JP4371087B2 - 高合金鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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本発明は、ニッケルとクロムを合計で40質量%以上含有し、かつ固液共存温度範囲が70℃以上の高合金鋼の連続鋳造方法に関し、さらに詳しくは、溶融モールドフラックスの粘度を高合金鋼の液相線温度および固相線温度から算出される粘度以下とし、低速度で鋳造することにより、鋳片の表面品質を良好に保つことのできる連続鋳造法に関する。
高合金鋼には多数の鋼種が存在するが、その成分組成が互いに近似した鋼種同士では、物性値も概ね近似している場合が多い。しかし、そのような鋼種同士であっても、液相線温度が互いに近接しているにも拘わらず、固相線温度は大きく相違している場合がある。このような高合金鋼を連続鋳造する際に、液相線温度を基準として溶鋼加熱温度を決定すると、鋳型内の凝固殻の強度が弱いことに起因して、凝固殻が鋳型と鋳片との間に生じる摩擦力に抗し切れずに、破断することがある。このような破断が発生すると、それが原因となって鋳片表面に欠陥が発生したり、溶鋼が内部から流出して、ブレークアウトと称する操業事故につながるといった重大問題が生じる。
上記のような高合金鋼の表面欠陥発生の防止策として、例えば特許文献1には、水平連続鋳造機の鋳型にブレークリングを取り付け、鋳片を引き抜く水平連続鋳造方法において、溶鋼、タンディッシュ、ブレークリング、鋳型、水冷部および鋳片を要素に分割した形状モデルとして表し、凝固解析計算を利用してマクロ偏析帯の発生しにくい溶鋼温度、鋳型形状、引き抜き速度などの鋳造条件を得る高合金鋼の連続鋳造方法が開示されている。しかしながら、高合金鋼では固液共存温度範囲が広く、元来割れなどが生じやすいため、上記の方法により高合金鋼を鋳造する場合であっても、鋳型と鋳片との間の摩擦力が大きいと、凝固殻がその摩擦に耐え切れず、表面欠陥を発生しやすい。
特許文献2には、鋳片のオシレーションマーク山部の二次デンドライトアーム間隔に対するオシレーションマーク谷部の二次デンドライトアーム間隔の比が所定値未満である表面性状の優れたステンレス鋼鋳片、およびその連続鋳造方法が開示されている。この技術は、オシレーションマークの山部と谷部の凝固冷却を均一化することにより表面欠陥の発生を抑制するものである。しかしながら、この技術は、均一凝固には有用であるものの、固液共存温度範囲が広い高合金鋼の場合には、初期凝固殻の形成が遅く、鋳型内の凝固殻の強度が弱いことから、上記の表面欠陥の発生を防止することができない。
また、特許文献3には、鋳型をオシレーションさせながらステンレス鋼を鋳造するにあたり、パウダーの消費量および密度から求められるパウダーのフィルム厚み、および鋳型冷却水〜凝固シェル間の総括熱伝達係数をそれぞれ所定量以上として鋳造する表面性状の優れたステンレス鋼鋳片の連続鋳造方法が開示されている。この技術は、オーステナイト系ステンレス鋼の鋳造に際して、鋳型内のパウダーフィルムの厚みおよび鋳型冷却水〜凝固シェル間の総括熱伝達係数を制御して、鋳型内における初期凝固殻を強化するものである。しかし、固液共存温度範囲が広く、割れやすい高合金鋼の鋳造の場合では、鋳型と鋳片との間の摩擦が大きいため、初期凝固殻を強化しただけでは、凝固殻が摩擦に耐え切れず、やはり表面欠陥を発生することになりやすい。
特許文献4には、割れ感受性の高い包晶変態域にある中炭素鋼ならびに凝固殻強度の小さいフェライト系およびマルテンサイト系ステンレス鋼の連続鋳造技術が開示されている。同文献で開示された技術においては、使用するモールドフラックスの凝固温度を1080〜1300℃の範囲とし、また、塩基度を1.05以上1.5未満の範囲としている。しかし、このモールドフラックスを用いて、固液共存温度範囲が広く、初期凝固殻の強度の低い高合金鋼を連続鋳造すると、鋳型と鋳片との間の潤滑が十分に機能せず、やはり特許文献3の場合と同様に、表面欠陥を発生しやすい。
また、特許文献5には、TiおよびAlを含有し、さらにはNi≦85wt%およびCr≦30wt%を含有する鋼の連続鋳造技術が開示されている。この技術は、塩基度が0.7超1.8未満、1300℃における粘度が1〜4poise、凝固温度が900〜1300℃であり、鋳型と凝固シェルとの間に流入したときに鋳型に接する側が結晶相を晶出する連続鋳造用パウダー、およびそのパウダーを用いて、引き抜き速度0.6〜0.9m/分の条件で鋳造する連続鋳造方法である。しかし、この技術においても、特に固液共存温度範囲が広く、初期凝固殻の強度が低い高合金鋼を対象とした場合には、鋳型と鋳片との間の潤滑が不十分となり、前記と同様の問題を生じる。また、引き抜き速度も高いため、表面欠陥を増大させるおそれもある。
そして、特許文献6には、Niを30wt%以上含むNi基合金用のパウダーであって、塩基度が0.8以上1.2以下、1300℃における粘度が1〜4poise、凝固温度が900〜1300℃であり、鋳型と凝固シェルとの間に流入したときに鋳型に接する側が結晶相を晶出する連続鋳造用パウダー、およびそのパウダーを用いて、過熱度を5〜50℃に保持して鋳造する連続鋳造方法が開示されている。しかしながら、この技術であっても、固液共存温度範囲が広く、初期凝固殻の強度が弱い高合金鋼を鋳造する場合には、特許文献5にて述べたのと同様の問題が発生する。
上述のとおり、鋳造時における鋳片表面欠陥の発生を防止するためのモールドフラックスおよびそれを用いた連続鋳造方法に関しては、幾多の開発が行われ、また実施されてきたものの、特に固液共存温度範囲が広く、割れなどが生じやすい高合金鋼の鋳造においては、凝固殻が鋳型と鋳片との間の摩擦力に耐えきれずに発生する表面欠陥の問題を依然として解消できていないのが現状である。
特開平6−79421号公報(特許請求の範囲および段落[0010]) 特開平6−190507号公報(特許請求の範囲、段落[0006]および[0007]) 特開平7−308745号公報(特許請求の範囲および段落[0010]) 特開平10−263766号公報(特許請求の範囲、段落[0015]) 特開2003−94150号公報(特許請求の範囲および段落[0009]〜[0017]) 特開2003−94151号公報(特許請求の範囲および段落[0005]〜[0012])
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、固液共存温度範囲が広く、表面割れなどが生じやすい高合金鋼の連続鋳造において、鋳型と鋳片との間に生じる摩擦力を軽減することにより凝固殻の破断を防止し、鋳片の良好な表面品質を確保することのできる連続鋳造方法を提供することにある。
本発明者らは、上述の課題を解決するために、高合金鋼の連続鋳造において、鋳片の良好な表面品質を確保するための、鋼の固液共存温度範囲とモールドフラックスの粘度との関係、および鋳造速度の範囲を調査し、下記の(a)〜(c)の知見を得て、本発明を完成させた。
(a)NiおよびCrの合計含有率が40質量%以上で、かつ固液共存温度範囲が70℃以上の高合金鋼の鋳造では、粘度の低いモールドフラックスを用いることにより、鋳型と鋳片との間の摩擦力が低減されて、両者間の潤滑性が向上するので、鋳片の凝固殻の破断に起因する鋳片の表面欠陥の発生を防止することができる。
(b)上記(a)のとおり鋳片表面欠陥の発生を防止するためには、モールドフラックスの1300℃における粘度η(Pa・s)を、高合金鋼の液相線温度TL(℃)および固相線温度TS(℃)を用いて計算される値である10/(TL−TS)以下の範囲とする必要がある。
(c)また、高合金鋼鋳片の表面欠陥の発生を防止するためには、鋳型と鋳片との間の摩擦力を低減する観点から鋳造速度を0.6m/分未満とする必要がある。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の高合金鋼の連続鋳造方法にある。
すなわち、「NiおよびCrの合計含有率が40質量%以上で、かつ固液共存温度範囲が70℃以上の高合金鋼の連続鋳造方法であって、下記(1)式により表される関係を満足するモールドフラックスを用いて、0.6m/分未満の鋳造速度で鋳造することを特徴とする高合金鋼の連続鋳造方法。
η≦10/(TL−TS) ・・・・(1)
ここで、ηは溶融モールドフラックスの1300℃における粘度(Pa・s)、TLは高合金鋼の液相線温度(℃)、そしてTSは高合金鋼の固相線温度(℃)を表す。」である。
本発明の連続鋳造方法によれば、固液共存温度範囲が広く、表面割れなどが生じやすい高合金鋼の連続鋳造においても、鋳型と鋳片との間に生じる摩擦力を軽減することができるので、凝固殻の破断を防止し、良好な表面品質を有する鋳片を製造することができる。したがって、本発明の方法は、高合金鋼の鋳片品質を向上させ、かつブレークアウトなどの操業トラブルをも防止できる実用的な鋳造方法として、高合金鋼の連続鋳造分野に大きく貢献できる。
本発明の方法は、前記のとおり、NiおよびCrの合計含有率が40質量%以上で、かつ固液共存温度範囲が70℃以上の高合金鋼の連続鋳造方法であって、モールドフラックスの1300℃における粘度η(Pa・s)が、高合金鋼の液相線温度TL(℃)および固相線温度TS(℃)を用いて計算される値である10/(TL−TS)以下の範囲にあるモールドフラックスを用いて、0.6m/分未満の鋳造速度で鋳造する高合金鋼の連続鋳造方法である。
以下に、本発明の範囲を前記のとおり規定した理由(および好ましい範囲)についてさらに詳細に説明する。
(1)モールドフラックスの粘度および高合金鋼の固液共存温度範囲
種々の高合金鋼についてその液相線温度および固相線温度を測定したところ、液相線温度は互いに近接していながら、固相線温度が大きく相違する鋼種があることが明らかとなった。このような鋼種として、本発明が対象とするNiおよびCrの合計含有率が40質量%以上の鋼種がある。
そこで、このような鋼種を鋳造する場合の対策として、緩冷却の促進およびモールドフラックスの粘性の低下を検討した。このような鋼種において、さらに、固液共存温度範囲、すなわち液相線温度と固相線温度との差が70℃以上と広い鋼種では、鋳型内において初期凝固殻の強度が弱く、鋳型との摩擦により凝固殻が破断して鋳片内部の溶鋼が染み出す場合がある。したがって、そのような場合には、モールドフラックスの塩基度を高めて、凝固殻の緩冷却を促進させるとともに、フッ素濃度を上昇させて、粘度を低下させたモールドフラックスを用いた。
これに対して、NiおよびCrの合計含有率が40質量%未満の場合は、鋳型内における初期凝固殻の強度低下が上記の場合ほど顕著ではないことから、鋳型との摩擦による凝固殻の破断頻度も比較的少なく、したがって、本発明の方法を用いなくても、鋳片の表面品質は比較的良好に維持できる。
後述する実施例における種々の試験結果から、モールドフラックスの1300℃における粘度ηと、液相線温度TLと固相線温度TSとの差、すなわち固液共存温度範囲が、鋳片の表面欠陥に及ぼす影響を整理した。
図1は、鋳片の表面欠陥に及ぼす鋼の液相線温度と固相線温度との差、および鋳造に用いたモールドフラックスの1300℃における粘度の影響を示す図である。なお、同図は、鋳造速度が0.6m/分未満の条件下における試験結果を示したものであり、図中の○印は鋳片に表面欠陥がないことを、△印は表面研削加工により表面欠陥が除去できることを、そして×印は表面研削加工によっても表面欠陥が除去できないことをそれぞれ示す。また、図中の番号は試験番号を表す。
同図の結果から、モールドフラックスの1300℃における粘度η(Pa・s)と、高合金鋼の液相線温度TL(℃)と固相線温度TS(℃)との差(TL−TS)が、下記(1)式により表される関係を満足する場合に、良好な表面品質の鋳片を鋳造できることが判明した。
η≦10/(TL−TS) ・・・・(1)
上記の結果から、本発明では、モールドフラックスの1300℃における粘度η(Pa・s)と、高合金鋼の液相線温度TL(℃)と固相線温度TS(℃)との差(TL−TS)が、上記(1)式により表される関係を満足することを必須要件とした。
従来は使用するモールドフラックスの1300℃における粘度を0.18Pa・s以上とすることが多かったが、そのように粘度の高いモールドフラックスを用いた場合には、固液共存温度範囲が広く、初期凝固殻の強度が弱い高合金鋼の鋳造においては、鋳型と鋳片との間の摩擦力が初期凝固殻の強度を上回ることから凝固殻が破断し、鋳片表面品質を悪化させることが図1の結果から確認できた。
(2)鋳造速度
固液共存温度範囲が70℃以上、かつNiおよびCrの合計含有率が40質量%以上であり、初期凝固殻の強度が低い高合金鋼の連続鋳造においては、鋳造速度が0.6m/分以上において、鋳型と鋳片との間の摩擦力が凝固殻の強度を上回り、凝固殻が破断する場合がある。そこで、鋳造速度の適正範囲を0.6m/分未満とした。
本発明の連続鋳造方法の効果を確認するため、下記の連続鋳造試験を行って、その結果を評価した。
(1)試験方法
表1に示す成分組成を有する高合金鋼を、表2に示す1300℃での粘度および成分組成を有するモールドフラックスを用いて連続鋳造した。表2において、モールドフラックス番号Bは標準的な粘度を有するフラックスであり、フラックス番号Aは低粘度、そして、フラックス番号Cは高粘度を有するフラックスである。
Figure 0004371087
Figure 0004371087
また、連続鋳造には、表3に示す3種類の連続鋳造機を用い、同表中に示される鋳型内寸法および鋳造速度の条件にて、鋳片を製造した。
Figure 0004371087
試験結果の評価は、前記図1の説明にて述べたとおり、鋳片の表面品質を3段階で評価した。その場合に、「○:表面欠陥なし」とは、鋳片の単位面積(m2)あたりの表面疵個数が5個以下の場合を意味し、上記以上の表面疵が発生した場合に、表面研削加工により表面欠陥が除去できる場合を「△印」により評価し、そして表面研削加工によっても表面欠陥が除去できない場合を「×印」により評価した。
(2)試験結果
表4に、鋳造速度、固液共存温度範囲(TL−TS)、モールドフラックスの1300℃における粘度、鋳造された鋳片の表面欠陥状況およびその評価を示した。
Figure 0004371087
試験結果の評価については、前記図1の説明にて述べたとおり、鋳片の表面品質に基づいて3段階で評価した。
鋼番号1および2は、高合金鋼の固液共存温度範囲(TL−TS)に対してモールドフラックスの1300℃における粘度が低く、前記(1)式で表される関係を満足する本発明例についての試験である。また、鋼番号3〜5は、鋼の固液共存温度範囲に対してモールドフラックスの粘度が高く、前記(1)式の関係を満足しない比較例についての試験である。
モールドフラックス番号Aのフラックスを用いて鋼番号1の高合金鋼を鋳造した本発明例の試験、およびモールドフラックス番号Aのフラックスを用いて鋼番号2の高合金鋼を鋳造した本発明例の試験では、いずれの場合も、固液共存温度範囲に対してモールドフラックスの粘度が前記(1)で示される条件を満足する適正範囲に保たれた結果、鋳片表面に欠陥のない良好な表面品質の鋳片が得られた。
これに対して、モールドフラックス番号Bのフラックスを用いて鋼番号3の高合金鋼を鋳造した比較例の試験では、固液共存温度範囲に対してモールドフラックスの粘度が高過ぎた結果、鋳片の長辺面に縦割れが発生した。この縦割れは、表面研削加工により除去できる程度のものではあったが、歩留まりの低減および手入れ工数の増加を招くことから、鋳片の表面品質としては劣った範疇に属する。
また、モールドフラックス番号Cのフラックスを用いて鋼番号4の高合金鋼を鋳造した比較例の試験、およびモールドフラックス番号Bのフラックスを用いて鋼番号5の高合金鋼を鋳造した比較例の試験では、いずれの場合も、固液共存温度範囲に対してモールドフラックスの粘度が高過ぎた結果、鋳片の長辺面または短辺面に、表面研削加工によっても欠陥が除去できない縦割れおよびかぶれ疵が発生し、表面品質の非常に劣った鋳片となった。
さらに、モールドフラックス番号Aのフラックスを用いて鋼番号6の高合金鋼を鋳造した比較例の試験では、固液共存温度範囲に対してモールドフラックスの粘度は適正範囲に保たれたが、鋳造速度が速過ぎたことから、鋳片の長辺面に縦割れおよびかぶれ疵が発生し、鋳片表面品質の劣った鋳片となった。
本発明の連続鋳造方法によれば、固液共存温度範囲が広く、表面割れなどが生じやすい高合金鋼の連続鋳造においても、鋳型と鋳片との間に生じる摩擦力を軽減することができるので、凝固殻の破断を防止し、良好な表面品質を有する鋳片を製造することができる。したがって、本発明の方法は、表面欠陥のない優れた品質の高合金鋼鋳片を、操業トラブルを起こすことなく安定して製造できる連続鋳造方法として、高合金鋼の鋳造分野において広範に適用できる。
鋳片の表面欠陥に及ぼす鋼種の液相線温度と固相線温度との差、および鋳造用モールドフラックスの1300℃における粘度の影響を示す図である。

Claims (1)

  1. NiおよびCrの合計含有率が40質量%以上で、かつ固液共存温度範囲が70℃以上の高合金鋼の連続鋳造方法であって、下記(1)式により表される関係を満足するモールドフラックスを用いて、0.6m/分未満の鋳造速度で鋳造することを特徴とする高合金鋼の連続鋳造方法。
    η≦10/(TL−TS) ・・・・(1)
    ここで、ηは溶融モールドフラックスの1300℃における粘度(Pa・s)、TLは高合金鋼の液相線温度(℃)、そしてTSは高合金鋼の固相線温度(℃)を表す。
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