JP4777528B2 - カットされた単結晶からなる超音波変換器 - Google Patents

カットされた単結晶からなる超音波変換器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(「PMN-PT」)、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(「PZN-PT」)、Pb(Sc1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(「PSN-PT」)タイプのリラクサ(relaxor)単結晶組成物を含む、鉛ベース組成の単結晶に関するカット方向及び寸法の改良に関するものである。より詳細には、本発明は、結晶の厚み及び幅を所定の方向に沿うように配向させることにより、単結晶の電気機械特性を向上することに関する。さらに、特定の寸法の単結晶を用意することによって、単結晶の電気機械特性を向上することにも関する。カット方向及び寸法のこのような組み合わせによって、結晶の加工しやすさが向上し、優れた電気機械特性が得られる。
【0002】
【従来の技術】
変換器は、ある形態のエネルギを別の形態のエネルギに変換する装置である。例えば、超音波振動子は、電気エネルギを機械エネルギに変換し、機械エネルギを電気エネルギに変換する。超音波振動子には、一般に、電極に接続された圧電素子から構成される超音波送信/受信素子が含まれている。電極に供給される電気エネルギによって、超音波プローブ素子が電気的に励起され、所定の周波数で振動することになる。次に、この振動によって、音波(この場合には超音波)が生じ、この音波は、2つの媒質の接合部に相当する界面にぶつかると、反射するか、又は透過する。反射波は、同じ圧電プローブによって検出可能である。2つの媒質の界面における音波のこの反射及び透過は、超音波イメージングの基礎である。この超音波プローブを組み込んだ超音波イメージング装置は、人体内部の検査、又は金属溶接部分の傷の検出に利用されている。
【0003】
Bモードイメージング、カラーフローマッピング(CFM)及びドップラは、人体に利用される一般的な超音波診断イメージング法である。CFMは、血流によって生じる超音波のドップラシフトを利用することによって、並びに人体の断層撮影像(エコー信号がディスプレイに輝度変調線として表示される、いわゆるBモードイメージ)を表示することによって、心臓、肝臓、腎臓、脾臓又は頚動脈のような器官における血流速度を2次元カラー表示することが可能である。診断能力は、これらの医療診断方法によって劇的に向上した。
【0004】
一般に利用される超音波プローブ構成は、それぞれ圧電材料のストリップから造られた数十〜約300の超音波送信/受信素子のアレイを含んでいる。この構成の場合、超音波送信/受信素子の数が増すにつれて、各圧電素子のインピーダンスが増大するので、送信/受信回路の整合を得るのが難しくなる。また所定の用途に関して、例えば肋骨の隙間から心臓のイメージングを行うために用いられる、又は生体内部において用いられるプローブの場合、フェイズドアレイプローブの表面は、できるだけ小さく保たなければならない。
【0005】
イメージング法としての超音波にはトレードオフがある。高い周波数を利用する場合、解像度は向上するが、透過力が低下する。したがって多くの場合、必要とされる透過深度と解像度のために、診断を実施するには、2つ以上の変換器が必要になる。優れた透過度と解像度を同時に得ることはできない。人体組織は強い非線形特性を備えている。超音波信号によるイメージングを施されると、人体組織は、第一高調波信号、第二高調波信号及び第三高調波信号のような、高調波信号を発生する。最近では、組織高調波イメージングの出現により、低い基本周波数(f0)で送信することによって透過度を高め、同時に被験体の非線形応答から生じる第二高調波信号(2f0)を検出することによって解像度を高めることが可能となった。
【0006】
高調波を利用したもう1つの超音波適用例は、コントラスト高調波イメージングである。このタイプのイメージングにおいて、用いられるコントラスト作用物質(contrast agent)は、一般に所定の超音波周波数で共振するガスを充填した微小球(気泡)である。このコントラスト作用物質が、ある周波数の高周波の音波を当てられると、コントラスト作用物質の非線形応答のため、大きな高調波信号を発生する。コントラスト作用物質を使用することによって、動脈系における血液で満たされた構造及び血流速度の検出が大幅に向上する。
【0007】
高調波イメージングの場合、広帯域変換器を使用して、基本周波数及び高調波周波数を包含するのに十分な広さの帯域幅で送信と受信の両方を行うことが必要である。現行のPZTタイプ変換器では、この帯域幅要件を満たすことができないので、高調波イメージングにおけるその性能は、必要な帯域幅に適合する変換器よりも低くなる。
【0008】
それにもかかわらず、PZTベースセラミックのような圧電材料が、医療用超音波変換器に広く使用されている。超音波変換器用途のために圧電材料を選択する際の重要な判定基準のうちの2つは、高い値の長さ方向結合定数(k33)と誘電率(K)である。高い結合定数は、電気エネルギから機械エネルギへの変換効率及び機械エネルギから電気エネルギへの変換効率が良いことを表しているので望ましい。高い誘電率によって、とりわけ小さい素子によるフェイズドアレイ変換器の場合、システム電子装置との電気的インピーダンスの良好な整合が導かれる。PZTセラミックは、典型的なk33の値が0.70であるが、送信及び受信の効率が向上するだけではなく、変換器の帯域幅も拡大されるので、さらに高い結合定数を有することが望ましい。最近、鉛ベースの単結晶材料における高い結合、すなわち鉛ベースの単結晶材料で高い結合定数が得られることが発見されたことによって、これに関する多大の関心が生じることになった。
【0009】
一般的な化学式がPb(B’B”)O3(ここで、B’=Mg2+、Zn2+、Sc3+...及びB”=Nb5+、Ta5+...)の鉛ベースの強誘電性単結晶、及びこれらの化合物とPbTiO3の固溶体が、菱面体晶相(<111>に沿った自発分極)と正方晶相(<001>に沿った分極)を分割する境界である、類形相境界(morphotropic phase boundary:MPB)近傍で優れた電気機械特性を示すことが知られている。重要な化合物のいくつかとして、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(「PMN-PT」)、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(「PZN-PT」)、Pb(Sc1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(「PSN-PT」)を挙げることができる。図1には、PZN-PTとPMN-PTの相図が示されている。
【0010】
PZN−PT9%(PZN対PTの比が約10対1)単結晶の電気機械特性が、1969年に、初めてヨネザワらによって報告され(J.Jpn.Soc.Powder Metallurgy,16,253-258(1969))、次に1982年に、クワタらによって報告されている(Ferroelectrics,37,579-582(1981);Jpn.J.Appl.Phys.21,1298-1302(1982))。これらの単結晶の高い結合定数は、変換器及びアクチュエータ用途にとってそれらの単結晶を魅力あるものにしている。MPBの菱面体晶側の組成をなし、[001]方向に沿って厚みを持ってカットされたこれらの結晶は、極めて高い結合定数(k33>0.92)と圧電定数(d33>1500 pC/N)を示した。米国特許第5,295,487号、第5,402,791号及び第5,998,910号には、超音波変換器用途のためのさまざまな組成のPZN-PT及びPMN-PT系が記載されており、その内容について、参考までに本明細書においてすべて援用する。これらの系に関して、細長い小片、スライバー(sliver)の結合定数(k33´>0.82)及び棒材、バー(bar)の結合定数(k33=0.92)が報告されている。
【0011】
従来の研究は、主に<001>長さ配向、すなわち長手軸の向く方向が<001>である場合に集中して行われ、MPB組成が、菱面体晶相から正方晶相へ相転移するので、その特性、とりわけ誘電特性が、MPB組成近傍で不安定になることが分かった。<111>配向の調査が、バー形状の構成要素に関して行われたが、この方向に沿った電気機械特性は、<001>方向に沿った電気機械特性に比べて劣ることが明らかになった。例えば、米国特許第5,998,910号及びクワタらによるJpn.J.Appl.Phys.21,1298-1302(1982)には、たった約0.35-0.68しかない、<111>方向に沿った低いk33値が報告されている。したがってそれらの材料においては、電気機械特性は、結晶の配向及び化学組成に極めて敏感であることが明らかである。
【0012】
さらに、従来の研究では、本質的にバー形状の単結晶材料が開示された。スライバーのような準1次元構造を含む幅配向(図2を参照されたい)の効果を理解するのに、ごくわずかな研究しかなされなかった。その結果は、<001>方向に沿った厚みと幅を持ってカットされたスライバーについて得られたものである(例えば米国特許第5,402,791号を参照されたい)。しかし、<001>配向をなすようにカットされたスライバーは、問題となる周波数範囲でスプリアス共振(spurious resonance)の存在を示した(Lopath et al., Proceeding of the tenth IEEE International Symposium on Applications of Ferroelectrics, East Brunswick, August 18-21,1996,pp.543-546を参照されたい)。1次元(1D)及び1.5D(準1次元)変換器用途の場合、1D(1次元)又はスライバーのような準1次元(1.5D)構造の電気機械特性を最適化するには、厚み配向カット及び幅配向カットの最良の組み合わせ、すなわち厚み及び幅をそれぞれどの方向に設定してカットするかを見出すことが不可欠である。
【0013】
医療用超音波イメージングの応用例では、イメージングを施される器官に応じて、1.5〜40 MHzにわたる広い周波数範囲を扱う。周波数は、圧電材料及び整合層材料の厚み及び音速によって決まる(f=v/2t、ここでfは変換器周波数であり、vは圧電材料の超音波の速度であり、tは材料の厚みである)。したがって8〜15 MHzの高周波線形アレイ用途では、PZTセラミック材料にわずか約130〜200 μmの厚みであることが必要とされる。<001>配向のPMN-PT又はPZN-PT単結晶は、PZTタイプのセラミックより低速であり、したがってPMN-PT又はPZN-PTウェーハは、さらに薄くなければならない(約100 μm)。線形アレイの典型的なウェーハ寸法は、40 mm×4 mm×0.2 mmであるため、結晶の薄さによって機械的に脆くなるので、こうした極めて薄い結晶の製造は非常に困難である。目、心臓内及び脈管内のイメージングを伴う高周波イメージング用途の場合には、ウェーハ厚は20〜30 μmまで薄くなる。この厚み範囲において、<001>配向の単結晶の機械的加工は、いっそう困難である。
【0014】
最近になって、他の研究者が、超音波変換器として使用される、PMN-PT及びPZN-PTの配向多結晶材料を開示した。2000年1月18〜20にヴァージニア州アーリントンのPiezocrystals Workshopで発表された、Gentilmanらによる論文「Processing and Application of Solid State Converted High Strain Undersea Transmitter Materials」を参照されたい。彼らは<001>配向を報告するのみである。<011>又は<111>配向の多結晶材料は開示されていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
電気機械特性を向上させるために、厚み及び幅を所定の方向に沿うように配向させた単結晶が望まれている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明には、結晶の長さ又は厚み方向が対角線方向に配向された、すなわち結晶の長さ又は厚み方向が、結晶を構成する単結晶の単位格子の対角線方向に向き、有効結合定数が少なくとも0.70である、鉛ベースの単結晶を含む変換器が含まれる。一実施態様では、結晶は、面が対角の配向をなす、すなわち面が、結晶を構成する単結晶の単位格子の対角線方向に向く、配向する結晶である。代替的には結晶は、本体が対角の配向をなす、すなわち本体が、結晶を構成する単結晶の単位格子の対角線方向に向く、配向する結晶である。カットの長さ方向又は厚み方向は、対角の配向、すなわち対角線の方向から約0〜20度とすることができる。
【0017】
鉛ベースの結晶の化学式は、Pb(B’B”)O3−PbTiO3であることが望ましく、ここでB’は、Mg2+、Ni2+、Sc3+、Yb3+、Fe3+、Mn3+、In3+、Ir3+、Co3+又はZn2+の少なくとも1つとすることができ、B”は、Nb5+、Ta5+、Te6+又はW6+の少なくとも1つとすることができる。鉛ベースの結晶には、さらに1つ以上の付加金属又は金属酸化物を含むことができ、ここでこの金属は、Ba、Bi、Ca、Sr、La又はPtである。一実施態様では、鉛ベースの結晶の化学式は、Pb(B’B”)O3−PbTiO3であり、ここでB’は、Mg2+、Zn2+及びSc3+であり、B”はNb5+である。すなわちこの鉛ベースの結晶の化学式は、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3−PbTiO3、Pb(Sc1/3Nb2/3)O3−PbTiO3である。Pb(Mg1/3Nb2/3)O3のPbTiO3に対する分子比は、約10:1〜約1:1、又は約6:1〜約3:2、又は約3:1〜約5:3とすることができる。化学式がPb(Zn1/3Nb2/3)O3−PbTiO3の鉛ベースの結晶の場合、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3のPbTiO3に対する分子比は、約50:1〜約2:1、又は約25:1〜約6:1、又は約15:1〜約8:1とすることができる。
【0018】
結晶は、有効結合定数が少なくとも0.80であることが望ましく、少なくとも0.85であることがより望ましい。
【0019】
また本発明には、結晶の長さ方向又は厚み方向が、対角の配向をなし、有効結合定数が少なくとも0.70であり、結晶の長さ対厚み対幅の比が、おおよそ(300〜15):(5〜1):(5〜1)である、鉛ベースの単結晶も含まれる。結晶の長さ対厚み対幅の比が、おおよそ(150〜10):(3〜1):(3〜1)であることが望ましい。さらに望ましくは、結晶の長さ対厚み対幅の比が、おおよそ(100〜10):(3〜2):(2〜1)である。
【0020】
面が対角線方向に配向された結晶では、結晶の幅の方向、すなわち幅の方向の向きは、<011>幅配向、幅方向の方位から約35〜90度ずれているが、望ましくは約45〜80度のずれであり、約50〜70度ずれていることがさらに望ましい。本体が対角線方向に配向された結晶の場合、結晶の幅の方向は、<011>幅方向から約±10度である。
【0021】
代替実施態様の場合、変換器は、<001>配向からわずかにずれた配向をなす鉛ベースの単結晶とすることができ、ここでサンプルの長さ方向又は厚み方向は、<001>方向から2〜約20度ずらしてカットされており、結合定数は0.75を超える。あるいはまたサンプルは、<001>方向から2〜約15度(あるいはまた、2〜10度又は2〜5度)ずらしてカットされ、結合定数は、0.80を超える。
【0022】
他の実施態様では、鉛ベースの単一結晶は、ほぼ<001>t/<010>w配向をなす、すなわち長さ方向が<001>に、幅方向が<010>に向くが、ここでサンプルの幅の方向は、<010>軸から2〜約15度(あるいはまた、2〜10又は2〜5度)ずらしてカットされ、結晶の長さ対厚み対幅の比は、おおよそ(300〜15):(5〜1):(5〜1)である。またサンプルは、<010>幅方向から15〜約25度ずらしてカットすることもでき、結晶の長さ対厚み対幅の比は、(300〜15):(5〜3):(2〜1)である。
【0023】
本発明には、複数の鉛ベースの単結晶変換素子からなる変換器も含まれている。さらに鉛ベースの単結晶材料をポリマーに埋め込んで、単結晶/ポリマー複合材を形成することもできる。それは、送信素子及び/又は受信素子として機能する1つ以上の圧電コンポーネントと、この素子の対向表面に配置された電極からなり、このとき各鉛ベースの圧電コンポーネントが、対角の配向をなし、有効結合定数が少なくとも0.70である、超音波変換器とすることも可能である。さらにスライバー素子の場合、結晶の長さ対厚み対幅の比は、おおよそ(300〜15):(5〜1):(5〜1)である。バー素子の場合、結晶の長さ対幅の比は、(100〜5):(5〜1)である。
【0024】
他の代替的な実施態様の場合、本発明には、鉛ベースの対角線方向に配向された多結晶材料を含む変換器が含まれる。この多結晶材料における有効結合定数は、0.70を超え、好ましくは0.80を超え、より好ましくは0.85を超える。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明には、結晶の長さ方向又は厚み方向が、対角線方向に配向されており、すなわち対角線の方向を向き、有効結合定数が少なくとも0.70である、鉛ベースの単結晶からなる変換器が含まれる。一実施態様では、結晶は、面が対角の配向をなす結晶である。代替的には、結晶は、本体が対角線方向に配向された結晶とすることもできる。結晶の長さ又は厚み配向は、対角配向(<011>又は<111>軸)から約0〜約20度とすることができる。あるいはまた、カットの長さ又は厚み配向は、<011>又は<111>配向軸から約0〜約15度、好ましくは約0度〜約10度、より好ましくは約0度〜約5度とすることができる。あるいはまた、幅配向軸に対するこれらの範囲を利用して、対角の配向をなす材料をカットすることもできる。
【0026】
鉛ベースの結晶の化学式は、Pb(B’B”)O3−PbTiO3であることが望ましく、ここでB’は、Mg2+、Ni2+、Sc3+、Yb3+、Fe3+、Mn3+、In3+、Ir3+、Co3+又はZn2+の少なくとも1つとすることが可能であり、B”は、Nb5+、Ta5+、Te6+、W6+の少なくとも1つとすることが可能である。さらに鉛ベースの結晶には、1つ以上の付加金属又は金属酸化物を含むことが可能であり、ここでこの金属は、Ba、Bi、Sr、Ca、La、Ptである。一実施態様では、鉛ベースの結晶の化学式は、Pb(B’B”)O3−PbTiO3であり、ここでB’は、Mg2+、Zn2+、Sc3+であり、B”はNb5+である。すなわち、この鉛ベースの結晶の化学式は、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3−PbTiO3、Pb(Sc1/3Nb2/3)O3−PbTiO3である。Pb(Mg1/3Nb2/3)O3のPbTiO3に対する分子比は、約10:1〜約1:1、あるいは好ましくは約6:1〜約3:2、あるいはより好ましくは約3:1〜約5:3とすることができる。化学式がPb(Zn1/3Nb2/3)O3−PbTiO3の鉛ベースの結晶の場合、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3のPbTiO3に対する分子比は、約50:1〜約2:1、あるいは好ましくは約25:1〜約6:1、あるいはより好ましくは約15:1〜約8:1とすることができる。
【0027】
結晶は、有効結合定数が少なくとも0.80であることが望ましく、少なくとも0.85であることがより望ましい。
【0028】
本発明には、結晶の長さ方向又は厚み方向が対角の配向をなし、有効結合定数が少なくとも0.70であり、このとき結晶の長さ対厚み対幅の比が、おおよそ(300〜15):(5〜1):(5〜1)である、鉛ベースの単結晶も含まれる。結晶の長さ対厚み対幅の比は、おおよそ(150〜10):(3〜1):(3〜1)であることが望ましい。さらに望ましい結晶の長さ対厚み対幅の比は、おおよそ(100〜10):(3〜2):(2〜1)である。
【0029】
面が対角線方向に配向された結晶の場合、結晶の幅配向、幅の方向が向く向きは、<011>方向から約35〜90度ずれているが、望ましくは約45〜80度のずれであり、より望ましくは約50〜70度ずれている。本体が対角線方向に配向された結晶の場合、結晶の幅配向は、<011>幅配向から約±20度、好ましくは±10度である。
【0030】
代替実施態様の場合、変換器は、<001>方向からわずかにずれた配向をなす鉛ベースの単結晶とすることが可能であり、ここでサンプルの長さ方向又は厚み方向は、<001>方向から2〜約20度ずらしてカットされており、結合定数は0.75を超える。代替的には、サンプルの長さ又は厚み配向は、<001>方向から2〜約15度ずらしてカットされ、結合定数は0.80を超える。この場合、カットは、<001>軸から約2〜約10度、好ましくは約2〜約5度ずらすこともできる。
【0031】
他の実施態様では、鉛ベースの単一結晶は、ほぼ<001>t/<010>w配向をなすが、ここでサンプルは、幅配向から2〜約15度(代替的には2〜10度又は2〜5度)ずらしてカットされ、結晶の長さ対厚み対幅の比は、おおよそ(300〜15):(5〜3):(5〜1)である。またサンプルは、<010>幅配向から15〜約25度ずらしてカットすることもでき、結晶の長さ対厚み対幅の比は、(300〜15):(5〜3):(2〜1)である。
【0032】
本発明には、複数の鉛ベースの単結晶変換素子からなる変換器も含まれる。さらに鉛ベースの単結晶変換素子をポリマーに埋め込んで、単結晶/ポリマー複合材を形成することもできる。それは、送信素子及び/又は受信素子として機能する1つ以上の圧電コンポーネントと、素子の対向表面に配置された電極が含まれ、各鉛ベースの圧電コンポーネントが、対角の配向をなし、有効結合定数が少なくとも0.70である、超音波変換器とすることもできる。さらにスライバー素子の場合、結晶の長さ対厚み対幅の比は、おおよそ(300〜15):(5〜1):(5〜1)である。バー素子の場合、結晶の長さ対幅の比は、(100〜5):(5〜1)である。
【0033】
他の代替実施態様の場合、本発明には、鉛ベースの対角線方向に配向された多結晶材料からなる変換器が含まれる。この多結晶材料において、有効結合定数は0.70を超え、0.80を超えるのが望ましく、0.85を超えればさらに望ましい。
【0034】
本明細書で用いられる限りにおいて、対角の配向をなすという用語は、圧電素子又は単結晶素子が、<001>方向に対してある角度をなす、<011>又は<111>のような方向、対角方向に沿った長さ方向又は厚み方向を有するということを表す。対角線方向に配向されるという用語には、例えば<011>方向又は12面対線方向の配向の全てのように、面が対角線方向に配向されることが含まれる。一実施態様では、サンプルを、<011>方向から約±20度をなすようにカットすることができる。代替的には、サンプルを、<011>方向から約±15度をなすようにカットすることもできる。あるいはまた、サンプルを、<011>方向から約±10度又は±5度をなすようにカットすることも可能である。対角線方向に配向されるという用語には、例えば<111>方向のサンプル又は8つの体対角線方向の配向の全てのように、体対線方向に配向されたサンプルも含まれている。一実施態様では、サンプルを、<111>方向から約±20度又は±15度をなすようにカットすることができる。代替的には、サンプルを、<111>方向から約±10度又は±5度をなすようにカットすることもできる。
【0035】
本明細書で用いられる限りにおいて、有効結合定数(k33´)という用語は、配向圧電素子のk33モードに対応する結合定数を表している。
【0036】
1次元変換器用途の場合、単結晶素子は、通常、長さ>厚み>幅であるスライバー形状をなすようにダイシングが施される。この特定の単結晶素子形状の場合、厚みと幅の両方の配向が、スライバーの電気機械特性に相当の影響を及ぼす。この場合、有効結合定数(スライバー又は、長さ方向の長さと幅の比が小さいバーに関するk33´)が、スライバーの長さに沿ったクランプ効果のために、長さ方向の結合定数(バーに関してはk33)を置き換える。図2は、スライバー形状をなす単結晶素子の厚み([001])及び幅([010]、[110])配向を示す概略図である。比較のため、[001]の長さ方向の配向が施されたバーも示されている。
【0037】
結合定数とは別に、超音波変換器の設計においては、長さ方向速度及びクランプされた誘電率も重要である。速度と誘電率はどちらも、結晶の配向に強く関係する関数である。さまざまな配向における材料の特性の相違を利用することによって、より優れた超音波変換器の設計が可能になる。例えば、高周波装置(7〜40 MHzの中心周波数)は、その機械的脆さのために、相当の製造欠陥を生じる、極めて薄い結晶を必要とする。長さ方向の速度が速い配向にカットすることによって、同じ中心周波数に対して比較的厚い結晶の利用が可能になり、その結果製造及び加工段階における機械的欠陥を最小限に抑えることができる。
【0038】
本発明には、結合を改善し、速度を速め、誘電率を高めるための、PMN-PT及びPZN-PTの工学的技術が含まれる。これらの改良は、<011>及び<111>方向を含む、ある範囲の新規の厚み及び幅のカットによって達成される。
【0039】
とりわけ、本発明には、(1)電気機械特性に優れた、<011>方向又はそれに近い方向の長さ又は厚み方向に配向された、新規の配向カット;(2)<110>方向から35〜90度ずれた結晶幅配向に関して極めて高いk33´値を示す、<011>厚み方向に配向されたスライバーカット;(3)<001>方向からわずかに約2〜約20度ほどずれた長さ又は厚み方向に配向された、<001>方向カット;(4)<010>方向から約2〜約25度、より望ましくは約2〜約15度だけずれた幅方向に配向された、高結合定数をもたらす、<001>t/<010>wスライバーカット;及び、(5)高速度で、高誘電率である、<111>方向又はそれに近い方向の厚み配向を有するカットを見出したことが含まれている。これらの<111>方向に配向された材料によって、機械的耐久性及び加工特性が向上したより厚い結晶を利用する変換素子の製作が可能となる。
【0040】
本発明によれば、スライバー又はバー形状の変換素子に関して、極めて高く、安定した電気機械特性を示す、MPBに近い組成に関する特定の厚み及び幅配向の組み合わせが開示される。以下に述べる実験例では、強い結合、向上したスライバー速度、高い誘電率を得るために、リラクサ単結晶の領域、ドメイン(domain)に関する工学的技術が強調される。その結果は、改良された単結晶厚み及び幅カットの選択によって達成された。
【0041】
本発明には、スプリアス共振が生じないようにする改良スライバー寸法も含まれる。これらのスプリアス共振の大きさは、スライバーのアスペクト比及びスライバーの幅の配向角に大きく依存する。またこれらのスプリアス共振は、単結晶における速度が極めて指向性の高い性質を示すことに関連している。本発明では、高結合定数及びクリーン共振モードをもたらす、臨界アスペクト比(幅/高さ)及び幅配向の存在について明らかにする。
【0042】
PMN-PT及びPZN-PTの単結晶を成長させる方法が数多く存在する。その利用が成功した技法のいくつかには、フラックス成長(Kobayashi et al.Jpn.J.Appl.Phys,36,6035(1997);Mulvihill et.al.Jpn.J.Appl.Phys,35,51(1996);Park et al.Jpn.J.Appl.Phys,36,1154(1997))、及び垂直Bridgeman法(Kobayashi et al.Jpn.J.Appl.Phys,37,3382(1998);Harada et al.Key Eng.Matls.,157-158,95(1999))が含まれ、その内容については、参考までに本明細書において全て援用する。フラックス法を利用して、リラクサ単結晶を成長させる問題の1つは、超音波変換器に適した大きな寸法の結晶を得ることができないということである。またこの方法によって製造される結晶は、成長プロセス中に生じる、包接(inclusion)のような欠陥を被りがちである。Bridgeman技法を利用して、専門業者が、プレート内で均一な特性の大形結晶(直径<25 mm)を成長させ得ることを証明した。いくつかの鉛ベースの単結晶が、これまでに研究されている。超音波変換器用途用の、さまざまな組成のPZN-PT及びPMN-PT系について記載する、米国特許第5,295,487号、第5,402,791号、第5,998,910号を参照されたい。これらの内容は、参考までに本明細書において全て援用する。
【0043】
最近、研究者達によって、40チャネル単結晶フェイズドアレイ変換器(Saitohet al.IEEE Trans.on UFFC,46,152(1999))及び5 MHz PMN-PTフェイズドアレイ単結晶変換器(Panda et al.Proceeding of the 9th US-Japan Seminar onDielectric and Piezoelectric Ceramics,Okinawa,Nov.2-5,P143-146,1999)の製作に関する詳細が報告されており、これらの内容については、参考までに本明細書において全て援用する。PZTセラミックの代わりに、PZN−8%PT及びPMN−PT単結晶を使用することによって、大幅な改善が観測された。したがって、本発明の鉛ベースの単結晶変換器は、フェイズドアレイ又は複合変換器に組み込むことが可能である。また米国特許第5,998,910号も参照されたい。この内容は参考までに本明細書において全て援用する。多素子又はフェイズドアレイ変換器用の対角線方向に配向された単結晶に関して可能性のある2つの設計が、図3及び4に示されている。図3には、複数のスライバータイプの結晶による変換器が示されている。図4には、複数の準1次元(1.5D)又は2D(2次元)単結晶による変換器が示されている。これらの設計では、鉛ベースの単結晶材料をポリマーに埋め込んで、単結晶/ポリマー複合材を形成することも可能である。
【0044】
本発明は配向多結晶材料をも含む。単結晶に関して上記に開示した組成とさまざまな配向及び寸法とは、どちらも、配向を施された多結晶材料、すなわち配向多結晶材料にも同様に適用することができる。これらの材料は、多結晶又は配向圧電材料としても知られている。
【0045】
例A:結晶育成
試薬レベル、化学グレード(chemical grade)のPbO、MgO、Nb2O5、ZnO、TiO2を使用して、PMN-PT及びPZN-PT組成を形成した。PMN-PTには、26%〜40%のPT(40 mm(長さ)×25 mm(直径))が含まれ、PZN-PTの組成には、4.5%及び8%(20 mm(長さ)×15 mm(厚み)×15 mm(幅))のPTが含まれていた。Bridgman及びフラックス成長技法を利用して、PMT-PT及びPZN-PT単結晶の成長を行った。単結晶に対して、Laueの後方反射法を用いて、(001)、(011)、(111)面に対して平行なIDソーを使用し、約1mmの厚みにスライスして、配向た。ウェーハにラッピング及び研磨加工をした後、対向表面に金のコーティングを施して、電極を形成した。次に、<001>、<011>、<111>厚みの方向に配向された単結晶ウェーハが、ダイシングソーを使用して、さまざまな幅配向カットされた、10〜15 mm×0.3〜0.5 mm×0.15〜0.3 mmのスライバーをなすようにダイシングされた。<001>又は<011>又はそれに近い方向に配向された、長さ方向の配向のバーもカットされた。これらのバーの長さ対幅のアスペクト比は、3:1〜約7:1の範囲である。スライバー及びバーは、空気又はオイル内において室温でポーリング(pole)を施され、電気機械特性及び誘電特性が、HP 4194Aインピーダンス利得位相アナライザにより測定された。
【0046】
例B:<001>t/<010>wカット
図5は、<001>t/<010>wカットのステレオ投影図を示すが、ここでスライバーの厚みの方向は、<001>に沿っており、幅の方向は、<010>に沿っている。菱面体晶相の場合、(001)面に沿って4つの<111>分極方向が存在する。分極方向は、それぞれ、<001>のポーリング方向(poling direction)から54.7度ずれている。<001>に沿った厚み向と、<010>に沿った幅方向に配向されたPMN-PT及びPZN-PTスライバーは、菱面体晶相と正方晶相を包含するPT組成の関数として特徴づけられる。
【0047】
表1には、これらのスライバーの圧電特性及び誘電特性が記載されている。表1に示すように、極めて高い有効結合定数(0.90に近いk33´)が、MPBに近い菱面体晶相組成で、<001>t/<010>wスライバーについて、得ることができる。特性、とりわけ誘電率は、PT組成の強い関数である。PMN-PT組成が、菱面体晶相(PMN-PT系におけるPTが33%未満)から正方晶相(PMN-PT系におけるPTが35%を超える)に遷移すると、誘電率は、40%を超える低下を示す。したがって、<001>t/<010>wカットの特性は、MPB組成において、組成における小さな変化といったわずかな摂動にさえ敏感であるように思われる。
【0048】
以下の表1は、<001>t/<010>w配向のカットが施されたPMN-PT及びPZN-PTスライバーのクランプ誘電率及び電気機械特性を示す。
【表1】
Figure 0004777528
【0049】
例C: <001>t/<011>wカット、及び<001>t/<010>wと<001>t/<011>wの間のカット
<001>に沿った厚み配向及び<011>に沿った幅配向を備えるスライバーが、菱面体晶相組成で測定された。<001>t/<010>wカットと比較すると、<001>t/<011>wカットの速度は、かなり速いが、その結合定数は、比較的低い(v<001>/<011>=3.8 mm/μsec及びk33´<001>/<011>=0.78に対して、v<001>/<010>=3.2 mm/μsec及びk33´<001>/<010>=0.87)。<001>t/<010>wカットと比較すると、<001>t/<011>wカットは、幅配向に対して極めて敏感である。例えば、あるカットが、<011>幅配向からほんの数度ずれると、付加共振ピークが生じることになる。
【0050】
図6は、<010>幅配向に対するカット角の関数として結合定数を示している。菱面体晶相における<111>分極方向は、<001>t/<010>wカットの長さ方向に沿ってクランプされないので(図5を参照されたい)、この配向における結合定数は、図6に示すように幅配向に対してあまり敏感ではない。幅配向のカット角が、<010>方向から15度を超えてずれる場合、付加共振モードが生じ、有効結合定数(k33´)は、幅配向角が増すにつれて、低下し始める。
【0051】
幅配向が、<011>方向に沿っている(<001>t/<010>wカットから45度ずれた<001>t/<011>wカット)場合、元の主共振ピークが消え、付加共振ピークが主ピークになる。4つの<111>分極方向のうちの2つが、図7に示すようにスライバーの長さ方向に沿ってクランプされるので、このカットは幅配向に敏感である。
【0052】
以上の結果が示すように、電気機械特性に変化を生じることなく、30度を超える幅配向範囲内における処理が可能になるので、<001>t/<010>w ± 15degreeカットによって、変換器の設計に融通性が与えられる。
【0053】
例D:クリーンな共振モードのアスペクト比
この研究、明細書に記載の全ての試験片は、285 μmの厚みとこの厚みの10倍を超える長さを備え、<001>方向に沿って厚み配向をなしている。
【0054】
0.67〜0.32のアスペクト比(幅/高さ)を備えるスライバーが、<010>方向から23゜ずれた幅配向をなすようにカットされた。スライバーは、問題となる周波数範囲内において、2つの主共振ピークを示した。これらのスライバーのアスペクト比(幅/高さ)を低下させると、興味深い現象が見出された。スプリアスモード(spurious mode)の強度が、アスペクト比の低下につれて弱くなった。図8に示すように、このモードは、アスペクト比が0.43未満になると、最終的に完全に消失した。したがって、厚みに沿って<001>配向をなす低アスペクト比のスライバーを製作すると、<010>幅配向から25度まで、結合の強い、単一のクリーンな共振ピークが得られる。
【0055】
例E:<001>及び<011>長さ配向バーサンプル
バー形状サンプルについても特性が明らかにされた。PMN−PT31%組成で、長さ対幅のアスペクト比が7:1及び3:1のバーは、<001>及び<011>方向に沿って長さ方向に配向が施された。<001>及び<011>の両方の配向において0.90を超えるk’33の結合定数が得られた(表2A及び2Bを参照されたい)。これらのデータから明らかなように、<001>方向でのカットによって優れた結合定数がもたらされるだけではなく、<011>方向でのカットによってももたらされる。これら2つの配向において観測された相違は極めてわずかであった。表2Bに示すように、15度までなら、配向カットが<001>及び<011>方向からわずかにシフトしても、結合定数は、極めて高い値を保ち、相対的に不変である。
【0056】
表2Aは、<001>、<011>、<111>方向でカットされたPMN-PT31%の有効結合定数を示す。サンプルの幾何学的寸法は6.0 mm×0.9 mm×0.9 mmである。
【表2A】
Figure 0004777528
【0057】
表2Bは、<001>、<011>方向又はそれに近い方向でカットされたPMN-PT31%の有効結合定数を示す。サンプルの幾何学的寸法は2.4 mm×0.8 mm×0.8 mmである。
【表2B】
Figure 0004777528
【0058】
例F:<011>t/<010>w、<011>t/<110>wカット
<011>に沿った厚み方向に配向されたPMN-PT単結晶を、好ましい電気機械特性を備えた配向カットの存在について調べた。図9は、<011>t/<110>wカットと<011>t/<010>wカットの両方のステレオ投影図を示す。この図の<011>ステレオ投影で示されるように、(011)面に沿って2つの<111>分極方向と<001>分極方向が存在する。それらの分極方向は、それぞれ、<001>ポーリング方向(厚み向でもある)から35.3゜又は45゜ずれている。<001>厚み向とは異なり、菱面体晶相及び正方晶相の分極方向は、<011>厚み向(又はポーリング方向)に対して平行ではない。このカットの誘電特性及び電気機械特性は、<001>方向カットと比較すると、菱面体晶相−正方晶相遷移に敏感ではないことが予測される。
【0059】
クランプ効果のため、菱面体晶<011>t/<010>wカットに関するk33´は、極めて低いが、速度は極めて速い。一方、<011>t/<010>wカットに関するクランプ効果は、菱面体晶相の場合、極めてわずかであるため、<011>t/<010>wによって、比較的高いk33´と適度な速度が得られる。表3には、<011>t/<110>w配向カットと<011>t/<010>w配向カットの有効結合定数及び長さ方向速度が記載されている。
【0060】
表3は、<011>t/<110>w及び<011>t/<010>wの電気機械特性を示す。
【表3】
Figure 0004777528
【0061】
例G:<011>t/<211>w、<011>t/<522>w、<011>t/<311>wカット、及び<110>方向から<010>方向までの可変角カット
表4は、<011>に沿った厚み配向、及び<110>方向と<010>方向の間の幅配向を備えたPMN-PTスライバーの有効結合定数を示す。<111>及び<001>分極方向がどちらも、幅方向に沿ってクランプされない場合、これらのスライバーから極めて高い結合定数を得ることができる。表4に示すように、幅配向が<110>から50〜70度ずれたスライバーの場合、0.90もの高いk33´を得ることが可能である。これらの<011>t/<110>w50-70degreeカットには、<011>t/<211>w(55.4゜)、<011>t/<522>w(60.4゜)、<011>t/<311>w(65.4゜)カットが含まれる。<011>t/<110>w50-70degreeカットは、極めて高いk33値を示すだけではなく、その特性は、広い角度範囲にわたって、幅配向に対してほとんど感応しないので、変換器の製造を容易にすることが可能になる。これらの結果によって明らかなように、<011>方向によって、変換器用途に対して優れた結合特性を示す、ある範囲の実用的な厚みカットがもたらされる。
【0062】
表4は、<011>t/<110>w0-90degree配向カットを施されたPMN-PTスライバーの有効結合定数及び長さ方向速度を示す。
【表4】
Figure 0004777528
【0063】
例H:<111>t/<011>wカット
図10は、<111>t/<011>wカットのステレオ投影図を示す。表5は、<111>に沿った厚み配向と、<011>方向又はそれに近い幅配向を備えた、PMN-PTスライバーの電気機械特性を示す。それらの結合定数は、<001>t/<010>w ± 15degreeカット及び<011>t/<110>w50-70degreeカットの結合定数よりわずかに低いが、<111>t/<011>wカットの誘電率及び速度は、<001>t/<010>wカットの誘電率より2〜3倍高く、速度は50%速い。また、この配向カットの音響特性は、表5に示すように、幅配向に対して感応性がより低くなる。
【0064】
<111>t/<011>wカットによって、PZTタイプセラミックの配向カット又はPMN-PT及びPZN-PT単結晶の他の配向カットに比べて優れた誘電特性とともに、はるかに速い速度が得られる。高速度(<111>方向では<001>方向よりも50%速い)であることによって、より厚い結晶の利用が可能になり、これによって、さらに高周波用途に関する変換器の製造しやすさが向上する。一方高誘電率であることによって、低電気インピーダンスの設計が可能になり、このため変換器と電子回路との間の電気インピーダンス整合が向上する。
【0065】
表5は、<111>t/<011>wカットの電気機械特性を示す。
【表5】
Figure 0004777528
【0066】
例I:対角線方向に配向された鉛ベースの多結晶材料
Gentilmanによって、<001>方向の単結晶種から配向多結晶PMN-PT及びPZN-PT材料を製造するための射出成形法が開示されている(Piezocrystals Workshop,Arlington, Virginia, January 18-20,2000で発表されたGentilmanの論文「Processing and Application of Solid State Converted High Strain Undersea Transmitter Materials」を参照されたい)。単結晶材料の場合と同様、多結晶ベースの材料も、その厚み配向又は幅配向によって決まる好ましい特性を示す。同様の方法を用いて、多結晶PMN-PT又はPZN-PTは、<011>及び<111>方向に沿って部分的に位置合わせ、すなわち整列される。<011>及び<111>方向に沿っ配向れる、本出願で記載される単結晶は、広い角度範囲にわたって(15度まで)向上した電気機械特性を備えているので、整列した、すなわちアライメントのとれた多結晶セラミックも、同様に、同様の配向をなす単結晶に匹敵する特性の向上を達成することができる。多結晶セラミックの処理は、単結晶の成長より低コストであるため、単結晶のPMN-PT及びPZN-PTの代わりに、配向多結晶PMN-PT及びPZN-PTを使用することによって、著しく低コストでの変換器の製作が可能になる。このため、多結晶材料は変換器用途にとって魅力のあるものになる。
【0067】
配向多結晶セラミックは、対角線方向に配向された単結晶種の長いロッド(化学グレードのPbO、MgO、Nb2O5、ZnO、TiO2を使用して、上述のように調製された)とセラミックの粉末を混合し、剪断圧力を加えて、種のアライメントをとることによって製造される。次の製作方法を利用して、単結晶種を整列させることができる:押し出し、射出成形、テープキャスティング(tape casting)等。焼結プロセスによって、単結晶種を成長させて、種の整列のために及び種の整列にしたがって、部分的に配向されたセラミックマトリックスとすることができる(図11を参照されたい)。焼結多結晶材料は、<011>又は<111>配向にカットされ、単結晶と同様の特性を備えるものと予測される。組織化多結晶材料、とりわけSr2Nb2O7の調製に関する参考のために、BraharmaroutuらによるProceedings of the Tenth IEEE International Symposium on Applications of Ferroelectrics, East Brunswick, NJ, August 18-21,1996,page 882-886を参照されたい。この内容は全て本願書において援用する。
【0068】
以下においては、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施態様を示す。
1.1つ以上の鉛ベースの単結晶からなる変換器であって、各結晶の長さ方向又は厚み方向が対角線方向に向き、有効結合定数が少なくとも0.70であることを特徴とする変換器。
【0069】
2.超音波変換器であって、
送信素子及び/又は受信素子として機能する表面を備えた1つ以上の圧電コンポーネントと、
前記素子の対向表面に配置された電極とからなり、
各鉛ベースの圧電コンポーネントが、対角線方向に向き、有効結合定数が少なくとも0.70であることを特徴とする超音波変換器。
【0070】
3.超音波プローブであって、
送信素子及び/又は受信素子として機能する表面を備えた1つ以上の圧電コンポーネントと、
前記素子の対向表面に配置された電極とからなり、
各鉛ベースの圧電コンポーネントが、対角線方向に向き、有効結合定数が少なくとも0.70であることを特徴とする超音波プローブ。
【0071】
4.結晶又はコンポーネントが、<011>方向に対して約35度〜約90度の幅配向をなす、1〜3項の何れか1項に記載の変換器又はプローブ。
【0072】
5.鉛ベースの単結晶又はコンポーネントが、<011>方向からわずかにずれた配向をなし、サンプルの長さ方向又は厚み方向が、<011>方向から2〜約20度ずれてカットされている、1〜4項の何れか1項に記載の変換器又はプローブ。
【0073】
6.結晶又はコンポーネントの長さ対厚み対幅の比が、おおよそ(300〜15):(5〜1):(5〜1)である、1〜5項の何れか1項に記載の変換器又はプローブ。
【0074】
7.変換器が、1次元、準1次元、2次元の結晶又はコンポーネント構成を備える、1〜6項の何れか1項に記載の変換器又はプローブ。
【0075】
8.対角線方向に配向された鉛ベースの多結晶材料からなる変換器。
【0076】
9.鉛ベースの結晶又はコンポーネントの化学式が、Pb(B’B”)O3−PbTiO3であり、ここでB’が、Mg2+、Ni2+、Sc3+、Yb3+、Fe3+、Mn3+、In3+、Ir3+、Co3+、Zn2+の少なくとも1つとすることができ、B”が、Nb5+、Ta5+、Te6+、W6+の少なくとも1つとすることができる、1〜8項の何れか1項に記載の変換器又はプローブ。
【0077】
10.鉛ベースの結晶又はコンポーネントの化学式が、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3−PbTiO3、Pb(Sc1/3Nb2/3)O3−PbTiO3である、1〜9項の何れか1項に記載の変換器又はプローブ。
【0078】
【発明の効果】
本発明は、鉛ベースの単結晶からなる変換器に関し、この単結晶は対角の配向をなし、有効結合定数が少なくとも0.70である。一実施態様では、鉛ベースの結晶の化学式が、Pb(B’B”)O3−PbTiO3であり、ここでB’が、Mg2+、Zn2+、Ni2+又はSc3+であり、B”が、Nb5+、Ta5+又はW6+である。好ましくは、鉛ベースの結晶の化学式が、Pb(B’B”)O3−PbTiO3であり、ここでB’が、Mg2+、Zn2+又はSc3+であり、B”がNb5+である。より好ましくは、鉛ベースの結晶は、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(「PMN-PT」)、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(「PZN-PT」)、Pb(Sc1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(「PSN-PT」)である。
【0079】
また本発明は、複数の鉛ベース単結晶変換器からなる変換器を含む。一実施態様では、超音波プローブが、送信素子及び/又は受信素子として機能する表面を備えた1つ以上の圧電コンポーネントと、素子の対向表面に配置された電極とからなり、このとき各鉛ベースの圧電コンポーネントが、上記のように、すなわち対角の配向をなし、有効結合定数が少なくとも0.70である。加えて本発明は、材料を改良して、スプリアスモードを減少させることを含む。さらに本発明は、対角配向鉛ベース変換器を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)PZN-PT及び(b)PMN-PTに関する相図である。
【図2】それぞれ、[001]に沿って配向する、すなわち[001]の方向の厚みを備えるスライバーと、[010]及び[110]方向に沿った幅を備えるスライバーを示す概略図である。また[001]に沿って配向する、すなわち[001]長さ配向のバーも示されている。
【図3】対角の配向をなす複数の1次元スライバー形状素子からなる、典型的な変換器用の構成を示す図である。
【図4】対角の配向をなす複数の準1次元(1.5D)/2次元(2D)素子からなる、典型的な変換器用の構成を示す図である。
【図5】<001>t/<010>wカットのステレオ投影図である。矢印は、それぞれ分極方向(<111>方向)と、ポーリング方向(<001>方向)を示している。
【図6】<010>幅配向からずれた幅配向の関数として、<001>厚み配向をなすスライバーカットの有効結合定数を示す図である。0゜=<010>w配向、45゜=<011>w配向。
【図7】<001>t/<011>wカットのステレオ投影図である。矢印は、それぞれ分極方向(<111>方向)と、ポーリング方向(<001>方向)を示している。
【図8】幅の厚みに対するアスペクト比の関数として結合定数をプロットした図である。
【図9】<011>t/<110>wカット及び<011>t/<100>wカットのステレオ投影図である。
【図10】<111>t/<011>wカットのステレオ投影図である。
【図11】配向多結晶材料の概略を示す図である。

Claims (10)

  1. 1つ以上の鉛ベースの単結晶からなる変換器であって、各結晶の長さ方向又は厚み方向が対角線方向にされ該結晶は、該結晶の<011>方向又は<111>方向に沿ってカットされた長さ方向又は厚み方向を有し、該<011>方向及び<111>方向の両方が、<001>方向に関して角度をなし、該<011>方向又は<111>方向に沿ったカットは、該結晶が、少なくとも0.70の有効結合定数を有するようにする、変換器。
  2. 超音波変換器であって、
    送信素子及び/又は受信素子として機能する表面を備えた1つ以上の圧電コンポーネントと、
    前記素子の対向表面に配置された電極とを有し
    各鉛ベースの圧電コンポーネントが、鉛ベースの結晶を含み、該結晶の長さ又は厚み方向は対角線方向にされ該結晶は、該結晶の<011>方向又は<111>方向に沿ってカットされた長さ方向又は厚み方向を有し、該<011>方向及び<111>方向の両方が、<001>方向に関して角度をなし、該<011>方向又は<111>方向に沿ったカットは、該結晶が、少なくとも0.70の有効結合定数を有するようにする、超音波変換器。
  3. 超音波プローブであって、
    送信素子及び/又は受信素子として機能する表面を備えた1つ以上の圧電コンポーネントと、
    前記素子の対向表面に配置された電極とを有し
    各鉛ベースの圧電コンポーネントが、鉛ベースの結晶を含み、該結晶の長さ又は厚み方向は対角線方向にされ該結晶は、該結晶の<011>方向又は<111>方向に沿ってカットされた長さ方向又は厚み方向を有し、該<011>方向及び<111>方向の両方が、<001>方向に関して角度をなし、該<011>方向又は<111>方向に沿ったカットは、該結晶が、少なくとも0.70の有効結合定数を有するようにする、超音波プローブ。
  4. 結晶又は圧電コンポーネントが、<011>方向から約35度〜約90度の幅配向のカットさらに有する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の変換器又はプローブ。
  5. 鉛ベースの単結晶又は圧電コンポーネントが、<011>方向又は<111>方向からわずかにずれた配向をなし、サンプルの長さ方向又は厚み方向が、該<011>方向又は<111>方向から+/−約20度カットされている、請求項1乃至4の何れか1項に記載の変換器又はプローブ。
  6. 前記結晶又は圧電コンポーネントの長さ対厚み対幅の比が、おおよそ(300〜15):(5〜1):(5〜1)であ該長さは300から15までの値を有し、該厚みは、5から1までの値を有し、該幅は、5から1までの値を有する、請求項1乃至5の何れか1項に記載の変換器又はプローブ。
  7. 変換器が、1次元、準1次元、2次元の結晶又はコンポーネント構成を備える、請求項1乃至6の何れか1項に記載の変換器又はプローブ。
  8. 単結晶/ポリマー複合材を形成するようにポリマーに埋め込まれた複数の鉛ベースの単結晶素子を含む変換器であり、該鉛ベースの単結晶素子の各々は、対角に配向をなし、該結晶の長さ又は厚み方向は、対角に配向をなし、該結晶は、該結晶の<011>方向又は<111>方向に沿ってカットされた長さ又は厚み方向を有し、該<011>方向及び<111>方向の両方は、<001>方向に関して角度をなし、該<011>方向又は<111>方向に沿ったカットは、該結晶が、少なくとも0.70の有効結合定数を有するようにする、変換器。
  9. 鉛ベースの結晶又はコンポーネントの化学式が、Pb(B’B”)O3−PbTiO3であり、ここでB’が、Mg2+、Ni2+、Sc3+、Yb3+、Fe3+、Mn3+、In3+、Ir3+、Co3+、Zn2+の少なくとも1つとすることができ、B”が、Nb5+、Ta5+、Te6+、W6+の少なくとも1つとすることができる、請求項1乃至8の何れか1項に記載の変換器又はプローブ。
  10. 鉛ベースの結晶又はコンポーネントの化学式が、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3−PbTiO3、Pb(Sc1/3Nb2/3)O3−PbTiO3である、請求項1乃至9の何れか1項に記載の変換器又はプローブ。
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