JP4782474B2 - プロセスオイルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、天然ゴムや合成ゴムに適用されてゴム組成物を形成するプロセスオイルの製造方法に関する。
タイヤ製造に用いられるゴム材料には、ゴム材料の機械的特性や加工性を向上させるために、プロセスオイルを配合することが一般的である。このプロセスオイルは、天然ゴム、合成ゴム等のゴム材料のほか、熱可塑性樹脂の可塑剤や印刷用インキの構成成分、再生アスファルトの軟化剤等に使用する潤滑油や溶剤成分として使用されている。
このプロセスオイルは、ゴム用の添加剤として使用される場合にあっては、従来パラフィン系基油を溶剤精製により製造する際に複製されるエキストラクトが利用されてきたが、近年では発ガン性の問題から、発ガン性のないタイヤ用アロマオイルが各種の製造方法により製造されている。
また、タイヤ用ゴムの製造においては、プロセスオイルとゴムとの相溶性が重視されるため、プロセスオイルにおけるアロマ分は重要な因子である一方、このアロマ分を過度に優先するとプロセスオイルの発ガン性が増すことにもなるため、発ガン性の元凶となるアロマ分は除去しつつ、プロセスオイルとゴムとの相溶性は良好な状態で維持する必要があった。
更には、近年では、プロセスオイルにおける多環芳香族炭化水素(PCA:Polycyclic Aromatics、PAH(Polyaromatic Hydrocarbon)と同意。以下同)の有害性が問題となっており、特に自動車タイヤ用に用いられるプロセスオイルは、タイヤ粉塵として環境を汚染するためプロセスオイル中のPCAを低減することが求められており、また、欧州等ではPCAが3質量%以上の鉱油は取り扱いに制限を受けることになっていた。一方、従来の製造方法により得られた高芳香族含量の抽出油中には多環芳香族炭化水素が多量に含まれており、PCAを低減させた(具体的には3質量%未満とした)プロセスオイル及びその製造方法の開発が急がれている。
このような背景から、PCAを低減させ、ゴムとの相溶性と非発ガン性を両立するプロセスオイルに関する技術が検討されており、例えば、ナフテン系のアスファルテンと溶剤抽出油との組み合わせによるタイヤゴム用プロセスオイルの製造方法に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。また、他の手段としては、脱れき油を溶剤抽出したエキストラクトを利用したゴムプロセスオイルの製造方法に関する技術も開示されている(例えば、特許文献2及び特許文献3)。
特開平11−80434号公報 特開2000−80208号公報 特開2002−3861号公報
しかしながら、前記した特許文献1に開示された技術により得られたプロセスオイルは、安全性は考慮されているといえるものの、このプロセスオイルを用いたゴム組成物は、従来のアロマオイルを用いたゴム組成物と同等の性能を示すことができなかった。また、前記した特許文献2や特許文献3に開示された技術により得られたプロセスオイルは、パラフィン系残油の脱れき油をそのまま使用していることもあって流動点が高くなるため、このプロセスオイルを用いたゴム組成物はゴムの表面にワックスが析出してしまい、好ましいものではなかった。
前記の課題に鑑み、本発明の目的は、従来のアロマオイルと同等の特性を発揮することができ、かつ、発ガン性の問題もなく、安全性にも優れたプロセスオイルの製造方法を提供することにある。
前記の課題を解決すべく、本発明に関連するプロセスオイルは、原油の減圧蒸留残渣を脱れきして得た脱れき油を原料として用い、下記(a)〜(f)の性状を有することを特徴とする。
(a)多環芳香族炭化水素(PCA)含有量 3質量%未満
(b)粘度(100℃) 40〜70mm/s
(c)アニリン点 85〜95℃
(d)引火点 250℃以上
(e)芳香族炭化水素の含有量 40〜55質量%
(f)極性物質の含有量 10〜15質量%
本発明に関連するプロセスオイルは、原油の減圧蒸留残渣を脱れきして得た脱れき油を原料として用いたプロセスオイルであって、PCAが3質量%未満であるため、発ガン性の問題もなく、安全性に優れたプロセスオイルであるとともに、(b)〜(f)の性状を有するため、従来のアロマオイルと同等の諸特性を維持することができ、このプロセスオイルを天然ゴムや合成ゴムに適用したゴム組成物は、良好なゴム物性となるとともに、ゴム表面に油がにじむといったブリード現象の発生やワックスの析出を好適に防止することができる。
ここで、本発明に関連するプロセスオイルは、脱れき油を原料として用いるものであるので、脱れき油、脱れき油を脱ろうして得られる脱ろう油(脱ろう脱れき油)、脱ろう油から抽出されるエキストラクト等、脱れき油を原料としてなる油成分の一種、または二種以上の混合物からなるものであればよい。
本発明に関連するプロセスオイルは、(g)流動点が40℃以下であることが好ましく、流動点をかかる範囲とすることにより、製造されるゴムの表面にワックスが析出することもなく、外観が良好となり、商品価値が向上する。
本発明に関連するプロセスオイルは、60倍のトルエンで希釈した際のASTM色相が8.0以下であることが好ましい。
かかる本発明に関連するプロセスオイルは、アスファルテン分が少ないため、色付きのアスファルトを製造する場合、きれいに発色されて仕上がることになる。
また、本発明に関連するプロセスオイルは、(c)アニリン点が85〜95℃とすれば、PCAの含有量が適度となり、また、ゴムとの相溶性も良好となるため、前記した効果をより効率的に発揮できることとなる。
本発明のプロセスオイルの製造方法は、原油の減圧蒸留残渣油を脱れきして脱れき油を得る脱れき工程と、前記脱れき油を溶剤抽出してエキストラクトを、脱れき油基準で50質量%以上の得率で得る溶剤抽出工程を備え、当該エキストラクトをプロセスオイルとすることを特徴とする。
この本発明の製造方法は、原油の減圧蒸留残渣油から脱れき油を得る脱れき工程と、脱れき油を溶剤抽出してエキストラクトを得て、このエキストラクトをプロセスオイルとするようにしているので、前記した(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルを好適に提供できることとなる。
また、脱れき油をエキストラクトとする溶剤抽出工程において、脱れき油基準で50質量%以上の得率で得るようにしてエキストラクトを得るようにし、これをプロセスオイルとするようにしているので、PCAの含有量が3質量%未満のプロセスオイルを確実に得ることができる。
なお、本発明のプロセスオイルの製造方法は、原油の減圧蒸留残渣油を脱れきして脱れき油を得る脱れき工程と、前記脱れき油を溶剤抽出してエキストラクトを得る溶剤抽出工程を備え、前記溶剤抽出工程を得たエキストラクトと、前記脱れき工程で得た脱れき油を混合して得た混合油をプロセスオイルとするようにしてもよい。
すなわち、エキストラクトと、脱れき工程で得られた脱れき油に混合するようにして、プロセスオイルとしてもよく、このようにしても、前記した(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルを好適に提供できることとなる。
また、この場合にあっては、脱れき油からエキストラクトを得る溶剤抽出工程において、敢えて脱れき油基準で50質量%以上の得率でエキストラクトを得るようにすることもなく、任意の得率により得られたエキストラクトを、脱れき工程で得た脱れき油に混合するようにして、プロセスオイルを得るようにすればよいが、PCA含有量が低いと推定される、脱れき油基準で50質量%以上の得率で得られたエキストラクトを採用するようにしても問題はない。
本発明のプロセスオイルの製造方法は、原油の減圧蒸留残渣油を脱れきして脱れき油を得る脱れき工程と、前記脱れき油を脱ろうして脱ろう油を得る脱ろう工程と、前記脱ろう油を溶剤抽出してエキストラクトを、脱れき油基準で50質量%以上の得率で得る溶剤抽出工程を備え、当該エキストラクトをプロセスオイルとすることを特徴とする。
この本発明の製造方法は、原油の減圧蒸留残渣油から脱れき油を得る脱れき工程と、脱れき油から脱ろう油を得る脱ろう工程と、脱ろう油を溶剤抽出してエキストラクトを得て、このエキストラクトをプロセスオイルとするようにしているので、前記した(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルを好適に提供できることとなる。
特に、脱れき油を脱ろうすることにより、プロセスオイルに適度に流動性を与えることができ、その結果オイルの取り扱いが容易となるとともに、ワックスが表面に析出することを好適に防止することができる。
また、脱ろう油をエキストラクトとする溶剤抽出工程において、脱れき油基準で50質量%以上の得率で得るようにしてエキストラクトを得るようにし、これをプロセスオイルとするようにしているので、PCAの含有量が3質量%未満のプロセスオイルを確実に得ることができる。
なお、本発明のプロセスオイルの製造方法は、原油の減圧蒸留残渣油を脱れきして脱れき油を得る脱れき工程と、前記脱れき油を脱ろうして脱ろう油を得る脱ろう工程と、前記脱ろう油を溶剤抽出してエキストラクトを得る溶剤抽出工程を備え、前記溶剤抽出工程を得たエキストラクトと、前記脱ろう工程で得た脱ろう油及び多環芳香族炭化水素(PCA)含有量が3質量%未満の鉱油の少なくとも一つを混合して得た混合油をプロセスオイルとするようにしてもよい。
すなわち、エキストラクトと、脱ろう工程で得られた脱ろう油や多環芳香族炭化水素(PCA)含有量が3質量%未満の鉱油と混合した混合油をプロセスオイルとしてもよく、このようにしても、前記した(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルを好適に提供できることとなる。
また、この場合にあっても、脱ろう油からエキストラクトを得る溶剤抽出工程において、敢えて脱れき油基準で50質量%以上の得率でエキストラクトを得るようにすることもなく、任意の得率により得られたエキストラクトを、脱ろう工程で得た脱ろう及びPCA含有量が3質量%未満の鉱油の少なくとも一つに混合するようにして、プロセスオイルを得るようにすればよいが、無論、PCA含有量が低いと推定される、脱れき油基準で50質量%以上の得率で得られたエキストラクトを採用するようにしてもよい。
なお、このようにエキストラクトと、脱れき油(あるいは脱ろう油)及びPCA含有量が3質量%未満の鉱油の少なくとも一つに混合した混合油をプロセスオイルとする場合にあっては、エキストラクトの含有量を40質量%以上80質量%未満の範囲内とすることが好ましい。
この本発明によれば、エキストラクトと脱れき油等を混合した混合油をプロセスオイルとする際に、エキストラクトの含有量を40質量%以上80質量%未満とすることにより、(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルを効率よく得ることができ、ゴム組成物の諸物性を向上させることができるので好ましい。
本発明のプロセスオイルの製造方法は、前記した脱れき工程で得られた脱れき油の得率が減圧蒸留残渣油基準で30質量%以上であり、前記した脱れき油の粘度(100℃)が30〜50mm/sであることが好ましい。
かかる本発明によれば、プロセスオイルの製造工程中、脱れき工程で得られた脱れき油の得率が減圧蒸留残渣油基準で30質量%以上であるため、脱れき油の100℃における粘度を30mm/s以上とすることができ、また、脱れき工程でのフォーミングを防止し、脱れき油を安定して生産することができる。
また、脱れき油の100℃における粘度を30〜50mm/sとすることにより、最終的に得られるプロセスオイルの100℃における粘度を40〜70mm/sとすることが容易となる。
本発明のプロセスオイルの製造方法は、前記脱ろう工程で製造された脱ろう油の流動点
が0〜25℃、脱ろう油の得率が脱れき油基準で90質量%以上であることが好ましい。
かかる本発明によれば、プロセスオイルの製造工程中、脱ろう工程において得られた脱ろう油の流動点を0〜25℃としているので、最終的に製造されるプロセスオイルの流動点を40℃以下とすることが容易となる。
また、脱ろう油の得率を脱れき油基準で90質量%以上としているので、例えば、脱ろう手段として水素化脱ろうを用いる場合には、分解による得率の低下を防止し、また、脱ろう手段として溶剤脱ろうを用いる場合には、ワックスの生成が少なくてすむため、生産効率の低下を好適に防止することができる。
本発明のプロセスオイルの製造方法は、前記した溶剤抽出工程における抽出温度が80〜150℃であり、溶剤比が2.0〜12.0であることが好ましい。
かかる本発明によれば、プロセスオイルの製造工程中、溶剤抽出工程における抽出温度及び溶剤比を特定の範囲としているので、PCAの含有量を3質量%未満としたエキストラクトを効率よく得ることができる。
本発明のプロセスオイルは、原油の減圧蒸留残渣を脱れきして得た脱れき油を原料として用い、下記(a)〜(f)の性状を有するものである。
(a)多環芳香族成分(PCA)含有量 3質量%未満
(b)粘度(100℃) 40〜70mm/s
(c)アニリン点 85〜100℃
(d)引火点 250℃以上
(e)芳香族分の含有量 40〜55質量%
(f)極性物質の含有量 10〜15質量%
(a)多環芳香族炭化水素(PCA)含有量:
本発明のプロセスオイルは、PCAの含有量が3質量%未満であり、2.5質量%未満であることが好ましい。発ガン性の問題から、欧州等ではPCAが3質量%以上の鉱油は取り扱いに制限を受けるため、本発明のプロセスオイルも同様にPCAは3質量%未満とされている。このPCAを3質量%未満とすることにより、発ガン性の心配もなく、安全性に優れたプロセスオイルを提供することができる。
なお、プロセスオイルのPCAの含有量は、英国石油協会の規定によるIP346(92)法に準拠して測定すればよい。
(b)粘度(100℃):
本発明のプロセスオイルは、100℃における粘度が40〜70mm/sであり、40〜55mm/sであることが好ましい。粘度が40mm/sより小さいと、配合されるゴムの常態物性が低下する一方、粘度が70mm/sを超えると、粘度か高すぎて、ゴムへの配合の際、成形加工性や操作性に悪影響を与えるほか、ゴム物性も低下する。
なお、プロセスオイルの100℃における粘度の測定は、ASTM−D445に準拠して測定すればよい。
(c)アニリン点:
本発明のプロセスオイルは、アニリン点が85〜100℃であり、85〜95℃であることが好ましい。アニリン点が85℃よりも低いと、PCAの含有量が高くなり、基準である3質量%を超える場合がある。一方、アニリン点が100℃を超えると、ゴムとの相溶性が悪くなり、ブリードが発生する場合がある。
従来のプロセスオイルでは、アニリン点は、ゴムとの相溶性の観点から低い方がブリードが発生しないと考えられていたため、概ね80℃以下とされていたが、脱ろう油を溶剤抽出して得られるエキストラクトと脱ろうを任意の割合で混合する等の手段によりプロセスオイルを製造して、(e)芳香族炭素化合物の含有量と(f)極性物質の含有量を前記の範囲とすることにより、80℃以上でも十分ブリードを抑えることができる。
なお、プロセスオイルのアニリン点は、ASTM−D611に準拠して測定すればよい。
(d)引火点:
本発明のプロセスオイルは、引火点が250℃以上であり、280℃以上であることが好ましい。引火点が250℃よりも低いと、蒸発しやすくなり、安全性に問題があるとともに、環境へ悪影響を与える場合がある。
なお、プロセスオイルの引火点は、ASTM−D92に準拠して測定すればよい。
(e)芳香族炭化水素の含有量:
本発明のプロセスオイルは、芳香族炭化水素の含有量が40〜55質量%であり、45〜55質量%であることが好ましい。芳香族炭化水素の含有量が40質量%より小さいと、ゴムとの相溶性が悪くなり、プロセスオイルを添加してゴムを製造することが困難となったり、ゴムの物性に悪影響を与える場合がある。一方、芳香族炭化水素の含有量が55質量%を超えると、PCAの含有量が高くなり、基準である3質量%を超える場合がある。
なお、プロセスオイルの芳香族炭化水素の含有量の測定は、ASTM−D2007に準拠して測定すればよい。
(f)極性物質の含有量:
本発明のプロセスオイルは、極性物質の含有量が10〜15質量%であり、12〜15質量%であることが好ましい。極性物質の含有量が10質量%より小さいと、ゴムとの相溶性が悪くなり、一方、極性物質の含有量が15質量%を超えると、ゴムに添加した場合にゴムの物性に悪影響を与える場合があるとともに、PCAの含有量が高くなり、基準である3質量%を超える場合がある。
なお、プロセスオイルの極性物質の含有量の測定は、ASTM−D2007に準拠して測定すればよい。
(g)流動点:
本発明のプロセスオイルは、流動点が40℃以下であることが好ましく、20℃以下であることが特に好ましい。流動点が40℃より高いと、製造されるゴムの表面にワックスが析出し、外観が悪くなるとともに、商品価値が低下する。
なお、プロセスオイルの流動点は、ASTM−D97に準拠して測定すればよい。
なお、本発明のプロセスオイルは、60倍のトルエンで希釈した際のASTM色相が8.0以下であることが好ましく、6.0以下であることが特に好ましい。このように、ASTM色相を8.0以下とすることにより、アスファルテン分が少ないため、色付きのアスファルトを製造する場合、きれいに発色されて仕上がることになるため好ましい。
次に、前記した本発明のプロセスオイルを製造する手段の一例について説明する。
本発明のプロセスオイルの製造方法の第1の手段は、原油の減圧蒸留残渣油を脱れきして脱れき油を得る脱れき工程と、脱れき油を溶剤抽出してエキストラクトを、脱れき油基準で55質量%以上の得率で得る溶剤抽出工程を備え、このエキストラクトをプロセスオイルとするものであり、かかる製造方法により、前記した性状(a)〜(f)を有するプロセスオイルを効率よく得ることができる。
なお、この第1の手段は、原油の減圧蒸留残渣油を脱れきして脱れき油を得る脱れき工程と、脱れき油を溶剤抽出してエキストラクトを得る溶剤抽出工程を備え、溶剤抽出工程を得たエキストラクトと、脱れき工程で得た脱れき油及び多環芳香族炭化水素(PCA)含有量が3質量%未満の鉱油の少なくとも一つを混合して得た混合油をプロセスオイルとするようにしてもよく(第1の手段−b)、このようにしても、前記した(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルを好適に提供できることとなる。
また、本発明のプロセスオイルの製造方法の第2の手段は、原油の減圧蒸留残渣油を脱れきして脱れき油を得る脱れき工程と、この脱れき油を脱ろうして脱ろう油を得る脱ろう工程と、この脱ろう油を溶剤抽出してエキストラクトを、脱れき油基準で50質量%以上の得率で得る溶剤抽出工程を備え、このエキストラクトをプロセスオイルとするものであり、かかる製造方法によっても、前記した性状(a)〜(f)を有するプロセスオイルを効率よく得ることができる。
特に、第1の手段と比較して、脱れき油を脱ろうすることにより、プロセスオイルに適度に流動性を与えることができ、その結果オイルの取り扱いが容易となるとともに、ワックスが表面に析出することを好適に防止することができる。
なお、この第2の手段も、原油の減圧蒸留残渣油を脱れきして脱れき油を得る脱れき工程と、脱れき油を脱ろうして脱ろう油を得る脱ろう工程と、脱ろう油を溶剤抽出してエキストラクトを得る溶剤抽出工程を備え、溶剤抽出工程を得たエキストラクトと、脱ろう工程で得た脱れき油及び多環芳香族炭化水素(PCA)含有量が3質量%未満の鉱油の少なくとも一つを混合して得た混合油をプロセスオイルとするようにしてもよく(第2の手段−b)、このようにしても、前記した(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルを好適に提供できることとなる。
以下、第1の手段で適用される(I)脱れき工程、及び(III)溶剤抽出工程、及び第2の手段で、前記(I)、(III)の間に適用される(II)脱ろう工程に付いて具体的に説明する。
(I)脱れき工程:
脱れき工程では、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた減圧残渣油を脱れきすることにより脱れき油を得る。
ここで、原油を常圧蒸留するには、公知の常圧蒸留装置および蒸留条件で行うことができる。例えば、精製対象となるパラフィン系原油やナフテン系原油等からなる原油を、加熱炉等で約350℃程度に熱せられたのちに常圧蒸留塔に送り出し、常圧蒸留塔内部で石油蒸気とされ、冷却後、沸点の低いものから高いものへと順に分離する。本発明は常圧蒸留及び減圧蒸留により減圧残渣油を得るため、沸点が350℃以上の常圧残油を得るようにすればよい。
次に、得られた常圧残油に対して、減圧下における蒸留(減圧蒸留)をさらに実施する。減圧蒸留を行うには、従来公知の減圧蒸留装置および運転条件で行えばよく、かかる減圧蒸留により減圧ナフサ、減圧軽油、減圧残渣油の各留分に分留されることになり、この中から減圧残渣油を得るようにすればよい。
そして、この減圧残渣油を、例えば液化プロパン等の溶剤を用いて、油分(脱れき油)とアスファルト分とに分離する。液化プロパンによる脱れきは、例えば、減圧残渣油に対して4〜8倍の液化プロパンを混合して、温度を40〜80℃として脱れき油を抽出すればよい。
ここで、この脱れき工程で得られた脱れき油の得率は、減圧蒸留残渣油基準で30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることが特に好ましい。脱れき油の得率が、減圧蒸留残渣油基準で30質量%以上であれば、脱れき油の100℃における粘度を30mm/s以上とすることができ、また、脱れき工程でのフォーミングを防止し、脱れき油を安定して生産することができる。
また、脱れき油の100℃における粘度を30〜50mm/sとすることにより、最終的に得られるプロセスオイルの100℃における粘度を40〜70mm/sとすることが容易となる。
また、得られた脱れき油の100℃における粘度は、30〜50mm/sであることが好ましく、35〜45mm/sであることが特に好ましい。脱れき油の100℃における粘度を30〜50mm/sとすることにより、最終的に得られるプロセスオイルの100℃における粘度を40〜70mm/sとすることが容易となる。
(II)脱ろう工程:
第2の手段で必要とされる脱ろう工程では、前記した脱れき油のパラフィンろう成分を分離して脱ろう油を得る。
この脱ろう工程を行うことにより、得られるプロセスオイルに適度に流動性を与えることができ、取り扱いも容易となり、ワックスが表面に析出することも防止することができる。
この脱ろう工程では、得られた脱ろう油の流動点が0〜25℃となるように脱ろうを行うことが好ましく、また、流動点は10〜20℃であることが特に好ましい。脱ろう油の流動点を0〜25℃、特に10〜20℃とすることにより、最終的に製造されるプロセスオイルの流動点を40℃以下とすることが容易となる。
前記のような流動点となるように、脱れき油を脱ろうする脱ろう手段としては、例えば、水素化脱ろうや溶剤脱ろう等が挙げられる。
水素化脱ろうとしては、例えば、ZSM−5触媒(エクソンモービル社製)を用いた水素化分解脱ろうを行うことが好ましい。
水素化脱ろうを行うにあっては、圧力を1〜16mPa、LHSV(液空間速度)は0.1〜5.0/時間、水素/油比を100〜800Nm/kLとして行い、得られる脱ろう油の流動点が0〜25℃の範囲内になるように実施することが好ましい。
また、溶剤脱ろうを行う場合における溶剤としては、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン等が挙げられ、これらの混合溶剤、特にメチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤を使用することが好ましい。メチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤を使用する場合にあっては、混合比を40/60〜60/40程度とすればよい。溶剤脱ろうは脱れき油にこれらの溶剤を加えた後冷却し、析出したろう結晶をろ過して分離するようにすればよい。
また、脱ろう油の得率が、脱れき油を基準として90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上とすることが特に好ましい。脱ろう油の得率が、脱れき油を基準として90質量%以上であれば、例えば、脱ろう手段として水素化脱ろうを用いる場合には、分解による得率の低下を防止し、また、脱ろう手段として溶剤脱ろうを用いる場合には、ワックスの生成が少なくてすむため、生産効率の低下を好適に防止することができる。
(III)溶剤抽出工程:
溶剤抽出工程では、第1の手段にあっては、前記した脱れき工程によって得られた脱れき油、第2の手段にあっては、前記した脱ろう工程によって得られた脱ろう油を極性溶剤を用いて溶剤抽出することにより、エキストラクトを得る。脱れき油や脱ろう油に対して溶剤抽出を行いエキストラクトとすることにより、PCAを3質量%未満に維持したプロセスオイルとしやすくなり、かつアニリン点を適度に調整することができ、ブリードの発生を抑制することができる。
ここで、使用できる極性溶剤としては、フルフラール、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、フェノール、クレゾール、スルフォラン、ジメチルスルフォキシド、フォルミルモルイフォリン、グリコール系溶剤等を使用することができ、特にフルフラール、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることが好ましい。
溶剤抽出工程にあっては、溶剤比(溶剤/脱ろう油(または脱れき油)の容量比)は2.0〜12.0の範囲内とすることが好ましく、5.0〜10.0の範囲内とすることが特に好ましい。また、この場合の抽出温度は、80〜150℃とすることが好ましく、90〜130℃とすることが特に好ましい。このような条件で溶剤抽出を行えば、PCAの含有量を3質量%未満としたエキストラクトを効率よく得ることができる。
また、この溶剤抽出工程により得られたエキストラクトの得率は、脱れき油基準で50質量%以上として、60質量%以上とすることが好ましい。エキストラクトの得率が脱れき油基準で50質量%以上であれば、PCAの含有量が3質量%未満のプロセスオイルを好適に得ることができる。
なお、得率を脱れき油基準で50質量%以上となるようにエキストラクトを得るには、例えば、溶剤としてフルフラールを使用した場合にあっては、溶剤比を10〜12程度として、抽出温度を120〜150℃程度とすればよく、また、溶剤としてNMPを使用した場合にあっては、溶剤比を5〜8程度として、抽出温度を100〜120℃程度とすればよい。
一方、第1の手段−b及び第2の手段−bの如く、脱れき油あるいは脱ろう油から得られるエキストラクトを、脱れき油(あるいは脱ろう油)及びPCA含有量が3質量%未満の鉱油の少なくとも一つと混合した混合油をプロセスオイルとする場合にあっては、脱れき油からエキストラクトを得る溶剤抽出工程において、脱れき油基準で50質量%以上の得率でエキストラクトを得るようにする必要はなく、任意の得率により得られたエキストラクトを、脱れき工程で得た脱れき及びPCA含有量が3質量%未満の鉱油の少なくとも一つに混合するようにしてプロセスオイルを得るようにすればよい。このようにして、採用したエキストラクトの得率は脱れき油基準で50質量%未満である場合には、当該エキストラクトのPCA含有量は3質量%以上となる場合もあるが、他の鉱油あるいは脱れき油と混合することにより、PCA含有量も3質量%未満となり、性状(b)〜(f)も前記の要件を具備することになる。
なお、PCA含有量が低いと推定される、脱れき油基準で50質量%以上の得率で得られたエキストラクトを採用するようにしても全く問題はない。
ここで、得られたエキストラクトは、そのままプロセスオイル(エキストラクト100質量%のプロセスオイル)としても用いることができる。
一方、第1の手段にあっては、脱れき工程で得られた脱れき油及び多環芳香族炭化水素(PCA)含有量が3質量%未満の鉱油の少なくとも一つと、また、第2の手段にあっては、脱ろう工程で得られた脱ろう油及び多環芳香族炭化水素(PCA)含有量が3質量%未満の鉱油の少なくとも一つと混合した混合油をプロセスオイルとしてもよく、このようにエキストラクトと脱ろう油を混合した混合油をプロセスオイルとする場合にあっては、エキストラクトの含有量を40質量%以上100質量%未満の範囲内とすることが好ましく、50質量%以上100質量未満の範囲内であることが好ましい。プロセスオイルをエキストラクト100質量%からなるようにすることにより、前記した(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルを好適に提供できることとなる一方、エキストラクトと脱れき油等とを混合し、エキストラクトの含有量を40質量%以上100質量%未満の範囲内とした混合油も、同様に、前記(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルを効率よく提供することができる。
本発明のプロセスオイルの製造方法の第1の手段を図1のフローチャートに沿って説明すると、まず、原油を常圧蒸留して得られた常圧残油を更に減圧蒸留して、減圧蒸留残渣油を得て(S,S21,S22,S)、得られた減圧蒸留残渣油を脱れき工程により脱れきして脱れき油を得る(S31,S)。また、得られた脱れき油を溶剤抽出工程により溶剤抽出してエキストラクトを得る(S51,S)。
なお、エキストラクトは、得られた後に脱れき油や多環芳香族炭化水素(PCA)含有量が3質量%未満の鉱油)と混合しないのであれば、脱れき油基準で50質量%以上の得率で得られたエキストラクトを採用する。
そして、得られたエキストラクトは、脱れき油や多環芳香族炭化水素(PCA)含有量が3質量%未満の鉱油(脱れき油等)と混合しないのであれば(Sの「NO」)、そのままプロセスオイルとして適用できる(S,プロセスオイルA)。また、エキストラクトと脱れき油等と混合した混合油をプロセスオイルとしてもよい(S6の「YES」,S81,S,プロセスオイルB)。
また、本発明のプロセスオイルの製造方法の第2の手段を図2のフローチャートに沿って説明すると、まず、原油を常圧蒸留して得られた常圧残油を更に減圧蒸留して、減圧蒸留残渣油を得て(S,S21,S22,S)、得られた減圧蒸留残渣油を脱れき工程により脱れきして脱れき油を得る(S31,S)。ここまでの工程については、前記した第1の手段と同様である。
次に、この脱れき油を、脱ろう工程により脱ろうして脱ろう油を得て(S41,S)、得られた脱ろう油を溶剤抽出工程により溶剤抽出してエキストラクトを得る(S51’,S5’)。
そして、得られたエキストラクトは、脱ろう油や多環芳香族炭化水素(PCA)含有量が3質量%未満の鉱油(脱ろう油等)と混合しないのであれば(S6’の「NO」)、そのままプロセスオイルとして適用できる(S7’,プロセスオイルC)。また、エキストラクトと脱ろう油等と混合した混合油をプロセスオイルとしてもよい(S6’の「YES」,S81’,S8’,プロセスオイルD)。
なお、この第2の手段にあっても、エキストラクトは、得られた後に脱ろう油や多環芳香族炭化水素(PCA)含有量が3質量%未満の鉱油と混合しないのであれば、脱れき油基準で50質量%以上の得率で得られたエキストラクトを採用する。
このようにして得られた本発明のプロセスオイルは、前記した(a)〜(f)の性状を有することにより、ゴムの加工性や耐ブリード性等、従来のプロセスに要求される諸特性を備えるとともに、人体に有害なPCAを3質量%未満に抑えているため、発ガン性もなく安全性にも優れるプロセスオイルとなる。
このプロセスオイルは、天然ゴムや合成ゴムに配合することにより、各種ゴム組成物を好適に提供することとなり、また、得られたゴム組成物は、タイヤ等の様々なゴム物品に用いることができる。
更には、プロセスオイルは、熱可塑性樹脂の可塑剤や印刷インキ成分や、舗装用改質アスファルトの軟化剤としても使用することができる。
なお、従来のプロセスオイルはアスファルテン分を多量に含むため外観が黒褐色になり、タイヤ用途に限定されていたが、本発明のプロセスオイルは、脱れき油の利用により、外観が改善され樹脂の可塑剤や、近年需要が増加しつつある舗装用改質アスファルトの軟化剤、ファッション製を重視したカラーアスファルト等の用途拡大が可能となる。
ここで、本発明のプロセスオイルを用いてゴム(ゴム組成物)を製造する場合にあっては、例えば、ゴム成分100重量部に対して、本発明のプロセスオイルを10〜50重量部、好ましくは20〜40重量部配合して製造すればよい。
また、ゴム組成物を製造する場合には、本発明のプロセスオイルやゴム成分のほかに、カーボンブラック、シリカ等の補強剤、加硫剤、加硫促進剤、充填剤、ワックス類等の劣化防止剤、本発明のゴム配合油以外の軟化剤または可塑剤等の通常ゴム業界で用いられるものを適宜配合してもよい。
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としてもよい。
例えば、前記した態様では、(a)〜(f)の性状を有する本発明のプロセスオイルを製造する手段としては、図1に示す製造方法を用いた例を示したが、当該(a)〜(f)の性状を有するのであれば、プロセスオイルを得る手段は適宜調整しても問題はない。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら制約されるものではない。
[実施例1]
(脱れき工程)
中東系原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた減圧蒸留残渣油を、プロパンを溶剤として脱れきして脱れき油Aを得た。脱れき油Aの得率は、減圧蒸留残渣油基準で38質量%であり、脱れき油の粘度は、100℃で37.6mm/sであった。
(脱ろう工程)
この脱れき油Aを、メチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤(混合比:メチルエチルケトン/トルエン=40/60)を用いて、流動点が12.5℃となるように溶剤脱ろうして脱ろう油Aを得た。脱ろう油Aの得率は、脱れき油基準で93質量%であった。
(溶剤抽出工程)
そして、この脱ろう油Aをフルフラールを溶剤として用いて、溶剤比は10、抽出温度は145℃として溶剤抽出して、エキストラクトAを脱れき油基準で62%で得た。このエキストラクトAを本発明である実施例1のプロセスオイルとした。
[実施例2]
(脱れき工程)
実施例1と同様に、中東系原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた減圧蒸留残渣油を、プロパンを溶剤として脱れきして脱れき油Aを得た。
(脱ろう工程)
この脱れき油Aを、触媒としてNi−ZSM5を用いて、圧力を3MPa、LHSVを0.5/時間、水素/油比を450Nm、脱ろう温度を335℃として流動点が20.0℃となるよう脱ろうして、脱ろう油Bを得た。脱ろう油Bの得率は、脱れき油基準で94質量%であった。
(溶剤抽出工程)
そして、この脱ろう油BをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として、溶剤比を7、抽出温度を110℃として溶剤抽出して、エキストラクトBを脱れき油基準で64%得た。このエキストラクトBを本発明である実施例2のプロセスオイルとした。
[実施例3]
前記した実施例2で得られた脱ろう油Bを、溶剤としてNMPを用いて、溶剤比を5、抽出温度を95℃として溶剤抽出して、エキストラクトDを脱れき油基準で48%得た。このエキストラクトDと、前記した実施例2で得られた脱ろう油Bとを、混合比としてエキストラクトD/脱ろう油B=50/50として混合し、本発明のプロセスオイルを得た。
[実施例4]
前記した実施例2で得られた脱ろう油Bを、溶剤としてNMPを用いて、溶剤比を5、抽出温度を95℃として溶剤抽出して、エキストラクトDを脱れき油基準で48%得た。このエキストラクトDと、市販される多環芳香族炭化水素(PCA)含有量が1.8質量%の鉱油Xとを、混合比としてエキストラクトD/鉱油X=50/50として混合して、本発明のプロセスオイルを得た。
[実施例5]
実施例1で得た脱れき油Aを、溶剤としてフルフラールを用いて、溶剤比を5、抽出温度を125℃で溶剤抽出してエキストラクトXを脱れき油基準で53%得た。このエキストラクトXを、本発明のプロセスオイルとした。
[実施例6]
後記する比較例6で得られたエキストラクトEと、実施例1で得られた脱れき油A(後記する比較例3のプロセスオイルでもある)とを、混合比としてエキストラクトE/脱れき油A=50/50として混合して、本発明のプロセスオイルを得た。
[比較例1]
前記した実施例1で得られた脱ろう油Aを、溶剤としてフルフラールを用いて、溶剤比を8、抽出温度を110℃として溶剤抽出して、エキストラクトCを脱れき油基準で49%得た。このエキストラクトCを比較例1のプロセスオイルとした。
[比較例2]
実施例3と同様、前記した実施例2で得られた脱ろう油Bを、溶剤としてNMPを用いて、溶剤比を3、抽出温度を95℃として溶剤抽出して、エキストラクトDを脱れき油基準で48%得た。このエキストラクトDを比較例2のプロセスオイルとした。
[比較例3]
実施例1で得た脱れき油Aを用いて、比較例3のプロセスオイルとした。
[比較例4]
実施例1で得た脱ろう油Aを用いて、比較例4のプロセスオイルとした。
[比較例5]
実施例2で得た脱ろう油Bを用いて、比較例5のプロセスオイルとした。
[比較例6]
実施例1で得た脱れき油Aを、溶剤としてフルフラールを用いて、溶剤比を5、抽出温度を125℃で溶剤抽出してエキストラクトEを脱れき油基準で40%得た。このエキストラクトEを、比較例6のプロセスオイルとした。
なお、実施例1〜実施例6の性状及び参照として従来のアロマオイルの性状を表1に、また、比較例1〜比較例6のプロセスオイルの性状及び参照として従来のアロマオイルを表2に示した(評価に際し、規格等は前記した内容に準ずる)。
(プロセスオイル等の性状:実施例)
Figure 0004782474
(プロセスオイル等の性状:比較例)
Figure 0004782474
[試験例1]
前記の実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例6により得られたプロセスオイルを用いて、下記表3及び表4の処方で高スチレン系ゴム及び汎用スチレン系ゴムを製造した。
(高スチレン系ゴムの組成)
Figure 0004782474
(汎用スチレン系ゴムの組成)
Figure 0004782474
そして、得られた高スチレン系ゴム及び汎用スチレン系ゴムについて、高スチレン系ゴムについては、ブリード現象(ゴム表面に油がにじむ現象)の発生の有無及びワックスの析出を目視により確認し、また、汎用スチレン系ゴムについては、ゴム物性(伸び、硬度、引張り強さ及びM300(300%伸長率時のゴムの弾力性))を、JIS K6301に準拠して測定して、それぞれ比較・評価した。結果を表5に示す。
なお、汎用スチレンゴムのゴム物性値は、測定値を、参照である従来のアロマオイル(性状は表1及び表2参照)を用いて同様に製造した汎用スチレン系ゴムの測定値と比較して、アロマオイルの測定値を100としたときの相対値を用いて評価した。
(結果)
Figure 0004782474
表5の結果から分かるように、実施例1〜実施例6のプロセスオイルを適用した高スチレン系ゴムは、ブリードの発生もなく、また、ワックスの析出もなく、高スチレン系ゴムとして問題なく使用できるものであった。
特に、実施例4及び実施例6にあっては、採用したエキストラクトの得率は脱れき油基準で50質量%未満であるにもかかわらず、他の鉱油あるいは脱れき油と50/50の割合で混合することにより、性状(b)〜(f)を具備するプロセスオイルとなり、評価結果も問題のないものであった。
また、実施例1〜実施例6のプロセスオイルを適用した汎用スチレン系ゴムのゴム物性は、従来使用されているアロマ系プロセスオイルと比較しても相違なく、従来品と同様のゴム物性を維持できることが確認できた。
一方、比較例3のプロセスオイルは、アニリン点や流動点が高いため、ブリード現象が認められ、また、ワックスの析出も認められた。
比較例4及び比較例5のプロセスオイルは、アニリン点が高いためブリード現象が認められた。
なお、比較例1、比較例2及び比較例6のプロセスオイルは、高スチレン系ゴムとした場合にあってはブリードの発生やワックスの析出もなく、また、汎用スチレン系ゴムの物性も問題がなかったが、製造時のエキストラクトの得率が低いため、芳香族炭化水素や極性物質の含有量が大きくなり、PCAの含有量が3質量%以上となり、発ガン性ないしは安全性に問題があるプロセスオイルとなる。
本発明のプロセスオイルは、天然ゴムや合成ゴムの加工油、展延剤としてや、熱可塑性樹脂の可塑剤や印刷インキ成分や、舗装用改質アスファルトの軟化剤として有利に使用することができる。
本発明のプロセスオイルの製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明のプロセスオイルの製造方法のもう一つの例を示すフローチャートである。

Claims (10)

  1. 原油の減圧蒸留残渣油を脱れきして脱れき油を得る脱れき工程と、
    前記脱れき油を溶剤抽出してエキストラクトを、脱れき油基準で50質量%以上の得率で得る溶剤抽出工程を備え、
    前記エキストラクトを、下記(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルとすることを特徴とするプロセスオイルの製造方法。
    (a)多環芳香族炭化水素(PCA)含有量3質量%未満
    (b)粘度(100℃)40〜70mm/s
    (c)アニリン点85〜95℃
    (d)引火点250℃以上
    (e)芳香族炭化水素の含有量40〜55質量%
    (f)極性物質の含有量10〜15質量%
  2. 原油の減圧蒸留残渣油を脱れきして脱れき油を得る脱れき工程と、
    前記脱れき油を溶剤抽出してエキストラクトを得る溶剤抽出工程を備え、
    前記溶剤抽出工程を得たエキストラクトと、前記脱れき工程で得た脱れき油を混合して得た混合油を、下記(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルとすることを特徴とするプロセスオイルの製造方法。
    (a)多環芳香族炭化水素(PCA)含有量3質量%未満
    (b)粘度(100℃)40〜70mm/s
    (c)アニリン点85〜95℃
    (d)引火点250℃以上
    (e)芳香族炭化水素の含有量40〜55質量%
    (f)極性物質の含有量10〜15質量%
  3. 原油の減圧蒸留残渣油を脱れきして脱れき油を得る脱れき工程と、
    前記脱れき油を脱ろうして脱ろう油を得る脱ろう工程と、
    前記脱ろう油を溶剤抽出してエキストラクトを、脱れき油基準で50質量%以上の得率で得る溶剤抽出工程を備え、
    前記エキストラクトを、下記(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルとすることを特徴とするプロセスオイルの製造方法。
    (a)多環芳香族炭化水素(PCA)含有量3質量%未満
    (b)粘度(100℃)40〜70mm/s
    (c)アニリン点85〜95℃
    (d)引火点250℃以上
    (e)芳香族炭化水素の含有量40〜55質量%
    (f)極性物質の含有量10〜15質量%
  4. 原油の減圧蒸留残渣油を脱れきして脱れき油を得る脱れき工程と、
    前記脱れき油を脱ろうして脱ろう油を得る脱ろう工程と、
    前記脱ろう油を溶剤抽出してエキストラクトを得る溶剤抽出工程を備え、
    前記溶剤抽出工程を得たエキストラクトと、前記脱ろう工程で得た脱ろう油及び多環芳香族炭化水素(PCA)含有量が3質量%未満の鉱油の少なくとも一つを混合して得た混合油を、下記(a)〜(f)の性状を有するプロセスオイルとすることを特徴とするプロセスオイルの製造方法。
    (a)多環芳香族炭化水素(PCA)含有量3質量%未満
    (b)粘度(100℃)40〜70mm/s
    (c)アニリン点85〜95℃
    (d)引火点250℃以上
    (e)芳香族炭化水素の含有量40〜55質量%
    (f)極性物質の含有量10〜15質量%
  5. 請求項2または請求項4に記載のプロセスオイルの製造方法において、
    前記混合油中の前記エキストラクトの含有量が40質量%以上80質量%未満であることを特徴とするプロセスオイルの製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のプロセスオイルの製造方法において、
    前記脱れき工程で得られた脱れき油の得率が減圧蒸留残渣油基準で30質量%以上であり、
    前記脱れき油の粘度(100℃)が30〜50mm/sであることを特徴とするプロセスオイルの製造方法。
  7. 請求項3ないし請求項6のいずれかに記載のプロセスオイルの製造方法において、
    前記脱ろう工程で製造された脱ろう油の流動点が0〜25℃、脱ろう油の得率が脱れき油基準で90質量%以上であることを特徴とするプロセスオイルの製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のプロセスオイルの製造方法において、
    前記溶剤抽出工程における抽出温度が80〜150℃であり、溶剤比が2.0〜12.0であることを特徴とするプロセスオイルの製造方法。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のプロセスオイルの製造方法において、
    前記プロセスオイルは、(g)流動点が40℃以下であることを特徴とするプロセスオイルの製造方法。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のプロセスオイルの製造方法において、
    前記プロセスオイルは、60倍のトルエンで希釈した際のASTM色相が8.0以下であることを特徴とするプロセスオイルの製造方法。
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