JP4766858B2 - リン酸およびリン酸以外の少なくとも1種の酸とを含む金属含有混酸水溶液からリン酸を回収する方法および装置 - Google Patents

リン酸およびリン酸以外の少なくとも1種の酸とを含む金属含有混酸水溶液からリン酸を回収する方法および装置 Download PDF

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本発明は、リン酸およびリン酸以外の少なくとも1種の酸とを含む金属含有混酸水溶液からリン酸を回収する方法および装置に関する。とくに本発明は、リン酸およびリン酸以外の少なくとも1種の酸とを含む金属含有混酸廃液からリン酸を回収する方法および装置に関する。
半導体製造工場におけるアルミニウムなどの金属のエッチング工程で使用されている酸溶液は、使用しているうちに酸の濃度が下がって能力が低下するが、一方、金属濃度は蓄積し濃くなるため、一部新液と交換することが必要となる。そこで、金属イオン(アルミニウムをエッチングする場合は主にアルミニウム)を取り除くとともに酸を高収率で回収するための処理手段の開発が望まれている。そして、このような金属含有酸廃液から金属を取り除くと同時にリン酸を高収率で回収できる処理装置や処理方法はこれまで存在していなかった。
従来、溶剤から金属系不純物を除去するには、蒸留を使用することが広く行われている。しかし、この方法では溶剤を蒸発すると金属は塔の底(以下釜という)に残るが、主成分である酸、とくに燐酸は揮発性がないので釜に金属とともに残ってしまう。
一般に溶液中に存在する成分から金属のみを除去する方法としては、以下のいくつかの方法が行われている。
(イ)イオン交換樹脂により金属をイオン交換する方法(非特許文献1)
この方法を実施するため、いろいろのイオン交換樹脂を検討したが、強酸性液中の金属イオンはイオン交換樹脂によりイオン交換することは困難であり、また樹脂の再生の効率が低いことがわかった。
(ロ)活性炭により金属を取り除く方法(非特許文献1)
この方法に用いるいろいろの活性炭について実験したところ、いずれの活性炭を用いても多量の金属を吸着することは困難であることが分かった。
(ハ)電気透析により金属を取り除く方法(非特許文献2)
イオン交換膜を用いて電気透析する方法は、金属エッチング廃液のように金属イオン濃度が非常に高いケースでは適用が困難であることが分かった。
一方、イオン交換膜を使用するもう一つの分離方法としては拡散透析がある。この方法では、濃度推進力により原料中の陰イオンおよび水素イオンはアニオン膜を透過し製品の側に移動するが、金属およびその他の陽イオンは膜を透過せずに原料の側に濃縮される。しかし、この方法では、結果的に得られる生成物は希釈されることになる。さらに、残りの透析残液の流量も多いという問題点がある。
一方、リン酸それ自体の精製方法として、晶析を利用する技術は、特許文献1に見ることができる。この方法は通常の方法により製造したリン酸をリン酸半水結晶として晶析させ、晶析した半水結晶を発汗させて結晶内外の含有不純物を除去することにより、さらにリン酸を精製する技術である。しかし、ここには金属のエッチングなどの化学処理に使用した金属含有リン酸水溶液からリン酸を再生する技術に応用するという技術思想は皆無である。
特許第3382561号公報 平成11年1月11日株式会社エヌ・ティー・エヌ発行、竹内ヨウ監修、「最新吸着技術便覧・プロセス・材料・設計」第396〜398頁、第488〜490頁 R.H.Perry and D.W.Green,"Perry’s Chemical Engineers Handbook,"McGraw−Hill(1997)
本発明の目的は、半導体製造工場などにおけるアルミニウムなどの金属エッチング工程などから発生する金属含有酸廃液のような金属含有混酸水溶液から、金属を分離するとともにリン酸を高い収率で回収する方法および装置を提供する点にある。
本発明の第1は、金属、リン酸およびリン酸以外の少なくとも1種の酸とを含む金属含有混酸水溶液からリン酸を回収する方法において、(1)前記混酸水溶液を蒸留することによりリン酸以外の酸と水を留出させ、(2)リン酸および水を含有する残液をリン酸が晶析する条件で溶融晶析させ、リン酸は固体として、金属は水溶液として、それぞれ分離することを特徴とする金属含有混酸水溶液からリン酸を回収する方法に関する。
本発明の第2は、金属、リン酸およびリン酸以外の少なくとも1種の酸とを含む金属含有混酸水溶液からのリン酸回収装置において、リン酸以外の少なくとも1種の酸と水を留出させるための混酸水溶液用蒸留塔、蒸留塔残液をリン酸用溶融晶析手段に供給する手段、およびリン酸用溶融晶析手段よりなることを特徴とする金属含有混酸水溶液からのリン酸回収装置に関する。
本発明の第3は、金属、リン酸、リン酸以外の少なくとも1種の酸および水を含む金属含有混酸廃液からリン酸を回収する方法において、(i)前記混酸廃液を蒸留することによりリン酸以外の少なくとも1種の酸と水を留出させ、(ii)リン酸および水を含有する残液をリン酸が晶析する条件で溶融晶析させ、リン酸は固体として、金属は水溶液として、それぞれ分離することを特徴とする金属含有混酸廃液からリン酸を回収する方法に関する。
本発明の第4は、金属、リン酸、リン酸以外の少なくとも1種の酸および水を含む金属含有混酸廃液からのリン酸回収装置において、リン酸以外の少なくとも1種の酸と水を留出させるための混酸廃液用蒸留塔、蒸留塔残液をリン酸用溶融晶析手段に供給する手段、およびリン酸用溶融晶析手段よりなることを特徴とする混酸廃液からのリン酸回収装置に関する。
本発明の第5は、(a)リン酸、(b)硝酸、塩酸および酢酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸、(c)水および(d)金属を含む金属含有混酸廃液から混酸を再生する方法において、(イ)前記金属含有混酸廃液を蒸留することにより、硝酸、塩酸および酢酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸および水を留出させ、一方リン酸は水とともに残液として回収する工程、(ロ)前記残液をリン酸が晶析する条件で溶融晶析させ、リン酸を固体として回収し、晶析しない金属を含有する液体部分は廃水として排出する工程、(ハ)前記(イ)の工程で得られた留出分に前記回収した固体リン酸を溶解し、得られた溶液に不足分の硝酸、塩酸および酢酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸に対応する新品の酸を加えて所望濃度の混酸とすることを特徴とする混酸廃液から混酸を再生する方法に関する。
本発明の第6は、(a)リン酸、(b)硝酸、塩酸および酢酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸、(c)水および(d)金属を含む金属含有混酸廃液からの混酸の再生装置において、(A)リン酸以外の少なくとも1種の前記酸と水を留出させるための混酸廃液用蒸留塔、(B)蒸留塔残液をリン酸用溶融晶析手段に供給する手段、(C)リン酸用溶融晶析手段、(D)前記リン酸用溶融晶析手段(C)で晶析したリン酸と前記混酸廃液用蒸留塔(A)で得られた留分とを混合溶解する手段、(E)前記(D)で得られた溶液に、不足分の前記(b)の硝酸、塩酸および酢酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸を加えて混酸の濃度を調節するための混酸濃度調整手段、よりなることを特徴とする混酸廃液からの混酸の再生装置に関する。
本発明の第7は、前記金属含有混酸廃液が、リン酸、硝酸、酢酸および水を含むアルミニウムエッチング廃液である請求項5記載の混酸廃液から混酸を再生する方法に関する。
本発明の第8は、前記金属含有混酸廃液が、リン酸、硝酸、酢酸および水を含むアルミニウムエッチング廃液である請求項6記載の混酸廃液からの混酸の再生装置に関する。
本発明で使用する蒸留塔としては、通常、充填蒸留塔を使用することができる。充填蒸留塔の使用は、イニシャルコストおよび運転上から、腐食性が高い酸含有溶液に対して適当であり、充填材や塔の材質は、耐酸性(耐食性)樹脂たとえばポリ四フッ化エチレンなどのフッ素系樹脂を使用する。
本発明で使用する配管は、酸を含有する水溶液が通るので、通常、耐酸性樹脂製たとえばポリ四フッ化エチレンなどのフッ素系樹脂製の配管を使用する。また、ポンプを使用するときはそのポンプも液と接触する部分は耐酸性樹脂製とする必要がある。
本発明で使用する金属含有混酸における金属としてはとくに制限はないが、通常金属のエッチング廃液であることが多いので、エッチングの対象となる金属であることが多い。その金属としては、例えばアルミニウム、銅、鉄、亜鉛、鉛、銀、チタン、クロム、モリブデン、ジルコニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、ホウ素、ネオジムなどを挙げることができるが、これらに限定するものではない。とくに本発明は、アルミニウム、モリブデン、銅、クロム、銀の場合に有用である。
本発明の対象となる金属含有混酸としては、リン酸を含む金属含有混酸であれば、とくに制限はない。代表的なものとしては、(a)リン酸および(b)硝酸、塩酸および酢酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸、よりなる金属含有混酸である。とくに、好ましいものとしてはリン酸、硝酸、酢酸および水よりなる金属含有混酸水溶液、例えばアルミニウムエッチング廃液である。
本発明において使用できる溶融晶析手段については、特に制限はないが、連続的な溶融晶析が可能な装置としては例えば呉羽テクノエンジ株式会社製の商品名KCPである連続溶融晶析装置(図1)を、半連続的な溶融晶析装置としてはSulzer Chemtech Ltdの薄膜半連続溶融晶析装置(図2)を、バッチ式の溶融晶析装置としてはSulzer Chemtech Ltdの静態回分溶融晶析装置(図3)を挙げることができる。これ以外にも前記Sulzer Chemtech Ltdの2004年7月現在で配布されているカタログやホームページ、および「分離技術」第33巻第2号(2003)第46〜55頁記載の装置も使用できる。
図1は前記商品名KCPの断面図である。図中のフィーダーの前工程には晶析槽と固液分離手段があり、これから得られた粗結晶がフィーダーに連続的に供給される。塔本部に供給された結晶は、低速で共に反対方向に回転している2本の特殊な羽根付の撹拌軸によりほぐされながら上方へと輸送され、その間に羽根の動きと連動して圧縮解放を繰り返し、発汗現象(結晶を温めると内包されている不純物を含む母液を吐き出す作用)などにより精製される。塔頂に達した結晶の大部分は固体として回収するが、結晶の一部分は、塔の上部に設置された融解器により融解し、還流液となって塔内を流下する。この融解液が供給された結晶と接触することにより結晶表面が洗浄され、また、融解液との接触により結晶はそれ自体の温度が上がり、結晶に発汗現象がおこって結晶中の不純物が結晶表面に出てきて除去される。不純物は塔の下部から排出する。また、前記融解液は塔下部に到達するまでに再結晶するので、製品取出口からは高純度のリン酸結晶を回収できる。
なお図1に示す連続溶融晶析装置(KCP)の前工程で用いる粗結晶化手段としては、同社の横型多段冷却晶析装置を用いることができる。
溶融晶析手段に供給される蒸留塔底部から得られる水溶液は、通常リン酸を主成分とした金属含有溶液である。晶析のために冷却するときの冷却温度はリン酸とその他の成分の多成分系における凝固点以下の温度に設定すればよい。冷却温度はできるだけ液体相のリン酸含有率を低くするため、通常10℃〜−20℃が好ましい。冷却時間、即ち晶析時間は装置特性に依存するが通常、30分〜60分が好ましい。
リン酸を溶融晶析するときの通常の晶析操作は図1の装置を用いる場合、おおむねつぎの通りである。
(1)リン酸溶融晶析器に硝酸と酢酸を除去したリン酸廃液を仕込む。
(2)晶析:0℃まで上記リン酸廃液を冷却し、リン酸結晶体が出る。
(3)結晶しない液体を真空で引き抜く。
(4)発汗:18℃まで結晶体を加熱して、結晶体に内包或いは付着している不純物を外に抜き出して、液を引き出す。
(5)水、硝酸、酢酸蒸留塔の第2留分を利用して残る結晶体を溶解し、再生リン酸製品とする。
前記「混酸濃度調整手段」は、再生した酸成分に加えて、消耗した酸成分を補充して所定の酸濃度に調整するための手段である。金属のエッチングや表面処理などに用いられる酸は、通常、リン酸−硝酸,酢酸よりなる混酸の形で使用される場合がほとんどである。このような場合には、それぞれの各酸の濃度を任意のチェック手段によりチェックし、それぞれの酸が所望の割合で、かつ所望の濃度となるようにそれぞれの酸の不足分を添加する手段を採用すればよく、そのためには好ましくは滴定分析自動濃度調整器を用いることができる。滴定分析自動濃度調整器は、溶液に含まれている酸をそれぞれ滴定方法により自動的に分析し、分析結果に基づき不足する分のそれぞれの酸を溶液に添加する装置である。本発明は、不揮発性のリン酸含有混酸とくにリン酸、硝酸、酢酸よりなる混酸を用いている場合に極めて有効である。
(1)本発明により、廃液から80重量%以上、好ましくは85重量%以上、とくに好ましくは90重量%以上の回収率でリン酸を回収することができる。
(2)本発明により、廃液1000gから系外に排出される蒸気や水溶液の量は合計で200〜300gであり、廃液中のリン酸は70〜90%、好ましくは80〜90%が回収できる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何等限定されるものではない。
実施例1(図4参照)
液晶生産工程においてバージン混酸(混酸の組成:水22.0wt%、酢酸3.4±0.5wt%、硝酸9.6±0.4wt%、リン酸65±1.5wt%)0.1kgを用い、この洗浄に水0.11kgを使用した。この工程中に酢酸0.011kg、硝酸0.008kg、水0.001kgが蒸発していた。この工程において排出される廃液は1.00kgであり、その組成は下記のとおりであった。
水 30wt%
酢酸 2wt%
硝酸 8wt%
リン酸 60wt%
Al 300ppm
Mo 300ppm
前記廃液を蒸留塔に導入して蒸留を行った。はじめに留出した留分(第一留分)0.10kgは排出、除去した。この排出分の組成は水95wt%、硝酸5wt%であった。その後の留分(第二留分)はすべて再利用のために回収した。この第二留分は0.22kgであった。この再利用する第二留分の組成は下記のとおりであった。
水 57wt%
酢酸 7wt%
硝酸 36wt%
蒸留塔の底部から回収した水溶液0.68kgは、水12wt%、リン酸88wt%、Al476ppm、Mo476ppmを含有していた。この回収液は、リン酸を晶析させるための溶融晶析器(図1に示す)に導入して、リン酸の溶融晶析を行い、半水リン酸0.58kgを固体として回収した。回収固体はリン酸91wt%、水9wt%、Al100ppb、Mo100ppbよりなるものであった。また、溶融晶析器から排出された廃液は0.1kgであり、廃液の組成は水30wt%、リン酸70wt%、Al2999ppm、Mo2999ppmであった。
溶融晶析器で回収したリン酸0.58kgは蒸留塔から得られた再利用のための第二留分0.22kgに溶解し、回収混酸0.80kgを得た。この回収混酸の組成は下記のとおりであった。
水 21.9wt%
酢酸 2.0wt%
硝酸 9.8wt%
リン酸 66.3wt%
Al 73ppb
Mo 73ppb
この回収混酸を混酸濃度調整装置に送り、バージン酢酸とバージン硝酸を必要量添加し、再生混酸0.81〜0.82kgを得た。再生混酸の組成は下記のとおりであった。
水 22.0wt%
酢酸 3.4±0.5wt%
硝酸 9.6±0.4wt%
リン酸 65±1.5wt%
Al 100ppb
Mo 100ppb
この結果、リン酸回収率は
(530÷600)×100=88.3wt%
水の回収率は
(175.2÷300)×100=58.4wt%
酢酸回収率は
(16÷20)×100=80wt%
硝酸回収率は
(78.4÷80)×100=98wt%
であった。
連続溶融晶析装置の1例を示す断面概略図である。 薄膜半連続溶融晶析装置の1例を示す斜視図である。 静態回分溶融晶析装置の1例を示す斜視図である。 実施例1のフローシートを示す。

Claims (8)

  1. 金属、リン酸およびリン酸以外の少なくとも1種の酸とを含む金属含有混酸水溶液からリン酸を回収する方法において、(1)前記混酸水溶液を蒸留することによりリン酸以外の酸と水を留出させ、(2)リン酸および水を含有する残液をリン酸が晶析する条件で溶融晶析させ、リン酸は固体として、金属は水溶液として、それぞれ分離することを特徴とする金属含有混酸水溶液からリン酸を回収する方法。
  2. 金属、リン酸およびリン酸以外の少なくとも1種の酸とを含む金属含有混酸水溶液からのリン酸回収装置において、リン酸以外の少なくとも1種の酸と水を留出させるための混酸水溶液用蒸留塔、蒸留塔残液をリン酸用溶融晶析手段に供給する手段、およびリン酸用溶融晶析手段よりなることを特徴とする金属含有混酸水溶液からのリン酸回収装置。
  3. 金属、リン酸、リン酸以外の少なくとも1種の酸および水を含む金属含有混酸廃液からリン酸を回収する方法において、(i)前記混酸廃液を蒸留することによりリン酸以外の少なくとも1種の酸と水を留出させ、(ii)リン酸および水を含有する残液をリン酸が晶析する条件で溶融晶析させ、リン酸は固体として、金属は水溶液として、それぞれ分離することを特徴とする金属含有混酸廃液からリン酸を回収する方法。
  4. 金属、リン酸、リン酸以外の少なくとも1種の酸および水を含む金属含有混酸廃液からのリン酸回収装置において、リン酸以外の少なくとも1種の酸と水を留出させるための混酸廃液用蒸留塔、蒸留塔残液をリン酸用溶融晶析手段に供給する手段、およびリン酸用溶融晶析手段よりなることを特徴とする混酸廃液からのリン酸回収装置。
  5. (a)リン酸、(b)硝酸、塩酸および酢酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸、(c)水および(d)金属を含む金属含有混酸廃液から混酸を再生する方法において、(イ)前記金属含有混酸廃液を蒸留することにより、硝酸、塩酸および酢酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸および水を留出させ、一方リン酸は水とともに残液として回収する工程、(ロ)前記残液をリン酸が晶析する条件で溶融晶析させ、リン酸を固体として回収し、晶析しない金属を含有する液体部分は廃水として排出する工程、(ハ)前記(イ)の工程で得られた留出分に前記回収した固体リン酸を溶解し、得られた溶液に不足分の硝酸、塩酸および酢酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸に対応する新品の酸を加えて所望濃度の混酸とすることを特徴とする混酸廃液から混酸を再生する方法。
  6. (a)リン酸、(b)硝酸、塩酸および酢酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸、(c)水および(d)金属を含む金属含有混酸廃液からの混酸の再生装置において、(A)リン酸以外の少なくとも1種の前記酸と水を留出させるための混酸廃液用蒸留塔、(B)蒸留塔残液をリン酸用溶融晶析手段に供給する手段、(C)リン酸用溶融晶析手段、(D)前記リン酸用溶融晶析手段(C)で晶析したリン酸と前記混酸廃液用蒸留塔(A)で得られた留分とを混合溶解する手段、(E)前記(D)で得られた溶液に、不足分の前記(b)の硝酸、塩酸および酢酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸を加えて混酸の濃度を調節するための混酸濃度調整手段、よりなることを特徴とする混酸廃液からの混酸の再生装置。
  7. 前記金属含有混酸廃液が、リン酸、硝酸、酢酸および水を含むアルミニウムエッチング廃液である請求項5記載の混酸廃液から混酸を再生する方法。
  8. 前記金属含有混酸廃液が、リン酸、硝酸、酢酸および水を含むアルミニウムエッチング廃液である請求項6記載の混酸廃液からの混酸の再生装置。
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