JP4782725B2 - 合焦装置および方法並びにプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、デジタルカメラ等の撮影装置において、合焦する処理を行う合焦装置および方法並びに合焦方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
ポートレート撮影等、人物の撮影を行う場合において、鼻や頬等の輪郭にピントが合っていても、目にピントが合っていなければ、撮影により取得した画像はピンぼけの印象を与えてしまう。このため、人物の撮影を行う場合には、ピントは目に合わせるのが基本とされている。このように目にピントを合わせるために、撮影しようとする画像から人物の顔を検出するとともに目を検出し、検出した目に合焦する機能を備えた撮影装置が提案されている(特許文献1〜3参照)。また、近年、撮影しようとする画像から顔を検出し、検出した顔が適切に撮影されるようにした撮影装置が提案されているが、このような顔を検出する撮影装置において、検出した顔を用いてさらに目を検出し、目に合焦する手法も提案されている(特許文献4参照)。
特開2001−215403号公報 特開2002−6203号公報 特開2003−107335号公報 特開2005−128156号公報
しかしながら、上述した特許文献1〜4に記載された撮影装置においては、顔を検出した後に必ず目を検出しているため、合焦処理に長時間を要し、さらに合焦処理のための消費電力が大きいという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、とくに人物の撮影を行う場合において、効率よく合焦処理を行うことを目的とする。
本発明による合焦装置は、撮影により取得した画像に含まれる人物の顔を検出する顔検出手段と、
前記画像に含まれる人物の目を検出する目検出手段と、
前記検出した顔の位置における被写界深度を表す評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値に応じて、少なくとも前記検出した顔に合焦するか、前記目検出手段により前記人物の目を検出し、該検出した目に合焦するかを切り替えて合焦処理を行う合焦手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、「少なくとも」とは、顔または目に合焦する場合のみならず、例えば頭および鼻等のように、人物の顔または目以外の他の部分にも、顔または目と併せて合焦する場合があることをも含むことを意味する。
なお、本発明による合焦装置においては、前記顔の向きを判定する顔向き判定手段をさらに備えるものとし、
前記合焦手段を、前記目を検出する場合に、合焦する目を前記顔の向きに応じて決定する手段としてもよい。
また、本発明による合焦装置においては、前記顔の向きを判定する顔向き判定手段をさらに備えるものとし、
前記目検出手段を、前記目を検出する場合に、前記顔の向きに応じて前記目を検出する範囲を設定し、該設定した範囲内において前記目の検出を行う手段としてもよい。
また、本発明による合焦装置においては、前記評価値算出手段を、前記撮影手段を構成するレンズの焦点距離、絞り値、合焦位置までの距離、および前記顔の大きさの情報のうちの少なくとも1つに基づいて前記評価値を算出する手段としてもよい。
また、本発明による合焦装置においては、前記顔検出手段を、前記検出した顔が複数ある場合、前記合焦する1つの顔を決定する手段としてもよい。
本発明による合焦方法は、撮影により取得した画像に含まれる人物の顔を検出し、
前記検出した顔の位置における被写界深度を表す評価値を算出し、
前記評価値に応じて、少なくとも前記検出した顔に合焦するか、前記人物の目を検出し、該検出した目に合焦するかを切り替えて合焦処理を行うことを特徴とするものである。
なお、本発明による合焦方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
被写界深度が浅い場合には、目にピントが合っていないと画像がぼけた印象となる。逆に被写界深度が深い場合には、目にピントが合っていなくても顔にのみピントが合っていれば画像がぼけた印象とはならない。
本発明によれば、検出した顔の位置における被写界深度を表す評価値を算出し、評価値に応じて、少なくとも検出した顔に合焦するか、または目を検出し、検出した目に合焦するかを切り替えるようにしたものである。このため、被写界深度が浅い場合にのみ、目を検出して目に合焦する処理を行えばよいため、上記特許文献1〜4に記載されたように顔検出および目検出の双方を常時行うことなく、合焦処理を行うことができる。したがって、被写界深度が深く、目検出を行わない場合には、合焦のための処理時間を短縮できるとともに、消費電力を低減することができる。
また、検出された顔の向きを判定し、顔の向きに応じて合焦する目を決定することにより、とくに顔が若干横を向いた状態にあって2つの目が検出された場合に、より合焦に適した目に合焦することができるため、ぼけた印象のない画像を取得することができる。
また、検出された顔の向きを判定し、顔の向きに応じて目を検出する範囲を設定することにより、とくに顔が横を向いている場合に目の検出を効率よく行うことができるため、合焦のための処理時間をより短縮することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態による合焦装置を適用したデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように第1の実施形態によるデジタルカメラ1は、動作モードスイッチ、ズームレバー、上下左右ボタン、レリーズボタンおよび電源スイッチ等の操作系2と、操作系2の操作内容をCPU40に伝えるためのインターフェース部分である操作系制御部3とを有している。
撮像系6としては、撮影レンズ10を構成するフォーカスレンズ10aおよびズームレンズ10bを有している。各々のレンズは、モータとモータドライバとからなるフォーカスレンズ駆動部11およびズームレンズ駆動部12によって光軸方向に移動可能である。フォーカスレンズ駆動部11はAF処理部30から出力されるフォーカス駆動量データに基づいて、ズームレンズ駆動部12はズームレバーの操作量データに基づいて、各々のレンズの移動を制御する。
また、絞り14は、モータとモータドライバとからなる絞り駆動部15によって駆動される。この絞り駆動部15は、AE/AWB処理部31から出力される絞り値データに基づいて絞り径の調整を行う。
シャッタ16は、メカニカルシャッタであり、モータとモータドライバとからなるシャッタ駆動部17によって駆動される。シャッタ駆動部17は、レリーズボタンの押下により発生する信号と、AE/AWB処理部31から出力されるシャッタスピードデータとに応じて、シャッタ16の開閉の制御を行う。
光学系の後方には撮像素子であるCCD18を有している。CCD18は、多数の受光素子を2次元的に配列した光電面を有しており、光学系を通過した被写体光がこの光電面に結像し、光電変換される。光電面の前方には、各画素に光を集光するためのマイクロレンズアレイと、R,G,B各色のフィルタが規則的に配列されたカラーフィルタアレイとが配置されている。CCD18は、CCD制御部19から供給される垂直転送クロックおよび水平転送クロックに同期して、画素毎に蓄積された電荷を1ラインずつシリアルなアナログ撮影信号として出力する。各画素において電荷を蓄積する時間、すなわち、露光時間は、CCD制御部19から与えられる電子シャッタ駆動信号によって決定される。また、CCD18はCCD制御部19により、あらかじめ定められた大きさのアナログ撮像信号が得られるようにゲインが調整されている。
CCD18から取り込まれたアナログ撮影信号は、アナログ信号処理部20に入力される。アナログ信号処理部20は、アナログ信号のノイズを除去する相関2重サンプリング回路(CDS)と、アナログ信号のゲインを調節するオートゲインコントローラ(AGC)と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ(ADC)とからなる。なお、アナログ信号処理部20が行う処理をアナログ信号処理とする。このデジタル信号に変換された画像データは、画素毎にR,G,Bの濃度値を持つCCD−RAWデータである。
タイミングジェネレータ21は、タイミング信号を発生させるものであり、このタイミング信号をシャッタ駆動部17、CCD制御部19、およびアナログ信号処理部20に供給することにより、レリーズボタンの操作、シャッタ16の開閉、CCD18の電荷の取込み、およびアナログ信号処理部20の処理の同期をとっている。
フラッシュ制御部23は、撮影時にフラッシュ24を発光させる。
画像入力コントローラ25は、アナログ信号処理部20から入力されたCCD−RAWデータをフレームメモリ26に書き込む。
フレームメモリ26は、画像データに対して後述の各種画像処理(信号処理)を行う際に使用する作業用メモリであり、例えば、一定周期のバスクロック信号に同期してデータ転送を行うSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が使用される。
表示制御部27は、フレームメモリ26に格納された画像データをスルー画像としてモニタ28に表示させたり、再生モード時に記録メディア35に保存されている画像データをモニタ28に表示させたりするためのものである。なお、スルー画像は、撮影モードが選択されている間、所定時間間隔でCCD18により連続して撮影される。
AF処理部30およびAE/AWB処理部31は、プレ画像に基づいて撮影条件を決定する。このプレ画像とは、レリーズボタンが半押しされることによって発生する半押し信号を検出したCPU40がCCD18にプレ撮影を実行させた結果、フレームメモリ26に格納された画像データにより表される画像である。
AF処理部30は、プレ画像に基づいてAF処理を行う。具体的には、スルー画像から検出した顔または目の位置および大きさに基づいてプレ画像にフォーカス枠を設定し、フォーカスレンズ10aを最至近から無限遠まで徐々に移動させつつ、フォーカス枠について求めた高周波信号の加算値であるフォーカス信号を算出する。そして、それを与えるフォーカスレンズのステップ位置をフォーカス枠のフォーカス位置とする。なお、フォーカス枠が複数設定された場合には、各フォーカス枠それぞれについてフォーカス信号の値が一番大きいものを求め、それを与えるフォーカスレンズのステップ位置を各フォーカス枠のフォーカス位置とする。そして、そのフォーカス位置において合焦するようにフォーカスレンズ10aを移動するためのフォーカス駆動量データを出力する。ここで、本実施形態においては、フォーカス枠を設定した以降の処理をフォーカス処理と称するものとする。
AE/AWB処理部31は、プレ画像に基づいて被写体輝度を測定し、測定した被写体輝度に基づいてISO感度、絞り値およびシャッタスピード等を決定し、ISO感度データ、絞り値データおよびシャッタスピードデータを露出設定値として決定するとともに(AE処理)、撮影時のホワイトバランスを自動調整する(AWB処理)。
画像処理部32は、本画像の画像データに対して、階調補正、シャープネス補正、色補正等の画質補正処理、およびCCD−RAWデータを輝度信号であるYデータと、青色色差信号であるCbデータおよび赤色色差信号であるCrデータとからなるYCデータに変換するYC処理を行う。この本画像とは、レリーズボタンが全押しされることによって実行される本撮影によりCCD18から取り込まれ、アナログ信号処理部20、画像入力コントローラ25経由でフレームメモリ26に格納された画像データによる画像である。
圧縮/伸長処理部33は、画像処理部32によって補正・変換処理が行われた本画像の画像データに対して、例えば、JPEG等の圧縮形式で圧縮処理を行い、画像ファイルを生成する。この画像ファイルには、Exifフォーマット等に基づいて、撮影日時等の付帯情報が格納されたタグが付加される。
メディア制御部34は、記録メディア35にアクセスして画像ファイルの書き込みと読み込みの制御を行う。
内部メモリ36は、デジタルカメラ1において設定される各種定数、およびCPU40が実行するプログラム等を記憶する。
顔検出部37は、スルー画像から人物の顔を検出する。なお、必要な場合にはプレ画像および本画像からも人物の顔を検出する。
目検出部38は、顔検出部37が検出した顔から目を検出する。
評価値算出部39は、被写界深度の評価値を算出する。
なお、顔検出部37、目検出部38および評価値算出部39のAF処理時の動作については後述する。
CPU40は、操作系2およびAF処理部30等の各種処理部からの信号に応じてデジタルカメラ1の本体各部を制御する。また、CPU40は、スルー画像から顔領域を検出するよう顔検出部37を制御する。また、AF処理を行うよう、顔検出部37、目検出部38、評価値算出部39およびAF処理部30を制御する。
次いで、第1の実施形態において行われる処理について説明する。図2は第1の実施形態において行われるAF処理のフローチャートである。デジタルカメラ1の電源がオンとされてスルー画像が取得されることによりCPU40が処理を開始し、顔検出部37がスルー画像から顔を検出する(ステップST1)。顔の検出結果は、検出した顔の大きさおよび位置の情報を含む。また、顔が検出されなかった場合には、検出結果は顔がない旨を表す情報となる。なお、顔検出部37は、スルー画像に含まれるすべての顔を検出する。
ここで、顔を検出する手法としては、あるサイズを有する検出枠を画像上少しずつ移動させ、移動した位置毎に検出枠内の画像から特徴量を算出し、あらかじめ定められていた顔特徴量とのマッチング度を算出し、マッチング度がしきい値Th0以上となる検出枠の位置を顔として検出する手法を用いる。なお、検出枠の大きさを変更することにより異なる大きさの顔の検出が可能となる。
これにより、図3に示すようにスルー画像から矩形の検出枠により囲まれる顔領域F1〜F3を検出することができる。なお、検出枠がプレ画像を用いてフォーカス処理を行う際のフォーカス枠となる。
なお、顔を検出する手法はこれに限定されるものではなく、例えば画像における肌色を有しかつ顔の輪郭形状を囲む矩形の領域を顔として検出する手法、顔の輪郭形状をなす領域を顔として検出する手法等、任意の手法を用いることができる。
次いで、CPU40がレリーズボタンが半押しされたか否かを判定し(ステップST2)、ステップST2が否定されるとステップST1に戻る。これにより、スルー画像から繰り返し顔が検出される。ステップST2が肯定されると、顔が検出されたか否かを判定し(ステップST3)、ステップST3が否定されると、AF処理部30が、レリーズボタンが半押しされたことにより取得されるプレ画像を用いて、画角の中央に合焦するように、画角の中央にフォーカス枠を設定してフォーカス処理を行う(ステップST4)。ステップST3が肯定されると、検出した顔が複数あるか否かを判定する(ステップST5)。
ステップST4が肯定されると、合焦する1つの顔を選択する(ステップST6)。具体的には、最もサイズが大きい顔および画像の中心に最も近い顔を合焦する顔として選択する。これにより、図3に示す顔領域F2が選択される。また、顔検出を行った際のマッチング度が最も大きい顔を選択するようにしてもよい。次いで、AF処理部30が、選択した顔の画角に占める割合から、デジタルカメラ1と選択した顔との距離Lを算出する(ステップST7)。なお、ステップST5が否定されるとステップST7に進む。
ここで、人物の顔の大きさは人によりそれほど大きく変動するものではないため、画角に占める顔の割合は、人物によらず略一定の割合でデジタルカメラ1からの距離に応じて変化する。したがって、被写体までの距離Lは、検出された顔の画像の全体に占める割合に基づいて算出すればよい。なお、顔検出前にAF処理を一旦行う設定となっている場合には、その際に算出したレンズ駆動量データに基づいて、被写体までの距離Lを算出すればよい。
次いで、評価値算出部39が、顔検出部37が検出した顔の位置における被写界深度を表す評価値を下記の式(1)により算出する(ステップST8)。
DOF=δFL2/(f2-δFL)-δFL2/(f2+δFL) (1)
式(1)において、DOFは被写界深度、Fは絞り値、fはレンズの焦点距離、δは許容錯乱円半径である。ここで、絞り値、レンズの焦点距離および許容錯乱円半径は、デジタルカメラ1に固有の値であり、内部メモリ36にこれらの値を記憶しておき、評価値算出の際に用いればよい。
なお、ここでは、被写界深度DOFそのものの値を被写界深度を表す評価値として算出しているが、被写界深度DOFを表す値であれば、これに限定されるものではない。
そして、AF処理部30が、被写界深度を表す評価値があらかじめ定められたしきい値Th1以下であるか否かを判定する(ステップST9)。なお、しきい値Th1としては例えば3cmとすればよい。ステップST9が否定されると、AF処理部30は、ステップST5において選択した顔に合焦するようにフォーカス処理を行う(ステップST10)。具体的には、図3に示す顔領域F2をフォーカス枠としてフォーカス処理を行う。
一方、ステップST9が肯定されると、目検出部38が、ステップST6において選択した顔に含まれる目を検出する(ステップST11)。具体的には、矩形の目のパターンを、処理対象の顔領域内の画像上を少しずつ移動させ、移動した位置毎にマッチング度を算出し、マッチング度があらかじめ定められたしきい値Th2以上となったパターンの位置の座標を目として検出する。これにより、図4に示すように顔領域F2内に目の領域E1,E2が検出される。
そして、AF処理部30が、検出された目に合焦するようにフォーカス処理を行う(ステップST12)。具体的には、図4に示すように、顔領域F2内において検出した目の領域E1,E2をフォーカス枠としてフォーカス処理を行う。
ステップST4,10,12に続いて、CPU40がレリーズボタンが全押しされたか否かを判定する(ステップST13)。ステップST13が否定されるとステップST1に戻る。ステップST13が肯定されると、本撮影を行い(ステップST14)、処理を終了する。
本撮影により取得された本画像のCCD−RAWデータは、画像処理部32において処理が施される。そして、圧縮/伸長処理部33が処理済みのCCD−RAWデータに対してJPEG等の圧縮形式で圧縮処理を行い、画像ファイルを生成する。生成された画像ファイルはメディア制御部34により記録メディア35に記録される。
ここで、被写界深度が浅い場合には、目にピントが合っていないと画像がぼけた印象となる。逆に被写界深度が深い場合には、目にピントが合っていなくても顔のみにピントが合っていれば画像がぼけた印象とはならない。
第1の実施形態によれば、検出した顔の位置における被写界深度を表す評価値を算出し、評価値に応じて、検出した顔に合焦するか、または目検出部38により目を検出し、検出した目に合焦するかを切り替えるようにしたものである。このため、被写界深度が浅い場合にのみ、目を検出して目に合焦する処理を行うこととなるため、上記特許文献1〜4に記載されたように顔検出および目検出の双方を常時行うことなく、AF処理を行うことができる。したがって、被写界深度が深く、目検出を行わない場合には、AF処理のための処理時間を短縮することができるとともに、消費電力を低減することができる。
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は本発明の第2の実施形態による合焦装置を適用したデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図である。なお、第2の実施形態において第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付与し、ここでは詳細な説明は省略する。第2の実施形態によるデジタルカメラ1Aは、顔検出部37が検出した顔の向きを判定する顔向き判定部45を備えた点が第1の実施形態と異なる。
次いで、第2の実施形態において行われる処理について説明する。図6および図7は第2の実施形態において行われるAF処理のフローチャートである。デジタルカメラ1の電源がオンとされてスルー画像が取得されることによりCPU40が処理を開始し、顔検出部37がスルー画像から顔を検出する(ステップST21)。
次いで、顔向き判定部45が、顔検出部37が検出した顔の向きを判定する(ステップST22)。具体的には、図8に示す左向き顔検出用のテンプレートTLおよび右向き顔検出用のテンプレートTRと、検出した顔とのテンプレートマッチングを行い、マッチング度が大きい方のテンプレートに対応する顔の向きをその顔の向きと判定する。なお、テンプレートTL,TRは、左向きおよび右向きの顔の特徴量に応じた信号値を有するものであり、多数の顔を学習することによりあらかじめ算出されて内部メモリ36に記憶されているものである。
次いで、CPU40がレリーズボタンが半押しされたか否かを判定し(ステップST23)、ステップST23が否定されるとステップST21に戻る。これにより、スルー画像から繰り返し顔が検出される。ステップST23が肯定されると、顔が検出されたか否かを判定し(ステップST24)、ステップST24が否定されると、AF処理部30が、プレ画像を用いて画角の中央に合焦するようにフォーカス処理を行う(ステップST25)。ステップST24が肯定されると、検出した顔が複数あるか否かを判定する(ステップST26)。
ステップST26が肯定されると、合焦する1つの顔を選択する(ステップST27)。次いで、AF処理部30が、選択した顔の画角に占める割合から、デジタルカメラ1と選択した顔との距離Lを算出する(ステップST28)。なお、ステップST26が否定されるとステップST28に進む。
次いで、評価値算出部39が、顔検出部37が検出した顔の位置における被写界深度を表す評価値を上記の式(1)により算出する(ステップST29)。
そして、AF処理部30が、被写界深度を表す評価値があらかじめ定められたしきい値Th1以下であるか否かを判定する(ステップST30)。ステップST30が否定されると、AF処理部30は、ステップST27において選択した顔に合焦するようにフォーカス処理を行う(ステップST31)。
一方、ステップST30が肯定されると、目検出部38が、ステップST27において選択した顔に含まれる目を検出する(ステップST32)。そして、AF処理部30が、顔の向きが左向きか否かを判定する(ステップST33)。ステップST33が肯定されると、左目に合焦するようにフォーカス処理を行う(ステップST34)。ステップST33が否定されると、右目に合焦するようにフォーカス処理を行う(ステップST35)
ステップST25,31,34,35に続いて、CPU40がレリーズボタンが全押しされたか否かを判定する(ステップST36)。ステップST36が否定されるとステップST21に戻る。ステップST36が肯定されると、本撮影を行い(ステップST37)、処理を終了する。
このように、第2の実施形態においては、検出された顔の向きを判定し、顔の向きに応じて合焦する目を決定するようにしたため、とくに顔が若干横を向いた状態にあって目が2つ検出された場合に、より合焦に適した目に合焦することができ、これにより、ぼけた印象のない画像を取得することができる。
次いで、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態によるデジタルカメラは第2の実施形態によるデジタルカメラ1Aと同一の構成を有し、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。
次いで、第3の実施形態において行われる処理について説明する。図9および図10は第3の実施形態において行われるAF処理のフローチャートである。デジタルカメラ1の電源がオンとされてスルー画像が取得されることによりCPU40が処理を開始し、顔検出部37がスルー画像から顔を検出する(ステップST41)。
次いで、顔向き判定部45が、顔検出部37が検出した顔の向きを判定する(ステップST42)。次いで、CPU40がレリーズボタンが半押しされたか否かを判定し(ステップST43)、ステップST43が否定されるとステップST41に戻る。これにより、スルー画像から繰り返し顔が検出される。ステップST43が肯定されると、顔が検出されたか否かを判定し(ステップST44)、ステップST43が否定されると、AF処理部30が、プレ画像を用いて画角の中央に合焦するようにフォーカス処理を行う(ステップST45)。ステップST44が肯定されると、検出した顔が複数あるか否かを判定する(ステップST46)。
ステップST46が肯定されると、合焦する1つの顔を選択する(ステップST47)。次いで、AF処理部30が、選択した顔の画角に占める割合から、デジタルカメラ1と選択した顔との距離Lを算出する(ステップST48)。なお、ステップST46が否定されるとステップST48に進む。
次いで、評価値算出部39が、顔検出部37が検出した顔の位置における被写界深度を表す評価値を上記の式(1)により算出する(ステップST49)。
そして、AF処理部30が、被写界深度を表す評価値があらかじめ定められたしきい値Th1以下であるか否かを判定する(ステップST50)。ステップST50が否定されると、AF処理部30は、ステップST47において選択した顔に合焦するようにフォーカス処理を行う(ステップST51)。
一方、ステップST50が肯定されると、目検出部38が、ステップST47において選択した顔に対して、顔の向きに応じた目検出を行う範囲を設定する(ステップST52)。図11は目検出を行う範囲の設定を説明するための図である。図11に示すように顔が左向きと判定された場合には顔の検出枠内における領域A1を、顔が右向きと判定された場合には顔の検出枠内における領域A2をそれぞれ目検出を行う範囲に設定する。そして、設定された目検出を行う範囲内において目を検出し(ステップST53)、検出した目に合焦するようにフォーカス処理を行う(ステップST54)。
ステップST45,51,54に続いて、CPU40がレリーズボタンが全押しされたか否かを判定する(ステップST55)。ステップST55が否定されるとステップST41に戻る。ステップST55が肯定されると、本撮影を行い(ステップST56)、処理を終了する。
このように、第3の実施形態においては、検出された顔の向きを判定し、顔の向きに応じて目を検出する範囲を設定するようにしたため、とくに顔が横を向いている場合に目の検出を効率よく行うことができ、その結果、合焦のための処理時間をより短縮することができる。
なお、上記第1から第3の実施形態においては、顔が複数検出された場合に合焦する1つの顔を選択しているが、ポートレート撮影のように一人の人物のみしか撮影を行わない場合がある。このような場合には、顔が複数検出されたか否かを判定することなく、直ちに距離Lを算出する処理を行うようにすればよい。
以上、本発明の実施形態に係るデジタルカメラについて説明したが、コンピュータを、上記のAF処理部30、顔検出部37、目検出部38、評価値算出部39および顔向き判定部45に対応する手段として機能させ、図2,6,7,9,10に示すような処理を行わせるプログラムも、本発明の実施形態の1つである。また、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の実施形態の1つである。
本発明の第1の実施形態による合焦装置を適用したデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図 第1の実施形態において行われるAF処理のフローチャート 顔領域の検出を説明するための図 目の検出を説明するための図 本発明の第2の実施形態による合焦装置を適用したデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図 第2の実施形態において行われるAF処理のフローチャート(その1) 第2の実施形態において行われるAF処理のフローチャート(その2) 顔の向きを判定するテンプレートを示す図 第3の実施形態において行われるAF処理のフローチャート(その1) 第3の実施形態において行われるAF処理のフローチャート(その2) 目検出を行う範囲の設定を説明するための図
符号の説明
1,1A デジタルカメラ
30 AF処理部
32 画像処理部
37 顔検出部
38 目検出部
39 評価値算出部
45 顔向き判定部

Claims (7)

  1. 撮影により取得した画像に含まれる人物の顔を検出する顔検出手段と、
    前記画像に含まれる人物の目を検出する目検出手段と、
    前記検出した顔の位置における被写界深度を表す評価値を算出する評価値算出手段と、
    前記評価値が予め定められた所定の被写界深度よりも深い前記被写界深度を表すときに前記目検出手段による前記人物の目の検出を行わずに前記検出した顔に合焦前記評価値が前記所定の被写界深度よりも浅い前記被写界深度を表すときに前記目検出手段により前記人物の目を検出し、該検出した目に合焦する合焦手段とを備えたことを特徴とする合焦装置。
  2. 前記顔の向きを判定する顔向き判定手段をさらに備え、
    前記合焦手段は、前記目を検出する場合に、合焦する目を前記顔の向きに応じて決定する手段であることを特徴とする請求項1記載の合焦装置。
  3. 前記顔の向きを判定する顔向き判定手段をさらに備え、
    前記目検出手段は、前記目を検出する場合に、前記顔の向きに応じて前記目を検出する範囲を設定し、該設定した範囲内において前記目の検出を行う手段であることを特徴とする請求項1記載の合焦装置。
  4. 前記評価値算出手段は、前記撮影手段を構成するレンズの焦点距離、絞り値、合焦位置までの距離、および前記顔の大きさの情報のうちの少なくとも1つに基づいて前記評価値を算出する手段であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の合焦装置。
  5. 前記顔検出手段は、前記検出した顔が複数ある場合、前記合焦する1つの顔を決定する手段であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の合焦装置。
  6. 撮影により取得した画像に含まれる人物の顔を検出し、
    前記検出した顔の位置における被写界深度を表す評価値を算出し、
    前記評価値が予め定められた所定の被写界深度よりも深い前記被写界深度を表すときに前記人物の目の検出を行わずに前記検出した顔に合焦前記評価値が前記所定の被写界深度よりも浅い前記被写界深度を表すときに前記人物の目を検出し、該検出した目に合焦することを特徴とする合焦方法。
  7. 撮影により取得した画像に含まれる人物の顔を検出する手順と、
    前記検出した顔の位置における被写界深度を表す評価値を算出する手順と、
    前記評価値が予め定められた所定の被写界深度よりも深い前記被写界深度を表すときに前記人物の目の検出を行わずに前記検出した顔に合焦前記評価値が前記所定の被写界深度よりも浅い前記被写界深度を表すときに前記人物の目を検出し、該検出した目に合焦する手順とを有することを特徴とする合焦方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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