JP4766851B2 - 形状測定機および形状測定方法 - Google Patents

形状測定機および形状測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、接触式プローブを有する形状測定機および形状測定方法に関するものである。
近年、カメラ、顕微鏡等の様々な光学機器が提供されており、それに応じて、種々の大きさ・形状のレンズが求められているとともに、レンズの精度も高精度のものが要求されてきている。したがって、これらレンズを使用するに際して、あらかじめ、その表面形状をより正確に測定し、評価しておく必要がある。
従来、これらレンズの表面形状を測定する装置として、以下のような接触式の形状測定機が知られている。
すなわち、接触式プローブをレンズ表面に接触させた状態で、プローブとレンズとを相対的に移動させ、この移動の間におけるプローブの軸方向の変位量を求めることによって、レンズの表面形状を測定するものである(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、これらの接触式形状測定機では、プローブをワークに接触させて測定するため、プローブ先端の加工精度が測定結果に大きく影響を与える。なぜなら、プローブ先端の形状誤差が、測定結果に含まれてしまうためである。
この誤差を抑えるには、極めて高い精度の真球度となるように加工された先端を有するプローブが必要となるが、加工機の加工精度には限界があり、加工機によって達成される真球度精度レベルでは、近年の部品の高精度化要求を満たすことはできない。一方、この誤差を抑えるため、真球度の極めて高い、高精度に仕上げられた基準球にプローブを接触、走査させて、その表面形状を測定することにより、プローブ先端の形状誤差データをあらかじめ取得しておき、そのデータを用いてワークの測定結果に含まれるプローブ形状誤差を分離除去する補正処理が提案されている。
特開2002−357415号公報
しかしながら、上記のような補正をするものでは、実際の基準球にもわずかながら形状誤差が含まれているにもかかわらず、その形状誤差がゼロ、すなわち真球であるとの前提にたっている。そのため、実際には基準球の面精度内でしかプローブ先端形状誤差データは得られず、換言すれば、この誤差データそのものに誤差が含まれているため高精度な測定を行うことができない。さらに、基準球形状にウネリやクセがある場合には、基準球ごとに測定結果が異なるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、基準球を用いることなく、また仮に基準球を用いたとしてもその形状誤差に何ら影響されずに、より高精度にワークの形状を測定することができる形状測定機および形状測定方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、球面形状を有するプローブを球面形状または軸上に面頂を有する軸対称非球面形状を有するワークに接触させて、ワークの表面形状を測定する形状測定機であって、前記ワークおよび前記プローブを交換可能に支持するワーク支持手段と、前記プローブを交換可能に支持するとともに前記プローブを前記ワーク支持手段に支持された前記ワークまたは前記プローブの面頂に向かう軸線方向および該軸線方向に直交する一方向に移動可能に支持するプローブ支持手段と、前記プローブ支持手段に第1のプローブを装着し、前記第1のプローブによって前記ワーク支持手段に支持された前記ワークの表面を移動して、前記ワークの面頂を通る表面形状を測定して得られる第1の測定結果と、前記プローブ支持手段に第2のプローブを装着し、前記第2のプローブによって前記ワーク支持手段に支持された前記ワークの表面を移動して、前記ワークの面頂を通る表面形状を測定して得られる第2の測定結果と、前記プローブ支持手段に前記第のプローブを装着するとともに前記ワーク支持手段に前記第のプローブを装着して前記第2のプローブによって前記第1のプローブの表面を移動して、前記第1のプローブの面頂を通る表面形状を測定して得られる第3の測定結果とにより、前記ワークの表面形状を演算する演算手段と、を備えることを特徴とする。
この発明に係る形状測定機によれば、プローブ支持手段に第1のプローブを装着し、この第1のプローブをワーク支持手段に支持されたワークに接触させることにより、ワークの表面形状についての第1の測定結果が得られる。また、前記プローブ支持手段に第2のプローブを装着することにより、上記と同様にして、前記ワークの表面形状についての第2の測定結果が得られる。さらに、第1のプローブに第2のプローブを接触させることにより、上記と同様にして、第1のプローブの表面形状についての第3の測定結果が得られる。これら第1、第2および第3の測定結果に基づいて、演算手段により、前記第1のプローブおよび第2のプローブの形状誤差の除かれた前記ワークの形状を表す真の値が算出される。
これにより、高精度にワークの表面を測定することが可能となる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の形状測定機において、前記第1のプローブおよび第2のプローブを前記プローブ支持手段に装着するときの相互の相対回転位置を決める回転位置決め手段を備えることを特徴とする。
プローブをワークに接触させてワークの表面形状を測定する、いわゆる接触プローブ型の形状測定機においては、プローブは先端が突出した状態でプローブ支持手段に支持され、ワークに接触、走査されることで、ワークの表面形状が測定される。このとき、プローブ表面のワークへの接触点は、走査に応じて連続的に移動させられ、プローブ表面上に一定の軌跡が描かれる。ワークの表面形状を精度よく求めるためには、この軌跡が常にプローブ表面上の同じ場所に描かれることが要求される。このことは、特にプローブの先端形状誤差データを、ワークの表面形状を演算するための補正データとして用いる場合に強く要請される。
この発明に係る形状測定機によれば、プローブ支持手段に第1および第2のプローブを装着するときの相対回転位置を、回転位置決め手段により、常に所定の位置に位置決めすることによって、第1および第2のプローブのワークへの接触点の軌跡が常に両プローブ表面上の同じ場所に描かれる。これにより、第1または第2のプローブを一旦取り外して再度取り付けた等の場合にも、プローブ支持手段に対して同じ姿勢で取り付けることができるため、第1および第2のプローブの接触点における形状誤差が常に一定となり、ワークの表面形状をより高精度に測定することが可能になる。
請求項3に係る発明は、球面形状を有するプローブを球面形状または軸上に面頂を有する軸対称非球面形状を有するワークに接触させて、ワークの表面形状を測定する形状測定方法であって、前記ワークおよび前記プローブを交換可能に支持するワーク支持手段に第1のワークを装着し、前記プローブを交換可能に支持するとともに前記プローブを前記ワーク支持手段に支持された前記ワークまたは前記プローブの面頂に向かう軸線方向および該軸線方向に直交する一方向に移動可能に支持するプローブ支持手段に第1のプローブを装着して、前記第1のプローブによって前記ワーク支持手段に支持された前記第1のワークの表面を移動して、前記ワークの面頂を通る表面形状を測定する第1の測定工程と、前記プローブ支持手段に第2のプローブを装着し、前記第2のプローブによって前記ワーク支持手段に支持された前記第1のワークの表面を移動して、前記第1のワークの面頂を通る表面形状を測定する第2の測定工程と、前記プローブ支持手段に前記第2のプローブを装着するとともに前記ワーク支持手段に前記第1のプローブを装着して、前記第2のプローブによって前記ワーク支持手段に支持された前記第1のワークの表面を移動して、前記第1のワークの面頂を通る表面形状を測定する第3の測定工程と、これら第1、第2および第3の測定工程による測定結果から、前記第1のワーク、第1のプローブおよび第2のプローブの少なくとも一つの真の表面形状の近似値を演算する演算工程と、を備えることを特徴とする。
この発明に係る形状測定方法によれば、第1の測定工程により、第1のプローブを用いて第1のワークの表面形状が測定され、第2の測定工程により、第2のプローブを用いて第1のワークの表面形状が測定される。さらに、第3の測定工程により、前記第2のプローブを用いて、前記第1のプローブの表面形状が測定される。そして、演算工程により、これら第1、第2および第3の測定工程の測定結果に基づいて、第1のワーク、第1のプローブおよび第2のプローブの少なくとも一つの真の表面形状の近似値が算出される。これにより、ワークの測定を高精度に行うことが可能となる。
なお、ここで真の表面形状の近似値とは、測定や演算のもとになる設計形状よりも真の表面形状に近い値をいう。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の形状測定方法において、前記第1の測定工程においては、前記第1のプローブを前記第1のワークに接触、走査させたときの前記第1のワークの測定結果を、その接触点における前記第1のプローブの接触角θ1に関する関数W(θ1)として求め、前記第2の測定工程においては、前記第2のプローブを前記第1のワークに接触、走査させたときの前記第1のワークの測定結果を、その接触点における前記第2のプローブの接触角θに関する関数W(θ)として求め、前記第3の測定工程においては、前記第2のプローブを前記第1のプローブに接触、走査させたときの前記第1のプローブの測定結果を、その接触点における前記第2のプローブの接触角θに関する関数P(θ)として求め、前記演算工程において、前記関数W(θ1)、関数W(θ)および関数P(θ)より、前記第1のワーク、第1のプローブおよび第2のプローブの少なくとも一つの真の表面形状の近似値を演算することを特徴とする。
この発明に係る形状測定方法によれば、第1のプローブを第1のワークに接触、走査させると、その接触点における第1のプローブの接触角θ1が設定される。そしてこのときの第1のワークの測定結果がθ1に関する関数W(θ1)として求められる。次いで、第2のプローブを第1のワークに接触、走査させると、その接触点における第2のプローブの接触角θ2が設定され、そのときの第1のワークの測定結果がθに関する関数W(θ)として求められる。さらに、第2のプローブを第1のプローブに接触、走査させると、その接触点における第2のプローブの接触角θ3が設定され、そのときの第1のプローブの測定結果がθに関する関数P(θ)として求められる。なお、ここで接触角とは、プローブ先端の曲面部とワークとの接触点における接線に直交する線(法線)と、プローブ軸に平行な線とのなす角をいい、接触角θ1、θおよびθ3については、図12(a)(b)および(c)に図示する。
そして、関数W(θ1)、関数W(θ)および関数P(θ)を演算することにより、第1のワーク、第1のプローブおよび第2のプローブの少なくとも一つの真の表面形状の近似値を算出することができる。一例として、(W(θ1)+W(θ)−P(θ))/2なる演算を行うことにより、第1のワークの真の表面形状の近似値が求められる。
これにより、第1、第2のプローブが有する形状誤差分が第1のワークの測定結果から取り除かれ、第1のワークをより高精度に測定することが可能となる。
請求項5に係る発明は、請求項3または4に記載の形状測定方法において、前記演算工程により前記第1、第2および第3の測定工程による測定結果から前記第1のプローブの真の表面形状の近似値を求め、前記プローブ支持手段に前記第1のプローブを装着し、前記ワーク支持手段に支持された第2のワークの表面形状を測定し、この測定結果と前記第1のプローブの真の表面形状の近似値より、前記第2のワークの真の表面形状の近似値を算出する、ことを特徴とする。
この発明に係る形状測定方法によれば、関数W(θ1)、関数W(θ)および関数P(θ)を演算することにより、第1のプローブの真の表面形状の近似値が算出される。さらに、この第1のプローブを用いて、新たに第2のワークを測定する。そして、第1のプローブの真の表面形状の近似値に基づいて、第2のワークの測定結果から第2のワークの真の表面形状の近似値が算出される。
これにより、第2のワークの表面形状を、第1のプローブによる1回だけの測定と簡易な演算処理で算出することが可能となる。
また、第2のワークの表面形状を、第1のプローブの設計値でなく真の表面形状の近似値に基づいて算出するため、より高精度に(真の表面形状に近い値を)求めることができる。
なお、本発明においては、第1のプローブと第2のプローブとは対等であるため、上記説明における第1のプローブを第2のプローブと読み替えても、発明内容に全く変わりはないものである。
本発明によれば、従来のように基準球を用いてプローブ先端形状についての補正処理を行う必要がなく、また、仮に基準球を用いたとしてもその基準球の面精度に影響されず、高精度かつ容易にワークの形状を測定することができる。
(実施例1)
以下、本発明の第1実施例に係る形状測定機について、図面を参照して説明する。
図2は、本発明の第1実施例としての形状測定機に、被測定物であるワークを取り付けた様子を示したものである。
図2において、符号1は形状測定機、符号Wはワークを示している。
形状測定機1は、被測定物の測定を行う測定部(測定手段)2と、被測定物を支持する支持部3とを備えており、両者が基台4の上に対向して配置されている。
測定部2は、ワークW等を実際に測定する測定ユニット5と、測定ユニット5が載せられる測定機板6と、測定機板6が載せられる測定機台7とを備えている。
測定機板6は、その長さ方向の両端に配されるz駆動軸24a,24bを介して測定機台7に固定されており、測定機台7は、支持部3より遠い方に配置されるz駆動軸24bが不図示の駆動部により駆動させられることにより、測定機板6を支持部3側に向けて傾斜させるようになっている。さらに、測定機台7は、図4に示すように、駆動部によって、x駆動軸25を介して後述するエアスライド軸8の軸線Lに直交する方向、すなわち矢印A方向に往復移動可能になっている。この測定機台7の動きを、図2に示すように、支持部3の近傍に設けられたx軸測長器41が検出し、この検出結果を後述する演算部(演算手段)26に向けて逐一出力するようになっている。
また、測定ユニット5は、柱状に形成されたエアスライド軸8と、略直方体形状のエアスライド軸受9と、測定時にワークWに接触させるプローブ(第1のプローブ)P1と、プローブP1の変位量を測定するためのプローブ軸測長器20とを備えている。
エアスライド軸受9は、その長さ方向に貫通する貫通孔(不図示)が形成されており、その貫通孔が支持部3に向けられた状態で、測定機板6の上に固定されている。そして、この貫通孔の中をエアスライド軸8が通された状態になっている。貫通孔内の内壁面には、複数の吹出孔(不図示)が形成され、エアスライド軸8と上記内壁面との間には、圧縮したクリーンでドライな圧縮空気を吹出孔から噴出させることにより、数μmの微小な隙間を生じさせるようになっている。すなわち、これら空気の噴出により、エアスライド軸8は、エアスライド軸受9の内壁面とは接触していない、浮いた状態になっている。これにより、エアスライド軸8は、支持部3に対して接近離間する方向に、すなわち軸線L方向に往復移動可能に支持されている。さらに、貫通孔内に形成された、その長さ方向に延びる不図示の突壁部が、エアスライド軸8に形成された不図示の凹部に係合されることにより、エアスライド軸8は移動時において軸線Lを中心とした回転が規制されるようになっている。
エアスライド軸8の先端部には、軸線L方向に向けられた雌ネジ部(プローブ支持手段)8aが形成されており、この雌ねじ部8aを介してプローブP1が取り付けられている。すなわち、プローブP1は、柱状に形成されたプローブ軸10cの後端部に雄ネジ部10bが形成されており、プローブP1を軸線Lを中心として回転させ、雄ネジ部10bと雌ねじ部8aとが螺合されることにより、エアスライド軸8の先端に固定されている。さらに、エアスライド軸8の先端部外周面の上部、すなわち測定機板6に対して軸線Lを挟んだ反対側の一部分に、色換えされた軸用マーキング(回転位置決め手段)8bが設けられている。また、プローブP1の先端には、例えば精密ルビー球からなる球状部10aが設けられており、さらにプローブ軸10cの外周面のうち、周方向の一部には、上記と同様に色換えされた図6に示すマーキング(回転位置決め手段)40が施されている。ここで、プローブP1の取り付けの際、上記のようにプローブP1を軸線Lを中心として回転させることから、球状部10aも回転することになるが、本実施例においては、軸用マーキング8bとマーキング40とが一致する位置にプローブP1を配置することにより、エアスライド軸8とプローブP1との相対回転位置が常に一定となるように位置決めされるようになっている。
さらにこのプローブP1は、エアスライド軸8の先端において交換可能になっており、プローブP1を回転させ、雌ねじ部8aからプローブP1を取り外し、図1に示す他のプローブ(第2のプローブ)P2の雄ネジ部10bを雌ネジ部8aに螺合させることにより、プローブP2を取り付けることができるようになっている。
一方、エアスライド軸8の後端部には、段差部21が形成され、この段差部21を介して、プローブ軸測長器20が取り付けられている。
プローブ軸測長器20は、板状部材からなるガラススケール20bと、測定機板6に固定されたガラススケールヘッド20aとを備えている。ガラススケール20bは、その一端が段差部21にネジ止めされることにより、軸線L方向に沿って取り付けられている。ガラススケールヘッド20aには、ガラススケール20bが往復移動可能に挿通され、ガラススケール20bの移動を逐次検出し、演算部26に出力するようになっている。
さらに、エアスライド軸8の段差部21の近傍には、軸線Lに直交する方向に延びる棒状のストッパハネ22が固定されている。ストッパハネ22は、図3に示すように、その長さ寸法がエアスライド軸8の幅寸法より長くなるように形成され、エアスライド軸8に固定された状態では、ストッパハネ22の両端がエアスライド軸8からその幅方向に沿って突出するようになっている。
また、ストッパハネ22の近傍には、図2に示すコの字状のストッパ23が、エアスライド軸8に隣接されて配置されている。ストッパ23は、図3に示すように、コの字状の底面部が軸線Lに平行になるように、かつコの字状のストッパ23の両内側壁23aの間に、突出したストッパハネ22の一端が位置するように、測定機板6に取り付けられている。そのため、エアスライド軸8の往復移動に伴って、ストッパハネ22はストッパ23の両内側壁23aの間を往復移動するようになっており、エアスライド軸8が所定範囲の距離を超えて移動しようとしても、ストッパハネ22が一方の内側壁23aに接触することになり、これによりエアスライド軸8の軸線L方向の移動を制限するようになっている。また、エアスライド軸8の移動が制限されることにより、エアスライド軸8がエアスライド軸受9から抜け出すのを防止するようになっている。
さらに、本実施例における形状測定機1は、演算部26を備えており、ガラススケールヘッド20aおよびx軸測長器41からの出力情報について、後述する所定の演算を行い、その演算結果を不図示のモニタに向けて出力するようになっている。
このような構成のもと、測定ユニット5を測定機板6の上に設置し、駆動部を駆動すると、z駆動軸24bが駆動させられて、測定機板6が支持部3側に向けた傾斜を生じさせ、これによりエアスライド軸受9も傾き、エアスライド軸8は、エアスライド軸8を含む部材の自重の軸方向成分のみによって、軸方向先端に向けて移動させられるようになっている。このときプローブP1は、上記自重の軸方向成分のみによって、軸方向先端に向けて付勢されるようになっている。そして、このプローブP1の軸線L方向の位置をガラススケール20bを介して、ガラススケールヘッド20aが検出し、この検出結果を演算部26に向けて逐一出力するようになっている。
さらに、支持部3は、支持部本体としてのワーク治具27を備えており、このワーク治具27の上部に直方体形状の保持壁部28が立てられて固定されている。保持壁部28の外壁面のうち、測定部2側に向けられる前面28aには、ワークWを保持するワークホルダ(ワーク支持手段)29を取り付けるための取付部28bが設けられている。ワークホルダ29は、表面が球面形状または軸対称な非球面形状に形成されたワークWを保持するものであり、ワークホルダ29を介してワークWを保持壁部28に取り付けると、ワークWは、測定部2側に突出した状態で着脱可能に保持されるようになっている。これにより、ワークホルダ29によってワークWが保持されると、図2に示すように、ワークWと測定部2側に設けられたプローブP1とが対向して配されるようになっている。また、取付部28bには、ワークホルダ29を取り外して、図1に示すように、プローブP1を保持するプローブホルダ30が取り付けられるようになっている。
プローブホルダ30には、図7に示すように、雌ネジ部30bが形成されており、軸線Lを中心としてプローブP1を回転させて雌ネジ部30bに雄ネジ部10bを螺合させることにより、球状部10a側を突出させた状態でプローブP1が固定されるようになっている。これにより、プローブホルダ30によってプローブP1が保持されると、図1に示すように、このプローブP1と測定部2側に設けられたプローブP2とが対向して配されるようになっている。また、プローブホルダ30の雌ネジ部30bが形成された面には、その雌ネジ部30bの上部、すなわちワーク治具27に対して軸線Lを挟んだ反対側の一部分に、色換えされたホルダ用マーキング(回転位置決め手段)30aが施されている。そして、プローブP1の取り付けの際、プローブ軸10cのマーキング40とホルダ用マーキング30aとが一致する位置にプローブP1を配置することにより、プローブホルダ30とプローブP1との相対回転位置が常に一定となるように位置決めされるようになっている。
次に、このように構成された本実施例における形状測定機1の作用について説明する。 本実施例における形状測定機1の測定手順を概説すると以下のようになる。
まず、プローブPによりワークWを測定する。続いて、プローブPにより同じワークWを測定する。さらに、プローブPをプローブPによって測定する。そして、これら3つの測定結果から演算部26が所定の演算を行うことにより、ワークWの形状を表す真の値に近い値が算出される。
ここで、上記のようにプローブP1,P2を用いてワークWを測定し、その測定結果を求めるための作用について詳説する。
最初に、雌ネジ部8aに雄ネジ部10bを螺合させることにより、エアスライド軸8にプローブP1を取り付ける。このとき、軸用マーキング8bとマーキング40とが一致する位置、すなわちマーキング40が上方を向く位置にプローブP1を配置する。また、測定しようとする第1のワークWをワークホルダ29を介して保持壁部28に取り付ける。するとワークWとプローブP1とは、図2に示すように、両者が対向した状態になる。この状態で、駆動部を駆動すると、z駆動軸24bが駆動させられ、測定機板6が支持部3に向けて傾斜させられると同時に、測定ユニット5もプローブP1側の一端が斜め下方に、プローブ軸測長器20側の他端が斜め上方を向くように傾けられる。そのため、エアスライド軸8が軸方向に沿ってプローブP1側に移動させられると同時に、ストッパハネ22もストッパ23の両内側壁23aの間を移動させられる。
そして、ストッパハネ22がプローブP1側の内側壁23aに接触すると、エアスライド軸8の移動が止められる。この位置は、プローブP1が、ワークWの表面に最初に接触する初期接触ポイントから、水平方向側方に離された地点となる。つまり、初期状態では、エアスライド軸8が最大ストローク突出したとき、プローブP1が、ワークWの中心を通り且つ軸線Lを含む鉛直平面(以下、基準面という。)から水平方向(図4に示す矢印A方向)側方、すなわち基準面から所定の距離だけ離されたワークWの側方に配置される。そして、この状態、すなわちワークWの側方から、測定機台7が、矢印A方向に基準面側に向けて水平移動を開始する。測定機台7は、一定の距離を高速移動し、所定の地点から低速移動に切り替えられて、さらに、基準面側、すなわちプローブP1が上記初期接触ポイントに向かうよう水平移動しつづける。
その結果、プローブPの球状部10aが、あるタイミングでワークWの初期接触ポイントに所定の接触角を持って接触する。ここで、接触角とは図12(a)に示すように、接触ポイントにおける法線Nと軸線Lとのなす角θを意味している。そして、接触後は、ワークWのなめらかな突出面にならってプローブPが移動させられる。このプローブPの移動に合わせて両者の接触ポイントが移動させられるとともに、PのワークWに対する接触角θも漸次変化することになる。そしてプローブPが所定の地点に到達すると、プローブ軸測長器20によって測定が開始される。さらに、測定機台7の移動により、プローブPはワークWの最突出部分を通過し、測定の終端方向に向かって水平移動させられる。これら移動により、接触ポイントはプローブPの球状部10aの表面に一定の軌跡を描くことになる。また、プローブPはワークWの突出面にならって移動させられるので、エアスライド軸8もそれに応じて軸線L方向に直線移動させられる。
本実施例では、例えば、直径20mmの凸形状のワークWに対して基準面から相対距離10mmになるまで、プローブP1が早送り速度でワークWの側方から水平移動させられる。その地点に到達すると、より低速な毎分2.5mmのアプローチ速度に切り替えられる。そして、基準面から9mm離れた地点でプローブP1がワークWに接触する。このときの接触力は、プローブP1を含む部材の自重の軸方向成分のみによって生じるものとなる。すなわち、プローブP1、エアスライド軸8、ストッパハネ22、ガラス測長器20の総重量が52gf、傾斜角を2分としているので、
52(gf)×sin(2/60)=0.03(gf)
すなわち、約30mgfの接触力となる。
さらにプローブP1は、ワークWに接触しながら相対移動を続け、ワークWの凸形状によりエアスライド軸8が2mm押し戻された地点でプローブ軸測長器20による測定が開始される。このときには、エアスライド軸8が押し戻されていることから、ストッパハネ22は両内側壁23aから離された状態となる。その後も、プローブP1は、基準面をはさんだ反対側方向に向けて自重の軸方向成分のみによりワークWに接触しながら相対移動を続け、その反対側の所定の地点でワークWから離される。その間、プローブ軸測長器20はエアスライド軸8の位置を検出し続け、演算部26に逐一その情報が出力される。さらに、測定機台7の矢印A方向の移動は、x軸測長器41によりその位置が検知され、上記と同様、その情報が逐一演算部26に出力される。
そして演算部26により、x軸測長器41からの出力情報が接触角θ1の変化に対応させられることによって、プローブ軸測長器20からの出力情報とx軸測長器41からの出力情報との関係は、プローブ軸測長器20からの出力情報と接触角θ1との関係に変換され、ワークWの測定結果が接触角θ1に関する関数W(θ1)として求められる。
次いで、プローブP1を雌ねじ部8aから取り外し、プローブP2を取り付ける。そして、プローブP2を用いて、ワークWを再度、上記と同様の作用により測定する。これにより得られた測定結果を演算部26が処理することにより、ワークWの測定結果がプローブP2とワークWとの接触点におけるプローブP2の接触角θ2(図12(b)参照)に関する関数W(θ)として求められる。
その後、ワークWを保持壁部28から取り外し、その代わりに上記の測定の際に用いたプローブP1をプローブホルダ30を介して改めて取り付ける。このときも、ホルダ用マーキング30aとマーキング40とが一致する位置、すなわちマーキング40が上方を向く位置にプローブP1を配置する。これにより、プローブP1は、エアスライド軸8およびプローブホルダ30への取り付けに際して、常にマーキング40が上方を向くように取り付けられる。そのため、両プローブP1,P2を用いてワークWを測定するときの両プローブP1,P2のワークWへのそれぞれの接触ポイントと、プローブP2を用いてプローブP1を測定するときの互いの接触ポイントとがそれぞれ等しくなり、それら接触ポイントが、球状部10aの表面において、同一軌跡上を移動することになる。つまり、両プローブP1,P2は、測定の際、常に同じ軌跡上で接触させられる。プローブP1を保持壁部ホルダ28に取り付けると、このプローブP1とエアスライド軸8に取り付けられているプローブP2とは、図1に示すように、両者が対向するように配される。この状態から、プローブP1を上記と同様の作用により測定する。これにより得られた測定結果を演算部26が処理することにより、プローブP1の測定結果がプローブP2とプローブP1との接触点におけるプローブP2の接触角θ(図12(c)参照)に関する関数P(θ)として求められる。
次に、上記の作用により求められた関数W(θ)、関数W(θ)、関数P(θ)によって、ワークWの真の値を演算するための処理について説明する。
図8は、本実施例における演算の処理を示したフローチャートである。
プローブP1,P2の球状部10aには、製造上、微細な真球度の誤差、すなわち球状部10aの設計形状に対する形状誤差が発生しているおそれがある。そのため、測定結果としての関数W(θ)、関数W(θ)、関数P(θ)は、これら形状誤差が含まれたものとなる。また、ワークWにも、設計形状に対して形状誤差が生じている。
ここで、プローブP1,P2の設計形状をそれぞれS_P1(θ1),S_P2(θ2)、プローブP1,P2の設計形状に対する形状誤差をそれぞれG_P1(θ1),G_P2(θ2)とし、ワークWの設計形状をS_W(θ)、ワークWの設計形状に対する形状誤差をG_W(θ)とすると、ワークWの測定結果W(θ1),W(θ2)はそれぞれ以下のようになる。
W(θ1)={S_W(θ)+G_W(θ)}+{S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}・・・(1)
W(θ2)={S_W(θ)+G_W(θ)}+{S_P2(θ2)+G_P2(θ2)}・・・(2)
また、プローブP1の測定結果P(θ3)は、両プローブP1,P2の形状誤差が一定であることから、
P(θ3)={S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}+{S_P2(θ2)+G_P2(θ2)}・・・(3)
となる。
これらの関数が、プローブ軸測長器20からの出力情報とx軸測長器41からの出力情報に基づいて、演算部26により求められる(S1,S2,S3)。
上記式(1),(2),(3)の右辺から、
{(1)+(2)−(3)}/2
の演算を行うことにより、ワークWの形状を表す真の値である{S_W(θ)+G_W(θ)}が算出されるが、この値はプローブの形状誤差を表す項であるG_P1(θ1)、G_P2(θ2)を含んでいない。
すなわち、演算部26により上記演算が行われ、プローブの形状誤差G_P1(θ1)、G_P2(θ2)が除かれた形で、ワークWの形状を表す真の値が算出される(S4)。
但し、ここで求められるワークWの形状はあくまで真の値の近似値であり、その理由は以下の通りである。例えば、測定結果から関数W(θ)を求める場合、演算部26により、x軸測長器41からの出力情報を接触角θ1に対応させるが、この対応のさせ方はワークWとプローブP1の形状がともに設計形状どおりであることを前提にしている。ところが、実際にはワークWとプローブP1のいずれにも形状誤差があるため、x軸測長器41からの出力情報を接触角θ1に正確に対応させることができず、測定結果から求めた関数W(θ)も若干の誤差を含んでいる。したがって、関数W(θ)を用いて演算によって求めた{S_W(θ)+G_W(θ)}も、厳密にはワークWの形状を表す真の値ではなく近似値ということになる。
しかしながら、本実施例においては、基準球を用いたプローブ形状の校正などを行なわずとも、直接ワークWの形状を求めることができるという利点がある。また、形状誤差を有するプローブを用いて行なった測定結果から、簡単な演算によりワークWの形状を求めることができるという利点も有する。
以上より、本実施例における形状測定機1によれば、基準球を使わずに、ワークWの形状を表す真の値の近似値を容易に算出することができる。
また、マーキング40により、プローブのワークへの接触点の軌跡が常にプローブ表面上の同じ場所に描かれるため、プローブの接触点における形状誤差が常に一定となり、ワークの表面形状をより高精度に測定することが可能になる。
さらに、プローブの被測定物に対する接触力は、エアスライド軸8を含む部材の自重の軸方向成分のみによる微弱なものであるから、両プローブP1,P2を接触させたときでも、それら表面の破損、損傷を防止することができ、常に正確な測定が可能となる。
(変形例1)
図9は、本実施例の第1の変形例を示したものである。
図9において、図7に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この変形例と上記第1の実施例とは基本的構成は同一であり、特にワークホルダ30について上述した実施例と相違した構成とするものである。すなわち、ワークホルダ30は、θステージにより構成される回転機構42を備えており、回転機構42に雌ネジ部30bが形成されている。
このような構成のもと、プローブP1を回転機構に取り付けると、回転機構42を駆動することにより、軸線Lを中心としてプローブP1を回転させるようになっている。
これにより、プローブP1を取り付けるときの相対回転位置が電気制御により正確に決められるようになっている。
以上より、本変形例によれば、さらに高精度にプローブP1の回転位置決めを行なうことができる。
(変形例2)
図10は、本実施例の第2の変形例を示したものである。
本変形例において、ワークホルダ30は、前面に凹部30cが形成されており、凹部30cの上壁部30eに、凹部30cの向きと直交する方向に貫通する雌ネジ部30dが設けられている。
このような構成のもと、凹部30cにプローブP1の後端を挿入し、雌ネジ部30dに上方からネジ42を螺合させて、ネジ42の先端を凹部30c内において突出させることにより、プローブP1が挟まれて固定されるようになっている。
これにより、本変形例によれば、プローブP1が確実に支持される。
(変形例3)
図11は、本実施例の第3の変形例を示したものである。
本変形例におけるワークホルダ30は、上記第2の変形例におけるワークホルダ30の構成に加えて、下壁部30fに凹部30cの向きと直交する方向に貫通する雌ネジ部30dが設けられたものである。
このような構成のもと、凹部30cにプローブP1の後端を挿入し、雌ネジ部30dに上方および下方からネジ42を螺合させて、両ネジ42の先端を凹部30c内においてそれぞれ突出させることにより、プローブP1が両ネジ42の先端により挟まれて固定されるようになっている。
これにより、本変形例によれば、プローブP1が確実に支持される。
(実施例2)
上記実施例1においては、3つの測定結果からワークWの形状を表す真の値の近似値を演算により求めたが、このとき同時にプローブPの形状を表す真の値の近似値も算出される。そして、実施例1における第1の測定(関数W(θ1)を求めるための測定)を第2のワークWに対して行なう。この第2のワークWの測定結果から、予め求められたプローブPの形状を表す真の値の近似値をもとにして、演算部26が所定の演算を行うことにより、第2のワークWの形状を表す真の値の近似値が算出される。さらに、第3のワークW、第4のワークW、…、の表面形状を表す真の値の近似値の算出も、上記第2のワークWと同様に行われる。
次に、本実施例において、第2のワークW2の測定を行うための作用について説明する。上記式(1)を変形すると、
{S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}=W(θ1)−{S_W(θ)+G_W(θ)}・・・(4)
となる。
実施例1における第1の測定結果W(θ1)と、演算によって求められたワークWの形状を表す真の値の近似値{S_W(θ)+G_W(θ)}を式(4)の右辺に代入すると、左辺の{S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}が求まるが、この値がすなわちプローブP1の形状を表す真の値の近似値である。
そして、第2のワークW2を測定するときには、プローブP1をプローブホルダ30ごと保持壁部28から取り外し、第2のワークW2をワークホルダ29を介して保持壁部28に取り付ける。また、雌ねじ部8aからプローブP2を取り外し、プローブP1を取り付ける。このとき、軸用マーキング8bとマーキング40とが一致する位置、すなわちマーキング40が上方を向く位置にプローブP1を配置する。そして、プローブP1を第2のワークW2に接触・走査させる。
このときの測定結果W2(θ1)は、第2のワークW2の設計形状をS_W2(θ)、ワークW2の設計形状に対する形状誤差をG_W2(θ)とすると、
2(θ1)={S_W2(θ)+G_W2(θ)}+{S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}
で表され、これを変形すると、
{S_W2(θ)+G_W2(θ)}=W(θ1)−{S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}・・・(5)
となる。
ここで、測定結果W(θ1)と、上で求められたプローブP1の形状を表す真の値の近似値{S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}を式(5)の右辺に代入すると、第2のワークW2の形状を表す真の値の近似値{S_W2(θ)+G_W2(θ)}が求められる。
さらに、第3のワークW3以降の測定は、上記第2のワークW2と同様に行われる。
本実施例によれば、ワークWの形状を求める際の測定結果からプローブP1の形状を表す真の値の近似値が予め算出されているので、第2のワークW2(およびそれ以降)については、1回の測定だけで形状を正確かつ容易に測定することができる。
(実施例3)
上記実施例2においては、3つの測定結果から求めたプローブPの形状を表す真の値の近似値に基づいて、第2のワークWの測定結果から第2のワークWの形状を表す真の値の近似値を算出した。
本実施例では、さらに近似の度合いを向上させるために、3つの測定結果から求めたワークWの形状を表す真の値の近似値をも利用するものである。
次に、本実施例において、第2のワークW2の測定を行うための作用について説明する。
まず、実施例1に述べた作用により、ワークWの形状を表す真の値の近似値を求める。次に、ワークWの形状が設計形状ではなく、ここで得られた近似値であるとして、ワークWのプローブP、プローブPによる測定結果から関数W(θ1),W(θ2)への変換を見直す。この際、再度測定を行なうのでなく、x軸測長器41からの出力情報を接触角θ1へ対応させるときの対応のさせ方を、ワークWの形状が上記近似値であることを前提にして行なうものである。
これにより、関数W(θ1),W(θ2)が当初得られたものに比べ、誤差が抑制される。この関数W(θ1),W(θ2)を用い、式(1)〜(4)の演算を行うことにより、実施例2と同様にプローブP1の形状を表す真の値の近似値が求められるが、このとき得られる近似値は、実施例2で得られる値に対しより真の値に近いものである。
この後、実施例2と同様な測定、演算を行なうことにより、プローブPの形状を表す真の値の近似値に基づいて、第2のワークWの測定結果から第2のワークWの形状を表す真の値の近似値を算出する。プローブPの形状を表す近似値がより真の値に近いため、このようにして得られた第2のワークWの形状を表す近似値もより真の値に近いものとなる。
本実施例によれば、ワークWの形状を求める際の測定結果からプローブP1の形状を表す真の値の近似値が予め算出されているので、第2のワークW2(およびそれ以降)については、1回の測定だけで形状を正確かつ容易に測定することができる。
また、本実施例によれば、設計形状よりも真の値に近いワークWの近似値に基いてプローブP1の形状を表す真の値の近似値を求め、これを第2のワークWの形状を測定、演算するための基礎としているので、より真の値に近いワークWの形状を表す近似値を求めることができる。
上記実施例2、3において、第1のワークWは、実際に形状を測定したい被加工物であってもよいが、基準球(基準形状部材)を用いるのが望ましい。基準球とは、設計形状に対して表面を精密に加工された球面形状または軸対象非球面形状の部材で、形状誤差が極めて小さいのが特徴である。第1のワークWに基準球を用いることで、プローブP1の形状に関して極めて真の値に近い近似値が求められるため、さらに真の値に近いワークWの形状を表す近似値を求めることができる。
本発明の特徴は、形状誤差を有するワークやプローブであっても、その形状誤差に左右されず高精度かつ容易に測定することができることにあるが、元来有する形状誤差が小さければ小さいほど、真の値に近い近似値が求められるのは言うまでもない。この意味において、第1のワークWとして標準球を用いることは、ワークWの真の値に近い形状を求めるのに効果的である。
また、上記において、第1のワークWとして球面形状の基準球を用いることにより、さらに真の値に近いワークWの形状を表す近似値を求めることができる。これは、球面形状の場合は、加工がしやすく形状誤差を小さくできることや、誤差因子が曲率半径のみであるため補正がしやすい、等の理由による。
なお、上記各実施例においては、プローブP1を球状としたが、これに限らず、例えば、先端が微小な曲率半径を有する形状のものを用いてもよい。
また、プローブP1の材質をルビーとしたが、これに限らず、ダイヤモンド、ガラス、サファイヤ、セラミクス等であってもよい。
また、エアスライド軸受9内壁面に複数の吹出孔を形成するとしたが、これに代えて、多孔材質のものを用いてもよい。
さらに、プローブ軸測長器20は、ガラススケール20bとガラススケールヘッド20aとを有するとしたが、これに限らず、レーザ測長器を用いたものであってもよい。
また、マーキング40、軸用マーキング8b、ホルダ用マーキング30aを色換えにより付けるものとしたが、これに限らず、凹凸を形成するなどして適宜変更してもよい。
さらに、このマーキング40、軸用マーキング8b、ホルダ用マーキング30aは無くてもよい。ただし、これらマークにより位置決めした方がより精度よく測定できるのはいうまでもない。
また、ワークWの測定開始位置について、プローブP1がワークWの表面の所定の位置に達した後、測定を開始するとしたが、これに限らず、測定機台7が基準面側に向かって水平移動を開始すると同時に測定を始めてもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
本発明に係る形状測定機の第1〜3の実施例を示す図であって、支持部にプローブを取り付けた状態を示す概略構成図である。 同実施例における形状測定機にワークを設置した状態を示す概略構成図である。 同実施例における形状測定機の概略上面図である。 同実施例において、ワークに対してプローブを走査させている様子を示す説明図である。 同実施例において、第1のプローブに対して第2のプローブを走査させている様子を示す説明図である。 同実施例における形状測定機のプローブを示す拡大図である。 同実施例において、プローブをプローブホルダに取り付けた様子を示す説明図である。 同実施例における形状測定機の演算部の行う処理を示すフローチャートである。 本発明に係る形状測定機の第1の実施例の変形例1の要部を示す説明図である。 本発明に係る形状測定機の第1の実施例の変形例2の要部を示す説明図である。 本発明に係る形状測定機の第1の実施例の変形例3の要部を示す説明図である。 (a)(b)はワークとプローブ、(c)はプローブとプローブが接触する場合の接触角の説明図である。
符号の説明
1 形状測定機
2 測定部(測定手段)
8a 雌ねじ部(プローブ支持手段)
8b 軸用マーキング(回転位置決め手段)
10a 球状部(曲面部)
10c プローブ軸
26 演算部(演算手段)
29 ワークホルダ(ワーク支持手段)
30 プローブホル
30a ホルダ用マーキング(回転位置決め手段)
40 マーキング(回転位置決め手段)
42 回転機構(回転位置決め手段)
プローブ(第1のプローブ)
プローブ(第2のプローブ)
W ワーク

Claims (5)

  1. 球面形状を有するプローブを球面形状または軸上に面頂を有する軸対称非球面形状を有するワークに接触させて、ワークの表面形状を測定する形状測定機であって、
    前記ワークおよび前記プローブを交換可能に支持するワーク支持手段と、
    前記プローブを交換可能に支持するとともに前記プローブを前記ワーク支持手段に支持された前記ワークまたは前記プローブの面頂に向かう軸線方向および該軸線方向に直交する一方向に移動可能に支持するプローブ支持手段と、
    前記プローブ支持手段に第1のプローブを装着し、前記第1のプローブによって前記ワーク支持手段に支持された前記ワークの表面を移動して、前記ワークの面頂を通る表面形状を測定して得られる第1の測定結果と、前記プローブ支持手段に第2のプローブを装着し、前記第2のプローブによって前記ワーク支持手段に支持された前記ワークの表面を移動して、前記ワークの面頂を通る表面形状を測定して得られる第2の測定結果と、前記プローブ支持手段に前記第のプローブを装着するとともに前記ワーク支持手段に前記第のプローブを装着して前記第2のプローブによって前記第1のプローブの表面を移動して、前記第1のプローブの面頂を通る表面形状を測定して得られる第3の測定結果とにより、前記ワークの表面形状を演算する演算手段と、を備えることを特徴とする形状測定機。
  2. 前記第1のプローブおよび第2のプローブを前記プローブ支持手段に装着するときの相互の相対回転位置を決める回転位置決め手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の形状測定機。
  3. 球面形状を有するプローブを球面形状または軸上に面頂を有する軸対称非球面形状を有するワークに接触させて、ワークの表面形状を測定する形状測定方法であって、
    前記ワークおよび前記プローブを交換可能に支持するワーク支持手段に第1のワークを装着し、前記プローブを交換可能に支持するとともに前記プローブを前記ワーク支持手段に支持された前記ワークまたは前記プローブの面頂に向かう軸線方向および該軸線方向に直交する一方向に移動可能に支持するプローブ支持手段に第1のプローブを装着して、前記第1のプローブによって前記ワーク支持手段に支持された前記第1のワークの表面を移動して、前記ワークの面頂を通る表面形状を測定する第1の測定工程と、
    前記プローブ支持手段に第2のプローブを装着し、前記第2のプローブによって前記ワーク支持手段に支持された前記第1のワークの表面を移動して、前記第1のワークの面頂を通る表面形状を測定する第2の測定工程と、
    前記プローブ支持手段に前記第2のプローブを装着するとともに前記ワーク支持手段に前記第1のプローブを装着して、前記第2のプローブによって前記ワーク支持手段に支持された前記第1のワークの表面を移動して、前記第1のワークの面頂を通る表面形状を測定する第3の測定工程と、
    これら第1、第2および第3の測定工程による測定結果から、前記第1のワーク、第1のプローブおよび第2のプローブの少なくとも一つの真の表面形状の近似値を演算する演算工程と、を備えることを特徴とする形状測定方法。
  4. 前記第1の測定工程においては、前記第1のプローブを前記第1のワークに接触、走査させたときの前記第1のワークの測定結果を、その接触点における前記第1のプローブの接触角θ1に関する関数W(θ1)として求め、
    前記第2の測定工程においては、前記第2のプローブを前記第1のワークに接触、走査させたときの前記第1のワークの測定結果を、その接触点における前記第2のプローブの接触角θに関する関数W(θ)として求め、
    前記第3の測定工程においては、前記第2のプローブを前記第1のプローブに接触、走査させたときの前記第1のプローブの測定結果を、その接触点における前記第2のプローブの接触角θに関する関数P(θ)として求め、
    前記演算工程において、前記関数W(θ1)、関数W(θ)および関数P(θ)より、前記第1のワーク、第1のプローブおよび第2のプローブの少なくとも一つの真の表面形状の近似値を演算することを特徴とする請求項3に記載の形状測定方法。
  5. 前記演算工程により前記第1、第2および第3の測定工程による測定結果から前記第1のプローブの真の表面形状の近似値を求め、
    前記プローブ支持手段に前記第1のプローブを装着し、前記ワーク支持手段に支持された第2のワークの表面形状を測定し、
    この測定結果と前記第1のプローブの真の表面形状の近似値より、前記第2のワークの真の表面形状の近似値を算出する、ことを特徴とする請求項3または4に記載の形状測定方法。
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