JP4771256B2 - 大型セラミックス構造体、その製造方法及びセラミックス部材 - Google Patents

大型セラミックス構造体、その製造方法及びセラミックス部材 Download PDF

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本発明は、大型セラミックス構造体、その製造方法及び用途に関するものであり、更に詳しくは、液晶パネルや半導体製造に使用されるXYステージ等の高い剛性を持ち、軽量で大型、かつ高精度のセラミックス構造体、該セラミックス構造体を短納期で製造する方法及びそのセラミックス部材に関するものである。本発明は、例えば、液晶パネル等の大型化に対応するために、その製造に必要とされるステージ等として使用することを可能とする、大型で、高い比剛性率を有するセラミックス構造体及びその部材であって、製造が容易であり、欠陥部分が生じた場合の作り直しに要する費用が少なく、また、非破壊検査も容易であり、歩留りが高く、製造リスクが小さい等の特徴を有する、新規大型セラミックス構造体に関する新技術・新製品を提供するものである。
セラミックス構造体に関する先行技術として、分割した一次セラミックス体を作製し、それらを組み立て、あるいは接合して、2次成形体を作製することを骨子とする方法に関して、以下の公知例がある。
(1)一体化成形が困難な形状を有する粉末焼結体の製造時、寸法精度の悪化、適用粉末の限定、生産性の低下、及び生産コストの上昇という課題を解決するために、粉末と熱可塑性バインダーで形成するコンパウンドを用い、複数個に分割成形体を作製し、接合面にバインダー薄膜層を形成後、各分割成形体を組み立てて脱脂、焼結を行う方法が提案されている(特許文献1)。
(2)組み立てを必要としないで複合構造の焼結体を製造することができる方法として、金属粉末又はセラミックス粉末と有機バインダーとの混合物を射出成形して小ユニットを成形し、この小ユニットの表面を酸化あるいは窒化した後、金属粉末又はセラミックス粉末と有機バインダーとの混合物を前記小ユニットと連結するように射出成形し、その後、脱脂、焼結すること、あるいは別の方法として、金属又はセラミックスからなる部品の表面を酸化あるいは窒化した後、金属粉末又はセラミックス粉末と有機バインダーとの混合物を前記部品と連結するように射出成形し、その後、脱脂、焼結すること、を特徴とする方法が提案されている(特許文献2)。
(3)金属粉末成形体を接合する方法を得て、中空あるいはアンダーカットの形状を有する焼結体の作製を容易にするために、簡便に作製できる成形体を組み合わせて、中空あるいはアンダーカット等の複雑な形状の焼結体を得る際に、成形体の接合面に炭素源ないし硼素源を与えて密着させて焼結することで、焼結温度程度で成形体界面に液相を生じさせ、簡単に十分な強度で接合させる方法が提案されている(特許文献3)。
また、大型セラミックス体の製造方法としては、以下のような公知例がある。
(1)アルミナ粉末を添加混合した粘土粉末に超高温用セラミックフアイバ−短繊維を混合して型付けした後、乾燥・焼成することにより、苛酷な自然条件下での使用に適した建築用セラミック板を製造する方法が提案されている(特許文献4)。
(2)大型や複雑形状のセラミックス成形体でも、クラツクの発生が無く、変形が極めて少なく、寸法精度が良好な焼結体にすることができる方法として、セラミックス成形体の焼結方法において、焼成治具内にセラミックス粉体を入れ、セラミックス粉体を15〜70%の相対密度にタツピングして粉体ベツドを形成し、粉体ベツドの上にセラミックス成形板を配置し、セラミックス成形板上にセラミックス成形体を載置した後で焼結を行う方法が提案されている(特許文献5)。
(3)練土状の可塑性セラミック組成物を出発原料とし、この出発原料を真空押出し成形機あるいは真空土練機により、角柱状、円柱状あるいはその他の形状に押出し成形した成形体をプレス機により加圧成形することにより、内部歪みを除去し、かつ密度の均一な加圧成形体に成形する方法が提案されている(特許文献6)。
(4)可塑性のないセラミックスはい土100部と、有機質繊維及び/又は無機質繊維2〜20部とを、水で混練してスラリ−(固形分含有量;5〜25%)とし、次に、上記スラリーに、それぞれ0.1〜1%のアニオン系分散剤とカチオン系凝集剤とを添加し、撹拌した後、ウエツトマシ−ン等を用いて脱水し生成されたフロツクを積層させてウエツトマツト(グリ−ンシ−ト)を作製し、次いで、常法に従い乾燥、焼成して製品を得る大型板状セラミックスの成形方法が提案されている(特許文献7)。
(5)一対の無端ベルトコンベアを適当な空間をおいて、搬送面が地面と垂直になるように設置し、搬送面においては、原材料である硬化あるいはゲル化するバインダーを含んだセラミックススラリーを加熱する手段を有し、セラミックススラリーの供給装置と併せて、セラミックス生成形体を連続生産できる、セラミックス生成形体の製造装置が提案されている(特許文献8)。
近年の液晶パネルの大型化により、例えば、液晶テレビなどに対する大型化の要求は強まる一方である。しかし、上記公知例に記された方法では、例えば、2000mmを超えるような大型部材の製造は困難である。また、大型部材の作製方法は、鋳込み成形により、石膏型内にスラリーを注入し、吸水固化させる方法が一般的であるが、この種の方法では、サイズの大型化や比剛性率(ヤング率/密度の比)の向上といった要求に応えるには、限界がある。更に、大型部材を一体で作製する場合に、製造過程で欠陥が検出された場合、全てを作製し直すこととなり、そのコストは甚大となり、製造リスクは高い。また、大型部材に対する非破壊検査方法も確立されておらず、工程管理も困難である。
特開2002−363608号公報 特開平05−287311号公報 特開平05−320718号公報 特開昭59−184763号公報 特開平10−251073号公報 特開平08−72036号公報 特開昭60−166258号公報 特開平08−039530号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、大型で高い比剛性率を有する新しいセラミックス構造体及びその部材を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、最終構造体を分割した形状及び構造で構成されるユニット体を組み立て、焼成、一体化して製品化することで所期の目標を達成し得ることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば、液晶パネル等の大型化に対応するため、その製造に必要とされるステージ等として大型で高い比剛性率(ヤング率/密度の比)を有するセラミックス構造体及びその部材、及びそれらの製造が比較的容易で、欠陥部分が生じた場合の作り直しの要する費用が少なく、また、非破壊検査も容易である等、製造リスクの少ないセラミックス構造体及びその部材、及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)最終構造体を分割した形状で構成されるユニット体を組み立て、焼成して一体化するセラミックス構造体の製造方法であって、多孔質のユニット同士の結合部分をはめ合い構造にし、組み立て工程において、結合部分にセラミックススラリーを介在させ、多孔質中にスラリーの一部を浸透させながら前記結合部分の接合面を密着させ、これを焼結して接合面を強固に結合させるとともに一体化させることにより、上記構造体の焼結後における骨格部分をなす材料の平均ヤング率(単位はGPa)に対する、部材全体の重量を体積で割った値(見かけ密度、単位は:g/cm )の比が、200以上で、平均剛性率をかさ密度で割った値が、100以上である当該セラミック構造体を製造することを特徴とするセラミックス構造体の製造方法。
(2)上記ユニットの相互に結合する部分にテーパを形成し、該ユニットの組み立て時において、スラリー内に含まれている気泡、空隙を除去することを特徴とする前記(1)記載のセラミックス構造体の製造方法。
(3)上記ユニットが、加圧鋳込み成形、ゲルキャスト、鋳込み成形、加圧成形後の生加工のいずれかで作製されたことを特徴とする前記(1)又は(2)記載のセラミックス構造体の製造方法。
(4)上記ユニットが、成形後、粒子間同士の結合が生じる程度に焼成された仮焼体であることを特徴とする前記(1)から(3)のいずれかに記載のセラミックス構造体の製造方法。
(5)上記ユニットに、軽量化のための凹部(くぼみ)が設けられていることを特徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載のセラミックス構造体の製造方法。
(6)上記ユニット間に介在させるセラミックススラリーが、ゲル状で、固形分濃度で50%以上であることを特徴とする前記(1)記載のセラミックス構造体の製造方法。
(7)上記ユニット間に介在させるセラミックススラリーの成分が、ユニットのそれと異なり、緻密化最適温度が低いことを特徴とする前記(1)又は(6)記載のセラミックス構造体の製造方法。
(8)上記ユニット間に介在させるセラミックススラリー、ユニットの主成分が、アルミナで、前記スラリーにはTi、あるいはFeの化合物の少なくとも一方が含まれていることを特徴とする前記(1)、(6)、又は(7)記載のセラミックス構造体の製造方法。
(9)焼結時におけるスラリー部分の収縮率とユニット部分の収縮率の差が、5%以内であることを特徴とする前記(1)記載のセラミックス構造体の製造方法。
(10)上記ユニットを、2次元に配して一体化させることを特徴とする前記(1)記載のセラミックス構造体の製造方法。
(11)上記ユニットの組み立てが、焼成セッター上で行われ、組み立て後、そのまま炉内で焼成することを特徴とする前記(1)記載のセラミックス構造体の製造方法。
(12)最終構造体を分割した形状で構成されるユニット体を組み立てて、焼成、一体化してなるセラミックス構造体であって、1)多孔質のユニット同士の結合部分がはめ合い構造を有する、2)該結合部分がセラミックススラリーを介在して密着、接合されている、3)最終構造体として一体化されている、4)上記構造体の焼結後における骨格部分をなす材料の平均ヤング率(単位はGPa)に対する、部材全体の重量を体積で割った値(見かけ密度、単位は:g/cm )の比が、200以上で、平均剛性率をかさ密度で割った値が、100以上である、ことを特徴とするセラミックス構造体。
(13)上記構造体のサイズの1辺が、1000mmを超える大型部材であることを特徴とする前記(12)記載のセラミックス構造体。
14)上記構造体の各部によって骨格部の気孔率が異なることを特徴とする前記(12)記載のセラミックス構造体。
15)上記ユニットの材料が、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ジルコニア、サイアロン、ムライトのいずれかであることを特徴とする前記(12)記載のセラミックス構造体。
16)前記(12)から(15)のいずれかに記載のセラミックス構造体からなることを特徴とするセラミックス部材。
17)上記部材が、フォトレジストあるいは半導体製造プロセスに使用されるステージ、テーブル、又はガイドであることを特徴とする前記(16)記載のセラミックス部材。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、最終構造体を分割した形状で構成されるユニット体を組み立て、焼成して一体化するセラミックス部材の製造方法であって、多孔質のユニット同士の結合部分をはめ合い構造にし、組み立て工程において、結合部分にセラミックススラリーを介在させ、多孔質中にスラリーの一部を浸透させながら前記結合部分の接合面を密着させ、これを焼結して接合面を強固に結合させるとともに一体化させることを特徴とするものである。
また、本発明は、最終構造体を分割した形状で構成されるユニット体を組み立てて、焼成、一体化してなるセラミックス構造体であって、多孔質のユニット同士の結合部分がはめ合い構造を有すること、該結合部分がセラミックススラリーを介在して密着、接合されていること、及び最終構造体として一体化されていること、を特徴とするものである。
本発明では、セラミックス部材の製造において、最終構造体を分割した形状でなるユニット体(加圧鋳込み成形等で作製することが望ましい)を組み立て、焼成して一体化する方法であって、多孔質のユニット同士の結合部分をはめ合い構造にし、組み立て工程において、結合部分にセラミックススラリーを介在させ、多孔質中にスラリーの一部を浸透させながら前記結合部分の接合面を密着させて焼結し、接合面を強固に結合させるとともに一体化させる。
この場合、相互に結合する部分には、テーパを形成し、これにより、組み立て時において、ユニットの自重による下方への移動により接触面間の距離を小さくするとともにスラリー内に含まれている気泡や空隙を除去する。自重により密着性を高めるために、ユニットのはめ合い部分の形状は、V字状とすることが好ましいが、これに制限されるものではない。また、ユニット自体は小さいため、この部分について、非破壊検査も容易となり、製造リスクは軽減される。
上記ユニットは、加圧鋳込み成形、ゲルキャスト、鋳込み成形、加圧成形後の生加工のいずれかで作製されたものが好ましいが、これらに制限されるものではなく、これらと同等ないし類似の成形方法で作製されたものを適宜使用することができる。また、上記ユニットは、成形後、粒子間同士の結合が生じる程度に焼成された仮焼体であることが好ましい。この場合、仮焼体の作製は、適宜の方法及び条件で行うことができる。更に、上記ユニットには、軽量化のための凹部(くぼみ)が設けられていることが好ましい。この場合、凹部の形状及び構造は特に制限されるものではなく、任意の凹部を形成することができる。
本発明において、上記ユニット間に介在させるセラミックススラリーは、高粘性、ゲル状で、固形分濃度で50%以上であることが好ましいが、その理由は、あまり低粘度であると外部に排出され、介在されにくくなる。また、固形分濃度を50%以上とすることにより、焼結しやすく、気孔が残存しにくくすることができる。該セラミックススラリーの成分は、ユニットのそれと異なり、緻密化最適温度が低いものであることが好ましく、具体的には、アルミナ、該アルミナにTi、あるいはFeの化合物の少なくとも一方が含まれているもの、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ジルコニア、サイアロン、ムライトが例示される。
また、焼結時におけるスラリー部分の収縮率とユニット部分の収縮率の差は、5%以内であることが好ましい。それにより、隣り合うユニット及び介在させたスラリーの焼結過程で変形に伴うずれが生じにくく一体化が容易となる。本発明では、ユニットを2次元あるいは3次元に配して一体化させることで、最終構造体が作製される。この場合、上記ユニットの組み立ては、焼成セッター上で行うことが好ましく、それにより、組み立て後、そのまま炉内で焼成することが可能になる。このように、本発明では、大型部材は、成形後(焼結前)には、生強度が小さく、搬送できないため、ユニットの組み立てが、焼成セッター上で行われ、組み立て後、そのまま炉内で焼成されることが望ましい。
上記セラミックス構造体の焼結後における骨格部分をなす材料の平均ヤング率(単位はGPa)に対する、部材全体の重量を体積で割った値(見かけ密度、単位は:g/cm)の比は、200以上であることが望ましい。また、平均剛性をかさ密度で割った値は100以上であることが望ましい。上記セラミックス構造体は、例えば、フォトレジストあるいは半導体製造プロセスに使用されるステージ、テーブル、ガイド等として好適に使用することができる。また、使用状況に応じて部材各部の骨格部の気孔率を調整することも可能である。
本発明により、以下のような効果が奏される。
(1)大型で高い比剛性率を有するセラミックス構造体及びその部材を比較的容易に製造し、提供できる。
(2)本発明のセラミックス構造体は、欠陥部分が生じた場合の作り直しの要する費用が少なく、また、非破壊検査も容易であり、それにより、歩留りの高い製造プロセスを構築できる。
(3)本発明のセラミックス構造体は、液晶パネルや半導体製造に使用されるXYステージ等の高い剛性を持ち、軽量で大型、かつ高精度のセラミックス部材として有用である。
(4)本発明の方法により、上記セラミックス構造部材の短期の製造及び提供が可能となる。
(5)個々のユニットのサイズは小さいので小さな成形設備を用いて大きな部品を作ることができる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、以下に示す各種スラリーを作製した。
(1)スラリー1
原料として、アルミナ粉末(AL−160SG4)100に対して、分散剤A6114:0.75、水:20の比率で、総計1000gとなるように作製した。これらを、約16時間ボールミルを使って混合し、また、生強度を高めるために、アクリル系バインダーを1%添加した。混合終了後、十分な脱気泡処理を行った。
(2)スラリー2
スラリー1の原料において、外掛けでFeを1%配合したスラリーを作製し、更にバインダーとして寒天(増粘多糖類、ゲル化剤)を5g投入し、更に2時間混合後、脱泡した。
(3)スラリー3
スラリー1の原料において、TiOを1%配合したスラリーを作製し、更にバインダーとして寒天(増粘多糖類、ゲル化剤)を5g投入し、更に2時間混合後、脱泡した。
(4)スラリー4
平均粒径が1ミクロン程度の窒化ケイ素粉末及びアルミナ、イットリアがそれぞれ92:3:5となるように秤量し、所定量のPVA、粉末総重量に対して140wt%の水を配合し、ボールミルにより混合した。
(5)スラリー5
平均粒径が1ミクロン程度の炭化ケイ素粉末及びアルミナ、カーボンがそれぞれ92:5:3となるように秤量し、所定量のPVA、粉末総重量に対して140wt%の水を配合し、ボールミルにより混合した。
(6)スラリー6
平均粒径が1ミクロン程度の炭化硼素粉末及びアルミナ、カーボンがそれぞれ92:5:3となるように秤量し、所定量のPVA、粉末総重量に対して140wt%の水を配合し、ボールミルにより混合した。
(7)スラリー7
原料粉末としてケイ素、アルミナ、イットリア、ムライト混合粉末を(配合比82:5:2:11)を用い、所定量のPVA、粉末総重量に対して140wt%の水を配合し、ボールミルにより混合した。
(8)スラリー8
炭化ケイ素粉末50wt%、カーボン50wt%からなる混合粉末を原料としてアクリルバインダーを添加して、上記と同様のスラリーを作製した。
上記スラリー1を原料として、加圧鋳込み成形機を用いて、図1に示す成形体を作製した。これをユニットと呼ぶ。更に焼結後において、縦横がそれぞれ2500mm×1500mmとなるようにユニットを配置、連結した。このとき、ユニット間の接合面にはスラリー2(ゲル状)をあらかじめ介在させておき、組み合わせたときに自重で隣り合う2つのユニットが密着するようにした。また、組み立ては、焼成炉セッター上で行い、自然乾燥後、焼成炉内に入れ、大気中10℃/分、最高1600℃で焼結した。炉冷後、外観検査を行い、接合面も含めて一体化されていることを確認した。
これを切断し、ユニット間の界面(接合面)を観察したが、完全に一体化されており、欠陥は全く見られなかった。接合面を含むようにして得られた焼結体から、曲げ試験片を切り出し、3点曲げ強度の測定を行ったところ、平均で330メガパスカル、ワイブル係数は12と、ユニット部分と同等の値を得た。なお、同様のユニットを、鋳込み成形、加圧成形+生加工、ゲルキャスト成形でも行い、同様の結果を得た。
比較例1
原料として、アルミナ粉末(AL−160SG4)100を用い、鋳込み成形により実施例と同様の寸法の大型部材の製造を行った。製作を試みたが、成形時、大面積の型にスラリーを注入する際、各部で吸水時間が異なるために、乾燥時に亀裂が生じ、製造は困難であった。
実施例1において、介在させるスラリーをスラリー;TiO添加、に換え、同様の方法にて一体化を行い、良好な結果を得ることができた。
実施例1において、ユニットを成形後、あらかじめ1100℃で仮焼きした。寸法収縮は殆ど生じないが、粒子間の結合(ネッキング)が生じており、強度を高めることができ、ハンドリングが容易となった。また、各ユニットは、透過X線を使って、欠陥のないことを確認し、所定の基準に合わないユニットは除外した。
実施例1と同じく、スラリーを接合面に介在させ、同様の条件にて焼成、一体化を行った。仮焼体の密度を変えて試験を行ったところ、同一焼成パターンで完全な焼結体を得るには、成形体の収縮率と仮焼き体の差を5%以内にすることが必要であることが分かった。また、組み付ける状態が仮焼体であれ、成形体であれ、焼結時の変形をできるだけ抑えるために、高密度であることが望ましいことが分かった。
上記スラリー4を用いて、加圧鋳込み成形機を用いて、図2に示す成形体ユニットを作製した。更に焼結後において、縦横がそれぞれ2500mm×1500mmとなるようにユニットを連結した。このとき、ユニット間の接合面にはスラリー4(ゲル状)をあらかじめ介在させておき、組み合わせたときに自重で隣り合う2つのユニットが密着するようにした。また、組み立ては、焼成炉セッター上で行い、自然乾燥後、焼成炉内に入れ、窒素中最高1800℃で焼結した。
炉冷後、外観検査を行い、接合面も含めて一体化されていることを確認した。これを切断し、ユニット間の界面(接合面)を観察したが、完全に一体化されており、欠陥は全く見られなかった。接合面を含むようにして得られた焼結体から、曲げ試験片を切り出し、3点曲げ強度の測定を行ったところ、平均で500メガパスカル、ワイブル係数は13と、ユニット部分と同等の値を得た。
上記スラリー8を用いて、ユニットを作製し、その組み立てを行った。更に表面にケイ素粉末を配し、その状態でアルゴン雰囲気中、1450℃まで加熱して反応焼結処理を行った。本工程により、ケイ素は溶融し、炭素、炭化ケイ素で構成される成形体の隙間に毛管現象で入り込むとともに、炭素とケイ素が反応し、炭化ケイ素を形成した。一連の工程で、寸法変化はほぼ0であり、ばらつきもほとんど生じていなかった。焼成後において、見かけ上一体化した構造体を得ることができた。
スラリー5、すなわち平均粒径が1ミクロン程度の炭化ケイ素粉末及びアルミナ、カーボンがそれぞれ92:5:3となるように秤量し、所定量のPVA、粉末総重量に対して140wt%の水を配合し、ボールミルにより混合した。実施例1と同様に、成形後、スラリー5を接合面に配し、組み立てアルゴン雰囲気中で焼成を行い、一体化させた。
スラリー6、すなわち平均粒径が1ミクロン程度の炭化硼素粉末及びアルミナ、カーボンがそれぞれ92:5:3となるように秤量し、所定量のPVA、粉末総重量に対して140wt%の水を配合し、ボールミルにより混合した。実施例1と同様に成形後、スラリー6を接合面に配し、組み立てアルゴン雰囲気中で焼成を行い、一体化させた。
スラリー7、すなわち原料粉末としてケイ素、アルミナ、イットリア、ムライト混合粉末を(配合比82:5:2:11)を用い、所定量のPVA、粉末総重量に対して140wt%の水を配合し、ボールミルにより混合した。実施例1と同様に成形後、スラリー7を接合面に配し、組み立て窒素雰囲気中で焼成を行い、一体化させた。
表1に、各材料について、理論密度、ヤング率、ポアソン比をまとめた結果を示す。これらの物性とコストを勘案すると、アルミナ、窒化ケイ素が実用的である。これらの材料を使って、実施例1に示す方法で、外形は同じであるが気孔率の異なる部材を作製した。
ステージは、できるだけ軽量で、かつ高い剛性が求められる。表面のうち、高い応力が発生する中央には、気孔率が8%程度以下と比較的緻密なユニットを配し、また、リブ部と周辺の強度を必要としない部分には、気孔率が20%の低密度ユニットを配した。その結果、全体重量は、均質なブロックで構成した場合に比べて15%軽量化をはかることができた。また、使用しても特に破損等の問題は起きることはなかった。平均剛性率に対する見かけ密度、及びかさ密度の比の値をまとめた結果を図3、4に示す。
以上詳述したように、本発明は、大型セラミックス構造体、その製造方法及びセラミックス部材に係るものであり、本発明により、大型で高い比剛性率を有するセラミックス構造体及びその部材を比較的容易に製造し、提供できる。また、本発明のセラミックス構造体は、欠陥部分が生じた場合の作り直しの要する費用が少なく、また、非破壊検査も容易であり、製造リスクの少ない製造プロセスを構築できる。また、本発明のセラミックス構造体は、液晶パネルや半導体製造に使用されるXYステージ等の高い剛性を持ち、軽量で大型、かつ高精度のセラミックス部材として有用である。また、本発明は、液晶パネルや半導体製造に使用されるXYステージ等の高い剛性を持ち、軽量で大型、かつ高精度のセラミックス構造体を短納期で製造する方法を提供することを可能とする。また、ユニット自体は小さいため、この部分について非破壊検査も容易となり、製造リスクは軽減される。更に、本発明により、上記セラミックス構造部材の短期の製造及び提供が可能となる。本発明は、上記セラミックス構造体に関する新技術・新製品を提供するものとして有用である。
加圧鋳込み成形機を用いて作製したV字突起を有する成形体ユニット及び該ユニットを組み立て、一体化した部材の概観を示す。 加圧鋳込み成形機を用いて作製した逆テーパ突起を有する成形体ユニット及び該ユニットを組み立て、一体化した部材の概観を示す。 気孔率を変えて作製した部材についての密度の比(アルミナ)を示す。 気孔率を変えて作製した部材についての密度の比(窒化ケイ素)を示す。

Claims (17)

  1. 最終構造体を分割した形状で構成されるユニット体を組み立て、焼成して一体化するセラミックス構造体の製造方法であって、多孔質のユニット同士の結合部分をはめ合い構造にし、組み立て工程において、結合部分にセラミックススラリーを介在させ、多孔質中にスラリーの一部を浸透させながら前記結合部分の接合面を密着させ、これを焼結して接合面を強固に結合させるとともに一体化させることにより、上記構造体の焼結後における骨格部分をなす材料の平均ヤング率(単位はGPa)に対する、部材全体の重量を体積で割った値(見かけ密度、単位は:g/cm )の比が、200以上で、平均剛性率をかさ密度で割った値が、100以上である当該セラミック構造体を製造することを特徴とするセラミックス構造体の製造方法。
  2. 上記ユニットの相互に結合する部分にテーパを形成し、該ユニットの組み立て時において、スラリー内に含まれている気泡、空隙を除去することを特徴とする請求項1記載のセラミックス構造体の製造方法。
  3. 上記ユニットが、加圧鋳込み成形、ゲルキャスト、鋳込み成形、加圧成形後の生加工のいずれかで作製されたことを特徴とする請求項1又は2記載のセラミックス構造体の製造方法。
  4. 上記ユニットが、成形後、粒子間同士の結合が生じる程度に焼成された仮焼体であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のセラミックス構造体の製造方法。
  5. 上記ユニットに、軽量化のための凹部(くぼみ)が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のセラミックス構造体の製造方法。
  6. 上記ユニット間に介在させるセラミックススラリーが、ゲル状で、固形分濃度で50%以上であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス構造体の製造方法。
  7. 上記ユニット間に介在させるセラミックススラリーの成分が、ユニットのそれと異なり、緻密化最適温度が低いことを特徴とする請求項1又は6記載のセラミックス構造体の製造方法。
  8. 上記ユニット間に介在させるセラミックススラリー、ユニットの主成分が、アルミナで、前記スラリーにはTi、あるいはFeの化合物の少なくとも一方が含まれていることを特徴とする請求項1、6、又は7記載のセラミックス構造体の製造方法。
  9. 焼結時におけるスラリー部分の収縮率とユニット部分の収縮率の差が、5%以内であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス構造体の製造方法。
  10. 上記ユニットを、2次元に配して一体化させることを特徴とする請求項1記載のセラミックス構造体の製造方法。
  11. 上記ユニットの組み立てが、焼成セッター上で行われ、組み立て後、そのまま炉内で焼成することを特徴とする請求項1記載のセラミックス構造体の製造方法。
  12. 最終構造体を分割した形状で構成されるユニット体を組み立てて、焼成、一体化してなるセラミックス構造体であって、(1)多孔質のユニット同士の結合部分がはめ合い構造を有する、(2)該結合部分がセラミックススラリーを介在して密着、接合されている、(3)最終構造体として一体化されている、(4)上記構造体の焼結後における骨格部分をなす材料の平均ヤング率(単位はGPa)に対する、部材全体の重量を体積で割った値(見かけ密度、単位は:g/cm )の比が、200以上で、平均剛性率をかさ密度で割った値が、100以上である、ことを特徴とするセラミックス構造体。
  13. 上記構造体のサイズの1辺が、1000mmを超える大型部材であることを特徴とする請求項12記載のセラミックス構造体。
  14. 上記構造体の各部によって骨格部の気孔率が異なることを特徴とする請求項12記載のセラミックス構造体。
  15. 上記ユニットの材料が、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ジルコニア、サイアロン、ムライトのいずれかであることを特徴とする請求項12記載のセラミックス構造体。
  16. 請求項12から15のいずれかに記載のセラミックス構造体からなることを特徴とするセラミックス部材。
  17. 上記部材が、フォトレジストあるいは半導体製造プロセスに使用されるステージ、テーブル、又はガイドであることを特徴とする請求項16記載のセラミックス部材。
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