JP2001179413A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造方法

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JP2001179413A JP35996799A JP35996799A JP2001179413A JP 2001179413 A JP2001179413 A JP 2001179413A JP 35996799 A JP35996799 A JP 35996799A JP 35996799 A JP35996799 A JP 35996799A JP 2001179413 A JP2001179413 A JP 2001179413A
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Masayuki Kawamoto
正幸 川本
Sukehisa Kikuchi
祐久 菊地
Masashi Hara
昌司 原
Toshihiko Murakami
敏彦 村上
Masafumi Hanao
方史 花尾
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】亜包晶鋼などの鋼を高速で鋳造する場合に、表
面に縦割れの発生のない鋳片を得ることができる鋼の連
続鋳造方法の提供。 【解決手段】鋳型の冷却板内への入側と出側の冷却水の
温度差から、溶鋼側から冷却水側に向かう冷却板内の熱
流束Q(MW/m2 )を求め、このQが、下記(A)式
を満足する条件で鋳造する方法。 Q(MW/m2 )≦f(C、F) ・・・(A) ここで、f(C、F)=130×(C−0.12)2
0.2F+2.6、 C:鋳造する鋼のC含有率(質量%)、F:鋳型内の湯
面レベルの振幅(mm)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳片表面の縦割れ
の発生を防止できる鋼の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スラブ鋳片の連続鋳造においては、鋳片
品質の向上および生産性の確保などの観点から、通常1
50〜300mmの厚さの鋳片が鋳造されている。この
ような厚さの鋳片では、速度1〜2m/分で鋳造するの
が一般的である。
【0003】一方、近年、関連する設備の建設費および
要員の削減等の観点から、製品の厚さや形状により近い
40〜100mmの厚さの薄鋳片を得る試みが進められ
ている。これら薄鋳片では、速度3〜5m/分で鋳造す
るのが一般的である。
【0004】ところで、C含有率が0.065〜0.1
7質量%程度の、いわゆる亜包晶鋼では、鋳造速度が前
述の通常のスラブ鋳片の場合のように1〜2m/分の比
較的遅い速度であっても、溶鋼が凝固する際の不均一凝
固にともなって、鋳片表面に縦割れが発生しやすいこと
はよく知られている。
【0005】また、亜包晶鋼以外のC含有率が0.06
5質量%程度未満または0.17質量%程度を超える鋼
でも、前述の薄鋳片の場合のように3〜5m/分の比較
的速い速度では、鋳片表面に縦割れが発生しやすいこと
が知られている。
【0006】鋳片表面の縦割れの発生の防止に関して、
特開平3−193248号公報では、モールドパウダー
にZrO2 、TiO2 、Sc23 、Y23 等のIII
A族およびIV族の元素の酸化物を添加する方法、また、
特開平5−15955号公報では、T.CaOのSiO
2 に対する質量%の比「T.CaO/SiO2 」を大き
くする方法などが提案されている。これらの方法は、い
ずれも溶融スラグ(モールドパウダの溶融したもの)の
冷却過程でより多くの結晶を析出させて鋳型内の鋳片を
緩冷却することにより、鋳片表面の縦割れの発生を防止
する方法である。
【0007】しかし、これら特開平3−193248号
公報や特開平5−15955号公報で提案された方法で
も、亜包晶鋼を鋳造する場合やそれ以外の鋼を高速で鋳
造する場合に、鋳片表面の縦割れを完全に防止すること
は困難である。さらに、たとえば、上述のT.CaO/
SiO2 を極端に大きくして、鋳型内の鋳片を緩冷却す
ることにより、鋳片表面の縦割れの発生を防止しようと
しても、鋳型内面と鋳片との間の潤滑性が悪くなるた
め、ブレークアウトが発生しやすくなるという問題があ
る。つまり、モールドパウダの改善だけで、鋳片表面の
縦割れの発生を防止するには限界がある。
【0008】「鉄と鋼」vol.83、(1997)N
o.11、p.701には、鋳型の冷却板内の熱流束が
限界値を超えると、鋳片表面に縦割れが発生することが
開示されている。具体的には、亜包晶鋼などの中炭素鋼
においては、その熱流束が1.5MW/m2 を、また低
炭素鋼においては、その熱流束が2MW/m2 を、それ
ぞれ超えると鋳片表面に縦割れが発生しやすいことが開
示されている。つまり、鋳型の冷却板内の熱流束をある
限界値より小さくすることにより、鋳片表面の縦割れの
発生を防止する方法が開示されている。
【0009】しかし、この方法では、鋳型内の湯面レベ
ル変動の大きさによっては、鋳片表面に縦割れの発生す
る場合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、亜包晶鋼を
鋳造する場合やその他の鋼を高速で鋳造する場合でも、
鋳片表面に縦割れの発生がなく、良好な表面品質の鋳片
を得ることができる鋼の連続鋳造方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、鋳型の
冷却板内への入側と出側の冷却水の温度差から、溶鋼側
から冷却水側に向かう冷却板内の熱流束Q(MW/
2 )を求め、このQが、下記(A)式を満足する条件
で鋳造する鋼の連続鋳造方法にある。
【0012】 Q(MW/m2 )≦f(C、F) ・・・(A) ここで、f(C、F)=130×(C−0.12)2
0.2F+2.6 C:鋳造する鋼のC含有率(質量%) F:鋳型内の湯面レベルの振幅(mm) 鋳型の冷却板内を溶鋼側から冷却水側に向かう熱流束Q
とは、下記(B)式で定義される値である。
【0013】 Q(W/m2 )=(ΔT×W×P)/S ・・・(B) ここで、△T:冷却板内への入側と出側の冷却水の温度
差(K) W:冷却板内の冷却水の流量(kg/秒) P:冷却水の比熱(J/(K・kg)) S:鋳型の冷却板の表面積(m2 )。
【0014】鋳型内の湯面レベルの振幅Fとは、次のこ
とを意味する。すなわち、鋳造中に鋳型内の溶鋼表面、
すなわち湯面レベルは通常上下方向に振動する。鋳造中
の1分間の湯面レベルの振幅の平均値を湯面レベルの振
幅Fとする。湯面レベルを測定する方法は、後述するよ
うに渦流レベル計を用いる方法が望ましい。また、測定
する位置は、鋳型短辺と浸漬ノズルから50mm程度以
上離れ、かつ鋳型長辺から20mm程度以上離れた鋳型
内の領域とするのが望ましい。浸漬ノズルの吐出孔から
の吐出流が湯面レベルに影響を及ぼしやすい鋳型内の領
域を避けるためである。
【0015】本発明者らは、前述の本発明の課題を、下
記の知見に基づき、の対策を採ることにより解決し
た。
【0016】鋳型の冷却板内を溶鋼側から冷却水側に
向かう熱流束Qと鋳型内の湯面レベル変動とが鋳片表面
の縦割れの発生に及ぼす影響を検討した。その結果、縦
割れの発生は、鋼に特有の一定の限界の熱流束を超える
場合にだけ発生するのではないことがわかった。すなわ
ち、それぞれの鋼において、鋳型内の湯面レベルに対し
て、限界の熱流束があって、その限界の熱流束を超える
と縦割れが発生する。つまり、鋳型内の湯面レベルの振
幅が大きくなるとともに、その鋼の限界の熱流束は低下
する。これは、湯面レベルの振幅が大きいと、溶鋼が凝
固する際に、不均一凝固が助長されるため、鋳片表面に
縦割れが発生しやすくなることに起因する。
【0017】不均一凝固を防止するには、鋳型の冷却
板内への入側と出側の冷却水の温度差から求められる冷
却板内を溶鋼側から冷却水側に向かう熱流束Q(MW/
2)の値が、上記(A)式を満足する条件で鋳造すれ
ばよい。
【0018】図1は、鋳型内の湯面レベルの振幅と鋳型
の冷却板内の熱流束とが鋳片表面の縦割れの発生に及ぼ
す影響を示す図である。垂直部長さ1.5m、湾曲半径
3.5mの垂直曲げ型連続鋳造機を用い、厚さ90m
m、幅1200mmの鋳片を鋳造した。後述する表1に
示すC含有率0.05質量%の低炭素鋼、0.10質量
%の亜包晶鋼および0.20質量%の中炭素鋼を用い、
それぞれ5m/分の速度で鋳造したときの結果を示す。
【0019】図2は、図1に示した実験結果を基に、縦
軸を限界の熱流束、横軸をC含有率として、両者の関係
を示した図である。この図中に示す曲線が前述のf
(C、F)式を示す曲線である。
【0020】図1および図2に示すように、それぞれの
鋼において、湯面レベルの振幅に応じた限界の熱流束の
値以下の条件で鋳造すれば、鋳片表面の縦割れの発生を
防止できることがわかる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の方法では、鋳造する鋼に
対応して、鋳造中の鋳型内の湯面レベル変動量の大きさ
に応じて、鋳型の冷却板内を溶鋼側から冷却水側に向か
う熱流束を調整することにより、鋳片表面の縦割れの発
生を防止する。
【0022】鋳型内の湯面レベル変動を測定する方法と
して、通常用いられているラジオアイソトープを使用す
る方法、γ線強度を計測する方法、または渦流レベル計
を使用する方法を用いることができる。湯面レベル変動
に対する計器の応答の速さの観点からは、渦流レベル計
を用いるのが望ましい。
【0023】鋳型の冷却板内を溶鋼側から冷却水側に向
かう熱流束を調整する方法のうち、下記の(イ)〜
(ニ)は、鋳造中の条件の変更、調整ができないか、ま
たは、鋳造中の早急な条件の変更が困難な方法である。
鋳造中に調整できるのは、下記の(ホ)および(ヘ)の
方法である。
【0024】(イ)冷却板用に、通常用いられる銅や銅
合金、またはその他の材質を用いる方法 (ロ)冷却板内に設ける冷却水の通水路の横断面サイズ
や個数を調整する方法 (ハ)冷却水の通水路に通水する冷却水量を調整する方
法 (ニ)冷却板内への入側の冷却水の温度を調整する方法 (ホ)鋳型内に添加するモールドパウダの冷却能を調整
する方法 (ヘ)鋳造速度を調整する方法。
【0025】まず、鋳造中に調整できる(ホ)および
(ヘ)の方法を説明する。上記(ホ)のモールドパウダ
の冷却能を調整する方法については、鋳型内面と鋳片と
の間の潤滑性を悪くしない程度の範囲内で、すなわち、
ブレークアウトを発生させない範囲で、T.CaOのS
iO2 に対する質量%の比、すなわち「T.CaO/S
iO2 」を大きくしたり、または、凝固点を高くしたモ
ールドパウダを用いるのがよい。これにより、モールド
パウダによる鋳型内の鋳片の冷却能を低下させること、
すなわち、鋳型内の鋳片を緩冷却することができるの
で、鋳片表面の縦割れの発生を防止できる。T.CaO
とは、モールドパウダ中のCa分を全てCaOに換算し
た値を意味する。たとえば、モールドパウダ中に配合し
たCaF2 中のCa分も、CaOに換算して合計した値
を意味する。
【0026】上記(ヘ)の鋳造速度を調整する方法は、
冷却板内の熱流束の調整に即効性があり、また効果的で
ある。鋳型内の湯面レベル変動量が大きくなった場合に
は、前述の(A)式を満足するように、鋳造速度を低下
させることにより、熱流束を低下させる。
【0027】この際に、(A)式を満足する範囲内の熱
流束で、それぞれの上限に近い熱流束の値となるよう
に、鋳造速度を調整するのが望ましい。つまり、鋳造速
度を低下させすぎないのが望ましい。これにより、生産
性を確保しながら、表面に縦割れの発生がなく、良好な
表面品質の鋳片が得られる。
【0028】次に、鋳造中の条件の変更、調整が困難の
ため、鋳造開始前に調整する上記(イ)〜(ニ)の方法
を説明する。
【0029】鋳造開始前に冷却板内の熱流束を調整する
方法として、上記(イ)の冷却板用の材質を調整する方
法については、たとえば、熱伝導率の低い銅、銅合金、
またはその他の材料を選択することにより、冷却板内の
熱流束を低下させることができる。
【0030】また、上記(ロ)、(ハ)および(ニ)の
冷却板内に設ける冷却水の通水路の大きさ、冷却水量お
よび冷却水の温度を調整するそれぞれの方法について
は、たとえば、通水路の横断面積を大きくしたり、冷却
水量を少なくしたり、または、入側の冷却水の温度を高
くすることによって、冷却板内の熱流束を低下させるこ
とができる。
【0031】鋳造開始前に上記(イ)〜(ニ)を調整す
るとともに、鋳造中に前述の(ヘ)で記載の方法を実施
することにより、鋳造速度の低下を抑制することができ
る。したがって、生産性の低下をより抑制できる。
【0032】
【実施例】垂直部長さ1.5m、湾曲半径3.5mの垂
直曲げ型連続鋳造機を用い、厚さ90mm、幅1200
mmの鋳片を鋳造した。用いた鋼を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】各試験では、1ヒート約80tonを鋳造
した。鋳造速度は、鋼Bの亜包晶鋼については当初3m
/分、それ以外の鋼については当初5m/分とした。用
いたモールドパウダの化学組成を表2に示す。鋳造中に
鋳型内の湯面レベル変動量を渦流レベル計を用いて測定
した。湯面レベルの測定位置は、鋳型の幅の1/4、鋳
型の厚さの1/2の一方の位置とした。試験中に湯面レ
ベル変動量が大きくなった場合には、本発明例の試験で
は、鋳造速度を低下させるか、または、鋳型内に添加す
るモールドパウダを変更した。比較例の試験では、湯面
レベル変動量が大きくなっても、とくに、鋳造速度やモ
ールドパウダを変更しなかった。
【0035】
【表2】
【0036】各試験では、長さ10mの鋳片サンプルを
採取した。その際、鋳造速度やモールドパウダを変更し
た場合には、その変更前後での長さ10mの鋳片サンプ
ルを採取した。
【0037】鋳片表面を目視で観察し、縦割れの発生状
況を評価した。鋳造したままの鋳片表面を目視で観察す
るので、長さが50mm程度以上の縦割れを主として観
察している。評価Aは、縦割れが発生していないか、極
わずかしか発生していないもの、評価Bは、縦割れが1
0個程度発生しているが、縦割れの疵深さが浅いもの、
評価Cは、深い縦割れが発生しているか、または、縦割
れが著しく多く発生しているものとした。各試験条件と
各試験結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】試験No.1、No.2および試験No.
3では、亜包晶鋼の鋼Bを、モールドパウダbを用い
て、3m/分の速度でそれぞれ鋳造した。いずれも、鋳
造当初の湯面レベルの振幅Fは8mmであったが、途中
で14mmとなり、振幅が大きくなった。これに伴っ
て、前述のf(C、F)式で求まるこの鋼の限界熱流束
は1.8MW/m2 から1.2MW/m2 に低下した。
【0040】試験No.1では、湯面レベルの振幅が大
きくなってから、鋳造速度を2.5m/分に低下させ
た。このため、鋳型の冷却板内の熱流束が1.6MW/
2 から1.1MW/m2 に低下した。鋳型の冷却板内
の熱流束をこの鋼の限界の熱流束より低くできたので、
鋳片表面に縦割れは、鋳造速度を低下させる前の評価B
から評価Aとなり、鋳片表面に縦割れは発生しなかっ
た。
【0041】試験No.2では、湯面レベルの振幅が大
きくなってから、鋳型内に添加するモールドパウダを
T.CaOのSiO2 に対する質量%の比T.CaO/
SiO2 が1.2であるパウダに変更した。当初のパウ
ダの比T.CaO/SiO2 は1.1であり、パウダを
変更することによって、鋳型内の冷却板の熱流束を1.
6MW/m2 から1.2MW/m2 に低下することがで
きた。そのため、鋳型の冷却板内の熱流束をこの鋼の限
界の熱流束より低くできたので、鋳片表面に縦割れは、
モールドパウダを変更する前の評価Bから評価Aとな
り、鋳片表面に縦割れは発生しなかった。
【0042】試験No.3では、湯面レベルの振幅が大
きくなってからも、とくに対策は実施しなかった。その
ため、鋳型の冷却板内の熱流束は当初の1.6MW/m
2 のままであり、一方、この鋼の限界の熱流束は1.2
MW/m2 に低下しているので、鋳型の冷却板内の熱流
束が限界の熱流束を超えた。そのため、鋳片表面に縦割
れは、湯面レベルの振幅が大きくなる前の評価Bから評
価Cとなり、鋳片表面に縦割れが著しく発生した。
【0043】試験No.4、No.5および試験No.
6では、低炭素鋼の鋼Aを、モールドパウダaを用い
て、5m/分の速度でそれぞれ鋳造した。いずれも、鋳
造当初の湯面レベルの振幅は8mmであったが、途中で
14mmとなり、振幅が大きくなった。これに伴って、
この鋼の限界熱流束は2.3MW/m2 から1.7MW
/m2 に低下した。
【0044】試験No.4では、湯面レベルの振幅が大
きくなってから、鋳造速度を低下させたので、鋳造速度
変更後は、鋳片表面の縦割れの評価はAで、鋳片表面に
縦割れは発生しなかった。
【0045】試験No.5では、湯面レベルの振幅が大
きくなってから、鋳型内に添加するモールドパウダを変
更し、当初のパウダの比T.CaO/SiO2 より高く
したモールドパウダに変更した。そのため、モールドパ
ウダ変更後は、鋳片表面の縦割れの評価はAで、鋳片表
面に縦割れは発生しなかった。
【0046】試験No.6では、湯面レベルの振幅が大
きくなってからも、とくに対策は実施しなかった。その
ため、鋳型の冷却板内の熱流束が限界の熱流束を超え、
鋳片表面に縦割れは、湯面レベルの振幅が大きくなる前
の評価Bから評価Cとなり、鋳片表面に縦割れが著しく
発生した。
【0047】試験No.7、No.8および試験No.
9では、中炭素鋼の鋼Cを、モールドパウダbを用い
て、5m/分の速度でそれぞれ鋳造した。いずれも、鋳
造当初の湯面レベルの振幅は8mmであったが、途中で
14mmとなり、振幅が大きくなった。これに伴って、
この鋼の限界熱流束は2.3MW/m2 から1.7MW
/m2 に低下した。
【0048】試験No.7では、湯面レベルの振幅が大
きくなってから、鋳造速度を3.5m/分に低下させ
た。このため、試験No.1およびNo.3と同じよう
に、鋳型の冷却板内の熱流束をこの鋼の限界の熱流束よ
り低くできた。そのため、鋳造速度変更後は、鋳片表面
の縦割れの評価はAで、鋳片表面に縦割れは発生しなか
った。
【0049】試験No.8では、湯面レベルの振幅が大
きくなってから、鋳型内に添加するモールドパウダを
T.CaOのSiO2 に対する質量%の比T.CaO/
SiO2 が1.2であるパウダに変更した。そのため、
試験No.2およびNo.4と同じように、鋳型の冷却
板内の熱流束をこの鋼の限界の熱流束より低くできた。
そのため、鋳造速度変更後は、鋳片表面の縦割れの評価
はAで、鋳片表面に縦割れは発生しなかった。
【0050】試験No.9では、湯面レベルの振幅が大
きくなってからも、とくに対策は実施しなかった。その
ため、試験No.3およびNo.6の際と同じように、
鋳型の冷却板内の熱流束がこの鋼の限界の熱流束を超え
たため、鋳片表面に縦割れが著しく発生し評価はCであ
った。
【0051】
【発明の効果】本発明の方法の適用により、亜包晶鋼を
鋳造する際やその他の鋼を高速で鋳造する際に、鋳片表
面に縦割れの発生がなく、良好な表面品質の鋳片を得る
ことができる。
【0052】さらに、湯面レベルの振幅に応じて、たと
えば鋳造速度を適度に低下させることにより、生産性を
著しく低下させることなく、鋳片表面の縦割れの発生を
防止できる。また、T.CaOのSiO2 に対する質量
%の比T.CaO/SiO2を過度に大きくしたりしな
いので、鋳型内面と鋳片との間の潤滑性を確保でき、ブ
レークアウトの発生を防止しつつ、鋳片表面の縦割れの
発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳型内の湯面レベルの振幅と鋳型の冷却板内の
熱流束とが鋳片表面の縦割れの発生に及ぼす影響を示す
図である。
【図2】図1に示した実験結果に関し、縦軸を限界の熱
流束、横軸を鋼のC含有率で示した図である。
フロントページの続き (72)発明者 原 昌司 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 村上 敏彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 花尾 方史 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4E004 MC13 PA04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳型の冷却板内への入側と出側の冷却水の
    温度差から、溶鋼側から冷却水側に向かう冷却板内の熱
    流束Q(MW/m2 )を求め、このQが、下記(A)式
    を満足する条件で鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳
    造方法。 Q(MW/m2 )≦f(C、F) ・・・(A) ここで、f(C、F)=130×(C−0.12)2
    0.2F+2.6 C:鋳造する鋼のC含有率(質量%) F:鋳型内の湯面レベルの振幅(mm)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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