JP4781568B2 - メタセシス重合性モノマーの反応性溶液並びに架橋重合体成形物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なメタセシス重合性モノマーの反応性溶液およびそれを用いて重合・成形して得られる架橋重合体成形物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタセシス重合性環状オレフィンとメタセシス重合触媒からなるモノマー液と、メタセシス重合性環状オレフィンと活性化剤からなるモノマー液を混合し直ちに金型に注入し、金型内において重合架橋させて架橋重合体成形物を製造する方法が知られている。これは反応射出成形法(RIM)と呼ばれる。メタセシス重合性環状オレフィンとしてジシクロペンタジエンを用いたものはDCPD−RIMと呼ばれ、原料モノマー液の粘度が低いことから射出成形の圧力を低くできるため金型が安価であるという利点がある。また、DCPD−RIMでは大型の架橋重合体成形物が容易に得られ、架橋重合体成形物の剛性と耐衝撃性のバランスが良いことなどから近年広く使われるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
DCPD−RIMに使われるジシクロペンタジエンは極めて不快な強い異臭がするため、メタセシス架橋重合体成形物に未反応のジシクロペンタジエンが多く残留すると、成形物が独特の臭気を持つようになる。特開平1−135828号公報では添加剤を使い残留ジシクロペンタジエンモノマー量を減少させている。架橋重合体成形物の臭気を抑制する他の方法としては、塗料で塗装して臭気を封じ込める方法があるが手間がかかり経済的でない。室内で使う用途には成形物の完全な無臭化が強く求められており、残留モノマー量の低減化に対する要求がますます強くなっているが、経済的で有効な方法がないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、このような架橋重合体成形物の残留モノマーの低減について鋭意検討した結果、メタセシス重合性モノマーにエキソ−ジシクロペンタジエンを含有させることにより、架橋重合体成形物中のモノマー残留率が劇的に低下することを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、メタセシス重合触媒系の存在下、メタセシス重合性モノマーを重合しながら成形して得られる架橋重合体成形物において、エキソ−ジシクロペンタジエンを3質量%以上100質量%以下含むメタセシス重合性モノマーを用いることを特徴とする架橋重合体成形物およびその製造法である。
また、さらに、少なくとも、メタセシス重合触媒を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液A)とメタセシス重合触媒の活性化剤を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液B)からなるメタセシス重合性モノマーの反応性溶液において、前記溶液Aと溶液Bのメタセシス重合性モノマーの合計量に対してエキソ−ジシクロペンタジエンが3質量%以上100質量%以下含まれることを特徴とするメタセシス重合性モノマーの反応性溶液およびそれらを混合することにより、メタセシス重合性モノマーを重合させながら架橋重合体成形物を製造する方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において使用するメタセシス重合性モノマーとしては、エキソ−ジシクロペンタジエンの含有量が3質量%以上100質量%以下であることが必要であり、好ましくは9質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは33質量%以上100質量%以下である。その他の成分としては、エンド−ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン−シクロペンタジエン付加体、インデン−シクロペンタジエン付加体、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンなどを用いることができる。これらのモノマーを適宜配合することによりメタセシス重合性モノマーの組成は決められるが、通常はジシクロペンタジエン(エキソ体+エンド体)が50質量%以上である。ジシクロペンタジエン以外のモノマー組成がほぼ同じで重合条件も同じ場合、エキソ−ジシクロペンタジエンを多く含む方が架橋重合体成形物中のモノマー残留率が低下する。その理由としては、エキソ−ジシクロペンタジエンの重合速度がエンド−ジシクロペンタジエン等より大きいためと考えられる。
【0006】
本発明のエキソ−ジシクロペンタジエンについて説明する。ジシクロペンタジエンにはエンド−ジシクロペンタジエン(式1)とエキソ−ジシクロペンタジエン(式2)の2種類の立体異性体がある。単にジシクロペンタジエンと言うとエンド−ジシクロペンタジエンを指す。現在工業的に入手できるジシクロペンタジエンの主成分はエンド−ジシクロペンタジエンであり、エキソ−ジシクロペンタジエンの含有量は0〜2質量%程度である。
【化1】
【化2】
【0007】
エキソ−ジシクロペンタジエンはエンド−ジシクロペンタジエンを酸を用いて異性化させることにより調製することができる。例えばActa Chemica Scandinavica 44 (1990) P. 860では、Ptを担持したシリカ−アルミナ触媒を用いてエキソ−ジシクロペンタジエンを調製している。また特公平4−43890号公報では酸性白土を用いて同様に調製している。異性化させるだけでは純粋なエキソ−ジシクロペンタジエンは得られないが、精密蒸留することによって高純度のエキソ−ジシクロペンタジエンが得られる。
【0008】
メタセシス重合性モノマーの反応性溶液は、通常、少なくともメタセシス重合触媒を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液A)とメタセシス重合触媒の活性化剤を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液B)よりなる反応性溶液を組み合わせて使用される。
【0009】
メタセシス重合触媒としては、メタセシス重合活性のある金属化合物を用いる。通常はW、Mo、Ru、Ta等の金属化合物が使われる。具体的には、WCl6、WOCl4、MoCl5、MoOCl3、トリス(ドデシル)アンモニウムモリブデート、トリス(トリデシル)アンモニウムモリブデート、Grubbs触媒、TaCl5などが挙げられる。好ましくは、WCl6、WOCl4、トリス(ドデシル)アンモニウムモリブデート、トリス(トリデシル)アンモニウムモリブデート、Grubbs触媒が用いられる。またメタセシス重合性モノマーへのこれらの触媒の溶解性を上げるために、フェノール類やアセチルアセトンを加えて配位子交換しても良い。フェノール類としてはノニルフェノールなどを例示することができる。
溶液Aに用いられる触媒量は、メタセシス重合性モノマーとのモル比で1/20,000〜2/100であり、好ましくは1/10,000〜1/100である。
【0010】
なお、触媒はメタセシス重合性モノマーに溶解しておくのが好ましい。その際、反応性溶液の保存安定性を向上させるためにエーテル化合物を加えることができる。エーテル化合物としては鎖状エーテルや環状エーテルを使用することができる。鎖状エーテルとしては、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、n−アミルエーテル、i−アミルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルおよび例えばポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジメチルエーテルなどのポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類が挙げられる。環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられる。好ましくはジエチレングリコールジメチルエーテルが使われる。
【0011】
メタセシス重合性モノマーの活性化剤としては有機アルミニウム化合物が用いられる。有機アルミニウム化合物としては、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム化合物、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジオクチルアルミニウムアイオダイド等のアルキルアルミニウムハライド化合物が挙げられる。これらを混合して使うことも可能である。
溶液Bに使用される活性化剤の量は、メタセシス重合性モノマーとのモル比で1/20,000〜2/100、好ましくは1/10,000〜1/100である。
溶液Aと溶液Bは通常ほぼ等量で混合されるが、10:1〜1:10の範囲で適宜混合することができる。
触媒と活性化剤の比は通常ほぼ等モルで使用されるが、10:1〜1:10の範囲で適宜使用することができる。
【0012】
本発明に用いるエキソ−ジシクロペンタジエンは、溶液A、溶液Bの少なくともいずれか一方に含まれていればよく、両方に含まれていても良い。通常は、溶液Aと溶液Bのモノマー組成比をほぼ同じようにしておくことが好ましく、エキソ−ジシクロペンタジエンの含有量もほぼ同等としておくのが好ましい。ただし、溶液Aと溶液Bの重合性モノマーの合計量に対してエキソ−ジシクロペンタジエンが3質量%以上100質量%以下含まれるようにすることが必要であり、好ましくは9質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは33質量%以上100質量%以下である。
【0013】
メタセシス重合の重合調節剤としてエーテル化合物やアルコール化合物を共存させることができる。
エーテル化合物としては、前記の反応性溶液の保存安定性を向上させるために用いられるエーテル化合物を用いることができる。またアルコール化合物としては炭素数1〜40のアルコールが挙げられ、具体的にはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−アミルアルコール、2−アミルアルコール、t−アミルアルコール、オクチルアルコール、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
【0014】
また、架橋重合体成形物の耐衝撃性を高めるために、メタセシス重合性モノマーの反応性溶液にエラストマーを加えることができる。エラストマーとしてはエチレンプロピレンジエンターポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が使用できる。好ましくはエチレンプロピレンジエンターポリマーが用いられる。
【0015】
また、メタセシス重合性モノマーの反応性溶液には酸化防止剤を加えておくことが好ましい。酸化防止剤としては特に制限はないが、ヒンダードフェノールとして4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)(商品名Ethanox 702)、2,6−ジ−t−ブチルフェノールなどが挙げられる。
【0016】
さらに必要に応じて架橋重合体成形物に充填剤を加えることができるが、充填剤はメタセシス重合性モノマーの反応性溶液に添加しても良いし、金型中に入れておいても良い。充填剤としてはガラス繊維、カーボンブラック、雲母、ウォラストナイト、タルク、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0017】
本発明の架橋重合体成形物は、メタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液Aおよび溶液B)を金型中に導入し、重合と成形を同時に行なうことによって製造させる。成形法としてはレジンインジェクション方式でもRIM形式でも良い。
成形温度は20℃〜200℃、好ましくは25℃〜150℃、さらに好ましくは30℃〜100℃である。
加熱時間は1分〜12時間、好ましくは1分〜1時間、さらに好ましくは2分〜30分である。
金型の雰囲気は、通常は窒素等の不活性ガス雰囲気で行う。
【0018】
【実施例】
以下実施例で本発明を説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
<参考例1>
(エキソ−ジシクロペンタジエンの調製)
エンド−ジシクロペンタジエン(東京化成工業(株)製、純度99%)6,100gを10Lの3口フラスコに入れた。これにアルミナ触媒305gを加え窒素雰囲気下150℃で8時間加熱した。反応液をろ過した。ろ液6,070gを精密蒸留(理論段数30段の精留塔、還流比20:1)した。沸点74℃/30mm、Hg(1.3kPa)の留分1,694gが得られた。これは純度96.3%(ガスクロマトグラフィー)のエキソ−ジシクロペンタジエンである。
【0019】
<参考例2>
(W触媒液の調製)
窒素置換した100mlの3口フラスコにエンド−ジシクロペンタジエン(東京化成工業(株)製)15.0gとジエチレングリコールジメチルエーテル(アルドリッチ(株)製、無水)4.50gを入れ攪拌した。WClO4(アルドリッチ(株)製)8.55gを加え窒素を液中に吹き込んだ。これに4−ノニルフェノール(東京化成工業(株)製)11.0gとエンド−ジシクロペンタジエン5.5gの混合物を加え一晩攪拌した。さらにエンド−ジシクロペンタジエン15.0gを追加した。これはW濃度が0.50 mol/lのW触媒液である。
【0020】
<実施例1>
モノマー調製からメタセシス重合まで全ての操作はグローブボックス中窒素雰囲気下で行なった。
(メタセシス重合性モノマー液の調製)
エキソ−ジシクロペンタジエン(純度96.3%)908gを窒素雰囲気下1Lのガラス瓶に入れ、これにエチリデンノルボルネン(日本石油化学(株)製)22.1gを加え1日攪拌して溶解した。さらにモレキュラーシーブ13X(キシダ化学(株)製)90.8gを加え乾燥し、メタセシス重合性モノマー液(a)を調製した。
【0021】
(メタセシス重合触媒を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液A)の調製)
メタセシス重合性モノマー液(a)97.0mlを200mlナスフラスコに入れた。これにW触媒液(参考例2)1.00mlと4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)(東京化成工業(株)製)2.00gを加えて攪拌溶解した。これを攪拌しながら真空ポンプで減圧脱気(10mmHg(1.3kPa)、5分間)し、溶液Aを調製した。
【0022】
(メタセシス重合触媒の活性化剤を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液B)の調製)
メタセシス重合性モノマー液(a)99.7mlを200mlナスフラスコに入れた。これにジエチレングリコールジメチルエーテル(アルドリッチ(株)製、無水)1.17mlとトリイソブチルアルミニウム(日本アルキルアルミ(株)製)0.189mlを加えて攪拌溶解した。これを攪拌しながら真空ポンプで減圧脱気(10mmHg(1.3kPa)、5分間)し、溶液Bを調製した。
【0023】
(メタセシス重合)
調製した溶液Aと溶液B各100mlを300mlポリエチレンビーカー中で5秒間攪拌した。直ちに30℃のステンレス製金型(18×26.5cm)に注いだ。このとき白煙が発生した。混合から白煙発生までの時間をスモークタイムと呼ぶ。30分放置後金型から取り出して架橋重合体成形物を得た。
【0024】
(モノマー残留率と膨潤率の測定)
架橋重合体成形物を2cm角に切断し質量を測定した。100mlナスフラスコに移しトルエン25.0gを加えた。110℃で18時間加熱還流した。室温まで冷却し膨潤した架橋重合体成形物の質量を測定した。膨潤率は次式で求めた。
また、モノマーを溶出したトルエン溶液約1gの質量を測定した。内部標準物質としてn−プロピルベンゼン15mgを加えガスクロマトグラフィーで溶出モノマー質量を求め次式でモノマー残留率を計算した。
膨潤率(%)=(膨潤後の架橋重合体成形物の質量 − 膨潤前の架橋重合体成形物の質量)/膨潤前の架橋重合体成形物の質量 × 100
モノマー残留率(%)=溶出モノマー質量/膨潤前の架橋重合体成形物の質量
× 100
【0025】
(ガラス転位温度(Tg)の測定)
DSC法でJIS K 7121に準じて測定した。
実施例1の測定結果は他の結果と合わせて表1に示す。
【0026】
<実施例2>
エキソ−ジシクロペンタジエン227.3gにエンド−ジシクロペンタジエン227.3g、エチリデンノルボルネン9.18gおよびエチレンプロピレンジエンターポリマーEPT3070(三井化学(株)製)4.59gを混合し、またモレキュラーシーブ13X 23gとする他は実施例1と同様にしてメタセシス重合性モノマー液(b)を調製し、実施例1と同様に実験を行なった。
実施例2の結果は他の結果と合わせて表1に示す。
【0027】
<実施例3>
エキソ−ジシクロペンタジエン48.0gに、エンド−ジシクロペンタジエン436.5g、エチリデンノルボルネン10.0gおよびエチレンプロピレンジエンターポリマーEPT3070 5.0gを混合し、またモレキュラーシーブ13X 50gとする他は実施例1と同様にしてメタセシス重合性モノマー液(c)を調製し、実施例1と同様に実験を行なった。
実施例3の結果は他の結果と合わせて表1に示す。
【0028】
<実施例4>
エキソ−ジシクロペンタジエン15.0gに、エンド−ジシクロペンタジエン470g、エチリデンノルボルネン10.0gおよびエチレンプロピレンジエンターポリマーEPT3070 5.0gを混合し、またモレキュラーシーブ13X50gとする他は実施例1と同様にしてメタセシス重合性モノマー液(d)を調製し、実施例1と同様に実験を行なった。
実施例4の結果は他の結果と合わせて表1に示す。
【0029】
<実施例5>
エキソ−ジシクロペンタジエン 170gに、エンド−ジシクロペンタジエン 170g、トリシクロペンタジエン 150g、エチリデンノルボルネン 10.0gおよびエチレンプロピレンジエンターポリマーEPT3070 5.00gを混合し、またモレキュラーシーブ13X 50gとする他は実施例1と同様にしてメタセシス重合性モノマー液(e)を調製し、実施例1と同様に実験を行なった。
実施例5の結果は他の結果と合わせて表1に示す。
【0030】
<参考例3>
(Mo触媒(トリス(トリドデシル)アンモニウムモリブデート)の調製)
アンモニウムジモリブデート(ストレム製)1.30gと水50mlを300mlの3口フラスコに入れ攪拌した。これに35%塩酸0.75gを水10mlに溶かしたものを加え、さらに水15mlを加えた。これにトリドデシルアミン(東京化成工業(株)製)2.00gをトルエン25mlに溶かしたものを加え,さらにトルエン50mlを加えた。これを30分還流した後室温まで冷却した。分液ろうとに移し水層を除いた。さらに水20mlで3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥しろ過した。ろ液をモレキュラーシーブ13X(キシダ化学(株)製)14gで乾燥した。この溶液は0.10mol/l トリス(トリドデシル)アンモニウムモリブデートのトルエン溶液(Mo触媒液)である。
【0031】
<実施例6>
(メタセシス重合性モノマーの調製)
エキソ−ジシクロペンタジエン 227.3gに、エンド−ジシクロペンタジエン 227.3gとエチリデンノルボルネン9.28gを混合しまたモレキュラーシーブ13X 23gとする他は実施例1と同様にしてメタセシス重合性モノマー液(f)を調製した。
(メタセシス重合触媒を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液A’)の調製)
メタセシス重合性モノマー液(f)を用い、W触媒液の代わりにMo触媒液(参考例3)870mgを使用する他は実施例1と同様にして溶液A’を調製した。
(メタセシス重合触媒の活性化剤を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液B’)の調製)
メタセシス重合性モノマー液(f)10.0gを50mlスクリュー管に入れた。これに1−プロパノール 1.0Mトルエン溶液(無水)510mgとジエチルアルミニウムクロリド(1.0Mトルエン溶液)アルドリッチ(株)製)0.41mlを加えて攪拌溶解し、溶液B’を調製した。
(メタセシス重合)
調製した溶液A’と溶液B’全量を使用し、100℃に加熱してあるステンレス製金型(直径9cm)を使用する他は実施例1と同様にして重合を行った。15分放置後金型から取り出して架橋重合体成形物を得た。
得られた架橋重合体成形物の評価は実施例1と同様に行なった。
実施例6の結果は他の結果と合わせて表1に示す。
【0032】
<比較例1>
エンド−ジシクロペンタジエン 859gに、エチリデンノルボルネン 26.6gを混合し、またモレキュラーシーブ13X 88.6gとする他は実施例1と同様にしてメタセシス重合性モノマー液(g)を調製し、実施例1と同様に実験を行なった。
比較例1の結果は他の結果と合わせて表1に示す。
【0033】
<比較例2>
エンド−ジシクロペンタジエン 485gに、エチリデンノルボルネン 10.0gおよびエチレンプロピレンジエンターポリマーEPT3070 5.0gを混合し、またモレキュラーシーブ13X 50gとする他は実施例1と同様にしてメタセシス重合性モノマー液(h)を調製し、実施例1と同様に実験を行なった。
比較例2の結果は他の結果と合わせて表1に示す。
【0034】
<比較例3>
エンド−ジシクロペンタジエン 340gに、トリシクロペンタジエン 150g、エチリデンノルボルネン10.0gおよびエチレンプロピレンジエンターポリマーEPT3070 5.00gを混合し、またモレキュラーシーブ13X 50gとする他は実施例1と同様にしてメタセシス重合性モノマー液(i)を調製し、実施例1と同様に実験を行なった。
比較例3の結果は他の結果と合わせて表1に示す。
【0035】
<比較例4>
比較例1のメタセシス重合性モノマー液(g)を使用する他は実施例6と同様に実験を行なった。
比較例4の結果は他の結果と合わせて表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
メタセシス重合性モノマーとしてエキソ−ジシクロペンタジエンを含有したモノマーを用いることにより、得られる架橋重合体成形物中のモノマー残留率を減少させることができる。
Claims (5)
- メタセシス重合触媒系の存在下に、不活性ガス雰囲気中で、メタセシス重合性モノマーを重合しながら成形して得られる架橋重合体成形物において、該メタセシス重合性モノマーがジシクロペンタジエンを50質量%以上〜97質量%以下含み、かつエキソ−ジシクロペンタジエンを9質量%以上、97質量%以下含むメタセシス重合性モノマーを用いて得られることを特徴とする架橋重合体成形物。
- 前記エキソ−ジシクロペンタジエンがエンド−ジシクロペンタジエンをシリカ−アルミナ触媒を用いて異性化させることにより調製されたものであることを特徴とする請求項1に記載された架橋重合体成形物。
- メタセシス重合触媒系の存在下に、不活性ガス雰囲気中で、メタセシス重合性モノマーを重合しながら架橋重合体成形物を製造する方法において、該メタセシス重合性モノマーがジシクロペンタジエンを50質量%以上〜97質量%以下含有し、かつエキソ−ジシクロペンタジエンを9質量%以上、97質量%以下含有することを特徴とする架橋重合体成形物の製造方法。
- 少なくとも、メタセシス重合触媒を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液A)およびメタセシス重合触媒の活性化剤を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液B)を混合することにより、不活性ガス雰囲気中で、メタセシス重合性モノマーを重合しながら架橋重合体成形物を製造する方法において、前記溶液Aおよび溶液Bのメタセシス重合性モノマーの合計量に対して、ジシクロペンタジエンを50質量%以上〜97質量%以下含有し、かつエキソ−ジシクロペンタジエンを9質量%以上、97質量%以下含有することを特徴とする架橋重合体成形物の製造方法。
- 少なくとも、メタセシス重合触媒を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液A)とメタセシス重合触媒の活性化剤を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液B)からなるメタセシス重合性モノマーの反応性溶液において、前記溶液Aと溶液Bのメタセシス重合性モノマーの合計量に対して、ジシクロペンタジエンを50質量%以上〜97質量%以下含有し、かつエキソ−ジシクロペンタジエンを9質量%以上、97質量%以下含むことを特徴とするメタセシス重合性モノマーの反応性溶液。
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