JP4771632B2 - 高温超伝導体膜の形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温超伝導体膜及びその形成方法並びにその高温超伝導体膜を用いた超伝導素子に係り、特に、Y−Ba−Cu−O系の高温超伝導体膜及びその形成方法並びにその高温超伝導体膜を用いた超電導素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化物高温超伝導体は、銅などの電気良導体と比較して高周波における表面抵抗が極めて小さいことが知られている。例えば、Y−Ba−Cu−O系の高温超伝導体膜(以下、「YBCO系高温超伝導体膜」ともいう。)では、例えば2GHzにおいて、銅より2桁以上小さい表面抵抗が得られる。
【0003】
このため、YBCO系高温超伝導体膜を回路パターンとして用いて、挿入損失が小さく、かつ周波数遮断特性が急峻な高無負荷Qの超伝導フィルタを提供することが期待されている。なお、無負荷Q値とは、損失の逆数のことである。
【0004】
挿入損失が小さく、かつ周波数遮断特性が急峻な高無負荷Qの超伝導フィルタを、移動体通信の基地局の通信機器に用いれば、周波数利用効率の向上を図ることが可能となる(参考文献:応用物理、70 [1] (2001) 野島俊雄、佐藤圭)。
【0005】
従来のYBCO系高温超伝導体膜の形成方法を図6を用いて説明する。図6(a)は、従来のYBCO系高温超伝導体膜を示す断面図(その1)である。図6(b)は、従来のYBCO系高温超伝導体膜を示す断面図(その2)である。
【0006】
まず、パルスレーザ蒸着(Pulsed Laser Deposition、PLD)装置の成膜室内に、例えばMgO単結晶より成る誘電体基板110を載置する。
【0007】
次に、パルスレーザ蒸着法により、誘電体基板110上の全面に、YBCO系高温超伝導体膜112を成長する。ターゲットとしては、YBCO系高温超伝導体膜の化学量論的組成(Y:Ba:Cu=1:2:3)にできる限り近い組成のターゲット、具体的には、例えばY1Ba2Cu3Xより成る焼結体を用いる。
【0008】
このようにしてYBCO系高温超伝導体膜112を成長すると、誘電体基板110の面に対してc軸方向、即ち結晶格子の長軸方向に配向されたYBCO系高温超伝導体膜112が形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のYBCO系高温超伝導体膜112は、膜質が良好ではなかった。即ち、図6(a)に示す従来のYBCO系高温超伝導体膜112では、膜内に、結晶欠陥(結晶転位)113や結晶歪み(図示せず)等が生じてしまっていた。また、図6(b)に示す従来のYBCO系高温超伝導体膜112では、膜内に、Y23やY2Ba1Cu15等のY(イットリウム)酸化物115が生成されてしまっており、Y酸化物115の近傍に孔隙(Pore)117が発生してしまっていた。
【0010】
超伝導体フィルタの回路パターンは、高温超伝導体膜を所定の形状にパターニングすることにより形成される。このため、図6に示すような高温超伝導体膜112をパターニングして回路パターンを構成した場合には、回路パターンの側面に、結晶欠陥113や凹凸が現れたり、Y酸化物112等の非超伝導相が現れたりしてしまう。高温超伝導体膜を用いてフィルタの回路パターンを構成した場合、高周波信号は回路パターンの側面を伝わる傾向がある。このため、回路パターンの側面に、結晶欠陥113や凹凸が現れていたり、Y酸化物112等の非超伝導相が現れていたりすると、高周波における表面抵抗が大きくなってしまう。
【0011】
従って、図6(a)や図6(b)に示すような従来のYBCO系高温超伝導体膜112を用いて回路パターンを構成した場合には、挿入損失が小さく、かつ周波数遮断特性が急峻な高無負荷Qの超伝導フィルタを得ることは困難であった。
【0012】
本発明の目的は、膜質の良好なYBCO系の高温超伝導体膜及びその製造方法、並びにそのYBCO系の高温超伝導体膜を用いた良好な電気的特性を有する超伝導素子を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、MgOより成る誘電体基板上に、Y−Ba−Cu−O系の高温超伝導体膜を成長する工程を有し、前記高温超伝導体膜を成長する工程では、前記誘電体基板の温度を700℃とし、膜の上面近傍におけるBaに対するCuの組成比を、膜の内部におけるBaに対するCuの組成比より大きく保ちつつ、7nm/min以下の成膜速度で、成長時において前記膜の内部が化学量論的組成である前記高温超伝導体膜を前記誘電体基板上に直接成長することを特徴とする高温超伝導体膜の形成方法により達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
[本発明の原理]
パルスレーザ蒸着法やスパッタ法等により、誘電体基板上にYBCO系高温超伝導体膜を成長すると、YBCO系高温超伝導体膜の成長過程でY23、Y2Ba1Cu15等のY酸化物が生成されたり、CuOやBaCuO2などのCu酸化物が生成される。
【0017】
Y酸化物は、YBCO系高温超伝導体膜の膜中に残留しやすい性質を有している。また、Y酸化物の成長速度は、YBCO結晶の成長速度より遅い。このため、YBCO系高温超伝導体膜の成長中にY酸化物が成長した場合、Y酸化物が生成された部分の上方に孔隙(Pore)等が生じてしまう。従って、YBCO系高温超伝導体膜の成長中にY酸化物が成長すると、良好な膜質のYBCO系高温超伝導体膜を得ることが困難となる。
【0018】
一方、Cu酸化物は、YBCO系高温超伝導体膜の成長中に膜中に残留しにくく、膜の表面に析出されやすい性質を有している。従って、YBCO系高温超伝導体膜の成長中にCu酸化物が生成されたとしても、Cu酸化物の生成に起因して膜中に孔隙(Pore)や結晶歪が生じてしまうことはない。むしろ、Cu酸化物は、YBCO系高温超伝導体膜の結晶成長を促すフラックスとして作用する。
【0019】
本願発明者らは、鋭意検討した結果、膜の表面近傍において化学量論的組成に対してCu組成を大きく保ちつつ、YBCO系高温超伝導体膜を成長することに想到した。膜の表面近傍において化学量論的組成に対してCu組成を大きく保ちつつYBCO系高温超伝導体膜を成長すれば、Cu酸化物が生成されやすくなる一方、Y酸化物は生成されにくくなる。Cu酸化物は、上述したように、YBCO系高温超伝導体膜の結晶成長を促すフラックスとして作用するため、結晶欠陥や結晶歪のない、ほぼ単結晶状態の良質なYBCO系高温超伝導体膜の形成に寄与し得る。しかも、Cu酸化物は、上述したように、YBCO系高温超伝導体膜の表面に析出されやすい性質を有しているため、膜中の組成が化学量論的組成からずれてしまうこともない。
【0020】
従って、膜の表面近傍において化学量論的組成に対してCu組成を大きく保ちつつ、YBCO系高温超伝導体膜を成長すれば、良好な膜質を有するほぼ単結晶状態のYBCO系高温超伝導体膜を提供することが可能となる。
【0021】
なお、YBCO系高温超伝導体膜は、所定の形状にパターニングされて、例えば超伝導フィルタの回路パターン等として用いられる。高周波信号は回路パターンの側面を伝わる傾向があるため、YBCO系高温超伝導体膜の上面にCu酸化物が析出されていても、特段の問題はない。
【0022】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜及びその形成方法を図1を用いて説明する。図1は、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜を示す断面図である。図2は、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜の形成方法を示す工程断面図である。
【0023】
まず、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜を図1を用いて説明する。
【0024】
図1に示すように、例えばMgO単結晶より成る誘電体基板10上には、例えば膜厚0.9μmのYBCO系高温超伝導体膜12が形成されている。YBCO系高温超伝導体膜12の表面近傍を除く部分、即ち上面近傍を除く部分の組成は、化学量論的組成であるY1Ba2Cu3Xにほぼ等しい組成になっている。Baに対するCuの組成比は、ほぼ1.5になっている。
【0025】
なお、ここでは、YBCO系高温超伝導体膜12の膜厚を0.9μmとしたが、YBCO系高温超伝導体膜12の膜厚は、0.9μmに限定されるものではない。YBCO系高温超伝導体膜12を、例えばフィルタの回路パターンとして用いる場合には、例えば0.5〜1.2μmの範囲で適宜膜厚を設定すればよい。
【0026】
YBCO系高温超伝導体膜12の表面近傍では、YBCO系高温超伝導体の化学量論的組成(Y:Ba:Cu=1:2:3)に対してCu組成が大きくなっている。具体的には、YBCO系高温超伝導体膜12の表面近傍では、Ba組成に対するCu組成が、例えば1.51以上となっている。
【0027】
なお、後述するように、膜の表面近傍におけるBa組成に対するCu組成を例えば1.55以上に保ちつつYBCO系高温超伝導体膜12を成長すれば、Cu酸化物がより生成されやすくなる一方、Y酸化物がより生成されにくくなる。従って、YBCO系高温超伝導体膜12の表面近傍におけるBa組成に対するCu組成が、例えば1.55以上となっていれば、より良好な膜質のYBCO系高温超伝導体膜12が得られていることとなる。
【0028】
また、YBCO系高温超伝導体の化学量論的組成に対してCu組成が大きくなっている部分の厚さは、YBCO系高温超伝導体膜12の膜厚の例えば30%以下となっている。
【0029】
YBCO系高温超伝導体膜12の表面には、CuO又はBaCuO2等のCu酸化物14が析出されている。Cu酸化物14の径は、例えば2μm以下になっている。Cu酸化物14の析出量は、膜厚1μm当たり例えば3×107個/cm2以上となっている。
【0030】
こうして、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜が構成されている。
【0031】
(YBCO系高温超伝導体膜の形成方法)
次に、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜の形成方法を図2を用いて説明する。図2は、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜の形成方法を示す工程断面図である。
【0032】
まず、図2(a)に示すように、例えばパルスレーザ蒸着装置の成膜室内に、MgO単結晶より成る誘電体基板10を載置する。YBCO系高温超伝導体膜12が成長される誘電体基板10の面は、例えば(100)面とする。
【0033】
次に、図2(b)に示すように、全面に、例えばパルスレーザ蒸着法により、膜厚が例えば0.9μmになるまで、YBCO系高温超伝導体膜12を成長する。この際、YBCO系高温超伝導体膜12の表面近傍において化学量論的組成に対してCu組成を大きく保ちつつ、YBCO系高温超伝導体膜12を成長する。例えば、膜の表面近傍においてBa組成に対するCu組成を1.51以上に保ちつつ、YBCO系高温超伝導体膜12を成長する。表面近傍においてBa組成に対するCu組成を1.51以上に保ちつつYBCO系高温超伝導体膜12を成長すれば、YBCO系高温超伝導体膜12の表面にCu酸化物14が生成されやすくなる一方、Y酸化物の生成が抑制される。Cu酸化物はYBCO系高温超伝導体膜12の結晶成長を促進するフラックスとして作用し、孔隙の発生や結晶歪みの発生を抑制する。Cu酸化物は、膜の外側に析出される性質を有しているため、YBCO系高温超伝導体膜12の膜中にCu酸化物14が残留してしまうことはない。YBCO系高温超伝導体膜12の表面近傍を除く部分の膜中の組成は、化学量論的組成であるY1Ba2Cu3Xとなる。
【0034】
YBCO系高温超伝導体膜12を成長する際に用いるターゲットとしては、YBCO系高温超伝導体膜12の化学量論的組成であるY1Ba2Cu3XよりCu組成が大きいターゲットを用いる。具体的には、例えばY1Ba2Cu3.6Xより成る焼結体のターゲットを用いる。化学量論的組成に対してCu組成が大きいターゲットを用いてYBCO系高温超伝導体膜12を成長するため、YBCO系高温超伝導体膜12の表面にCu酸化物が生成されやすくなる一方、Y酸化物の生成が抑制される。
【0035】
なお、誘電体基板10とターゲットとの間の距離は、例えば105mmとする。基板温度は、例えば700℃とする。基板温度を700℃にするためには、例えばランプヒータを用いて、60℃/minで700℃まで上昇すればよい。成膜室内の酸素分圧は、例えば240mTorrとする。ターゲットをアブレートするためのレーザとしては、例えばKrFレーザを用いる。
【0036】
また、YBCO系高温超伝導体膜12を成長する際の成長速度は、例えば6nm/minとする。なお、YBCO系高温超伝導体膜12の成長速度は6nm/minに限定されるものではない。比較的遅い速度で成長した方が良好な膜質のYBCO系高温超伝導体膜12を形成し得る傾向があるため、成長速度は例えば7nm/min以下の範囲内で適宜設定することが望ましい。
【0037】
また、ここでは、膜の表面近傍におけるBa組成に対するCu組成を1.51以上に保ちつつYBCO系高温超伝導体膜12を成長するとしたが、膜の表面近傍におけるBa組成に対するCu組成は例えば1.55以上にすることがより望ましい。膜表面近傍におけるBa組成に対するCu組成を、例えば1.55以上に保ちつつYBCO系高温超伝導体膜12を成長すれば、Cu酸化物14の生成をより促進しつつ、Y酸化物の生成をより抑制することができ、より膜質の良好なYBCO系高温超伝導体膜12を形成することができる。
【0038】
YBCO系高温超伝導体膜12を成膜する際における膜の表面近傍におけるBaに対するCuの組成比が十分に大きくない場合には、Cu酸化物の生成が必ずしも十分に促進されず、Y酸化物の生成が必ずしも十分に抑制されない場合もあり得る。この場合、膜の内部に孔隙が生じることもあり得るが、たとえ膜の内部に孔隙が生じたとしても、孔隙の径は0.05μm以下、大きい場合でも0.1μm以下であり、少なくとも従来のYBCO系高温超伝導体膜に生じていた孔隙よりは小さくなる。
【0039】
この後、成膜室内の圧力が例えば200Torrになるまで酸素を導入し、誘電体基板10を冷却する。
【0040】
こうして、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜が形成される。
【0041】
このように、本実施形態によれば、膜表面において化学量論的組成に対してCu組成を大きく保ちつつYBCO系高温超伝導体膜を生成するため、Cu酸化物が生成されやすくなる一方、Y酸化物の生成が抑制される。本実施形態によれば、Y酸化物が生成されにくいため、孔隙や結晶歪が発生しにくくなる一方、Cu酸化物が結晶成長を促すフラックスとして作用するため、良好な膜質のほぼ単結晶状態のYBCO系高温超伝導体膜を形成することができる。
【0042】
(評価結果)
次に、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜の評価結果を表1を用いて説明する。
【0043】
【表1】
Figure 0004771632
【0044】
(a)表面析出量
まず、表面析出量、即ち、YBCO系高温超伝導体膜の表面に析出されたCu酸化物の量について説明する。
【0045】
表1に示すように、比較例、即ち、従来のYBCO系高温超伝導体膜では、表面に析出されたCu酸化物の数は、1.6×107個/cm2程度であった。
【0046】
これに対し、実施例、即ち、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜では、表面に析出されたCu酸化物の数は、3.2×107個/cm2程度となった。
【0047】
このことから、本実施形態では、従来のYBCO系高温超伝導体膜と比較して、膜表面に析出されるCu酸化物の数が多くなっていることが分かる。
【0048】
(b)結晶粒のサイズ
次に、結晶粒のサイズ、即ち、YBCO系高温超伝導体膜を構成する結晶の粒径について説明する。
【0049】
表1に示すように、比較例、即ち、従来のYBCO系高温超伝導体膜では、結晶粒径は0.5μm程度であった。
【0050】
これに対し、実施例、即ち、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜では、結晶粒径は3μm程度となっている。
【0051】
このことから、本実施形態によれば、結晶粒径の大きな良好な膜質のYBCO系高温超伝導体膜を形成し得ることが分かる。
【0052】
(c)表面抵抗値
次に、表面抵抗値について説明する。
【0053】
まず、表面抵抗値の評価に用いられた超伝導共振器を図3を用いて説明する。図3は、評価に用いられた超伝導共振器を示す斜視図である。
【0054】
図3に示すように、MgO単結晶より成る厚さ0.5mmの誘電体基板10上には、膜厚0.9μm、幅0.5mmのYBCO系高温超伝導体膜より成るヘアピン型パターン16が形成されている。ヘアピン型パターン16の両側の誘電体基板10上には、膜厚0.9μm、幅0.5mmの酸化物高温超伝導体膜より成るフィーダラインパターン18a、18bが形成されている。フィーダラインパターン18a、18bの端部には、電極20が形成されている。誘電体基板10の下面には、YBCO系高温超伝導体膜より成るグランドプレーン22が形成されている。こうして超伝導共振器24が構成されている。
【0055】
なお、表面抵抗値の測定条件は、共振周波数を約2GHz、周囲温度を70Kとした。
【0056】
表1に示すように、比較例、即ち、従来のYBCO系高温超伝導体膜を用いて超伝導共振器24のヘアピン型パターン16及びフィーダラインパターン18a、18bを構成した場合には、表面抵抗値は33μΩ程度であった。
【0057】
これに対し、実施例、即ち、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜を用いて超伝導共振器24のヘアピン型パターン16及びフィーダラインパターン18a、18bを構成した場合には、表面抵抗値は19μΩ程度となった。
【0058】
このことから、本実施形態によれば、表面抵抗値の小さくし得ることが分かる。
【0059】
(d)入力電力依存性
次に、入力電力依存性(Power Handling Capability)について説明する。
【0060】
入力電力依存性とは、入力電力を増加したときに生じる高周波特性の変化の程度、一般的には高周波特性の劣化の程度のことをいい、共振器においては共振周波数が変化する。入力電力依存性が小さいほど入力電力の変化に影響を受けない安定した超伝導素子が得られる。
【0061】
−34.4dBmを基準電力とし、基準電力の入力信号を超伝導共振器24に入力したときの共振周波数をfB、基準電力より3.14dBm大きい入力信号を超伝導共振器24に入力したときの共振周波数をfAとすると、入力電力依存性は、(fA−fB)/fBで表される。
【0062】
入力電力依存性の測定条件は、表面抵抗値の測定条件と同様に、共振周波数を約2GHz、周囲温度を70Kとした。
【0063】
表1に示すように、比較例、即ち、従来のYBCO系高温超伝導体膜を用いて超伝導共振器24のヘアピン型パターン16及びフィーダラインパターン18a、18bを構成した場合には、入力電力依存性は、−6.35×10-5程度であった。
【0064】
これに対し、実施例、即ち、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜を用いて超伝導共振器24のヘアピン型パターン16及びフィーダラインパターン18a、18bを構成した場合には、入力電力依存性は、−1.32×10-5程度と小さくなっている。
【0065】
このことから、本実施形態によれば、入力電力依存性の小さい安定した超電導素子を提供しうることが分かる。
【0066】
(e)透過電子顕微鏡写真
次に、YBCO系高温超伝導体膜の透過電子顕微鏡写真を図4を用いて説明する。図4は、YBCO系高温超伝導体膜の断面を示す透過電子顕微鏡写真である。図4(a)は、従来のYBCO系高温超伝導体膜の断面を示す透過電子顕微鏡写真であり、図4(b)は、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜の断面を示す透過電子顕微鏡写真である。
【0067】
図4(a)に示すように、従来のYBCO系高温超伝導体膜では、Y酸化物115が生成されており、Y酸化物115の近傍に孔隙117が生じている。
【0068】
これに対し、図4(b)に示すように、本実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜では、Y酸化物が生成されておらず、孔隙も発生していない。
【0069】
このことから、本実施形態によれば、極めて良好な膜質のほぼ単結晶状態のYBCO系高温超伝導体膜が得られることが分かる。
【0070】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による超電導素子を図5を用いて説明する。図5は、本実施形態による超電導素子を示す斜視図である。図1乃至図4に示す第1実施形態による高温超伝導体膜及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0071】
本実施形態による超伝導素子は、第1実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜が用いられた超伝導フィルタであることに主な特徴がある。
【0072】
なお、本実施形態では、超伝導フィルタを例に説明するが、第1実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜は、超伝導フィルタのみならず、超伝導共振器や超伝導アンテナ等、あらゆる超伝導素子に用いることができる。
【0073】
図5に示すように、誘電体基板10上には、YBCO系高温超伝導体膜より成る1/2波長型のヘアピン型パターン26a、26bが交互に形成されている。ヘアピン型パターン26aとヘアピンパターン26bは、全体として一列に配置されている。一列に配置されたヘアピン型パターン26a、26bの両側の誘電体基板10上には、YBCO系高温超伝導体膜より成る1/4波長型のフィーダラインパターン28a、28bが形成されている。
【0074】
ヘアピン型パターン26a、26b及びフィーダラインパターン28a、28bは、第1実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜12を、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングすることにより構成されている。YBCO系高温超伝導体膜12は、ウエットエッチングによりパターニングすることができる。
【0075】
フィーダラインパターン28a、28bの端部には、それぞれ電極30が形成されている。
【0076】
誘電体基板10の下面には、YBCO系高温超伝導体膜より成るグランドプレーン22が形成されている。
【0077】
こうして、本実施形態による超電導素子が構成されている。
【0078】
こうして構成された超電導素子は、金属製容器(図示せず)内に実装され、冷凍機(図示せず)により冷却されて用いられる。
【0079】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0080】
例えば、上記実施形態では、誘電体基板10の材料としてMgOを用いたが、誘電体基板10の材料はMgOに限定されるものではなく、例えば、LaAlO3やサファイアを用いてもよい。但し、誘電体基板の材料としてサファイアを用いる場合には、サファイアより成る誘電体基板上に、CeO2等より成る緩和層を形成し、緩和層上にYBCO系高温超伝導体膜12を形成することを要する。
【0081】
また、第2実施形態では、第1実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜を用いて超伝導フィルタを構成する場合を例に説明したが、第1実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜は、上述したように、超伝導フィルタのみならず、超伝導共振器や超伝導アンテナ等あらゆる超電導素子に用いることができる。
【0082】
また、上記実施形態では、パルスレーザ蒸着法によりYBCO系高温超伝導体膜12を成長する場合を例に説明したが、YBCO系高温超伝導体膜12の成長方法はパルスレーザ蒸着法に限定されるものではなく、スパッタ法等他の成長方法を用いてもよい。
【0083】
(付記1) 誘電体基板上に形成されたY−Ba−Cu−O系の高温超伝導体膜であって、膜の上面近傍におけるBaに対するCuの組成比が、膜の内部におけるBaに対するCuの組成比より大きくなっていることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0084】
(付記2) 付記1記載の高温超伝導体膜において、前記膜の上面近傍におけるBaに対するCuの組成比が、1.51以上になっていることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0085】
(付記3) 付記1記載の高温超伝導体膜において、前記膜の上面近傍におけるBaに対するCuの組成比が、1.55以上になっていることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0086】
(付記4) 付記1乃至3のいずれかに記載の高温超伝導体膜において、前記膜の内部におけるBaに対するCuの組成比が、ほぼ1.5になっていることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0087】
(付記5) 付記1乃至4のいずれかに記載の高温超伝導体膜において、上面にCu酸化物が析出されていることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0088】
(付記6) 付記5記載の高温超伝導体膜において、前記Cu酸化物は、CuO又はBaCuO2より成ることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0089】
(付記7) 付記1乃至6のいずれかに記載の高温超伝導体膜において、前記Cu酸化物の径が2μm以下であることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0090】
(付記8) 付記5乃至7のいずれかに記載の高温超伝導体膜において、膜厚1μm当たりの前記Cu酸化物の析出量が、3×107個/cm2以上であることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0091】
(付記9) 付記1乃至8のいずれかに記載の高温超伝導体膜において、結晶粒径の平均が3μm以上であることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0092】
(付記10) 付記1乃至9のいずれかに記載の高温超伝導体膜において、ほぼ単結晶状態になっていることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0093】
(付記11) 付記1乃至10のいずれかに記載の高温超伝導体膜において、前記膜の内部に存在する孔隙の径が、0.1μm以下であることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0094】
(付記12) 付記1乃至11のいずれかに記載の高温超伝導体膜において、前記誘電体基板は、MgO、LaAlO3、又はサファイアより成ることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0095】
(付記13) 付記1乃至12のいずれかに記載の高温超伝導体膜において、膜厚が0.5〜1.2μmであることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0096】
(付記14) 付記1乃至13のいずれかに記載の高温超伝導体膜において、Baに対するCuの組成比が、前記膜の内部におけるBaに対するCuの組成比より大きくなっている部分の厚さは、膜厚の30%以下であることを特徴とする高温超伝導体膜。
【0097】
(付記15) 誘電体基板上に、Y−Ba−Cu−O系の高温超伝導体膜を成長する工程を有し、前記高温超伝導体膜を成長する工程では、膜の上面近傍におけるBaに対するCuの組成比を、膜の内部におけるBaに対するCuの組成比より大きく保ちつつ、前記高温超伝導体膜を成長することを特徴とする高温超伝導体膜の形成方法。
【0098】
(付記16) 付記15記載の高温超伝導体膜の形成方法において、前記高温超伝導体膜を成長する工程では、前記膜の上面近傍におけるBaに対するCuの組成比を1.51以上に保ちつつ、前記高温超伝導体膜を成長することを特徴とする高温超伝導体膜の形成方法。
【0099】
(付記17) 付記15記載の高温超伝導体膜の形成方法において、前記高温超伝導体膜を成長する工程では、前記膜の上面近傍におけるBaに対するCuの組成比を1.55以上に保ちつつ、前記高温超伝導体膜を成長することを特徴とする高温超伝導体膜の形成方法。
【0100】
(付記18) 付記15乃至17のいずれかに記載の高温超伝導体膜の形成方法において、前記高温超伝導体膜を成長する工程では、前記膜の内部におけるBaに対するCuの組成比がほぼ1.5の前記高温超伝導体膜を成長することを特徴とする高温超伝導体膜の形成方法。
【0101】
(付記19) 付記15乃至18のいずれかに記載の高温超伝導体膜の形成方法において、前記高温超伝導体膜を成長する工程では、蒸着法又はスパッタ法により前記高温超伝導体膜を成長することを特徴とする高温超伝導体膜の形成方法。
【0102】
(付記20) 付記15乃至19のいずれかに記載の高温超伝導体膜の形成方法において、前記高温超伝導体膜を成長する工程では、7nm/min以下の速度で前記高温超伝導体膜を成長することを特徴とする高温超伝導体膜の形成方法。
【0103】
(付記21) 誘電体基板上に形成されたY−Ba−Cu−O系の高温超伝導体膜を有する超伝導素子であって、膜の上面近傍におけるBaに対するCuの組成比が、膜の内部におけるBaに対するCuの組成比より大きくなっていることを特徴とする超電導素子。
【0104】
(付記22) 付記21記載の超電導素子において、前記膜の上面近傍におけるBaに対するCuの組成比が、1.51以上になっていることを特徴とする超電導素子。
【0105】
(付記23) 付記21記載の超電導素子において、前記膜の上面近傍におけるBaに対するCuの組成比が、1.55以上になっていることを特徴とする超電導素子。
【0106】
(付記24) 付記21乃至23のいずれかに記載の超電導素子において、前記膜の内部に存在する孔隙の径が、0.1μm以下であることを特徴とする超電導素子。
【0107】
(付記25) 付記21乃至24のいずれかに記載の超電導素子において、前記膜の内部に存在する孔隙の径が、0.05μm以下であることを特徴とする超電導素子。
【0108】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、膜表面において化学量論的組成に対してCu組成を大きく保ちつつYBCO系高温超伝導体膜を生成するため、Cu酸化物が生成されやすくなる一方、Y酸化物の生成が抑制される。本発明によれば、Y酸化物が生成されにくいため、孔隙や結晶歪が発生しにくくなる一方、Cu酸化物が結晶成長を促すフラックスとして作用するため、良好な膜質のほぼ単結晶状態のYBCO系高温超伝導体膜を提供することができる。そして、本発明によれば、このような良好な膜質のYBCO系高温超伝導体膜を用いて、良好な電気的特性を有する超伝導素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるYBCO系高温超伝導体膜の形成方法を示す工程断面図である。
【図3】評価に用いられた超伝導共振器を示す斜視図である。
【図4】YBCO系高温超伝導体膜の断面を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明の第2実施形態による超電導素子を示す斜視図である。
【図6】従来のYBCO系高温超伝導体膜を示す断面図である。
【符号の説明】
10…誘電体基板
12…YBCO系高温超伝導体膜
14…Cu酸化物
16…ヘアピン型パターン
18a、18b…フィーダラインパターン
20…電極
22…グランドプレーン
24…超伝導共振器
26a、26b…ヘアピン型パターン
28a、28b…フィーダラインパターン
30…電極
110…誘電体基板
112…YBCO系高温超伝導体膜
113…結晶欠陥
115…Y酸化物
117…孔隙

Claims (2)

  1. MgOより成る誘電体基板上に、Y−Ba−Cu−O系の高温超伝導体膜を成長する工程を有し、
    前記高温超伝導体膜を成長する工程では、前記誘電体基板の温度を700℃とし、膜の上面近傍におけるBaに対するCuの組成比を、膜の内部におけるBaに対するCuの組成比より大きく保ちつつ、7nm/min以下の成膜速度で、成長時において前記膜の内部が化学量論的組成である前記高温超伝導体膜を前記誘電体基板上に直接成長する
    ことを特徴とする高温超伝導体膜の形成方法。
  2. 請求項1記載の高温超伝導体膜の形成方法において、
    前記高温超伝導体膜を成長する工程では、前記膜の上面近傍におけるBaに対するCuの組成比を1.51以上に保ちつつ、前記高温超伝導体膜を成長する
    ことを特徴とする高温超伝導体膜の形成方法。
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