞球として皿ユニット13に払い出す球払出装置76と、球払出装置76から払い出された賞球を上皿13に導く賞球通路77と、各種制御装置や電子部品に電力を供給する電源ユニット78と、パチンコ機1の作動を統括的に制御する主基板92と、図柄表示装置6の裏側に位置して画像表示、効果音等の演出、及び効果ランプ等の表示制御を行うサブ基板105(図12では図示省略。図15を参照)と、球払出装置76を制御する払出制御装置80と、発射装置(図示せず)の発射強度や発射タイミングを制御する発射制御装置79と、外部端子板71とが、図示のように配設されている。
また、遊技中に遊技盤7において入賞することなく落下してアウト口22(図1参照)に入り込んだ遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。このアウト球通路に導かれたアウト球はパチンコ機背面に開口したアウト球排出口81から球回収空間に排出され、遊技島に設けられた回収通路上を転動して回収される。
図13はセンター飾り12の左側面図、図14はセンター飾り12の右側面図である。両図を参照すると、より容易に理解できるように、図12における筐体2(前扉3)の略中央部にて、ブラケット部27のネジ挿入孔27a(図4参照)にネジ(図示せず)をねじ込むことで遊技盤7表側に先に固定された前枠体12aに対し、後枠体12bを遊技盤7裏側から、ハブ部110aにハブ部110bを係合させて位置合わせしつつ、張出し部64のネジ挿入孔64aにネジ(図示せず)をねじ込むことで遊技盤7裏側に固定する(図11も併せて参照)。また、ネジ挿入孔86(図10参照)から不図示のネジが螺入されることにより、ハブ部110aとハブ部110bとが固定される。
このように、複数のネジ挿入孔64aを通して螺入したネジによって遊技盤7裏面に堅固に固定された後枠体12bには、ほぼ四隅に突出する固定用突起67に図柄表示装置6がその対応する箇所を固定され、その荷重がそれら固定用突起67を介して遊技盤7に担持され、これにより、図柄表示装置6が極めて安定した状態でパチンコ機1内に保持されることとなる。なお、図13及び図14における符号85は電気的接続ケーブルであるハーネスであり、符号65は、ハーネスを後枠体12bから外方に引き出すための切欠き部である。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図15に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
すなわち、本制御系は、主基板92と、この主基板92に接続されたサブ基板105とを備えている。主基板92は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。
主基板92は、入賞判定手段93、入賞信号出力手段94、第1抽選手段95、第2抽選手段96、遊技制御手段97、保留手段98、作動制御手段99、作動判定手段100、作動決定手段101及び期待度決定手段114を備えている。また主基板92には、始動チャッカー開閉ソレノイド103及びアタッカー開閉ソレノイド104が接続されている。
入賞判定手段93は、発射ハンドル9の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域7aに打ち出された遊技球が始動チャッカー16、入賞口29,30、アタッカー17等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
入賞信号出力手段94は、入賞判定手段93によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー16、入賞口29,30、アタッカー17等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
第1抽選手段95は、入賞信号出力手段94からの入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、及び上記特殊状態とならない通常当たりのうちの何れか一方に当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選を実行する。
第2抽選手段96は、第1抽選手段95での大当たり抽選で確変当たりに当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、確変当たりに対応する「111」、「333」や「777」等の図柄が図柄表示装置6の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターンコマンドを出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。第2抽選手段96はまた、第1抽選手段95での大当たり抽選で通常当たりが当選した場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、通常当たりに対応する「222」、「444」や「888」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、この変動パターンコマンドを出力する。第2抽選手段96は更に、第1抽選手段95での大当たり抽選で外れた場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「252」、「464」や「838」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、この変動パターンコマンドを出力する。
遊技制御手段97は、予め設定された演出データに応じて、放音装置8、演出用照明装置23、照明装置25,40,50に放音、発光の演出をさせるべき演出内容に関する信号を、制御コマンドと共にサブ基板105の第1演出制御手段106に送信する。また、遊技制御手段97は、予め設定された演出データや、第1抽選手段95、第2抽選手段96での抽選結果に応じて、図柄表示装置6に表示すべき演出内容に関する信号を、制御コマンドと共にサブ基板105の表示制御手段107に送信する。
更に、遊技制御手段97は、後述する保留手段98の保留内容(保留データ)及び後述する期待度決定手段114の期待度データを参照し、例えば、図柄表示装置6上で大当たり図柄が最終的に揃うような(結果的に揃わない場合も含む)熱い演出が行われる際を契機(所定の契機)として、予め設定されている演出データに従い、その旨の信号を制御コマンドと共にサブ基板105の第2演出制御手段108に送信する。第2演出制御手段108は、これに応答して、演出作動装置39に、日本刀形状の演出部材43の刃部43aを遊技球ステージ上に振り下ろす動作をさせたり、この演出部材43を遊技球ステージS上から初期位置(直立位置)に復帰させたり、これら動作にタイミングを合わせて前側円板部材41及び後側円板部材44を背面側から照明させたりする演出に関する信号を、制御コマンドと共にサブ基板105の第2演出制御手段108に送信する。
保留手段98は、第2抽選手段96から出力された変動パターンコマンドを入力し、始動チャッカー16への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球(保留データ)として順次記憶する。当該記憶状況は、図柄表示装置6に備えた保留球表示部(図示せず)に、例えば最大4個の保留球として点灯表示される。保留手段98は、例えば保留球数Hが0<H<5であるか否かを常時判定し、保留球数Hが4個表示されている間は、始動チャッカー16への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
そして保留手段98は、保留(記憶)している変動パターンコマンドを順次出力し、この出力した変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを出力しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターンコマンドの出力に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段98は、保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、第1抽選手段95で行われる始動チャッカー16への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
また、保留手段36は、後述する期待度決定手段55によって決定される、大当たりが当選される見かけ上の確率である期待度(期待度データ)を受信し、上記保留データ毎に対応するように夫々記憶する。
作動制御手段99は、作動決定手段101の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド103に駆動信号を送って該ソレノイド103を作動させて始動チャッカー16を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段99は、アタッカー開閉ソレノイド104に駆動信号を送って該ソレノイド104を作動させ、第1抽選手段95での抽選による大当たり発生時にアタッカー17を開放して所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返すように制御する。
作動判定手段100は、始動チャッカー開閉ソレノイド103及びアタッカー開閉ソレノイド104を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド103にあって、始動チャッカー16の開閉の「条件を満たす」時とは、主基板92において第1抽選手段95の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド104にあって、アタッカー17の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー17の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時における全ての入賞を完了した場合である。
作動決定手段101は、作動判定手段100からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド103、アタッカー開閉ソレノイド104の作動開始を夫々に決定する。
期待度決定手段114は、第1抽選手段95での大当たり抽選の結果とは別に、予めテーブルデータとして用意された期待度乱数から抽選によって、大当たりが当選される見かけ上の確率、つまり期待度を、10%、20%、・・・80%、90%等のような数値として決定する。期待度決定手段114は、期待度乱数からの抽選を行うか否かを、始動チャッカー16への入賞後に別途行う抽選によって決める。
始動チャッカー開閉ソレノイド103は、作動制御手段99から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、始動チャッカー16を開閉動作させる。
アタッカー開閉ソレノイド104は、作動制御手段99から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、アタッカー17を開閉動作させる。
一方、サブ基板105は、第1演出制御手段106、第2演出制御手段108及び表示制御手段107を有しており、サブ基板105には、放音装置8、演出用照明装置23、照明装置25,40,50、図柄表示装置6、及び刀回動モータMが接続されている。
第1演出制御手段106は、遊技制御手段97から送信された演出内容に関する信号に従って、放音装置8を適時放音駆動し、演出用照明装置23、照明装置25,40,50を適時発光駆動し、遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。
第2演出制御手段108は、遊技制御手段97から送信された演出内容及び期待度データに関する信号に従って、演出作動装置39の刀回動モータMを駆動させて、日本刀形状の演出部材43の刃部43aを遊技球ステージS上に振り下ろす動作をさせ、更に該動作にタイミングを合わせて前側円板部材41及び後側円板部材44を背面側から照明させるようにLED112(図10参照)を発光させ、演出部材43の刃部43aを背面側から照明させるようにLED109(図6参照)を発光させ、遊技者の視覚に訴える演出を行う。また、第2演出制御手段108は、振り下ろされた演出部材43を遊技球ステージS上から初期位置(直立位置)に復帰させる動作もさせる。
表示制御手段107は、遊技制御手段97から送信された演出内容に関する信号に従って図柄表示装置6を適時駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
放音装置8、演出用照明装置23、照明装置25,40,50、及び図柄表示装置6は、上述したように各制御に応答して音、光等の発生や、図柄等の表示により、通常時の演出や大当たり時における特別な演出等を行う。
刀回動モータMは、第2演出制御手段108による制御に応答して駆動し、ピニオンギヤ60,62を回転させ、伝達ギヤ58を介して演出部材43を遊技球ステージS上に回動させ、駆動ギヤ57と共に前側円板部材41を図9の反時計回り方向に回動させ、かつ駆動ギヤ55と共に後側円板部材44を図9の時計回り方向に回動させる。これにより、演出作動装置39は、刃部43aを図柄表示装置6の前方に振り下ろすと共に、前側円板部材41と後側円板部材44とを相対回動させ、意味のある図柄を遊技者に対して次第に認識できる形に見せるように作動する。
次に、本パチンコ機1による作用について、図16のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル9を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、発射装置(図示せず)の作動によって遊技球が所定の時間間隔で遊技領域7aに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域7aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー16や入賞口29,30に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域7a最下部のアウト口22から遊技盤7背面側に排出される。
つまり、遊技領域7aに向けて打ち出された多数の遊技球は、その一部がワープ導入口32から導入される。ワープ導入口32から導入された遊技球は、放出口33から湾曲面34に放出され、放出時の勢いで、一次側振り分け部35の第1案内路35a、第2案内路35b,35c上を一旦通過して、遊技球ステージSの左端まで至り、湾曲面34の傾斜により一次側振り分け部35側に向けて戻る。その際の摩擦抵抗等に起因して、遊技球の転動速度は弱まり、第1案内路35a、第2案内路35b,35cの何れかに取り込まれた後、落下することとなる。
第1案内路35aに取り込まれた場合、遊技球は、案内溝gに沿って、二次側振り分け部36の第1案内路36aに向けて落下し、該第1案内路36aに沿って始動チャッカー16に向けて落下し、始動チャッカー16に高確率で入賞する。しかしこの際、障害釘59への当接状況によっては、始動チャッカー16に入賞できないこともある。
一方、湾曲面34上で転動する遊技球が、第2案内路35b又は35cに取り込まれた場合、遊技球は、第2案内路35b又は35c上で左右にやや転がり移動しつつ第2案内路36b又は36cに向けて落下する。その際、第2案内路36b又は36cに落下すると、その遊技球は、更に湾曲面38に落下して第2湾曲面38aから第1湾曲面38bに向けて転動し、前壁部27bの切欠き27cから落下する。このとき、遊技球は始動チャッカー16側に落下することになるが、その際の始動チャッカー16への入賞確率は、第1案内路36aや球放出口53から落下する場合に比して大分低くなる。
また、第2案内路35b又は35cに取り込まれた遊技球が、第2案内路35b又は35c上で左右にやや転がり移動しつつ導入面52a又は52bに落下した場合、その遊技球は、導入面52a又は52bのステージ後方への傾斜に沿って転動し連通孔42bから球放出口53に導かれて、始動チャッカー16に向けて落下し、始動チャッカー16に高確率で入賞する。しかしこの際、上述したように、障害釘59への当接状況によっては入賞できないこともある。
なお、上記湾曲面38bから落下する遊技球は、その落下方向が、始動チャッカー16上の一対の障害釘59の間を通過して入球し得る方向と異なる場合であっても、当該障害釘59の左右に打ち込まれた不図示の所謂ジャンプ釘や、当該ジャンプ釘から左右方向に配列された道釘(図示せず)で弾かれることにより、所謂命釘である障害釘59に絡んでその間を落下して始動チャッカー16に入球することもある。
ところで、上述したように始動チャッカー16や入賞口29,30の何れかに遊技球Baが入賞した場合、入賞判定手段93が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段94が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段98は、保留球Hが0<H<5であるか否かを常時判定しており、0<H<5を満たすと判定したときには、保留している変動パターンコマンドを、遊技制御手段97を介して表示制御手段107に順次送信し、図柄変動禁止フラグをオンすると共に、図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段98は、当該保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、第1抽選手段95で行われる始動チャッカー16への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
そして、大当たり抽選で当選した場合(ステップS3)、第1抽選手段95が当たりフラグをオンすると、第2抽選手段96が、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりに対応する変動パターンを決定する。
これにより、ステップS4において、図柄表示装置6に表示されるべき当たり図柄がセットされ、第2抽選手段96は、その旨の変動パターンコマンドを出力すると共に、当該変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、図柄表示装置6に表示される外れ図柄がセットされ、第2抽選手段96は、その旨の変動パターンコマンドを出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
以上のようにして、遊技制御手段97が、図柄表示装置6に表示すべき演出内容に関する信号を制御コマンドと共にサブ基板105の表示制御手段107に送信することに基づき、表示制御手段107が、図柄表示装置6を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
上述したような図柄表示装置6による変動パターンの演出表示時において、スーパーリーチに発展した場合、又は期待度決定手段114によって大当たり当選の期待度が抽選されて決定された場合には、遊技制御手段97は、演出作動装置39を作動させるための信号を第2演出制御手段108へと送信する。このとき、第2演出制御手段108は、遊技制御手段97から送信された所定の演出内容に関する信号又は期待度に関する信号に従って、演出作動装置39の刀回動モータMを駆動させ、演出部材43の刃部43aを遊技球ステージ上に振り下ろす動作をさせると共に、それにタイミングを合わせて前側円板部材41及び後側円板部材44を背面側から照明させるようにLED112(図10参照)を発光させ、演出部材43の刃部43aを背面側から照明させるようにLED109(図6参照)を発光させ、遊技者の視覚に訴える演出を行う。
この演出は、その時点で決定されている期待度データに応じて、以下のような場合分けがなされて行われる。まず、期待度が70%未満であって、期待度がそれ程高くない演出表示の場合には、第2演出制御手段108は、演出部材43の刃部43aが回動軸90を中心として反時計回りに20度の角度だけ傾くように刀回動モータMを回転駆動させる。そして、第2演出制御手段108は、この際の傾きを長くは継続させず、1〜2秒後には演出部材43を元の直立位置に復帰させる。従って、この回動角度にあっては、演出部材43と共に回動する前側円板部材41及び後側円板部材44は、夫々に形成された模様がまだ十分に意味をなさない状態で停止し、再び元の意味をなさない第1の特定模様の状態へと戻る。このような微妙な演出動作は、遊技者に対して一瞬の期待感を与えつつも期待度がそれ程高くないことを認識させる。
また、大当たり当選の期待度が70%以上の高い場合、或いは、スーパーリーチへ発展させるような場合、の演出表示にあっては、第2演出制御手段108は、演出部材43の刃部43aが回動軸90を中心として反時計回りに最大値となる45度の角度傾くように刀回動モータMを回転駆動させる。これにより、演出部材43が、図柄表示装置6の前側中央部に割り込み、遊技者の視線をわざと遮ることで通常と異なる雰囲気を表出し、期待感を煽ることができる。更に、演出部材43を45度傾くように刀回動モータMを回転駆動させた際には、前側円板部材41及び後側円板部材44の相対回動によって表示される模様が完全に組み合わさることで例えば「斬」という文字が構成され、第2の特定模様が呈された状態となる。この「斬」という文字は、日本刀状の演出部材43が振り下ろされることと関連され、遊技者に対しインパクトをもって報知される。このように、日本刀状の演出部材43が振り下ろされる動作(いわゆる斬る動作)と、前側円板部材41及び後側円板部材44による「斬」という文字表示との演出動作が相俟って、通常時と異なる緊張感や期待感を醸し出し、遊技者に対して印象的な演出動作を提供することができるようになる。
なお、上記した演出に加えて、期待度を数値毎により細かく段階分けし、これに応じた演出部材43の刃部43aが回動する角度を段階的に分けるようにしてもよい。このようにすることで、演出部材43が回動動作する際の回転角が最大値の45°に近くなるほど日本刀状の演出部材43の動作による迫力を増すことができる。
また、上記したように、期待度を数値毎により細かく段階分けした際に、前側円板部材41及び後側円板部材44の相対回動によって表示される模様も段階的に変位させるようにしてもよい。例えば、10画で構成される漢字を1画毎に分割し、期待度が1段階上がる毎に前側円板部材41及び後側円板部材44が相対回動して1画ずつ文字が形成されるようすることで、最高の期待度となる10段階目で最終的な漢字として構成されるようにすることができる。これにより、期待度の大きさを一層段階的に遊技者に認識させることができるようになる。
そして、図柄表示装置6の画面上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、作動制御手段99は、作動決定手段101の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド104に駆動信号を送り、当該ソレノイド104を作動させてアタッカー17を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返させる。これにより、アタッカー17に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口18から上皿13に払い出されることとなる(ステップS6)。
以上説明した本実施形態によると、遊技球ステージSの左右幅方向の一側に、演出部材43を演出上の所定の契機で、遊技球ステージS上に振り下ろすように回動動作させる演出作動装置39を備え、演出作動装置39は、演出部材43の背面に複数の不図示のLEDを有し、かつ演出部材43が透過性材料にて形成されてなり、複数のLEDの投射光を演出部材43に透過させることによって該演出部材43の表面に備えた模様を浮き立たせて演出表示するように構成したので、日本刀状の演出部材43がステージS上に振り下ろされると共に、この演出部材43が回動動作することによって該演出部材43に備えた模様等の発光演出がなされることにより、遊技者の注目を引く装飾性の高い演出表示を実現することができるようになる。
また、演出作動装置39による機械的な動作を、遊技者の注目が集まりがちな図柄表示装置6の手前側に割り込ませることによって、遊技球ステージS上の遊技球Baと演出部材43とが同時に遊技者の視界に入り、演出動作の相乗効果を生じさせることによって、遊技者に対してより一層印象的な演出表示を提供することができる。また、回動軸90を中心として日本刀状の演出部材43を回動動作させるので、遊技者に対し、日本刀本来の動きに忠実で、よりリアルな演出動作を提供することができ、興趣の向上に貢献することができるようになる。
また、演出部材43の回動支軸63,102には、該回動支軸63,102を共通の回動軸として相対回動するように構成された前側円板部材41と後側円板部材44とが配置され、前側円板部材41及び後側円板部材44は、演出部材43が回動前の初期位置にある際には意味をなさない第1の特定模様を呈し、かつそれら前側円板部材41及び後側円板部材44のうち少なくとも一方が演出部材43の回動支軸63,102を中心として相対回動した際には、該回動による最終位置にて意味をなす第2の特定模様が呈されるように構成されてなるので、機械的な部材を回動動作させることにより、その部材に形成されたある模様が別の模様や文字等へと変形してゆくような、一連の変化を楽しませる効果を醸し出させることができるようになる。更に、従来においては、図柄表示装置上での動画像でしか、このような模様等の変化の過程を演出表示させることは難しかったが、本発明により、機械的な部材を用いて全く新奇な演出として表示させることができるようになる。
また、始動チャッカー16への入賞を契機とした大当たり抽選時にあって、該抽選に当選するか否かを判定する際の期待度を、演出部材43の回動軸90を中心とした回動角の違いで表してなるので、回動動作する際の回転角が最大値に近くなるほど模様の意味が明瞭になる、すなわち模様の意味の明瞭さによって期待度の大きさを表すことができるようになるという、従来に無い新奇な演出を遊技者に提供することにより、遊技性及び装飾性の向上に貢献することができるようになる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。