JP2015526396A - 置換トロポロン誘導体およびその使用方法 - Google Patents

置換トロポロン誘導体およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

本明細書において説明される組成物および方法は概して、とりわけ、ヒストン デアセチラーゼ(HDAC)阻害剤として有用である、置換トロポロン誘導体に関する。

Description

本発明は、概して、とりわけヒストン デアセチラーゼ(HDAC)阻害剤として有用な、置換トロポロン誘導体に関する。
<アメリカ合衆国によって助成された研究および開発の下で成された発明に対する権利に関する陳述>
本発明は、米国国立衛生研究所による研究助成金CA 162470の下で合衆国政府による助成を受けて成された。合衆国政府は、本発明において一定の権利を有する。
<関連技術の説明>
消化器官の悪性腫瘍は、全部合わせると、高い死亡率と関連しており、患者および家族にとって著しい負担である。特に、胃癌、結腸直腸癌、および腎臓癌は、毎年新たに217,000症例の発症があり、82,000人が死亡している。これらの癌については、外科的処置が中心であり、治療的処置の選択肢は、現代医学において進歩が殆どなく限定的なままである。
アセチル化、リン酸化、およびメチル化によるクロマチン構造の修飾は、遺伝子発現に影響を及ぼす。ヒストンのN末端において重要なリシン残基のアセチル化状態を厳密に制御するヒストンデアセチラーゼ(HDAC)酵素は、例えば翻訳、修復、組み換え、および複製などの細胞プロセスにおいて重要な役割を果たすものである。したがって、HDAC阻害剤は、魅力的な抗癌治療戦略として浮かび上がってきた。正確な作用機序は不明であるが、アポトーシスの誘導、細胞周期の停止、またはDNA修復の阻害と関連するものであり得る。2006年10月、FDAはヒドロキサミン酸サブエロイルアニリド(SAHA)を皮膚T細胞リンパ腫について認可したが、これは、すべての腫瘍タイプ(固体癌および血液癌の両方)に対してHDAC阻害剤を同定するための努力のほんの一部である。
HDACは、構造および機能が異なる4つのクラスに属する酵素のファミリーである。クラスI (HDAC-1, -2, -3 および-8)酵素、クラスIIa (HDAC-4, -5, -7, -9)酵素、クラスIIb (HDAC-6 および-10)酵素、およびクラスIV (HDAC-11)酵素は、亜鉛依存性である。クラスIII酵素は、構造的に異なっている。固体癌および血液癌の市販後試験および臨床試験のいずれかで、12のHDAC阻害剤があり、このうちの7つはヒドロキサミン酸(例えばボリノスタット(vorinostat))である。進んだ段階に到達しているこれらの阻害剤はすべて、置換亜鉛キレート基を含んでおり、効力を増強している。事実、金属酵素を標的とする薬物において金属キレートファーマコフォアを用いることは、成功する戦略であることが証明されてきた。その例には、HIVインテグラーゼにおいて2つのMg2+イオンを標的化するラルテグラビル(raltegravir)、IspCにおいて亜鉛イオンを標的化するホスミドマイシン(fosmidomycin)、およびACEにおいて亜鉛イオンを標的化するカプトプリル(captopril)が挙げられる。
臨床試験中の化合物は、汎用HDAC阻害剤であると考えることができ、HDACイソ酵素の多くの機能の阻害に関連し得るいくつかの関係する毒性を呈し得る。魅力的なアプローチは、HDAC酵素の特定のクラスまたはまさにHDAC酵素のイソ酵素についての阻害剤を設計することにより、治療効果を改善し毒性を低減することである。クラスIイソ酵素(HDAC- 1,-2,-3 および-8)は、しばしば腫瘍中で過剰発現され、予後が悪いことと関連する。具体的には、HDAC-8は小児神経芽腫において過剰発現され、HDAC-2は大腸癌において過剰発現される。これに対して、クラスII (HDAC-4,-5,-6,-7,-9,-10)の発現は、より良好な予後と関連する。HDAC-3, -5および-9をノックアウトしたマウスを用いる実験では、心臓への重篤な副作用を示し、これは、阻害剤がこれらの酵素を標的とすべきでないことを示唆する。全体的に見て、クラスI阻害剤、特にHDAC-1, -2 および-8を標的化する阻害剤を設計することが、魅力的な戦略であり得るようである。
トロポロン誘導体は、とりわけ、天然産物のβ-ツヤプリシン(β-thujaplicin)に由来する、7員環およびα-ヒドロキシケトンによって特徴づけられる。β-ツヤプリシンは、ヒバオイルの主成分であり、様々な抗増殖特性を有するヒノキ科の木からの抽出物である。トロポロンはまた、α-ヒドロキシケトン官能基を用いて金属イオンに結合し、金属酵素を阻害することが示されてきた。トロポロン骨格を有するHDAC阻害剤は、効能と選択性との両方をもたらすことができることが比類ない。単純なトロポロン骨格の先導的な性質(lead-like nature)は、亜鉛の金属結合、亜鉛イオンを囲む疎水性ポケットと相互作用するための親油性7員環、HDACイソ酵素における重要なポケットに到達するために置換することができる3つの固有の位置(α、β、γ)を提供する。トロポロン骨格の構造上誘導される置換は、他の金属酵素と比較したHDAC酵素についてだけではなく、個々のHDACイソ酵素との間についても、効能と選択性とを達成することが期待される。クラス選択的阻害剤はまた、細胞内制御および病理における異なるHDACの役割をより良く理解するための価値あるプローブを提供する。
一つの態様において、本出願は、式(I)の化合物およびその医薬上許容可能な塩を提供し、個々の置換基については後述される。
Figure 2015526396
別の態様において、本出願は、式(I)の化合物およびその医薬上許容可能な塩を調製する方法を提供する。
別の態様において、本出願は、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、医薬組成物は、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩と、医薬上許容可能な担体とを含む。別の態様において、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物の調製方法が提供される。
別の態様において、本出願は、例えば疾患、機能不全、または症状を有する対象などの対象に、式(I)の化合物もしくはその医薬上許容可能な塩、または式(I)の化合物もしくはその医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物を投与することを含む、治療方法を提供する。
別の態様において、本出願は、疾患、機能不全、もしくは症状を有する対象、または疾患、機能不全、もしくは症状のリスクを有する対象に、式(I)の化合物もしくはその医薬上許容可能な塩、または式(I)の化合物もしくはその医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物を投与することを含む、治療方法であって、疾患、機能不全、または症状が、例えば大腸癌、血液系腫瘍、および皮膚T細胞リンパ腫などを含むがこれらに限定されない、治療方法を提供する。
別の態様において、本明細書において説明される化合物は、HDAC、特にHDAC-2, HDAC-4およびHDAC-8の活性を阻害する。HDAC活性を阻害する化合物は、ある種の癌の治療において潜在的に有用である。式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩は、このような疾患、機能不全、または症状の治療に有用である。
本発明の他の態様および特徴は、本明細書において説明される。
下記の定義は、定義される用語を明確にしようとするものである。本明細書において用いられる特定の用語が明確に定義されていない場合に、その用語は不明瞭であると見做されるべきではない。むしろ、そのような定義されていない用語は、本出願が関連する技術分野の当業者にとって明確かつ通常のその用語の意味に従って解釈されるべきである。
本明細書において用いられる場合、用語「アルキル」は、炭素原子数1〜10の完全飽和の直鎖または分岐鎖の炭化水素を指し、これらの炭素は、本明細書においてさらに説明されるように、任意に置換されてよく、多重置換も可能である。「アルキル」の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、および2-エチルヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。
アルキル基における炭素原子数は、語句「Cx-yアルキル」によって表され、これは、本明細書において定義されるように、x〜y(両端を含む)個の炭素原子を含むアルキル基を指す。したがって、C1-6アルキルは、上記に説明されるように炭素数1〜6のアルキル鎖を表し、その例にはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、n-ペンチル、ネオペンチル、およびn-ヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において用いられる場合、用語「アルキレン」は、炭素原子数1〜10の完全飽和の直鎖または分岐鎖の2価の炭化水素ラジカルを指し、これらの炭素は、本明細書においてさらに説明されるように、任意に置換されてよく、多重置換も可能である。「アルキレン」の例には、メチレン、エチレン、n-プロピレン、1-メチルエチレン、2-メチルエチレン、ジメチルメチレン、n-ブチレン、1-メチル-n-プロピレン、および2-メチル-n-プロピレンが含まれるが、これらに限定されない。
アルキレン基における炭素原子数は、語句「Cx-yアルキレン」によって表され、これは、本明細書において定義されるように、x〜y(両端を含む)個の炭素原子を含むアルキレン基を指す。したがって、C1-4アルキレンは、上記に説明されるように炭素数1〜4のアルキレン鎖を表し、その例にはメチレン、エチレン、n-プロピレン、1-メチルエチレン、2-メチルエチレン、ジメチルメチレン、n-ブチレン、1-メチル-n-プロピレン、および2-メチル-n-プロピレンが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において用いられる場合、用語「複素環」または「ヘテロシクリル」は、1つ以上のヘテロ原子を含む単環式、二環式、または三環式の環系を指す。このような「複素環」基または「ヘテロシクリル」基は、本明細書においてさらに説明されるように、任意に置換されてよく、多重置換も可能である。本明細書において用いられる場合、用語「複素環」基または「ヘテロシクリル」基は、芳香環を含む環系は含まないが、不飽和度が1つ以上である環系は含む。ヘテロ原子の例には、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子が含まれ、N-オキシド、硫黄オキシド、および硫黄ジオキシドが含まれる。環系中の炭素原子はまた、任意に酸化されて、例えば2-オキソ-ピロリジン-1-イルまたは2-オキソ-ピペリジン-1-イルなどの複素環を形成し得る。一般的には、この環は3員環〜12員環である。このような環は、1つ以上の別の複素環またはシクロアルキル環と任意に縮合してよい。本明細書において使用される場合、「複素環」基または「ヘテロシクリル」基の例には、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、テトラヒドロチオピラン、およびテトラヒドロチオフェンが含まれるが、これらに限定されず、結合は、化学的に可能である限り、環上の任意の結合点で生じ得る。したがって、例えば「モルホリン」は、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イル、およびモルホリン-4-イルを指し得る。
本明細書において用いられる場合、「複素環」または「ヘテロシクリル」が存在し得る置換基として記載される際には、「複素環」基または「ヘテロシクリル」基は、その結合点における結合が化学的に可能である程度において、炭素原子または任意のヘテロ原子のいずれかを介して結合し得る。例えば、「ヘテロシクリル」には、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-2-イル、およびピロリジン-3-イルが含まれる。「複素環」基または「ヘテロシクリル」基がその環の中に窒素原子を含む場合には、窒素原子を介する結合は代替的に、環の名称に接尾辞として「-イノ(-ino)」を用いることにより表すことができる。例えば、ピロリジノは、ピロリジン-1-イルを指す。
本明細書において用いられる場合、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
本明細書において用いられる場合、用語「アリール」は、6員〜10員の環状芳香族炭化水素を指し、アリールは、本明細書においてさらに説明されるように、任意に置換されてよく、多重置換も可能である。「アリール」基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書において用いられる場合、用語「アリール」にはまた、フェニルまたはナフチルが1〜3つの非芳香族の飽和または不飽和の炭素環と任意に縮合する環系が含まれる。例えば、「アリール」には、例えばインデンなどの環系が含まれ、その芳香環または非芳香環のいずれかにおいて結合を伴う可能性がある。いくつかの実施形態において、アリール基はフェニルであり、本明細書において説明されるように、任意に置換され得る。
本明細書において用いられる場合、用語「ヘテロアリール」は、5員〜14員の任意に置換された単環式または多環式の環系を指し、この環系には、少なくとも1つの芳香環が含まれ、1つ以上のヘテロ原子もまた含まれる。このような「ヘテロアリール」基は、本明細書においてさらに説明されるように、任意に置換されてよく、多重置換も可能である。少なくとも1つの芳香環と少なくとも1つの非芳香環とを含む多環式「ヘテロアリール」基において、芳香環はヘテロ原子を含む必要はない。したがって、例えば、本明細書において用いられる場合、「ヘテロアリール」はインドリニルを含む。さらに、結合点は、結合点が含まれる環が芳香環であるかどうかやヘテロ原子を含むかどうかとは関係なく、その環系内の任意の環にあってよい。したがって、例えば、本明細書において用いられる場合、「ヘテロアリール」はインドリン-1-イル、インドリン-3-イル、およびインドリン-5-イルを含む。ヘテロ原子の例には、それが可能である場合には、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子が含まれ、N-オキシド、硫黄オキシド、および硫黄ジオキシドが含まれる。「ヘテロアリール」基の例には、フリル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プテリジニル、およびフェナジニルが含まれるが、これらには限定されず、結合は、化学的に可能である限り、環上の任意の結合点で生じ得る。したがって、例えば、「チアゾリル」はチアゾル-2-イル、チアゾル-4-イルおよびチアゾル-5-イルを指す。
本明細書において用いられる場合、「ヘテロアリール」が存在し得る置換基として記載される際には、「ヘテロアリール」基は、その結合点における結合が化学的に可能である程度において、炭素原子または任意のヘテロ原子のいずれかを介して結合し得る。
本明細書において用いられる場合、用語「置換された(substituted)」は、示された部分の1つ以上の水素原子が、その名称を挙げられた置換基によって置換されることを示し、そうでないことが述べられない限り多重置換も可能であるが、その置換の結果として安定であるかまたは化学的に可能である化合物を生じることを条件とする。安定であるかまたは化学的に可能である化合物は、水分の非存在下または他の化学的に反応性の条件の非存在下で、約-80℃から約+40℃の温度で維持した場合に、少なくとも1週間、その化学構造が実質的に変化しない化合物であるか、あるいは、患者への治療的または予防的な投与の間使用可能であるのに充分長い間、その完全性(integrity)が維持される化合物である。本明細書において用いられる場合、語句「1つ以上の…で置換された(substituted with one or more . . .)」または「1回以上…置換された(substituted one or more times . . .)」は、1つ以上であって、利用可能な結合点の数に基づいて可能な置換基の最大数までの数に等しい置換基の数を指すが、安定性および化学的実現可能性に関する上述の条件が満たされることを条件とする。
本明細書において用いられる場合、示されている様々な官能基が、ハイフンもしくはダッシュ(-)またはアスタリスク(*)が表示される官能基で結合点を有することが理解されるであろう。換言すれば、-CH2CH2CH3の場合には、結合点は一番左の位置のCH2基であることが理解される。置換基がアスタリスクやダッシュなしで記載される場合には、その結合点は、当業者が通常その基と関連付けて考える結合点である。例えば、「メチル」は-CH3であり、メチル基がいかなるものであるかについて通常理解される意味と一致する。
いずれか1つの構成において、または複数の構成において、2回以上何らかの可変部分が生じる場合には、各可変部分の事象についてのその定義は、他の事象のそれぞれについてのその定義とは独立である。
本明細書において用いられる場合、複数の原子からなる2価種は、左から右へと読むものとする。例えば、明細書や特許請求の範囲にA-D-Eが記載され、Dが-OC(O)-であると定義されている場合には、Dで置換されることによって生じる基はA-OC(O)-EであってA-C(O)O-Eではない。
本明細書において用いられる場合、用語「任意に(optionally)」は、その次に説明される事象が生じてもよいし生じなくてもよいことを意味する。
本明細書において用いられる場合、「投与する」または「投与すること」は、例えば対象に化合物または組成物を導入することなどの、導入することを意味する。この用語は、いずれかの特定の送達方法に限定されるものではなく、例えば、皮下送達、静脈内送達、筋肉内送達、槽内(intracisternal)送達、注入技術による送達、経皮送達、経口送達、経鼻送達、および直腸送達を含み得る。さらに、送達方法に依っては、投与することは、例えば健康管理の専門家(例えば、医師、看護師など)、薬剤師、または患者(すなわち自己投与)を含む様々な個人によって実施され得る。
本明細書において用いられる場合、「治療する」または「治療すること」は、疾患、機能不全、または症状の進行を遅らせること;疾患、機能不全、または症状を管理すること(controlling);疾患、機能不全、または症状に特徴的な兆候の1つ以上を緩和すること;あるいは、疾患、機能不全、もしくは症状、またはその特徴的な兆候の特性に依存して、疾患、機能不全、もしくは症状、またはその特徴的な兆候の再発を遅らせること;のうちの1つ以上を指し得る。
本明細書において用いられる場合、「対象(subject)」は、例えばヒト、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、ラット、イヌ、ネコ、および霊長類(例えばチンパンジー、ゴリラ、アカゲザル)などであるがこれらに限定されない、任意の哺乳類を指す。ある実施形態において、「対象」はヒトである。別の実施形態において、「対象」は、疾患、機能不全、または症状に特徴的な兆候の1つ以上を示すヒトである。用語「対象」は、その対象が病院、診療所、または研究施設に関して何らかの特定の状況(例えば、入院患者、研究参加者、など)にあることを必要とはしない。
本明細書において用いられる場合、用語「化合物」は、遊離酸、遊離塩基、およびこれらの塩を含む。したがって、例えば「実施形態1の化合物」や「請求項1の化合物」などの語句は、実施形態1または請求項1に包含される任意の遊離酸、遊離塩基、およびこれらの塩を指すことが意図される。
本明細書において用いられる場合、「置換トロポロン誘導体」は、下記に詳細に説明される、式(I)で表される化合物またはその医薬上許容可能な塩を指す。
本明細書において用いられる場合、用語「医薬組成物」は、哺乳動物ホストに、従来の非毒性の担体、希釈剤、アジュバント、ベヒクルなどを含む単位投与製剤として、例えば経口投与、局所投与、非経口投与、吸入スプレーによる投与、または直腸投与などにより投与され得る、組成物を指すのに用いられる。本明細書において用いられる場合、用語「非経口(parenteral)」は、皮下注射、静脈内投与、筋肉内投与、槽内注射、または注入技術による投与を含む。
本明細書において提供される組成物および方法の範囲内には、式(I)で表される化合物またはその医薬上許容可能な塩の個々のエナンチオマー、ならびにその全体的または部分的なラセミ混合物の任意のものもまた含まれる。組成物または方法はまた、式(I)で表される化合物またはその医薬上許容可能な塩の個々のエナンチオマー、ならびにその1つ以上の不斉中心が反転しているそのジアステレオマーとの混合物を含む。異なる説明がなされない限り、本明細書において示される構造はまた、1つ以上の同位体濃縮原子が存在することのみが異なる化合物を含むことも意図される。例えば、水素原子が重水素もしくは三重水素によって置換されていること、または炭素原子が13C-濃縮炭素もしくは14C-濃縮炭素によって置換されていること以外は本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。式(I)はまた、化学式によっては明示的に示されてはいないものの、包含される化合物の任意の互変異生体形態を黙示的に含む。
いくつかの態様において、本発明の組成物および方法は、置換トロポロン誘導体;置換トロポロン誘導体を含む医薬組成物;置換トロポロン誘導体を製造する方法;置換トロポロン誘導体を含む医薬組成物を製造する方法;および特に、HDACの阻害が有益である、例えばある種の癌などの、疾患、機能不全、または症状を治療するために、置換トロポロン誘導体または置換トロポロン誘導体を含む医薬組成物を用いる方法に関する。
第一の態様において、本発明は、置換トロポロン誘導体またはその医薬上許容可能な塩を提供する。このような化合物は、下記により詳細に説明されるように、HDACの作用を阻害するのに有用である。
第一の実施形態(すなわち、実施形態1)において、本発明は、式(I)で表される化合物またはその医薬上許容可能な塩を提供する。
Figure 2015526396
式中:
Rxは、-OR6a、-NR6aR6b、-SR6a、-NR6aC(O)R6b、または-OC(O)R6aであり;
R1、R2、R3、R4、R5、R6a、およびR6bは独立して、水素、C1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、-C1-6アルキレン-(C3-10シクロアルキル)、ヘテロシクリル、-C1-6アルキレン-(ヘテロシクリル)、アリール、-C1-6アルキレン-(アリール)、ヘテロアリール、または-C1-6アルキレン-(ヘテロアリール)であり、これらのそれぞれはR7によって1〜4回任意に置換され;
R7は独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、-C1-6アルキレン-(C3-10シクロアルキル)、ヘテロシクリル、-C1-6アルキレン-(ヘテロシクリル)、フェニル、-C1-6アルキレン-(フェニル)、ヘテロアリール、-C1-6アルキレン-(ヘテロアリール)、-CN、-CF3、-OCF3、-ORa、-S(O)n-Ra、-SO2O-Ra、-NRaRb、-C(O)Ra、-C(O)-O-Ra、-O-C(O)-Ra、-C(O)NRaRb、-NRaC(O)-Rb、-OC(O)-NRaRb、-NRa-C(O)-ORb、または-NRaC(O)NRaRbであり、ここでアルキル、アルキレン、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、およびヘテロアリール基は、Rzによって1〜4回任意に置換され;
RaおよびRbは独立して、水素、C1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、-C1-6アルキレン-(C3-10シクロアルキル)、ヘテロシクリル、-C1-6アルキレン-(ヘテロシクリル)、フェニル、-C1-6アルキレン-(フェニル)、ヘテロアリール、または-C1-6アルキレン-(ヘテロアリール)であり、ここでアルキル、アルキレン、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、およびヘテロアリール基は、Rzによって1〜4回任意に置換され;
あるいは、RaおよびRbが両方とも同じ窒素原子に結合する場合には、RaおよびRbはその窒素原子と共に任意に結合してピロリジノ、ピラゾリジノ、イミダゾリジノ、オキサゾリジノ、イソオキサゾリジノ、チアゾリジノ、イソチアゾリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、アゼチジノ、およびアゼパノからなる群より選択される複素環を形成し、ここでそれぞれの環はRzによって1〜4回任意に置換され;
Rzは、ハロゲン、オキソ、ハロゲンによって1回以上任意に置換されたC1-6アルキル、またはハロゲンによって1回以上任意に置換された-O-C1-6アルキルであり;
nは0、1、または2であり;
但し、R4およびR5は両方とも水素であることはない。
実施形態2:実施形態1の化合物であって、式中R1が水素またはC1-6アルキルである、化合物。
実施形態3:実施形態2の化合物であって、式中R1が水素である、化合物。
実施形態4:実施形態1〜3のいずれかの化合物であって、式中R2が水素またはC1-6アルキルである、化合物。
実施形態5:実施形態4の化合物であって、式中R2が水素である、化合物。
実施形態6:実施形態1〜5のいずれかの化合物であって、式中R3が水素またはC1-6アルキルである、化合物。
実施形態7:実施形態6の化合物であって、式中R3が水素である、化合物。
実施形態8:実施形態1〜7のいずれかの化合物であって、式中R4が水素、またはC1-6アルキル、またはアリールであって、アリール基が、ハロゲン、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、およびイソプロピルからなる群より独立して選択される置換基によって1〜4回任意に置換される、化合物。
実施形態9:実施形態8の化合物であって、式中R4が水素である、化合物。
実施形態10:実施形態8の化合物であって、式中R4がC1-6アルキルである、化合物。
実施形態11:実施形態9の化合物であって、式中R4がメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec-ブチル、イソブチル、またはtert-ブチルである、化合物。
実施形態12:実施形態8の化合物であって、式中R4がアリールであって、アリール基が、ハロゲン、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、およびイソプロピルからなる群より独立して選択される置換基によって1〜4回任意に置換される、化合物。
実施形態13:実施形態12の化合物であって、式中R4が1-ナフチルまたは2-ナフチルである、化合物。
実施形態14:実施形態12の化合物であって、式中R4がフェニルであり、フェニルがメトキシによって1〜3回任意に置換されている、化合物。
実施形態15:実施形態1〜14のいずれかの化合物であって、式中R5が水素、またはC1-6アルキル、またはアリールであって、アリール基が、ハロゲン、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、およびイソプロピルからなる群より独立して選択される置換基によって1〜4回任意に置換される、化合物。
実施形態16:実施形態15の化合物であって、式中R5が水素である、化合物。
実施形態17:実施形態15の化合物であって、式中R5がC1-6アルキルである、化合物。
実施形態18:実施形態16の化合物であって、式中R5がメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec-ブチル、イソブチル、またはtert-ブチルである、化合物。
実施形態19:実施形態15の化合物であって、式中R5がアリールであって、アリール基が、ハロゲン、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、およびイソプロピルからなる群より独立して選択される置換基によって1〜4回任意に置換される、化合物。
実施形態20:実施形態19の化合物であって、式中R5が1-ナフチルまたは2-ナフチルである、化合物。
実施形態21:実施形態19の化合物であって、式中R5がフェニルであり、フェニルがメトキシによって1〜3回任意に置換されている、化合物。
実施形態22:実施形態8の化合物であって、式中R4がC3-10シクロアルキル、例えばシクロペンチルである、化合物。
実施形態23:実施形態8の化合物であって、式中R5がC3-10シクロアルキル、例えばシクロペンチルである、化合物。
実施形態24:実施形態1〜23のいずれかの化合物であって、式中Rxが-ORbaである、化合物。
実施形態25:実施形態24の化合物であって、式中Rxが-OHまたは-OCH3である、化合物。
実施形態26:実施形態25の化合物であって、式中Rxが-OHである、化合物。
実施形態27:実施形態1〜23のいずれかの化合物であって、式中Rxが-NR6aR6bである、化合物。
実施形態28:実施形態27の化合物であって、式中Rxが-NH2、-NHCH3、または-N(CH3)2である、化合物。
実施形態29:実施形態27の化合物であって、式中Rxが-NH2である、化合物。
実施形態30:実施形態1〜29のいずれかの化合物であって、遊離酸または遊離塩基の形態である、化合物。
実施形態31:実施形態1〜29のいずれかの化合物であって、医薬上許容可能な塩の形態である、化合物。
<全般的な実験項>
下記の経路は、式(I)の化合物および/またはその医薬上許容可能な塩の一般的な合成方法を説明する。当業者であれば、本明細書において説明される化合物が、本明細書において説明される方法の改変および/または当技術分野における既知の方法の改変によって、本明細書において具体的に説明される方法以外の方法によって製造され得ることを理解するものである。一般的には、本明細書において提供される化合物は、下記に示されるように、多段階合成で調製されうる。示されている量は、すべて概量であって、例示する目的のためにのみ記載されている。いくつかの例では、トロポロンは、上述の式(I)に示されているものとは異なる互変異性体の形態で示され得ることに注意されたい。
<一般的な方法A>
β置換誘導体11は、非置換ジブロモエノン3から、スキーム2において下記に示される二段階経路によって得ることができる。
Figure 2015526396
プロトン ドナーの非存在下、低温にて5をヨウ化サマリウム(II)に曝露した場合の結果を検討した(スキーム2)。弱酸性ワークアップの後、2つの主生成物がブロモトロポン9およびβ-ツヤプリシンであることが特定され、これは、ワンポット合成による開裂/芳香族化反応についての潜在的可能性を示すものである。2つの異なるトロポロン生成物が、共通の中間体8から得られ、この中間体8は、最初のサマリウム ケチル6がより安定な共役エノラート7を得る位置選択的開裂反応を経由して形成されるようであった。初期の速度論的プロトン化によってジエノン8が得られ、ジエノン8は競合的な脱水素反応または脱臭化水素反応によってそれぞれブロモトロポンまたはトロポロン生成物を得る。反応条件を注意深く最適化することにより、反応の進路を完全に制御することができた。サマリウム反応が水酸化物を用いて停止される場合には、β-ツヤプリシンが独占的生成物として得られた。また、強酸(2N HCl)で反応停止すると、独占的にブロモトロポンが得られ、これを直接加水分解すると、位置異性体のα-ツヤプリシンが得られた。この新しく開発された方法により、共通の中間体5からα置換トロポロン化合物とβ置換トロポロン化合物の両方に到達する。
<一般的な方法B>
γ置換系およびβ,γ置換系は、様々な2-置換フラン化合物から上記方法を改変することにより到達される(スキーム3、下記参照)。C2で置換されたフラン化合物(12,R1≠H)は、TBCP環状付加反応において容易に反応し、位置選択的加水分解によって、遠位性ケトン(distal ketones)13が主たる異性体として得られる(通常6:1超)。γ置換系に到達するためには、最初に還元またはβ-ブロミドの置換のいずれかを行ってそれぞれ14または16を得、ヨウ化サマリウムを用いる反応によりそれらを15または17へと変換する必要がある。
Figure 2015526396
<一般的な方法C>
α位の置換は、イソ酵素選択性を導入する手段であり、β位およびγ位において既に最適化されたアナログに組み入れられる。当業者は、酸性ワークアップに変更した方法を利用することにより、最初にα-ブロモトロポンを得ることができ、このα-ブロモトロポンを容易に加水分解して対応するトロポロンを得ることができる。3つのパターン(α,β二置換系、α,γ二置換系、およびα,β,γ三置換系)が得られる(スキーム4、下記参照)。
Figure 2015526396
この代替的な経路を用いて、ジブロモエノンのβ位に導入される置換基は、最終的にトロポロンのα位となるが、一方、β位およびγ位の官能基は、出発物質のフランに予め導入される。環状付加/加水分解段階において2-置換フラン19を用いることにより、β-ブロミドの相互変換による新生(nascent)α-置換基の導入の後、25を得る。酸性ワークアップとそれに続く加水分解による還元的開裂反応によって、例えば31のようなα,β-二置換トロポロン化合物が得られる。同様のプロトコルを用いることにより、容易に入手できる2,3-ジブロモフラン18bから出発して、三置換系に到達することができる。この化合物は、C2位において選択的に官能基化した後同様の方法を用いて、20におけるようにC3置換を導入することができる。トロポロンへの変換を行って、三置換トロポロン化合物32を得る。最後の種類であるα,γ二置換系の合成には、一時的に保護基を導入する必要がある。
これらのアナログは様々な3-置換フラン化合物から単純に得ることができるものの、中間体であるテトラブロミドの加水分解においては選択性が殆どまたは全くなく、ケトンの異性体の混合物が得られることになり、分離が必要となる。C2において一時的に保護基を導入することにより、導入される位置が制御されたケトンの形成が可能となる。2,3-ジブロモフラン18bは、二段階で2-シリル-3-置換誘導体または2-チオフェニル-3-置換誘導体21のいずれかへと合成され、上述したように二環式付加物へと変換される。同様に官能化されたフランがDiels-Alder反応において用いられてきたように、これらの環状付加反応においてフランの2位でシリル基またはスタニル基を用いることができ、これがTBCP反応における第1ステップである。主付加物の緩衝化した加水分解は、一時的に架橋された官能基によって制御され、所望の幾何異性体24が得られ、これは27を経由してトロポロン化合物33へと変換される。その一時的な官能基がヨウ化サマリウムと酸との組み合わせに耐えるかどうか、そしてその一時的な官能基が33への反応経路において失われて所望の化合物34を与え得るのかどうか、明確ではない。仮にこれらの官能基が無傷のままであるならば、これらの官能基は、標準的な条件下で最終生成物トロポロンから除去することができる。まとめると、上述の方法は、トロポロン誘導体の置換パターンを高度に制御するものである。
<一般的な方法D>
すべての反応は、異なることが説明されない限り、無水条件下で乾燥溶媒を用いて不活性アルゴン雰囲気下で実施された。市販等級の試薬および溶媒は、下記に記載される場合を除いて、さらに精製することなく用いた。ヘキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル(Et2O)、およびジクロロメタン(CH2Cl2)は、Baker cycle-tainer systemから直接用いた。試薬は、異なることが説明されない限り、市販の最高等級のものを購入し、さらに精製することなく用いた。収率は、異なることが説明されない限り、クロマトグラフィーおよび分光分析(lH NMR)により均一な物質について言及する。反応は、Whatmanシリカ60Åコーティング済みプレートによる薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターし、UV光を可視化手段として用い、アニスアルデヒドの酸性混合物または過マンガン酸カリウム(KMnO4)の塩基性水溶液および加熱を発色手段として用いた。Bakerシリカゲル(粒子サイズ60Å)を用いて、フラッシュクロマトグラフィーを実施した。NMRスペクトルは、Bruker-500および400装置で記録し、内部標準としては残留する非重水素溶媒を用いて較正した(CHCl3:δ 7.27 ppm 1H NMR, δ 77.0 ppm 13C NMR;CD2Cl2:δ 5.32 ppm 1H NMR, δ 54 ppm 13C NMR)。下記の略号は、多重度を説明するのに用いられた。すなわち、s = シングレット(一重線)、d = ダブレット(二重線)、t = トリプレット(三重線)、q = カルテット(四重線)、m = マルチプレット(多重線)、b = ブロード(幅広)である。IRスペクトルは、Shimadzu FT-IR 8400分光器を用いて記録した。融点(m.p.)は訂正せずMel-Tempデジタル融点測定器を用いて記録した。高分解能質量分析スペクトル(HRMS)は、飛行時間リフレクトロンモード実験のエレクトロスプレーイオン化(ESI) 法により、コネチカット大学分光分析施設(University of Connecticut Spectral Facility)から得た。
<一般的な方法E−鈴木カップリング>
2-クロロ-2,4,6-シクロヘプタトリエン-1-オン(1.0 eq)、アリールボロン酸(2.0 eq)、および炭酸セシウム(4.0 eq)を10: 1 THF/H2O (0.2 M)に加え、その混合物は、溶液にアルゴンを通期することにより充分に脱気した(10分間)。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) ジクロリド(0.1 eq)を加え、その混合物は、アルゴンを用いて脱気した。均一な溶液を75℃で16時間加熱した後、室温へと冷却した。水を加え、混合物をEtOAc (3 x 15 mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25 mL)で洗浄しNa2SO4で乾燥させ、真空下でろ過及び濃縮した。粗残差をフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより(SiO2、EtOAc/ヘキサン溶液)、所望のα-トロポン化合物が得られた。
Figure 2015526396
Rf (0.5, 1 : 1 EtOAc:ヘキサン), Mp (77.9-79.2 ℃),収率 >99 %. IR (KBr): v: 3101, 3022, 1895, 1808, 1625, 1547, 1441, 1261, 784, 698. H1 NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.51-7.49 (m, 2H), 7.43-7.36 (m, 4H), 7.20 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 7.14 (ddd, J = 19.8, 1.3, 1.3, 1.3, 1.4 Hz, 1H), 7.07-7.03 (m, 1H), 6.99-6.95 (m, 1H). C13 NMR (126 MHz, CDCl3) δ 186.4, 152.4, 142.2, 139.9, 136.5, 135.2, 133.7, 133.2, 129.0, 128.3, 128.0. HRMS (ESI) C13H11O [M+H]+理論値: 183.0810; 実測値: 183.0788.
Figure 2015526396
Rf (0.58, 1 : 1 EtOAc:ヘキサン), Mp (N/A), 収率97.8 %. IR (KBr): v: 3056, 3009, 2359, 1926, 1876, 1771, 1703, 1626, 1574, 800, 777, 733, 697. H1 NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.92 (d, J = 1.45 Hz, IH), 7.90 (d, J = 2.0 Hz, IH), 7.71 (d, J = 8.3 Hz, IH), 7.57-7.45 (m, 3H), 7.41 (dd, J = 6.9, 0.85, 0.90 Hz, IH), 7.38-7.36 (m, IH), 7.26 (d, J = 12.1 Hz, IH), 7.20-7.16 (m, IH), 6.99-6.97 (m, 2H). C13 NMR (126 MHz, CDCl3) δ 186.4, 152.6, 141.7, 138.3, 137.6, 135.5, 133.8, 133.5, 133.2, 130.7, 128.3, 128.2, 126.4, 125.9, 125.6, 125.2. HRMS (ESI) C17H13O [M+H]+ 理論値: 233.0966; 実測値: 233.0945.
Figure 2015526396
Rf (0.59, 1 : 1 EtOAc:ヘキサン), Mp (52.2-53.6 ℃), 収率99.2 %. IR (KBr): v: 2958, 2835, 2541, 2041, 1974, 1883, 1622, 1564, 1175, , 1031, 830, 780, 686. H1 NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.51 (d, J= 2.0 Hz, IH), 7.50 (d, J = 2.0 Hz, IH), 7.40 (d, J = 9.0 Hz, IH), 7.23 (d, J = 12.1 Hz, IH), 7.15 (ddd, J = 21.5, 1.2, 1.2, 1.2, 1.2 Hz, IH), 7.06 (t, J = 20.0, 10.1, 9.5 Hz, IH), 6.99-6.94 (m, 3H), 3.85 (s, 3H). C13NMR (126 MHz, CDCl3) δ 186.5, 159.9, 152.0, 142.0, 136.0, 135.3, 133.8, 132.8, 132.1, 130.6, 1 13.6, 55.3. HRMS (ESI) C14H13O2 + 理論値: 213.0916; 実測値: 213.0898.
Figure 2015526396
Rf (0.29, 1 : 1 EtOAc:ヘキサン), Mp (102.2-103.2 ℃), 収率96.2 %. IR (KBr): v: 2940, 2832, 2351, 1628, 1588, 1218, 1046, 808, 748, 694. H1 NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.30 (dd, J = 8.4, 1.0, 1.1 Hz, 1H), 7.15-7.13 (m, 2H), 7.03-6.94 (m, 2H), 6.88 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.82 (t, J = 3.2, 1.6, 1.6 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.74 (s, 3H). C13NMR (126 MHz, CDCl3) δ 186.5, 153.7, 150.9, 150.3, 141.0, 136.3, 134.9, 133.5, 133.3, 130.9, 116.4, 1 14.1, 1 12.5, 56.5 55.7. HRMS (ESI) C15H15O3[M+H]+ 理論値: 243.1021 ; 実測値: 243.1016.
Figure 2015526396
Rf (0.29, 1 : 1 EtOAc:ヘキサン), Mp (98.3-99.6 ℃), IR, 527.54 mg, 収率90.8%. IR (KBr): v: 2946, 2841, 2825, 1947, 1883, 1626, 1583, 1458, 1103, 1072, 1013, 799, 684. H1 NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.28 (dd, J = 9.6, 1.1, 1.1 Hz, 1H), 7.18-7.12 (m, 2H), 7.03-6.93 (m, 3H), 6.72 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 3.82 (s, 3H). C13 NMR (126 MHz, CDCl3) δ 187.0, 154.2, 150.7, 150.6, 141.9, 140.6, 136.3, 135.1, 133.6, 133.1, 127.7, 124.6, 107.3, 60.9, 60.7, 56.0. HRMS (ESI) C16H17O4 [M+H]+理論値: 273.1 127; 実測値: 273.11 18.
<一般的な方法F−α-アミノ化>
α-アリール-トロポン(1.0 eq)のEtOH(0.2 M)溶液に、65%ヒドラジン一水和物(25 eq)を加えた。TLCでモニタリングすることにより、すべての出発物質が消費されるまで、溶液を室温にて撹拌した(〜45分間)。反応物を真空下で濃縮した後、EtOAc (0.05 M)中に抽出し、H2O (3 x 15 mL)で洗浄した。有機層をその後ブライン (25 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空下でろ過および濃縮した。粗残差をフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより(SiO2、EtOAc/ヘキサン溶液)、所望のα-アミノ-トロポン化合物が得られた。
Figure 2015526396
Rf (0.61, 4: 1 EtOAc: ヘキサン), Mp (209.3-210.4 ℃), 収率88.3 %. IR (KBr): v: 3403, 3251, 3122, 1604, 1515, 1428, 1336, 1235, 1054, 919, 686. H1 NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ7.50-7.38 (m, 5H), 7.33 (t, J = 14.4, 7.1, 7.3 Hz, IH), 7.14 (t, J = 20.2, 10.1, 10.1 Hz, IH), 6.93 (d, J = 10.0 Hz, IH), 6.77 (t, J = 19.6, 9.8, 9.8 Hz, IH), 6.12 (s, 2H). C13 NMR (126 MHz, CD2Cl2) δ 174.9, 158.5, 143.4, 142.5, 139.0, 135.8, 130.1, 128.3, 127.7, 123.4, 1 12.7. HRMS (ESI) C13H12NO [M+H]+ 理論値: 198.0919; 実測値: 198.0900.
Figure 2015526396
Rf (0.63, 4: 1 EtOAc:ヘキサン), Mp (221.7-222.5 ℃), 収率89.2 %. IR (KBr): v: 3443, 3280, 3150, 1604, 151 1, 1446, 1062, 780, 737. H1 NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ 7.90 (d, J = 8.2 Hz, IH), 7.87 (d, J = 8.3 Hz, IH), 7.55-7.45 (m, 4H), 7.38-7.35 (m, 2H), 7.23 (td, J = 20.2, 10.1, 10.1, 1.1, 1.1, 1.1 Hz, IH), 6.98 (d, J = 9.9 Hz, IH), 6.80 (t, J = 19, 9.5, 9.5 Hz, IH), 6.13 (s, 2H). C13 NMR (126 MHz, CD2Cl2) δ 175.2, 157.9, 141.8, 141.8, 139.6, 136.5, 134.0, 132.2, 128.8, 128.1, 126.9, 126.4, 126.3, 126.2, 126.1, 123.2, 1 12.8. HRMS (ESI) C17H14NO [M+H]+ 理論値: 248.1075; 実測値: 248.1065.
Figure 2015526396
Rf (0.55, 4: 1 EtOAc:ヘキサン) Mp (153.8-155.2 ℃), 収率87.2 %. IR (KBr): v: 3434, 3269, 3233, 2962, 1601, 151 1, 1450, 1244, 1023, 829, 781. H1 NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ 7.49 (dd, J = 9.6, 1.0, 0.9 Hz, IH), 7.44-7.41 (m, 2H), 7.10 (td, J = 20.0, 1.0, 1.0, 1.0 Hz, IH), 6.96-6.93 (m, 2H), 6.89 (d, J = 10.0 Hz, IH), 6.24 (s, 2H), 3.83 (s, 3H). C13 NMR (126 MHz, CD2Cl2) δ 174.9, 159.5, 158.4, 141.9, 138.7, 135.6, 135.4, 131.3, 123.3, 1 13.7, 1 12.9, 55.8. HRMS (ESI) C14H14NO2 [M+H]+ 理論値: 228.1025; 実測値: 228.1018.
Figure 2015526396
Rf (0.39, 4: 1 EtOAc:ヘキサン), Mp (109.6-110.7 ℃), 収率84.6 %. IR (KBr): v: 3278, 3191, 2939, 2831, 1601, 1519, 1455, 1219, 1047, 783, 725. H1 NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ 7.39 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.12 (t, J = 20.2, 10.1, 10.1 Hz, 1H), 6.92-6.87 (m, 3H), 6.80 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 6.72 (t, J = 19.5, 9.7, 9.8 Hz, 1H), 6.42 (s, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.69 (s, 3H). C13 NMR (126 MHz, CD2Cl2) δ 174.5, 158.1, 154.1, 151.5, 139.8, 138.9 136.2, 133.9, 122.6, 117.1, 113.4, 1 12.9, 112.6, 56.7, 56.2. HRMS (ESI) C15H16NO3[M+H]+ 理論値: 258.1130; 実測値: 258.1 151.
Figure 2015526396
Rf (0.42, 4: 1 EtOAc:ヘキサン), Mp (175.3-176.5 ℃), 収率86.4 %. IR (KBr): v: 3367, 2939, 2825, 1599, 1514, 1455, 1097, 1019, 770. H1 NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.41 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.09 (t, J = 20.1, 10.0, 10.1 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 10 Hz, 1H), 6.72-6.68 (m, 2H), 6.28 (s, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.73 (s, 3H). C13 NMR (126 MHz, CDCl3) δ 174.4, 157.2, 153.1, 151.3, 142.0, 139.3, 138.7, 135.4, 129.7, 124.5, 122.4, 112.4, 107.4, 60.9, 60.7, 55.9. HRMS (ESI) C16H18NO4 [M+H]+理論値: 288.1236; 実測値: 288.1217.
<一般的な方法G−α-アミノ-トロポンの加水分解>
α-アミノ-トロポン (1.0 eq)は、1 : 1 EtOH:H2O (2.0 M)溶液に溶解させ、これに2 N KOH (20 eq)を加えた。反応物を100℃に加熱し、16 h撹拌した。反応物を室温にまでもどし、15 % NaOHで希釈した。水層をEt2O (3 x 15 mL)およびCH2Cl2(3 x 15 mL)で洗浄し、その後pH 2.0にまで酸性化し、CH2Cl2 (3 x 15 mL)で抽出した。このCH2Cl2溶液をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空下でろ過および濃縮した。
Figure 2015526396
Rf (0.52, 1 : 19 iPrOH:CH2Cl2), Mp ( N/A), 収率89.6 %. IR (KBr): v: 3200-2800 broad, 2917, 2848, 1721, 1712, 1615, 1595, 1548, 1417, 1247, 737, 698. H1 NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ 7.60 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.46 (t, J = 14.8, 7.2, 7.6 Hz, 2H), 7.42-7.39 (m, 3H), 7.10 (t, J = 17.2, 7.7, 9.5 Hz, 1H). C13NMR (126 MHz, CD2Cl2) δ 171.9, 170.8, 141.1, 140.7, 139.5, 137.3, 129.8, 128.7, 128.6, 127.9, 122.0. HRMS (ESI) C13H11O2[M+H]+ 理論値: 199.0759; 実測値: 199.0749.
Figure 2015526396
Rf (0.52, 1 : 19 iPrOH:CH2Cl2), Mp ( N/A), 収率90.5 %.. IR (KBr): v: 3200-2800 broad, 3173, 3044, 2925, 1614, 1593, 1548, 1470, 1367, 1258, 1242, 1210, 800, 773, 689. H1 NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ 7.96 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.61-7.50 (m, 6H), 7.44 (t, J = 14.0, 6.9, 7.1 Hz, 2H), 7.13-7.09 (m, 1H). C13 NMR (126 MHz, CD2Cl2) δ 171.6, 170.8, 141.6, 138.6, 138.2, 137.2, 134.1, 131.5, 129.0, 128.9, 127.8, 127.0, 126.7, 126.5, 126.0, 125.9, 123.8. C17H13O2[M+H]+ 理論値: 249.0916; 実測値: 249.0928.
Figure 2015526396
Rf (0.52, 1 : 19 PrOH:CH2Cl2), Mp (N/A), 収率92.2 %. IR (KBr): v: 3200-2800 broad, 3128, 3927, 1920, 1802, 1615, 1593, 1499, 1367, 1039, 802, 728. H1 NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ 7.49 (d, J= 10.0 Hz, 1H), 7.42-7.39 (m, 3H), 7.22 (dd, J = 7.4, 1.5, 1.5 Hz, 1H), 7.07-7.02 (m, 3H), 3.76 (s, 3H). C13 NMR (126 MHz, CD2Cl2) δ 171.2, 170.9, 157.1, 141.4, 137.5, 136.5, 130.7, 130.1, 129.8, 127.4, 122.6, 121.0, 1 11.7, 56.1. HRMS (ESI) C14H13O3 [M+H]+理論値: 229.0865; 実測値: 229.0854.
Figure 2015526396
Rf (0.52, 1 : 19 PrOH:CH2Cl2), Mp (N/A), 収率89.3 %. IR (KBr): v: 3200-2800 broad, 2930, 2832, 2002, 1925, 1797, 1615, 1595, 1548, 1496, 1398, 1201, 1044, 1024, 805, 728. H1 NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ 7.49 (d, J = 10 Hz, 1H), 7.39-7.37 (m, 2H), 7.07-7.03 (m, 1H), 6.97-6.92 (m, 2H), 6.82 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.71 (s, 3H). C13 NMR (126 MHz, CD2Cl2) δ 171.1, 170.9, 154.1, 151.3, 141.3, 137.6, 136.3, 130.7, 127.4, 122.6, 116.7, 1 14.4, 112.9, 56.8, 56.2. HRMS (ESI) C15H15O4[M+H]+ 理論値: 259.0970; 実測値: 259.0956.
Figure 2015526396
Rf (0.55, 1 : 19 PrOH:CH2Cl2), Mp (N/A), 収率88.7 %. IR (KBr): v: 3200-2800 broad, 2994, 2938, 2837, 1992, 1920, 1713, 1614, 1596, 1408, 1301, 1108, 1046, 793, 735. H1 NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ 7.49 (d, J = 10 Hz, 1H), 7.40-7.36 (m, 2H), 7.07-7.01 (m, 1H), 6.93 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.74 (s, 3H). C13 NMR (126 MHz, CD2Cl2) δ 171.9, 170.4, 154.6, 151.8, 142.7, 141.4, 173.3, 136.8, 127.5, 127.4, 124.8, 122.2, 107.8, 61.4, 61.1, 56.5. HRMS (ESI) C16H17O5[M+H]+ 理論値: 289.1076; 実測値: 289.1103.
<実施例の化合物>
式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩の実施例が、下記に説明される。これらの化合物は、上述の一般的な方法に従って作製された。特定される化合物のそれぞれは、本発明の別個の実施形態を構成するものであり、このような実施形態には、その遊離形態の(塩を作製していない)化合物、およびその遊離型化合物の医薬上許容可能な塩が含まれる。その遊離形態の(塩を作製していない)、説明される化合物のそれぞれは、本発明の別個の実施形態を構成する。さらに、説明される化合物のそれぞれの医薬上許容可能な塩は、本発明の別個の実施形態を構成する。他の実施形態において、説明される化合物のそれぞれの塩酸塩は、本発明の別個の実施形態を構成する。
Figure 2015526396
Figure 2015526396
塩基性官能基または酸性官能基を有する表1の化合物は、遊離の酸または塩基として記載される。反応条件または精製条件に依存して、塩基性官能基または酸性官能基を有する表1の様々な化合物は、遊離の酸または塩基として、あるいは塩(たとえは塩酸塩)として、あるいはその両方として、単離することができた。
表1の実施例の化合物は、HDAC、特に、HDAC-2, HDAC-4およびHDAC-8の活性を阻害する。HDAC活性を阻害する化合物は、ある種の癌の治療において潜在的に有用である。したがって、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩は、このような疾患、機能不全、または症状の治療に有用である。
<医薬組成物>
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物が提供される。いくつかのそのような実施形態において、医薬組成物は、固体の医薬組成物である。いくつかの実施形態において、その固体の医薬組成物は、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩と、医薬上許容可能な担体とを含む。いくつかのそのような実施形態において、その固体の医薬組成物は、1つ以上の医薬上許容可能な賦形剤および/または1つ以上の医薬上許容可能な希釈剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、固体の医薬組成物は、0.01 mg〜1000 mgの式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩と、医薬上許容可能な担体とを含む、単位投与形態にて提供される。
いくつかの他の実施形態において、医薬組成物は、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩と、液体の担体とを含む、液体の医薬組成物である。いくつかの実施形態において、液体の担体は、水性媒体である。いくつかの実施形態において、液体の医薬組成物は、100 μg/mL to 500 mg/mLの式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態において、医薬上許容可能な担体は、水性媒体である。いくつかの実施形態において、医薬上許容可能な担体は水である。
ある実施形態において、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性の懸濁剤、分散性粉末もしくは顆粒、エマルション、硬質または軟質のカプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤などの、経口投与に適した形態であり得る。経口使用を意図される組成物は、任意の既知の方法に従って調製されてよく、このような組成物は、甘味剤、矯味剤、着色剤、および保存剤からなる群より選択される1つ以上の物質を含むことにより、医薬上洗練された口当たりの良い調製物を提供することができる。錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性の医薬上許容可能な賦形剤と混合して、活性成分を含み得る。これらの賦形剤は、例えば、不活性の希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム);造粒剤および崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸);結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、またはアラビアゴム);ならびに潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク)であり得る。錠剤は、コーティングされなくても良く、あるいは、錠剤は、既知の技術によってコーティングされることにより、消化管内での崩壊および吸収を遅らせ、それによって長期間に亘って持続性作用をもたらしても良い。例えば、グリセリルモノステアラートまたはグリセリル ジステアラートなどの時間遅延物質が用いられ得る。錠剤はまた、米国特許第4,356, 108号;米国特許第4, 166,452号;および米国特許第4,265,874号に説明される技術によってコーティングされることにより、放出を制御するための浸透性の治療用錠剤を作製することができる。
別の実施形態において、経口使用用の製剤はまた、硬質ゼラチンカプセル剤として提供されても良く、硬質ゼラチンカプセル剤では、活性成分は、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンなどの不活性固体希釈剤と混合される。あるいは、経口使用用の製剤はまた、軟質ゼラチンカプセル剤として提供されても良く、軟質ゼラチンカプセル剤では、活性成分は、水、または油性媒体(例えば、ラッカセイ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油)と混合される。
また、油性懸濁剤は、植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはヤシ油)、または鉱物油(例えば、流動パラフィン)の中に活性成分を懸濁させることにより製剤化し得る。油性懸濁剤は、増粘剤、例えばミツロウ、硬質パラフィン、またはセチルアルコールなどを含み得る。上述したような甘味剤、および矯味剤を加えることにより、口当たりの良い経口調製物を提供することができる。このような組成物は、例えばアスコルビン酸などの抗酸化剤を添加することにより、保存されてよい。
水を加えることにより水性懸濁剤を調製するのに適する、分散性粉末および顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1つ以上の保存剤と混合して、活性化合物を提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、既に上述したものによって例示される。さらなる賦形剤、例えば甘味剤、矯味剤、および着色剤もまた存在し得る。
本明細書において説明される医薬組成物はまた、水中油型エマルションの形態であり得る。油相は、植物油(例えば、オリーブ油もしくはラッカセイ油)、または鉱物油(例えば、流動パラフィン)、またはそれらの混合物であり得る。適切な乳化剤は、天然のゴム類(例えば、アラビアゴムまたはトラガカントゴム)、天然のホスファチド(例えば、大豆レシチン)、ならびに、脂肪酸とヘキシトール無水物とから得られるエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレアート)、ならびに、この部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタン モノオレアート)であり得る。エマルションはまた、甘味剤および矯味剤を含み得る。
別の実施形態において、本明細書において説明される医薬組成物は、シロップ剤またはエリキシル剤を含み得る。シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはスクロースを用いて製剤化され得る。このような製剤はまた、粘滑剤(demulcent)、保存剤および矯味剤および着色剤を含み得る。医薬組成物は、無菌の注射可能な水性または油性の懸濁剤の形態であり得る。この懸濁剤は、上述した適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、既知の方法に従い調製され得る。無菌の注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁液(例えば、1,3-ブタンジオール溶液)であり得る。使用され得る、許容可能なベヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液である。また、無菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として好都合に用いられる。この目的のために、任意の低刺激の不揮発性油が、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを用いて利用され得る。また、例えばオレイン酸などの脂肪酸が、注射可能なものの調製物に用いられる。
ある実施形態において、本明細書において説明される医薬組成物は、水溶液を含み得るものであり、この溶液は、可溶化形態の活性成分を含む。いくつかのこのような実施形態において、医薬組成物はまた、一定量の可溶化されていない活性成分を含み得る(例えば、水溶液中に懸濁化される)。他のこのような実施形態において、医薬組成物は、医薬組成物中に存在する活性成分の総量に基づき、実質的にすべての活性成分が水溶液中に可溶化されるように、活性成分を含む(例えば、少なくとも95%または少なくとも97%、または少なくとも99%、または少なくとも99.5%または少なくとも99.8%(モルベースで))。いくつかの実施形態において、活性成分はリポソーム中に含まれ、リポソームは、適切な媒体、例えば水性媒体中に懸濁化される。このようなリポソームによる送達システムは、当技術分野においてよく知られている。
式(I)の化合物の医薬上許容可能な塩は、その構造中に塩基性官能基または酸性官能基が存在するが、これもまた本発明の範囲内に含まれる。用語「医薬上許容可能な塩」は、生物学的またはその他の点で望ましくないものではなく、遊離塩基を適切な有機酸もしくは無機酸と反応させることにより、または酸を適切な有機塩基もしくは無機塩基と反応させることにより、通常は調製される、本発明の化合物の塩を指す。代表的な塩には、下記の塩:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、ジヒドロクロリド、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩(estolate)、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩(gluceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物塩、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、マレイン酸1-カリウム、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミン、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド塩、テトラアンモニウム塩、および吉草酸塩が含まれる。例えば-COOHなどの酸性の置換基が存在する場合には、アンモニウム塩、モルホリニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、バリウム塩、カルシウム塩、などが、投与形態として用いられるために作製され得る。例えばアミノ基などの塩基性の官能基、または例えばピリジルなどの塩基性ヘテロアリールラジカルが存在する場合には、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピルビン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ピクリン酸塩、などの酸性塩が作製され得、Berge, S. M.ら、"Pharmaceutical Salts" 66(1) J. Pharm. Sci. 1-19 (1977)に列挙される医薬上許容可能な塩に関連する酸が含まれる。
<使用方法>
式(I)の化合物もしくはその医薬上許容可能な塩、式(I)の化合物もしくは式(I)の化合物の医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物、または式(I)の化合物の塩を含む医薬組成物は、疾患、機能不全、または症状の治療に用いられ得る。いくつかの実施形態において、疾患、機能不全、または症状は、例えば大腸癌、血液系腫瘍、および皮膚T細胞リンパ腫などを含むがこれらに限定されない、癌である。
一実施形態において、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物を、例えばヒトなどの対象に投与することを含む治療方法が提供される。別の実施形態において、少なくとも0.1mg/日の式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物を、ヒトに投与することを含む治療方法が提供される。別の実施形態において、有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物を、対象(例えばヒトなど)に投与することを含む、上述の疾患、機能不全、または症状のうちの任意のものを治療する方法が提供される。本明細書において用いられる場合、用語「有効量」は、その化合物が投与される対象において所望される治療効果を誘導するのに十分な量である。
別の実施形態において、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩は、医薬品において使用するために提供される。別の実施形態において、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩は、上述したものから選択される少なくとも1つの疾患、機能不全、または症状の治療において使用するために提供される。
上述の方法または使用のそれぞれにおいて、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩は、上述したように、医薬製剤の一部として対象に投与され得る。
潜在的に有用な生物学的活性を有する式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩の例は、表1に列挙される。式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩の、HDACを阻害する能力は、下記に説明されるアッセイを用い、表1に列挙される代表的な式(I)の化合物によって確立された。
<阻害アッセイ>
1つのクラスI HDAC (HDAC8)および1つの IIa HDAC (HDAC4)についての重要な酵素の速度論的パラメータは、市販のヒト組み換えHDAC酵素(BPS Bioscience, San Diego, CA) および蛍光活性HDACアッセイキット(BPS Bioscience)を用いて決定した。速度論的パラメータは、製造者のプロトコルに従い、様々な濃度のHDAC基質でHDAC活性アッセイを実施することにより、決定した。アッセイのデータは、非線形回帰によって解析した(GraphPad Software, Inc., CA)。阻害アッセイは、HDAC8およびHDAC6におけるトロポロンアナログについて、半数阻害濃度IC50を決定するために用いられた。アッセイキット中に提供されている、強力なヒドロキサミン酸HDAC阻害剤であるトリコスタチンA(TSA)が、アッセイについて対照としての役割を果たした。トロポロンアナログについてのIC50値は、ChengおよびPrusoffによって以前に説明された技術に従って、KM値を用いて、それぞれの阻害剤について阻害定数Kiに変換された。様々な実施例化合物についてのアッセイの結果は、表1に示される。
<細胞に基づくアッセイ>
すべての細胞株は、ATCC (Manassas, VA)から購入した。Jurkat細胞は、10%ウシ胎仔血清(FBS; Atlanta Biologicals, Lawrenceville, GA)を添加したRPMI 1640 (ATCC)で培養した。HuT-78細胞は、20% FBS (Atlanta Biologicals)を添加したIMDM (ATCC)で培養した。 HT-29およびHCT 116は、10% FBS (Atlanta Biologicals)、1% 非必須アミノ酸(Mediatech Inc., Manassas, VA)、および1% ペニシリン/ストレプトマイシン(Mediatech Inc)を添加したマッコイ培地(McCoy's media)(Life Technologies, Carlsbad CA)で培養した。
コンフルエントのJurkat細胞およびHuT-78細胞は、濃度5xl04 細胞/ウェルにて三連で播種し、一方、HT-29細胞およびHCT 116細胞は、密度5xl03 細胞/ウェルにて96ウェルプレートに三連で播種した。細胞は、様々な濃度 (1 μΜ〜100 μΜ)のトロポロンアナログまたはSAHAのいずれかで処理された。DMSOは、ベヒクル対照としての役割を果たした。72時間暴露したのち、製造者の指示書に従い、Cell Titer 96 Aqueous One kit (Promega, Madison, WI)を用いて、細胞毒性を評価した。ホルマザンの含量が、490 nmにおける吸光度をInfinite M200マイクロプレート リーダー(Tecan Group Ltd., Switzerland)にて測定することにより決定され、非線形回帰分析(GraphPad Software, Inc.)によって分析された。
様々な実施例化合物についてのアッセイの結果は、表1に示される。
本発明は、その特定の実施形態を参照して説明および例示されてきたが、当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、改変、および置換が本発明においてなされ得ることを理解するものである。例えば、本明細書において説明される用量以外の有効な用量は、治療される対象の応答が変化する結果として、適用可能である。同様に、観察される特定の薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、あるいは本発明の医薬担体が含まれるかどうか、ならびに用いられる投与方法に従って、およびこれらに依存して、変化し得るものであり、得られる結果におけるこのような予測される変化や差異は、本発明の目的および実施に従って企図される。さらに、詳細な説明に記載されるすべての化合物は、詳細な説明および添付の特許請求の範囲に記載されるように、説明される方法、工程、組成物、および/または化合物の任意のものについて可能性のあるものとして企図される。

Claims (28)

  1. 式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩
    Figure 2015526396
    [式中:
    Rxは、-OR6a、-NR6aR6b、-SR6a、-NR6aC(O)R6b、または-OC(O)R6aであり;
    R1、R2、R3、R4、R5、R6a、およびR6bは独立して、水素、C1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、-C1-6アルキレン-(C3-10シクロアルキル)、ヘテロシクリル、-C1-6アルキレン-(ヘテロシクリル)、アリール、-C1-6アルキレン-(アリール)、ヘテロアリール、または-C1-6アルキレン-(ヘテロアリール)であり、これらのそれぞれはR7によって1〜4回任意に置換され;
    R7は独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、-C1-6アルキレン-(C3-10シクロアルキル)、ヘテロシクリル、-C1-6アルキレン-(ヘテロシクリル)、フェニル、-C1-6アルキレン-(フェニル)、ヘテロアリール、-C1-6アルキレン-(ヘテロアリール)、-CN、-CF3、-OCF3、-ORa、-S(O)n-Ra、-SO2O-Ra、-NRaRb、-C(O)Ra、-C(O)-O-Ra、-O-C(O)-Ra、-C(O)NRaRb、-NRaC(O)-Rb、-OC(O)-NRaRb、-NRa-C(O)-ORb、または-NRaC(O)NRaRbであり、ここでアルキル、アルキレン、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、およびヘテロアリール基は、Rzによって1〜4回任意に置換され;
    RaおよびRbは独立して、水素、C1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、-C1-6アルキレン-(C3-10シクロアルキル)、ヘテロシクリル、-C1-6アルキレン-(ヘテロシクリル)、フェニル、-C1-6アルキレン-(フェニル)、ヘテロアリール、または-C1-6アルキレン-(ヘテロアリール)であり、ここでアルキル、アルキレン、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、およびヘテロアリール基は、Rzによって1〜4回任意に置換され;
    あるいは、RaおよびRbが両方とも同じ窒素原子に結合する場合には、RaおよびRbはその窒素原子と共に任意に結合してピロリジノ、ピラゾリジノ、イミダゾリジノ、オキサゾリジノ、イソオキサゾリジノ、チアゾリジノ、イソチアゾリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、アゼチジノ、およびアゼパノからなる群より選択される複素環を形成し、ここでそれぞれの環はRzによって1〜4回任意に置換され;
    Rzは、ハロゲン、オキソ、ハロゲンによって1回以上任意に置換されたC1-6アルキル、またはハロゲンによって1回以上任意に置換された-O-C1-6アルキルであり;
    nは0、1、または2であり;
    但し、R4およびR5は両方とも水素であることはない。]。
  2. R1が水素である、請求項1に記載の化合物。
  3. R2が水素である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. R3が水素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. R4が水素である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. R4がC1-6アルキルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  7. R4がアリールであって、前記アリールが、ハロゲン、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、およびイソプロピルからなる群より独立して選択される置換基によって1〜4回任意に置換される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  8. R4がフェニルであって、前記フェニルがメトキシによって1〜3回任意に置換される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  9. R5が水素である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. R5がC1-6アルキルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  11. R5がアリールであって、前記アリールが、ハロゲン、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、およびイソプロピルからなる群より独立して選択される置換基によって1〜4回任意に置換される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  12. R5がフェニルであって、前記フェニルがメトキシによって1〜3回任意に置換される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  13. ヒストン デアセチラーゼ(HDAC)アイソフォームと請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物とを接触させることを含む、HDAC活性を阻害する方法。
  14. HDAC-2と請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物とを接触させることを含む、HDAC-2活性を阻害する方法。
  15. HDAC-4と請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物とを接触させることを含む、HDAC-4活性を阻害する方法。
  16. HDAC-8と請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物とを接触させることを含む、HDAC-8活性を阻害する方法。
  17. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物を対象に投与することを含む、対象におけるHDAC活性を阻害する方法。
  18. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物を対象に投与することを含む、対象におけるHDAC-2活性を阻害する方法。
  19. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物を対象に投与することを含む、対象におけるHDAC-4活性を阻害する方法。
  20. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物を対象に投与することを含む、対象におけるHDAC-8活性を阻害する方法。
  21. 一定量の請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物を対象に投与することを含む、対象における疾患を治療する方法。
  22. 前記一定量が有効量である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記疾患が癌である、請求項21に記載の方法。
  24. 前記癌が大腸癌である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記癌が皮膚T細胞リンパ腫である、請求項23に記載の方法。
  26. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物と、医薬上許容可能な担体とを含む、医薬製剤。
  27. 前記医薬製剤が固体の医薬製剤である、請求項26に記載の医薬製剤。
  28. 前記医薬製剤が液体の医薬製剤であり、前記医薬上許容可能な担体が水性媒体である、請求項26に記載の医薬製剤。
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