JP4780885B2 - 正常細胞を化学療法剤の細胞毒性から保護するための方法 - Google Patents
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Description
関連出願の相互参照
ここでは、35 U.S.C.119(e)に従って、米国仮特許出願第60/159,123号(1999年10月12日出願)の出願日の利益を請求し、またその全ての開示を参照することによりここに組み入れるものとする。
【0002】
発明の分野
本発明は、抗癌化学療法の分野並びに抗癌化学療法剤の細胞毒性作用から患者の正常細胞を保護するために抗癌化学療法の前に、その間に又はその後に投与される細胞保護性薬剤に関する。
【0003】
発明の背景
実験的化学療法は、外科的に切除できない進行癌又は標準的な化学療法及び放射線療法では処置できない癌と診断された患者にとって頼みの綱となっている。一層有効な部類の薬剤について、その治効性は依然限られている。これは、それらの比較的狭い治療指数、限られた薬量、治療の遅延及びごく部分的な腫瘍減少の割合が比較的大きいことのためである。通常は、この状態に続いて再発、腫瘍負荷量の増大及び薬剤耐性腫瘍の生成が起こる。
抗癌剤の治療指数を高めるために幾つかの細胞保護剤が提案された。メトキサレート毒性のためのこのような細胞保護剤には、アスパラギナーゼ、ロイコボラムファクター、チミジン及びカルビペプチターゼが包含される。アントラサイクリンが頻繁に使用されたために、色々の効能度を有する特異的及び非特異的細胞保護剤が提案され、コルチコステロイド、デスラゾキサン及びスタウロスポリンが包含される。後者は、正常細胞にG1/S制限遮断を誘発させる点で関心がある(チェン他、Proc.AACR 39:4436A、1998)。
【0004】
シスプラチンは、広く使用されていて、細胞保護剤の研究調査を急がせた小さい治療指数を有する。シスプラチンのための臨床的潜在性を持った細胞保護剤には、メスナ、グルタチオン、Na−チオサルフェート及びアミフォスチンがある(グリッグス、Leuk.Res.22 Suppl.1:S27−33、1998;リスト他、Semin.Oncol.23(4 Suppl.8):58−63、1996;テイラー他、Eur.J.Cancer 33(10):1693−8、1997)。これらのどれも又はその他の提案された細胞保護剤、例えば、フルオルピリミジン毒性のためのオキソン酸若しくはパクリタキセルPC12細胞毒性のためのプロサプチドのどれも、正常な複製細胞を静止状態にさせる機構によって機能するものと思われない。
ここに必要とされていることは、化学療法剤の細胞毒性副作用から人を含めて動物を保護するのに有効である細胞保護剤である。
【0005】
上記とは関係なく、抗癌剤として薬効を有するスチリルスルホンがWO99/18068(この全ての開示をここに引用することによって明細書の一部とする)に報告された。この化合物は、正常細胞を殺傷させることなく腫瘍細胞の死を誘発させることによって腫瘍細胞の増殖を抑止する。スチリルスルホンは広範囲の腫瘍タイプに有効である。いかなる理論と結び付けようと欲しないが、スチリルスルホンはミトゲン活性蛋白キナーゼ(MAPK)情報伝達経路に影響し、これにより腫瘍細胞の増殖及び生存に影響するものと思われる。
【0006】
発明の概要
本発明の目的は、癌及びその他の増殖性疾病の治療に使用される化学療法薬剤、特に有糸分裂期細胞周期阻害薬及びトポイソメラーゼ阻害薬の細胞毒性副作用から人を含めて動物を保護するための組成物及び方法を提供することである。
【0007】
本発明の目的は、正常細胞に対する細胞毒性作用を軽減し又は除去させる、癌又はその他の増殖性疾病の治療方法を提供することである。
【0008】
本発明の目的は、癌又はその他の増殖性疾病の治療に使用される化学療法薬剤、特に有糸分裂期細胞周期阻害薬及びトポイソメラーゼ阻害薬の作用を高めることである。
【0009】
本発明の目的は、化学療法薬剤の投与前に、非腫瘍細胞に可逆的周期静止状態を誘発させる細胞保護性化合物を投与することを包含する癌又はその他の増殖性疾病を治療するための治療プログラムを提供することである。
【0010】
本発明の目的は、癌及びその他の増殖性疾病の治療に使用される化学療法薬剤、特に有糸分裂期細胞周期阻害薬及びトポイソメラーゼ阻害薬の投薬量を安全に増大させるための方法を提供することである。
【0011】
本発明の方法によれば、有糸分裂期細胞周期阻害薬又はトポイソメラーゼ阻害薬の投与の細胞毒性副作用から動物を保護するための方法は、動物に、前記阻害薬の投与に先立って、有効量の少なくとも1種の細胞保護性α,β−不飽和アリールスルホン化合物を投与することからなる。用語“動物”とは、人間並びに人間以外の動物を意味する。
【0012】
用語“α,β−不飽和アリールスルホン化合物”とは、ここで使用するときは、次式:
【化11】
(ここで、Q2は置換又非置換アリールであり、α及びβ炭素に結合した水素原子はその他の化学基により置換されていてもよい)
のα,β−不飽和アリールスルホン基を1個以上含有する化合物を意味する。
【0013】
用語“置換”とは、ある原子又は原子群が環原子に結合した置換基として水素を置き換えたことを意味する。環系における置換度は、一、二、三又はこれよりの高次の置換であることができる。
【0014】
用語“アリール”とは、単独で又は組合わせて、1、2又は3個以上の環を含有し、このような環が垂れ下がった形で一緒に結合してよく又は縮合してもよい炭素環式芳香族系を意味する。用語“アリール”は、1個のみの炭素環原子を含有する芳香族系のみならず、環原子として1個以上の非炭素原子をを含有する系も包含することを意図する。このような系は、“ヘテロアリール”として知られる。従って、用語“アリール”は、“ヘテロアリール”を包含するものと認められる。ヘテロアリール基には、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、ピロリル及びチエニル−1,1−ジオキシドが包含される。複素環式基は、置換又は非置換であることができる。用語“アリール”は、6員の環系に限定されない。
【0015】
一具体例によれば、α,β−不飽和アリールスルホン基は、次式:
【化12】
(ここで、α及びβ−炭素に結合した水素原子はその他の基により置き換えることができ、またフェニル環は置換されていてもよい)
のスチリルスルホン基である。
【0016】
用語“スチリルスルホン”又は“スチリルスルホン化合物”又は“スチリルスルホン治療剤”とは、ここで使用するときは、1個以上のこのようなスチリルスルホン基を含有する化合物を意味する。
【0017】
本発明の他の具体例によれば、癌又はその他の増殖性疾病のために個体を治療する方法が提供される。この方法は、動物に有効量の少なくとも1種の有糸分裂期細胞周期阻害薬又はトポイソメラーゼ阻害薬を投与し、このその阻害薬の投与の前に、有効量の少なくとも1種の細胞保護性α,β−不飽和アリールスルホン化合物を投与することかなる。
【0018】
有糸分裂期細胞周期阻害薬又はトポイソメラーゼ阻害薬の“有効量”とは、宿主動物における癌細胞を殺傷し又はその増殖を減少させるのに有効な量を意味する。細胞保護性α,β−不飽和アリールスルホン化合物の“有効量”とは、動物の正常細胞に対する有糸分裂期細胞周期阻害薬又はトポイソメラーゼ阻害薬の毒性を減少させるのに有効な化合物の量を意味する。
【0019】
α,β−不飽和アリールスルホン細胞保護性化合物は、二重結合の存在から生じるcis−trans異性により特徴づけられる。二重結合の周囲の立体的関係が“Z”又は“E”により示される。この両配置は、“α,β−不飽和アリールスルホン”の範囲に包含される。
【化13】
【0020】
一具体例によれば、α,β−不飽和アリールスルホン化合物は、式I:
【化14】
(ここで、
nは1又は0であり、
Q1及びQ2は、同一であっても異なっていてもよく、置換又は非置換アリールである)
の化合物である。
好ましくは、式Iのnは1である。即ち、この化合物はα,β−不飽和ベンジルスルホン、例えばスチリルベンジルスルホン類を含む。
【0021】
下位の一具体例によれば、nは好ましくは1であり、
Q1は置換又は非置換のフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アントラニル及び式II:
【化15】
(ここで、
n1は1又は2であり、
Y1及びY2は独立して水素、ハロゲン及びニトロよりなる群から選択され、
X1は酸素、窒素、硫黄及び次式:
【化16】
の基よりなる群から選択される)
の芳香族基よりなる群から選択され、
Q2は置換又は非置換のフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アントラニル及び式III :
【化17】
(ここで、
n2は1又は2であり、
Y3及びY4は独立して水素、ハロゲン及びニトロよりなる群から選択され、
X2、X3及びX4は炭素、酸素、窒素、硫黄及び次式:
【化18】
の基よりなる群から選択される。ただし、X2、X3及びX4の全ては炭素ではあり得ない)
の芳香族基よりなる群から選択される。
式Iに従う好ましい一具体例によれば、Q1及びQ2は置換フェニル及び非置換フェニルから選択される。
【0022】
Q1及びQ2は置換フェニル及び非置換フェニルから選択される好ましい化合物は、式IV:
【化19】
(ここで、R1〜R10は独立して水素、ハロゲン、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、ヒドロキシ、ホスホナト、アミノ、スルファミル、アセトキシ、ジメチルアミノ(C2〜C6アルコキシ)、C1〜C6トリフルオルアルコキシ及びトリフルオルメチルよりなる群から選択される)
の化合物を含む。
【0023】
一具体例では、式IVの化合物は、少なくとも1個の環上に少なくとも二置換している。即ち、R1〜R5の少なくとも2個及び(又は)R5〜R10の少なくとも2個が水素以外のものである。他の具体例では、式IVの化合物は、少なくとも1個の環上に少なくとも三置換している。即ち、R1〜R5の少なくとも3個及び(又は)R5〜R10の少なくとも3個が水素以外のものである。
【0024】
一具体例では、細胞保護性化合物は、式V:
【化20】
(ここで、R1、R2、R3及びR4は独立して水素、ハロゲン、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、ヒドロキシ及びトリフルオルメチルよりなる群から選択される)
を有する。
【0025】
本発明の特に好ましい具体例によれば、細胞保護性化合物は、R1及びR2が独立して水素、塩素、弗素、臭素、シアノ及びトリフルオルメチルよりなる群から選択され、R3及びR4が独立して水素、塩素、弗素及び臭素よりなる群から選択される式Vに従うものである。
【0026】
E配置を有する式Vに従う好ましい化合物には、(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン、(E)−4−クロルスチリル−4−クロルベンジルスルホン、(E)−2−クロル−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン、(E)−4−カルボキシスチリル−4−クロルベンジルスルホン、(E)−4−フルオルスチリル−2,4−ジクロルベンジルスルホン、(E)−4−フルオルスチリル−4−ブロムベンジルスルホン、(E)−4−クロルスチリル−4−ブロムベンジルスルホン、(E)−4−ブロムスチリル−4−クロルベンジルスルホン、(E)−4−フルオルスチリル−4−トリフルオルメチルベンジルスルホン、(E)−4−フルオルスチリル−3,4−ジクロルベンジルスルホン、(E)−4−フルオルスチリル−4−シアノベンジルスルホン、(E)−2,4−ジクロルスチリル−4−クロルベンジルスルホン及び(E)−4−クロルスチリル−2,4−ジクロルベンジルスルホンが包含されるが、これらに限定されない。
【0027】
他の具体例によれば、式Iの化合物は、R1及びR3が水素であり、R2及びR4が4−Cl、4−F及び4−Brよりなる群から選択されるZ配置を有するものである。このような化合物は、例えば、(Z)−4−クロルスチリル−4−クロルベンジルスルホン、(Z)−4−クロルスチリル−4−フルオルベンジルスルホン、(Z)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン、(Z)−4−ブロムスチリル−4−クロルベンジルスルホン及び(Z)−4−ブロムスチリル−4−フルオルベンジルスルホンを包含する。
【0028】
他の具体例によれば、細胞保護性α,β−不飽和アリールスルホン化合物は、式VI:
【化21】
(ここで、R1、R2、R3及びR4は独立して水素、ハロゲン、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、ヒドロキシ及びトリフルオルメチルよりなる群から選択される)
の化合物である。
【0029】
一具体例では、式VIのR1は、水素、塩素、弗素及び臭素よりなる群から選択され、R2、R3及びR4は水素である。
【0030】
更に他の具体例によれば、細胞保護性α,β−不飽和アリールスルホン化合物は、式VII:
【化22】
(ここで、Q3、Q4並びにQ 5 はフェニル並びに一、二、三、四及び五置換フェニル(これらの置換基(同一であっても異なっていてもよい)は独立してハロゲン、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、ヒドロキシ、ホスホナト、アミノ、スルファミル、アセトキシ、ジメチルアミノ(C2〜C6アルコキシ)、C1〜C6トリフルオルアルコキシ及びトリフルオルメチルよりなる群から選択される)よりなる群から選択される)
の化合物である。
【0031】
式VIIの下位の一具体例によれば、細胞保護性α,β−不飽和アリールスルホン化合物は、式VIIa:
【化23】
(ここで、
R1及びR2は独立して水素、ハロゲン、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、ヒドロキシ及びトリフルオルメチルよりなる群から選択され、
R3は非置換フェニル、一置換フェニル及び二置換フェニル(フェニル環上の置換基はハロゲン及びC1〜C8アルキルよりなる群から選択される)よりなる群から選択される)
の化合物である。
【0032】
好ましくは、式VIIaにおけるR1は弗素及び臭素よりなる群から選択され、R2は水素であり、R3は2−クロルフェニル、4−クロルフェニル、4−フルオルフェニル及び2−ニトロフェニルよりなる群から選択される。
式VIIaに従う好ましい細胞保護性スチリルスルホンは、R1が弗素であり、R2が水素であり、R3がフェニルである化合物、即ち、2−(フェニルスルホニル)−1−フェニル−3−(4−フルオルフェニル)−2−プロペン−1−オン化合物である。
【0033】
“ジメチルアミノ(C2〜C6アルコキシ)”とは、(CH3)2N(CH2)nO−(ここで、nは2〜6である)を意味する。好ましくは、nは2又は3である。最も好ましくは、nは2である。即ち、この基はジメチルアミノエトキシ、即ち(CH3)2NCH2CH2O−である。
“ホスホナト”とは、基−PO(OH)2を意味する。
“スルファミル”とは、基−SO2NH2を意味する。
【0034】
アリール核上の置換基がアルコキシ基である場合には、炭素連鎖は分岐状又は直鎖状であることができ、直鎖状が好ましい。好ましくは、アルコキシ基は、C1〜C6アルコキシ、更に好ましくはC1〜C4アルコキシ、最も好ましくはメトキシよりなる。
【0035】
図面の説明
図1は、種々の濃度のスチリルスルホン、(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンで処理した正常なヒト線維芽細胞(HFL−1)の平板培養効率を示す。細胞は指定された濃度のスチリルスルホンと共に24時間インキュベーションし、3回洗浄し、トリプシン化することによって収穫した。細胞を種々の希釈度で平板培養してコロニー形成能力を決定した。
図2は、(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンに対するHFL−1の長期間露呈の効果を示す。細胞を2.5又は5.0μMのスチリルスルホンに96時間露呈させ、次いでカウントした。
図3は、(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンにより予備処理し、次いでパクリタキセルに露呈するか、又はこの両薬剤により同時に処理したHFL−1細胞に対するパクリタキセルの効果のグラフである。細胞をパクリタキセルに露呈してから96時間後に数えた。
図4は、ビンクリスチン毒性がスチリルスルホン処置により除かれているHFL−1細胞に対するビンクリスチンの効果のプロットである。正常なHFL−1細胞を0〜0.250nMのビンクリスチン及び2.0μMの(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンにより指示した通りに処理した。ビンクリスチンを添加してから96時間後に細胞生存率を評価した。“V”は、ビンクリスチン単独での処理であり、“A→V”はスチリルスルホン、次いで24時間後にビンクリスチンでの処理であり、“A+V”はスチリルスルホンとビンクリスチンによる同時処理であり、“V→A”はビンクリスチン、次いで24時間後のスチリルスルホンによる処理である。
図5は、マウスをパクリタキセル毒性から保護するに当たってのスチリルスルホン、(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンの効果を示す。スチリルスルホンは、パクリタキセルの24時間前、パクリタキセルの4時間前、又はパクリタキセルと同時に与えた。対照例動物はパクリタキセルのみ又はスチリルスルホンのみを受けた。死亡率はパクリタキセルの注射の48時間後に評価した。
図6は、死亡率をパクリタキセルの投与の144時間後に評価したことを除いて、図5と類似する。
【0036】
発明の詳細な説明
本発明に従えば、ある種のα,β−不飽和アリールスルホンは、有糸分裂期細胞周期阻害薬を含む化学療法剤による抗癌治療の悪影響を減少させ又は除去する目的で投与される。
【0037】
細胞周期の通常の記載は、一続きのフェーズ、間期とM(有糸分裂)期による周期、並びに、S期(合成期)として知られるDNA合成が進行している期間及びS期を有糸分裂と分離するギャップへの間期の細区分による周期を示す。G1は、有糸分裂後でDNA合成開始前のギャップであり、G2は、DNA合成の完了後で有糸分裂及び細胞分裂の前のギャップである。従って、間期は、連続するG1、S及びG2期よりなり、通常、全細胞周期時間の90%以上を構成する。M期は、核分裂(有糸分裂)と細胞質の分裂(細胞質分裂)よりなる。M期の初期には、複製された染色体が、それらの拡張された間期状態から凝縮される。核膜が崩壊し、核内容物が分かれるにつれて、各染色体が移動して姉妹染色分体の対が分離する。次いで、2つの核膜が形成され、細胞質が分裂して、それぞれ1つの核を有する2つの娘細胞を生成する。この細胞質分裂の過程は、M期を終了させ、次の細胞周期の間期の開始を示す。M期の終了から生成した娘細胞は、新たな細胞周期の間期を開始する。
【0038】
「有糸分裂期細胞周期阻害薬」とは、その作用機構が、細胞周期の有糸分裂(M)期の何れかの部分を細胞が通過することを阻害することを含む化学剤を意味する。かかる薬剤には、例えば、制限はしないが、タキサン例えばパクリタキセル及びその類似体;ビンカアルカロイド例えばビンクリスチン及びビンブラスチン;コルヒチン;エストラムスチン;及び天然のマクロライド例えばリゾキシン、メイタンシン、アンサミトシンP−3、フォモプシンA、ドラスタチン10及びハリクロンジンBが含まれる。
【0039】
パクリタキセルは、卵巣癌、乳癌及び肺癌の初期治療において現在使用されて中程度に成功している抗有糸分裂剤である。ビンクリスチンは、乳癌、ホジキンリンパ腫及び小児癌の治療に広く用いられているよく確立された抗有糸分裂剤である。
【0040】
トポイソメラーゼは、DNAの一のトポロジー形態から他の形態への変換を、DNAの二本鎖の一方又は両方の鎖に一時的な切断を導入することによって触媒する一群の酵素を構成する。トポロジー的異性体は、スーパーコイリングの状態においてのみ異なっている分子である。I型トポイソメラーゼは、DNAの一方の鎖を切って、負のスーパーコイルを弛緩させるが、正のスーパーコイルには作用しない。II型トポイソメラーゼは、DNAの両方の鎖を切って、DNA中の負のスーパーコイリングの程度を増大させる。「トポイソメラーゼ阻害薬」とは、その作用機構が、トポイソメラーゼの機能を邪魔することを含む化学剤を意味する。
トポイソメラーゼIの阻害薬には、例えば、アドリアマイシン及びエトポシドが含まれる。トポイソメラーゼIIの阻害薬には、例えば、カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカンが含まれる。
【0041】
α,β不飽和アリールスルホンは、他の公知の細胞保護剤とは、それらが、正常細胞を保護するだけでなく、腫瘍細胞中では機能的に細胞障害性でもある点で異なっている。正常細胞においては、これらのα,β不飽和アリールスルホンは、可逆的な休止状態を誘導して、正常細胞を、有糸分裂期細胞周期阻害薬及びトポイソメラーゼ阻害薬の細胞障害効果に対して比較的耐性にする。α,β不飽和アリールスルホン化合物の腫瘍細胞に対する細胞障害効果を示すデータは、PCT/US/98/20580;PCT/US00/08565;及び次の一般的に挙げられる米国特許出願に示されている:60/127,683(1999年4月2日出願);60/143,975(1999年7月15日出願);09/282,855(1999年3月31日出願);及び60/197,368(2000年4月14日出願)。上記のPCT及び米国特許出願のすべての開示を参考として本明細書中に援用する。これらのα,β不飽和アリールスルホン(特に、スチリルスルホン)は、正常細胞において細胞保護的であり且つ癌細胞においては毒性である第一の化合物であると考えられる。
【0042】
ここで示すように、イン・ビトロでα,β不飽和アリールスルホンにさらされた正常なヒトの繊維芽細胞は、一時的に減少した複製速度を示す。同じ細胞を、次いで、有糸分裂期細胞周期阻害薬例えばパクリタキセルにさらした場合には、それらの細胞は、この阻害薬の毒性効果から保護される。α,β不飽和アリールスルホンとこの阻害薬に同時にさらした場合には、保護は生じない。正常組織に対するα,β不飽和アリールスルホンの作用の正確な細胞保護機構は、不明である。しかしながら、実験モデルに基づいて、如何なる理論に束縛されることも望まないが、これらの化合物は、有糸分裂が通過する可逆的な休止細胞周期状態を誘導する正常細胞中の幾つかのエレメントに影響を与えることができ、かかる通過に必要な変化の多くが、ダウンレギュレートされ、不活性化され又は存在しない。腫瘍細胞は、α,β不飽和アリールスルホンのこの効果に耐性であるようであり、事実、細胞周期を巡り続ける(容易に活性化されるプログラムされた細胞死経路を有して)。他の可能な保護機構により、抗癌剤誘導性炎症性サイトカインの単球又はマクロファージからの放出、JNK−1死滅経路の誘導の活性化及びP34Cdc2キナーゼは、α,β不飽和アリールスルホンに予めさらすことにより無害にされうる。
【0043】
腫瘍細胞においては、α,β不飽和アリールスルホンは、対比的特性を示す。それらは、低濃度で(高濃度でさえも)、可逆的な細胞増殖抑制性であるよりもむしろ殺細胞性である。これらのα,β不飽和アリールスルホンの正常細胞に対する影響は、一時的な細胞周期の停止を引き起こすことである。パクリタキセルの細胞障害性効果は、炎症性サイトカインIL−1、TNF及び一酸化窒素の放出を包含する(Kirikae等、Biochem Biophys Res Commun.245:698-704,1998;White等、Cancer Immunol.Immunoth.46:104-112,1998)。その主たる効果は、有糸分裂のブロック及びc−JunNHα末端キナーゼ/AP−1死滅経路の誘導である。(Lee等、J.Biol Chem 273:28253-28260,1998;Amato等、Cancer Res.58:241-247,1998参照)。パクリタキセルの細胞障害性に対する細胞保護剤として、これらのα,β不飽和アリールスルホンは、正常細胞におけるパクリタキセルに対するマクロファージ/単球の応答の直接又は間接的な生化学的ブロックをも誘導して細胞死シグナル伝達経路を邪魔する。
【0044】
細胞毒性の薬剤、即ち、有糸分裂期細胞周期阻害薬又はトポイソメラーゼ阻害薬の投与スケジュールは、α,β−不飽和アリールスルホンが細胞毒性薬剤の投与の前に投与されるという条件で任意のスケジュールであることができる。スルホンは、このものが患者の正常細胞に対して細胞保護作用を発揮させるのに十分な濃度で正常細胞に到達できるように、細胞毒性薬剤よりもはるかに先立って投与されるべきである。一具体例では、スルホンは、細胞毒性薬剤の投与の少なくとも約4時間前に投与される。スルホンは、細胞毒性薬剤の投与の約48時間以上、好ましくはせいぜい約36時間ほど前に投与することができる。最も好ましくは、スルホンは細胞毒性薬剤の投与の約24時間前に投与される。スルホンは細胞毒性薬剤の投与の24時間以上で又は以内で投与することができるが、α,β−不飽和アリールスルホン細胞保護性は、細胞毒性薬剤の投与の約24時間前に投与されるときに最大である。1種以上の細胞毒性薬剤を投与することができる。同様に、1種以上のα,β−不飽和アリールスルホンを併用することができる。
【0045】
細胞毒性薬剤が連続態様で投与される場合には、4〜48時間、好ましくは12〜36時間、最も好ましくは24時間で2種の薬剤タイプの投与を離すという通告を伴うスケジュール内でスルホンの投与をその間に入れることが実用的であることが証明できる。この戦略は、抗癌剤の活性に影響を与えずに、細胞毒性薬剤の副作用のより完全な一掃を生じさせよう。
例えば、有糸分裂阻害薬を毎日、又は4日ごとに、又は21日ごとに与えることができる。スルホンは、それぞれ阻害薬の投与の24時間前に細胞保護剤として及び抗癌剤として共に与えることができる。
【0046】
“投与”とは、生理学的作用が具現されるように薬剤を患者に利用できるようにさせる作用を意味するものと認められる。従って、本発明の範囲内で意図されることは、薬剤を患者の体内に制御された又は徐放性の処方物で、薬剤の全身又は局部的な放出によりその後に存在させるように注入することである。従って、スルホンの貯蔵所を、患者に細胞毒性薬剤の投与の48時間以上前に、該スルホンの少なくとも一部分が該貯蔵所に保持され且つ細胞毒性薬剤の投与の前の48時間の枠までに放出されないことを条件として、投与することができる。
【0047】
α,β−不飽和アリールスルホン化合物は、患者に所望の細胞保護作用をもたらすのに十分である任意の経路で投与することができる。投与経路には、経口のような経腸投与、静脈内、動脈内、筋肉内、鼻内、直腸内、腹腔内、皮下及び局所経路のような非経腸投与が包含される。
【0048】
α,β−不飽和アリールスルホンは、製薬上許容できるキャリアーと組合わせて製薬組成物の形で投与することができる。このような処方物における活性成分は、0.1〜99.99重量%を占めることができる。“製薬上許容できる”とは、処方物の他の成分と適合性でありかつ受容者に有害でない任意のキャリアー、希釈剤又は補助剤を意味する。
【0049】
活性成分は、製薬製剤の分野における標準的な実施に従って投薬形態に処方することができる。アルホンソ・ジェナロ編「レミントンの製薬科学 18版」(マックパブリッシング社、イーストン PA)を参照されたい。好適な投薬形態は、例えば、錠剤、カプセル、溶液、非経口用溶液、トローチ、坐薬又は懸濁液を包含できる。
【0050】
非経口的投与のためには、α,β−不飽和アリールスルホンは、水、油、塩水溶液、デキストロース(グルコース)水溶液及び関連糖溶液、又はプロピレングリコール若しくはポリエチレングリコールの如きグリコールのような好適なキャリアー又は希釈剤と混合することができる。非経口的投与のための溶液は、好ましくは、活性剤の水溶性塩を含有する。安定化剤、酸化防止剤及び保存剤も添加することができる。好適な酸化防止剤には、亜硫酸塩、アスコルビン酸、くえん酸及びその塩類、EDTAナトリウム塩がある。好適な保存剤には、塩化ベンザコニウム、メチル−又はプロピル−パラバン、クロルブタノールがある。非経口的投与のための組成物は、水性又は非水性の溶液、分散液、懸濁液又はエマルジョンの形を取ることができる。
【0051】
経口的投与のためには、活性剤は、錠剤、カプセル、ピル、粉末、顆粒又はその他の好適な経口投薬形態の製造のため1種以上の個体不活性成分と混合することができる。例えば、活性剤は、少なくとも1種の補助剤、例えば、充填剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸収剤又は滑剤と混合することができる。錠剤の一具体例によれば、活性剤は、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、マンニット及びでんぷんと混合し、次いで慣用の錠剤方法により錠剤に賦形することができる。
【0052】
細胞保護性の利益を得るためのα,β−不飽和アリールスルホンの特定の薬量は、勿論、患者の身長、体重、年齢及び性別を含めて個々の患者の特別の状況、疾病の性状及び段階、疾病の侵略性、投与経路並びに有糸分裂期細胞周期阻害薬の細胞毒性によって決定されよう。例えば、約0.01〜約150mg/kg/日、更に好ましくは約0.05〜約50mg/kg/日の毎日の薬量を利用することができる。これよりも多い又は少ない薬量も意図される。
【0053】
有糸分裂期細胞周期阻害薬の投与の薬量、処方、経路及びスケジュールは、薬剤について知られたプロトコルに従って実施される。しかし、本発明に従えば、α,β−不飽和アリールスルホンにより提供される正常細胞の保護のために、より攻撃的な形の治療、即ちより高い薬量の送出が意図されることが指摘されるべきである。しかして、スルホンの細胞保護作用は、内科医がある状況下で有糸分裂期細胞周期阻害薬の薬量を現在推奨されているレベルよりも上に増加させることを可能にさせよう。
【0054】
スルホン及び有糸分裂期細胞周期阻害薬は異なった経路で投与することができるが、同じ投与経路が好ましい。
【0055】
α,β−不飽和アリールスルホンは、製薬上許容できる塩の形を取ることができる。用語“製薬上許容できる塩”とは、アルカリ金属塩を形成するのに及び遊離酸又は遊離塩基の付加塩を形成するのに普通に使用される塩を包含する。塩の種類は、それが製薬上許容できることを条件として、臨界的ではない。好適な製薬上許容できる酸付加塩は、無機酸又は有機酸から製造することができる。このような無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸及び燐酸である。適当な有機酸は、脂肪族、シクロ脂肪族、芳香族、芳香族脂肪族、複素環式のカルボン酸及びスルホン酸の部類の有機酸から選択することができ、その例は、ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、こはく酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、りんご酸、酒石酸、くえん酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、サリチル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルギン酸、β−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸、ガアクツロン酸である。好適な製薬上許容できる塩基付加塩は、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛から形成された金属塩、又はN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロルプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)及びプロカインから形成された有機塩類を包含する。これらの塩の全ては、相当するα,β−不飽和アリールスルホンから、例えば、適当な酸又は塩基をスルホン化合物と反応させることによって慣用の手段により製造することができる。
【0056】
α,β−不飽和アリールスルホンは、1個以上の二重結合の存在から生じるcis−trans異性により特徴づけられる。化合物は、「有機化学の命名法」(ジョン・ウイリー&ソンズ社、ニューヨーク、NY、第4版、1992、p.127〜138)におけるカーン・インゴルド・プレログ方式(IUPAC 1974 推奨、セクションE、立体化学)に従って命名される。
【0057】
(E)−α,β−不飽和アリールスルホンは、芳香族アルデヒドとベンジルスルホニル酢酸又はアリールスルホニル酢酸とのクネブナーゲル縮合により製造することができる。この手順は、レディー他、Acta.Chim.Hung.115:269−71;レディー他、Surfur Letters 13:83−90(1991);レディー他、Synthesis No.4 322−23(1984);及びレディー他、Surfur Letters 7:43−48(1987)(これらの全開示を参照することにおりここに含める)に記載されている。
【0058】
下記の反応式1によれば、Ra及びRbは、それぞれ、示された芳香族核上で0〜5個の置換基を表わす。例示のために(限定するためではない)、アリール基はフェニル基として表わす。即ち、合成はスチリルベンジルスルホン類の製造によって例示する。従って、ベンジルチオ酢酸Bは、チオグリコール酸ナトリウムと塩化ベンジルAとの反応によって形成される。ベンジルチオ酢酸Bは、次いで30%過酸化水素により酸化されて相当するベンジルスルホニル酢酸Cを与える。ベンジルアミン及び氷酢酸の存在下にクネブナーゲル反応によるベンジルスルホニル酢酸Cと芳香族アルデヒドDとの縮合は所望の(E)−スチリルベンジルスルホンEを生じる。
【0059】
【化24】
【0060】
以下は、上記の反応式に従い(E)−スチリルベンジルスルホン類を製造するための二つのパートよりなる更に詳細な合成手順である。
【0061】
一般的手順1:(E)−スチリルベンジルスルホン類の合成
パートA
水酸化ナトリウム(8g、0.2モル)をメタノール(200ml)に溶解してなる溶液にチオグリコール酸(0.1モル)をゆっくりと添加し、形成した沈殿をフラスコの内容物を攪拌することにより溶解させる。次いで、適当に置換した塩化ベンジル(0.1モル)を滴下し、反応混合物を2〜3時間還流させる。冷却した内容物を砕氷上に注ぎ、希塩酸(200ml)により中和する。生じた相当するベンジルチオ酢酸(0.1モル)を氷酢酸(125ml)中の30%過酸化水素(0.12モル)により1時間還流させて酸化する。内容物を冷却し、砕氷上に注ぐ。分離した固体を温水から再結晶させて相当する純ベンジルスルホニル酢酸を与える。
パートB
ベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)、適当に置換した芳香族アルデヒド(10ミリモル)及びベンジルアミン(200ml)と氷酢酸(12ml)の混合物を2〜3時間還流させる。内容物を冷却し、冷エーテル(50ml)で処理する。沈殿したどんな生成物もろ過により分離する。ろ液を更にエーテルで希釈し、続けて重炭酸ナトリウム飽和溶液(20ml)、重亜硫酸ナトリウム(20ml)、希塩酸(20ml)及び最後に水(35ml)で洗浄する。乾燥したエーテル層を蒸発させるとスチリルベンジルスルホン類が固体物質として生じる。
【0062】
パートAの別法によれば、適当なベンジルスルホニル酢酸は、チオグリコール酸をチオグリコール酸エステルHSCH2COOR(Rはアルキル基、典型的にはC1〜C6アルキル)で置き換えてることにより生じさせることができる。これはアルキルベンジルチオ酢酸エステル中間体(F):
【化25】
を形成させ、これは次いでアルカリ又は酸加水分解により相当するベンジルチオ酢酸Bに転化される。
【0063】
(E)−スチリルフェニルスルホン類(式I:n=0、Q1及びQ2=置換又は非置換フェニル)は、一般的手順1の方法に従い、パートBにおけるベンジルスルホニル酢酸を適当な置換又は非置換フェニルスルホニル酢酸で置き換えることによって製造される。
(Z)−スチリルベンジルスルホン類は、適当なチオールを置換フェニルアセチレンに求核付加させ、次いで生じたスルフィドを過酸化水素により酸化して(Z)−スチリルベンジルスルホンを生じさせることにより製造される。この手順は、レディー他によりSurfur Letters 13:83−90(1991)に一般的に記載されている(この全ての開示をここで参照することによって含めるものとする)。
(Z)−スチリルベンジルスルホン類の合成の第一工程で、ベンジルメルカプタン又は適当な置換ベンジルメルカプタンのナトリウム塩がフェニルアセチレン又は適当な置換フェニルアセチレンと反応せしめられ、相当するスチリルベンジルスルフィドの純(Z)−異性体が良好な収量で形成される。
この合成の第二工程で、(Z)−スチリルベンジルスルフィド中間体は過酸化水素による処理によって純(Z)異性体形で相当するスルホンに酸化される。
【0064】
以下は、(Z)−スチリルベンジルスルホン類を製造するための二つのパートよりなる更に詳細な合成手順である。
【0065】
手順2:(Z)−スチリルベンジルスルホン類の合成
アートA
(i)460mg(0.02g原子)のナトリウム、(ii)置換又は非置換ベンジルメルカプタン(0.02モル)及び(iii)80mlの無水メタノールから調製した置換又非置換ベンジルチオール酸ナトリウムの還流したメタノール溶液に、新たに蒸留した置換又非置換フェニルアセチレンを添加する。この混合物を20時間還流し、冷却し、次いで砕氷上に注ぐ。粗生成物をろ過し、乾燥し、メタノール又はメタノール水溶液から再結晶して純(Z)−スチリルベンジルスルフィドを生じさせる。
パートB
(Z)−スチリルベンジルスルフィド(3.0g)を30mlの氷酢酸に溶解してなる氷冷した溶液を7.5mlの30%過酸化水素により処理する。反応混合物を1時間還流させ、次いで砕氷上に注ぐ。分離した固体をろ過し、乾燥し、2−プロパノールから再結晶して純(Z)−スチリルベンジルスルホンを生じさせる。この化合物の純度を薄層クロマトグラフィーにより決定し、幾何学的配置を赤外及び核磁気共鳴スペクトルデータの分析により割り当てる。
【0066】
式VIのビス(スチリル)スルホンは、手順3に従って製造される。
【0067】
手順3
(E)(E)−及び(E)(Z)−ビス(スチリル)スルホン類の合成
新たに蒸留したフェニルアセチレン(51.07g、0.5モル)に、チオグリコール酸(46g、0.5モル)及び水酸化ナトリウム(40g、1モル)をメタノール(250ml)中で調製したチオグリコール酸ナトリウムを添加する。この混合物を24時間還流させ、冷却後に砕氷(500ml)上に注ぐ。希塩酸(250ml)で中和した後に形成したスチリルチオ酢酸をろ過し、乾燥する。収量88g(90%)、Mp=84−86℃。
次いで、スチリルチオ酢酸を以下のようにスチリルスルホニル酢酸に酸化する。スチリルチオ酢酸(5g、250ミリモル)と氷酢酸(35ml)及び
30%過酸化水素(15ml)の混合物を60分間加熱還流し、冷却後にこの混合物を砕氷(200ml)上に注ぐ。分離した化合物をろ過し、温水から再結晶して(Z)−スチリルスルホニル酢酸の白色フレーク状結晶を与える。収量2.5g(41%)、Mp=150−51℃。
(Z)スチリルスルホニル酢酸(2.263g、10ミリモル)を氷酢酸(6ml)に溶解してなる溶液を芳香族アルデヒド(10ミリモル)及びベンジルアミン(0.2ml)と混合し、3時間還流する。反応生成物を冷却し、乾燥エーテル(50ml)で処理し、分離したいかなる生成物もろ過により集める。ろ液をエーテルで更に希釈し、続けて炭酸水素ナトリウム飽和溶液(10ml)、重亜硫酸ナトリウム(15ml)、希塩酸(20ml)、最後に水(30ml)で洗浄する。乾燥したエーテル層を蒸発により(E)(Z)−ビス(スチリル)スルホン類が生成する。
(E)(E)−ビス(スチリル)スルホン類は、上記と同じ手順であるが、ただし、(Z)スチリルスルホニル酢酸の代わりにスルホニルジ酢酸を使用し、芳香族アルデヒドの量の2倍(20ミリモル)を使用して、製造される。
【0068】
2−(フェニルスルホニル)−1−フェニル−3−フェニル−2−プロペン−1−オン類と系統的に同定される式VIIのスチリルスルホン類は手順4の方法A又は方法Bのいずれかにより製造することができる。
【0069】
手順4
2−(フェニルスルホニル)−1−フェニル−3−フェニル−2−プロペン−1−オン類の合成
これらの化合物は、異なった反応条件、溶媒及び触媒を使用する二つの方法により合成される。
方法A
フェナシルアリールスルホン類は、α−ブロムアセトフェノン(0.05モル)とアリールスルフィン酸ナトリウム(0.05ml)を無水エタノール(200ml)中で6〜8時間還流させることにより製造される。冷却すると分離する生成物をろ過し、数回水洗して臭化ナトリウムを除去する。次いで、生成物をエタノールから再結晶する。フェナシルフェニルスルホン、Mp=90〜91℃;フェナシル−p−フルオルフェニルスルホン、Mp=148〜149℃;フェナシル−p−ブロムフェニルスルホン、Mp=121〜122℃;フェナシル−p−メトキシフェニルスルホン、Mp=04〜105℃;p−ニトロフェナシルフェニルスルホン、Mp=136〜137℃。
フェナシルアリールスルホン(0.01モル)を酢酸(10ml)に溶解してなる溶液をアリールアルデヒド(0.01ml)及びベンジルアミン(0.02ml)と混合し、3時間還流する。溶液を冷却し、乾燥エーテル(50ml)を添加する。エーテル溶液を続けて希塩酸、10%NaOH水溶液、NaHSO3飽和溶液及び水で洗浄する。乾燥エーテル層の蒸発により固体生成物が得られ、これを再結晶により精製する。
方法B
乾燥テトラヒドロフラン(200ml)を窒素でフラッシュした500mlの円錐フラスコに取る。これに、塩化チタン(IV)(11ml、0.01モル)を無水四塩化炭素に溶解してなる溶液を連続撹拌しながら滴下する。フラスコの内容物を添加中づっと−20℃に保持する。フェナシルアリールスルホン(0.01モル)と芳香族アルデヒド(0.01モル)の混合物を反応混合物に添加し、ピリジン(4ml、0.04モル)をテトラヒドロフラン(8ml)に溶解してなる溶液をゆっくりと1時間にわたり添加する。内容物を10〜12時間撹拌し、水(50ml)で処理し、次いでエーテル(50ml)を添加する。エーテル層を分離し、15mlの10%水酸化ナトリウム飽和溶液、重亜硫酸ナトリウム及び塩水により洗浄する。乾燥エーテル層の蒸発により2−(フェニルスルホニル)−1−フェニル−3−フェニル−2−プロペン−1−オン類が生じる。
【0070】
本発明の実施を下記の限定とならない実施例により例示する。本発明の実施に従い細胞保護性薬剤として使用するための種々のα,β−不飽和アリールスルホン活性剤の合成を“合成例”として記載する。その他の物質は“例”に含まれる。
【0071】
合成例1
(E)−スチリルフェニルスルホン
フェニルスルホニル酢酸(0.01モル)とベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を68〜72%の収率で得た。
【0072】
合成例2
(E)−4−クロルスチリルフェニルスルホン
フェニルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−クロルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を78〜80%の収率で得た。
【0073】
合成例3
(E)−2,4−ジクロルスチリルフェニルスルホン
フェニルスルホニル酢酸(0.01モル)と2,4−ジクロルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を60〜65%の収率で得た。
【0074】
合成例4
(E)−4−ブロムスチリルフェニルスルホン
フェニルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−ブロムベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を78〜80%の収率で得た。
【0075】
合成例5
(E)−4−クロルスチリル−4−クロルフェニルスルホン
4−クロルフェニルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−クロルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を70〜72%の収率で得た。
【0076】
合成例6
(E)−4−メチルスチリル−4−クロルフェニルスルホン
4−クロルフェニルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−メチルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を68〜72%の収率で得た。
【0077】
合成例7
(E)−4−メトキシスチリル−4−クロルフェニルスルホン
4−クロルフェニルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−メトキシベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を68〜70%の収率で得た。
【0078】
合成例8
(E)−4−ブロムスチリル−4−クロルフェニルスルホン
4−クロルフェニルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−ブロムベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を80%の収率で得た。
【0079】
合成例9
(E)−2−クロルスチリルベンジルスルホン
ベンジルスルホニル酢酸(0.01モル)と2−クロルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を72%の収率で得た。
【0080】
合成例10
(E)−4−クロルスチリルベンジルスルホン
ベンジルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−クロルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を78%の収率で得た。
【0081】
合成例11
(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−クロルベンジルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−フルオルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を72%の収率で得た。
【0082】
合成例12
(E)−4−クロルスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−クロルベンジルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−クロルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を80%の収率で得た。
【0083】
合成例13
(E)−4−フルオルスチリル−4−フルオルベンジルスルホン
4−フルオルベンジルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−フルオルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を73%の収率で得た。
【0084】
合成例14
(E)−2,4,−ジフルオルスチリル−4−フルオルベンジルスルホン
4−フルオルベンジルスルホニル酢酸(0.01モル)と2,4−ジフルオルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を68%の収率で得た。
【0085】
合成例15
(E)−4−フルオルスチリル−4−ブロムベンジルスルホン
4−ブロムベンジルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−フルオルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を82%の収率で得た。
【0086】
合成例16
(E)−4−ブロムスチリル−4−ブロムベンジルスルホン
4−ブロムベンジルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−ブロムベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を88%の収率で得た。
【0087】
合成例17
(E)−4−ブロムスチリル−4−フルオルベンジルスルホン
4−フルオルベンジルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−ブロムベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を82%の収率で得た。
【0088】
合成例18
(E)−4−クロルスチリル−4−ブロムベンジルスルホン
4−ブロムベンジルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−クロルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を88%の収率で得た。
【0089】
合成例19
(E)−4−ブロムスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−クロルベンジルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−ブロムベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物を92%の収率で得た。
【0090】
合成例1〜19の化合物の赤外及び核磁気共鳴スペクトル分析を表1に記載する。
【0091】
【表1】
【0092】
合成例20
(E)−4−フルオルスチリル−4−トリフルオルメチルベンジルスルホン
4−トリフルオルメチルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と4−フルオルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点166〜168℃)を82%の収率で得た。
【0093】
合成例21
(E)−4−クロルスチリル−4−トリフルオルメチルベンジルスルホン
4−トリフルオルメチルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と4−クロルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点164〜168℃)を88%の収率で得た。
【0094】
合成例22
(E)−4−ブロムスチリル−4−トリフルオルメチルベンジルスルホン
4−トリフルオルメチルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と4−ブロムベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点181〜183℃)を85%の収率で得た。
【0095】
合成例23
(E)−4−フルオルスチリル−2,4−ジクロルベンジルスルホン
2,4−ジクロルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と4−フルオルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点146〜148℃)を78%の収率で得た。
【0096】
合成例24
(E)−4−クロルスチリル−2,4−ジクロルベンジルスルホン
2,4−ジクロルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と4−クロルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点148〜149℃)を84%の収率で得た。
【0097】
合成例25
(E)−4−フルオルスチリル−3,4−ジクロルベンジルスルホン
3,4−ジクロルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と4−フルオルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点120〜122℃)を82%の収率で得た。
【0098】
合成例26
(E)−4−クロルスチリル−3,4−ジクロルベンジルスルホン
3,4−ジクロルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と4−クロルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点149〜151℃)を86%の収率で得た。
【0099】
合成例27
(E)−4−ブロムスチリル−3,4−ジクロルベンジルスルホン
3,4−ジクロルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と4−ブロムベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点154〜155℃)を84%の収率で得た。
【0100】
合成例28
(E)−4−ブロムスチリル−4−ニトロベンジルスルホン
4−ニトロベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と4−ブロムベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点160〜161℃)を76%の収率で得た。
【0101】
合成例29
(E)−4−フルオルスチリル−4−シアノベンジルスルホン
4−シアノベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と4−フルオルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点150〜151℃)を82%の収率で得た。
【0102】
合成例30
(E)−4−クロルスチリル−4−シアノベンジルスルホン
4−シアノベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と4−クロルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点173〜177℃)を86%の収率で得た。
【0103】
合成例31
(E)−4−ブロムスチリル−4−シアノベンジルスルホン
4−シアノベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と4−ブロムベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点183〜184℃)を77%の収率で得た。
【0104】
合成例32
(E)−3,4−ジフルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−クロルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と3,4−ジフルオルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点204〜205℃)を73%の収率で得た。
【0105】
合成例33
(E)−3−クロル−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−クロルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と3−クロル−4−フルオルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点181〜183℃)を78%の収率で得た。
【0106】
合成例34
(E)−2−クロル−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−クロルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と2−クロル−4−フルオルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点149〜150℃)を68%の収率で得た。
【0107】
合成例35
(E)−2,4−ジクロルスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−クロルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と2,4−ジクロルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点164〜165℃)を78%の収率で得た。
【0108】
合成例36
(E)−3,4−ジクロルスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−クロルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と3,4−ジクロルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点170〜171℃)を73%の収率で得た。
【0109】
合成例37
(E)−2,3−ジクロルスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−クロルベンジルスルホニル酢酸(10ミリモル)と2,3−ジクロルベンズアルデヒド(10ミリモル)の溶液を手順1のパートBの操作に付した。標記化合物(融点170〜171℃)を72%の収率で得た。
【0110】
合成例38
(Z)−スチリルベンジルスルホン
フェニルアセチレン(0.02モル)及びベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2のパートAの操作に付して(Z)−スチリルベンジルスルフィドを形成させた。パートBの手順2に従いスルフィドを酸化することにより標記化合物を65%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.50(2H、s)、6.65(1H、d、JH,H=11.2)、7.18−7.74(10H芳香族+1Hエチレン)
【0111】
合成例39
(Z)−スチリル−4−クロルベンジルスルホン
フェニルアセチレン(0.02モル)及び4−クロルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−スチリル−4−クロルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を72%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.56(2H、s)、6.68(1H、d、JH,H=11.8)、7.20−7.64(9H芳香族+1Hエチレン)
【0112】
合成例40
(Z)−スチリル−2−クロルベンジルスルホン
フェニルアセチレン(0.02モル)及び2−クロルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−スチリル−2−クロルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を68%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.50(2H、s)、6.65(1H、d、JH,H=11.2)、7.18−7.74(9H芳香族+1Hエチレン)
【0113】
合成例41
(Z)−スチリル−4−フルオルベンジルスルホン
フェニルアセチレン(0.02モル)及び4−フルオルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−スチリル−4−フルオルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を70%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.58(2H、s)、6.62(1H、d、JH,H=11.86)、7.18−7.60(9H芳香族+1Hエチレン)
【0114】
合成例42
(Z)−4−クロルスチリルベンジルスルホン
4−クロルフェニルアセチレン(0.02モル)及びベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−クロルスチリルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を74%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.55(2H、s)、6.66(1H、d、JH,H=12.12)、7.16−7.65(9H芳香族+1Hエチレン)
【0115】
合成例43
(Z)−4−クロルスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−クロルフェニルアセチレン(0.02モル)及び4−クロルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−クロルスチリル−4−クロルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を76%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.62(2H、s)、6.68(1H、d、JH,H=11.92)、7.18−7.60(8H芳香族+1Hエチレン)
【0116】
合成例44
(Z)−4−クロルスチリル−2−クロルベンジルスルホン
4−クロルフェニルアセチレン(0.02モル)及び2−クロルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−クロルスチリル−2−クロルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を73%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.56(2H、s)、6.70(1H、d、JH,H=12.05)、7.18−7.64(8H芳香族+1Hエチレン)
【0117】
合成例45
(Z)−4−クロルスチリル−4−フルオルベンジルスルホン
4−クロルフェニルアセチレン(0.02モル)及び4−フルオルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−クロルスチリル−4−フルオルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を82%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.60(2H、s)、6.70(1H、d、JH,H=11.78)、7.18−7.60(8H芳香族+1Hエチレン)
【0118】
合成例46
(Z)−4−フルオルスチリルベンジルスルホン
4−フルオルフェニルアセチレン(0.02モル)及びベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−フルオルスチリルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を76%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.54(2H、s)、6.68(1H、d、JH,H=11.94)、7.12−7.58(9H芳香族+1Hエチレン)
【0119】
合成例47
(Z)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−フルオルフェニルアセチレン(0.02モル)及び4−クロルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を82%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.60(2H、s)、6.68(1H、d、JH,H=11.84)、7.18−7.60(8H芳香族+1Hエチレン)
【0120】
合成例48
(Z)−4−フルオルスチリル−2−クロルベンジルスルホン
4−フルオルフェニルアセチレン(0.02モル)及び2−クロルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−フルオルスチリル−2−クロルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を74%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.55(2H、s)、6.66(1H、d、JH,H=11.94)、7.20−7.65(8H芳香族+1Hエチレン)
【0121】
合成例49
(Z)−4−フルオルスチリル−4−フルオルベンジルスルホン
4−フルオルフェニルアセチレン(0.02モル)及び4−フルオルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−フルオルスチリル−4−フルオルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を78%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.60(2H、s)、6.65(1H、d、JH,H=11.83)、7.20−7.65(8H芳香族+1Hエチレン)
【0122】
合成例50
(Z)−4−ブロムスチリルベンジルスルホン
4−ブロムフェニルアセチレン(0.02モル)及びベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−ブロムスチリルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を80%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.52(2H、s)、6.80(1H、d、JH,H=11.98)、7.18−7.59(9H芳香族+1Hエチレン)
【0123】
合成例51
(Z)−4−ブロムスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−ブロムフェニルアセチレン(0.02モル)及び4−クロルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−ブロムスチリル−4−クロルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を87%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.58(2H、s)、6.72(1H、d、JH,H=12.08)、7.15−7.68(8H芳香族+1Hエチレン)
【0124】
合成例52
(Z)−4−ブロムスチリル−2−クロルベンジルスルホン
4−ブロムフェニルアセチレン(0.02モル)及び2−クロルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−ブロムスチリル−2−クロルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を84%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.57(2H、s)、6.70(1H、d、JH,H=11.58)、7.18−7.58(8H芳香族+1Hエチレン)
【0125】
合成例53
(Z)−4−ブロムスチリル−4−フルオルベンジルスルホン
4−ブロムフェニルアセチレン(0.02モル)及び4−フルオルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−ブロムスチリル−4−フルオルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を78%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:4.58(2H、s)、6.65(1H、d、JH,H=11.78)、7.22−7.67(8H芳香族+1Hエチレン)
【0126】
合成例54
(Z)−4−メチルスチリルベンジルスルホン
4−メチルフェニルアセチレン(0.02モル)及びベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−メチルスチリルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を70%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:2.48(3H、s)、4.60(2H、s)、6.68(1H、d、JH,H=11.94)、7.20−7.65(9H芳香族+1Hエチレン)
【0127】
合成例55
(Z)−4−メチルスチリル−4−クロルベンジルスルホン
4−メチルフェニルアセチレン(0.02モル)及び4−クロルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−メチルスチリル−4−クロルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を74%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:2.46(3H、s)、4.64(2H、s)、6.75(1H、d、JH,H=12.21)、7.18−7.57(9H芳香族+1Hエチレン)
【0128】
合成例56
(Z)−4−メチルスチリル−2−クロルベンジルスルホン
4−メチルフェニルアセチレン(0.02モル)及び2−クロルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−メチルスチリル−2−クロルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を76%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:2.50(3H、s)、4.58(2H、s)、6.80(1H、d、JH,H=11.88)、7.20−7.63(9H芳香族+1Hエチレン)
【0129】
合成例57
(Z)−4−メチルスチリル−4−フルオルベンジルスルホン
4−メチルフェニルアセチレン(0.02モル)及び4−フルオルベンジルメルカプタン(0.02モル)の溶液と金属ナトリウム(0.02g原子)を手順2に付して(Z)−4−メチルスチリル−4−フルオルベンジルスルフィドを形成させた。酸化の後に標記化合物を69%の収率で得た。
1NMR(CDCl3)δ:2.46(3H、s)、4.62(2H、s)、6.68(1H、d、JH,H=11.98)、7.18−7.59(9H芳香族+1Hエチレン)
【0130】
後記の表3a及び3bにリストした追加の(E)−α,β−不飽和アリールスルホン類は、手順1のパートBの操作に従って適当なベンジルスルホニル酢酸とベンズアルデヒド又はアリールアルデヒドと反応させることによって製造した。
【0131】
【表2】
【0132】
【表3】
【0133】
【表4】
【0134】
【表5】
【0135】
後記の式Iaに従う更なる(E)−α,β−不飽和アリールスルホン化合物の例を表4に与える。それぞれの化合物において、Q1又はQ2の一つは、フェニル又は置換フェニル以外のものである。それぞれの化合物は、手順1のパートBの操作に従って適当なベンジルスルホニル酢酸又は(アリール)メチルスルホニル酢酸を適当なベンズアルデヒド又はアリールアルデヒドと反応させることによって製造した。3−チオフェン1,1−ジオキソエテニル化合物は、相当する3−チオフェンエテニル化合物を氷酢酸(10ml)及び30%過酸化水素(1ml)に溶解してなる溶液を1時間還流させ、次いで冷却した内容物を砕氷(100g)上に注ぐことによって3−チオフェンエテニル化合物から製造した。分離した固体物質をろ過し、2−プロパノールから再結晶した。
【0136】
【表6】
【0137】
【表7】
【0138】
【表8】
【0139】
合成例211〜213は(E)(Z)−ビス(スチリル)スルホン類の製造を例示する。合成例214〜219は、2−(フェニルスルホニル)−1−フェニル−3−フェニル−2−プロペン−1−オン類の製造を例示する。
【0140】
合成例211
(Z)−スチリル−(E)−4−フルオルスチリルスルホン
(Z)−スチリルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−フルオルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順3の操作に付した。標記化合物を68%の収率で得た。
【0141】
合成例212
(Z)−スチリル−(E)−4−ブロムスチリルスルホン
(Z)−スチリルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−ブロムベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順3の操作に付した。標記化合物を70%の収率で得た。
【0142】
合成例213
(Z)−スチリル−(E)−4−クロルスチリルスルホン
(Z)−スチリルスルホニル酢酸(0.01モル)と4−クロルベンズアルデヒド(0.01モル)の溶液を手順3の操作に付した。標記化合物を64%の収率で得た。
【0143】
合成例214
2−[(4−フルオルフェニル)スルホニル]−1−フェニル−3−(4−フルオルフェニル)−2−プロペン−1−オン
フェナシル−4−フルオルフェニルスルホン(0.01モル)と4−フルオルベンズアルデヒド(0.01モル)を手順4の方法1の操作に付した。標記化合物を63%の収率で得た。
【0144】
合成例215
2−[(2−クロルフェニル)スルホニル]−1−フェニル−3−(4−フルオルフェニル)−2−プロペン−1−オン
フェナシル−2−クロルフェニルスルホン(0.01モル)と4−フルオルベンズアルデヒド(0.01モル)を手順4の方法1の操作に付した。標記化合物を58%の収率で得た。
【0145】
合成例216
2−[(2−クロルフェニル)スルホニル]−1−フェニル−3−(4−ブロムフェニル)−2−プロペン−1−オン
フェナシル−2−クロルフェニルスルホン(0.01モル)と4−ブロムベンズアルデヒド(0.01モル)を手順4の方法1の操作に付した。標記化合物を66%の収率で得た。
【0146】
合成例217
2−[(4−クロルフェニル)スルホニル]−1−フェニル−3−(4−ブロムフェニル)−2−プロペン−1−オン
フェナシル−4−クロルフェニルスルホン(0.01モル)と4−ブロムベンズアルデヒド(0.01モル)を手順4の方法1の操作に付した。標記化合物を60%の収率で得た。
【0147】
合成例218
2−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]−1−フェニル−3−(4−ブロムフェニル)−2−プロペン−1−オン
フェナシル−2−ニトロフェニルスルホン(0.01モル)と4−ブロムベンズアルデヒド(0.01モル)を手順4の方法1の操作に付した。標記化合物を56%の収率で得た。
【0148】
合成例219
2−(フェニルスルホニル)−1−フェニル−3−(4−フルオルフェニル)−2−プロペン−1−オン
フェナシルフェニルスルホン(0.01モル)と4−フルオルベンズアルデヒド(0.01モル)を手順4の方法1の操作に付した。標記化合物(融点142〜143℃)を62%の収率で得た。
【0149】
合成例211〜218の化合物の赤外及び核磁気共鳴スペクトル分析を表5に記載する。
【0150】
【表9】
【0151】
実施例1
(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンの存在下での正常細胞と癌細胞の平板培養効率
ATCCから購入したHFL−1細胞(正常ヒト二倍体肺繊維芽細胞)を、最初の継代後にウェル当たり低濃度(2.0×105細胞)で、1mlの成長培地(10%ウシ胎児血清及びペニシリン/ストレプトマイシンを補ったDMEM)に平板培養した(6ウェルディッシュ)。24時間後に、(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンを各ウェルに、終濃度0μM、2.5μM、5.0μM、25μM、50μM及び75μMで加えた。24時間のインキュベーション期間の後に、これらのウェルを、5mlの正常成長培地で3回洗い、各ウェルをトリプシン処理して細胞総数を測定した。コロニー形成能力を測定するために、各処理からの細胞を、次いで、連続希釈し、100mmディッシュに、各グループが10、100、200細胞/プレートよりなる3つの複製グループに分割されるように再平板培養した。これらのグループを三連で平板培養した。これらの細胞を、20日間、正常な生育条件かでインキュベートし、改変ライト染色(Siguma)による染色後にコロニーを計数した。三連の各プレートからのコロニーの数を測定して、各グループについての平均値をプロットした。その結果を図1に示した。プレート効率の50%阻害を引き起こす薬物の濃度を計算して、70μMであることが見出された。
【0152】
実施例2
(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンへの正常ヒト繊維芽細胞の長期暴露の効果
HFL−1細胞を、1.0×105/ウェルの細胞密度でプレートし、24時間後に薬物を添加した。細胞を、2.5μM又は5.0μM (E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンに48時間又は72時間さらした。細胞をインキュベーション期間の96時間後に計数した。その結果を図2に示した。これらの細胞は、一時的に減少した複製速度を示した。
【0153】
実施例3
パクリタキセル細胞障害性からの正常ヒト繊維芽細胞の(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンによる保護
HFL−1細胞を、1.0×105/ウェルの細胞密度でプレートして、24時間後後に、薬物を添加した。細胞を、(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン(2μM)で8時間予備処理してからパクリタキセル(250μM)にさらした。他の細胞を、パクリタキセル単独で又は同時に両方の薬剤で処理した。細胞を、血球計数器を用いて、トリパンブルー排除によって数えた。その結果を図3に示した。図3中の縦座標は、(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン及びパクリタキセルでの処理後に生存可能な細胞の数をパクリタキセル単独で処理した後に残っている生存可能な細胞の数で除したものを表している。(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンでの予備処理は、パクリタキセルの毒性効果からの保護を与えた。
【0154】
実施例4
抗癌剤の細胞障害性からの正常ヒト繊維芽細胞の(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンによる保護
HFL−1細胞を、1mlの培地中に1.0×105の細胞密度で平板培養した。プレーティングの24時間後に、2.0μMの(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンをこの培地に添加した。スチリルスルホンとの24時間の予備インキュベーションの後に、表6に列挙した様々な細胞障害性薬剤をこれらの細胞に、表6に与えた濃度で加えた。生存可能な細胞の数を、細胞障害性薬剤にさらした後に、トリパンブルー排除により96ウェル血球計数器を用いて測定した。これらの結果を表6に示した。「保護比」は、(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン及び細胞障害性薬剤で処理した後の生存可能な細胞数を細胞障害性薬剤だけで処理した後に残っている生存可能な細胞の数で除したものである。2以上の「保護比」は、高度に有意であると考えられるが、1.5〜2の保護比は、それ程有意ではないと考えられる。表6に示したように、正常細胞は、スチリルスルホンによって、有糸分裂期細胞周期阻害薬及びトポイソメラーゼ阻害薬の細胞障害性効果から保護されたが、他のクラスの薬物の細胞障害性効果からは保護されなかった。
【0155】
【表10】
【0156】
実施例5
ビンクリスチンの細胞障害性からの正常ヒト繊維芽細胞の(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンによる保護
HFL−1細胞を、0〜250mM ビンクリスチンで処理し且つ適宜、2.0μM (E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンで、ビンクリスチン処理の24時間前若しくは後に又はビンクリスチン処理と同時に処理した。ビンクリスチンの添加の96時間後に細胞の生存力を評価した。その結果を表4に示した。「V」は、ビンクリスチン単独;「A→V」は、スチリルスルホン添加の24時間後にビンクリスチンを添加;「A+V」は、スチリルスルホンとビンクリスチンでの同時の処理;「V→A」は、ビンクリスチン添加の24時間後にスチリルスルホンを添加。(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンでの予備処理は、ビンクリスチンの毒性効果からの保護を与えた。
【0157】
実施例6
パクリタキセルの毒性からのマウスの(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン保護
10〜12週齢のICR雌マウス(Taconic)を次の処理グループに分割して、DMSOに溶解させた50mg/Kg (E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン及び/又はDMSOに溶解させた150mg/kg パクリタキセル(Taxol、Sigma Chemical Co.)の腹腔内注射を行った。スチリルスルホンを、パクリタキセルを与える24時間前、パクリタキセルを与える4時間前、又はパクリタキセルと同時に与えた。対照用動物には、パクリタキセルを単独で、又はスチリルスルホンを単独で与えた。死亡率を、パクリタキセル注射の48時間後又は144時間後に評価した。その結果を、図5(パクリタキセル投与の48時間後)及び図6(パクリタキセル投与の144時間後)に示した。マウスにおけるパクリタキセルの毒性は、(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンで予備処理することにより排除される。
【0158】
実施例7〜12
スチリルスルホンの抗腫瘍及び細胞保護活性のアッセイ
A.抗腫瘍活性のアッセイ
下記の表7に列挙したスチリルベンジルスルホンを、次のように、抗腫瘍活性について試験した。次のヒト癌細胞株のパネルを、6つの培養プレートに1.0×105細胞/ウェルの細胞密度で平板培養した:前立腺癌細胞株DU−145;乳癌細胞株MCF−7;非小細胞肺癌細胞株H157;及び結腸直腸癌細胞株DLD−1。これらの化合物を、これらの培養物に、終濃度2.5μMで加えて、96時間後に、生存細胞の総数を、血球計数器を用いてトリパンブルー排除により測定するなどして生存細胞数を計数することにより測定した。各化合物の活性を、処理した生存細胞数を未処理の対照と比較することにより測定した。その結果を表7に示した。
【0159】
B.細胞保護機能のアッセイ
同じスチリルベンジルスルホンの細胞保護活性を、次のように測定した。正常ヒトHFL−1細胞を、1.0×105細胞/ウェルの細胞密度で6つの培養プレートに平板培養した。スチリルベンジルスルホンを、24時間後に、終濃度2.0μM又は10μMで加えた。スチリルスルホン添加の時間を時間ゼロとした。パクリタキセル(250nM)を、時間ゼロで、又は時間ゼロの24時間後に加えた。生存細胞の総数を、上記のように、パクリタキセル処理の96時間後に測定した。化合物を、組合せ処理後の生存細胞数がパクリタキセルだけでの処理後の細胞数より大きければ、活性であるとみなした。そのデータを表7に示した。
【0160】
【表11】
【0161】
ここで検討した全ての参考文献は、参照することにより本明細書の一部とする。当業者ならば、本発明がここに述べた目的を達成し且つここに述べた結果及び利点やその他の固有の点を得るために十分に適応されることを容易に認識しよう。本発明は、その精神及び必須の特質から離れることなくその他の特別の形態で具体化することができ、従って本発明の範囲を示すものとしては、詳細な説明よりも請求の範囲が参照されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 種々の濃度のスチリルスルホン、(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンで処理した正常なヒト線維芽細胞(HFL−1)の平板培養効率を示す。
【図2】 (E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンに対するHFL−1の長期間露呈の効果を示す。
【図3】 (E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンにより予備処理し、次いでパクリタキセルに露呈するか、又はこの両薬剤により同時に処理したHFL−1細胞に対するパクリタキセルの効果のグラフである。
【図4】 ビンクリスチン毒性がスチリルスルホン処置により除かれているHFL−1細胞に対するビンクリスチンの効果のプロットである。
【図5】 マウスをパクリタキセル毒性から保護するに当たってのスチリルスルホン、(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホンの効果を示す。
【図6】 死亡率をパクリタキセルの投与の144時間後に評価したことを除いて、図5と類似する。
Claims (9)
- 前記細胞保護性化合物がE−配置のものである請求項1に記載の薬剤。
- 前記細胞保護性化合物が(E)−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン、(E)−2−クロル−4−フルオルスチリル−4−クロルベンジルスルホン、(E)−4−クロルスチリル−4−クロルベンジルスルホン、(E)−4−カルボキシスチリル−4−クロルベンジルスルホン及び(E)−4−フルオルスチリル−2,4−ジクロルベンジルスルホンよりなる群から選択される請求項2に記載の薬剤。
- 有糸分裂期細胞周期阻害薬又はトポイソメラーゼ阻害薬の細胞毒性副作用から動物を保護するための薬剤であって、2−(フェニルスルホニル)−1−フェニル−3−(4−フルオルフェニル)−2−プロペン−1−オンである細胞保護性化合物から成り、該阻害薬の投与に先立って動物に投与するための前記薬剤。
- 前記有糸分裂期細胞周期阻害薬がビンカアルカロイド、タキサン、天然産マクロライド、コルヒチン及びその誘導体よりなる群から選択され、トポイソメラーゼ阻害薬がカンプトテシン、エトポシド及びミトキサントロンよりなる群から選択される請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤。
- 前記有糸分裂期細胞周期阻害薬がパクリタキセル及びビンクリスチンよりなる群から選択される請求項5に記載の薬剤。
- 癌又はその他の増殖性疾病を治療するための有糸分裂期細胞周期阻害薬又はトポイソメラーゼ阻害薬の前に動物に投与するための請求項1〜6のいずれかに記載の薬剤。
- 化合物(E)−4−カルボキシスチリル−4−クロルベンジルスルホン又はその製薬上許容できる塩。
- 化合物(E)−4−カルボキシスチリル−4−クロルベンジルスルホン又はその製薬上許容できる塩、及び製薬上許容できるキャリアーを含む組成物。
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