JPH06219897A - 酸化物超電導薄膜の製法 - Google Patents
酸化物超電導薄膜の製法Info
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- JPH06219897A JPH06219897A JP1328893A JP1328893A JPH06219897A JP H06219897 A JPH06219897 A JP H06219897A JP 1328893 A JP1328893 A JP 1328893A JP 1328893 A JP1328893 A JP 1328893A JP H06219897 A JPH06219897 A JP H06219897A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】R−Ba−Cu−O系(R:Y、Laあるいは
希土類元素)からなる超電導薄膜をスパッタリング法に
より形成するに際し、組成が異なる複数のターゲット
1、2を用いる場合には、各ターゲットよりスパッタさ
れた粒子を同時に基板に到達させるか、または、設置さ
れるターゲットを元素のスパッタ効率を考慮し単独で超
電導薄膜が形成可能な組成から構成し、それらのターゲ
ットを単独あるいは複数設置してスパッタすることによ
り、C軸長が11.67Å乃至11.77Åの結晶相か
らなり、11.78Å乃至12.3Åの結晶相が実質的
に存在しない膜を得る。 【効果】低超電導特性の異相の析出を抑制し、液体窒素
中で超電導特性を有するRBa2 Cu3 Oy(R:Y、
Laあるいは希土類元素)薄膜を得ることができる。
希土類元素)からなる超電導薄膜をスパッタリング法に
より形成するに際し、組成が異なる複数のターゲット
1、2を用いる場合には、各ターゲットよりスパッタさ
れた粒子を同時に基板に到達させるか、または、設置さ
れるターゲットを元素のスパッタ効率を考慮し単独で超
電導薄膜が形成可能な組成から構成し、それらのターゲ
ットを単独あるいは複数設置してスパッタすることによ
り、C軸長が11.67Å乃至11.77Åの結晶相か
らなり、11.78Å乃至12.3Åの結晶相が実質的
に存在しない膜を得る。 【効果】低超電導特性の異相の析出を抑制し、液体窒素
中で超電導特性を有するRBa2 Cu3 Oy(R:Y、
Laあるいは希土類元素)薄膜を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導特性に優れた高
温超電導薄膜のスパッタリング法による製法の改良に関
する。
温超電導薄膜のスパッタリング法による製法の改良に関
する。
【0002】
【従来技術】近年、Nb3 Al、Nb3 Snなどの合金
系超電導体に代わり、液体窒素中で超電導特性を有する
酸化物系高温超電導材料として、例えば、Y−Ba−C
u−O系、Bi−Ca−Sr−Cu−O系材料などが見
出され、その実用化が進められている。
系超電導体に代わり、液体窒素中で超電導特性を有する
酸化物系高温超電導材料として、例えば、Y−Ba−C
u−O系、Bi−Ca−Sr−Cu−O系材料などが見
出され、その実用化が進められている。
【0003】これらの酸化物超電導体は、超電導材料を
構成する金属元素の酸化物粉末を所定量混合し焼成して
焼結体を得る方法の他に、周知の薄膜形成方法による薄
膜化が進められている。
構成する金属元素の酸化物粉末を所定量混合し焼成して
焼結体を得る方法の他に、周知の薄膜形成方法による薄
膜化が進められている。
【0004】この酸化物超電導薄膜を形成する方法とし
ては、具体的には、スパッタリング法、CVD法、真空
蒸着法あるいはレーザーアブレーション(レーザースパ
ッタ法)などが一般に行われているが、特にスパッタリ
ング法は、装置が比較的簡単で、真空蒸着法に比べると
酸素分圧の高い条件で成膜できるために盛んに研究が行
われている。
ては、具体的には、スパッタリング法、CVD法、真空
蒸着法あるいはレーザーアブレーション(レーザースパ
ッタ法)などが一般に行われているが、特にスパッタリ
ング法は、装置が比較的簡単で、真空蒸着法に比べると
酸素分圧の高い条件で成膜できるために盛んに研究が行
われている。
【0005】このスパッタリング法とは、超電導薄膜の
構成元素を含み、それらの各元素のスパッタ効率を考慮
した組成からなるターゲットもしくは、組成の異なる複
数のターゲットを用い、このターゲットをArとO2 の
混合ガスからなるプラズマ中でスパッタし400乃至8
00℃に加熱した基板上に薄膜を形成するものである。
また、必要に応じて成膜後、酸素雰囲気中で熱処理して
超電導化することも行われている。
構成元素を含み、それらの各元素のスパッタ効率を考慮
した組成からなるターゲットもしくは、組成の異なる複
数のターゲットを用い、このターゲットをArとO2 の
混合ガスからなるプラズマ中でスパッタし400乃至8
00℃に加熱した基板上に薄膜を形成するものである。
また、必要に応じて成膜後、酸素雰囲気中で熱処理して
超電導化することも行われている。
【0006】これらの中でも、化学量論的組成からなる
膜を作製しやすいことから、組成の異なる複数のターゲ
ットを用いて、成膜を行う多元ターゲットスパッタリン
グが主流であった。そこで、この多元ターゲットスパッ
タリング法を図3に示した。
膜を作製しやすいことから、組成の異なる複数のターゲ
ットを用いて、成膜を行う多元ターゲットスパッタリン
グが主流であった。そこで、この多元ターゲットスパッ
タリング法を図3に示した。
【0007】図3において、11、12はターゲット、
13は基板、14は基板ホルダーである。かかる装置に
よれば、組成の異なるターゲット11、12からターゲ
ットを構成している物質がスパッタされる。一方、基板
13は基板ホルダー14により回転しておりヒータ17
により所定の温度に加熱されている。また、ターゲット
11、12と基板13間には窓15が形成された仕切り
板16が設置されている。そして、基板13の回転によ
り、基板13にはターゲット11からのスパッタ粒子
と、ターゲット11とは異なる組成のターゲット12か
らのスパッタ粒子とが交互に基板に到達するように構成
されている。
13は基板、14は基板ホルダーである。かかる装置に
よれば、組成の異なるターゲット11、12からターゲ
ットを構成している物質がスパッタされる。一方、基板
13は基板ホルダー14により回転しておりヒータ17
により所定の温度に加熱されている。また、ターゲット
11、12と基板13間には窓15が形成された仕切り
板16が設置されている。そして、基板13の回転によ
り、基板13にはターゲット11からのスパッタ粒子
と、ターゲット11とは異なる組成のターゲット12か
らのスパッタ粒子とが交互に基板に到達するように構成
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
多元ターゲットスパッタリング法によれば、C軸長が1
1.67Å乃至11.77Åの結晶相と、11.78Å
乃至12.3Åの結晶相の2相が析出しやすく、また超
電導転移温度(Tc)も10K乃至75Kの液体窒素温
度(77K)で超電導特性を示さない膜が得られやすい
という問題があることがわかった。
多元ターゲットスパッタリング法によれば、C軸長が1
1.67Å乃至11.77Åの結晶相と、11.78Å
乃至12.3Åの結晶相の2相が析出しやすく、また超
電導転移温度(Tc)も10K乃至75Kの液体窒素温
度(77K)で超電導特性を示さない膜が得られやすい
という問題があることがわかった。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上記問
題点に対して検討を重ねた結果、R−Ba−Cu−O系
(R:Y、Laあるいは希土類元素)超電導薄膜をスパ
ッタリング法により形成するに際し、組成が異なる複数
のターゲットを用いて、各ターゲットよりスパッタされ
た粒子を同時に基板に到達付着させるか、または設置さ
れるターゲットを元素のスパッタ効率を考慮し単独で超
電導薄膜が形成可能な組成から構成し、それらのターゲ
ットを単独あるいは複数設置してスパッタすることによ
り、成膜過程において基板に到達し付着するスパッタ粒
子の組成が変動することなく定常化させることにより、
C軸長が11.67Å乃至11.77Åの結晶相の単一
相となり、11.78Å乃至12.3Åの結晶相が実質
的に存在しない膜が得られることを見出した。
題点に対して検討を重ねた結果、R−Ba−Cu−O系
(R:Y、Laあるいは希土類元素)超電導薄膜をスパ
ッタリング法により形成するに際し、組成が異なる複数
のターゲットを用いて、各ターゲットよりスパッタされ
た粒子を同時に基板に到達付着させるか、または設置さ
れるターゲットを元素のスパッタ効率を考慮し単独で超
電導薄膜が形成可能な組成から構成し、それらのターゲ
ットを単独あるいは複数設置してスパッタすることによ
り、成膜過程において基板に到達し付着するスパッタ粒
子の組成が変動することなく定常化させることにより、
C軸長が11.67Å乃至11.77Åの結晶相の単一
相となり、11.78Å乃至12.3Åの結晶相が実質
的に存在しない膜が得られることを見出した。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。図1およ
び図2は、いずれも本発明に基づく成膜装置の概略図で
ある。図中、1、2、3はターゲット、4は基板、5は
基板ホルダー、6はヒータである。図1の成膜装置によ
れば、ターゲット1、2は異なる組成からなり、各ター
ゲット1、2はRF電力(図示せず)によりターゲット
のスパッタ量が制御される。かかる装置によれば、基板
4とターゲット1、2間には仕切り板などが存在しない
ために、各ターゲットのスパッタにより基板4に到達す
るスパッタ粒子の組成は、成膜過程中、変動することが
なく定常化される。そして、ヒータ6により所定温度に
制御された基板4上にて超電導薄膜が形成される。
び図2は、いずれも本発明に基づく成膜装置の概略図で
ある。図中、1、2、3はターゲット、4は基板、5は
基板ホルダー、6はヒータである。図1の成膜装置によ
れば、ターゲット1、2は異なる組成からなり、各ター
ゲット1、2はRF電力(図示せず)によりターゲット
のスパッタ量が制御される。かかる装置によれば、基板
4とターゲット1、2間には仕切り板などが存在しない
ために、各ターゲットのスパッタにより基板4に到達す
るスパッタ粒子の組成は、成膜過程中、変動することが
なく定常化される。そして、ヒータ6により所定温度に
制御された基板4上にて超電導薄膜が形成される。
【0011】また、図2の装置では、単一のターゲット
3からなる。かかる装置においても、ターゲット3を元
素のスパッタ効率を考慮して単独で超電導薄膜を形成す
ることができる組成に制御された組成物より構成するこ
とにより、基板4へ到達するスパッタ粒子の組成を定常
化することができる。
3からなる。かかる装置においても、ターゲット3を元
素のスパッタ効率を考慮して単独で超電導薄膜を形成す
ることができる組成に制御された組成物より構成するこ
とにより、基板4へ到達するスパッタ粒子の組成を定常
化することができる。
【0012】さらに、図3に示すように複数のターゲッ
トが設けられ、さらに基板と複数のターゲット間に仕切
り板が存在する場合であっても、設けられたターゲット
を元素のスパッタ効率を考慮して単独であっても超電導
薄膜を形成することができる組成に制御された組成物よ
り構成すれば、実質上成膜過程での基板へ到達するスパ
ッタ粒子の組成が変動することはなく、定常化すること
ができる。
トが設けられ、さらに基板と複数のターゲット間に仕切
り板が存在する場合であっても、設けられたターゲット
を元素のスパッタ効率を考慮して単独であっても超電導
薄膜を形成することができる組成に制御された組成物よ
り構成すれば、実質上成膜過程での基板へ到達するスパ
ッタ粒子の組成が変動することはなく、定常化すること
ができる。
【0013】本発明によれば、上記装置を用いてR−B
a−Cu−O系(R:Y、Laあるいは希土類元素)か
らなる薄膜を形成する。かかる薄膜を形成する条件とし
ては、基板4は500乃至800℃にヒータ6により加
熱されており、炉内はArおよびO2 (流量比20乃至
80%)の混合ガスの10乃至100mtorrの減圧
下に制御される。基板3はRBa2 Cu3 Oyの成膜性
を高めるためにSrTiO3 の他にMgO、LaAlO
3 、YAlO3 、Y2 O3 安定化ZrO2 、LaGaO
3 、NdGaO3 、PrGaO3 、LaSrGaO4 な
どが好適に使用される。
a−Cu−O系(R:Y、Laあるいは希土類元素)か
らなる薄膜を形成する。かかる薄膜を形成する条件とし
ては、基板4は500乃至800℃にヒータ6により加
熱されており、炉内はArおよびO2 (流量比20乃至
80%)の混合ガスの10乃至100mtorrの減圧
下に制御される。基板3はRBa2 Cu3 Oyの成膜性
を高めるためにSrTiO3 の他にMgO、LaAlO
3 、YAlO3 、Y2 O3 安定化ZrO2 、LaGaO
3 、NdGaO3 、PrGaO3 、LaSrGaO4 な
どが好適に使用される。
【0014】
【作用】本発明によれば、基板上に化学量論的組成の原
子が定常的に付着し、付着原子の組成変動がなくなるた
めに、C軸長が11.78Å乃至12.3Åの異相が生
成されず、77K以上で超電導特性を有するR−Ba−
Cu−O系(R:Y、Laあるいは希土類元素)からな
る薄膜を安定した作製することができる。
子が定常的に付着し、付着原子の組成変動がなくなるた
めに、C軸長が11.78Å乃至12.3Åの異相が生
成されず、77K以上で超電導特性を有するR−Ba−
Cu−O系(R:Y、Laあるいは希土類元素)からな
る薄膜を安定した作製することができる。
【0015】
実施例1 図1に示す装置を用いて、Y−Ba−Cu−O系超電導
薄膜を形成した。ターゲットとしては、組成の異なる3
種のターゲットを用いた。成膜条件は以下の通りであ
る。
薄膜を形成した。ターゲットとしては、組成の異なる3
種のターゲットを用いた。成膜条件は以下の通りであ
る。
【0016】 ターゲット1 YBa2.5 Cu6 Oy ターゲット2 BaCuO2 ターゲット3 Cu 基板 SrTiO3 基板温度 700℃ RF電力 ターゲット1 150W ターゲット2 90W ターゲット3 105W 雰囲気 Ar(100sccm)、O2 (30
sccm) 圧力 40mtorr 膜厚 1000Å 得られた膜に対してX線回折測定を行い、そのチャート
を図4に示した。その結果、C軸長の長い異相は認めら
れず、C軸長が11.68ÅのYBa2 Cu3Oyの斜
方晶のみからなることがわかる。また、図5に4点プロ
ーブ法によって得られた抵抗と温度との関係を示す。図
5から明らかなように、2段転移はなく超電導転移温度
(Tc)は84Kであった。
sccm) 圧力 40mtorr 膜厚 1000Å 得られた膜に対してX線回折測定を行い、そのチャート
を図4に示した。その結果、C軸長の長い異相は認めら
れず、C軸長が11.68ÅのYBa2 Cu3Oyの斜
方晶のみからなることがわかる。また、図5に4点プロ
ーブ法によって得られた抵抗と温度との関係を示す。図
5から明らかなように、2段転移はなく超電導転移温度
(Tc)は84Kであった。
【0017】比較例1 図3に示す装置を用いて、Y−Ba−Cu−O系超電導
薄膜を形成した。ターゲットとしては、組成の異なる3
種のターゲットを用いた。成膜条件は以下の通りであ
る。
薄膜を形成した。ターゲットとしては、組成の異なる3
種のターゲットを用いた。成膜条件は以下の通りであ
る。
【0018】 ターゲット1 YBa2.5 Cu6 Oy ターゲット2 BaCuO2 ターゲット3 Cu 基板 SrTiO3 基板温度 700℃ RF電力 ターゲット1 150W ターゲット2 100W ターゲット3 100W 雰囲気 Ar(100sccm)、O2 (30
sccm) 圧力 40mtorr 膜厚 1000Å 得られた膜に対してX線回折測定を行い、そのチャート
を図6に示した。その結果、C軸長11.68ÅのYB
a2 Cu3 Oyの斜方晶の他に、C軸長11.85Åの
異相が共存していることがわかる。図7に4点プローブ
法によって得られた抵抗と温度との関係を示す。その図
7から明らかなように、2段転移を示し、超電導転移温
度(Tc)も48Kと低く、液体窒素中で抵抗ゼロとな
らなかった。また、酸素中、900℃で1時間熱処理し
ても2段転移を示しTc75Kまでしか向上しなかっ
た。
sccm) 圧力 40mtorr 膜厚 1000Å 得られた膜に対してX線回折測定を行い、そのチャート
を図6に示した。その結果、C軸長11.68ÅのYB
a2 Cu3 Oyの斜方晶の他に、C軸長11.85Åの
異相が共存していることがわかる。図7に4点プローブ
法によって得られた抵抗と温度との関係を示す。その図
7から明らかなように、2段転移を示し、超電導転移温
度(Tc)も48Kと低く、液体窒素中で抵抗ゼロとな
らなかった。また、酸素中、900℃で1時間熱処理し
ても2段転移を示しTc75Kまでしか向上しなかっ
た。
【0019】なお、ここでいうC軸長11.85Åの異
相とは、実際には結晶構造が明らかではないため正確な
ものではないが、X線回折チャートから基板とYBa2
Cu3 Oyの斜方晶以外のピークの周期を計算するとC
軸長11.85Åとなるためである。
相とは、実際には結晶構造が明らかではないため正確な
ものではないが、X線回折チャートから基板とYBa2
Cu3 Oyの斜方晶以外のピークの周期を計算するとC
軸長11.85Åとなるためである。
【0020】実施例2 図2に示す装置を用いて、Y−Ba−Cu−O系超電導
薄膜を形成した。成膜条件は以下の通りである。
薄膜を形成した。成膜条件は以下の通りである。
【0021】 ターゲット1 YBa3.0 Cu14Oy 基板 SrTiO3 基板温度 700℃ RF電力 150W 雰囲気 Ar(100sccm)、O2 (30
sccm) 圧力 40mtorr 膜厚 1000Å 得られた膜に対してX線回折測定を行ったところ、C軸
長の長い異相は認められず、C軸長が11.68ÅのY
Ba2 Cu3 Oyの斜方晶のみからなるものであった。
また、4点プローブ法によって得られた抵抗と温度との
関係を測定したところ、2段転移はなく超電導転移温度
(Tc)は85Kであった。
sccm) 圧力 40mtorr 膜厚 1000Å 得られた膜に対してX線回折測定を行ったところ、C軸
長の長い異相は認められず、C軸長が11.68ÅのY
Ba2 Cu3 Oyの斜方晶のみからなるものであった。
また、4点プローブ法によって得られた抵抗と温度との
関係を測定したところ、2段転移はなく超電導転移温度
(Tc)は85Kであった。
【0022】また、同様に、ターゲット1をYBa2.9
Cu12Oy、YBa3.0 Cu12Oy、YBa3.0 Cu13
Oyの組成からなるものを用いて成膜をおこなっても、
上記と同様にC軸長の長い異相はなく、同様に4点プロ
ーブ法によって得られた抵抗と温度との関係を測定にお
いても2段転移はなく超電導転移温度(Tc)は84〜
85Kの優れた特性を示した。
Cu12Oy、YBa3.0 Cu12Oy、YBa3.0 Cu13
Oyの組成からなるものを用いて成膜をおこなっても、
上記と同様にC軸長の長い異相はなく、同様に4点プロ
ーブ法によって得られた抵抗と温度との関係を測定にお
いても2段転移はなく超電導転移温度(Tc)は84〜
85Kの優れた特性を示した。
【0023】実施例3 図3に示す装置を用いて、Y−Ba−Cu−O系超電導
薄膜を形成した。ターゲットとしては、下記の組成から
なる3種のターゲットを用いた。成膜条件は以下の通り
である。
薄膜を形成した。ターゲットとしては、下記の組成から
なる3種のターゲットを用いた。成膜条件は以下の通り
である。
【0024】 ターゲット1 YBa2.9 Cu12Oy ターゲット2 YBa3.0 Cu12Oy ターゲット3 YBa3.0 Cu13Oy 基板 SrTiO3 基板温度 700℃ RF電力 ターゲット1 150W ターゲット2 150W ターゲット3 150W 雰囲気 Ar(100sccm)、O2 (30
sccm) 圧力 40mtorr 膜厚 1000Å 得られた膜に対してX線回折測定を行ったところ、C軸
長の長い異相は認められず、C軸長が11.68ÅのY
Ba2 Cu3 Oyの斜方晶のみからなるものであった。
また、4点プローブ法によって得られた抵抗と温度との
関係を測定したところ、2段転移はなく超電導転移温度
(Tc)は84Kであった。
sccm) 圧力 40mtorr 膜厚 1000Å 得られた膜に対してX線回折測定を行ったところ、C軸
長の長い異相は認められず、C軸長が11.68ÅのY
Ba2 Cu3 Oyの斜方晶のみからなるものであった。
また、4点プローブ法によって得られた抵抗と温度との
関係を測定したところ、2段転移はなく超電導転移温度
(Tc)は84Kであった。
【0025】実施例4 実施例3において用いた3種のターゲットのうち、いず
れか2つのみにより成膜した場合も異相はなく、Tc8
4Kの薄膜が得られた。
れか2つのみにより成膜した場合も異相はなく、Tc8
4Kの薄膜が得られた。
【0026】実施例5 実施例1において、複数のターゲットの組成を実施例2
において用いたターゲット組成のうちのいずれか3種を
用いて成膜を行っても異相はなく、Tc85Kの薄膜が
得られた。
において用いたターゲット組成のうちのいずれか3種を
用いて成膜を行っても異相はなく、Tc85Kの薄膜が
得られた。
【0027】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、基
板上に成膜中、同一組成のスパッタ粒子を定常的に付着
させて、付着原子の組成変動を抑制することにより、低
超電導特性の異相の析出を抑制し、液体窒素中で超電導
特性を有するR−Ba−Cu−O系(R:Y、Laある
いは希土類元素)薄膜を得ることができる。
板上に成膜中、同一組成のスパッタ粒子を定常的に付着
させて、付着原子の組成変動を抑制することにより、低
超電導特性の異相の析出を抑制し、液体窒素中で超電導
特性を有するR−Ba−Cu−O系(R:Y、Laある
いは希土類元素)薄膜を得ることができる。
【図1】本発明に基づく成膜装置の概略図である。
【図2】本発明に基づく他の成膜装置の概略図である。
【図3】従来の成膜装置の概略図である。
【図4】実施例1において成膜された薄膜のX線回折チ
ャートである。
ャートである。
【図5】実施例1において成膜された薄膜の抵抗と温度
との関係を示した図である。
との関係を示した図である。
【図6】比較例1において成膜された薄膜のX線回折チ
ャートである。
ャートである。
【図7】比較例1において成膜された薄膜の抵抗と温度
との関係を示した図である。
との関係を示した図である。
1、2、3 ターゲット 4 基板 5 基板ホルダー 6 ヒータ
Claims (2)
- 【請求項1】超電導薄膜構成元素を含む組成の異なる複
数のターゲットを設置し、各ターゲットからスパッタさ
れた粒子を所定の基板表面に同時に付着させ、結晶格子
におけるC軸長が11.67Å乃至11.77Åの結晶
からなり、実質的にC軸長が11.78Å乃至12.3
Åの結晶を含まないR−Ba−Cu−O系(R:Y、L
aあるいは希土類元素)からなる超電導薄膜を形成する
ことを特徴とする酸化物超電導薄膜の製法。 - 【請求項2】超電導薄膜構成元素を含み、且つ単独で超
電導薄膜が形成可能な組成からなるターゲットを単独あ
るいは複数設置し、該ターゲットよりスパッタされた粒
子を前記基板表面に付着させ、結晶格子におけるC軸長
が11.67Å乃至11.77Åの結晶からなり、実質
的にC軸長が11.78Å乃至12.3Åの結晶を含ま
ないR−Ba−Cu−O系(R:Y、Laあるいは希土
類元素)からなる超電導薄膜を形成することを特徴とす
る酸化物超電導薄膜の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1328893A JPH06219897A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 酸化物超電導薄膜の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1328893A JPH06219897A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 酸化物超電導薄膜の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06219897A true JPH06219897A (ja) | 1994-08-09 |
Family
ID=11829018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1328893A Pending JPH06219897A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 酸化物超電導薄膜の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06219897A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6690957B2 (en) | 2001-10-12 | 2004-02-10 | Fujitsu Limited | High temperature superconductor film, method for forming the same and superconductor element |
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1993
- 1993-01-29 JP JP1328893A patent/JPH06219897A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6690957B2 (en) | 2001-10-12 | 2004-02-10 | Fujitsu Limited | High temperature superconductor film, method for forming the same and superconductor element |
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