JP4770049B2 - 非接触型icカードおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップを内蔵する非接触型ICカードおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報処理の効率化やセキュリティーの観点から、データの記録、処理を行う半導体素子(ICチップ)を搭載したICカードが普及しつつある。
このようなICカードは、例えば、通行券、プリペイドカード、乗車券、入場券、IDカード、遊戯カード、ポイントカード、銀行カード、クレジットカード、電話カード、搭乗券等として使用される。
【0003】
ICカードは、カードの外部端子と外部処理装置の端子とを接続してデータの送受信を行う接触方式のICカードと、電磁波でデータの送受信を行うアンテナコイルとデータ処理のための半導体素子を内蔵し、外部処理装置との間の読み書きをいわゆる無線方式で実現でき、IC回路の駆動電力が電磁誘導で供給され、バッテリを内蔵しない非接触方式のICカード(非接触型ICカード)とが開発されている。
【0004】
上記のうち非接触型ICカードは、一般に樹脂基板と、樹脂基板上に設けられた金属製アンテナコイルと、アンテナコイルに接続されたICチップとを備えている。
【0005】
非接触型ICカードに対して読み取り機側から電磁波が発せられると、アンテナコイルに誘導電圧が発生し、ICチップを作動させるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の非接触型ICカードにおいて、ICカードをラミネートにより形成する際、カードの表面が平滑にならず、ICチップまたはICモジュールを内蔵している場所の厚みが、周囲より厚くなってしまうという問題があった。
【0007】
ICチップを内蔵している場所の厚みが周囲より大きいと、ICチップの位置が特定されやすくなってしまい、セキュリティ上問題があった。
【0008】
また、カードの表面が平滑でないことから、カードを重ねた際に傾きが大きいため発券時などに搬送不良が起こりやすいという問題があった。
【0009】
さらに、カードの厚みにムラがあることにより、カード形成後の印刷が不良になる場合があり、通信特性検査で良品とされた非接触型ICカードが印刷ミスにより不良となってしまい、内部の高価なICチップが無駄になってしまうという問題があった。
【0010】
上記の問題を解決する一方法として、本出願人は、平成12年に出願した特願第2000−065445号において、アンテナコイル上にICチップを保護するバッファ層を設ける非接触型データキャリアを提供している。
【0011】
本発明は上記発明のさらなる改良案を提供するものであり、従って、本発明は、カードの表面を平滑にすることができる非接触型ICカードおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第1の保護層と、第1の接着層と、ICカード用基板と、第2の接着層と、第2の保護層とが積層された非接触型ICカードであって、
前記ICカード用基板の一方の面にアンテナが配設され、当該一方の面にICチップ搭載され、かつ、当該ICチップが前記アンテナに接続されており、
前記第1の接着層は、前記基板の他方の面と前記第1の保護層とを接着する樹脂で形成され、当該非接触型ICカードの製造時に印加される押圧により前記基板に搭載された前記ICチップの搭載位置に対応する部分に前記ICチップおよび前記基板を収容可能な開口を有し、
前記第2の接着層は、前記基板の一方の面と前記第2の保護層とを接着する樹脂で形成され、
前記ICカード用基板と前記第1の保護層と前記第2の保護層とが同じプラスチック材料で形成されており、
前記第1の接着層と前記第2の接着層の合計厚さが前記ICチップの厚さより厚く、
前記ICチップが、当該非接触型ICカードの垂直方向において、前記基板と
共に前記第1の接着層に形成された開口に収容され、前記第1の接着層の下部の前記第1の保護層と前記第2の接着層との間に配設されている、
非接触型ICカードが提供される。
【0013】
好ましくは、前記基板の一方の面側の前記第2の接着層には、前記ICチップが前記基板に搭載された位置に対応する位置に、当該非接触型ICカードの垂直方向において、前記ICチップが前記第1の接着層に形成された前記開口に収容されない前記ICチップの残りの部分を収容可能な第2の開口が形成されている。
【0014】
好ましくは、前記第1、第2の接着層は、ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂により形成されている。
また好ましくは、前記アンテナと前記ICチップとは異方性導電性フィルムを圧縮して接続されている。
【0015】
上記の本発明の非接触型ICカードによれば、ICカード用基板の少なくとも一方の面上には、ICチップを含むICカード用電子回路部品が搭載されており、ICカード用基板の他方の面上には、当該基板を挟んでICチップに対向する部分に開口を有する段差緩和層としても機能する接着層を有していることから、ICチップ搭載部分のカードの厚さを小さくすることができ、ICチップ搭載部分がICカード表面において突出することはなくなり、カードの表面を平滑にすることができる。
【0016】
また本発明によれば、第1の保護層と、第1の接着層と、ICカード用基板と、第2の接着層と、第2の保護層とが積層された非接触型ICカードを製造する方法であって、
ICカード用基板の少なくとも一方の面上にアンテナを形成し、当該アンテナにICチップを接続して当該ICカード用基板に当該ICチップを搭載する工程と、
前記基板の他方の面に、前記基板に搭載された前記ICチップに対応する部分に前記ICチップおよび前記基板を収容可能な開口を有する、樹脂接着剤で形成された第1の接着層を積層する工程と、
前記第1の接着層に第1の保護層を積層する工程と、
前記基板の一方の面に樹脂接着剤で形成された第2の接着層を積層し、当該第2の接着層にさらに第2の保護層を積層する工程と、
前記積層された第1の保護層、第1の接着層、基板、第2の接着層、第2の保護層に対して加熱とともに加圧して、前記第1の接着層および前記第2の接着層による接着により、ラミネート加工する工程と
を有し、
前記ICカード用基板と前記第1の保護層と前記第2の保護層とが同じプラスチック材料で形成されており、
前記第1の接着層と前記第2の接着層の合計厚さが前記ICチップの厚さより厚く、
前記ICチップが、当該非接触型ICカードの垂直方向において、前記基板と共に前記第1の接着層に形成された開口に収容され、前記第1の接着層の下部の前記第1の保護層と前記第2の接着層との間に配設される、
非接触型ICカードの製造方法が提供される。
【0017】
好ましくは、前記基板の一方の面側の前記第2の接着層として、前記ICチップが前記基板に搭載された位置に対応する位置に、当該非接触型ICカードの垂直方向において、前記ICチップが前記第1の接着層に形成された前記開口に収容されない前記ICチップの残りの部分を収容可能な第2の開口が形成されている、接着層を用いる。
【0018】
好ましくは、前記第1、第2の接着層は、ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂により形成されている。
また好ましくは、前記アンテナと前記ICチップとは異方性導電性フィルムを圧縮して接続されている。
【0019】
上記の本発明の非接触型ICカードの製造方法によれば、ICカード用基板の少なくとも一方の面上にICチップを含むICカード用電子回路部品を搭載し、ICカード用基板の他方の面上に、当該基板を挟んでICチップに対向する部分に開口を有する段差緩和層として機能する接着層を用いて積層してラミネートすることから、ICチップはICカード用基板とともに開口に嵌まることとなり、ICチップ搭載部分のカードの厚さを小さくすることができることから、ICチップ搭載部分がICカード表面において突出することはなくなり、カードの表面を平滑にすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の非接触型ICカードの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
第1実施形態
図1(a)は、本実施形態に係る非接触型ICカードの構成図を示すものであり、図1(b)は、図1(a)のA−A’線における断面図である。
【0022】
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態に係るICカード1は、5層のラミネート構造であり、センターシート2の両面に接着シート3,4を介してコアシート5,6が積層されている。
ICカード1の大きさは、非接触型ICカードの国際規格を満足するものであればよく、従って、例えば、縦が54mm、横が85.6mm、厚さは0.76mm±10%の範囲内であればよい。
【0023】
センターシート2は、例えばアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、非晶質ポリエステル樹脂(例えば、イーストマンコダック社製、「PET−G」など)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチック材料により構成されている。
【0024】
図2にセンターシート2の平面図を示す。
センターシート2の表面上には、配線21とブリッジ線22からなるループ状のアンテナコイル20が形成されており、アンテナコイル20に接続してICチップ11が装着され、アンテナコイル20の交差部分には、交差する配線21とブリッジ線22間を絶縁する絶縁層23が形成されている。
ICチップ11には、信号処理を行うCPUやメモリ等が内蔵されており、その厚さは、例えば300μm程度である。
【0025】
図3に図2のB−B’線における断面図を示す。
図3に示すように、ICチップ11には接続端子11a,11bが設けられており、センターシート2に形成されたアンテナコイル20の接続端子21a,21bと異方性導電フィルム24を介して、ICチップ11とアンテナコイル20は電気的に接続されている。
なお、ICチップ11は、半導体素子等を用いたIC回路とその他の電子部品を搭載した基板を、接続端子11a,11bが露出するように、樹脂モールドして構成されるICモジュールであってもよい。以下、ICチップ11には、ICモジュールの意も含むものとする。
【0026】
接着シート4には、ICチップ11の厚みによるカード表面の段差を緩和するために、ICチップ11が設けられたセンターシート2の裏面部分にICチップ用孔4aが形成されており、当該ICチップ用孔4aは、後のプレス時に接着シートが流れることを考慮して、ICチップ11の面積よりも一回り大きく形成されている。
接着シート3,4は、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を主成分としたシートにより構成され、その厚さは、カード形成後に上述した国際規格を満足するものであれば特に限定はないが、ICチップの厚さからくる段差を緩和するために例えば100μm〜200μm程度とすることができる。
【0027】
コアシート5,6は、センターシートと同様の材料を用いることができ、例えばアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、非晶質ポリエステル樹脂(例えば、イーストマンコダック社製、「PET−G」など)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチック材料により構成されている。なお、図示はしないが、コアシート5,6のカード外側になる面には、印刷が施されていてもよい。
【0028】
図示はしないが、コアシート5,6の外側にさらにオーバーシートを積層していてもよい。例えばオーバーシートとして、非晶質ポリエステル樹脂(例えば、イーストマンコダック社製、「PET−G」など)、ポリ塩化ビニル(PVC)等を用いることができる。また、非接触型ICカードが、データを磁気記録する磁気カードとしての機能も有する場合には、オーバーシートには磁気テープが転写されている。
【0029】
なお、センターシート2、接着シート3,4、コアシート5,6は、全て融着性のある同一のシートとして、例えばポリ塩化ビニルや、共重合ポリエステル等を使用してもよい。
【0030】
本実施形態に係る非接触型ICカードによれば、接着シート4には、ICチップ11の厚みによるカード表面の段差を緩和するために、ICチップ11が搭載されたセンターシート2の裏面部分にICチップ用孔4aが形成されていることから、ICチップ搭載部分のカードの厚さを小さくすることができ、ICチップ搭載部分がICカード表面において突出することはなくなり、カードの表面を平滑にすることができる。
従って、ICカードのICチップ搭載部分における厚みが周囲と均一になるため、ICチップの位置が特定されにくくなり、非接触型ICカードの信頼性を向上させることができる。
また、ICカードの厚さの面内均一性を向上することができることから、カードを重ねても傾きが少ないため、カード発券機での不良を防止することができ、非接触型ICカードの取扱性を向上させることができる。
【0031】
次に、上記の本実施形態に係る非接触型ICカードの製造方法について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0032】
まず、上述した材料から構成されるセンターシート2の表面に、例えば導電性金属として銀粒子または銀粉を含有したポリエステル樹脂をバインダー成分とする導電性ペーストを導電性インキとして使用し、スクリーン印刷により接続端子21a,21bとともに配線21を形成する。
【0033】
次に、後にブリッジ線を形成する部分に絶縁性インキをスクリーン印刷して、絶縁層23を形成する。
【0034】
次に、上述した導電性ペーストのスクリーン印刷によりブリッジ線22を形成してブリッジ線22と配線21とを接続し、当該ブリッジ線22と配線21とからなるアンテナコイル20を形成する(ステップST1)。
ここで、コイルの材料や、抵抗値、巻き数等は、ICチップ、リーダライタ、あるいは通信距離等の仕様に合わせて設定することができる。
【0035】
次に、アンテナコイル20の端部の接続端子21a,21bに、異方性導電フィルム24を転写して、ICチップ11の接続端子11a,11bが下面にくるように異方性導電フィルム24上に載置させ、上方から熱により圧着して、ICチップ11をアンテナコイル20に接続して固着させ、ICチップ11とアンテナコイル20とを電気的に接続する(ステップST2)。
【0036】
異方性導電フィルム24は、例えば導電性微粒子を接着剤に分散配合したもので、フィルム自体は絶縁性であるが、フィルムを圧縮することにより導電性微粒子相互が接触して導電性が顕在化するものである。したがって、ICチップ11とアンテナコイル20の接続端子が対向するように異方性導電フィルムを間に挟み圧力をかけることにより、接続端子相互の接続とICチップ11の接着を同時に行うことができる。また、接続端子21a,21b相互間、および接続端子11a,11b相互間は絶縁性を保つことができる。
【0037】
次に、上述した材料からなる接着シート3,4を用意し、ICチップが搭載された面の裏面に形成される接着シート4に、ICチップ11の搭載部分に対応する位置にICチップ用孔4aを形成する。ICチップ用孔4aの形成方法としては、金型を用いた打ち抜き加工、座繰り加工(NC)あるいはレーザー加工等を用いることができる。
【0038】
また、上述した材料からなるコアシート5,6を用意する。ここで、上述したように、センターシート2、接着シート3,4、コアシート5,6の材料および厚みは、ICチップの厚みにより任意に変化させることが可能であるが、ラミネート後に非接触型ICカードの国際規格を満足する必要があることから、厚さが0.76mm±10%の範囲内、すなわち、0.684mm〜0.836mmの範囲内にする必要がある。
なお、同一の材料、厚みであるとカード成形した際に反りが生じにくくなるので好ましい。
【0039】
次に、上記のセンターシート2、コアシート5,6を接着シート3,4を介して積層させ、仮貼りを行う(ステップST3)。この仮貼りの工程においては、例えば、超音波ウェルダーを使用し、積層したシートの4隅を融着することにより積層したシートがずれない様に仮留めする。
【0040】
次に、仮貼りした上記のセンターシート2、接着シート3,4およびコアシート5,6の積層体を不図示のプレス板などのプレス具により熱とともに加圧し、ラミネート加工する(ステップST4)。
なお、コアシート5,6の外側に上述した材料からなるオーバーシートをさらに積層してもよく、この場合、オーバーシートに磁気ストライプを所定の位置に設けてもよい。
【0041】
次に、上記の非接触型ICカード基材を打ち抜き刃により、位置合わせして、カードの仕上がり寸法、縦54mm×横85.6mmに打ち抜くことにより、非接触型ICカードを形成することができる(ステップST5)。
その後の工程としては、上記の非接触型ICカードの通信特性検査等を行い、良品と判断されたICカードのみに、絵柄や顔写真その他個別に必要な表示事項等をサーマルヘッドプリンタによる昇華転写印刷、昇華転写印刷と熱溶融性インキの熱転写印刷との併用、あるいはオフセット印刷やシルク印刷などにより印刷することができる。
また、その他にホログラム、エンボス等の各機能を付与してもよい。
なお、カードの印刷を、ラミネート前にコアシート等のカードの外側になる面に行ってもよい。
【0042】
上記の本実施形態に係る非接触型ICカードの製造方法によれば、ICチップ11が設けられたセンターシート2の裏面部分にICチップ用孔4aが形成されている接着シート4を積層することにより、図1(b)に示すようにラミネート加工の際にICチップ11はその下部のセンターシート2とともにICチップ用孔4aに嵌まることとなり、ICチップ11がカードの中心側に移動することができることから、ICカードにおけるICチップ11の搭載部分がICカード表面において突出することはなくなり、カードの表面を平滑にすることができる。
従って、ICカードの厚さの面内均一性の向上に伴い、印刷適正に優れたICカードを製造することができることから、ICカード形成後に、通信特性検査を行い、良品のICカードのみに対して印刷を行うことができ、印刷不良に伴うコストの無駄を低減することができる。
【0043】
第2実施形態
図5に、本実施形態に係る非接触型ICカードの構成図を示す。
図5に示す非接触型ICカード1’は、第1実施形態の構成に加えて、センターシート2のICチップ11が搭載された側に積層する接着シート3にも、ICチップ11の厚さに起因する段差を緩和するためのICチップ用孔3aを設けている。
なお、その他の部分については、第1実施形態で説明したのと同様である。
【0044】
上記の非接触型ICカード1’の製造方法については、第1実施形態において説明した製造方法に加えて、接着シート3にも予めICチップ用孔3aを例えば金型を用いた打ち抜き加工、座繰り加工(NC)あるいはレーザー加工等により形成した後、ラミネート加工することにより製造することができる。
【0045】
本実施形態に係る非接触型ICカードおよびその製造方法によれば、センターシート2のICチップ11が搭載された側に積層する接着シート3にも、ICチップ11の厚さに起因する段差を緩和するためのICチップ用孔3aを設けることにより、さらに効果的にICチップの厚みに起因する段差を緩和することができることから、厚みの大きいICチップ11を搭載する場合においても、非接触型ICカードの表面を平滑にすることができる。
これにより、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0046】
本発明の非接触型ICカードは、上記の実施形態の説明に限定されない。
例えば、本実施形態においては非接触方式のICカードについて説明しているが、接触方式のICチップ(あるいはICモジュール)をさらに有するハイブリッド方式のICカードとすることもできる。
また、アンテナコイル20の形成方法として、本実施形態では、導電性インキを用いたスクリーン印刷により形成したが、これに限られるものでなく、例えば、銅箔やアルミ箔等の金属箔をセンターシート2にラミネートしたものをエッチングによってパターニングして形成する方法や、例えばワイヤをコイル状に巻き付けたものをセンターシート2に貼付する方法、アンテナの形状に形成した金属箔を貼付する方法等の他の方法を用いることもできる。
【0047】
また、本発明のICカードとしては、矩形上の他、コイン状の媒体等が含まれ、種々の形状に適用可能である。
さらに、例えば、本実施形態では、ICチップとアンテナコイルの接続を異方性導電フィルムを介して行ったが、ワイヤボンディング、導電ペースト等による接続方法を採用することもできる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0048】
【実施例】
図6に、本実施例に係る非接触型ICカードの構成図を示す。
厚さが25μmのPETからなるセンターシート2上に、エッチングにより銅のアンテナコイル20を形成し、当該アンテナコイル上に異方性導電フィルムを介して6×4×0.28mm厚のICチップ11を重ねて、熱により圧着することによりICチップ11を搭載した。
【0049】
そして、ポリエステル樹脂を主体とした厚さが140μmの接着シート3,4を用意し、上下の接着シート3,4におけるICチップの位置と重なる位置に、6.2mm×4.2mmのICチップ用孔3a,4aを金型であけることにより形成する。
【0050】
さらに、PET−Gからなる厚さが180μmのコアシート5,6およびPET−Gからなる厚さが50μmのオーバーシート7,8を用意する。ここで、カード表側となるオーバーシート7には磁気テープを転写しておき、また、コアシート5,6には表裏の側に印刷を施しておく。
【0051】
そして上記の各シート2〜8を、ICチップ11の位置とICチップ用孔3a,4aの位置がずれないように重ねた後に仮貼りし、温度120℃、圧力20Kg/cm2 で12分間プレスラミネートを行い、圧着開放後、シートを所定のサイズに打ち抜くことによってICカードを作成した。
【0052】
上記の非接触型ICカードでは、厚みを測定すると、ICチップ11上もカードの他の位置も0.78mm±0.015mmの範囲に収まっており、カード面内における厚みのムラを非常に小さくできていることが確認できた。
そして、通信特性検査を行い、良品のカードに対して印刷を行ったところ、ICチップ周辺部で印刷の絵柄がゆがんだり、文字が読めなくなるような現象は起こらなかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、カードの表面を平滑にすることができ、信頼性と取扱性の優れたICカードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本実施形態に係る非接触型ICカードの構成図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A’線における断面図である。
【図2】図1(a)に示すセンターシートの拡大平面図である。
【図3】図2のB−B’線における断面図である。
【図4】本実施形態に係る非接触型ICカードの製造方法の製造工程を説明するためのフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係る非接触型ICカードの構成図である。
【図6】実施例における非接触型ICカードの構成図である。
【符号の説明】
1,1’…非接触型ICカード、2…センターシート、3,4…接着シート、3a,4a…ICチップ用孔、5,6…コアシート、7,8…オーバーシート、11…ICチップ、11a,11b…接続端子、20…アンテナコイル、21…配線、21a,21b…接続端子、22…ブリッジ線、23…絶縁層、24…異方性導電フィルム。
Claims (8)
- 第1の保護層と、第1の接着層と、ICカード用基板と、第2の接着層と、第2の保護層とが積層された非接触型ICカードであって、
前記ICカード用基板の一方の面にアンテナが配設され、当該一方の面にICチップ搭載され、かつ、当該ICチップが前記アンテナに接続されており、
前記第1の接着層は、前記基板の他方の面と前記第1の保護層とを接着する樹脂で形成され、当該非接触型ICカードの製造時に印加される押圧により前記基板に搭載された前記ICチップの搭載位置に対応する部分に前記ICチップおよび前記基板を収容可能な開口を有し、
前記第2の接着層は、前記基板の一方の面と前記第2の保護層とを接着する樹脂で形成され、
前記ICカード用基板と前記第1の保護層と前記第2の保護層とが同じプラスチック材料で形成されており、
前記第1の接着層と前記第2の接着層の合計厚さが前記ICチップの厚さより厚く、
前記ICチップが、当該非接触型ICカードの垂直方向において、前記基板と
共に前記第1の接着層に形成された開口に収容され、前記第1の接着層の下部の前記第1の保護層と前記第2の接着層との間に配設されている、
非接触型ICカード。 - 前記基板の一方の面側の前記第2の接着層には、前記ICチップが前記基板に搭載された位置に対応する位置に、当該非接触型ICカードの垂直方向において、前記ICチップが前記第1の接着層に形成された前記開口に収容されない前記ICチップの残りの部分を収容可能な第2の開口が形成されている、
請求項1に記載の非接触型ICカード。 - 前記第1、第2の接着層は、ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂により形成されている、
請求項1または2のいずれかに記載の非接触型ICカード。 - 前記アンテナと前記ICチップとは異方性導電性フィルムを圧縮して接続されている、
請求項1〜3いずれかに記載の非接触型ICカード。 - 第1の保護層と、第1の接着層と、ICカード用基板と、第2の接着層と、第2の保護層とが積層された非接触型ICカードを製造する方法であって、
ICカード用基板の少なくとも一方の面上にアンテナを形成し、当該アンテナにICチップを接続して当該ICカード用基板に当該ICチップを搭載する工程と、
前記基板の他方の面に、前記基板に搭載された前記ICチップに対応する部分に前記ICチップおよび前記基板を収容可能な開口を有する、樹脂接着剤で形成された第1の接着層を積層する工程と、
前記第1の接着層に第1の保護層を積層する工程と、
前記基板の一方の面に樹脂接着剤で形成された第2の接着層を積層し、当該第2の接着層にさらに第2の保護層を積層する工程と、
前記積層された第1の保護層、第1の接着層、基板、第2の接着層、第2の保護層に対して加熱とともに加圧して、前記第1の接着層および前記第2の接着層による接着により、ラミネート加工する工程と
を有し、
前記ICカード用基板と前記第1の保護層と前記第2の保護層とが同じプラスチック材料で形成されており、
前記第1の接着層と前記第2の接着層の合計厚さが前記ICチップの厚さより厚く、
前記ICチップが、当該非接触型ICカードの垂直方向において、前記基板と共に前記第1の接着層に形成された開口に収容され、前記第1の接着層の下部の前記第1の保護層と前記第2の接着層との間に配設される、
非接触型ICカードの製造方法。 - 前記基板の一方の面側の前記第2の接着層として、前記ICチップが前記基板に搭載された位置に対応する位置に、当該非接触型ICカードの垂直方向において、前記ICチップが前記第1の接着層に形成された前記開口に収容されない前記ICチップの残りの部分を収容可能な第2の開口が形成されている、接着層を用いる、
請求項5に記載の非接触型ICカードの製造方法。 - 前記第1、第2の接着層は、ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂により形成されている、
請求項5または6記載の非接触型ICカードの製造方法。 - 前記アンテナと前記ICチップとは異方性導電性フィルムを圧縮して接続されている、
請求項5〜7いずれかに記載の非接触型ICカードの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001104876A JP4770049B2 (ja) | 2001-04-03 | 2001-04-03 | 非接触型icカードおよびその製造方法 |
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