JP7368215B2 - 工作機械及びワーク加工部の形状測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内面研削盤、旋盤などの工作機械及びワーク加工部の形状測定方法に関し、特にそのワークの形状測定精度の向上に関する。
従来、主軸に装着したタッチセンサを利用してワークの加工部の形状を測定する工作機械は知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
特開2015-39732号公報 特開2008-105134号公報
しかしながら、平面上に2軸しか持たない機械(例えば、内面研削盤、旋盤等)では、タッチセンサによってワーク加工部の形状を計測することはできるが、得られた計測結果は、正しい値が得られるとは限らない。これは、熱変位、ワークチャック位置誤差等により、ワーク側と計測側での座標0点に異なりが生じているためである。
具体的には、ワークの測定位置とタッチセンサ先端の測定球(スタイラス球ともいう)との測定位置がずれることで、ワーク中心での計測ができなかったり、測定球自体の計測位置がずれたりすることで、大きな計測誤差が生じるという問題がある。
例えば、図10に示すように、Y方向に0.1mmの測定球105aの位置ずれが生じた場合、ワーク側の円周変化により誤差が計測上発生する。誤差としては、例えば0.00167mmとなる。
また、測定球105aの接触角度に異なりが生じてくる。測定球105aの外径は、ワークWの内径に比べてかなり小さくなることから、この接触角度の違いは大きな誤差として生じる。測定球105aの外径が1mmで、ワーク内径が6mmの場合、ワーク中心を(X,Y)=(0,0)としたときに、測定球105aの測定値が(X,Y)=(2.998,-0.128)となった場合、測定球105aの接触点は、水平位置から接触角度が2.3112°傾いた位置にあることから、接触誤差はtan2.3112°×0.5mm=0.02018mmの誤差が生じる。
さらに、接触点と走行方向の違いによる影響について、図11に測定球105aの走行方向(X方向)を矢印で示す。走行方向に対して2.3112°傾いているとき、この傾いたワーク内周面との接触点で測定球105aの作動押圧力を超えたときにタッチセンサが検知する。作動押圧力の大きさによって誤差量は異なるが、分力の関係を45°で50%となる比例関係で捉えると、97.4%の力で検知されることになる。直径1mmの測定球105aの97.4%は、0.0134mmの誤差として生じる。
これらの誤差を加算すると、合計で0.00167+0.0202+0.0134=0.0353mm程度の誤差が測定点1点のみで生じてしまうことになる。測定球105aの外径やワークの内径がさらに小径となると、この誤差が拡大するという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述した誤差の発生態様を考慮して測定球における位置誤差を取り除いてより正確なワーク加工部の形状測定を行えるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、画像やレーザー光によるデータを追加して測定球の位置誤差を把握するようにした。
具体的には、第1の発明の工作機械は、
工具が取り付けられる主軸と、
上記主軸を移動可能に支持する主軸テーブルと、
ワークが取り付けられるワークチャックと、
上記主軸テーブルに設けられ、該主軸テーブルによって移動され、先端の測定球が上記ワークに接触して該ワークの形状を計測するタッチセンサと、
上記タッチセンサの接触点及び該接触点の周辺を撮像する撮像手段と、
上記タッチセンサからの信号と、上記撮像手段による画像とを利用し、該タッチセンサの測定球の位置誤差を判定し、該位置誤差を利用して上記ワークの形状を判定する制御部とを備えている。
上記の構成によると、タッチセンサの計測結果だけでなく、撮像手段による画像を合わせて取得するので、タッチセンサの測定球の位置誤差を適切に補正でき、より正確なワークの形状が測定可能となる。
第2の発明では、第1の発明において、
上記撮像手段は、上記タッチセンサの本体又は該本体の近傍に設けられたカメラであり、上記タッチセンサが上記ワークに接触したときに上記測定球及び該測定球の周辺を撮像するように構成されている。
上記の構成によると、タッチセンサの本体又はその近傍に設けたカメラによって測定球の位置誤差を確実に補正できるので、タッチセンサの測定精度が向上する。
第3の発明では、第2の発明において、
上記タッチセンサと上記主軸とが同一平面上に設けられていることにより、上記主軸の加工ポイントと、上記タッチセンサによる計測ポイントとが同一に保たれている。
上記の構成によると、加工ポイントと計測ポイントとが同一に保たれているので、信頼性が向上している。
第4の発明では、第2又は第3の発明において、
上記カメラの撮像方向は、タッチセンサの軸心方向と一致している。
上記の構成によると、カメラの撮像方向とタッチセンサの軸心方向とがずれていて傾斜しているときのような誤差が生じず、より正確なワークの形状が測定可能となる。
第5の発明では、第1の発明において、
上記撮像手段は、数値化計測機器であり、該数値化計測機器から計測された位置情報を用いて位置誤差を演算できる。
上記の構成によると、レーザーなどの数値化計測機器、例えばレーダー照射計測装置等から計測された位置情報を用いて位置誤差を演算できるので、誤差の解消が容易となり、信頼性が向上する。
第6の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明において、
内面研削盤であり、
上記制御部は、上記位置誤差を利用して上記タッチセンサで計測された上記ワークの内径値を修正するように構成されている。
上記の構成によると、同一平面で二軸のみ移動可能な内面研削盤によるワークの内面であっても、タッチセンサの測定値を利用して精度よく内面研削が行われる。
第7の発明では、
工具が取り付けられる主軸と、
上記主軸を移動可能に支持する主軸テーブルと、
ワークが取り付けられるワークチャックと、
上記主軸テーブルに設けられ、該主軸テーブルによって移動され、先端の測定球が上記ワークに接触して該ワークの形状を計測するタッチセンサと、
上記タッチセンサの接触点の位置を検知するレーザー部と、
上記タッチセンサからの信号と、上記レーザー部を回転させたときのエンコーダによる回転角度とを利用し、該タッチセンサの測定球の位置誤差を判定し、該位置誤差を利用して上記ワークの形状を判定する制御部とを備えている。
上記の構成によると、レーザー部のエンコーダから得られた回転角度を利用してタッチセンサの測定球の位置誤差を補正できるので、より正確なワークの形状が測定可能となる。
第8の発明のワーク加工部の形状測定方法では、
工具が取り付けられる主軸と、
上記主軸を移動可能に支持する主軸テーブルと、
ワークが取り付けられるワークチャックと、
上記主軸テーブルに設けられ、該主軸テーブルによって移動され、先端の測定球が上記ワークに接触して該ワークの形状を計測するタッチセンサと、
上記タッチセンサの接触点及び該接触点の周辺を撮像するカメラとを有する工作機械を準備し、
上記カメラの撮像方向を上記タッチセンサの軸心方向と一致させ、
上記タッチセンサが上記ワークに接触したときに上記測定球及び該測定球の周辺を撮像し、
上記タッチセンサからの信号と、上記カメラによる画像とを利用し、該タッチセンサの測定球の位置誤差を判定し、該位置誤差を利用して上記ワークの形状を判定する構成とする。
上記の構成によると、タッチセンサの計測結果だけでなく、カメラによる画像を合わせて取得するので、タッチセンサの測定球の位置誤差を適切に補正でき、より正確なワークの形状が測定可能となる。
第9の発明では、第8の発明において、
上記ワークチャック側にワーク側基準線を設けておき、
上記タッチセンサを上記カメラの撮像範囲内で水平に移動させてセンサ側移動線を作成し、
上記センサ側移動線と上記ワーク側基準線とを比較して上記ワークの傾きを検出し、
上記ワークの傾きを用いて位置誤差を補正した上で、上記ワークの形状測定を行う構成とする。
上記の構成によると、センサ側移動線とワーク側基準線とを比較してワークの傾きを検出し、その傾きによる位置誤差をタッチセンサによる測定の際に補正できるので、より正確なワークの形状測定が可能になる。
以上説明したように、本発明によれば、撮像手段(カメラ)やレーザー光による追加情報を測定球における位置誤差を取り除いてより正確なワーク加工部の形状測定を行える。
カメラ及びタッチセンサを含む内面研削盤を示す正面図である。 カメラ及びタッチセンサを含む内面研削盤を示す平面図である。 カメラによる画像取得範囲とワークとの位置関係を説明するための概要図である。 カメラとタッチセンサとワークとの位置関係を説明するための平面図である。 (a)熱変形がないときのワークの水平線と測定球の移動方向との関係を示し、(b)熱変形が発生したときのワークの水平線と測定球の移動方向との傾きを示す図である。 カメラによる画像取得範囲とワークとの位置関係を説明するための概要図である。 ワークが1°傾いたときのワークと測定点の位置関係を説明するための概要図である。 実施形態の変形例に係る測定球の接触角度について説明するための概要図である。 接触角度とY方向ずれ量との関係を示す表である。 Y方向にずれた場合のワーク内周面と測定球との関係を示す概要図である。 接触点と走行方向の違いによる影響を説明するための概要図である。 レーザーを用いたワークの高さ方向にずれがない場合の計測例を説明するための概要図である。 レーザーを用いたワークの高さ方向にずれがある場合の計測例を説明するための概要図である。 加工内径10mmの計測結果と高さ方向ずれ量との関係を示すグラフである。 Y軸にレーザー部を支持した場合の装置構成の概略を示す平面図である。 Y軸にレーザー部を支持した場合の装置構成の概略を示し、(a)が正面図で、(b)が側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は本発明の実施形態の工作機械としての内面研削盤1の主要部を示し、この内面研削盤1は、砥石などの工具が取り付けられる主軸2を備えている。主軸2は、主軸モータ2aで任意の速度で回転可能となっており、主軸テーブル(主軸コラム)3によってZ軸方向に移動可能に支持されている。この主軸テーブル3と対向する位置にワークWが取り付けられるワークチャック4が設けられている。ワークチャック4は、ワークWをX,Y方向に移動可能に支持するようにワークテーブル(図示省略)に設けられている。内面研削盤1の基本構造は、公知の構造と同様とする。
そして、主軸テーブル3には、タッチセンサ5が設けられている。このタッチセンサ5は、例えば、主軸テーブル3に揺動可能に支持されたタッチセンサ用アーム6の先端に設けられており、ワークWの形状測定時に主軸2の前方に配置される測定位置と、この測定位置に対して約90°旋回させた待機位置との間で揺動可能となっている。タッチセンサ用アーム6は、その根元のアーム用モータ6aを回転させることで、この主軸2の前方に配置された計測姿勢では、タッチセンサ5は、Z軸の方向に延びている。そして、タッチセンサ5は、棒状部材の先端に測定球5aを有し、主軸テーブル3によってZ軸方向に移動され、測定球5aがワークWに接触してワークWの形状を計測するように構成されている。測定球5aは、例えば外径1mmの球形である。タッチセンサ5の根元側には円柱状のタッチセンサ本体5bが設けられており、計測値がタッチセンサ用ハーネス5cを介して内面研削盤1の制御部としての制御盤7等に送信されるようになっている。タッチセンサ5はZ軸方向に延びていることから、主軸2と同一平面上に設けられている。言い換えれば、主軸2の加工ポイントと、タッチセンサ5による計測ポイントとが同一に保たれている。
そして、本実施形態の内面研削盤1は、タッチセンサ5の測定球5aの接触点及びその周辺を撮像する撮像手段としてのカメラ10を備えている。カメラ10は、例えば、タッチセンサ本体5bにおいて、例えば、測定球5aの右側に設けられている。このカメラ10の撮像方向は、タッチセンサ5の軸心方向、すなわちZ軸の軸心方向と一致している(平行である)。
詳しくは後述するが、制御盤7は、タッチセンサ5からの信号とカメラ10による画像とを利用し、タッチセンサ5の測定球5aの位置誤差を判定し、この位置誤差を利用してワークWの形状(例えば、ワークWの内径値)を判定するようにプログラミングされている。
-内面研削盤の作動-
次に、本実施形態に係る内面研削盤1の作動について説明する。
まず、上述した内面研削盤1を準備する。
次いで、タッチセンサ用アーム6を揺動させ、主軸2の前となる測定位置に移動させる。このとき、カメラ10の撮像方向をタッチセンサ5の軸心方向(Z軸方向)と一致させる(平行にする)。しかも、Z軸方向から見たときに、図1に示すように、タッチセンサ5の測定球5aの高さとカメラの撮像方向の高さとは一致している。かりに高さに差があると、画像データは傾斜を伴ってしまい、Z方向の位置がずれると測定誤差が生じるが、その測定誤差を避ける必要があるためである。本実施形態では、主軸2による加工ポイントとタッチセンサ5による計測ポイントとが同一に保たれているので、信頼性が向上している。
次いで、主軸テーブル3をZ軸方向に進め、タッチセンサ5の測定球5aをワークWに接触させる。ワークWの内径を計測するときには、ワークW側をX軸方向に移動させる。測定球5aがワークWの内面に当接すると、根元が撓んで所定以上のトルクが加わると、タッチセンサ5がONとなる。そのときのX,Yの位置座標を制御盤7において記録する。タッチセンサ5がONになったときにカメラ10によって測定球5a及びその周辺を撮像する。
制御盤7は、このタッチセンサ5からの信号と、カメラ10による画像とを利用し、タッチセンサ5の測定球5aの位置誤差を判定し、位置誤差を利用して上記ワークWの形状を判定する。
図3及び図4に示すように、測定誤差を避けるためにカメラ10のY方向高さが測定球5aのY方向高さと同じに保たれて、カメラ10がタッチセンサ本体5bの図3で示す右側に固定されている場合、撮像された画像は、左側は測定球5aを含むタッチプローブの影となるため、ワークWの測定球5a及びワークWの右側部分のみ(図3で矩形の太線で囲む領域B)となる。
ここで、カメラ10により撮像された画像だけでは、内面研削盤1における熱変形によるワークWの姿勢(カメラ10側のX方向移動線Mと平行不良)とのずれを判定できない。
すなわち、図5(a)に示すように、ワークWに熱変形等によるずれが発生していないと、そのX方向の中心線Cは、測定球5aのX方向移動線Mと同一の直線状にあって問題はない。一方、図5(b)に示すように、熱変形が発生すると、測定球5aのX方向のセンサ側移動線M(破線で示す)と、ワークW側の中心線C(一点鎖線で示す)との平行が損なわれるが、このことは、右側のみの画像では把握できない。左側を写すカメラ10も取り付けることも考えられるが、左右2つのカメラ10の傾きが等しいことを確認できない。また、下から全体を写すと傾きがあり、問題となる。
そこで、この右側の撮像範囲内にワークW側基準線Sを設ける。具体的には、図6に示すように、ワークチャック4を定位置に停止させ、そのチャック部4aにワークW側基準線Sを作成する(図6に太線で示す)。図示しないが、例えば、ワークチャック4の外からブラケットを介し、ワークW側基準線Sを前方に作成する。
-カメラの撮像画像とその処理-
次いで、カメラ10で撮像された画像とその取り扱い処理について説明する。
図6に示すように、撮像画像からは、測定球5aの接触点の位置を把握することができる。また、ワークWの最大径部の認識をすることができる。この最大径部の位置情報から測定点がいくらずれたかを計測ができる。
一方、カメラ10の位置の関係で、上述したように左側画像については解析が困難である。そこで上述したようなワークW側基準線Sをワークチャック4に設ける。
このワークW側基準線Sを取り込めば、このワークW側基準線Sとの比較からワークWの傾きを容易に把握することができる。例えば、このワークW側基準線Sの画像を内面研削盤1の運転前に取り込んでおき、このワークW側基準線Sの傾きを0としてセンサ側移動線Mと比較していくことで、それぞれの計測時の傾きが求められる。
次いで、補正のやり方について説明する。例えば、ワークWに内径12mmの孔を加工する場合、ワークW中心がX=0で、内面接触点がX=6の場合、測定球5aの半径0.5mmは座標取得時に加算される。
ここで、計測位置がX=5.8mmで、中心から0.1mm離れた点で傾きが1°生じていた場合を想定する。
通常は、計測値、X=5.8(X=0がワークW中心)とX=5.798だった場合、狙い値(X=6)を得るには、0.206を目標に拡大させる補正が必要になる。ここで、左右点の違いは、どこかの熱変位との認識であるため誤差量値しか見ることがない。
一方、本願の画像方式では、右側のワークWによる誤差として、ワークWの傾きが1°発生している場合、計測点は、図7に示す位置となる。これは、ワークW側と計測側で熱変形が異なるため発生する誤差である。計測点が最大径部の下でY=0.1mmにあり、計測値がX=5.8mmとなった場合、ワークWの計測位置誤差は、√(5.8-0.12)=5.7991mmとなる。これは実際の計測値よりも1μm程度小さい。
一方、右側の測定球5aの接触点誤差として、ワークWでは、X+Y=5.8、測定球5aでは(X-5.3)+(Y-(-0.1))=0.5(測定値を使用)より、2円の交点は、X=5.8mm、Y=0.076mmの点になる。測定球5aで、Y=0.076だけ下がった点の接触点は、測定球5aの半径に対し、√(0.5-0.076)=0.494となる。半径R=0.5に対し、およそ6μmの過ぎた点が計測位置となっている。これは測定点の接触点のX方向ずれ量を示す。
画像としては現れていない左側の計測点は、1°下がっていることになるため、右側最大径部よりY=0.1mmだけ下に、さらにsin1°×(ABS(-5.798)+5.8)の傾き分だけY方向で下になるため、左側は、Y=0.202mmだけ下を計測していることになる。
左側のワークWによる誤差として、その計測位置誤差は、√(-5.798-0.202)=5.7944となって、計測値より約6μm小さくなる。
また、測定球5aの接触点誤差(左計測)として、右側処理と同様に左側の2円の交点を求めると、ワークWでは、X+Y=5.792 測定球5aでは、(X-5.2922)+(Y-(-0.202))=0.5より、交点は、X=5.792、Y=0.156となる。
0.5-0.156=0.475で接触となり、半径R=0.5に対して約15μm過ぎた点で計測していることになる。これは、測定球5aの接触点のX方向のずれ量を示す。
これら右左の誤差を合算すると、1μm+6μm+6μm+15μm=28μmだけ計測値が大きくなっている。つまり、通常の計測値補正に対し、-28μの補正が必要となる。
すなわち、通常補正値が0.206mmで、画像使用補正量は、0.206mm-0.028mm=0.178mmの差がある。
さらに、誤差として、接触角度によるプッシュ力誤差が生じるが、この誤差量は、角度と比例する。使用するタッチセンサ5により接触角度の誤差量が異なるため、実際に使用するタッチセンサ5により補正量を決める必要がある。プッシュ圧誤差は、反応が遅れてくる方向にある。
計測開始点は、画像内の相対で評価されるため正確である。起点が合っていることで、傾き補正も有効となる。
この点を改善するため、平行のワークW側基準線Sをカメラ10内へ入れることを行い、傾きを把握することを行う。本実施形態では、チャック部4aに平行にワークW側基準線Sを設けることで行う。
このワークW側基準線Sを取り込み、ワークW側基準線Sとセンサ側移動線Mの比較から、容易に傾きを把握することができる。このワークW側基準線Sは、機械運転前に画像を取り込み、このワークW側基準線Sの傾きを0として、センサ側移動線Mと比較していくことで、各々の計測時の傾きを求めていくことができる。このワークWの傾きを用いて補正した上で、ワークWの形状測定を行う。
本実施形態では、タッチセンサ5の計測結果だけでなく、カメラ10による画像を合わせて取得するので、タッチセンサ5の測定球5aの位置誤差を利用してより正確なワークWの形状が測定可能となる。
したがって、本実施形態に係る内面研削盤1によると、測定球5aにおける位置誤差を取り除いてより正確なワークWの加工部の形状測定を行える。
-変形例-
図8及び図9は本発明の実施形態の変形例を示し、カメラ10を有さない点で上記実施形態と異なる。なお、以下の各変形例では、図1~図7と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
上記実施形態では、カメラ10を撮像手段として設けたが、カメラ10の代わりにタッチセンサ5の接触点の位置を検知する数値化計測機器としてのレーザー部110を設けてもよい。レーザー部110は、カメラ10の取付位置にレーザーヘッドを設けて構成すればよく、レーダー照射計測装置など、レーザー光を送受信して測定球5aがワークWのX方向中心線からずれている接触角度θを検出できるものであれば、その構成は限定されない。
この場合、制御盤7は、タッチセンサ5からの信号と、レーザー部110を回転させたときのエンコーダによる回転角度(接触角度θ)とを利用し、タッチセンサ5の測定球5aの位置誤差を判定する。レーザー部110によって計測した位置誤差を利用できるので、信頼性が向上している。
例えば、図8に接触角度θとY方向ずれ量の関係を示すように、測定球内径6mmのワークWの内面と測定球5aとの接触点のX,Y座標と、レーザー部110によって検出された接触角度θの値と合わせると、Y方向のずれの値Aがわかる。
補正の方法としては、測定球5aの外径が1mmのときに、X軸位置と接触角度θからtan(A)×0.5mm=X軸の接触位置となる。X軸の計測位置+X軸の接触位置からX軸の計測値が計算される。また、接触角度θから図9を用いてY軸のずれ量が求められる。そこからY軸の計測値が算出される。そして、X軸値の平方根+Y軸値の平方根により、現在の内径を求め、所定に達するまでの量を正確に求めることを行う。
この位置補正を利用してワークWの形状を判定すればよい。
スイベルする機構を有する場合には、ワーク側主軸ユニットが、ユニット全体を1mm浮上させる機構を有するようにすればよく、この場合、浮上させた状態で、スイベル動作を行う。この浮上量を利用する計測を行うことで、ワークWと砥石111(レーザー部110)の高さ方向でのずれ量とその方向を求めるとよい。
図12にワークWの高さ方向にずれがない場合の計測例について示す。内径10mmの孔を加工するときに、半径5.0mmの高さ方向のずれは、スイベル下端で5.0mmで、スイベル上端では、4.899mmとなっている。
図13に示すように、レーザー部110に対して、ワークW(加工孔)高さ方向が、上方向へずれた場合、スイベル上昇時は、スイベル上昇量1mm加算された、加工孔の円下側を計測する(図13に太い破線で示す)。ワークWの高さが、上に0.2mmずれた場合には、スイベル下端で4.996mmで、スイベル上端で4.854mmとなっている。
レーザー計測器に対して、ワークW(加工孔)高さ方向が、下方向へずれた場合、スイベル上昇時は、スイベル上昇量1mmから、ワークWの高さずれ量が減算された量の円下側を計測する(図13に細い破線で示す)。ワークの高さが下に0.2mmずれた場合の計測例を示す。内径10mmの孔を加工するときに、半径5.0mmの高さ方向のずれは、スイベル下端で4.996mmで、スイベル上端では、4.800mmとなっている。
この高さ方向のずれを変更していったときのスイベル下端とスイベル上端との間でのずれを計測した結果を、図14に示す。
スイベル上昇させた点を計測することで、計測結果に違いが生じ、この量を把握することで、ずれ量を把握することが可能であることがわかる。
スイベル上昇機構の下端では、高さ方向のずれ方向により、ずれの方向を特定できず、同一の値が生じる(図14の菱形)。
スイベル上昇機構の上端では、高さ方向のずれ方向により、下端の計測値と差が生じてくることから、ずれた方向を違い量から特定できることがわかる(図14の四角)。
次いで、具体的な内面研削機1の作動について説明する。ワークチャック4に円筒状のワークWが把持されており、カメラ10の部分にレーザー部110が設けられている。ワークWの形状が円柱状なので、レーザー光が通過するときから遮断されるときまでレーザー部110を駆動する。
スイベル下端において、孔内レーザー照射が行われ、X軸に沿って移動し、レーザー遮断にて機械停止、停止位置のデータを格納する。スイベル上端においても、孔内レーザー照射が行われ、X軸に沿って移動し、レーザー遮断にて機械停止し、停止位置のデータを格納する。X座標位置より、図14のグラフに相当する点を読み取り、補正量を算出する。
なお、図15及び図16に例示するように、Y軸機構108を付加し、このY軸にレーザー部110を支持させて計測することもできる。内面研削機101は、X軸サドル109、Y軸機構108、砥石111等を有し、Y軸機構108にレーザー部110が支持されている。ワークチャック104に円筒状のワークWが把持されている。ワークチャック104とレーザー部110との位置関係、X軸、Z軸によりレイアウトするとよい。この場合も、Y軸とX軸とを動作させることで、加工孔径を導くことができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、工作機械として内面研削盤1の例を示したが、これに限定されず、平面状に2軸しか持たない旋盤など他の工作機械でもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
1 内面研削盤(工作機械)
2 主軸
2a 主軸モータ
3 主軸テーブル
4 ワークチャック
5 タッチセンサ
5a 測定球
5b タッチセンサ本体
5c タッチセンサ用ハーネス
6 タッチセンサ用アーム
6a アーム用モータ
7 制御盤
10 カメラ(撮像手段)
101 内面研削機
104 ワークチャック
108 Y軸機構
109 X軸サドル
110 レーザー部
111 砥石

Claims (9)

  1. 工具が取り付けられる主軸と、
    上記主軸を移動可能に支持する主軸テーブルと、
    ワークが取り付けられるワークチャックと、
    上記主軸テーブルに設けられ、該主軸テーブルによって移動され、先端の測定球が上記ワークに接触して該ワークの形状を計測するタッチセンサと、
    上記タッチセンサの接触点及び該接触点の周辺を撮像する撮像手段と、
    上記タッチセンサからの信号と、上記撮像手段による画像とを利用し、該タッチセンサの測定球の位置誤差を演算し、該位置誤差を取り除いて上記ワークの形状を測定する制御部とを備えている
    ことを特徴とする工作機械。
  2. 請求項1に記載の工作機械において、
    上記撮像手段は、上記タッチセンサの本体又は該本体の近傍に設けられたカメラであり、上記タッチセンサが上記ワークに接触したときに上記測定球及び該測定球の周辺を撮像するように構成されている
    ことを特徴とする工作機械。
  3. 請求項2に記載の工作機械において、
    上記主軸テーブルは、上記主軸をZ軸方向に移動可能に支持し、
    上記タッチセンサは、Z軸方向に延びて上記主軸の軸心方向と平行に延びている
    ことを特徴とする工作機械。
  4. 請求項2又は3に記載の工作機械において、
    上記カメラの撮像方向は、タッチセンサの軸心方向と一致している
    ことを特徴とする工作機械。
  5. 請求項1に記載の工作機械において、
    上記撮像手段は、数値化計測機器であり、該数値化計測機器から計測された位置情報を用いて位置誤差を演算できる
    ことを特徴とする工作機械。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の工作機械において、
    記制御部上記位置誤差を利用して上記タッチセンサで計測された上記ワークの内径値を修正するように構成されている、内面研削盤である
    ことを特徴とする工作機械。
  7. 工具が取り付けられる主軸と、
    上記主軸を移動可能に支持する主軸テーブルと、
    ワークが取り付けられるワークチャックと、
    上記主軸テーブルに設けられ、該主軸テーブルによって移動され、先端の測定球が上記ワークに接触して該ワークの形状を計測するタッチセンサと、
    上記タッチセンサの接触点の位置を検知するレーザー部と、
    上記タッチセンサからの信号と、上記レーザー部を回転させたときのエンコーダによる回転角度とを利用し、該タッチセンサの測定球の位置誤差を演算し、該位置誤差を取り除いて上記ワークの形状を測定する制御部とを備えている
    ことを特徴とする工作機械。
  8. 工具が取り付けられる主軸と、
    上記主軸を移動可能に支持する主軸テーブルと、
    ワークが取り付けられるワークチャックと、
    上記主軸テーブルに設けられ、該主軸テーブルによって移動され、先端の測定球が上記ワークに接触して該ワークの形状を計測するタッチセンサと、
    上記タッチセンサの接触点及び該接触点の周辺を撮像するカメラとを有する工作機械を準備し、
    上記カメラの撮像方向を上記タッチセンサの軸心方向と一致させ、
    上記タッチセンサが上記ワークに接触したときに上記測定球及び該測定球の周辺を撮像し、
    上記タッチセンサからの信号と、上記カメラによる画像とを利用し、該タッチセンサの測定球の位置誤差を演算し、該位置誤差を取り除いて上記ワークの形状を測定する
    ことを特徴とするワーク加工部の形状測定方法。
  9. 請求項8に記載のワーク加工部の形状測定方法において、
    上記ワークチャック側にワーク側基準線を設けておき、
    上記タッチセンサを上記カメラの撮像範囲内で水平に移動させてセンサ側移動線を作成し、
    上記センサ側移動線と上記ワーク側基準線とを比較して上記ワークの傾きを検出し、
    上記ワークの傾きを用いて補正した上で、上記ワークの形状測定を行う
    ことを特徴とするワーク加工部の形状測定方法。
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