JP4782428B2 - シリコンの精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池等に使用されるシリコンの高純度化のための精方法に関する。
太陽電池等に用いられるシリコンは、高純度なものが求められる。特に、ボロンのように除去が困難な不純物については、種々の除去方法が提案されている。キャリアーガスと共に、何らかの固体あるいは何らかのガスを溶融シリコン中に吹き込む方法もその中の1つである。
特許文献1では、Ca(OH)やCaCOを、Ar、HO、またはCOをキャリアーガスとして用いて、吹き込む方法が提案されている。また、特許文献2では、キャリアーガスについては記載されていないものの、シリコンよりも低い密度を持つスラグ、具体的にはNaO−SiOを基材としたスラグを底穴から連続的に供給する方法が提案されている。
特開平9−202611号公報 特開平8−073209号公報
しかし、Ca(OH)やCaCOを、Ar、HO、またはCOをキャリアーガスとして吹き込む方法では、以下に示す2つの理由により、シリコン中のB濃度を太陽電池レベルである0.3ppm以下にまで下げることが不可能である。
第一の理由として、Ca(OH)やCaCOに不純物として含まれるB濃度が高いことが挙げられる。市販品では、数ppmのBが含まれていると推測できるので、どのような方法でシリコンに添加しても、シリコン中B濃度を1ppmよりも大幅に低下させることができない。
第二の理由として、Ca(OH)やCaCOによって形成されるCaO−SiO系のスラグは、シリコンより密度が大きいことが挙げられる。スラグがシリコンと接触する時間が長過ぎると、逆にシリコンへBが移動する復B現象が起きる。よって、シリコン中のB濃度をより低下させるためには、添加したスラグはしかるべき時間の後に取り除く必要がある。しかし、Ca(OH)やCaCOによって形成されるCaO−SiO系のスラグは、シリコンより密度が大きいために、スラグが溶融シリコン中に沈んでしまう。熱間では沈殿したスラグの除去ができないので、シリコン中のB濃度を1ppmよりも大幅に低下させることができないのである。
一方、NaO−SiOを基材とするスラグを底穴から連続的に添加する方法では、スラグに不純物として含まれるB濃度は低い。さらに、スラグの密度はシリコンよりも小さく、除去が容易である。しかし、スラグの持つ酸化力が弱く、ボロン除去能力は高いとは言えない。
本発明方法は、シリコンからのボロン除去を効率よく行い、シリコン中のB濃度を太陽電池レベルにまで下げるシリコンの精方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、
(1)容器に収容された溶融シリコンの上に当該溶融シリコンよりも密度の低い酸性酸化物の層を形成した後に、前記シリコンと前記酸性酸化物とが撹拌しないように当該容器の底穴あるいは浸漬管からキャリアーガスと共にNaCO、又はNaCOとSiOとの混合物を吹き込むことを特徴とするシリコンの精方法、
(2)前記(1)に記載の容器に収容された溶融シリコンの上に当該溶融シリコンよりも密度の低い酸性酸化物としてSiOを用いることを特徴とする(1)記載のシリコン精方法、
(3)前記(1)に記載のキャリアーガスとして酸化性ガス、不活性ガスのうち、少なくとも1つ以上のガスを用いることを特徴とする(1)に記載のシリコン精方法、
(4)前記(3)に記載の不活性ガスとしてArガスを用いることを特徴とする(3)に記載のシリコン精方法、
である。
本発明方式を用いることによって、効率よくシリコン中のボロン濃度を低下させることができる。
本発明は、図1に示すように、溶融したシリコン1中に容器の底穴2又は浸漬管3からキャリアーガスと共にNaCO(5)、又はNaCOとSiOとの混合物6を吹き込む方法である。
発明者等の実験では、ボロン除去能力はNaCOを吹き込む場合、およびNaCOとSiOとを吹き込む場合の方がNaO−SiOを吹きこむ場合よりも明らかに高かった。さらに、NaCOとSiOとを吹き込む場合、分子量比でNaCO/SiO>1となるようにNaCOとSiOの量を調節すると、ボロン除去能力を高められる点で好ましい。NaCOは、溶融シリコン中に添加されると分解されてCOを発生するが、このCOの酸化作用がB除去に効果的であると考えられる。また、SiOには、NaCOのNaOとCOへの分解を促進する作用があると考えられるため、NaCOとSiOとを吹き込む場合の方がより好ましい。ここで言うボロン除去能力とは、例えば、一定量の溶融シリコン中のボロン濃度を10質量ppmから1質量ppmへ低下させるのに要する、吹き込む固体の流量や時間等に係る。流量や時間が少ないほど、除去能力が高いと言うことになる。従来のNaO−SiOを連続的に添加する方式に比べ、本発明のNaCO、又はNaCOとSiOとを吹き込む本発明方法の方が、吹き込む固体の流量や時間を少なくすることが可能であるため、ボロン除去方法として優れていると言える。
一方、ボロン除去能力は、NaCO、又はNaCOとSiOとを吹き込む場合と、従来のCa(OH)やCaCOを吹き込む場合とでは、ほぼ同等であり、10ppm程度から1ppm程度までのボロン除去は同様に行うことができる。しかし、上記したようにCa(OH)やCaCOは、不純物として含まれているB濃度が数ppm程度であると考えられる。このことによって、Ca(OH)やCaCOを吹き込んだ場合、1ppm程度から0.3ppm程度までのボロン除去が困難である。なぜなら、溶融シリコン中のボロン濃度とCa(OH)やCaCOのボロン濃度が同じレベルだからである。一方、NaCOとSiOの不純物のB濃度は0.1ppmのオーダーであり、シリコン上に浮遊するスラグを復Bが起こらないように適当に除去さえすれば、シリコン中のB濃度を太陽電池レベルである0.3ppm以下にまで下げることができる。
さらに、NaCO、又はNaCOとSiOとを吹き込むときに形成されるスラグは、シリコンよりも密度が低く、シリコン上に浮くために除去が容易である。
スラグをキャリアーガスと共に添加する方法では、スラグやシリコンが飛散し、シリコンの収率を低下させる問題が生じる可能性がある。本発明方法では、図1に示すように、溶融シリコン1よりも密度の低い酸性酸化物4を溶融シリコン1上に添加することにより、溶融シリコンの上に層を形成してシリコン1の飛散を抑えることができる。溶融シリコンよりも密度の軽い酸性酸化物としては、SiOが好ましい。SiOであれば、廉価でボロン濃度が低いからである。
NaCO、又はNaCOとSiOとを吹き込むのに用いられるキャリアーガスは、酸化性ガス、不活性ガス又は双方の混合ガスが望ましい。酸化性ガスとしてはOやCO等が好ましい。酸化性ガスはガスそのものの酸化作用によりボロン除去効果をより高める一方、シリコンも酸化させてしまい、シリコンの収率を低くするおそれがあるため、酸化性ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いることが好ましい。不活性ガスは、酸化性ガスとは反対に、ボロン除去効果には寄与せず、また、シリコンを酸化させることもない。不活性ガスとしては、特にArが廉価で有効である。適度なボロン除去効果を維持しつつシリコンの収率低下を防止するためには、混合ガス中の酸化性ガスの割合は全体の2%以下が望ましい。
溶融するシリコンの初期ボロン濃度は、20質量ppm以下が望ましい。シリコンの収率は、NaCOや酸化性ガスの作用によるシリコンの酸化によって低下するおそれがある。初期ボロン濃度が20質量ppmを超えるレベルから太陽電池用シリコンレベルである0.3質量ppm以下にまで下げようとすると、長時間の精が必要になるおそれがある。また、精の時間が長くなることにより、酸化によるシリコンの収率が低下するおそれがあり、十分なシリコン量が得られない可能性がある。
以上のように本発明のシリコンの精方法を用いることによってシリコン中のボロンを効率よく除去し、B濃度を太陽電池レベルにまで下げることができる。
溶融シリコンにCaCOやNaCOを酸化性ガス又は不活性ガスで吹き込み精する試行実験を実施した。シリコン質量は10kgとした。また、ルツボにはカーボン、浸漬管にはアルミナ管を用い、総処理時間は120分とした。表1に示すように、吹き込み条件は、CaCOをArガスとOガスで吹き込む比較例1、CaCOをArガスとCOガスで吹き込む比較例2、CaCOをArガスで吹き込む比較例3、NaOとSiOとを1:1の分子量比でArガスで吹き込む比較例4、NaCOをArガスとOガスで吹き込む実施例1、NaCOをArガスとCOガスで吹き込む実施例2、NaCOをArガスで吹き込む実施例3、NaCOとSiOとを2:1の分子量比でArガスで吹き込む実施例4である。また、各比較例および各実施例において、溶融シリコン上にケイ砂を5kg添加した方式としない方式を実施した。さらに、スラグがシリコンに浮く比較例4と各実施例とでは、30分毎にスラグを除去した。比較例1〜3は、スラグが沈み、熱間でのスラグ除去ができないので、30分間スラグを吹き込んだ後、冷却し、スラグとシリコンとを分離することを4回繰り返した。吹き込むガス流量は、いずれも15L/min)とした。初期のシリコン中のボロン濃度13ppmに対して、処理後のボロン濃度やシリコンの収率を表2に示す。
Figure 0004782428
各比較例と各実施例とのB濃度の変化を比較すると、CaCOを用いた比較例1〜3では、いずれも1ppm程度で定常に達すること、NaO−SiOをスラグとして用いた比較例4は、90分後には1ppm以下に低下し、120分後には0.4ppm程度になることが判った。一方、NaCOをスラグとして用いた各実施例は、B濃度を0.03ppm以下に低下させられることが判った。但し、何れの方式も、ケイ砂を溶融シリコン上に添加した場合は、添加しない場合に比べ、収率が高いことが判った。
Figure 0004782428
本発明の模式図である。
符号の説明
1 シリコン、
2 底穴、
3 浸漬管、
4 酸性酸化物、
5 NaCO
6 NaCOとSiOとの混合物。

Claims (4)

  1. 容器に収容された溶融シリコンの上に当該溶融シリコンよりも密度の低い酸性酸化物の層を形成した後に、前記シリコンと前記酸性酸化物とが撹拌しないように当該容器の底穴あるいは浸漬管からキャリアーガスと共にNaCO、又はNaCOとSiOとの混合物を吹き込むことを特徴とするシリコンの精方法。
  2. 請求項1記載の容器に収容された溶融シリコンの上に当該溶融シリコンよりも密度の低い酸性酸化物としてSiOを用いることを特徴とする請求項1記載のシリコン精方法。
  3. 請求項1記載のキャリアーガスとして酸化性ガス、不活性ガスのうち、少なくとも1つ以上のガスを用いることを特徴とする請求項1記載のシリコン精方法。
  4. 請求項3記載の不活性ガスとしてArガスを用いることを特徴とする請求項3記載のシリコン精方法。
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