JP4766788B2 - ボード、および、ボードの構成方法 - Google Patents

ボード、および、ボードの構成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、黒板、白板、提示板、およびパーテーションを含む、板状のインテリア器具一般、並びに、その構成方法に関するものである。ただし、合成樹脂製の板状部材の周囲をかまち材で囲むとともに、その両面を表面板で覆った構造のボードを適用の対象とする。
【0002】
【従来の技術】
図3は、ボードの1例としての白板の従来技術を説明するための要部断面図である。
ボード1の芯材1cは、本図3では一部分だけが表れているが、全体的には長方形板状をなし、発泡スチロール材で構成されている。
上記長方形板状の芯材1cの周囲に、細長い長方形板状の木製かまち材1dが配設されている。
かまち材1dで取り囲まれた芯材1cの両面が、表面板1bで覆われている。
本図3に表されているように、板状の芯材1cと板状のかまち材1dとは等しい厚さ寸法に構成されていて、前記表面板1a,1bが接着剤で貼着されている。
符号2を付して示したのは軽合金製の枠部材であって、挟み板部2aと当て板部2bとが「ボード1に嵌合する凹状の部分」を形成して、ボード1の周囲に嵌め合わされ、取付ネジ3で固定されている。2cはネジ覆い部であって、このネジ覆い部は省略された例も有る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示したように、従来例のボードは、そのかまち材を木材で構成されていた。このかまち材を木製にすると、比較的軽量で、加工し易く、比較的安価で、取付ネジ(木ネジ)を捩じ込み易く、所要の強度を有しているので適当だからである。
ところが、最近、地球緑化という全人類的要請に基づいて、本邦においても森林の保護育成が法制化され、ボードを構成する木材は間伐材を使用しなければならなくなった。
図4は、ボードのかまち材を間伐材で構成した場合における技術的困難を説明するために示した模式的な要部断面図であって、(A)は前掲の図3に示したのと同様の従来例を描いてある。しかし、間伐材では所要寸法の板材を切り出すことが容易でない上に、材質の均一性が良くない。不均一の具体例として節が多い。
本図4(B)に示すように、取付ネジ3を間伐材製のかまち材5に螺入しようとしたとき、該取付ネジ3を押し当てた所に節が有ると捻じ込みにくく、正しい位置に捻じ込めない。また、間伐材は材質が不均一なので、ネジの支持強度が不足する虞れも有る。甚だしいときは、ひび割れ7を生じて、その結果、表面板の周辺の1部に膨出部1eを生じ(図は膨出量を誇張して描いてある)、外観を損ねる。
【0004】
間伐材製のかまち材に関する上述の不具合を解消するため、本図4(C)に示したように、間伐材で作られた平行合板(LVL)製のかまち材4を用いることも検討されている。
しかし、平行合板の各層を形成しているかまち材の薄板の1枚1枚が品質不均一なので、平行合板を用いても「どこに節が有るか分からない」といった不安要素は残る。
間伐材で作られた薄板に多量の固化剤を含浸させると平行合板の強度は増加するが、衛生環境上の見地からホルムアルデヒド含有量が規制されるので充分な機械的性質が得られない上に、次に述べるような問題も有る。
図5(A)は平行合板製かまち材4付近を模式的に描いた拡大断面図である。
芯材1cの周囲に平行合板製かまち材4を配設し、接着材8を塗布して表面板1a,1bを貼着する場合、これら2枚の表面板1a,1bを挟みつけて押圧する。詳しくは、本図5(B)のように積み重ねてプレスで押圧する。
このとき、塗布された接着剤の大半は接着剤層8を形成して接着機能を果たすのであるが、一部分は押し出されて接着剤の「はみ出し」9を形成する。
(図5(B)参照)接着剤はみ出し9のため、上下に隣接するボード半製品が相互に固着して、これを引き剥がすのに多大の時間と労力とを要する。
【0005】
発泡スチロール製の芯材1cは相対的に弾性に富み、平行合板製かまち材4は相対的に剛性が高い。このため、接着操作の際に2枚の表面板1a,1bを挟みつけて押圧したとき、芯材1cは厚さ寸法が減少し、平行合板製かまち材4は圧縮されずに抵抗する。その結果、両者の境界部に対応する箇所(矢印aで示す)に微小な段差を生じる。この段差は通常の板金用計測器(例えばダイヤルゲージ)では感知しにくい程度のものであるが外観に異常を生じる。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、a.森林保護に関する法的規制(グリーン購入法等)に適合し、
b.接着剤のはみ出しに因るトラブルを生じる虞れが無く、
c.かまち材と芯材との境界部に相当する外観の異常を生じること無く、
d.枠部材を取付ネジで装着する作業に困難を伴わず、
e.枠部材の取付ネジに起因する外観異常を生じない、ボード、およびその構成方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために創作した本発明方法の基本的原理は、かまち材を合成樹脂材料で構成することである。
ボード類のかまち材として、間伐材でない木材を使用できなくなった現状(本願発明出願時)において、「木材に代えて合成樹脂材料を用いること」は、単なる材料の置換に過ぎないという錯覚を招く虞れが有るが、これはいわゆるコロンブスの卵であって、
単に合成樹脂材料でかまち材を構成してみても、イ.先に説明した接着剤のはみ出しに伴う困難や、ロ.木材におけると同様に木ネジを螺入することができないという問題や、ハ.かまち材と芯材との境界線に対応する箇所に外観異常を生じるという不具合は解決しない。
間伐材以外の木材を使用できなくなった現状において、間伐材製の角材を用いたり、間伐材製の平行合板を用いたりするという範囲内での改良,工夫から脱却して、合成樹脂製かまち材によって生じる種々の新たな問題を解決する技術の創作を前提として、はじめて合成樹脂材料でかまちを構成し得たものである。
【0008】
以上に説明した原理に基づいて請求項1に係る発明方法の構成は、平板状部材である芯材の周囲に、該芯材とほぼ同じ厚さの細長い板状のかまち材を配置するとともに、上記芯材およびかまち材の両側の面のそれぞれに表面板を貼着するボードの構成方法において、
前記のかまち材を合成樹脂材料によって構成することを特徴とする。
この請求項1の発明方法によると、ボードのかまち材として木材を用いないので、森林資源の保護という社会的要請に沿うことができ、森林保全に関する法的規制に適合する。
【0009】
請求項2に係る発明方法の構成は、前記請求項1の発明の構成要件に加えて、前記かまち材の、表面板を接着する面に、その長手方向の溝状をなすのりだまり(糊溜り)を設けて、接着剤がボードの端面に押し出されることを防止し、ないしは軽減させることを特徴とする。
以上に説明した請求項2の発明方法によると、芯材の周囲にかまち材を配置した状態において、該かまち材の外周縁の内側に溝状ののりだまりが形成されるので、余分の接着剤は該のりだまりに捕捉され、ボードの外周に押し出されない。
このため、接着剤のはみ出しに因るトラブルは未然に防止される。
【0010】
請求項3に係る発明方法の構成は、前記請求項1または請求項2の発明の構成要件に加えて、前記細長い板状のかまち材の、芯材に対向する細長い長方形(これに類似した形状を含む)の長辺に相当する2本の稜の少なくとも片側の稜に、面取りを旋し、もしくは、アールを付することにより、かまち材の内側の縁がボードの表面板の外観に現れないようにすることを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明方法によると、表面板を接着するために押圧力を加えたとき、かまち材の稜の部分に面取りが施され、もしくはアールを付されているので、この稜の付近「圧力分布の著しい勾配」が生じない。このため、該稜の外側に位置する箇所に表面板の外観異常を生じない。
【0011】
請求項4に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明方法の構成要件に加えて、前記のかまち材を、発泡倍率1.05〜4の発泡合成樹脂材によって構成するとともに、
組み立てた後にボードの周囲の面を形成する細長い面の、長手方向の中心線にほぼ沿わしめて案内溝を設けておき、
ボードの周囲に嵌合する凹部を有する枠部材を該ボードの周囲に嵌め合わせ、上記枠部材の凹部底面に予め設けておいた透孔に取付ネジを挿通して、
上記取付ネジの先端を、前記案内溝によってボードの厚さ方向の中央に誘導して位置決めしつつ、該取付ネジをかまち材の中へ捻じ込むことを特徴とする。
以上に説明した請求項4の発明方法によると、発泡倍率1.05〜4の発泡合成樹脂(望ましくは発泡倍率2(四捨五入値))で構成されているので、この中に木ネジを捻じ込むことが可能であり、かつ、適正なネジ保持力が得られる。
その上、木ネジを捻じ込むべき箇所に案内溝が設けられているので、該木ネジが、かまち材の厚さ方向の中央に導かれ、格別の熟練を要しないで枠部材を正しく装着することができる。
【0012】
請求項5に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明の構成要件に加えて、ボードの周囲に取り付けられる枠部材を、合成樹脂材により、予め、前記かまち材と一体に成形しておき、
かまち材に対する枠部材の取付作業工程を省略するとともに、取付用部材を節減することを特徴とする。
以上に説明した請求項5の発明方法によると、かまち材と枠部材とを一体に成形するので、これらの部材を別体に構成して取り付けていた従来技術に比して、部材の製造コストも組立所要工数も節減され、その上、取り付け用のネジなどの構成部材が不要となる。
【0013】
請求項6の発明に係るボードの構成は、ほぼ長方形の平板状部材である芯材と、
上記平板状芯材とほぼ等しい厚さ寸法を有し、上記芯材の周囲に配置された複数本の細長い板状部材であるかまち材と、
前記芯状およびかまち材の平面状部を覆って貼着された表面板とから成るボードにおいて、
前記かまち材が合成樹脂材料によって構成されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項6の発明に係るボードは、そのかまち材が合成樹脂で構成されていて木材を使用しないから、森林資源の保護という社会的要請に沿い、森林保護に関する法的規制に適合する。
【0014】
請求項7の発明に係るボードの構成は、前記請求項6の発明の構成要件に加えて、前記ボードを構成しているかまち材の、表面板に対向している面に、該かまち材の長手方向に、溝状ののりだまり(糊溜り)が設けられていることを特徴とする。
以上に説明した請求項7の発明に係るボードは、そのかまち材の周囲に沿ったのりだまり溝が設けられているので、このかまち材を表面板で覆って接着する際、接着材が押し出されてボードの周囲にはみ出すことなく、余分の接着材が前記ののりだまり溝で捕集されるので、接着剤のはみ出しに関するトラブルを生じる虞れが無い。
【0015】
請求項8の発明に係るボードの構成は、前記請求項6もしくは請求項7の発明の構成要件に加えて、前記細長い板状のかまち材の長手方向の4本の稜の内、少なくとも1本の稜が面取りされ、もしくは、丸味を付されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項8の発明によると、かまち材の稜に鋭い稜が除去されているので、このかまち材に表面板を貼着するために押圧した際、表面板の内側面の圧力分布に著しい勾配を生じない。このため、かまち材の稜に相当する箇所に表面板の外見異常を生じない。
【0016】
請求項9の発明に係るボードの構成は、前記請求項6ないし請求項8の発明の構成要件に加えて、前記のボードは、芯材とかまち材と表面板とが相互に組み付けられた状態で、長方形板状をなす上記の組立体の周囲に嵌合する凹形部を有する枠部材を備えており、
上記凹形部の底面を貫通する取付ネジ用の透孔が設けられるとともに、
前記かまち材の「枠部材の凹部の底面に対向する面」に、取付ネジを誘導する凹部が形成されており、
前記枠部材の透孔に挿通された取付ネジが、かまち材の中へ螺入されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項9の発明によると、請求項6〜8を適用して合成樹脂材料で構成されたかまち材の中へ取付ネジを正確に、容易に捻じ込んで枠部材を装着することができる。本発明の基本原理は合成樹脂材料でかまちを構成するという新規な構成であるが、該かまちを合成樹脂で構成することに伴って、派生する困難を解消するという意味において本請求項9の発明の効果は重要である。
【0017】
請求項10の発明に係るボードの構成は、前記請求項9のボードの構成要件に加えて、前記かまち材は発泡合成樹脂材で成形された部材であり、
かつ、発泡前の材料密度を発泡後の見かけ密度で除した値である発泡倍率が、1.05〜4であることを特徴とする。
以上に説明した請求項10の発明によると、発泡合成樹脂製のかまち材の発泡倍率を適正ならしめることにより、木ネジの捻じ込みが容易で、しかも所要の保持強度(ネジの抜け出しを阻止する抵抗力)
【0018】
請求項11の発明に係るボードの構成は、前記請求項6ないし請求項8の発明の構成要件に加えて、前記のボードは、その周囲に枠部材が取り付けられており、かつ、該枠部材が合成樹脂材によって、前記かまち材と一体的に成形されたものであることを特徴とする。
以上に説明した請求項11の発明に係るボードは、かまち材と枠部材とが一体に成形されているので構成部品点数が少なくて製造コストが低廉であり、その上枠部材の取付が外れるなどといった故障を生じることが無い。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の1実施形態を示す要部断面図であって、本図1(A)は従来例を描いた図4(A)に対応している。
芯材1cおよび表面板1a,1bは従来例におけると同様ないし類似の構成部材である。本例においては発泡スチロールで芯材1cを構成し、鉄板によって表面板1a,1bを構成した。鉄板を用いたのはマグネットボタンを磁力吸着せしめるためである。ただし、本発明をパーテーション等のインテリアに適用する場合も有るので、表面板の材質は限定されない。
符号11を付して示したのは合成樹脂製のかまち材である。本発明を実施する場合、合成樹脂の中の細分された種類は限定されない。本例においては発泡倍率2.3のPS発泡押出品を用いた。
このように発泡合成樹脂を用いると、本図1(B)のように木ネジ形の取付ネジ3を捻じ込むことが容易で、その上、取付ネジの捻じ込みによってかまち材に亀裂を生じる虞れが無く、しかも実用上充分な保持力(抜け出しに対する抵抗)得られる。
発泡倍率が小さいと取付ネジ3の捻じ込みが容易でなく、発泡倍率が大き過ぎると強度が不足するので、発泡倍率は、1.05〜4の範囲内が適当である。
しかし、取付ネジの螺入箇所に下穴を設ければ非発泡の合成樹脂でかまち材を構成することができる。また、あまり強度を必要としない時は発泡倍率4程度の発泡合成樹脂でかまち材を構成することもできる。
本発明に係るボードは板状インテリア全般に適用可能であって、その用途範囲が広く、使用条件も広範囲であるから、前記かまち材を非発泡合成樹脂で構成し得る場合も有り、発泡合成樹脂を用いた方が良い場合も有る。発泡合成樹脂材料を用いる場合、発泡倍率の実用範囲は、1.05〜4.5である。
【0020】
本図1の例においては、発泡合成樹脂かまち材11の「組立状態でボードの外周に相当する面」の、長さ方向の中心線に沿わしめてV字状の案内溝11cを形成した。本図(B)のように、ボードの周囲に、これに嵌合する凹字形の枠部材12を配置して取付ネジ3を捻じ込む場合、該取付ネジ3の先端が前記案内溝11cに案内されて、ボードの厚さ方向の真中に螺入される。
さらに、前記かまち材11には、「組み立てた状態でボードの外周に沿う位置」に、U字溝ないし円弧溝状またはコの字溝状ののりだまり(糊溜まり)11aを設けてある。
表面板1a,1bを接着剤によって合成樹脂かまち材11に貼着する際、余分な合成樹脂は上記のりだまり11aに捕捉され、ボードの外周(図1において下方)へ溢れ出さない。このため、接着剤のはみ出しに因る各種のトラブルは未然に防止される。
【0021】
合成樹脂かまち材11が芯材1cに対向している面は、細長い長方形(もしくはこれに類似する形状)となる。その長辺に相当する稜に、面取り又はアール11bを形成する。
本例では2本の稜線のそれぞれに面取り又はアール11bを付した。しかし、このボードの使用条件に関して裏表の区別が有り、裏面の外観を気にしなくても良い場合は、表側に相当する1本の稜線のみに面とり又はアールを付せば足りる。
前記のアールは、必ずしも立体幾何学的に円柱面の1部でなくても良い。楕円柱面の1部でも良く、要するに丸味を与えれば良い。
上記の面取り又はアールを付さなければ、図5(A)について説明した外観異常(矢印aで示す箇所)を生じる虞れが有る。しかし、本図1のように面取り又はアール11bが設けられていると、次のような作用、効果が得られる。
芯材1cの周囲に合成樹脂かまち材11を配置し、接着剤を塗布して表面板1a,1bを貼着する際、2枚の表面板1a,1bを挟みつける形に、芯材1cおよび合成樹脂かまち材11に向けて押圧する。この際、押圧力を受けた芯材1cの圧縮方向の弾性変形と、押圧力を受けた合成樹脂かまち材11の圧縮方向の弾性変形とが異なるため、両者の境界付近で圧力分布が急変する(圧力分布の勾配の著しく大きい箇所が直線状に発生する)。このため、従来技術においては図5(A)を参照して説明したように、表面板1a,1bの外観異常(符号a)を生じたのであるが、本実施形態(図1)におけるように面とり又はアール11bが設けられていると、圧力分布の急変が緩和され、表面板の外見に異常を生じない。
本図1(A)において合成樹脂かまち材11は、ほぼ長方形の断面が現れている。これを立体的に見れば細長い長方形の厚板状、すなわち直方体(もしくは、これに類似する形状を含む)をなしている。
【0022】
本図1に現れている断面形状の長方形の四隅は、それぞれ、合成樹脂かまち材11の長手方向の4本の稜に対応する部分である。本発明を適用する場合、4本の稜の内の少なくとも1本の稜に面とり又はアール11bを付する。
従来技術のように、木材(平行合板を含む)を用いてかまち材を構成した場合、本実施形態(図1)のように面とり又はアールを設けようとすると、そのための加工工程を設けねばならず、製造コストを上昇せしめた。しかし、本発明のように合成樹脂材料でかまち材を製造すると、押出成形する場合でも射出成形する場合であっても、格別のコスト増加を伴わずに面取り又はアールを付することができる。
【0023】
図2は、前記と異なる実施形態を示す要部断面図である。
前掲の図1の実施形態においては、合成樹脂かまち材11と枠部材12とを別体に構成して取付ネジ3で結合したが、本実施形態(図2)においては、
かまち部分12aと枠部分12bとを合成樹脂材料で一体に成形して、かまち・枠連結材12を構成した。
このように構成すると部品点数が減少し、組立所要工数が節減される上に、枠部材がボードから離脱するといった形の破損を生じる虞れが無い。
本図2に示した実施形態で、掲示板やパーティションを構成する場合は、実線で描かれているような構造とする。
黒板,白板,もしくは緑板などの筆記標示用ボードを構成する場合は、仮想線で示したように、粉受12cを枠部分12bと一体に成形することもできる。
【0024】
【発明の効果】
以上に本発明の実施形態を挙げてその構成,作用を明らかならしめたように、請求項1の発明方法によると、ボードのかまち材として木材を用いないので、森林資源の保護という社会的要請に沿うことができ、森林保全に関する法的規制に適合する。
請求項2の発明方法によると、芯材の周囲にかまち材を配置した状態において、該かまち材の外周縁の内側に溝状ののりだまりが形成されるので、余分の接着剤は該のりだまりに捕捉され、ボードの外周に押し出されない。このため、接着剤のはみ出しに因るトラブルは未然に防止される。
請求項3の発明方法によると、表面板を接着するために押圧力を加えたとき、かまち材の稜の部分に面取りが施され、もしくはアールを付されているので、この稜の付近に「圧力分布の著しい勾配」が生じない。このため、該稜の外側に位置する箇所に表面板の外観異常を生じない。
【0025】
請求項4の発明方法によると、発泡倍率1.05〜4の発泡合成樹脂(望ましくは発泡倍率2(四捨五入値)で構成されているので、この中に木ネジを捻じ込むことが可能であり、かつ、適正なネジ保持力が得られる。その上、木ネジを捻じ込むべき箇所に案内溝が設けられているので、該木ネジが、かまち材の厚さ方向の中央に導かれ、格別の熟練を要しないで枠部材を正しく装着することができる。
請求項5の発明方法によると、かまち材と枠部材とを一体に成形するので、これらの部材を別体に構成して取り付けていた従来技術に比して、部材の製造コストも組立所要工数も節減され、その上、取り付け用のネジなどの構成部材が不要となる。
【0026】
請求項6の発明に係るボードは、そのかまち材が合成樹脂で構成されていて木材を使用しないから、森林資源の保護という社会的要請に沿い、森林保護に関する法的規制に適合する。
請求項7の発明に係るボードは、そのかまち材の周囲に沿ったのりだまり溝が設けられているので、このかまち材を表面板で覆って接着する際、接着材が押し出されてボードの周囲にはみ出すことなく、余分の接着材が前記ののりだまり溝で捕集されるので、接着剤のはみ出しに関するトラブルを生じる虞れが無い。
請求項8の発明によると、かまち材の稜に鋭い稜が除去されているので、このかまち材に表面板を貼着するために押圧した際、表面板の内側面の圧力分布に著しい勾配を生じない。このため、かまち材の稜に相当する箇所に表面板の外見異常を生じない。
【0027】
請求項9の発明によると、請求項6〜8を適用して合成樹脂材料で構成されたかまち材の中へ取付ネジを正確に、容易に捻じ込んで枠部材を装着することができる。本発明の基本原理は合成樹脂材料でかまちを構成するという新規な構成であるが、該かまちを合成樹脂で構成することに伴って派生する困難を解消するという意味において本請求項9の発明の効果は重要である。
請求項10の発明によると、かまち材の中へ容易に木ネジを捻じ込むことができ、しかも所要のかまち材強度、およびネジ保持力(ネジの抜け出しを阻止する抵抗力)が得られる。
請求項11の発明に係るボードは、かまち材と枠部材とが一体に成形されているので構成部品点数が少なくて製造コストが低廉であり、その上、枠部材の取付が外れるなどといった故障を生じることが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における要部拡大断面図であって、(A)は枠部材を装着する前の状態を描き、(B)は枠部材を装着したところを描いてある。
【図2】前掲の図1と異なる実施形態の要部断面図である。
【図3】従来例のボードを示す要部断面図である。
【図4】ボードのかまち材に関する技術的問題を説明するために示したもので、(A)、(B)、(C)それぞれ、かまち材付近の断面図である。
【図5】平行合板によってかまち材を構成した場合の不具合を説明するために示したもので、(A)は1枚のボードの要部断面図であり、(B)は多数のボードを積み重ねた状態の模式図である。
【符号の説明】
1…ボード、1a,1b…表面板、1c…芯材、1d…かまち材、1e…膨出部、2…枠部材、2a…挟み板部、2b…当て板部、2c…ネジ覆い部、3…取付ネジ、4…平行合板製かまち材、5…間伐材製かまち材、6…粉受、7…ひび割れ、8…接着剤層、9…接着剤はみ出し、10…作業台、11…合成樹脂製かまち材、11a…のりだまり、11b…面取り又はアール、11c…案内溝、12…かまち・枠連結材、12a…かまち部分、12b…枠部分、12c…粉受。

Claims (11)

  1. 平板状部材である芯材の周囲に、該芯材とほぼ同じ厚さの細長い板状のかまち材を配置するとともに、上記芯材およびかまち材の両側の面のそれぞれに板を貼着、前記のかまち材を合成樹脂材料によって構成することを特徴とする、黒板または白板として使用されるボードの構成方法。
  2. 前記かまち材の、表面板を接着する面に、その長手方向の溝状をなすのりだまり(糊溜り)を設けて、接着剤がボードの端面に押し出されることを防止し、ないしは軽減させることを特徴とする、請求項1に記載したボードの構成方法。
  3. 前記細長い板状のかまち材の、芯材に対向する細長い4角形の長辺に相当する2本の稜の少なくとも片側の稜に、面取りを施し、もしくは、アールを付することにより、かまち材の内側の縁がボードの表面板の外観に現れないようにすることを特徴とする、請求項1または2に記載したボードの構成方法。
  4. 前記のかまち材を、発泡倍率1.05〜4の発泡合成樹脂材によって構成するとともに、組み立てた後にボードの周囲の面を形成する細長い面の、長手方向の中心線にほぼ沿わしめて案内溝を設けておき、ボードの周囲に嵌合する凹部を有する枠部材を該ボードの周囲に嵌め合わせ、上記枠部材の凹部底面に予め設けておいた透孔に取付ネジを挿通して、上記取付ネジの先端を、前記案内溝によってボードの厚さ方向の中央に誘導して位置決めしつつ、該取付ネジをかまち材の中へ捻じ込むことを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れかに記載したボードの構成方法。
  5. ボードの周囲に取り付けられる枠部材を、合成樹脂材により、予め、前記かまち材と一体に成形しておき、かまち材に対する枠部材の取付作業工程を省略するとともに、取付用部材を節減することを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れかに記載したボードの構成方法。
  6. ほぼ長方形の平板状部材である芯材と、上記平板状芯材とほぼ等しい厚さ寸法を有し、上記芯材の周囲に配置された複数本の細長い板状部材であるかまち材と、前記芯材およびかまち材の平面状部を覆って貼着された板とから成、前記かまち材が合成樹脂材料によって構成されていることを特徴とする、黒板または白板として使用されるボード
  7. 前記ボードを構成しているかまち材の、表面板に対向している面に、該かまち材の長手方向に、溝状ののりだまり(糊溜り)が設けられていることを特徴とする、請求項6に記載したボード。
  8. 前記細長い板状のかまち材の長手方向の4本の稜の内、少なくとも1本の稜が面取りされ、もしくは、丸味を付されていることを特徴とする、請求項6もしくは請求項7に記載したボード。
  9. 前記のボードは、芯材とかまち材と表面板とが相互に組み付けられた状態で、長方形板状をなす上記の組立体の周囲に嵌合する凹形部を有する枠部材を備えており、上記凹形部の底面を貫通する取付ネジ用の透孔が設けられるとともに、前記かまち材の「枠部材の凹部の底面に対向する面」に、取付ネジを誘導する凹部が形成されており、前記枠部材の透孔に挿通された取付ネジが、かまち材の中へ螺入されていることを特徴とする、請求項6ないし請求項8の何れかに記載したボード。
  10. 前記かまち材は発泡合成樹脂材で成形された部材であり、かつ、発泡前の材料密度を発泡後の見かけ密度で除した値である発泡倍率が、1.05以上、4.5未満であることを特徴とする、請求項9に記載したボード。
  11. 前記のボードは、その周囲に枠部材が取り付けられており、かつ、該枠部材が合成樹脂材によって、前記かまち材と一体的に成形されたものであることを特徴とする、請求項6ないし請求項8の何れかに記載したボード。
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