JP4776615B2 - 抗体精製 - Google Patents

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Description

本発明は、抗体の精製方法に関する。具体的には、本発明の方法は、アフィニティー樹脂に起因する夾雑物を除去するため、アフィニティークロマトグラフィーに続く段階として好適に用いられる。本発明は、アフィニティークロマトグラフィー樹脂由来の残渣と抗体との間で形成される夾雑複合体から抗体を精製するキットも包含する。
免疫系は、細菌、寄生虫、真菌、ウイルスの感染及び腫瘍細胞の増殖から身体を共同で保護する多数の相互依存的な細胞型からなる。免疫系の護衛は、宿主の血流を絶えず巡回するマクロファージである。感染又は免疫化に脅かされると、マクロファージは抗原として知られる異分子で標識された侵入者を飲み込むことによって応答する。ヘルパーT細胞で媒介されるこの事象は、一連の複雑な応答を起こしてB細胞を刺激する。すると、これらのB細胞は抗体と呼ばれるタンパク質を産生し、抗体が外来侵入者に結合する。抗体と抗原との結合事象で外来侵入者が標識され、食作用又は補体系の活性化によって破壊される。IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMのように幾つかの異なるクラスの抗体又は免疫グロブリンが存在する。これらは生理学的役割だけでなく構造においても異なる。構造の面では、IgG抗体が、成体の免疫応答において主要な役割を果たすことから、免疫グロブリンの中では最も広範に研究されてきたクラスである。
免疫グロブリンのもつ生物活性は、現在では、ヒト及び動物の診断、健康管理及び治療分野の様々な用途に利用されている。実際この数年において、モノクローナル抗体及び組換え抗体構築物は、現在治療薬及び診断薬として臨床試験で検査され米国医薬品食品局(FDA)の認可を受けたタンパク質として最大のクラスとなっている。発現系及び産生計画を補足するものとして、高純度抗体を簡単かつ経済的に得るための精製プロトコルが設計されている。
免疫グロブリンの従来の単離法は、他のタンパク質群を溶解したまま、免疫グロブリンを含むタンパク質画分を選択的に可逆沈殿させることに基づく。典型的な沈殿剤は、エタノール、ポリエチレングリコール、硫酸アンモニウムやリン酸カリウムのようなリオトロピック塩、及びカプリル酸である。通例、これらの沈殿法は極めて不純な生成物を生じるだけでなく、多大な時間と労力を要する。さらに、原料に沈殿剤を添加すると、上清を他の目的に使用するのが難しくなるだけでなく、廃棄処理の問題を生じる。廃棄処理の問題は、免疫グロブリンの大規模精製では特に重要となる。
免疫グロブリンの単離のための別法はクロマトグラフィーであって、これには密接に関連した一群の分離法が包含される。他の大半の理化学的分離法と区別されるクロマトグラフィーの特徴は、2つの互いに非混和性の相を接触させ、一方の相を固定相とし、他方を移動相とすることである。移動相に導入された試料混合物は、移動相によって系内を運搬される際に固定相と移動相の間で何度も一連の相互作用を受ける。相互作用には、試料中の成分の理化学的性質の差が利用される。こうした差が、固定相を収容したカラム内を移動する移動相の影響下での各成分の移動速度を支配する。分離された成分は、固定相との相互作用の低いものから高いものの順に流出する。遅延の最も少ない成分が最初に溶出し、最も強く保持された物質が最後に溶出する。分離は、試料成分がカラムから溶出する際に、ある成分の流出速度が隣接する溶質のゾーンと重ならないように十分に遅くなった場合に達成される。個々の分離目的に最適な固定相を設計するための努力が絶えずなされている。かかる固定相は、一般に、官能基(つまり結合基)を有するリガンドが結合した担体又はベースマトリックスからなる。各々の種類のクロマトグラフィーは、一般に、利用する相互作用の原理に基づいて記述される。
例えば、免疫グロブリンの単離には、イオン交換クロマトグラフィーが多用される。陰イオン交換クロマトグラフィーでは、免疫グロブリンの負に荷電したアミノ酸側鎖がクロマトグラフィーマトリックスの正に荷電したリガンドと相互作用する。他方、陽イオン交換クロマトグラフィーでは、免疫グロブリンの正に荷電したアミノ酸側鎖がクロマトグラフィーマトリックスの負に荷電したリガンドと相互作用する。
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)も、免疫グロブリンの単離に関して広く記載されている方法である。しかし、疎水性マトリックスは、免疫グロブリンを効率よく結合させるため、原料へのリオトロピック塩の添加を必要とする。連続的又は段階的勾配でリオトロピック塩の濃度を低下させることによって、結合タンパク質はマトリックスから遊離する。高純度製品が目的とされる場合、疎水的クロマトグラフィーを追加の段階と組合せることが推奨される。この方法の短所は、原料にリオトロピック塩を添加する必要があることである。これは、大規模ユーザーでは問題となり、コスト増加をを招く。細胞培養上清以外の原料(例えば、ホエー、血漿及び卵黄)に関しては、原料へのリオトロピック塩の添加は、多くの場合大規模用途での使用が妨げられる。塩を用いると、免疫グロブリン除去後の原料を経済的に使用できなくなるおそれがあるからである。大規模用途での追加の問題は、数千リットルの廃液の処理である。
プロテインA及びプロテインGアフィニティークロマトグラフィーは、使用が容易で得られる純度も高いので、免疫グロブリンの単離及び精製(特にモノクローナル抗体の単離)のための広く普及した方法である。イオン交換段階、疎水性相互作用段階、ヒドロキシアパタイト段階及び/又はゲル濾過段階との併用は、特にプロテインA系の方法は多くの生物製剤製造会社が選択する抗体捕獲方法となっている。例えば、国際公開第84/00773号及び米国特許第5151350号を参照されたい。しかし、このように一般に利用され、多数の利点を有しているにもかかわらず、プロテインA系クロマトグラフィー樹脂はリガンドのペプチド結合のため、ある程度のアルカリ感受性を示すことが周知である。さらに、細胞培養培地からの抗体精製にプロテインA系樹脂を使用する場合、培地中のプロテアーゼの存在によってプロテインAリガンド又はそのペプチド断片が漏れることがある。漏れたプロテインAの大半は、依然として抗体と複合体を形成する傾向があり、アフィニティーカラムからの溶出物に含まれる抗体がプロテインA−抗体複合体及びプロテインAで汚染されることがある。
アフィニティークロマトグラフィーマトリックスからのリガンドの漏れを低減する試みが国際公開第03/041859号(Boehringer Ingelheim Pharma KG)に開示されており、例えばプロテインAマトリックスを1種以上の界面活性剤で前処理してリガンドの漏れを低減することが提案されている。アフィニティーマトリックスは例えば5〜15ベッド体積の界面活性剤で処理される。このプロセスの有効性には、接触時間が決定的重要性をもつ。例えば、室温では、漏れの低減には16時間以上の接触時間が必要とされる。高温では、接触時間は短くできる。
リガンドの漏れの問題に対する別の対策が、米国特許第4983722号(Miles Inc.)に開示されており、抗体−プロテインA混合物を陰イオン交換材料に付して両成分を吸着させた後、イオン強度が増加する条件下で抗体とプロテインAを逐次溶出することによって、上記混合物からプロテインAを選択的に単離する。陰イオン交換体の具体例は、ジエチルアミノエチル(DEAE)Trisacryl M又はDEAE Sepharose(商標)である。
米国特許第5429746号(SmithKline Beecham Corp.)は、抗体精製の一段階として疎水性相互作用クロマトグラフィーを応用することに関する。例えばプロテインAを用いたアフィニティークロマトグラフィーと任意段階としての陽イオン交換クロマトグラフィー中間段階で、HICを使用できることが開示されている。陽イオン交換クロマトグラフィーの例としては弱陽イオン交換体(CM Sepharose(商標)FF)が挙げられるが、これは吸着の際はpH5.5に調整され、40mMクエン酸塩、100mM塩化ナトリウムの溶出緩衝液(pH6)で溶出される。アフィニティークロマトグラフィー及び/又は陽イオン交換クロマトグラフィー後に、HICカラムにかけられる混合物は、免疫グロブリン凝集体、ミスフォールドしたもの、宿主細胞タンパク質、及びアフィニティークロマトグラフィー段階からの残留物のような夾雑物を含むことがある。かかる方法では、抗体はまずプロテインAクロマトグラフィー担体に吸着させて溶出し、次いで陽イオン交換クロマトグラフィー担体に吸着させて選択的に溶出し、最後にHIC担体に吸着させて溶出する。
セラミックヒドロキシアパタイトも、免疫グロブリンの高度精製に有用であると示唆されている。具体的には、CHTセラミックヒドロキシアパタイト(Bio−Rad)で、未分画培地中のIgG1−プロテインA複合体からIgG1を分離できると報告されている(Chromatography,tech note 2849;S.G.Franklin,Bio−Rad Laboratories,Inc.,2000 Alfred Nobel Drive,Hercules,CA 94547 USA)。具体的には、ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))はリン酸カルシウムの一種であり、独特の分離特性を示すことが知られている。 しかし、ヒドロキシアパタイト系マトリックスにはある短所があることも判明している。例えば、酸性pH値ではCa漏れのため不安定であり、EDTAのようなキレート剤にも感受性がある。さらに、例えば、大型カラムではヒドロキシアパタイトを充填して性能を維持するのが難しいので、ヒドロキシアパタイト系マトリックスを用いての再現性のあるロバストな精製法を開発し、スケールアップするのは困難であることが判明している。最後に、金属イオン汚染及びカルシウムイオンの交換のため樹脂特性に変動を生じるおそれもあるが、こうした変動は規制当局の大きな懸念となっている。
安定性の問題及びタンパク質系アフィニティーカラムからの漏れを回避するため、選択性の異なる純化学的樹脂が提案されている。例えば、2以上の異なるが共働的な部位で目標と相互作用するマルチモーダルクロマトグラフィーが抗体精製に提案されている。具体的には、メルカプトベンゾイミダゾールスルホン酸リガンドを含む吸着剤であるMBI Hypercel(登録商標)(BioSepra社)は、モノクローナル及びポリクローナル抗体と疎水性及びイオン相互作用を示すと記載されている。疎水性相互作用は芳香族環系に由来するものと推測され、イオン相互作用は強陽イオン交換体として知られるSO 置換基に由来すると思われる。加えて、MBIリガンドの芳香族環系の窒素原子は一定の条件下で荷電可能であり、負に荷電した基との相互作用し得る。MBI Hypercel(登録商標)は、治療用及び診断用抗体の捕獲及び精製のためのプロテインA系樹脂の代替物として開示されている。
米国特許第6498236号(Upfront Chromatography社)には、ハイブリドーマ細胞培養上清、動物血漿又は血清のような溶液から免疫グロブリンの単離又は精製法が開示されている。この方法は、リガンドと免疫グロブリンとの分子量の差が小さいこと及びそれらが本来的に結合しようとする傾向に起因する短所をもつと記載されたプロテインA、プロテインG、合成ペプチドその他の比較的高分子量リガンドを用いる方法の代替法として提案されている。米国特許第6498236号によれば、リガンドにどのような置換基(例えば、ベンゼン環)が存在するかによって免疫グロブリンがリガンドに結合するか否か左右される。具体的には、開示された方法で用いられる固相マトリックスは、式M−SP1−X−A−SP2−ACIDで表され、式中、Mはマトリックス骨格を表し、SP1はスペーサーを表し、XはO、S又はNHを表し、Aは適宜置換された単環式又は二環式芳香族又は複素芳香族部分を表し、SP2は任意要素としてのスペーサーを表し、ACIDは酸性基を表す。かかるリガンドは、好ましくは、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール及びベンゾオキサゾールからなる群から選択される化合物から誘導される。
国際公開第97/10887号(Novo Nordisk A/S)は、免疫グロブリン、インスリン、第VII因子又はヒト成長ホルモン或いはこれらの類似体、誘導体及びフラグメントのようなタンパク質系材料の精製に有用なアフィニティーリガンド−マトリックスのコンジュゲートに関する。国際公開第97/10887号の発明は、疎水性成分の複雑さ及び立体構造を増すことによって疎水性リガンドの選択率を高めることができるという発想に基づく。この発想から、包括的な一群のアフィニティーリガンドが開発されたが、かかる群は1以上の環形成原子が窒素である複素芳香族部分を有する構造に限られている。国際公開第97/10887号に開示されたリガンドは、コンピューターモデリング法及び/又はミメティックリガンドライブラリーのスクリーニングによって設計されたものであり、プロテインA又はプロテインG(いずれも発酵液からの免疫グロブリンの捕獲のための周知のリガンドである。)の代替用に提案されている。
さらに、マルチモーダル陽イオン交換媒体の合成法が国際公開第03/024588号(Amersham Biosciences社)に開示されている。具体的には、2種の官能基を含む足場(好ましくは、ホモシステインチオラクトン)を誘導体化し、固体ベースマトリックスと反応させる。具体的には、2種の官能基の一方(好ましくは硫黄)はマトリックスとの結合に用いられ、第二の官能基はイオン基に変換できるものである。こうして製造されたマルチモーダル媒体は、誘導体化の性質に応じて、イオン相互作用及びさらに別の種類の相互作用(例えば、疎水性相互作用)を示すことができる。実験の部では、製造された陽イオン交換体が、3種のモデルタンパク質(即ち、シトクロムC(Cyt C)、ウシ血清アルブミン(BSA)及び免疫グロブリンG(IgG))を用いて試験されている。
国際公開第84/00773号パンフレット 米国特許第5151350号明細書 国際公開第03/041859号パンフレット 米国特許第4983722号明細書 米国特許第5429746号明細書 米国特許第6498236号明細書 国際公開第97/10887号パンフレット 国際公開第03/024588号パンフレット
一態様では、本発明は抗体精製のためのロバストな方法を提供する。本発明の特定の態様では、アフィニティークロマトグラフィーカラム、例えばプロテインAカラムからの溶出物から漏れを除去する方法を提供する。これは特許請求の範囲に規定した通り達成できる。
従って、特定の態様では、本発明は、プロテインA系アフィニティークロマトグラフィーの補完として有用な高純度モノクローナル又はポリクローナル抗体の精製法を提供する。
別の態様では、かかる方法であって、本発明は現在使用されている高度精製法とは選択性の異なる方法を提供する。
本発明のその他の態様及び利点は、以下の詳細な開示から明らかとなろう。
定義
「抗体」という用語と「免疫グロブリン」という用語は本明細書では同義に用いられる。
「溶出剤」という用語は、当技術分野での通常の意味、つまり分離マトリックスから1種以上の化合物を遊離させるのに適したpH及び/又はイオン強度の緩衝液として使用される。
「アフィニティクロマトグラフィー」という用語は、鍵−鍵穴認識原理による目標生体分子と生体特異的リガンドとの特異的相互作用に基づくクロマトグラフィーを意味する。そこで、目標及びリガンドは抗原/抗体、酵素/受容体などのアフィニティ対をなす。
本明細書で「クロマトグラフィー樹脂」という用語は、リガンドとして知られる官能基が結合した担体を意味するものとして用いる。
「マルチモーダルクロマトグラフィーリガンド」という用語は、結合すべき物質と相互作用する2種以上の互いに異なるが共働的な部位を与えることができるリガンドをいう。これらの部位の一方は、リガンドと目標物質とが互いに引きつけ合う電荷−電荷相互作用を与える。他方は、通例、電子受容体−供与体相互作用並びに/或いは疎水性及び/又は親水性相互作用を与える。電子供与体−受容体相互作用には、水素結合、π−π、陽イオン−π、電荷移動、双極子−双極子、誘起双極子などの相互作用がある。マルチモーダルクロマトグラフィーリガンドは、「混成モード」クロマトグラフィーリガンドとしても知られる。
「電子供与体−受容体相互作用」という用語は、自由電子対を有する電気陰性原子が供与体として作用し、供与体の電子対に対する受容体として作用する電子不足原子と結合することを意味する。(例えば、Karger et al.著「An Introduction to into Separation Science」(John Wiley & Sons社(1973年)の42頁を参照されたい。)
本明細書で「陽イオン交換基」という用語は、負に荷電又は荷電し得る基を意味する。
液体クロマトグラフィーに関して「捕獲」という用語は、分離操作の初期段階をいう。最も一般的には、捕獲段階には、可溶性夾雑物からの清澄化、濃縮、安定化及びかなりの精製が含まれる。捕獲段階の後に、DNA、ウイルス及びエンドトキシンを始めとする有意不純物の大半を除去する中間精製を行ってもよい。
液体クロマトグラフィーに関して「高度精製段階」という用語は、微量の夾雑物を除去して安全な活性生成物を残す最終精製段階をいう。高度精製段階で除去される夾雑物は、目標分子の配座異性体又は漏出生成物と思われるものであることが多い。
「Fc結合タンパク質」という用語は、抗体の結晶性部分(Fc)に結合し得るタンパク質を意味し、例えば、プロテインA及びプロテインG、或いは上記の結合性を保持したこれらのフラグメント又は融合タンパク質が包含される。
本発明は、一態様では、溶液中の1種以上の夾雑物から抗体を分離する方法であって、1以上の陽イオン交換基と1以上の芳香族又は複素芳香族環系とを含むマルチモーダルリガンドが固定化された担体からなるクロマトグラフィー樹脂に上記溶液を接触させて樹脂に抗体及び/又は夾雑物を吸着させること含んでなる方法に関する。
好適な実施形態では、夾雑物をマルチモーダルリガンドに吸着させ、抗体の実質的に純粋な画分をフロースルーとして(つまり吸着させずに)回収するか、或いは結合モードで後段の選択溶出によって回収する。これに関して「実質的に純粋」という用語は、夾雑物が実質的にすべて除去されたことを意味する。最も好適には、マルチモーダルクロマトグラフィー樹脂で夾雑物の約80%以上、例えば約95%以上(つまり95〜100%)、約98%以上(つまり98〜100%)、好ましくは約99%以上(つまり99〜100%)が除去される。ただし、当業者には自明であろうが、純度は、クロマトグラフィー樹脂にかける溶液中の抗体の濃度及び他の使用条件に依存する。
本発明の方法の特定の実施形態では、マルチモーダルクロマトグラフィー樹脂にかける溶液は、アフィニティークロマトグラフィー樹脂からの抗体含有溶出液である。好適な実施形態では、アフィニティークロマトグラフィー樹脂のリガンドは、プロテインA(例えば天然又は組換えプロテインA)のようなFc結合タンパク質を含む。かかるアフィニティー樹脂は、Amersham Biosciences製のMabSelect(商標)のように市販されている。そこで、この実施形態では、除去すべき夾雑物として、遊離プロテインA、プロテインAと抗体との間で形成された複合体、例えばプロテインA−MAb複合体(2〜4分子の抗体と1分子のプロテインA分子が複合体を形成したもののように、プロテインA1分子あたり複数の抗体を含むことがある。)、及び遊離プロテインA又は抗体の凝集体が含まれることがある。
好適な実施形態では、本発明の方法は、慣用の液体クロマトグラフィー法、つまり溶液をクロマトグラフィーカラムに流すことによって実施される。吸着された物質を回収するため、緩衝液をカラムに流して溶出を行う。必要に応じて、溶出前又は溶出と溶出の中間に1以上の洗浄段階を行ってもよい。当業者には自明であろうが、アフィニティークロマトグラフィーのようなその前の段階で用いられた条件によっては、溶出液を適当な添加剤又は調整によってコンディショニングする必要がある。なお、実用上は好ましくないかも知れないが、プロテインAカラムからの溶出液を精製する場合、本発明の方法は必ずしもアフィニティークロマトグラフィーの直後に行う必要はないし、同一施設で行う必要もない。
本発明の方法の一実施形態では、所望の抗体を含む溶液をフロースルーモードでマルチモーダルクロマトグラフィーカラムにかける。この場合、抗体の大半は素通りするが、夾雑物は吸着される。フロースルーを得るための条件は、えば精製すべき抗体の電荷及び電荷分布に依存するが、pHの調節などによって、当業者が容易に適応できる。従って、この実施形態は、上述の通りリガンドが免疫グロブリンと効率的に結合するように選択された米国特許第6498236号とは基本的に異なる。さらに、米国特許第6498236号に開示された方法は、プロテインAクロマトグラフィーを補うためのもの、つまり本発明の好適な実施形態であるプロテインAカラムからの漏れを除去するために提案されたものでもない。本発明と米国特許第6498236号との別の相違点はリガンドの性状であり、これについては以下の説明からあきらかとなろう。
別の実施形態では、所望の抗体を含む溶液を結合条件下でマルチモーダルクロマトグラフィーカラムにかけるが、この場合マルチモーダルクロマトグラフィー樹脂に抗体と夾雑物が吸着される。この場合も、所望の結合を得るための条件は、例えばpH及び/又は塩濃度つまり溶液の導電率の調節などによって当業者が容易に適応できる。
本発明の方法で用いるマルチモーダルクロマトグラフィー樹脂は、当業者が容易に製造できる。簡単に説明すると、樹脂は、マルチモーダルリガンドが有機又は無機担体(ベースマトリックスともいう)に直接又はスペーサーを介して結合したものからなる。担体は、粒子(例えば略球形の粒子など)、モノリス、フィルター、膜、表面、キャピラリーなどの形態を有し得る。一実施形態では、担体は、アガロース、寒天、セルロース、デキストラン、キトサン、コンニャク、カラゲナン、ジェラン、アルギン酸塩などの架橋炭水化物材料のような天然ポリマーから製造される。高い吸着容量を得るため、担体は好ましくは多孔性であり、リガンドは外表面及び細孔表面の両方に結合する。かかる天然高分子担体は、逆懸濁ゲル化((S Hjerten: Biochim Biophys Acta 79(2),393−398(1964))のような常法で容易に製造される。別法として、担体は、合成ポリマー、例えばスチレン又はスチレン誘導体、ジビニルベンゼン、アクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエステル、ビニルアミドなどの架橋合成ポリマーから製造される。かかる合成ポリマーは常法で容易に製造することができる。例えば、“Styrene based polymer supports developed by suspension polymerization” (R Arshady: Chimica e L’Industria 70(9),70−75(1988))参照。多孔性天然又は合成ポリマー担体は、Amersham Biosciences社(スウェーデン、ウプサラ)のような市販品供給元からも入手できる。
マルチモーダルリガンドでの抗体精製に有用な担体の具体例は、流動床吸着用の担体、つまり高密度フィラー(好ましくはステンレス鋼フィラー)を含むポリマー担体である。かかる流動層吸着樹脂は、捕獲段階におけるモノクローナル抗体のような抗体の捕獲にも有用である。
上述の通り、本発明の方法で用いるクロマトグラフィー樹脂のマルチモーダルリガンドは1以上の陽イオン交換基と1以上の芳香族又は複素芳香族環系とを含む。芳香族環系は目標分子と疎水性相互作用できるもので、1又は2つの環構造からなり、1個以上の原子で隔てられていても、或いは例えばナフチル基として存在していてもよい。さらに、環系は、例えばメトキシ基のようなアルキルオキシ基で適宜置換されていてもよい。
一実施形態では、芳香族又は複素芳香族環系は、環構造の構成原子として窒素原子を全く含んでおらず、炭素原子、硫黄原子及び酸素原子に限定される。そこで、好適な実施形態では、芳香族又は複素芳香族基の環形成原子は、C、S及びOからなる群から選択される。
一実施形態では、本発明の方法で用いられる樹脂は以下の通り表される。
Su−スペーサー−X−陽イオン交換基−スペーサー−芳香族又は複素芳香族環
式中、Suは担体であり、スペーサーは任意要素であり、XはO、S又はNのようなカップリング原子である。好適なスペーサー及びかかるスペーサーをもたらすカップリング化学は当技術分野で周知である。従って、この実施形態は、陽イオン交換基として作用する酸性基が芳香族基の置換基である上述の米国特許第6498236号とは実質的に異なる。例えば、本実施形態で用いる樹脂は、その構造上芳香族官能基と陽イオン官能基との間隔が広いので、目標化合物と空間的に一段と広い異なる種類の結合を与えると予測される。理論に束縛されるものではないが、このマトリックスは、抗体の吸着に対して至適化されたと記載されている米国特許第6498236号よりも、比較的大きな含抗体複合体の一段と好ましい吸着をもたらすと仮定し得る。
陽イオン交換基は、好ましくは弱陽イオン交換基、つまり一定のpH値でプロトン化できる基である。弱陽イオン交換体とは対照的に、強陽イオン交換基はあらゆるpH値で電荷を維持する基からなる。そこで、一実施形態では、マルチモーダルリガンドはカルボキシル基(例えば1又は2つのカルボキシル基)を含む。
ただし、当業者には自明であろうが、上述のマルチモーダルリガンドはさらに追加の相互作用(例えば水素結合など)を与え得る。上述の基に加えて、本発明の方法で用いるマルチモーダルクロマトグラフィーリガンドは1以上のスルホニル基、アミン又はカルボニル基を含んでいてもよいが、これらは夾雑物及び抗体との相互作用に寄与することもあれば寄与しないこともある。
本発明の方法で用いるマルチモーダルクロマトグラフィー樹脂を製造するため上述の担体とカップリングさせるリガンドは、例えば、上述の国際公開第03/024588号(Amersham Biosciences社)に記載の通り合成することができ、弱陽イオン官能基を含むマルチモーダルリガンドがホモシステインチオラクトンを出発原料として合成される。マルチモーダルリガンドの合成に関するさらに詳しい説明については、例えば国際公開第02/059059号(Amersham Biosciences社)を参照されたい。リガンドは、スペーサーとして知られる適当な離隔要素を介して担体にカップリングしてもよい。この目的に有用なカップリング法の総説としては、例えば、Immobilized Affinity Ligand Techniques,Hermanson et al,Greg T.Hermanson,A.Krishna Mallia and Paul K.Smith,Academic Press,INC,1992を参照されたい。当技術分野で周知の通り、リガンド密度又は置換度、担体の細孔径などのパラメーターを変更することによって、所望の性質をもつクロマトグラフィー樹脂を得ることができる。
本方法は、マウス、齧歯類、霊長類及びヒトのような哺乳類宿主由来の抗体、又はハイブリドーマのような培養細胞由来の抗体のようなモノクローナル又はポリクローナル抗体の回収に有用である。一実施形態では、回収される抗体はヒト抗体又はヒト化抗体である。かかる抗体はどのクラスのものでもよく、IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMからなる群から選択できる。一実施形態では、精製すべき抗体は、プロテインA又はFc含有抗体フラグメントもしくは融合タンパク質に結合できる抗体である。特定の実施形態では、回収される抗体は免疫グロブリンG(IgG)である。これに関して、「抗体」という用語には、抗体フラグメント並びに抗体又は抗体フラグメントを含む融合タンパク質も包含される。そこで、本発明は、上述の抗体のいずれかのフラグメント並びにかかる抗体を含む融合タンパク質の精製も包含する。本発明に従って単離される抗体は、特定の個人の治療のために設計された薬剤を提供するため、パーソナライズドメディスンのような医薬品として有用である。本発明に従って単離される抗体は、研究及び診断分野でも有用である。
一実施形態では、本発明の方法は、上述のプロテインAクロマトグラフィー樹脂での第一の捕獲段階と、続くマルチモーダルクロマトグラフィー樹脂での高度精製段階とを含む。プロテインA段階にかける溶液は細胞培養液又は発酵ブロスでよく、適宜、濾過、pH及び/又は導電率のような調整によるコンディショニングのような前処理に付しておいてもよい。こうして、捕獲段階では、細胞残渣、タンパク質、DNA、エンドトキシンなどの宿主細胞残留物が除去され、高度精製段階では主に捕獲段階からの残留物としての夾雑物、例えば上述のプロテインA−抗体凝集体が除去される。従って、本発明は、例えばプロテインA系クロマトグラフィーの後に2つの追加段階を開示した上述の米国特許第5429746号(SmithKline Beecham Corp.)よりも簡単な手順を提供する。さらに、プロテインA系クロマトグラフィーの代替案として示唆された小さな有機リガンドと比較すると、本発明は、選択性及び容量に関するプロテインAの利点を実質的に保持しつつ、高純度の抗体生成物を得ることができる。
ただし、本明細書に記載したマルチモーダルクロマトグラフィー樹脂を用いる抗体の精製は単一段階としてもうまく使用でき、この場合上記で例示した夾雑物をすべて除去し得る。かかる単一段階法に用いられるマルチモーダルリガンドは、上述のマルチモーダルMBI(商標)HyperCelリガンドとは、本発明のリガンドの芳香族環系の構成原子が炭素原子に限定或いは炭素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選択されるという点、つまり環に窒素原子が全く存在しない点で異なる。かかる窒素は荷電し得るので、特定の条件下ではMBI(商標)HyperCelリガンドの特性は本発明のリガンドの特性とは実質的に異なる。さらに、MBI(商標)HyperCelのあらゆるpH値で荷電した強SO とは対照的に、本発明のマルチモーダルリガンドは弱陽イオン交換基しか含まない。
第二の態様では、本発明は、1以上の陽イオン交換基と1以上の芳香族又は複素芳香族環系とを含むマルチモーダルクロマトグラフィー樹脂と、2種以上の緩衝液と、どのように抗体を精製するかについて説明した使用説明書と別々の区画に備えるキットである。好適な実施形態では、使用説明書には、プロテインAと抗体との間で形成された複合体から抗体を分離するためのキットの使用法の詳細が記載される。一実施形態では、芳香族又は複素芳香族基の環形成原子はC、S又はOから選択される。本発明のキットは、上述の抗体精製法のいずれかに使用し得る。好適な実施形態では、樹脂は、例えばポリプロピレンのような生体適合性プラスチックや、ガラスのような慣用材料からなるカラム内に存在する。カラムはラボスケールに適した大きさのものでも、抗体の大規模精製に適した大きさのものでもよい。特定の実施形態では、カラムは、ルアーアダプタ、チューブコネクタ及びドームナットを備える。一実施形態では、カラムは無菌である。特定の実施形態では、カラムは使い捨てである。
最後に、本発明の別の態様は、抗体の精製システム、好ましくは細胞培養由来の液体中の細胞成分及び/又は夾雑物からの抗体の精製システムである。そこで、一実施形態では、本発明は、プロテインA又はプロテインGを含むリガンドを有する樹脂が充填された第一のクロマトグラフィーカラムと、1以上の陽イオン交換基と1以上の芳香族又は複素芳香族環系とを含むマルチモーダルクロマトグラフィー樹脂が充填された第二のクロマトグラフィーカラムと、サンプル及び溶出緩衝液を第一のカラムに添加する手段と、第一のカラムから生じる溶出液を第二のカラムに添加する手段と、ポンプ手段と、弁とを備える、液体からの抗体精製システムである。第一及び第二のクロマトグラフィーカラム用の樹脂は上述の通りでよい。好適な実施形態では、本発明のシステムは自動化される。かかる自動化システムはプロセス制御のための慣用ツールで制御し得る。
図面の詳細な説明
以下のクロマトグラム(図1〜6、7及び9)では、色表示は以下の通りである。
青又は赤線(XX):A280nm、緑線(YY):蛍光、茶線(ZZ):導電率(mS/cm)、灰線(OO):pH。
図1は以下の実施例2(a)に記載の対照実験1の結果を示す。2ml MAb−プロテインA混合物の注入はバイパスを介して行い、0.5ml画分を回収した。図1からA280曲線と蛍光発光の相対的大きさがよく一致していることは明らかである。
図2は以下の実施例2(a)に記載の対照実験2の結果を示す。2mlの蛍光標識プロテインAを含む溶液を対照樹脂SP Sepharose(商標)Fast Flow(FF)(Amersham Biosciences)を含むカラムに注入した。勾配溶出を用い、1mlの画分を回収した。ここでも、A280曲線と蛍光発光とはよく一致していた。
図3は以下の実施例2(a)に記載の対照実験3の結果を示す。プロテインA溶液を以下の実施例2の「材料」及び「方法」に記載のマルチモーダル媒体プロトタイプU790P73に注入した。勾配溶出を用い、1mlの画分を回収した。ここでも、A280曲線と蛍光発光とはよく一致していた。
図4は以下の実施例2(b)に記載の結合モードでのMAbとMAb−プロテインA凝集体との分離を示す。ここでも、マルチモーダル媒体プロトタイプU790P73を用いた。溶出には20カラム体積(CV)の0〜100%Bの勾配を用いた。緩衝液A(平衡)はpH5.0で使用し、緩衝液Bは以下の実施例2の「材料」及び「方法」に記載の通りであった。
図5は以下の実施例2(b)に記載のさらに至適化した条件を用いたMAbとMAb−プロテインA凝集体との分離を示す。マルチモーダル媒体プロトタイプU790P73を用いた。0CVの0〜77%B、30CVで77%B及び77〜100%B CVの最適化勾配を用いた。緩衝液A(平衡化用)はpH4.5で使用し、緩衝液Bは以下の実施例2の「材料」及び「方法」に記載の通りであった。
図6は以下の実施例2に記載のSuperdex(商標)200でのゲル濾過によるピーク分析の結果を示す。分析したピークは図5に示す。具体的には、図6Aは、画分A9(メインUVピークの頂点)のゲル濾過で得られた結果を示し、図6Bは画分C7(蛍光ピークの頂点)のゲル濾過で得られた結果を示す。図6Aでは、MAb−プロテインA凝集体は検出できなかった。図6Bでは、MAb−プロテインA凝集体が、クロマトグラムにおけるMAbピークの前の2つのピークで検出可能であった。これは、本発明のマルチモーダルクロマトグラフィー法を用いてMAb−プロテインA凝集体をMAbから分離できることをよく表している。
図7は以下の実施例2(c)に記載のフロースルーモードでの純粋MAbとMAb−プロテインA凝集体との分離を示す。プロトタイプマルチモーダルリガンドU790P73を用いた。サンプル体積は6.5ml(4.4mg MAb/ml)とした。サンプルにはMAbを含め、非標識(青線)又は蛍光標識(赤線)プロテインAを添加した。97%B=0.13M NaCl(平衡)を用いた。緩衝液A及び緩衝液Bは、以下の「材料」及び「方法」に記載の通りであった。
図8は実施例2に記載のSuperdex(商標)200でのゲル濾過によるピーク分析の結果を示す。分析したピークは図7に示す。サンプル体積は100μl、流速は0.5ml/分とし、緩衝液は以下の「材料」及び「方法」に記載の通りであった。具体的には、図8Aは、非標識プロテインAを用いたランで得た画分A7、フロースルーピークの頂点を示し、図8Bは非標識プロテインAを用いたランで得た画分B3、溶出ピークの頂点を示し、図8Cは蛍光標識プロテインAを用いたランで得た画分B3を示す。赤色の曲線はUVを示し、緑色のプロットは蛍光を示す。
図9は以下の実施例2(c)に記載のフロースルーモードでの純粋MAbとMAb−プロテインA凝集体との分離を示す。プロトタイプU790P73を用いた。サンプルは、上記の図7で用いたものよりも相当多かった。すなわち、50mlのMAb4.2mg/ml(総計210mg MAb、蛍光標識プロテインAを添加)。実験条件:97%B=0.13M NaCl(平衡化用)。緩衝液A及び緩衝液Bは以下の「材料」及び「方法」に記載の通りであった。青線:UV(280nm)、茶線:導電率、緑プロット:蛍光。
図10は実施例2に記載のSuperdex(商標)200でのゲル濾過で得られた図9のピークの分析結果を示す。
フロースルー画分:A2、A5、A8、A11、A15、B3、B6、B9及びB11。
溶出画分:C2。サンプル体積は100μLとし、流速は0.5ml/分とした。緩衝液は以下の「材料」及び「方法」に記載の通りであった。図10Aは、図9から所定の画分のゲル濾過で得られたクロマトグラムのオーバーレイを示し、図10Bは図10Aの拡大表示である。溶出ピークではMAb−プロテインA凝集体が検出可能であったが、フロースルー画分では検出可能ではなかった。この結果は、実質的にすべてのMAb−プロテインA凝集体がカラムに吸着し、導電率の増加によって再度溶出されることを示している。
以下の実施例は本発明を例示するためのものであり、特許請求の範囲で規定される本発明の技術的範囲を限定するものではない。本明細書で引用した文献の開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
実施例1:マルチモーダルクロマトグラフィー樹脂
以下に示すマトリックスの体積は、沈降ベッド体積をいう。グラム単位で示すマトリックスの重量は吸引(ウォーターポンプ)乾燥重量をいう。ただし、これらのマトリックスは依然として水で溶媒和した材料である。磁気攪拌子を使用するとビーズが傷つきやすいので、以下に記載の攪拌は懸架式電動攪拌機で行った。ビーズ上の官能基の分析及びイオン交換基のアリル化度、エポキシ化度又は置換度の測定は慣用法によったが、これらは当業者に周知である。以下の方法は、最終的にゲルの元素分析(特に硫黄原子についての)によって補完した。
Figure 0004776615
実施例1(a)リガンドプロトタイプU1012054
本実施例では、3−アミノ−4−(プロピルスルホニル)チオフェン−2−カルボン酸をどのようにNHS−活性化アガロース担体にカップリングしたかについて説明する。
チオプロピオン酸Sepharoseの調製
アリル活性化(0.3mmolアリル/ml)Sepharose(商標)6 Fast Flow(Amersham Biosciences社)ゲル100ml、4gのAcONa及び100mlの蒸留水からなる攪拌懸濁液に、黄色が現れ続けるまで臭素を添加した。次いで、懸濁液の色が完全に消えるまでギ酸ナトリウムを添加した。反応混合物を濾過し、ゲルを500mlの蒸留水で洗浄した。活性化ゲルを直ちに反応器に移し、50%NaOH水溶液でpH11.5に調整しておいた17.5mlのチオプロピオン酸(アリル基当たり6当量)と12gのNaClの水溶液(50ml蒸留水)で処理した。反応混合物を攪拌しながら50℃で18時間放置した。反応混合物を濾過し、500mlの蒸留水で洗浄して、置換度0.29mmolCOH基/mlゲルのチオプロピオン酸Sepharoseゲルを得た。
N−ヒドロキシスクシンイミドによるゲルの活性化
得られたチオプロピオン酸Sepharose100mlを300mlの1M NaCl、500mlの0.1M HCl、500mlの50%アセトン水溶液、500mlのアセトンで逐次洗浄した。洗浄後、ゲルをアセトン中で沈降させ、上清を吸引除去し、沈降ビーズを20mlのアセトンを用いて反応器に移した。次いで、80mlアセトン中のN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)15.2gの溶液、及び別の80mlアセトン中のシクロヘキシルカルボジイミドの溶液を一緒に添加した。反応スラリーを攪拌しながら30℃で18時間放置した。濾過後、ゲルを150mlのイソプロパノールでゆっくりと(重力流)一日がかりで10回洗浄した。NHOHとの反応後のNHS活性化度は約80%と推定されたが、これは約0.23mmol NHS官能基/mlゲルの活性化に相当する。
NHS活性化チオプロピオン酸Sepharoseへのリガンドのカップリング
3−アミノ−4−(プロピルスルホニル)チオフェン−2−カルボン酸を国際公開第02/05959号(リガンド12)に記載の通り製造した。2ml蒸留水中の565mgの3−アミノ−4−(プロピルスルホニル)チオフェン−2−カルボン酸(2.27mmol)の溶液、2mlの1M NaHCO及び2mlのエタノールの可溶性混合物を調製し、50%NaOHを注意深く添加してpH8.5に調整した。
NHS活性化チオプロピオン酸Sepharose(商標)(10ml)を20mlの氷冷1mM HCl溶液で手早く洗浄した。次いで、ゲルを三角フラスコに移し、チエニルセリン溶液を添加した。反応混合物を室温で振盪テーブル(150rpm)上に18時間放置した。
反応混合物の濾過後、ゲルを蒸留水40ml、エタノール20ml、0.25Mエタノールアミン水溶液20ml、蒸留水20ml、1M NaCl水溶液20ml及び蒸留水20mlで逐次洗浄した。
実施例1(b)〜(d)
以下の実施例1(b)〜(d)では、国際公開第03/024588号に記載の通り、D,L−ホモシテインチオラクトンを足場として用いてプロトタイプリガンドU790P65、U790P71及びU790P73を製造した。簡単に説明すると、ホモシテインチオラクトンをアシルクロリド又はアンヒドリドと反応させて結合アミドを形成した後、塩基性加水分解でチオラクトンの開環を行い、得られた化合物を活性化Sepharose(商標)6FF(Amersham Biosciences社(スウェーデン、ウプサラ))とカップリングさせた。
実施例1(b):リガンドプロトタイプU790P73
ジクロロメタン(DCM、120ml)中のD,L−ホモシテインチオラクトン(11.5g、75mmol)とジイソプロピルアミン(DIPEA)(26ml、150mmol)の溶液に、30mlのDCM中の塩化ベンゾイル(8.7ml、75mmol)の溶液を0℃で滴下した。混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、反応残渣を酢酸エチル(300ml)で抽出した。有機相を10%クエン酸水溶液(w/w、200ml)、10%KCO水溶液(200ml)、水(200ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、溶媒を除去して白色固体(13.8g、83%)を得た。276mg(1.25mmol)の白色固体に5N水酸化ナトリウム溶液(5ml)を0℃で添加し、混合物を室温でさらに2時間攪拌した。アリル化Sepharose(商標)6 Fast Flow(250μmol/ml)から出発して周知の手順で得た臭素化Sepharose(商標)6 Fast Flow(10ml)(Amersham Biosciences社)を、リガンドのアルカリ溶液(上記)と混合して50℃に一晩加温した。反応後、ゲルを濾過し、水(2×150ml)、エタノール(2×150ml)、0.2M酢酸(2×150ml)及び水(2×150ml)で洗浄した。次いで、酸基の滴定でゲルのイオン容量を測定したところ、ゲル1ml当たり103μmolであった。
実施例1(c):リガンドプロトタイプU790P65
ジクロロメタン(DCM、6ml)中のD,L−ホモシテインチオラクトン(1.58g、10.3mmol)とジイソプロピルアミン(DIPEA)(3.58ml、20.6mmol)の溶液に、4mlのDCM中の3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリド(2.37g、10.3mmol)の溶液を0℃で滴下した。混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、反応残渣を酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機相を10%クエン酸水溶液(w/w、30ml)、10%KCO水溶液(30ml)、水(30ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、溶媒を除去して白色固体(2.21g、69%)を得た。0℃で、389mg(1.25mmol)の白色固体に5N水酸化ナトリウム溶液(5ml)を添加し、混合物を室温でさらに2時間攪拌した。アリル化Sepharose(商標)6 Fast Flow(250μmol/ml)から出発して周知の手順で臭素化Sepharose(商標)6 Fast Flow(10ml)(Amersham Biosciences社)を、リガンドのアルカリ溶液(上記)と混合して50℃に一晩加温した。反応後、ゲルを濾過し、水(2×150ml)、エタノール(2×150ml)、0.2M酢酸(2×150ml)及び水(2×150ml)で洗浄した。次いで、ゲルのイオン容量を測定したところ、59μmol/mlゲルであった。
実施例1(d):リガンドプロトタイプU790P71
ジクロロメタン(DCM、6ml)中のD,L−ホモシテインチオラクトン(1.58g、10.3mmol)とジイソプロピルアミン(DIPEA)(3.58ml、20.6mmol)の溶液に、4mlのDCM中のフェニルグルタル酸無水物(1.96g、10.3mmol)の溶液を0℃で滴下した。混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、反応残渣を直ちに5N水酸化ナトリウム溶液(10ml)で処理し、室温でさらに2時間攪拌した。アリル化Sepharose(商標)6 Fast Flow(250μmol/ml)から出発して周知の手順で臭素化Sepharose(商標)6 Fast Flow(10ml)(Amersham Biosciences社(スウェーデン、ウプサラ))を、上述のリガンドのアルカリ溶液1.4mlと混合して50℃に一晩加温した。反応後、ゲルを濾過し、水(2×150ml)、エタノール(2×150ml)、0.2M酢酸(2×150ml)及び水(2×150ml)で洗浄した。次いで、ゲルのイオン容量を測定したところ110μmol/mlゲルであったが、これは55μmol/mlゲルのリガンド置換度に相当する。
実施例2:抗体の分離
材料
クロマトグラフィーシステム: UNICORN v.4.0ソフトウェアを備えたAKTA(商標)Explorer 100(Amersham Biosciences)。
分光光度計: Ultrospec(商標)3000pro(Amersham Biosciences)。
蛍光分光計: JY Horiba社(米国ニュージャージー州エジソン)製SPEX Fluorolog−3。
酢酸: Merckカタログ番号1.00063(米国ペンシルバニア州)(Pro Analysi)。
コハク酸Na BDH、カタログ番号30219。
NaCl: Merckカタログ番号1.06404(米国ペンシルバニア州)。
Tris: Merckカタログ番号1.08382(米国ペンシルバニア州)。
NaOH: Merckカタログ番号1.06469(米国ペンシルバニア州)。
MES: SIGMAカタログ番号M3671。
NaCO: Merckカタログ番号1.06392.1000(米国ペンシルバニア州)。
水: MilliQ水を使用。
Cy5反応性色素: Amersham Biosciences。
SP Sepharose(商標)Fast Flow(対照): Amersham Biosciences。
Superdex(商標)200 10/300(ゲル濾過): Amersham Biosciences。
結合条件下での純粋MAbとMAb−プロテインA凝集体との分離には以下の緩衝液を用いた。
緩衝液A(平衡):100mM酢酸、20mM コハク酸NapH4.5〜5.0。
緩衝液B:100mM酢酸、20mM コハク酸Na、1.5M NaCl pH6.4。
フロースルーモードでの純粋MAbとMAb−プロテインA凝集体との分離には以下の緩衝液を用いた。
緩衝液A:50mM MES、1M NaCl pH7。
緩衝液B:50mM MES 0.1M NaCl pH7.0。
ゲル濾過には、以下の条件を用いた。
50mM リン酸緩衝液、0.150M NaCl、pH7.0。
モノクローナルヒト化IgG1抗体pI9(Genentech社製)をプロテインA媒体(MabSelect、Amersham Biosciences社製)での初期精製に付した。
天然プロテインAはNovozymes社(バッチNDP1023)から入手した。
方法
カラム充填及び試験: ゲルスラリーをHR5/5カラムに流し込み、MilliQ水で部分的に満たした。ゲルを圧縮せずにゲル表面に向かってトップアダプターを下げた。次いで、ゲルを1.2ml/分でベッドが安定するまでパックした。次いで、アダプターを下げてゲル表面に接触させた。2%アセトン25μlを注入して、充填性能(すなわち、プレート数及び非対称性)を評価した。
プロテインAの蛍光標識: 200μlのプロテインA溶液(約50mg/ml)を1000μlの0.1M NaCO,pH9.3で希釈した。
溶液をCy5反応性色素のバイアルに移した。室温で30分間インキュベートし、続いてPD10カラムで脱塩し、100mM HAc、20mM コハク酸Na,pH5.0で平衡化した。次いで、標識プロテインAを非標識プロテインAで1:5に希釈し、最終濃度約41mg/mlとした。
サンプル調製: MAb−サンプルの3つの複製を、分光光度計で280nmで測定した。吸光度の平均値を濃度決定に用いた。MAb濃度は、以下の式に従って、4.4mg/mlと決定した。
C=A/(l×ε)
式中、
C=IgGの濃度、
A=280nmでの吸光度、
l=光路長、
ε=MAbのモル吸光係数、mgml−1=1.46。
蛍光標識プロテインA溶液をMAbサンプルに1:1000(w/w)の割合で添加した。
フロースルーモードでは、NaClの添加でイオン強度を調整した(詳細は、以下参照)。
プロテインAの検出のための蛍光測定
回収した画分中の相対的プロテインA濃度の測定は、蛍光分光計(SPEX Fluorolog−3)を用いて実施した。Cy5の励起は630nmで行い、蛍光発光の検出は670nmで行った。
ゲル濾過: MAb−プロテインA凝集体について調べるために、Superdex(商標)200(Amercham Biosciences社製)を充填したプレパックカラムを用いてゲル濾過を実施した。プロトタイプランから所定の画分を分析した。サンプル体積は100μlとし、流速は0.5ml/分とした。
平衡化:2カラム体積(CV)緩衝液(初回用)。
平衡化:0.1CV緩衝液(ラン間)。
サンプル注入:100μl。イソクラティック溶出:1.2CV緩衝液。
プロテインA濃度の分析: サンプルを200μlサンプル+800μ希釈剤の割合で希釈した(プロテインAアッセイ用のサンプル希釈剤で)。混合後、試験管を水浴中で10分間煮沸した後、再度混合した。サンプルをプロテインA含量の分析に付した。
実施例2(a):結合条件下での対照実験
蛍光標識プロテインAを、上記のMAb溶液と混合した。蛍光標識が、プロテインAのクロマトグラフィーの特性に影響を及ぼさなかったことを確認するため、及びAKTA(商標)Explorer(Amersham Biosciences)における正確な遅れ値を設定するために、3種の異なる対照実験を以下のように実施した。
対照実験1: MAb−プロテインA混合物のバイパスからの注入及び0.5ml画分の回収。回収した画分における吸光度曲線と蛍光の比較。図1に示す通り、システム遅延体積の設定を補正した後、A280曲線と蛍光発光の相対的な大きさはよく一致していた。
対照実験2: プロテインA溶液2mlのSP Sepharose(商標)Fast Flowへの注入。勾配溶出及び画分回収(1ml/画分)。回収した画分の280nmでの吸光度及び蛍光測定によってプロテインAの溶出をモニターした。ここでも、A280曲線と蛍光発光とはよく一致していた(図2参照)。
対照実験3
プロテインA溶液を媒体プロトタイプU790P73(上記の実施例1(b)参照)に注入した点を除いて、対照2と同様。マルチモーダル媒体プロトタイプを用いてもA280曲線と蛍光発光とはよく一致しており(図3)、非標識プロテインAと標識プロテインAとの分離は得られなかった。
実施例2(b):
結合モードでのMAbとMAb−プロテインA凝集体との分離
MAb−プロテインA混合物2mlを種々の媒体プロトタイプに注入した。勾配溶出及び画分回収は上記の通りであった。MAbとMAb−プロテインA凝集体の溶出は280nmでの吸光度及び溶出導電率のモニターリング、及び回収画分での蛍光測定によって追跡した。各プロトタイプについて吸光度曲線と蛍光発光との間での保持体積の差を計算した。結果を表2及び図4に示す。データ点数が少なく、変動が比較的大きい場合にも、溶出導電率が高いほど、UVピークと蛍光ピークとの間(すなわち、MAbとMAb−プロテインA凝集体との間)の良好な分離が得られると結論付けられる。対照マトリックスSP Sepharose(商標)Fast Flowでは分離は得られなかった。
Figure 0004776615
プロトタイプU790P73で得られる分離を、サンプルのpHを調整してさらに至適化したが、分離には僅かな影響しかなかったので、勾配を至適化した。ある実験(結果は示さず)では、浅い勾配、つまり20CVの代わりに40CVを用いることで、dRtが6mlに増加した。段階的溶出によって、分離が格段に向上した(図5)。こうして、蛍光部分をメインピークと完全に分離できた。クロマトグラムの様々な画分を、Superdex(商標)200でのゲル濾過によって分析した(図6)。MAb−プロテインA凝集体は蛍光ピーク、つまりクロマトグラムのMAbピークの前の2つのピークで検出できたが、メインUVピークでは検出できなかった。この結果は、マルチモーダルリガンドを用いると、MAb−プロテインA凝集体とMAbが分離できることを示す。
実施例2(c)
フロースルーモードでのMAbとMAb−プロテインA凝集体との分離
非標識プロテインA及び蛍光標識プロテインAの添加を用いて、フロースルーモードでの2通りの実験を行った(条件:97%B=0.13M NaCl)。結果は、クロマトグラムはほとんど同一であった(図7)。上述の通り、Superdex(商標)200でのゲル濾過によって様々な画分を分析した(図8A〜B)。MAb−プロテインA凝集体は溶出ピークで検出できたが、フロースルーでは検出できなかった。さらに、Superdex(商標)画分での蛍光発光は、クロマトグラムの2つの小さなピークでは検出できたが、メインMAbピークでは検出できなかった(図8C)。従って、これらの結果は、MAb−プロテインA凝集体とMAbをフロースルーモードで分離できることを示す。従って、プロテインA−抗体凝集体の大半は吸着するが、約95%のMAbはカラムを素通りした。
MAbとMAb−プロテインA凝集体とのフロースルーモードでの分離に関する本発明の方法の可能性をさらに検討するため、MAb−プロテインA混合物50ml(総計210mg MAb)を1mlカラムにかけた(図9)。98.4%のタンパク質(mAU*mlに基づく)がカラムをそのまま通過し、導電率の増加によって小さなピーク(1.6%)が溶出された。これらの画分を、Superdex(商標)200でのゲル濾過及び蛍光発光の検出によって分析した。さらに、プロテインA分析用のサンプルを上述の通り調製した。
ゲル濾過の結果を図10に示す。上述の通り、溶出ピークではMAb−プロテインA凝集体が検出できたが、フロースルー画分では検出できなかった。この結果は、MAb−プロテインA凝集体の大半がカラムに吸着し、導電率の増加によって再度溶出されることを示す。
蛍光測定の結果は、蛍光発光つまりプロテインA含量がサンプル添加時のフロースルーで徐々に増加したことを示す。しかし、蛍光の90%は溶出ピークにみられた。この観察結果はプロテインA濃度の分析でも確認した(表3)。従って、40mg MAb/ml吸着剤をロードするとMAb−プロテインA凝集体の約99%が除去され、最高サンプルロード(210mg/ml)では96%であった。
Figure 0004776615
実験の項に記載した通り、遅延体積が正しいことを確認するためカラムの代わりにキャピラリーにMAb−プロテインA混合物を流した対照実験の結果を示す図。 実験の項に記載した通り、対照マトリックス(Sepharose(商標)FF、Amersham Biosciences)にプロテインA溶液を流した第二の対照実験の結果を示す図。 実験の項に記載した通り、プロテインA溶液をマルチモーダル樹脂にかけた第三の対照実験の結果を示す図。 実験の項に記載した通り、結合モードでのMAbとMAb−プロテインA凝集体との分離を示す図。 実験の項に記載した通り、最適化溶出スキームを用いて至適化した結合モードでのMAbとMAb−プロテインA凝集体との分離を示す図。 実験の項に記載した通り、図5のピークのゲル濾過による分析を示す図。 上述の「フロースルーモード」つまりMAbが吸着されずにカラムを通過する際の純粋MAbとMAb−プロテインA凝集体との分離を示す図。 実験の項に記載した通り、図7のピークのゲル濾過による分析を示す図。 実験の項に記載した通り、フロースルーモードにおいてではあるが、図7においてよりも相当に大きなサンプル量を用いる、純粋MAbとMAb−プロテインA凝集体との分離を示す図。 実験の項に記載した通り、図9のピークのゲル濾過分析の結果を示す図。

Claims (12)

  1. 溶液中の1種以上の夾雑物から抗体を分離する方法であって、当該方法が、1以上の陽イオン交換基と1以上の芳香族又は複素芳香族環系とを含むマルチモーダルリガンドが固定化された担体からなるクロマトグラフィー樹脂に上記溶液を接触させて樹脂に抗体及び/又は夾雑物を吸着させることを含んでおり、マルチモーダルクロマトグラフィー樹脂にかけられる溶液が、アフィニティークロマトグラフィー樹脂からの抗体含有溶出液である、方法。
  2. 芳香族又は複素芳香族基の環形成原子がC、S又はOから選択される、請求項1記載の方法。
  3. 陽イオン交換基が弱陽イオン交換体である、請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. マルチモーダルクロマトグラフィー樹脂にかけられる溶液がそのリガンドがプロテインAを含むアフィニティークロマトグラフィー樹脂からの抗体含有溶出液である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
  5. 夾雑物が、遊離アフィニティーリガンドと抗体との間で形成された複合体並びに/或いは遊離アフィニティーリガンド及び/又は抗体の凝集体を含む、請求項4記載の方法。
  6. 夾雑物がマルチモーダルクロマトグラフィー樹脂に吸着される、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
  7. クロマトグラフィー樹脂から抗体及び/又は夾雑物を溶出することを含む、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
  9. マルチモーダルクロマトグラフィー樹脂と、2種以上の異なる緩衝液と、プロテインAと抗体との間で形成された複合体及び/又はプロテインAもしくは抗体の凝集体から抗体を如何に分離するかについて記載された使用説明書とを備え、マルチモーダルリガンドが1以上の陽イオン交換基と1以上の芳香族又は複素芳香族環系とを含む、抗体精製用のキット。
  10. 芳香族又は複素芳香族基の環形成原子がC、S又はOから選択される、請求項9記載のキット。
  11. 液体から抗体を精製するシステムであって、プロテインA又はプロテインGを含むリガンドを有する樹脂が充填された第一のクロマトグラフィーカラムと、1以上の陽イオン交換基と1以上の芳香族又は複素芳香族環系とを含むマルチモーダルクロマトグラフィー樹脂が充填された第二のクロマトグラフィーカラムと、第一のカラムにサンプル及び溶出緩衝液を添加する手段と、第一のカラムに由来する溶出液を第二のカラムへ添加する手段と、ポンプ手段と、弁とを備えるシステム。
  12. 自動化システムである、請求項11記載のシステム。
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