JP4777090B2 - 厚鋼板用大断面鋳片の垂直型連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳片厚みが380mm以上の厚鋼板用大断面鋳片の垂直型連続鋳造方法に関するものである。
厚鋼板用大断面鋳片は例えば0.2m/min以下の低い鋳造速度で垂直型連続鋳造されるが、鋳片表面に微細な横割れが発生し易く、特に割れ感受性の高いNb含有鋼では、表面割れの深さが10mmに達することもある。このため厚鋼板用大断面鋳片については、その表面を後工程で15mm前後の深さまで削り取る重手入作業を必要としており、生産性の低下とコストアップの原因となっている。
このような厚鋼板用大断面鋳片の表面に発生する微細な割れがγ粒界割れであることは、特許文献1の第8段落に記載のように従来から知られており、この段落中には、従来からγ粒の成長を防止するために冷却速度を高める方法や、鋳片の2次冷却を行う方法などが試みられているが、何れの方法も実用化が困難であると記載されている。またこの特許文献1の発明はC, Mn, Ni, Cu, N等の鋼成分を特定範囲とするとともに、冷却水量を制御することにより表面割れを抑制しようとするものであるが、材料特性上の要求から鋼成分が特定範囲に収まらない場合には実施することができない。
このように、厚鋼板用大断面鋳片を表面割れを効果的に抑制しながら垂直型連続鋳造する方法は未だ確立されておらず、特に鋳片厚みが380mm以上の厚鋼板用大断面鋳片の連続鋳造技術については、多くの検討課題が残されているのが実情である。
特許第3042389号(請求項1、段落0008)
従って本発明の目的は、鋳片厚みが380mm以上の厚鋼板用大断面鋳片を、鋼成分の調整以外の手段によって表面割れを効果的に抑制しながら、垂直型連続鋳造する方法を提供することである。
本発明者はこの問題を解決するために実態調査と研究を重ねた結果、厚鋼板用大断面鋳片の微細割れは図1に示されるように湯じわ(リップルマーク)の谷部に発生すること、微細割れはγ粒界割れであること、この割れは鋳片の全幅にわたり存在することなどを確認した。そしてリップルマーク部のデンドライト組織を観察した結果、リップルマークの下にオシレーションマークが存在し、オシレーションマーク上部のデンドライト組織が微細で表層に向かって成長していることから、リップルマークは溶湯のオーバーフローによって発生したものと推定した。したがって、連続鋳造時における溶湯のオーバーフローを抑制し、湯じわ(リップルマーク)を浅くすることによって、その谷部におけるγ粒界割れを防止することができるものと考えた。
本発明は上記の知見に基づいて完成されたもので、鋳片厚みDが380mm以上700mm以下の厚鋼板用大断面鋳片を、垂直型連続鋳造機により鋳造速度が0.2m/min以下で鋳造する連続鋳造方法であって、モールドの湯面を覆うモールドパウダーとして、1300℃におけるパウダー粘度ηが、鋳片厚みDが増加するほど粘度の高いパウダーが必要であることを示す下記の(1)式を満足するモールドパウダーを使用し、鋳片表面の湯じわ深さを1.5mm以下とすることを特徴とするものである。
30≧η≧0.03・D−6・・・・・(1)式
(ηの単位はポアズ、Dの単位はmmである)
このように本発明では鋳造速度を0.2m/min以下とし、モールドの湯面を覆うモールドパウダーとして、1300℃におけるパウダー粘度ηが30≧η≧0.03・D−6の式を満足するモールドパウダーを使用して鋳片厚みDが380mm以上の厚鋼板用大断面鋳片の垂直型連続鋳造を行う。パウダー粘度ηは、一般的に用いられている1300℃の値である。
本発明はこのようなパウダー粘度ηを持つモールドパウダーによって連続鋳造時における溶湯のオーバーフローを抑制し、湯じわ(リップルマーク)を1.5mm以下にまで浅くすることによって、その谷部におけるγ粒界割れを防止する。その詳細なメカニズムについては後述するが、本発明により後工程における手入作業を従来よりも大幅に軽減し、品質向上とコストダウンを図ることが可能となった。本発明の方法は鋼成分に左右されることがないため、各種組成の鋼材に広く適用可能である。
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。
本発明では、鋳片厚みDが380mm以上の厚鋼板用大断面鋳片を、垂直型連続鋳造機により0.2m/min以下の鋳造速度で連続鋳造する。鋳造速度を0.2m/min以下としたのは、鋳片を冷却するための時間が必要となるためである。モールド内の溶湯の湯面はモールドパウダーにより覆われているが、本発明では1300℃におけるパウダー粘度ηが30≧η≧0.03・D−6の式を満足するモールドパウダーを使用する。このような高粘度のモールドパウダーを使用することによって湯面の変動を抑制し、リップルマークを減少させる。上記の鋳造条件下における従来の厚鋼板用大断面鋳片のリップルマーク深さは3mm前後であったが、本発明によれば後記する実施例のデータに示されるように1.5mm以下にまで浅くすることができる。
本発明者の研究によれば、厚鋼板用大断面鋳片のリップルマーク深さが深くなると、その谷部に形成されるγ粒の短径が大きくなる。そしてγ粒短径が2mmより小さい領域では、γ粒界割れは生じない。リップルマーク深さが深くなるとγ粒短径が大きくなる理由は、リップルマークの凹部はパウダー厚とエアギャップ厚が厚くなり、モールド内とモールド直下で局所的に緩冷却になるためである。またリップルマークの凹部はノッチ効果による応力集中を招く可能性があり、これらの原因でリップルマーク深さが深くなるとγ粒短径が大きくなり、γ粒界割れも生じやすくなる。
これに対して本発明では、1300℃におけるパウダー粘度ηが30≧η≧0.03・D−6の式を満足するモールドパウダーを使用することによってリップルマーク深さを1.5mm以下に浅くすることができ、図2に示すようにγ粒界割れを確実に防止することができる。特に割れ感受性の高いNb含有鋼の場合にも、本発明によれば表面割れは抑制され、厚鋼板用大断面鋳片の表面を後工程で削り取る手入作業を軽減して生産性の向上とコストダウンを図ることが可能となった。
次に本発明の実施例を示す。
炭素濃度0.10〜0.18質量%、Nb含有率0.015質量%の中炭素低合金鋼の溶鋼150トンを、機長10mの垂直型連続鋳造機を使って連続鋳造し、厚さ380〜700mm、幅1800〜2400mmの鋳片を製造した。鋳造速度は0.06〜0.18m/min、タンディッシュ内溶鋼温度は1550〜1580℃とした。1300℃におけるパウダー粘度が4〜30ポアズのモールドパウダーを使用した。鋳造条件およびパウダー粘度を様々に変化させて鋳造を行い、鋳片表面の平均湯じわ深さ(リップルマーク深さ)と割れの発生状況を表1にまとめた。また1300℃におけるパウダー粘度と割れの発生状況との関係を図3に示した。
Figure 0004777090
表1中の1)〜5)は下記の通り。
1)1300℃におけるパウダー粘度である。
2)図3の割れ発生実績から決まる割れ発生防止のための最小パウダー粘度(ポアズ)であり、下記(2)式で算出した。
ηmin=0.03・D−6・・・・・(2)式
ここでD≧380mmである。380 mm未満では湯じわは発生しにくい。
3)各水準毎に、10箇所の湯じわ断面から湯じわ深さを測定し、平均値を求めた。
4)得られた長さ約5mの鋳片表裏面を片面2mm切削し、割れをカラーチェックで現出した。表裏面の割れ個数の合計が5個以下を「割れ良好」、5個超を「割れ発生」とした。
以上の実施例のデータおよび図3に示されるように、1300℃におけるパウダー粘度が0.03・D−6の直線よりも上側の領域が「割れ良好」の領域であり、割れ発生を防止できることが確認された。本発明の方法により厚鋼板用大断面鋳片の垂直型連続鋳造を行うことにより、微細割れを確実に防止することができ、後工程における手入作業を従来よりも大幅に軽減して、品質向上とコストダウンを図ることができるようになった。
厚鋼板用大断面鋳片の表面の拡大断面図である。 平均湯じわ深さと割れ発生状況との関係を示すグラフである。 鋳片厚さDと、1300℃におけるパウダー粘度と、割れ発生状況との関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 鋳片厚みDが380mm以上700mm以下の厚鋼板用大断面鋳片を、垂直型連続鋳造機により鋳造速度が0.2m/min以下で鋳造する連続鋳造方法であって、モールドの湯面を覆うモールドパウダーとして、1300℃におけるパウダー粘度ηが、鋳片厚みDが増加するほど粘度の高いパウダーが必要であることを示す下記の(1)式を満足するモールドパウダーを使用し、鋳片表面の湯じわ深さを1.5mm以下とすることを特徴とする厚鋼板用大断面鋳片の垂直型連続鋳造方法。
    30≧η≧0.03・D−6・・・・・(1)式
    (ηの単位はポアズ、Dの単位はmmである)
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