JP4029150B2 - 軽量セラミックス成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量セラミックス成形体の製造方法に関するものであり、特に、高い耐熱性を備えた大型あるいは複雑形状(「異形」も含む。以下同じ。)の軽量セラミックス成形体を製造するのに適した製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
軽量セラミックス成形体は、建材、構築材として広汎に用いられており、その製造方法としては、例えば、1.連続気孔を有する網状構造の発泡ウレタン成形体等に、セラミックス原料粉末、有機結合剤等を混合したスラリーを含浸、付着させて乾燥した後、加熱して有機物成分を焼却除去しつつ焼結させて製造する方法(特公昭56−36143号公報)、2.セラミックス原料粉末、有機結合剤等を含むスラリーにウレタン発泡材料を混合して発泡、固化させた後、加熱して有機物成分を焼却除去しつつ焼結させて製造する方法(特開昭60−195073号公報、特開平5−270939号公報)、3.セラミックス原料粉末を含む分散媒中で疎水性樹脂結合剤を界面活性剤の添加により乳化してエマルジョンと成し、これを発泡、固化させた後、加熱して有機物成分を焼却除去しつつ焼結させて製造する方法(特開平11−310482号公報)、4.焼成過程で焼滅して空隙となるプラスチックビーズ等の充填物をスラリー中に含有させ、成形乾燥後に焼成する方法(特開平11−236379号公報)等がある。
【0003】
しかし、これらの方法は多量の有機物を結合材あるいは充填材として加えているために、セラミックス粉末が焼結する以前のこれら有機物を焼却除去する過程で、発生するガスや有機物とセラミック部分の熱膨張差により、亀裂や割れが生じ易いという欠点がある。
また、軽量発泡とする場合、それを構成するセラミックスの骨格構造が細くなり、強度を欠くため、亀裂や割れに基づく影響が著しく、往々にして骨格構造までも破壊されることさえ起こる。
特に、大型の軽量セラミック成形体を製造する場合、結合の弱いセラミックス粉末からなる骨格が焼結まで全自重を支えることになるため、この欠点の影響はさらに深刻となる。
【0004】
また、単に多量の気泡を含有させて成形体の軽量化を行うと、強度の小さい成形体となり、乾燥時に収縮して亀裂が生じたり、離型の際に破壊するといった問題があり、このような問題を避けるために、有機結合剤の含有量を増加して骨格強度を上げようとすれば、上述のような有機物の燃焼に伴うガスの発生などの問題を生じ、また有機結合剤を用いずに骨格強度を上げようとすれば、必然的に個体分濃度の高いスラリーを用いなければならないために、軽量化が犠牲になるという問題があった。
このように、従来の軽量セラミックス成形体を製造する方法においては、上記欠点があるばかりでなく、かさ密度0.3g/cm3以下の軽量セラミックス成形体を得ることは非常に困難であった。
【0005】
本発明者らは、このような事情の下で、従来の製造方法の問題点を解決すべく種々研究を重ねた結果、希薄な水酸化アルミニウムゾル水溶液を結合剤として用い、これに量をコントロールして無機粉末を加えた後、発泡させ、それを乾燥、焼成するという軽量セラミックス成形体の製造方法を提案し、特願2000−305334(特開2002−114584号)として提案している。しかし、この既提案の方法では、希薄なスラリーを発泡して成形するため、高さのある成形体を得ようとすると、乾燥中にスラリーが自重で下がり骨格が不均一になるという欠点があり、また、底面積の大きな成形体の場合は、乾燥後の成形体の強度が小さいために、焼成炉への搬入時等に壊れる危険性があり、特にかさ密度を低くしようとすると、大型の焼結体を得ることが難しくなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上述のような従来の製造方法の問題点及び本発明者らによる既提案の方法の問題点を克服し、かさ密度0.3g/cm3以下、望ましくはかさ密度0.2g/cm3以下の超軽量のセラミックス成形体を得るための製造方法を提供することにある。
本発明の別の課題は、大型あるいは複雑形状の軽量セラミックス成形体を製造するのに適した製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る軽量セラミックス成形体の製造方法は、セラミックス原料粉末と水酸化アルミニウムゾル水溶液とを混合して得た水性スラリーに起泡剤を添加、撹拌することにより、発泡させて発泡スラリーを作製し、該発泡スラリーを型に充填し、乾燥後仮焼することにより仮焼成形体を作製し、該仮焼成形体の複数個を、上記発泡スラリーを用いて接合することにより、一体の成形体を作製するか、該仮焼成形体と上記発泡スラリーを組合わせて新たな型に充填し、乾燥させることにより、一体の成形体を作製し、その後、該成形体を焼成することを特徴とするものである。
【0008】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記仮焼が800〜1200℃の温度でなされ、上記焼成が1200〜1800℃の温度でなされる。
また、本発明の他の好ましい実施形態によれば、上記水性スラリーが、セラミックス原料粉末100質量部に対してアルミナ固形分換算濃度0.25〜5質量%の水酸化アルミニウムゾル水溶液50〜300質量部からなり、また、水酸化アルミニウムゾル水溶液100質量部当たり、起泡剤0.25〜5質量部が用いられる。
また、本発明の他の好ましい実施形態によれば、上記水酸化アルミニウムゾル水溶液として、アルミニウムアルコキシドを加水分解した後、解膠して得られる水溶液が用いられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る軽量セラミックス成形体の製造方法においては、先ず、セラミックス原料粉末と水酸化アルミニウムゾル水溶液とを混合して得た水性スラリーに起泡剤を添加、撹拌することにより、発泡させて発泡スラリーを作製し、該発泡スラリーを型に充填し、乾燥後仮焼することにより仮焼成形体を作製する。
【0010】
ここで原料として用いるセラミックスとしては、特に制限はなく、これまで軽量セラミックス成形体の製造に際して用いられていたセラミックスの中から適宜選んで用いることができる。このようなセラミックスとしては、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ジルコニア、ムライト等がある。
これらにセラミックス原料は、平均粒径0.2〜5.0μmの粉末として用いられる。これらの粉末の平均粒径が0.2μmより小さいと、粉末の比表面積が大きくなり、スラリーの粘度が増加して取り扱いにくくなり、平均粒径が5.0μmより大きいと、スラリーとしたときに自重により沈降分離するため、均質な成形体を得ることが困難となる。
【0011】
上記セラミックス原料粉末と水酸化アルミニウムゾル水溶液を混合して水性スラリーが作製される。
該水酸化アルミニウムゾル水溶液は、乾燥によりゲル化し、固化してセラミックス原料粉末を結合する役割を果たすと共に、焼結によりセラミックスの成分の1つであるアルミナに変化するものである。
したがって、従来方法で用いられていた有機系結合材とは異なり、セラミックス粉末が焼結する以前のこれら有機物を焼却除去する過程で、発生するガスや有機物とセラミック部分の熱膨張差により、亀裂や割れが生じ易いという問題はない。
【0012】
本発明で用いる水酸化アルミニウムゾル水溶液としては、アルミニウムアルコキシドを加水分解した後、解膠して得られる水溶液が適しており、この方法で得られた水酸化アルミニウムゾル水溶液は、乾燥によって容易に緻密で強固なゲルとなるため、他の方法で得られた水酸化アルミニウムゾル水溶液より骨格強度の高い成形体を得ることができる。
【0013】
上記水性スラリーに用いる水酸化アルミニウムゾル水溶液は、アルミナ固形分濃度をあまり高くするとスラリーの粘度が大きくなって十分な量の気泡を保持させることができなくなり、アルミナ固形分濃度をあまり低くすると、結合材としての作用が弱くなり、成形体が崩壊することになる。
したがって、気泡をできるだけ多量に保持させると共に、軽量な成形体を形成させるのに十分な強度を与えるためには、水酸化アルミニウムゾル水溶液のアルミナ固形分換算濃度を0.25〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%の範囲内になるようにして用いるのが適している。
また、かさ密度0.3g/cm3以下の軽量セラミックス成形体を得るためには、セラミックス原料粉末100質量部に対して水酸化アルミニウムゾル水溶液を50〜300質量部の範囲内で用いるのが適している。
【0014】
上記水性スラリーには起泡剤が加えられ、その後、機械的攪拌により該スラリーを発泡させて発泡スラリーを作製し、該発泡スラリーを成形型に流し込んで成形する。
該起泡剤としては、サポニン、牛乳カゼインのような天然の起泡剤でもよいが、硫酸ドデシルトリエタノールアミン、硫酸ドデシルポリオキシエチレン塩、シリコーン系起泡剤のような合成起泡剤でもよく、上記水性スラリーに添加される起泡剤は、水酸化アルミニウムゾル水溶液100質量部当たり0.25〜5質量部添加されるのが好ましい。
上記水性スラリーには、起泡剤の他に、所望に応じ焼結助剤や粒子成長助剤等を粉末あるいは水溶性の塩類等として加えることもできる。
【0015】
また、発泡スラリーを成形型に流し込む前に、成形型の内面に離型剤としての昇華性物質を塗布しておくと、該昇華性物質が消失した時点で型とゲル化した成形体との間に空隙が生じるため、成形体をその形状を保ったまま収縮、乾燥させることができる。
該昇華性物質としては、パラジクロルベンゼン、ナフタレン等が使用可能である。
【0016】
上記発泡スラリーは成形型に充填された状態で乾燥され発泡成形体となるが、乾燥に要する時間は通常1〜48時間である。
本発明者らは、このようにして作製された発泡成形体を800〜1200℃で仮焼しても、ほとんど寸法収縮を起こさないことを確かめている。
仮焼してもほとんど寸法収縮を起こさないのは、結合剤の水酸化アルミニウムが脱水され、次第に高温型のアルミナに変化して焼結して行っても、その量が少量であることと、乾燥体の骨格の大部分を占めるセラミックス粉末が収縮を防ぐ骨材として働くためである。
そして、結合剤の水酸化アルミニウムは、仮焼によってアルミナに変化して強度を増すため、仮焼後の成形体は強度が増加してその取り扱いは著しく容易になる。
【0017】
上記仮焼成形体は、目的とする大型あるいは複雑形状の成形体の分割部品となるように作製されるのが好ましく、該分割部品の大きさは発泡スラリーの自重による不均一が起こらない程度の大きさが適している。
このようにして作製された仮焼成形体の複数個を、上記発泡スラリーを用いて互いに接合することにより、一体の大型あるいは複雑形状の成形体を作製する。
また、新たな型に該仮焼成形体と上記発泡スラリーを組合わせて充填し乾燥させることにより、一体の大型あるいは複雑形状の成形体を作製する。
【0018】
新たな型に仮焼成形体と発泡スラリーを組合わせて充填し乾燥させて一体の大型あるいは複雑形状の成形体を作製する場合には、仮焼後の成形体が骨材として働き、乾燥の際の収縮を抑えることができる。
この場合、1つの仮焼成形体を新たな型内に組み込み、該型内に上記発泡スラリーを充填し乾燥させてもよいが、上記複数の仮焼成形体部材を上記発泡スラリーを用いて接合してから新たな型内に組込み、該型内に上記発泡スラリーを充填し乾燥させてもよい。
【0019】
分割部品となる仮焼成形体の複数を同じ組成を持つ発泡スラリーを用いて互いに接合したり、あるいは新たな型に該仮焼成形体と上記発泡スラリーを組合わせて充填し乾燥させて一体の大型あるいは複雑形状の成形体にすると、乾燥前の成形体と同じ泡であるので、焼結の際の収縮率は同じになり、接合面で亀裂等の欠陥を生じることは全く無い。また、接合剤としての発泡スラリーと仮焼成形体はいずれも焼結後は同じ特性のセラミックス成形体となることから、最初から一体のものとして成形されて焼結したものと同じ大型あるいは複雑形状のセラミックス成形体を得ることができる。
【0020】
通常、セラミックスを接合する場合に用いられる接合剤は、結合剤にセラミックスの粉末を懸濁させたスラリーであるが、セラミック成形体は多孔質体であるので、このような接合剤では内部に浸透してしまい、接合効果が得られない。しかし、安定に発泡させたスラリーは泡の性質上多孔質体の中に浸透して行くことが無く、乾燥するまで初期の状態を保つことができるため、有効な接合剤として作用させることができる。また、仮焼後の成形体は、同温度で何度仮焼しても収縮はしないので、この発泡スラリーを接合剤として用いる場合、乾燥、仮焼を繰り返すことによって成形体の欠損部分を補修する、あるいは、成形体に新たな型を付けて発泡スラリーを再度充填することによって別の形状の成形体とすることも可能である。
【0021】
このようにして作製された一体の大型あるいは複雑形状の成形体は、1200〜1800℃の温度で焼成される。
本発明者らの既提案の方法では、大型の成形体を得ようとする場合、急速な乾燥による表面近傍と内部との収縮の違いにともなう亀裂の生成を防ぐために、長時間をかけてゆっくり加熱乾燥する必要があるが、本発明の方法では、上記仮焼成形体が目的とする大型あるいは複雑形状の成形体の分割部品として小型に作製できるから、この乾燥時間を短縮することができ、また、該分割部品の大きさは発泡スラリーの自重による不均一が起こらない程度の大きさであるから、乾燥中にスラリーが自重で下がり骨格が不均一になるという問題がなくなる。
【0022】
また、本発明の方法では、結合剤の水酸化アルミニウムが仮焼によってアルミナに変化して強度を増し、仮焼後の成形体が強度が増加してその取り扱いが著しく容易になるから、乾燥後の成形体の強度が小さいために焼成炉への搬入時等に壊れる危険性があり大型の焼結体を得ることは難しい、というような問題はなくなる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
【0024】
[実施例1]
アルミニウムイソプロポキシド8.0gを80℃の蒸留水100mlに加え、撹拌して加水分解した。加水分解後冷却した白濁溶液に撹拌しながら希塩酸を加えてpH2に調整した後4時間撹拌を続けて解膠し、透明な水酸化アルミニウムゾル水溶液を作製した。この水溶液は、アルミナ換算で固形分2質量%の濃度を有する。この溶液に平均粒径0.2μmのアルミナ粉末100gを加え、窒化ケイ素ボールとともに20時間混合した。
混合後のスラリーに20重量%のサポニン溶液10mlを加え、家庭用の泡立機で体積が10倍以上になるまで泡立てて、メレンゲ状の泡の発泡スラリーを作製した。
この発泡スラリーを、予め内部にパラジクロルベンゼンを塗布した8cm×8cm×2cmの厚紙製の型9個に充填して乾燥後1000℃で1時間、空気中で仮焼して9個の仮焼成形体を得た。この時、仮焼による成形体の収縮はほとんど無かった。
【0025】
次に、予めパラジクロルベンゼンを塗布した25cm×25cmの厚紙上に、上記と同じ方法で作製した発泡スラリーを約2mmの厚さに敷き、この上に上記9個の仮焼成形体を互いに接する部分に発泡スラリーを1〜2mm塗布しながら3行3列になるように並べ、その後、該3行3列の仮焼成形体の外周側面に発泡スラリーを1〜2mm塗布すると共に、該発泡スラリーを塗布した外周側面を25cm×2.4cmの厚紙で覆い、該厚紙の上端部が該3行3列の仮焼成形体の上面より約2mm上方に突出するようにした。
さらに、該3行3列の仮焼成形体の全上面に約2mmの厚さで上記発泡スラリーを塗布し、その後、該塗布した面をプラスティック板で平滑にならした。
このようにして上記仮焼成形体を分割部品とする一体の大型の成形体を作製し、この成形体を乾燥後1400℃、1時間空気中で焼成してアルミナ成形体を得た。得られたアルミナ成形体は20.8cm×20.8cm×2.0cm、かさ密度は0.16g/cm3で、各成形体のつなぎ目は外観からでは全く見られなかった。
【0026】
[実施例2]
アルミニウムイソプロポキシド8.0gを80℃の蒸留水100mlに加え、撹拌して加水分解した。加水分解後冷却した白濁溶液に撹拌しながら希塩酸を加えてpH2に調整した後4時間撹拌を続けて解膠し、透明の水酸化アルミニウムゾル水溶液を作製した。この溶液に平均粒径0.2μmのアルミナ粉末100gを加え、窒化ケイ素ボールとともに20時間混合した。混合後のスラリーに20重量%のサポニン溶液10mlを加え、家庭用の泡立機で体積が10倍以上になるまで泡立てて、メレンゲ状の泡の発泡スラリーを作製した。
【0027】
この発泡スラリーを、予め内部にパラジクロルベンゼンを塗布した円盤状の型1個とリング状の型4個に充填し、上記実施例1の場合と同様に乾燥後空気中で仮焼して、直径10cm、高さ2cmの円盤状の仮焼成形体を1個と、外径10cm、内径6cm、高さ2cmのリング状の仮焼成形体を4個作製した。
該4個のリング状の仮焼成形体と1個の円盤状の仮焼成形体とを、上記発泡スラリーを用いて互いに接合させることにより、外径10cm、内径6cm、高さ10cmの坩堝状(あるいは、有底中空円筒状)の成形体を作製し、はみ出した発泡スラリーはプラスティック板を用いて平滑にならした。
この成形体を乾燥後1500℃、1時間空気中で焼成して坩堝状のアルミナ成形体を得た。
【0028】
[比較例1]
アルミニウムイソプロポキシド30.0gを80℃の蒸留水100mlに加え、撹拌して加水分解した。加水分解後冷却した白濁溶液に撹拌しながら希塩酸を加えてpH2に調整した後4時間撹拌を続けて解膠し、透明な水酸化アルミニウムゾル水溶液を作製した。この水溶液は、アルミナ換算で固形分7.5質量%の濃度を有し、かきまぜ棒を浸漬して引き上げると糸を引く程度の大きい粘性を示した。
この水溶液に平均粒径0.2μmのアルミナ粉末94.0gを加えてスラリーを作製し、該スラリーに気泡剤を加えて攪拌発泡させたが、体積は4倍程度にしかならなかった。発砲後のスラリーをあらかじめ内部にパラジクロルベンゼンを塗布した8cm×8cm×4cmの厚紙製の型に充填して乾燥、成形したが、この成形体は4辺が大きく内に向かって湾曲し、中央に大きく十字の亀裂が入っていた。
【0029】
[比較例2]
アルミニウムイソプロポキシド8.0gを80℃の蒸留水100mlに加え、撹拌して加水分解した。加水分解後冷却した白濁溶液に撹拌しながら希塩酸を加えてpH2に調整した後4時間撹拌を続けて解膠し、透明な水酸化アルミニウムゾル水溶液を作製した。この水溶液は、アルミナ換算で固形分2質量%の濃度を有する。
この溶液60mlに平均粒径0.2μmのアルミナ粉末198.5gを加え、スラリーを作製した。作製したスラリーは粘稠なもので、サポニン溶液を加え家庭用の泡立機で攪拌発泡させても約5倍程度にしか体積は増えなかった。発泡後のスラリーを成形し、焼成してアルミナ成形体を得たが、このもののかさ密度0.75g/cm3であった。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、かさ密度0.3g/cm3以下の軽量セラミックス成形体の製造方法、及び高い耐熱性を備えた大型あるいは複雑形状の軽量セラミックス成形体の製造方法を提供することができる。
Claims (6)
- セラミックス原料粉末と水酸化アルミニウムゾル水溶液とを混合して得た水性スラリーに起泡剤を添加、撹拌することにより、発泡させて発泡スラリーを作製し、
該発泡スラリーを型に充填し、乾燥後仮焼することにより仮焼成形体を作製し、
該仮焼成形体の複数個を、上記発泡スラリーを用いて接合することにより、一体の成形体を作製し、その後、該成形体を焼成する、
ことを特徴とする軽量セラミックス成形体の製造方法。 - セラミックス原料粉末と水酸化アルミニウムゾル水溶液とを混合して得た水性スラリーに起泡剤を添加、撹拌することにより、発泡させて発泡スラリーを作製し、
該発泡スラリーを型に充填し、乾燥後仮焼することにより仮焼成形体を作製し、
新たな型に該仮焼成形体と上記発泡スラリーを組合わせて充填し、乾燥させることにより、一体の成形体を作製し、その後、該成形体を焼成する、
ことを特徴とする軽量セラミックス成形体の製造方法。 - 上記仮焼は800〜1200℃の温度で行い、上記焼成は1200〜1800℃の温度で行う、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軽量セラミックス成形体の製造方法。 - 上記水性スラリーが、セラミックス原料粉末100質量部に対してアルミナ固形分換算濃度0.25〜5質量%の水酸化アルミニウムゾル水溶液50〜300質量部からなる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軽量セラミックス成形体の製造方法。 - 水酸化アルミニウムゾル水溶液100質量部当たり、起泡剤0.25〜5質量部を用いる、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の軽量セラミックス成形体の製造方法。 - 水酸化アルミニウムゾル水溶液が、アルミニウムアルコキシドを加水分解した後、解膠して得られる水溶液である、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の軽量セラミックス成形体の製造方法。
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