JP4770684B2 - 車車間通信システム - Google Patents
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Description
(イ)四輪車(主車両)が、地図情報を含む地図データベースを有するナビゲーションシステムを備えている必要がある。これは、ナビゲーションシステムを搭載していない車両同士ではシステムが成立しないからである。
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、車車間通信において、各車両が、地図データベースを有するナビゲーションシステム、交差点情報を含む地図情報を記憶する記憶装置、および車速センサを備えておらず、GPSの信号が受信できない場所でも、注意すべき車両の特定およびその車両に対する連絡を行うことを可能とすることにある。
通信制御手段が、位置検出手段によって検出された自車両の位置に関する情報である「位置情報」を他の車車間通信装置へ前記通信手段を制御して送信させる。また、注意車両特定手段が、通信手段が受信した「位置情報」、および位置検出手段によって検出された「自車両に関する位置情報」に基づいて、周囲車両のうち注意すべき車両である注意車両を特定する。この注意車両特定手段は、注意車両を複数特定可能であり、一定期間ごとに注意車両の再特定を行い、その再特定された注意車両に搭載された車車間通信装置に対して注意情報を送信した後にその注意情報に対する返信を受信している場合には、その車両を注意車両との認定から除外する。
さらに、衝突可能性判断手段が、注意車両特定手段によって特定された注意車両が自車両と衝突する可能性があるか否かを判断する。注意車両特定手段によって特定された注意車両のうちの何れかの車両が自車両と衝突する可能性があると衝突可能性判断手段によって判断された場合には、通信制御手段が、その旨を示す注意情報を、衝突可能性があると判断された注意車両が搭載する車車間通信装置へ通信手段を制御して送信させる。
また、自車両および周囲車両は常に移動しているため、自車両と周囲車両との間の距離が常に変化する。この場合、注意すべき車両と特定された車両が、一定時間後には自車両から離れることで注意車両ではなくなる可能性がある。また、注意すべき車両とは認定されていなかった車両が、自車両に接近することで注意すべき車両として認識した方がよい場合もある。本発明の車車間通信システムでは、注意車両を一定期間ごとに特定し直すため、自車両および周囲車両の移動に対応して、注意すべき車両を特定することができる。
また、本発明の車車間通信システムでは、再特定された注意車両に搭載された車車間通信装置に対して注意情報を送信した後にその注意情報に対する返信を受信している場合には、その車両を注意車両との認定から除外している。注意車両に対してはすでに警告を与え、相手もその警告を受け取っていると判断できたときには、改めて危険警告を与えることが不要である状況を示しているため、その車両に対する注意車両との認定を予め除外することができる。また、注意車両の数量を削減することにより、注意車両特定手段における計算量を削減することができる。
速度情報(Vx,Vy,Vz)={(X0,Y0,Z0)−(x1,y1,z1)}/δt…関係式(1)
このことにより、自車両と注意車両との衝突の可能性を精度良く判断することができる。
[第一実施形態]
図1は車車間通信装置1の構成を示すブロック図である。また、図2(a)は自車両と周囲車両との現在の位置関係および一定時間後の位置関係を示す説明図であり、図2(b)はZ軸情報を用いたフィルタリングを説明する説明図である。また、図3(a)は車速と停止距離との関係を示す説明図であり、図3(b)は車速と注目範囲との関係を示す説明図であり、図3(c)は注目リストAを示す説明図であり、図3(d)は注目リストBを示す説明図である。
図1に示すように、車車間通信装置1は、通信モデム10と、DGPS11と、3軸加速度センサ12と、ECU13と、ディスプレイ14と、スピーカ15と、を備えている。なお、上述の通信モデム10、DGPS11、3軸加速度センサ12、ディスプレイ14およびスピーカ15は、ECU13に接続され、互いに通信可能に構成されている。
[通信モデム10の構成の説明]
通信モデム10は、車両の周囲を走行する周囲車両に搭載された他の車車間通信装置1との間で電波を送受信する回路である。この通信モデム10は、受信する電波の波長を切り替えたり送信する電波の波長を切り替えたりする通信波長切り替え回路(図示省略)を内蔵している。また、通信モデム10は、受信した電波をパケットに変換したりECU13から送られたパケットを電波に変換したりする機能を有する。さらに、通信モデム10にはアンテナ10aが接続されている。本実施形態では、通信モデム10は、車車間通信による位置情報の送受信、警告の送受信、および衝突回避行動のための通信を行う。
[DGPS11の構成の説明]
DGPS11は、衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出する機能を有する機器である。また、DGPS11にはアンテナ11aが接続されている。DGPS11は、検出した車両の位置を示す位置情報をECU13に対して出力する機能を有する。
[3軸加速度センサ12の構成の説明]
3軸加速度センサ12は、車車間通信装置1が搭載される車両から加速度および回転加速度を取得する機能を有する構成である。また、3軸加速度センサ12は、取得した加速度および回転加速度を示す加速度情報をECU13に対して出力する機能を有する。
ECU13は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。なお、RAMは、不揮発性メモリで構成され、車速と停止距離との関係を示す表(図3(a)参照)や車速と注目範囲との関係を示す表(図3(b)参照)、注目リストA(図3(c)参照)、注目リストB(図3(d)参照)などの各種データを記憶するのに利用される。
なお、ECU13は、通信制御手段、注意車両特定手段、衝突可能性判断手段および補正手段に該当する。
ディスプレイ14は、ECU13によって再生された各種映像データを表示する機能を有する。また、スピーカ15は、ECU13によって再生された各種音声を放音する機能を有する。なお、本実施形態では、ディスプレイ14およびスピーカ15は、自車両の運転者に対して他車からの警告、危険判断状況の報告と指示を与える機能を有する。
次に、車車間通信装置1のECU13が実行する通信制御処理を、図4のフローチャートおよび図2,3,5,6を参照して説明する。なお、図4は、車車間通信装置1のECU13が実行する通信制御処理を説明する説明図である。また、図5(a)は通信制御処理を説明する説明図(1)であり、図5(b)は通信制御処理を説明する説明図(2)であり、図5(c)は通信制御処理を説明する説明図(3)であり、図5(d)は通信制御処理を説明する説明図(4)である。また、図6(a)は通信制御処理を説明する説明図(5)であり、図6(b)は通信制御処理を説明する説明図(6)である。
これは、注目リストAに登録された車両と自車両との間の距離が以前に比べて大きくなったと判断される場合であり、危険レベルが低下した車両を注目リストAから除外するためである。
速度情報(Vx,Vy,Vz)={(X0,Y0,Z0)−(x1,y1,z1)}/δt…関係式(1−1)
(2)注意車両の高度と自車両の高度との差が予め設定された設定値より大きいと判断された場合(図2(b)参照)
このような判断は、具体的には、注意車両の位置情報に含まれる高度情報と自車両の位置情報に含まれる高度情報との間の距離の値が予め設定された設定値より大きいか否かで判断される。一例を挙げると、注意車両が高架道路を走行しており、自車両が地平道路を走行している場合などである。このような判断には高度情報を用いる。なお、高度情報の具体例としては、例えばXYZ座標系におけるZ軸方向の値(Z軸情報)が挙げられる。これは、注意車両と自車両とが高度が異なる道路を走行している場合など、危険ではないと判断する車両を注目リストAから除外するためである。
これは、自車両を追尾する周囲車両については注意すべきであっても、その周囲車両が備えるセンサやその周囲車両の運転者が確実に自車両を認知して危険回避が可能であると考えられる場合にその車両を注目リストAから除外するためである。このことにより、自車両を追尾する他車は危険領域内であっても、センサや運転者が確実に自車両を認知して危険回避が可能であると判断でき、その車両に対する注意車両との認定を予め除外することができる。
これは、注意車両に対してはすでに警告を与え、その注意車両もその警告を受け取っていると判断できたときには、改めて危険警告を与えることが不要である状況を示しておりその周囲車両が備えるセンサやその周囲車両の運転者が確実に自車両を認知して危険回避が可能であると考えられ、その車両を注目リストAから除外してもよいと思われるからである。このことにより、注意車両に対してはすでに警告を与え、相手もその警告を受け取っていると判断できたとき、改めて危険警告を与えることが不要である状況を示しており、このときにその車両に対する注意車両との認定を予め除外することができる。
ここで、図5(a)に示す交差点付近での上述の通信制御処理の実行を説明する。なお、この交差点では運転者から交差する道路を走行する車両が確認しづらくなっており、信号が無いものとする。このような交差点は出会い頭の衝突事故が起きやすい環境として知られている。
(1)このように第一実施形態の車車間通信装置1によれば、車車間通信システムを構成する車車間通信装置1を用いて互いの位置情報を交換することで、すべての周辺車両の位置を知ることができる。したがって、各車車間通信装置1を搭載する車両それぞれが、地図データベースを有するナビゲーションシステム、交差点情報を含む地図情報を記憶する記憶装置、および車速センサを備えておらず、GPSの信号が受信できない場所でも、注意すべき車両の特定およびその車両に対する連絡を行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように様々な態様にて実施することが可能である。
Claims (9)
- 複数の車両にそれぞれ搭載され、互いに通信を行う複数の車車間通信装置によって構成される車車間通信システムであって、
前記各車車間通信装置は、それぞれ、
周囲に存在する周囲車両に搭載された他の車車間通信装置との間で通信を行うための通信手段と、
前記通信手段を制御して他の車車間通信装置へ各種情報を送信するとともに、前記通信手段を制御して他の車車間通信装置から送信された同種の各種情報を受信する通信制御手段と、
自車両の位置を検出する位置検出手段と、
を備え、
前記通信制御手段は、前記位置検出手段によって検出された自車両の位置に関する情報である位置情報を他の車車間通信装置へ前記通信手段を制御して送信させ、
さらに、
前記通信手段が受信した位置情報、および前記位置検出手段によって検出された自車両に関する位置情報に基づいて、周囲車両のうち注意すべき車両である注意車両を特定する注意車両特定手段と、
前記注意車両特定手段によって特定された注意車両のうち自車両と衝突する可能性があるか否かを判断する衝突可能性判断手段と、
を備え、
前記注意車両特定手段は、前記注意車両を複数特定可能であり、一定期間ごとに前記注意車両の再特定を行い、その再特定された注意車両に搭載された車車間通信装置に対して注意情報を送信した後にその注意情報に対する返信を受信している場合には、その車両を注意車両との認定から除外し、
前記通信制御手段は、前記注意車両特定手段によって特定された注意車両のうちの何れかの車両が自車両と衝突する可能性があると前記衝突可能性判断手段によって判断された場合に、その旨を示す注意情報を前記衝突可能性があると判断された注意車両が搭載する前記車車間通信装置へ前記通信手段を制御して送信させること
を特徴とする車車間通信システム。 - 請求項1に記載の車車間通信システムにおいて、
前記通信手段は、周囲車両に搭載された他の車車間通信装置へ前記位置情報を送信する際には一対多の通信モードにて前記通信を行うことを特徴とする車車間通信システム。 - 請求項2に記載の車車間通信システムにおいて、
前記通信手段は、周囲車両に搭載された他の車車間通信装置へ前記位置情報を一対多の通信モードにて送信する際には、所定間隔で前記通信を行うことを特徴とする車車間通信システム。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の車車間通信システムにおいて、
前記通信手段は、前記注意車両に搭載された他の車車間通信装置へ前記注意情報を送信する際には、一対一の通信モードにて前記通信を行うことを特徴とする車車間通信システム。 - 請求項4に記載の車車間通信システムにおいて、
前記通信制御手段は、前記注意車両特定手段によって特定された注意車両のうちの何れかの車両が自車両と衝突する可能性があると前記衝突可能性判断手段によって判断された場合に、一対一の通信モードを用いる通信処理を起動することを特徴とする車車間通信システム。 - 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の車車間通信システムにおいて、
前記衝突可能性判断手段は、前記注意車両特定手段によって特定された注意車両が一定時間後に位置すると予想される位置が前記一定時間後に自車両が位置すると予想される位置から予め設定された距離の範囲内である場合に、その注意車両が自車両と衝突する可能性があると判断することを特徴とする車車間通信システム。 - 請求項6に記載の車車間通信システムにおいて、
前記衝突可能性判断手段は、前記注意車両および自車両それぞれの現在位置を一定間隔ごとに記憶することで履歴を作成し、その作成した履歴に基づいて各車両の速度を算出し、その算出した各車両の速度に基づき、各車両が一定時間後に位置すると予想される位置を算出することを特徴とする車車間通信システム。 - 請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の車車間通信システムにおいて、
車両の加速度を検出する3軸加速度センサを備え、
自車両の位置を検出する際には、前記3軸加速度センサからの出力値を積分することによって算出した自車両の速度をさらに積分することで算出した積分値を、前記位置検出手段からの自車両の現在位置に関する情報を参照して補正し、その補正した値を、前記位置検出手段によって検出された自車両の位置とする補正手段と、
を備えることを特徴とする車車間通信システム。 - 請求項8に記載の車車間通信システムにおいて、
前記通信制御手段は、前記3軸加速度センサからの出力値を、通信手段を制御して他の車車間通信装置へ送信し、
前記注意車両特定手段は、前記通信手段が受信した出力値を積分することでその送信元の車両の速度値を算出し、その算出した速度値をさらに積分することで積分値を算出し、その算出した積分値をその車両の位置情報とし、その位置情報および前記位置検出手段によって検出された自車両に関する位置情報に基づいて、周囲車両のうち注意すべき車両である注意車両を特定すること
を特徴とする車車間通信システム。
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