JP7045194B2 - レンズ測定装置およびレンズ測定方法 - Google Patents
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Description
例えばレンズ測定面が球面である場合、接触子はレンズ測定面に対して一定の角度で接触し、接触子の同一の部位がレンズ測定面に接触する。
また、レンズ測定面が非球面である場合、球面からの非球面のずれ量の分に応じて、レンズ測定面に対する接触子の角度が変化するが、レンズ測定面に接触する接触子の部位は、従来の倣い走査に比べて十分に狭い範囲に留まる。
なお、レンズ測定面とテーブルの回転方向との配置関係に多少のずれが含まれている場合であっても、レンズ測定面に接触する接触子の部位は、従来の倣い測定に比べて十分に狭い範囲に留まる。
よって、本発明によれば、接触子の真球度が測定精度に及ぼす影響を抑制し、高精度な測定を行うことができる。
従って、本発明によれば、レンズ形状を高精度かつ簡単に測定することができるレンズ測定装置が提供される。
このような構成によれば、レンズ測定面をテーブル回転方向に沿って好適に配置することができる。これにより、レンズに接触する接触子の部位をより小さな範囲に抑えることができる。なお、曲率中心を定めるレンズ測定面の所定領域は、特に限定されないが、例えばレンズ測定面のうち光軸に交わる領域である。
調整量算出部は、移動機構による接触子の移動情報により、現在のレンズ測定面の姿勢を求めることができるため、レンズの光軸が回転軸に直交した状態になるようにレンズの姿勢を調整するための粗調整量を算出することができる。そして、粗調整量に基づいてレンズの姿勢を調整することより、後にレンズの姿勢をより精密に調整したり、レンズ測定面をより正確に測定したりすることができる。
なお、一般に、移動機構による接触子の移動情報は、接触子の変位量に比べて精度が低いため、ここでのレンズの姿勢は粗く求められる。よって、粗調整量とは、粗く求められたレンズの姿勢を調整するための情報である。
このような方法によれば、前述のレンズ測定装置と同様、レンズ形状を高精度かつ簡単に測定することができる。
このような方法によれば、レンズ測定面をテーブル回転方向に沿って好適に配置することができる。これにより、レンズに接触する接触子の部位をより小さな範囲に抑えることができる。
このような方法によれば、前述のレンズ測定装置と同様、後の微調整工程をより精密に実施したり、レンズ測定面をより正確に測定したりすることができる。
このような方法によれば、前述のレンズ測定装置と同様、レンズ測定面をより正確に測定することができる。
〔レンズ測定装置〕
図1に示すように、レンズ測定装置1は、測定装置本体10と、測定装置本体10の駆動を制御するとともに、測定装置本体10で得られた測定データを取り込み処理する制御装置60とを備えている。
具体的には、測定装置本体10は、ベース11と、このベース11の上面110に設けられたテーブル20と、テーブル20に隣接して設けられた検出器移動機構30と、検出器移動機構30に支持された検出器40とを備えている。
レンズ保持具50は、既存のレンズホルダを利用して構成可能であり、レンズLを着脱可能に保持する。図3に示すように、レンズ保持具50は、レンズLを保持した状態で載置板22に載置される。本実施形態では、レンズ保持具50は、レンズLの縁を把持する把持部51と、把持部51が設けられたL字型のブロック体52とを有する。
レンズ保持具50は、レンズLの光軸Aoがテーブル20の回転軸Crに直交するように、レンズLを保持することが好ましい。
なお、本実施形態では、制御装置60が測定装置本体10と別体とされているが、制御装置60は測定装置本体10に組み込まれていてもよい。
次に、レンズ測定装置1を用いたレンズ測定方法について説明する。
本実施形態のレンズ測定方法では、レンズLのレベル出し動作を行った後、レンズ測定動作を行う。レベル出し動作とは、テーブル20の回転軸Crに対してレンズLの光軸Aoを直交に配置させるための動作である。
なお、図6では、処理S12におけるレンズLを実線で示し、光軸Aoが回転軸Crに直交した理想姿勢のレンズLiを仮想線(二点鎖線)で示しており、説明のためにレンズLiに対するレンズLの傾き(レンズLの光軸Aoが回転軸Crに直交した状態からのずれ)を実際よりも大きく示している。
レンズLの姿勢が収束条件を満たすと判断した場合(処理S13;Yes)、レベル出し動作の第1段階を終了する。
一方、レンズLの姿勢が収束条件を満たさないと判断した場合(処理S13;No)、レンズLの姿勢を調整するための粗調整量を算出する(処理S14;粗調整量算出工程)。
なお、一般に、スタイラス41の追従移動量は、スタイラス41の変位量Δrに比べて精度が低いため、処理S13では、レンズLの姿勢は粗く求められる。よって、粗調整量とは、粗く求められたレンズLの姿勢を調整するための情報である。
その後、処理S12に戻り、レンズLの姿勢が収束条件を満たすまで、処理S12~S15を繰り返す。
処理S21によれば、Z軸方向における複数の任意の位置におけるレンズ測定面Lmの輪郭情報(XY断面情報)が取得される。
なお、図8では、処理S21におけるレンズLを実線で示し、光軸Aoが回転軸Crに直交した理想姿勢のレンズLiを仮想線(二点鎖線)で示しており、説明のためにレンズLiに対するレンズLの傾き(レンズLの光軸Aoが回転軸Crに直交した状態からのずれ)を実際よりも大きく示している。ただし、図8中のレンズLの傾きは、図6中のレンズLの傾きよりも小さい。
レンズLの姿勢が収束条件を満たすと判断した場合(処理S22;Yes)、レベル出し動作の第2段階を終了する。
一方、レンズLの姿勢が収束条件を満たさないと判断した場合(処理S22;No)、レンズLの姿勢を調整するための微調整量を算出する(処理S23;微調整量算出工程)。
その後、処理S21に戻り、レンズLの姿勢が収束条件を満たすまで、処理S21~S42を繰り返す。
以上により、レンズLの光軸Aoは、回転軸Crの直交面に対して十分にレベル出しされる。
レンズ測定装置1は、レベル出し動作が終了した後、レンズ測定面Lmの測定動作を行う。
レンズ測定装置1の測定動作について、図9のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、レンズLの光軸Aoを通る断面の輪郭を測定するものとする。
測定位置Pzは、Z軸方向におけるレンズLの光軸Ao位置に合わせた位置である(図10参照)。測定位置PzはレンズLの設計値等に基づいて予め設定されていてもよいし、移動制御部61が前述のレベル出し動作によって測定位置Pzを検出してもよい。
一方、測定位置Pxは、測定位置Pzにおいて、接触子43をレンズ測定面Lmにアプローチさせ、接触子43が所定の圧力でレンズ測定面Lmに接触した位置である(図5参照)。
また、処理S33の間、角度検出部62は、角度センサ26を介して現在のテーブル20の回転角度θを読み取り、接触位置検出部63は、回転角度θの任意の角度ごとに、検出器40から出力された変位量Δrを記録する。
なお、レンズLが非球面であるため、レンズLの近似円VCからレンズ測定面Lmまでの若干のずれ量が存在し、このずれ量の分に応じて接触子43の角度が若干変化するが、レンズ測定面Lmに接触する接触子43の範囲は、従来の倣い測定に比べて十分に狭い範囲に留まる。
なお、本実施形態では、接触子43が測定位置Pxに位置合わせされた時点(処理S31)において、テーブル20上のY軸は、測定装置本体10のX軸と略平行であり、テーブル20上のX軸は、測定装置本体10のY軸と略平行である。
また、図14では、測定位置Pxに位置する接触子43(Px)と回転軸Crとの間の距離Rを半径とする基準円VSを仮想線(一点鎖線)で示している。
具体的には、測定点P1の極座標は(R+Δr1,θ1)であり、測定点P2の極座標は(R+Δr2,θ2)であり、測定点P3(初期位置)の極座標は(R+Δr3,θ3)であり、測定点P4の極座標は(R+Δr4,θ4)であり、測定点P5の極座標は(R+Δr5,θ5)である。
x=rcosθ
y=rsinθ ・・・式(1)
処理S35によれば、各測定点P1~P5のXY座標が得られる。これにより、レンズLの光軸Aoを通る断面形状について、その輪郭の座標情報がXY座標として求められる。
以上により、レンズ測定装置1の測定動作が終了する。
本実施形態では、接触子43がテーブル20の回転方向に沿ってレンズ測定面Lmを倣い走査することにより、レンズLの測定動作が行われる。この倣い走査の間、接触子43はレンズ測定面Lmに対してほぼ一定の角度で接触するため、レンズ測定面Lmに接触する接触子43の範囲は、従来の直線倣い走査と比べて、十分に狭い範囲となる。よって、接触子43の真球度が測定精度に及ぼす影響を抑制し、高精度な測定を行うことができる。
従って、本実施形態によれば、レンズ形状を高精度かつ簡単に測定することができる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
例えば、図15に示すように、レンズ測定面Lmの光軸Aoと交わる領域の曲率中心Ccが、テーブル20の回転軸Crからずれており、レンズ測定面Lmの近似円VCは、距離Rを半径とする基準円VSとは異なっていてもよい。また、測定位置Pxの接触子43(Px)は、レンズLの光軸Aoが通る表面(頂点)以外の部位に接触してもよい。
このような配置によっても、レベル出し動作およびレンズ測定動作を前記実施形態と同様に行うことができ、レンズ測定面Lmに接触する接触子43の部位は、従来の倣い測定に比べて十分に狭い範囲に留まる。このため、本発明では、一般的な真円度測定に実施されるワークの芯だしを行う必要はない。
ただし、テーブル20上のレンズLの配置について、接触子43がレンズLをテーブル20の回転方向に倣い走査するときのスタイラス41の変位量Δrが、スタイラス41の変位可能範囲に収まることが好ましい。
また、レベル出し動作を行う場合、第1段階のみまたは第2段階のみを行ってもよい。例えば第1段階のみを行う場合、処理S13におけるレンズLの姿勢の収束条件を、次の測定動作を行うために十分な程度に設定すればよい。
また、レベル出し動作の第1段階においてレンズLの姿勢の収束条件を設けず、一度の粗調整後に第2段階を行ってもよい。
前記実施形態では、レンズ測定面Lmは、凸状の非球面であるが、これに限定されず、凹状の非球面でもよいし、球面(凹面または凸面)であってもよい。
例えばレンズ測定面Lmが凹状の非球面または球面(凹面)である場合、処理S11において、前記実施形態と同様、レンズ測定面Lmの光軸Aoを交わる領域の曲率中心Ccが、回転軸Crに略一致するように配置することが好ましい。また、処理S21および処理S33において、接触子43がレンズ測定面Lmを倣い走査する間、接触子43が凹状のレンズ測定面Lmに過度に押しつけられないように、適宜、検出器40をX軸方向に移動させてもよい。
Claims (6)
- 回転軸周りに回転するテーブルと、
測定対象であるレンズを保持し、前記レンズの光軸が前記回転軸に直交するように前記テーブルに載置されるレンズ保持具と、
前記レンズの表面のうちのレンズ測定面に接触する接触子と、
前記テーブルの回転角度を検出する角度センサと、
前記接触子の変位を検出する変位検出部と、
前記テーブルの回転角度ごとの前記接触子の変位量に基づき、前記レンズ測定面の座標情報を、前記回転軸を原点とする極座標として算出し、算出した前記極座標を直交座標に変換するデータ処理部と、
前記接触子を前記回転軸に沿って前記レンズ測定面に接触するように移動させる移動機構と、
前記移動機構による前記接触子の移動情報に基づき、前記レンズの光軸が前記回転軸に直交した状態になるように前記レンズの姿勢を調整するための粗調整量を算出する調整量算出部と、を備えることを特徴とするレンズ測定装置。 - 回転軸周りに回転するテーブルと、
測定対象であるレンズを保持し、前記レンズの光軸が前記回転軸に直交するように前記テーブルに載置されるレンズ保持具と、
前記レンズの表面のうちのレンズ測定面に接触する接触子と、
前記テーブルの回転角度を検出する角度センサと、
前記接触子の変位を検出する変位検出部と、
前記テーブルの回転角度ごとの前記接触子の変位量に基づき、前記レンズ測定面の座標情報を、前記回転軸を原点とする極座標として算出し、算出した前記極座標を直交座標に変換するデータ処理部と、
前記接触子を前記回転軸に沿って前記レンズ測定面に接触するように移動させる移動機構と、
前記回転軸に沿った方向において異なる位置で得られる複数の前記直交座標に基づいて、前記レンズの光軸が前記回転軸に直交した状態になるように前記レンズの姿勢を調整するための微調整量を算出する調整量算出部と、を備えることを特徴とするレンズ測定装置。 - 請求項1または請求項2に記載されたレンズ測定装置において、
前記レンズ保持具は、前記レンズ測定面のうち所定領域の曲率中心が前記回転軸に一致するように、前記テーブルに載置されていることを特徴とするレンズ測定装置。 - 回転軸周りに回転するテーブルと、前記テーブルに載置された測定対象に接触する接触子と、前記テーブルの回転角度を検出する角度センサと、前記接触子の変位を検出する検出器と、を備えるレンズ測定装置を用いて、
前記測定対象としてのレンズを当該レンズの光軸が前記回転軸に直交するように、前記テーブルに配置するレンズ配置工程と、
前記レンズが配置された前記テーブルを所定角度回転させることにより、前記接触子が前記レンズの表面の所定領域であるレンズ測定面に接触する倣い走査工程と、
前記テーブルの回転角度ごとの前記接触子の変位量に基づき、前記レンズ測定面の座標情報を、前記回転軸を原点とする極座標として算出する座標算出工程と、
算出した前記極座標を直交座標に変換する座標変換工程と、を含むレンズ測定方法において、
前記レンズ配置工程の後かつ前記倣い走査工程の前に、
前記接触子を前記回転軸に沿って前記レンズ測定面に接触するように移動させる移動工程と、
前記移動工程における前記接触子の移動情報に基づき、前記レンズの光軸が前記回転軸に直交した状態になるように前記レンズの姿勢を調整するための粗調整量を算出する粗調整量算出工程と、
前記粗調整量に従って前記レンズの姿勢を調整する粗調整工程と、を含むことを特徴とするレンズ測定方法。 - 回転軸周りに回転するテーブルと、前記テーブルに載置された測定対象に接触する接触子と、前記テーブルの回転角度を検出する角度センサと、前記接触子の変位を検出する検出器と、を備えるレンズ測定装置を用いて、
前記測定対象としてのレンズを当該レンズの光軸が前記回転軸に直交するように、前記テーブルに配置するレンズ配置工程と、
前記レンズが配置された前記テーブルを所定角度回転させることにより、前記接触子が前記レンズの表面の所定領域であるレンズ測定面に接触する倣い走査工程と、
前記テーブルの回転角度ごとの前記接触子の変位量に基づき、前記レンズ測定面の座標情報を、前記回転軸を原点とする極座標として算出する座標算出工程と、
算出した前記極座標を直交座標に変換する座標変換工程と、を含むレンズ測定方法において、
前記レンズ配置工程の後かつ前記倣い走査工程の前に、
前記回転軸に沿った方向において互いに異なる位置で、前記レンズ測定面を事前に測定する事前測定工程と、
前記事前測定工程によって得られた複数の前記直交座標に基づいて、前記レンズの光軸が前記回転軸に直交した状態になるように前記レンズの姿勢を調整するための微調整量を算出する微調整量算出工程と、
前記微調整量に従って、前記レンズの姿勢を調整する微調整工程と、を含むことを特徴とするレンズ測定方法。 - 請求項4または請求項5に記載されたレンズ測定方法において、
前記レンズ配置工程は、前記レンズ測定面のうち所定領域の曲率中心が前記回転軸に一致するように、前記レンズを配置することを特徴とするレンズ測定方法。
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