JP2835244B2 - 超電導デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

超電導デバイスおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物超電導体を用い
た超電導デバイスおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導体をエレクトロニクスの分野に応
用するには、それによって能動素子が構成できると共
に、信号伝達のための適当な配線を施し得る必要があ
る。この配線は、超電導素子の高速性、低消費電力性等
の特徴を生かすため、超電導体で構成されていることが
望ましい。一方、回路を構成する上では、適当な受動素
子例えば抵抗素子を組み込めることが重要である。例え
ば、超電導量子干渉計(SQUID)は、超電導線路に
よる閉ループ中に 1個あるいは 2個のジョセフソン接合
を含んで構成される電子デバイスであるが、ジョセフソ
ン接合としてSIS型の接合を用いた場合、ジョセフソ
ン接合のヒステリシス特性を解消するために、接合と並
列に有限な抵抗値をもつ金属導電体からなる抵抗素子
(シャント抵抗)を設置して用いている。
【0003】酸化物超電導体は、従来より用いられてい
るPb、Nb等の金属系超電導体に比べて、高温で超電導性
を示す材料として注目され、エレクトロニクスデバイス
への応用が期待されている。酸化物超電導体としては、
例えば YBa2 Cu3 O7-x といった組成のものが知られて
おり、一般に多元の元素からなる化合物である。このよ
うな酸化物超電導体は、その組成が適切に制御されてい
るのみならず、所定の結晶構造を有していない限り、超
電導性を発現しない。従って、酸化物超電導体を用いて
超電導素子を製作しようとする場合、構成元素の組成比
を確保すると共に、所定の結晶構造を実現させることが
重要である。
【0004】このような酸化物超電導体を用いてジョセ
フソン接合を形成し、上述したようなシャント抵抗を接
合と並列に設置するためには、接合の両端に接続部分
(コンタクトホール)を設け、このコンタクトホールを
介して酸化物超電導体と金属導電体とを接続させる必要
がある。具体的には、酸化物超電導体パターン上に適当
な絶縁層を形成し、この絶縁層の接合の両端に相当する
部分にコンタクトホールを設け、このコンタクトホール
を介して真空蒸着法等により金属導電体薄膜を被着形成
することによって、酸化物超電導体と金属導電体とを接
続している。抵抗素子等を形成する金属導電体として
は、酸化物超電導体と反応して酸化物超電導体の超電導
性を損なわないように、貴金属もしくは高融点金属を用
いるのが一般的である。
【0005】しかしながら、上記したような方法で酸化
物超電導体と金属導電体とを接続した場合には、接続部
分において酸化物超電導体と金属導電体薄膜とが十分強
固に接続せず、剥がれを生じることがあり、またその部
分におけるコンタクト抵抗や流し得る最大電流値といっ
た電気的特性が一定しないといった問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、酸化
物超電導体を用いて電子デバイスを作製する上で、酸化
物超電導体パターンと金属導電体とを電気的に接続させ
る必要が生じる。しかしながら、従来法のように酸化物
超電導体上に単に金属導電体薄膜を被着形成しただけで
は、接続部分において酸化物超電導体と金属導電体薄膜
とが往々にして強固に接続せず、またその部分の電気的
特性が一定しないという問題があった。また一方で、酸
化物超電導体の特性を十分に発揮させるためには、その
組成比と結晶構造を適正化することが重要である。
【0007】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、能動素子や配線部分等となる酸化物
超電導体の特性を十分に発揮させた上で、受動素子や常
伝導回路との接続配線等となる金属導電層と酸化物超電
導体とを強固に接続することを可能にした超電導デバイ
スおよびその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の超電導デバイス
は、化学量論的に適正な組成比を有する酸化物超電導体
層と、この酸化物超電導体層に接続された金属導電層と
を具備する超電導デバイスにおいて、前記酸化物超電導
体層の前記金属導電層との接続面近傍に、金属元素の析
出物が分散して存在していることを特徴としている。
【0009】また、本発明の超電導デバイスの製造方法
は、化学量論的に適正な組成比を有する酸化物超電導体
層の一部に、選択的に金属元素を導入する工程と、前記
酸化物超電導体層の前記金属元素が導入された部分に、
該金属元素の析出物を分散して形成する工程と、少なく
とも前記酸化物超電導体層の前記金属元素の析出物が形
成された部分に、金属導電層を被着形成する工程とを有
することを特徴としている。
【0010】
【作用】本発明の超電導デバイスにおいては、酸化物超
電導体層の金属導電層との接続面近傍に金属元素の析出
物を存在させているため、この金属元素の析出物を介し
て、酸化物超電導体層と金属導電層とを強固に接続する
ことが可能となる。また、この強固な接続により、電気
的にも安定な特性を示す接続が得られる。そして、上記
金属元素の析出物は、金属導電層との接続面近傍に限定
して形成しているため、酸化物超電導体層の能動素子や
配線等を実際に構成する部分に関しては、化学量論的に
適正な組成比が保たれ、良好な超電導特性を得ることが
できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例による超電導デ
バイスの要部構成を示す断面図である。同図において、
1は SrTiO3 単結晶体等からなる絶縁体基板であり、こ
の絶縁体基板1上には、所望形状にパターニングされた
酸化物超電導体層2、例えばYBa2 Cu3 O7-x 膜(以
下、 Y-Ba-Cu-O膜と記す)が形成されている。この酸化
物超電導体層2は、 SiO等からなる絶縁膜3により覆わ
れており、この絶縁膜3にはコンタクトホールとなる開
孔部4が設けられている。絶縁膜3上には、開孔部4を
介して酸化物超電導体層2に接続された金属導電層5が
形成されている。この金属導電層5は、例えばシャント
抵抗や常伝導回路との接続配線等となるものであり、A
u、Ag等の貴金属やMo、 W等の高融点金属からなるもの
である。
【0013】そして、上記酸化物超電導体層2の開孔部
4内に相当する部分、すなわち金属導電層5との接続面
近傍6には、図2に示すように、金属元素の析出物7が
存在している。この金属析出物7は、金属導電層5との
接続を強固にする役割を担っている。換言すれば、酸化
物超電導体層2と金属導電層5とは、上記金属析出物7
を介して強固に接続されている。また、この強固な接続
によって、電気的に安定な特性を示す接続が得られる。
上記金属析出物7となる金属元素としては、用いた酸化
物超電導体の構成金属元素、例えば Y-Ba-Cu-O膜を用い
た場合には銅、イットリウム、バリウムや、金、銀、白
金属族元素等の貴金属元素が用いられ、これらは 2種以
上の混合物として用いることも可能である。
【0014】ところで、上記酸化物超電導体層2の接続
面近傍6以外の部分8は、金属析出物を実質的に存在さ
せず、化学量論的に適正な組成比とすることが重要であ
る。すなわち、上述したような金属析出物は、酸化物超
電導体層2を構成する金属元素のいずれかを、予め化学
量論的な適性値よりも過剰に含ませることによっても形
成することができる。ただし、上記した方法では、酸化
物超電導体層2全体に金属析出物が存在することにな
る。このような内部に多量の金属析出物を含んだ酸化物
超電導体は、流すことができる臨界電流が低下する等、
化学量論的に適性な組成比で作製された場合に比べて超
電導特性が劣化したり、また磁束のトラップが生じて素
子の電気特性が不安定になるといった問題が生じる。ま
た、このような金属析出物を全体的に含む酸化物超電導
体を用いてジョセフソン接合素子等を作製した場合、リ
ーク電流が多く、素子の機能を十分に発揮できないとい
った問題も生じる。
【0015】このようなことから、上記実施例では、金
属析出物7を金属導電層5との接続面近傍6のみに限定
して存在させ、他の部分8は化学量論的に適性な組成比
を持たせることによって、実際に能動素子や配線等とし
て機能する酸化物超電導体8の超電導特性を確保してい
る。
【0016】上記したように、酸化物超電導体層2の金
属属導電層5との接続面近傍6のみに限定して金属析出
物7を形成する方法としては、以下に示すような方法が
挙げられる。図3は、本発明の一実施例による超電導デ
バイスの製造工程の要部を示す断面図である。図3を参
照して、この実施例の超電導デバイスの製造方法につい
て述べる。なお、この実施例では金属導電層として、パ
ターニングされたY-Ba-Cu-O 膜間を結ぶ金薄膜シャント
抵抗を作製した場合について説明する。
【0017】まず、適当量の酸素を含む雰囲気中で、6
00℃〜800℃に加熱されたSrTiO単結晶基板
1上に、スパッタリング法を用いて厚さ300nmのY
−Ba−Cu−O膜2を成長させた後、既知のフォトリ
ソグラフィ技術を用いて、該Y−Ba−Cu−O膜2を
パターニングすることにより、互いに分離したY−Ba
−Cu−O膜パターン2a、2bを形成した(図
a)。
【0018】次に、上記Y−Ba−Cu−O膜パターン
2a、2bを有するSrTiO単結晶基板1上に、真
空蒸着法等によりSiO絶縁膜3を全面に堆積させ、フ
ォトリソグラフィ技術を用いて絶縁膜3を選択的にエッ
チングすることにより、Y−Ba−Cu−O膜パターン
2a、2bそれぞれに対して開孔部4a、4bを形成
し、その部分のY−Ba−Cu−O膜2を露出させた。
この後、イオン注入法を適用して、1×1022/cm
程度の銅を200keVの加速電圧によりイオン注入
した(図−b)。
【0019】この状態で、開孔部4a、4bにより露出
されたY−Ba−Cu−O膜2の表面のみに、エネルギ
ービーム例えばレーザービームを短時間照射した(図
−c)。このレーザービーム照射により、照射部分のY
−Ba−Cu−O膜2の表面は、一旦溶融した後再固化
するが、再固化の過程においてイオン注入された銅が析
出し、Y−Ba−Cu−O膜2の表面を含む接続面近傍
部は、細かい銅の析出物を含んで形成された。この際、
照射するエネルギービームは、僅かにY−Ba−Cu−
O膜の表面部分にのみエネルギーを与え得るように焦点
を調節することができるため、他の部分には何等影響を
与えずに、必要な部分すなわち表面近傍のみを溶融、再
固化させて銅を析出させることができた。
【0020】この後、真空蒸着法等で全面に厚さ100
nm程度の金薄膜5を堆積させ、フォトリソグラフィ技
術を用いて金薄膜5をパターニングすることにより、Y
−Ba−Cu−O膜パターン2a、2b間を結ぶ抵抗素
子を形成した(図−d)。
【0021】上述した超電導デバイスの製造方法によれ
ば、金薄膜5との接続面となる開孔部4a、4bにより
露出されたY−Ba−Cu−O膜2の表面のみにエネル
ギービームを照射し、かつその表面近傍のみを溶融、再
固化させて注入した銅を微細に析出させているため、実
際に能動素子例えばジョセフソン接合等として機能する
部分には影響を与えることなく、接続面近傍のみに銅の
析出物を形成することができた。そして、この銅の析出
物により、Y−Ba−Cu−O膜2と金薄膜5とは銅の
析出物を介して強固に接続され、電気的にも安定な特性
を示す接続を得ることができた。なお、図(d)に示
す工程において、Y−Ba−Cu−O膜2と金薄膜5と
の電気的結合をより確実にするために、金薄膜5を形成
するに先立って、開孔部4a、4aにより露出されたY
−Ba−Cu−O膜2の表面をアルゴンスパッタリング
等によって、クリーニングしておくことが望ましい。
【0022】ところで、上述した実施例の製造工程で
は、開孔部4a、4bにより露出された Y-Ba-Cu-O膜2
の表面部分に銅をイオン注入した後、エネルギービーム
を短時間照射させることによって、その部分を溶融、再
固化させている。このような方法では、エネルギービー
ムの照射に際して、 Y-Ba-Cu-O膜2の他の部分に影響を
与えずに必要な部分のみを溶融、再固化させるために
は、 Y-Ba-Cu-O膜2の表面部分にのみエネルギーを与え
得るように焦点を調節すると共に、開孔部4a、4bに
より露出された Y-Ba-Cu-O膜2の部分にのみ照射される
よう、それぞれの開孔部4a、4bに対して照準を定め
て照射を行う必要がある。
【0023】次に、上記エネルギービームの照射に関連
する繁雑さを緩和した超電導デバイスの製造方法につい
て、図4を参照して述べる。図4は、本発明の他の実施
例による超電導デバイスの製造工程を示す図である。
【0024】まず、 SrTiO3 単結晶基板1上に、前述し
た実施例と同様にして、互いに分離した Y-Ba-Cu-O膜パ
ターン2a、2bを形成した後、真空蒸着法等により S
iO絶縁膜3を全面に堆積させた(図4−a)。
【0025】次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、
上面を金属膜11例えばアルミニウム、銀等の薄膜によ
り被覆されたフォトレジスト膜パターン12を形成し
た。次いで、このフォトレジスト膜パターン12をマス
クとして、絶縁膜3をエッチングすることにより開孔部
4a、4bを形成し、その部分の Y-Ba-Cu-O膜2をそれ
ぞれ露出させた(図4−b)。このような上面を金属膜
11で被覆されたフォトレジスト膜12は、例えば以下
のようにして形成することができる。
【0026】すなわち、フォトレジスト膜12としてポ
ジ型フォトレジストを用い、フォトレジスト膜12を全
面に塗布した後、その上に真空蒸着法等により金属膜1
1を被着させる。次いで、その上に再びフォトレジスト
(図示せず)を塗布し、露光、現像を行って、上側のフ
ォトレジストをパターニングする。この際、下側のフォ
トレジスト膜12は、金属膜11により被覆されている
ため、露光、現像の影響を受けない。次に、上側のフォ
トレジストパターンをマスクとして、金属膜11をパタ
ーニングする。この状態で、金属膜11をマスクとして
再び露光、現像を行うことにより、フォトレジスト膜1
2をパターニングする。上側のフォトレジストは、ポジ
型を用いていればこの露光現像時に同時に除去され、図
4(b)に示した状態が得られる。
【0027】この状態でイオン注入法を用いて、 1×10
22/cm2 程度の銅を200keVの加速電圧によりイオン注入
した(図4−c)後、エネルギービーム例えばレーザビ
ームの短時間照射を行って(図4−d)、開孔部4a、
4bにより露出された Y-Ba-Cu-O膜2の表面部分を溶
融、再固化させた。このイオン注入およびエネルギービ
ーム照射により、 Y-Ba-Cu-O膜2の表面は細かい銅の析
出物を含んで形成された。ここで、金属膜11が存在し
ている部分では、レーザービームが金属膜11により反
射され、その下側に位置する Y-Ba-Cu-O膜2の部分はレ
ーザービームの影響を受けないため、レーザービームを
全面に照射することができる。
【0028】次いで、アセント等により洗浄してフォト
レジスト膜12を除去すると同時に、その上の金属膜1
1をも除去することにより、絶縁膜3の開孔部4a、4
bにより露出された表面近傍のみに、細かい銅の析出物
を含んだY−Ba−Cu−O膜パターン2a、2bが得
られた。この後、前述した実施例と同様にして金薄膜5
の形成およびパターニングを行うことにより、Y−Ba
−Cu−O膜パターン2a、2b間が金薄膜5からなる
抵抗素子で結ばれた超電導デバイスを作製した(図
)。
【0029】このようにして得た超電導デバイスにおい
ても、前述した実施例と同様に、Y-Ba-Cu-O膜2と金薄
膜5とが強固に接続されていた。また、上述したような
製造方法では、銅イオン注入された Y-Ba-Cu-O膜2の部
分に対して自己整合的にレーザービーム照射がなされ、
ビーム照射を必要としない部分の Y-Ba-Cu-O膜2は金属
膜11により被覆されているため、それぞれの開孔部4
a、4bに対して照準を定めて照射を行うといった繁雑
さを避けることができる。また、照射するレーザービー
ムの径を絞り込む必要性が軽減する等、プロセス上の余
裕度が増加し、基板全面に対する一括ビーム照射による
処理が可能となる。
【0030】なお、上述した実施例において、金属膜1
1がその後の溶解処理により、Y-Ba-Cu-O膜2等に影響
を与えることなく除去されるならば、その下側のフォト
レジスト膜12の形成を省くことができる。しかし、一
般に酸化物超電導体は、酸やアルカリに対して耐性が乏
しく、容易に侵されることが知られているため、上述し
たような構造を採用することが望ましい。
【0031】また、上述した各実施例の製造方法におい
ては、酸化物超電導体表面を溶融、再固化させるための
エネルギービームとしてレーザービームを用いている
が、他のエネルギービームとして赤外線、電子線、X線
等を利用してもよい。金属析出物を形成するための手段
として、エネルギービーム照射を用いる方法は、加熱炉
による高温処理といった他の方法に比べ、処理に伴う影
響を必要のない部分に及ぼさないといった点で優れてい
る。
【0032】なお、上記各実施例においては、酸化物超
電導体として Y-Ba-Cu-O膜を用いた例について説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、 Bi-Sr-C
a-Cu-O系やその他の酸化物超電導体に対しても同様に適
用できる。また、そのような場合には、金属析出物を形
成するためにイオン注入する元素として、それぞれの構
成金属元素や貴金属元素を利用することができる。また
本発明は、上記のごとき抵抗素子といった素子機能を持
つ金属膜パターンと酸化物超電導体パターンとの間の接
続に適用されるほか、保護膜やその他の目的のために酸
化物超電導体パターン上を金属膜により被覆する必要が
ある部分、例えばボンディングパッドの作製等に関して
も適用することができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、酸
化物超電導体を用いて超電導デバイスを作製するにあた
って、化学量論的に適当な組成比を有し、優れた超電導
特性を示す酸化物超電導体で能動素子や配線等を形成す
ることができると共に、酸化物超電導体層と金属導電層
とを強固に接続することができ、電気的に安定な特性を
示す接続を得ることができる。よって、接続部および実
質的な酸化物超電導体層共に、特性に優れた超電導デバ
イスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による超電導デバイスの要部
構成を示す断面図である。
【図2】 図1に示す超電導デバイスにおける酸化物超
電導体層と金属導電層との接続を拡大して示す図であ
る。
【図3】本発明の一実施例による超電導デバイスの製造
工程を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施例による超電導デバイスの製
造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1……絶縁体基板 2……酸化物超電導体層 3……絶縁膜 4……コンタクトホールとなる開孔部 5……金属導電層 6……酸化物超電導体層の金属導電層との接続面近傍 7……金属元素の析出物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/00 H01L 39/22 - 39/24 H01B 12/06 H01B 13/00 H01L 21/3205 H01L 21/321 H01L 21/3213 H01L 21/768

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学量論的に適正な組成比を有する酸化
    物超電導体層と、この酸化物超電導体層に接続された金
    属導電層とを具備する超電導デバイスにおいて、 前記酸化物超電導体層の前記金属導電層との接続面近傍
    に、金属元素の析出物が分散して存在していることを特
    徴とする超電導デバイス。
  2. 【請求項2】 化学量論的に適正な組成比を有する酸化
    物超電導体層の一部に、選択的に金属元素を導入する工
    程と、 前記酸化物超電導体層の前記金属元素が導入された部分
    に、該金属元素の析出物を分散して形成する工程と、 少なくとも前記酸化物超電導体層の前記金属元素の析出
    物が形成された部分に、金属導電層を被着形成する工程
    とを有することを特徴とする超電導デバイスの製造方
    法。
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