JP2006046908A - 形状測定機および形状測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基準球を用いなくても、または基準球を用いた場合でも、その面精度に影響されないプローブ先端球の真球度補正処理を実現し、より高精度かつ容易にワークの形状を測定することができる形状測定機および形状測定方法を提供すること。
【解決手段】 前記プローブP1,P2を交換可能に支持するプローブ支持手段8aと、前記ワークを交換可能に支持するワーク支持手段と、前記プローブ支持手段8aに第1のプローブP1を装着した状態で前記ワークの表面形状を測定して得られる第1の測定結果と、前記プローブ支持手段8aに第2のプローブP2を装着した状態で前記ワークの表面を測定して得られる第2の測定結果と、前記第1のプローブP1に前記第2のプローブP2を接触させて、前記第1のプローブP1の表面形状を測定して得られる第3の測定結果とにより、前記ワークの表面形状を演算する演算手段26とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
従来、これらレンズの表面形状を測定する装置として、以下のような接触式の形状測定機が知られている。
すなわち、接触式プローブをレンズ表面に接触させた状態で、プローブとレンズとを相対的に移動させ、この移動の間におけるプローブの軸方向の変位量を求めることによって、レンズの表面形状を測定するものである(例えば、特許文献1参照。)。
この誤差を抑えるには、極めて高い精度の真球度となるように加工された先端を有するプローブが必要となるが、加工機の加工精度には限界があり、加工機によって達成される真球度精度レベルでは、近年の部品の高精度化要求を満たすことはできない。一方、この誤差を抑えるため、真球度の極めて高い、高精度に仕上げられた基準球にプローブを接触、走査させて、その表面形状を測定することにより、プローブ先端の形状誤差データをあらかじめ取得しておき、そのデータを用いてワークの測定結果に含まれるプローブ形状誤差を分離除去する補正処理が提案されている。
請求項1に係る発明は、プローブをワークに接触させて、ワークの表面形状を測定する形状測定機であって、前記プローブを交換可能に支持するプローブ支持手段と、前記ワークを交換可能に支持するワーク支持手段と、前記プローブ支持手段に第1のプローブを装着した状態で前記ワーク支持手段に支持された前記ワークの表面形状を測定して得られる第1の測定結果と、前記プローブ支持手段に第2のプローブを装着した状態で前記ワーク支持手段に支持された前記ワークの表面を測定して得られる第2の測定結果と、前記第1のプローブに前記第2のプローブを接触させて、前記第1のプローブの表面形状を測定して得られる第3の測定結果とにより、前記ワークの表面形状を演算する演算手段とを備えること、を特徴とする。
これにより、高精度にワークの表面を測定することが可能となる。
この発明に係る形状測定機によれば、プローブ支持手段に第1および第2のプローブを装着するときの相対回転位置を、回転位置決め手段により、常に所定の位置に位置決めすることによって、第1および第2のプローブのワークへの接触点の軌跡が常に両プローブ表面上の同じ場所に描かれる。これにより、第1または第2のプローブを一旦取り外して再度取り付けた等の場合にも、プローブ支持手段に対して同じ姿勢で取り付けることができるため、第1および第2のプローブの接触点における形状誤差が常に一定となり、ワークの表面形状をより高精度に測定することが可能になる。
なお、ここで真の表面形状の近似値とは、測定や演算のもとになる設計形状よりも真の表面形状に近い値をいう。
そして、関数W(θ1)、関数W(θ2)および関数P(θ3)を演算することにより、第1のワーク、第1のプローブおよび第2のプローブの少なくとも一つの真の表面形状の近似値を算出することができる。一例として、(W(θ1)+W(θ2)−P(θ3))/2なる演算を行うことにより、第1のワークの真の表面形状の近似値が求められる。
これにより、第1、第2のプローブが有する形状誤差分が第1のワークの測定結果から取り除かれ、第1のワークをより高精度に測定することが可能となる。
これにより、第2のワークの表面形状を、第1のプローブによる1回だけの測定と簡易な演算処理で算出することが可能となる。
また、第2のワークの表面形状を、第1のプローブの設計値でなく真の表面形状の近似値に基づいて算出するため、より高精度に(真の表面形状に近い値を)求めることができる。
なお、本発明においては、第1のプローブと第2のプローブとは対等であるため、上記説明における第1のプローブを第2のプローブと読み替えても、発明内容に全く変わりはないものである。
これにより、第2のワークの表面形状を、追加の測定を行わずとも演算処理を追加するだけで、さらに高精度に求めることができる。
なお、本発明においても、第1のプローブと第2のプローブとは対等であるため、上記説明における第1のプローブを第2のプローブと読み替えても、発明内容に全く変わりはないものである。
以下、本発明の第1実施例に係る形状測定機について、図面を参照して説明する。
図2は、本発明の第1実施例としての形状測定機に、被測定物であるワークを取り付けた様子を示したものである。
図2において、符号1は形状測定機、符号Wはワークを示している。
形状測定機1は、被測定物の測定を行う測定部(測定手段)2と、被測定物を支持する支持部3とを備えており、両者が基台4の上に対向して配置されている。
測定部2は、ワークW等を実際に測定する測定ユニット5と、測定ユニット5が載せられる測定機板6と、測定機板6が載せられる測定機台7とを備えている。
エアスライド軸受9は、その長さ方向に貫通する貫通孔(不図示)が形成されており、その貫通孔が支持部3に向けられた状態で、測定機板6の上に固定されている。そして、この貫通孔の中をエアスライド軸8が通された状態になっている。貫通孔内の内壁面には、複数の吹出孔(不図示)が形成され、エアスライド軸8と上記内壁面との間には、圧縮したクリーンでドライな圧縮空気を吹出孔から噴出させることにより、数μmの微小な隙間を生じさせるようになっている。すなわち、これら空気の噴出により、エアスライド軸8は、エアスライド軸受9の内壁面とは接触していない、浮いた状態になっている。これにより、エアスライド軸8は、支持部3に対して接近離間する方向に、すなわち軸線L方向に往復移動可能に支持されている。さらに、貫通孔内に形成された、その長さ方向に延びる不図示の突壁部が、エアスライド軸8に形成された不図示の凹部に係合されることにより、エアスライド軸8は移動時において軸線Lを中心とした回転が規制されるようになっている。
さらにこのプローブP1は、エアスライド軸8の先端において交換可能になっており、プローブP1を回転させ、雌ねじ部8aからプローブP1を取り外し、図1に示す他のプローブ(第2のプローブ)P2の雄ネジ部10bを雌ネジ部8aに螺合させることにより、プローブP2を取り付けることができるようになっている。
プローブ軸測長器20は、板状部材からなるガラススケール20bと、測定機板6に固定されたガラススケールヘッド20aとを備えている。ガラススケール20bは、その一端が段差部21にネジ止めされることにより、軸線L方向に沿って取り付けられている。ガラススケールヘッド20aには、ガラススケール20bが往復移動可能に挿通され、ガラススケール20bの移動を逐次検出し、演算部26に出力するようになっている。
また、ストッパハネ22の近傍には、図2に示すコの字状のストッパ23が、エアスライド軸8に隣接されて配置されている。ストッパ23は、図3に示すように、コの字状の底面部が軸線Lに平行になるように、かつコの字状のストッパ23の両内側壁23aの間に、突出したストッパハネ22の一端が位置するように、測定機板6に取り付けられている。そのため、エアスライド軸8の往復移動に伴って、ストッパハネ22はストッパ23の両内側壁23aの間を往復移動するようになっており、エアスライド軸8が所定範囲の距離を超えて移動しようとしても、ストッパハネ22が一方の内側壁23aに接触することになり、これによりエアスライド軸8の軸線L方向の移動を制限するようになっている。また、エアスライド軸8の移動が制限されることにより、エアスライド軸8がエアスライド軸受9から抜け出すのを防止するようになっている。
このような構成のもと、測定ユニット5を測定機板6の上に設置し、駆動部を駆動すると、z駆動軸24bが駆動させられて、測定機板6が支持部3側に向けた傾斜を生じさせ、これによりエアスライド軸受9も傾き、エアスライド軸8は、エアスライド軸8を含む部材の自重の軸方向成分のみによって、軸方向先端に向けて移動させられるようになっている。このときプローブP1は、上記自重の軸方向成分のみによって、軸方向先端に向けて付勢されるようになっている。そして、このプローブP1の軸線L方向の位置をガラススケール20bを介して、ガラススケールヘッド20aが検出し、この検出結果を演算部26に向けて逐一出力するようになっている。
まず、プローブP1によりワークWを測定する。続いて、プローブP2により同じワークWを測定する。さらに、プローブP1をプローブP2によって測定する。そして、これら3つの測定結果から演算部26が所定の演算を行うことにより、ワークWの形状を表す真の値に近い値が算出される。
最初に、雌ネジ部8aに雄ネジ部10bを螺合させることにより、エアスライド軸8にプローブP1を取り付ける。このとき、軸用マーキング8bとマーキング40とが一致する位置、すなわちマーキング40が上方を向く位置にプローブP1を配置する。また、測定しようとする第1のワークWをワークホルダ29を介して保持壁部28に取り付ける。するとワークWとプローブP1とは、図2に示すように、両者が対向した状態になる。この状態で、駆動部を駆動すると、z駆動軸24bが駆動させられ、測定機板6が支持部3に向けて傾斜させられると同時に、測定ユニット5もプローブP1側の一端が斜め下方に、プローブ軸測長器20側の他端が斜め上方を向くように傾けられる。そのため、エアスライド軸8が軸方向に沿ってプローブP1側に移動させられると同時に、ストッパハネ22もストッパ23の両内側壁23aの間を移動させられる。
52(gf)×sin(2/60)=0.03(gf)
すなわち、約30mgfの接触力となる。
その後、ワークWを保持壁部28から取り外し、その代わりに上記の測定の際に用いたプローブP1をプローブホルダ30を介して改めて取り付ける。このときも、ホルダ用マーキング30aとマーキング40とが一致する位置、すなわちマーキング40が上方を向く位置にプローブP1を配置する。これにより、プローブP1は、エアスライド軸8およびプローブホルダ30への取り付けに際して、常にマーキング40が上方を向くように取り付けられる。そのため、両プローブP1,P2を用いてワークWを測定するときの両プローブP1,P2のワークWへのそれぞれの接触ポイントと、プローブP2を用いてプローブP1を測定するときの互いの接触ポイントとがそれぞれ等しくなり、それら接触ポイントが、球状部10aの表面において、同一軌跡上を移動することになる。つまり、両プローブP1,P2は、測定の際、常に同じ軌跡上で接触させられる。プローブP1を保持壁部ホルダ28に取り付けると、このプローブP1とエアスライド軸8に取り付けられているプローブP2とは、図1に示すように、両者が対向するように配される。この状態から、プローブP1を上記と同様の作用により測定する。これにより得られた測定結果を演算部26が処理することにより、プローブP1の測定結果がプローブP2とプローブP1との接触点におけるプローブP2の接触角θ3(図12(c)参照)に関する関数P(θ3)として求められる。
図8は、本実施例における演算の処理を示したフローチャートである。
プローブP1,P2の球状部10aには、製造上、微細な真球度の誤差、すなわち球状部10aの設計形状に対する形状誤差が発生しているおそれがある。そのため、測定結果としての関数W(θ1)、関数W(θ2)、関数P(θ3)は、これら形状誤差が含まれたものとなる。また、ワークWにも、設計形状に対して形状誤差が生じている。
W(θ1)={S_W(θ)+G_W(θ)}+{S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}・・・(1)
W(θ2)={S_W(θ)+G_W(θ)}+{S_P2(θ2)+G_P2(θ2)}・・・(2)
また、プローブP1の測定結果P(θ3)は、両プローブP1,P2の形状誤差が一定であることから、
P(θ3)={S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}+{S_P2(θ2)+G_P2(θ2)}・・・(3)
となる。
これらの関数が、プローブ軸測長器20からの出力情報とx軸測長器41からの出力情報に基づいて、演算部26により求められる(S1,S2,S3)。
{(1)+(2)−(3)}/2
の演算を行うことにより、ワークWの形状を表す真の値である{S_W(θ)+G_W(θ)}が算出されるが、この値はプローブの形状誤差を表す項であるG_P1(θ1)、G_P2(θ2)を含んでいない。
すなわち、演算部26により上記演算が行われ、プローブの形状誤差G_P1(θ1)、G_P2(θ2)が除かれた形で、ワークWの形状を表す真の値が算出される(S4)。
また、マーキング40により、プローブのワークへの接触点の軌跡が常にプローブ表面上の同じ場所に描かれるため、プローブの接触点における形状誤差が常に一定となり、ワークの表面形状をより高精度に測定することが可能になる。
さらに、プローブの被測定物に対する接触力は、エアスライド軸8を含む部材の自重の軸方向成分のみによる微弱なものであるから、両プローブP1,P2を接触させたときでも、それら表面の破損、損傷を防止することができ、常に正確な測定が可能となる。
図9は、本実施例の第1の変形例を示したものである。
図9において、図7に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この変形例と上記第1の実施例とは基本的構成は同一であり、特にワークホルダ30について上述した実施例と相違した構成とするものである。すなわち、ワークホルダ30は、θステージにより構成される回転機構42を備えており、回転機構42に雌ネジ部30bが形成されている。
このような構成のもと、プローブP1を回転機構に取り付けると、回転機構42を駆動することにより、軸線Lを中心としてプローブP1を回転させるようになっている。
これにより、プローブP1を取り付けるときの相対回転位置が電気制御により正確に決められるようになっている。
以上より、本変形例によれば、さらに高精度にプローブP1の回転位置決めを行なうことができる。
図10は、本実施例の第2の変形例を示したものである。
本変形例において、ワークホルダ30は、前面に凹部30cが形成されており、凹部30cの上壁部30eに、凹部30cの向きと直交する方向に貫通する雌ネジ部30dが設けられている。
このような構成のもと、凹部30cにプローブP1の後端を挿入し、雌ネジ部30dに上方からネジ42を螺合させて、ネジ42の先端を凹部30c内において突出させることにより、プローブP1が挟まれて固定されるようになっている。
これにより、本変形例によれば、プローブP1が確実に支持される。
図11は、本実施例の第3の変形例を示したものである。
本変形例におけるワークホルダ30は、上記第2の変形例におけるワークホルダ30の構成に加えて、下壁部30fに凹部30cの向きと直交する方向に貫通する雌ネジ部30dが設けられたものである。
このような構成のもと、凹部30cにプローブP1の後端を挿入し、雌ネジ部30dに上方および下方からネジ42を螺合させて、両ネジ42の先端を凹部30c内においてそれぞれ突出させることにより、プローブP1が両ネジ42の先端により挟まれて固定されるようになっている。
これにより、本変形例によれば、プローブP1が確実に支持される。
上記実施例1においては、3つの測定結果からワークWの形状を表す真の値の近似値を演算により求めたが、このとき同時にプローブP1の形状を表す真の値の近似値も算出される。そして、実施例1における第1の測定(関数W(θ1)を求めるための測定)を第2のワークW2に対して行なう。この第2のワークW2の測定結果から、予め求められたプローブP1の形状を表す真の値の近似値をもとにして、演算部26が所定の演算を行うことにより、第2のワークW2の形状を表す真の値の近似値が算出される。さらに、第3のワークW3、第4のワークW4、…、の表面形状を表す真の値の近似値の算出も、上記第2のワークW2と同様に行われる。
{S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}=W(θ1)−{S_W(θ)+G_W(θ)}・・・(4)
となる。
実施例1における第1の測定結果W(θ1)と、演算によって求められたワークWの形状を表す真の値の近似値{S_W(θ)+G_W(θ)}を式(4)の右辺に代入すると、左辺の{S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}が求まるが、この値がすなわちプローブP1の形状を表す真の値の近似値である。
そして、第2のワークW2を測定するときには、プローブP1をプローブホルダ30ごと保持壁部28から取り外し、第2のワークW2をワークホルダ29を介して保持壁部28に取り付ける。また、雌ねじ部8aからプローブP2を取り外し、プローブP1を取り付ける。このとき、軸用マーキング8bとマーキング40とが一致する位置、すなわちマーキング40が上方を向く位置にプローブP1を配置する。そして、プローブP1を第2のワークW2に接触・走査させる。
W2(θ1)={S_W2(θ)+G_W2(θ)}+{S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}
で表され、これを変形すると、
{S_W2(θ)+G_W2(θ)}=W2(θ1)−{S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}・・・(5)
となる。
ここで、測定結果W2(θ1)と、上で求められたプローブP1の形状を表す真の値の近似値{S_P1(θ1)+G_P1(θ1)}を式(5)の右辺に代入すると、第2のワークW2の形状を表す真の値の近似値{S_W2(θ)+G_W2(θ)}が求められる。
さらに、第3のワークW3以降の測定は、上記第2のワークW2と同様に行われる。
上記実施例2においては、3つの測定結果から求めたプローブP1の形状を表す真の値の近似値に基づいて、第2のワークW2の測定結果から第2のワークW2の形状を表す真の値の近似値を算出した。
本実施例では、さらに近似の度合いを向上させるために、3つの測定結果から求めたワークWの形状を表す真の値の近似値をも利用するものである。
まず、実施例1に述べた作用により、ワークWの形状を表す真の値の近似値を求める。次に、ワークWの形状が設計形状ではなく、ここで得られた近似値であるとして、ワークWのプローブP1、プローブP2による測定結果から関数W(θ1),W(θ2)への変換を見直す。この際、再度測定を行なうのでなく、x軸測長器41からの出力情報を接触角θ1へ対応させるときの対応のさせ方を、ワークWの形状が上記近似値であることを前提にして行なうものである。
これにより、関数W(θ1),W(θ2)が当初得られたものに比べ、誤差が抑制される。この関数W(θ1),W(θ2)を用い、式(1)〜(4)の演算を行うことにより、実施例2と同様にプローブP1の形状を表す真の値の近似値が求められるが、このとき得られる近似値は、実施例2で得られる値に対しより真の値に近いものである。
この後、実施例2と同様な測定、演算を行なうことにより、プローブP1の形状を表す真の値の近似値に基づいて、第2のワークW2の測定結果から第2のワークW2の形状を表す真の値の近似値を算出する。プローブP1の形状を表す近似値がより真の値に近いため、このようにして得られた第2のワークW2の形状を表す近似値もより真の値に近いものとなる。
また、本実施例によれば、設計形状よりも真の値に近いワークWの近似値に基いてプローブP1の形状を表す真の値の近似値を求め、これを第2のワークW2の形状を測定、演算するための基礎としているので、より真の値に近いワークW2の形状を表す近似値を求めることができる。
本発明の特徴は、形状誤差を有するワークやプローブであっても、その形状誤差に左右されず高精度かつ容易に測定することができることにあるが、元来有する形状誤差が小さければ小さいほど、真の値に近い近似値が求められるのは言うまでもない。この意味において、第1のワークWとして標準球を用いることは、ワークW2の真の値に近い形状を求めるのに効果的である。
また、プローブP1の材質をルビーとしたが、これに限らず、ダイヤモンド、ガラス、サファイヤ、セラミクス等であってもよい。
また、エアスライド軸受9内壁面に複数の吹出孔を形成するとしたが、これに代えて、多孔材質のものを用いてもよい。
さらに、プローブ軸測長器20は、ガラススケール20bとガラススケールヘッド20aとを有するとしたが、これに限らず、レーザ測長器を用いたものであってもよい。
さらに、このマーキング40、軸用マーキング8b、ホルダ用マーキング30aは無くてもよい。ただし、これらマークにより位置決めした方がより精度よく測定できるのはいうまでもない。
また、ワークWの測定開始位置について、プローブP1がワークWの表面の所定の位置に達した後、測定を開始するとしたが、これに限らず、測定機台7が基準面側に向かって水平移動を開始すると同時に測定を始めてもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
2 測定部(測定手段)
8a 雌ねじ部(プローブ支持手段)
8b 軸用マーキング(回転位置決め手段)
10a 球状部(曲面部)
10c プローブ軸
26 演算部(演算手段)
29 ワークホルダ(ワーク支持手段)
30 プローブホルダ(プローブ支持手段)
30a ホルダ用マーキング(回転位置決め手段)
40 マーキング(回転位置決め手段)
42 回転機構(回転位置決め手段)
P1 プローブ(第1のプローブ)
P2 プローブ(第2のプローブ)
W ワーク
Claims (8)
- プローブをワークに接触させて、ワークの表面形状を測定する形状測定機であって、
前記プローブを交換可能に支持するプローブ支持手段と、
前記ワークを交換可能に支持するワーク支持手段と、
前記プローブ支持手段に第1のプローブを装着した状態で前記ワーク支持手段に支持された前記ワークの表面形状を測定して得られる第1の測定結果と、前記プローブ支持手段に第2のプローブを装着した状態で前記ワーク支持手段に支持された前記ワークの表面を測定して得られる第2の測定結果と、前記第1のプローブに前記第2のプローブを接触させて、前記第1のプローブの表面形状を測定して得られる第3の測定結果とにより、前記ワークの表面形状を演算する演算手段と、を備えることを特徴とする形状測定機。 - 前記第1のプローブおよび第2のプローブを前記プローブ支持手段に装着するときの相互の相対回転位置を決める回転位置決め手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の形状測定機。
- プローブをワークに接触させて、ワークの表面形状を測定する形状測定方法であって、
前記プローブを支持するプローブ支持手段に第1のプローブを装着し、前記ワークを支持するワーク支持手段に支持された第1のワークの表面形状を測定する第1の測定工程と、
前記プローブ支持手段に第2のプローブを装着し、前記ワーク支持手段に支持された前記第1のワークの表面形状を測定する第2の測定工程と、
前記プローブ支持手段に第2のプローブを装着した状態で、前記ワーク支持手段に支持された前記第1のプローブの表面形状を測定する第3の測定工程と、
これら第1、第2および第3の測定工程による測定結果から、前記第1のワーク、第1のプローブおよび第2のプローブの少なくとも一つの真の表面形状の近似値を演算する演算工程と、を備えることを特徴とする形状測定方法。 - 前記第1の測定工程においては、前記第1のプローブを前記第1のワークに接触、走査させたときの前記第1のワークの測定結果を、その接触点における前記第1のプローブの接触角θ1に関する関数W(θ1)として求め、
前記第2の測定工程においては、前記第2のプローブを前記第1のワークに接触、走査させたときの前記第1のワークの測定結果を、その接触点における前記第2のプローブの接触角θ2に関する関数W(θ2)として求め、
前記第3の測定工程においては、前記第2のプローブを前記第1のプローブに接触、走査させたときの前記第1のプローブの測定結果を、その接触点における前記第2のプローブの接触角θ3に関する関数P(θ3)として求め、
前記演算工程において、前記関数W(θ1)、関数W(θ2)および関数P(θ3)より、前記第1のワーク、第1のプローブおよび第2のプローブの少なくとも一つの真の表面形状の近似値を演算することを特徴とする請求項3に記載の形状測定方法。 - 前記演算工程により前記第1、第2および第3の測定工程による測定結果から前記第1のプローブの真の表面形状の近似値を求め、
前記プローブ支持手段に前記第1のプローブを装着し、前記ワーク支持手段に支持された第2のワークの表面形状を測定し、
この測定結果と前記第1のプローブの真の表面形状の近似値より、前記第2のワークの真の表面形状の近似値を算出する、ことを特徴とする請求項3または4に記載の形状測定方法。 - 前記演算工程により前記第1、第2および第3の測定工程による測定結果から前記第1のワークの真の表面形状の近似値を求め、
前記第1のワークの真の表面形状の近似値に基づいて、前記演算工程により前記第1、第2および第3の測定工程による測定結果から前記第1のプローブの真の表面形状の近似値を求め、
前記プローブ支持手段に前記第1のプローブを装着し、前記ワーク支持手段に支持された第2のワークの表面形状を測定し、
この測定結果と前記第1のプローブの真の表面形状の近似値より、前記第2のワークの真の表面形状の近似値を算出する、ことを特徴とする請求項3または4に記載の形状測定方法。 - 前記第1のワークが基準形状部材であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の形状測定方法。
- 前記基準形状部材の少なくともプローブが接触する面が球面であることを特徴とする請求項7に記載の形状測定方法。
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