JP2850562B2 - 超電導基板の製造方法 - Google Patents

超電導基板の製造方法

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JP2850562B2
JP2850562B2 JP3093042A JP9304291A JP2850562B2 JP 2850562 B2 JP2850562 B2 JP 2850562B2 JP 3093042 A JP3093042 A JP 3093042A JP 9304291 A JP9304291 A JP 9304291A JP 2850562 B2 JP2850562 B2 JP 2850562B2
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秀典 中西
賢次郎 桧垣
秀夫 糸▲崎▼
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導基板の製造方法
に関する。より詳細には、本発明は、サファイア基板上
搭載された酸化物超電導薄膜を含み、超電導マイクロ波
デバイス等の製造基材として使用することができる超電
導基板の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】数十cmから数mmまでの波長を有し、マイ
クロ波あるいはミリ波等と呼ばれる電磁波は、理論的に
は電磁波スペクトルの一部の範囲に過ぎないが、工学的
にはこれを取り扱うための独特の手法やデバイスが開発
されていることから、特に独立して検討される場合が多
い。尚、この帯域の電磁波を誘導するマイクロ波線路は
誘電体を介して配置され一方が接地された1対の線路に
より形成される。
【0003】一方、1986年にベドノーツ、ミューラー等
によって30Kで超電導状態を示す(La,Ba)2CuO4 が報告
され、続いて、1987年にはチュー等によって90K台の超
電導臨界温度Tc を有するYBa2Cu3y が報告され、更
に、1988年には前田等によって100 K以上の臨界温度を
示す所謂Bi系の複合酸化物系超電導材料が報告された。
これらの一連の複合酸化物系超電導材料では、廉価な液
体窒素による冷却で超電導現象を実現することができる
ので、超電導技術の実用的な応用の可能性が俄に取り沙
汰されるようになった。
【0004】超電導特有の現象が有利に作用するという
点ではマイクロ波デバイスも例外ではない。即ち、一般
に、ストリップ線路では、周波数の平方根に比例して、
導体の抵抗による減衰定数が増大する。また、周波数の
増大に比例して誘電体損も増加するが、近年のストリッ
プ線路では、誘電体材料の改良により、特に10GHz以下
の領域では、ストリップ線路の損失は、専ら導体層の抵
抗に起因するものが大部分を占めている。従って、スト
リップ線路における導体層の抵抗を低減することは、ス
トリップ線路の性能を著しく向上することになる。
【0005】また、ストリップ線路は、単純な伝送路と
しての用途の他に、適切なパターニングを行うことによ
って、インダクタンス素子、フィルタ、共振器、遅延
線、方向性結合器、ハイブリッド等のマイクロ波デバイ
スを構成することができる。従って、ストリップ線路の
改良は、そのまま、これらのマイクロ波デバイスの特性
改善となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の金属
導体を使用したマイクロ波用ストリップ線路では、前述
のように、誘電体損失は既に充分低減されているものと
考えられていた。ところが、導体材料が超電導体となり
導体損失が極限まで低減されると、改めて誘電体損失の
低減が解決すべき課題となる。そこで、超電導マイクロ
波デバイスにおいては、誘電正接 tanδの最も小さい誘
電体材料であるサファイアを使用することが求められて
いる。また、サファイアを基板材料にして酸化物超電導
薄膜を搭載した超電導基板が提供されることによって、
種々の超電導マイクロ波デバイスを容易に作製すること
ができるようになると考えられている。
【0007】一方、複合酸化物系超電導材料は当初固相
反応法による焼結体として合成されていたが、その後の
研究の進捗により、今日では薄膜として作製することに
より極めて品質の高いものが得られるようになってい
る。ただし、酸化物超電導薄膜は、特定の基板上に成膜
した場合にのみ有効な超電導特性を発揮する相を形成す
ることが知られている。この点、サファイア基板は、酸
化物超電導薄膜を成膜するには適していないと考えられ
ていた。
【0008】そこで、本発明は、上記従来技術の問題点
を解決し、有効な特性を発揮する酸化物超電導薄膜をサ
ファイア基板上に搭載した超電導基板を製造する新規な
方法を提供することをその目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に従うと、
サファイア基板と、該サファイア基板上に搭載された酸
化物超電導薄膜とを具備する超電導基板を製造する方法
において、酸化物超電導薄膜の結晶成長のための下地と
なる第1バッファ層をサファイア基板上に成膜する工程
と、成膜面と平行な面内の2次元結晶性に富んだ第2バ
ッファ層を該第1バッファ層上に成膜する工程と、酸化
物超電導薄膜を該第2バッファ層上に成膜する工程とを
含むことを特徴とする超電導基板の製造方法が提供され
る。
【0010】
【作用】本発明に係る超電導基板の製造方法は、独自の
2層構造のバッファ層を採用することにより、サファイ
ア基板上に酸化物超電導薄膜を成膜する点にその主要な
特徴がある。
【0011】本発明に係る方法においては、サファイア
基板上に酸化物超電導薄膜を成膜するに先立って、サフ
ァイア基板の直上に第1バッファ層を成膜する工程と、
この第1バッファ層上に第2バッファ層を成膜する工程
とを含んでいる。
【0012】ここで、第1バッファ層は、元来結晶構造
が異なっているサファイア基板上で酸化物超電導薄膜を
結晶成長させるための下地を形成する層である。具体的
にはMgO、ZrO2 、YAlO3 等の薄膜であり、スパッタ
リング法、蒸着法等の種々の方法により成膜することが
できる。
【0013】一方、第2バッファ層は、上記第1バッフ
ァ層の表面性状を改善する目的で成膜される。即ち、マ
イクロ波は、導体の表面を流れる電流により伝播され
る。従って、超電導薄膜と誘電体との界面の性状が悪い
とマイクロ波線路の伝播損失が著しく増加する。このた
め、超電導マイクロ波デバイスを製造するための基材と
して使用される超電導基板では、酸化物超電導薄膜と直
下の層との間の界面の性状を良好に維持する必要があ
る。
【0014】このような機能に鑑みて、第2バッファ層
は、成膜面と平行な面内での2次元結晶性に富んだ薄膜
であることが必要である。具体的には、Y23 等の金
属酸化物を好ましい材料として挙げることができ、やは
り、スパッタリング法、蒸着法等の種々の方法により成
膜することができる。
【0015】以上のような2層構造のバッファ層上に成
膜する酸化物超電導薄膜は、Y系の複合酸化物の他、Tl
および/またはBiを含む複合酸化物を、特に超電導臨界
温度が高く液体窒素による冷却で超電導化する酸化物超
電導材料として例示することができる。また、これらの
酸化物超電導薄膜の成膜方法は、公知の方法をいずれも
適用することができる。
【0016】以上のような方法で製造された超電導基板
はその酸化物超電導薄膜の界面性状が良好で、マイクロ
波デバイスの基材として好ましく使用することができ
る。
【0017】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、以下の開示は本発明の一実施例に過ぎ
ず、本発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。
【0018】
【実施例】基板として、厚さ1mmの40mm平方のサファイ
ア基板(R面)を使用して、超電導基板を作製した。
【0019】まず、第1バッファ層として、下記の表1
に示す成膜条件で、ZrO2 薄膜をMBE法により基板上
に成膜した。
【0020】
【表1】
【0021】続いて、第2バッファ層として、下記の表
2に示す成膜条件で、Y2 3 薄膜を基板上に成膜し
た。
【0022】
【表2】
【0023】更に、上述のように形成したバッファ層上
に、Y−Ba−Cuの複合酸化物薄膜を成膜して超電導基板
とした。尚、酸化物超電導薄膜の成膜条件は下記の表3
に示す通りである。
【0024】
【表3】
【0025】尚、上記酸化物超電導薄膜の成膜に際して
は、成膜面近傍に配置したリング状ノズルによって成膜
面に対してO3 ガスの吹きつけを行った。吹きつけたO
3 ガスは、液体窒素によって冷却した液体オゾンを気化
させたもので、実質的に純粋なO3 ガスである。O3
スの供給量は10cc/分とした。
【0026】また、比較のために、同じサファイア基板
上に同じ成膜条件で第1バッファ層のみを成膜した後に
酸化物超電導薄膜を成膜した比較試料を作製した。
【0027】上述のような実施例および比較例の2種の
超電導基板を使用して、図1および図2に示すような超
電導マイクロ波共振器を作製した。
【0028】即ち、図1は、誘電体基板上に酸化物超電
導薄膜を搭載した超電導基板を使用して作製することが
できる超電導マイクロ波共振器の典型的な構造を示す図
である。
【0029】図1に示すように、このマイクロ波共振器
は、図2に示すようなパターンの酸化物超電導薄膜によ
り形成された超電導導体線路10を搭載した第1基板20
と、やはり酸化物超電導薄膜により形成された超電導接
地導体30を全面に搭載した第2基板40とを、パッケージ
50a内に重ねて収容した後、カバー50bによって固定さ
れた構造となっている。
【0030】ここで、第1基板20は、その周辺部を加工
して除去することにより第2基板40よりも各辺で1mm小
さく形成されている。これに対応してパッケージ50aの
内面に段差51、52が形成されており、第2基板40上に搭
載された超電導接地導体30は、その周縁部でパッケージ
50aの段差と接触している。
【0031】尚、図2に示す超電導導体線路パターン
は、共振器となる長さ12mmの長方形の超電導導体線路11
と、この超電導導体線路11に対してマイクロ波を導入あ
るいは導出するための1対の超電導導体線路12、13とを
備えている。各超電導導体線路12、13は、幅 0.5mm、長
さ11.8mmとした。また、各超電導導体線路12、13と共振
器11との間隔は、最も近いところで 1.2mmとした。
【0032】表4は、試料としての超電導マイクロ波共
振器の試料番号と、使用した超電導基板の種類との組合
せを示す。
【0033】
【表4】
【0034】表5は、上述のような4個の超電導マイク
ロ波共振器のQ値と伝播損失との測定結果を示す表であ
る。尚、測定は、77Kで行った。
【0035】
【表5】
【0036】上記の測定結果から判るように、本発明に
従って製造された超電導基板を使用して作製した超電導
マイクロ波共振器は、顕著に優れた特性を示している。
【0037】
【発明の効果】以上詳述のように、本発明によれば、サ
ファイア基板上に酸化物超電導薄膜を搭載した酸化物超
電導基板であって、特にマイクロ波デバイスの製造基材
として優れた特性を有する超電導基板が製造できるよう
になる。酸化物超電導薄膜を搭載した超電導基板により
作製されたマイクロ波デバイスは、廉価な液体窒素によ
る冷却で、その接地導体並びに導体線路が超電導体とな
り、導体損失が極限まで低減される。従って、マイクロ
波デバイスとしての特性が著しく向上されると共に、適
用可能な周波数帯域が高周波数側に拡張される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って製造された超電導基板を使用し
て構成することができる超電導マイクロ波共振器の構造
を示す図である。
【図2】図1に示したマイクロ波共振器における導体パ
ターンを示す図である。
【符号の説明】
10、11、12、13 超電導導体線路、 20 第1基板、 30 超電導接地導体、 40 第2基板、 50a パッケージ、 50b カバー、 51、52 段差
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−30110(JP,A) 特開 平1−133305(JP,A) 特開 平1−198465(JP,A) 特開 平1−302827(JP,A) 特開 平4−265222(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01P 11/00 ZAA C04B 41/89 ZAA H01L 39/02 ZAA H01P 7/08 ZAA JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サファイア基板と、該サファイア基板上に
    搭載された酸化物超電導薄膜とを具備する超電導基板を
    製造する方法において、酸化物超電導薄膜の結晶成長の
    ための下地となる第1バッファ層をサファイア基板上に
    成膜する工程と、成膜面と平行な面内の2次元結晶性に
    富んだ第2バッファ層を該第1バッファ層上に成膜する
    工程と、酸化物超電導薄膜を該第2バッファ層上に成膜
    する工程とを含むことを特徴とする超電導基板の製造方
    法。
JP3093042A 1991-03-29 1991-03-29 超電導基板の製造方法 Expired - Lifetime JP2850562B2 (ja)

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