JP4764545B2 - 印刷装置 - Google Patents

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JP4764545B2 JP2000350538A JP2000350538A JP4764545B2 JP 4764545 B2 JP4764545 B2 JP 4764545B2 JP 2000350538 A JP2000350538 A JP 2000350538A JP 2000350538 A JP2000350538 A JP 2000350538A JP 4764545 B2 JP4764545 B2 JP 4764545B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、領域指定を行い各領域で色の組合せの異なる印刷を行う孔版印刷装置等の印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、領域指定手段により指定した各領域で色の異なる印刷を行う、孔版印刷装置等の印刷装置が知られている。例えば、特開昭63−224987号公報、特開平10−297073号公報、特開平5−252382号公報に記載された技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる従来の印刷装置においては、指定した各領域を1色のみのインキで印刷していたため、各領域で色の異なる印刷を行うためにはその領域数だけインキの色を必要とし、1パスで印刷を行う場合にはその色数だけ版胴を要するため印刷装置が非常に大型化し、また版胴が交換可能な印刷装置を用いて版胴を交換しつつ繰り返し印刷を行うには作業が非常に面倒となるという不具合がある。
【0004】
本発明は、装置の大型化や印刷作業の煩雑さを抑制しつつ、より多くの色の組合せで印刷を行うための印刷装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数の版胴と、複数の前記版胴に巻装されるマスタを製版する製版装置と、原稿の画像を読み取るための原稿読取手段と、複数の前記版胴において互いに異なる組合せの色により印刷すべき領域を前記原稿読取手段によって読み取られた原稿の画像に対して指定する領域指定手段とを有し、上記領域指定手段により指定された、第1色により印刷すべき第1の指定領域と第2色により印刷すべき第2の指定領域とに基づいて、所定の第1色のみにより印刷すべき第1の単色領域と、第1色と異なる所定の第2色のみにより印刷すべき第2の単色領域と、第1色と第2色とにより印刷すべき混色領域とが決定され、上記混色領域は、第1色の網点画像の領域と第2色の網点画像の領域との重ね合わせにより印刷すべき領域であり、第1色の網点画像と第2色の網点画像とによって上記混色領域が形成されるように上記製版装置によってマスタが製版され印刷装置にある
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の印刷装置において、上記領域指定手段が、上記原稿読取手段を有し、この原稿読取手段により第1の指定領域を指定するための第1の指定シートと第2の指定領域を指定するための第2のシートとが読み取られ、第1の指定領域と第2の指定領域とが指定されて、第1の単色領域と第2の単色領域と上記混色領域とが決定されることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項記載の印刷装置において、上記原稿読取手段に原稿を自動的に送るためのADFを有し、上記ADFにより連続して送られた第1の指定シートと第2の指定シートとが上記原稿読取手段で読み取られ、第1の指定領域と第2の指定領域とが指定されて、第1の単色領域と第2の単色領域と上記混色領域とが決定されることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の印刷装置において、第1色及び第2色のそれぞれの網点画像の網点の粗密度を指定するための粗密度指定手段を有することを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項ないし4の何れか1つに記載の印刷装置において、第1色及び第2色のそれぞれの網点画像の網点の面積率を指定するための面積率指定手段を有することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)を説明する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素や構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。
【0024】
図1において、符号500は、本発明を適用した複胴式の印刷装置を示す。符号501は、印刷装置500の装置本体としての本体フレームを示す。本体フレーム501は、略筐体状に配置されている。この印刷装置500は、図1に示すように、用紙搬送方向Xにおける上流側に配置された上流位版胴1a(以下、単に「版胴1a」というときがある)とこれに隣るその下流側に配置された下流位版胴1b(以下、単に「版胴1b」というときがある)を有し、各マスタ33a,33bを各版胴1a,1bに巻き付け、各版胴1a,1b上のマスタ33a,33bにインキIa,Ibを供給して、各版胴1a,1b毎に配設された押圧手段としてのプレスローラ9a,9bにより各版胴1a,1b上のマスタ33a,33bに印刷用紙22を押し付け印圧を付与することによって連続的に印刷を行ない、同時多色印刷(この実施形態では同時2色印刷である)をすることが可能なように構成されている。
【0025】
本実施形態では、説明の簡明化のために、用紙搬送方向Xに並んだ2つの版胴1a,1bについて説明するが、3つ以上の版胴を用紙搬送方向Xに並設して印刷を行なうように構成することもできる。
【0026】
印刷装置500は、各版胴1a,1bと、各プレスローラ9a,9bと、上流位版胴1aと下流位版胴1bとの間の給紙経路に配設され、上流位版胴1aの印刷部すなわちこの版胴1aとプレスローラ9aとの対向位置で印刷されたシートとしての印刷用紙22を下流位版胴1bの印刷部へ搬送する中間搬送手段としての中間搬送装置17とを有している。各版胴1a,1bの基本位置すなわちホームポジションは、例えば図1において各版胴1a,1bの各クランパ5a,5bが略直上に位置する各版胴1a,1bの初期位置をいい、図1では版胴1aがホームポジションを占めている位置状態を符号H・Pで版胴1aの上部に示してある。
【0027】
版胴1aと版胴1bとは、それぞれ略同一の機能および構成を有する。これと同じように、版胴1aの内外周りに配設された後述するインキ供給手段、版胴1aを含む後述するドラムユニット、製版装置および排版装置等と、版胴1bの内外周りに配設された後述するインキ供給手段、版胴1bを含む後述するドラムユニット、製版装置および排版装置等とは、略同一の機能および構成を有しているので、それらを同一符号の末尾に符号aまたはbを付加することで区別することとし、その一方を詳述した場合には重複説明を避けるため他方の説明をできるだけ省略する。
【0028】
印刷装置500は、マスタ33aを外周面に巻き付ける版胴1aと、版胴1aの右上方に配置されマスタ33aを製版する製版装置41aと、製版装置41aの下方に配置され給紙トレイ21上に積載された印刷用紙22を給送する給紙装置20と、版胴1aの左上方に配置され使用済みのマスタ33aを版胴1aから剥ぎ取り排版する排版装置42aと、版胴1aの下方に配置されプレスローラ9aを版胴1aに当接させるべく変位することで給送されてくる印刷用紙22を版胴1a上の製版済みのマスタ33aに押し付けることにより印刷を行なう接離手段としての印圧装置32aと、印圧装置32aで印刷された印刷済みの印刷用紙22を版胴1aから分離・剥離するエアーナイフ7aと、マスタ33bを外周面に巻き付ける版胴1bと、版胴1bの左上方に配置されマスタ33bを製版する製版装置41bと、版胴1bの左方に配置され使用済みのマスタ33bを版胴1bから剥ぎ取り排版する排版装置42bと、版胴1bの下方に配置されプレスローラ9bを版胴1bに当接させるべく変位することで給送されてくる印刷用紙22を版胴1b上の製版済みのマスタ33bに押し付けることにより印刷を行なう接離手段としての印圧装置32bと、印圧装置32bで印刷された印刷済みの印刷用紙22を版胴1bから分離・剥離するエアーナイフ7bと、排版装置42bの下方に配置され印圧装置32aおよび印圧装置32bで多色印刷された印刷済みの印刷用紙22を排紙トレイ37上に排出する上記エアーナイフ7bを含む排紙装置35とを具備する。
【0029】
印刷装置500の両製版装置41a,41bおよび排版装置42aの上方には、印刷装置500を操作するための図7に示す操作パネル101と、原稿の画像を読み取るための原稿読取手段としての原稿読取装置102と、原稿読取装置102に原稿を自動的に送るためのADF103とがそれぞれ配設されている。図1において簡略的に示した製版装置41a,41b、排版装置42a,42bおよび上記原稿読取装置は、例えば特開平5−229243号公報記載の図8等に示されている構成と同様のものからなる。原稿読取装置102、ADF103は周知の構成である。
【0030】
版胴1aは、周知の多孔性円筒状をなし、ドラム軸2aの周りに回動自在に支持されている。版胴1aは、ドラム軸2aの中心軸線方向に延在して設けられていて、印刷インキ通過性の多数かつ微細な開孔部が形成された金属製の支持円筒体と、その外周面に巻き付けられた樹脂もしくは金属製のメッシュスクリーン層との2層構造となっており、各図においては1本の実線で示されている。上記支持円筒体には、クランパ5aの周辺を除くその円周上の所定の範囲にわたり開孔部が形成された印刷可能領域と、該開孔部が形成されていない印刷インキ不通過性の非印刷領域とが形成されている。上記非印刷領域は上記支持円筒体の両側端縁部にも設けられている。上記支持円筒体は、ステンレススチール等の金属板にエッチングやプレス加工によって上記開孔部を形成したものであり、その厚さ0.1〜1.0mmのものが好ましく用いられる。
【0031】
版胴1a外周部の一母線上には、マスタ33aの先端部をクランプする開閉自在なクランパ5aが設けられている。クランパ5aは、クランパ軸6aで版胴1a上に枢着されていて、版胴1aの外周周りの適宜の位置に配設されている図示しない開閉手段により所定位置で開閉される。
【0032】
マスタ33aとしては、ポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルムに多孔質支持体(ベース)として和紙等を貼り合わせたマスタが用いられている。マスタ33aは、上記のものに限らず、非常に薄い実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものや、実質的に熱可塑性樹脂フイルムのみからなるマスタ(その厚さが約1〜8μm)程ではないが、上記従来のマスタ33a(その厚さが約40〜50μm程度)よりも厚さが薄く(厚さ20〜30μm)、かつ、ベースにおける合成繊維の混抄率が高いマスタ、例えば極端に合成繊維の混抄率が高いポリエチレンテレフタレート(PET)100%からなるベースを有する合成繊維ベースマスタを用いることも可能である。
【0033】
給紙装置20は、給紙トレイ21と、給紙トレイ21本体に対して図示しない給紙台駆動手段により上下動する給紙台25と、給紙台25上に積載された印刷用紙22を送り出すピックアップローラとしての呼び出しコロ23と、呼び出しコロ23により送り出すべき一枚の印刷用紙22を他の印刷用紙22から分離して搬送する分離搬送ローラ24と、分離搬送ローラ24に対向して配設され分離搬送ローラ24とともに印刷用紙22の分離を行う図示しない分離パッドを備え分離パッドを給紙トレイ21本体に対して支持する支持体26と、分離搬送ローラ24を回転駆動する図示しない回転駆動手段と、呼び出しコロ23による給紙圧を調節するための図示しない給紙圧調整機構と、呼び出しコロ23の位置を検出する図示しない検知手段等を有している。
【0034】
給紙装置20は、上述の各構成の他、呼び出しコロ23及び分離搬送ローラ24による用紙搬送方向Xの下流側に、上下一対のガイド板上28、ガイド板下27と、レジストローラ対29,30と、上下一対のレジストガイド板31,31とを有している。レジストローラ対29,30は、分離搬送ローラ24による搬送作用によりガイド板上28、ガイド板下27にガイドされて搬送されてきた印刷用紙22の先端をくわえ込み、タイミングをとってレジストガイド板31,31間を通して版胴1aの外周面とプレスローラ9aとの間に搬送する。
【0035】
版胴1aの内外には、版胴1aの内周面から外周面に向けてインキを供給するためのインキ供給手段81aが配設されている。版胴1aにおけるインキ供給手段では1色目のインキとして黄色のインキが、版胴1bにおけるインキ供給手段では2色目のインキとして青色のインキがそれぞれ供給されるようになっている。版胴1aの内部において、インキ供給手段は、版胴1aの内周面に黄色のインキを供給するインキローラ3aと、このインキローラ3aと僅かな間隙を置いて平行に配置され、インキローラ3aとの間にインキ溜りIaを形成するドクタローラ4aと、インキ溜りIaへインキを供給するドラム軸2aを兼ねるインキ供給管2aとを有している。
【0036】
インキローラ3aは、アルミニウム、ステンレスなどの金属またはゴム等により形成され、図示しないギヤ列により版胴1aと共に時計回り方向に回転する。インキローラ3aと版胴1aとの回転速度の比は、所定の値に設定されている。ドクタローラ4aは、鉄やステンレスなどの金属で形成され、図示しないギヤ列により反時計回り方向に回転する。ドクタローラ4aと版胴1aとの回転速度の比も所定の値に設定されている。符号90aは、本体フレーム501に対して版胴1aを着脱自在とするドラムユニットを示しており、符号90bは、本体フレーム501に対して版胴1bを着脱自在とするドラムユニットを示す。
【0037】
インキ供給手段81aのうち版胴1aの外部には、図示しないインキ容器と、インキ容器を収納したインキ容器収納装置と、インキポンプとが配設されている。インキ容器内に備えられた黄色のインキがインキポンプにより圧送され、インキ供給管2aを介してインキ溜りIaへ供給されるようになっている。インキ溜りIaに供給されるインキの量は、インキ検知手段(例えば特開平5−229243号公報の図5参照)によって検知・測定され、上記インキポンプによってインキ圧送量をコントロールされる。ドラムユニット90aは、版胴1a、ドラム軸2a、インキ供給手段81a等、ドラムユニット90bは、版胴1b、ドラム軸2b、ドラム軸2a、インキ供給手段81b等から主に構成される。
【0038】
各プレスローラ9a,9bは、各版胴1a,1bがホームポジションを占めるときに、各版胴1a,1bから離間した位置を占めるようになっている。なお、各版胴1a,1bの回転における位相は互いに異なっており、それぞれが同時にホームポジションを占めることはなく、よって、各プレスローラ9a,9bは、各版胴1a,1bから同時に離間した位置を占めることもない。なお、印刷工程では、後述する印圧カム12a、12bは反時計回り方向に回転される。
【0039】
本体フレーム501側には、支軸10aが図示しない軸受を介して回動自在に設けられている。支軸10aの両端部には、プレスローラアーム対11a,11aの基端部が固設されており、さらに支軸10aの両端には、印圧脱着レバー55aが固設されている。プレスローラ9aは、プレスローラアーム対11a,11aに対し軸9sにより回転自在に軸支されている。カムフォロア58aは、コロ軸受からなり、印圧カム12aの輪郭周面に係合するように印圧脱着レバー55aに取付けられている。支軸10aの両端には、印圧脱着レバー55aの上部固設部に隣って印圧レバー56aが揺動自在に取付けられている。
【0040】
引張りバネである印圧スプリング13aは、その一端が本体フレーム501側に係止され、他端が印圧レバー56a側端中央部に係止されている。この印圧スプリング13aの付勢力によって、版胴1aに対するプレスローラ9aの印圧が加えられると共に、カムフォロア58aがカム12aの輪郭周面に圧接される。印圧スプリング13aは、その長さを調整できる構造となっていて、その長さを変えることで印圧を調整することができる。
【0041】
印圧カム12aは、略扇状に形成されていて、装置の組立て時において、給紙装置20からの印刷用紙22の給紙タイミングおよび版胴1aの開孔範囲である印刷可能領域に対応した印圧範囲とプレスローラ9aの上記印圧位置とを考慮して、版胴1aの回転とのタイミングを取ってカム軸12Aaに固定されている。給紙装置20から印刷用紙22が給紙されないときには、その大径部をカムフォロア58aに係合させている。印圧カム12aは、給紙装置20から印刷用紙22が給送されてくると回転して、その小径部をカムフォロア58aに係合させ、プレスローラ9aを図1において時計回り方向に揺動させるようになっている。
【0042】
これと略同様に、プレスローラ9b側の印圧カム12bは、装置の組立て時において、中間搬送装置17による印刷済みの印刷用紙22の給送タイミングおよび版胴1bの開孔範囲である印刷可能領域に対応した印圧範囲とプレスローラ9bの印圧位置とを考慮して、版胴1bの回転とのタイミングを取ってカム軸12Abに固定されている。中間搬送装置17により印刷済みの印刷用紙22が給送されてこないときには、その大径部をカムフォロア58bに係合させている。印圧カム12bは、中間搬送装置17により印刷済みの印刷用紙22が給送されてくると回転して、その小径部をカムフォロア58bに係合させ、プレスローラ9bを図1において時計回り方向に揺動させるようになっている。
【0043】
エアーナイフ7aは、印刷用紙22が版胴1aの外周面に貼り付いて巻き上がるのを防止するために、その先端部がノズルになっている。エアーナイフ7aのノズルには、図示しない空気圧発生装置のポンプから印刷用紙22の先端の搬送と同期して圧縮空気流が高速で吐出され、印刷用紙22の先端部に吹き付けられるようになっている。エアーナイフ7aは、エアーナイフ軸8aを中心に版胴1aの外周面に近接した位置と、離間した位置とに揺動可能となっている。すなわち、エアーナイフ7aは、クランパ5aとエアーナイフ7aの先端が干渉しないように版胴1aの回転と同期して揺動する。一方、版胴1bにおけるエアーナイフ7bの左方には、送風ファン34が設けられていて、印刷用紙22の版胴1bへの巻き上がり防止のために、エアーナイフ7bによる印刷用紙22の分離・剥離作用を補助している。
【0044】
中間搬送装置17は、従動ローラ14aと駆動ローラ15aとの間に掛け渡された多孔性の搬送ベルト16aと、吸引用のファン18aと、ケーシング19とを有している。搬送ベルト16aの少なくとも表面は、ウレタンゴム等の印刷用紙22との摩擦係数の高いものを採用しているので、印刷用紙22を図1の左方向へ牽引する力を発生する。しかし、用紙搬送方向Xの上流側は未だ版胴1aとプレスローラ9aとの印刷部で押さえられているので、印刷用紙22の左方向への進行速度は、版胴1aの回転周速度と同じである。搬送ベルト16aは、複数に分割されて従動ローラ14aと駆動ローラ15aとの間に掛け渡されていて、版胴1aの周速度と同じかまたは僅かに速い搬送速度で版胴1aと同期して駆動されるようになっている。これにより、印刷用紙22は図1の左方向へテンションが掛かった状態で搬送されることになる。ファン18aは、ケーシング19内に配置されていて、その回転によりケーシング19内に負圧状態を作り出す。
【0045】
中間搬送装置17は、用紙停滞検知センサとしての印刷用紙巻き上り検知センサ50を有しており、この印刷用紙巻き上り検知センサ50は、複数に分割された搬送ベルト16a同士の間の開口下部に配置・固定されている。印刷用紙巻き上り検知センサ50は、光源とこの光源からの反射光を受ける受光素子とを具備する反射型フォトセンサを使用している。光源には発光素子としてLED(発光ダイオード)を、受光素子にはフォトトランジスタをそれぞれ用いている。印刷用紙巻き上り検知センサ50は、中間搬送装置17の搬送ベルト16aによって印刷済みの印刷用紙22が吸着搬送されてきた時に、受光素子が上記発光素子から出射され印刷済みの印刷用紙22の裏面で反射された反射光を受けることにより、印刷済みの印刷用紙22の巻き上り無し状態、換言すれば印刷済みの印刷用紙22の給送有り状態を検知するものである。
【0046】
排紙装置35は、中間搬送装置17と略同じ構成であって、従動ローラ39と駆動ローラ38との間に掛け渡された多孔性の搬送ベルト40と、ジャンプ台40Aと、吸引用ファン36、ケーシング36A等とから主に構成されている。排紙装置35の搬送ベルト40は、版胴1bの周速度と略同じ搬送速度で版胴1bと同期して駆動されるようになっている。送風ファン34の回転により送られる空気は、エアーナイフ7bの左上方から印刷済みの印刷用紙22の表面へと吹き付けられる。これは、印刷済みの印刷用紙22の搬送ベルト40からの浮き上がり防止のためと印刷画像のインキ乾燥の促進のためでもある。ジャンプ台40Aは、印刷済みの印刷用紙22の中央部位を略U字状に撓ませて、いわゆる排紙の腰付けをして排紙トレイ37上に整然と排出積載する機能を有する。また搬送ベルト40の下面側には、印刷用紙巻き上がり検知センサ50と同様の用紙停滞検知センサとしての印刷用紙巻き上がり検知センサ99が配設されている。
【0047】
図2に示すように、印刷装置500は、互いに異なる組合せの色により印刷すべき領域を指定するための領域指定手段105を有している。領域指定手段105は、操作パネル101と、原稿読取装置102と、ADF103と、操作パネル101の操作等により印刷装置500の動作全般を制御する制御手段としての制御装置104と、原稿読取装置102において読み取った種々の画像を処理する画像処理手段としての画像処理部106と、画像処理部106において処理され生成された画像データを記録する画像メモリ107とを有している。
【0048】
領域指定手段105は、所定の第1色のみすなわち本実施形態では黄色により版胴1aを用いて印刷すべき第1の単色領域と、第1色と異なる所定の第2色のみすなわち本実施形態では青色により版胴1bを用いて印刷すべき第2の単色領域とともに、黄色と青色との重ね合わせすなわち網点重ね合わせにより印刷すべき混色領域とを指定可能とするためのものである。図2において、符号108、109、110、111はそれぞれ、黄色により印刷すべき、第1の単色領域と混色領域とを合わせた第1の指定領域を指定するための第1の指定シート、青色により印刷すべき、第2の単色領域と混色領域とを合わせた第2の指定領域を指定するための第2の指定シート、原稿、版胴1aと版胴1bとにより印刷を行われた用紙22である印刷物を示している。
【0049】
図3に示すように、原稿110に、黄色のみで印刷したい第1の単色領域としての領域110aと、青色のみで印刷したい第2の単色領域としての領域110bと、黄色と青色との重ね合わせにより印刷したい混色領域としての領域110cがあるときには、シート108において、領域110a及び領域110cに対応する第1の指定領域を符号108Yで示すようにマーカーで囲い、シート109において、領域110b及び領域110cに対応する第2の指定領域を符号109Bで示すようにマーカーで囲う。
【0050】
原稿読取装置102においてシート108、シート109、原稿110の順で読み取られるように、これらをADFにセットし、操作パネル101において色領域指定2色印刷であることを指定して、図7に示すスタートキー100を押下すると、ADFによりシート108、シート109、原稿110が連続して原稿読取装置102に送られ読み取られる。原稿読取装置102で読み取られた画像は画像処理部106に送られ、第1の指定領域108Y、第2の指定領域109B、及び領域110a、110b、110cから成る画像が順次認識されるとともにデータ化されて画像メモリ107に一旦記録された後、記録された各データは画像処理部106に読み出されるとともに照らし合わされ、製版装置41a、41bにおいてどのような製版を行うべきかが決定される。
【0051】
すなわち、かかる一連の動作により第1の指定領域として指定した領域108Yと第2の指定領域として指定した領域109Bとの重複領域が混色領域として指定され、画像処理部106において、領域110cを混色領域として網点重ね合わせにより印刷すべきことが決定されるとともに、領域110a、110bについてはそれぞれ第1、第2の単色領域として1色のみの通常の印刷を行うべきことが決定される。この決定により作成されたデータは製版装置41a、41bに入力される。図4に示すように、製版装置41aにおいては、マスタ33aに対して符号33Yで示す第1の指定領域108Yに対応する領域において原稿110の画像に応じた製版が行われ、製版装置41bにおいては、マスタ33bに対して符号33Bで示す第2の指定領域109Bに対応する領域において原稿110の画像に応じた製版が行われる。そして後述する印刷動作により、図5に示すように、印刷物111には、黄色のみで印刷された、第1の単色領域110aに対応する領域111Yと、青色のみで印刷された、第2の単色領域110bに対応する領域111Bと、黄色と青色との網点重ね合わせにより印刷された、混色領域110cに対応する領域111YBが形成される。
【0052】
ここで、網点重ね合わせによる印刷とは、図6に示すように、黄色のインキYと青色のインキBとが同位置に塗布されず、異なる位置に塗布されることによって行われる印刷を言う。製版装置41a、41bにおけるマスタ33a、33bに対する製版はこのような印刷が行われるようになされる。図6を遠目に見れば、緑色に見えるようになっており、後述するように、印刷の面積率等によってその色合いを適宜変更することができる。網点重ね合わせによる印刷部は、通常の文字の印刷よりも、例えばチラシのベタ部や太文字部において混色の効果が高い。
【0053】
なお、図6においては、黄色のインキYと青色のインキBとのピッチを同じにして互い違いになるように塗布されている状態を示しているが、これは図示の便宜にすぎず、後述するように、印刷の面積率等によって適宜変更されるものである。ピッチを互いに異なるようにすれば、印刷時の色ずれによる色合いの変化を防止することができる。また同図においては、黄色のインキYと青色のインキBとが、1ドットによって形成されているように見えるが、これは図示の便宜にすぎず、実際には、後述するように、印刷の粗密度等に応じてそれぞれ多数のドットの集合により形成されている。そして、かかるドット、言い換えると網点の集合により、各色毎の網点画像が形成される。
【0054】
本実施形態においては、画像処理部106がどの領域をどの色で印刷するかを決定した後、直ちに製版を開始するのではなく、図7に示すように、操作パネル101に設置された液晶表示手段である液晶表示装置としての液晶表示部112において、操作者に対して網点の粗密度を指定すべきこと、及びこれに続いて図8に示すように、網点の面積率を指定すべきことを表示するようになっている。これらの指定が完了すると自動的に製版が開始される。
【0055】
網点の粗密度は、本実施形態においては、「細1」、「細2」、「標準」、「粗1」、「粗2」の5種類が選択できるようになっている。粗密度とは図9に示すように、目視したときに1つのドットとして見えるそのドットの大きさを言い、ドットが大きければ粗く、小さければ密となる。また粗密度はドットの細かさの度合いということもできる。図9に示されるドットは、実際には、図11に示すように、マスタ33a、33bに形成される孔117に対応して用紙22に塗布される細かなインキのドットの集合である。図11において破線で形成した丸い範囲が図9における1つのドットとなる。図11において符号dは製版装置41a、41b内に備えられた図示しないサーマルヘッドの主走査方向aに一列に配設された図示しない多数の発熱素子の間隔を示している。符号bは主走査方向aに略直交するマスタ33a、33bの搬送方向を示している。、図9には「細1」、「標準」、「粗1」のみを示している。「細1」は「標準」より密であり、「粗1」は「標準」より粗い。
【0056】
図7は混色領域110cを「網点エリア1」として表示している。同図に示す状態では粗密度として「標準」が選択されているが、液晶表示部112に示されている矢印に対応して操作パネル101上に配設されたハードキー113、114を押下することにより、それぞれ「細1」、「粗1」を選択変更でき、このようにして「細1」、「細2」、「標準」、「粗1」、「粗2」のうちから1つを選択する。「細1」、「細2」、「標準」、「粗1」、「粗2」のうち何れか選択されているかは、選択されたものが白黒反転することにより容易に分かるようになっている。
【0057】
選択が完了すると液晶表示部112に示されている「設定」に対応して操作パネル101上に配設されたハードキー115を押下すれば選択が完了する。選択完了後、液晶表示部112に示されている「次」に対応して操作パネル101上に配設されたハードキー116を押下することで、第1の単色領域110aの粗密度を指定することができるようになる。第1の単色領域110aの粗密度の指定が完了すると、第2の単色領域110bの粗密度の指定を行い、これが完了すると網点の面積率を指定することとなる。
【0058】
第1の領域、第2の領域、第3の領域の指定の順序をどのようにするかは上述のものに限られず、またこれら領域の何れか1つ以上を指定するようにしても良い。後述するように混色領域が複数ある場合もあるので、図7に示すように、「網点エリア」の後に数字を表示することが望ましい。また、現在粗密度を指定しようとしている領域がどの領域であるかを容易に把握できるよう、液晶表示部112に原稿画像及び当該指定領域を表示することが望ましい。液晶表示部112はタッチパネルとしても良く、この場合にはハードキー113〜116を必ずしも要しない。
【0059】
網点の面積率は、本実施形態においては、「10(%)」、「20(%)」、「30(%)」、「40(%)」、「50(%)」の5種類が選択できるようになっている。面積率とは図10に示すように、一定面積内に占めるドットの面積を言い、ドットが多ければ面積率は高く、少なければ低くなる。図10に示されるドットも上述のように、マスタ33a、33bに形成される孔117に対応して用紙22に塗布される細かなインキのドットの集合である。図10には「10(%)」、「30(%)」、「50(%)」のみを示している。「10(%)」は「30(%)」より低面積率であり、「50(%)」は「30(%)」より高面積率である。図10の各面積率におけるドットは便宜的に示したものであってその数と面積率との割合は必ずしも一致しない。
【0060】
図8は混色領域110cを「第1エリア」として表示している。同図に示す状態では第1、第2色の面積率ともに「30(%)」が選択されているが、液晶表示部112に示されている左右の矢印に対応して操作パネル101上に配設されたハードキー113、114を押下することにより、それぞれ「20(%)」、「40(%)」を選択変更でき、このようにして「10(%)」、「20(%)」、「30(%)」、「40(%)」、「50(%)」のうちから1つを選択する。「10(%)」、「20(%)」、「30(%)」、「40(%)」、「50(%)」のうち何れか選択されているかは、選択されたものが白黒反転することにより容易に分かるようになっている。図8に示す場合は第1、第2色の面積率ともに「30(%)」であるから、黄緑色の網点混色印刷画像を得る。黄色の混色面積率の数値を青色の混色面積率の数値に比べて大きくするほど、網点混色印刷部すなわち混色領域110cの色は黄色に近い緑色になり、逆に黄色の混色面積率の数値を青色の混色面積率の数値に比べて小さくするほど、混色領域110cの色は青色に近い緑色になる。
【0061】
第1色と第2色の何れの面積率を選択するかの切り換えは、液晶表示部112に示されている上下の矢印に対応して操作パネル101上に配設されたハードキー116を押下することにより行う。選択が完了すると液晶表示部112に示されている「設定」に対応して操作パネル101上に配設されたハードキー115を押下すれば選択が完了する。選択が完了すると、第1の単色領域110aの面積率を指定することができるようになる。この場合、青色に関する液晶表示部112の表示は行われない。第1の単色領域110aの面積率の指定が完了すると、第2の単色領域110bの面積率の指定を行い、これが完了すると製版が開始される。なお第2の単色領域110bの面積率を指定する場合、黄色に関する液晶表示部112の表示は行われない。
【0062】
第1の単色領域110a、第2の単色領域110b、混色領域110cの指定の順序をどのようにするかは上述のものに限られず、またこれら領域の何れか1つ以上を指定するようにしても良い。後述するように混色領域が複数ある場合もあるので(図16参照)、図8に示すように、「第1エリア」などと表示することが望ましい。また、現在面積率を指定しようとしている領域がどの領域であるかを容易に把握できるよう、液晶表示部112に原稿画像及び当該指定領域を表示することが望ましい。液晶表示部112はタッチパネルとしても良く、この場合にはハードキー113〜116を必ずしも要しない。また面積率は「10(%)」、「20(%)」、「30(%)」、「40(%)」、「50(%)」に限らずさらに大きな範囲で設定しても良いし、10%刻みでなく、より細かい設定を行っても良い。この場合には図7に示す操作パネル101上に配設されたテンキー118を用いるようにすることができる。
【0063】
このようにして粗密度及び面積率を指定すると、これらの情報が制御装置104を介して画像処理部106に入力され、画像処理部106においてはこれら粗密度及び面積率の条件に応じて製版装置41a、41bにおいてマスタ33a、33bに対してどのような製版を行うべきかが決定される。かかる製版に関する情報は製版装置41a、41bへ入力され、製版装置41a、41bにおいては、その情報に基づいてそれぞれ、マスタ33a、33bをb方向に搬送しつつ、サーマルヘッドの主走査方向aに一列に配設された発熱素子に選択的に通電し発熱させることで孔117を形成し、製版を行う。操作パネル101、制御装置104、画像処理部106は第1の単色領域110a、第2の単色領域110b、混色領域110cのうちの少なくとも何れか1つの領域、本実施形態ではこれら全ての領域の、網点の粗密度を指定するための、粗密度指定手段を構成しているとともに、同領域の、網点の面積率を指定するための、面積率指定手段を構成している。
【0064】
なお、本実施形態においては、操作パネル101において色領域指定2色印刷であること、言い換えると網点混色モードであることを設定し、シート108、109、原稿110を読み取り、どの領域をどの色で印刷するかを決定した後に網点の粗密度及び面積率を指定するようになっているが、粗密度等の指定は網点混色モードであることを設定した後すぐに行うようにしても良い。この場合には、これらの指定が完了する前はスタートキー100の押下、すなわちシート108等の読み取り開始動作が無効となるようにすることが望ましい。
【0065】
また本実施形態では、第1のシート108、第2のシート109、原稿110の順で読み取りを行うことにより第1の単色領域110a、第2の単色領域110b、混色領域110cを指定したが、読み取りの順番はこれに限らず、印刷装置500側の設定により決まるものであり、原稿110を最初に読み取るようにしても良い。この設定は操作パネル101により変更できるようにしても良い。また操作パネル101により第1のシート108を読み取ること、第2のシート109を読み取ること、原稿110を読み取ることを逐次指定しながら読み取りを行うようにしてもよい。連続して第1のシート108、第2のシート109、原稿110の読み取りを行う場合にはADFを用いることが便利であるが、原稿読取装置102に対して手動でこれらを載置して読み取るようにしても良い。
【0066】
本実施形態における印刷装置500は以上のような構成であるから、操作者が、ADF103にシート108、109及び原稿110をセットし、操作パネル101において網点混色モードであることを設定し、スタートキー100を押下すると、排版工程が両版胴1a,1bにおいて同様に実行される。すなわち、各版胴1a,1bが回転して排版位置に停止し、版胴1aの外周面に巻装されていた使用済みのマスタ33aが版胴1aの外周面から漸次剥され搬送されつつ排版装置42a内に備えられた図示しない排版ボックス内へ排出されていわゆる排版が終了する。次いで、版胴1aは、クランパ5aが図1における略右横に位置する給版位置に停止される。版胴1bは、クランパ5bが図1における略直上に位置するホームポジションでもある給版位置に停止される。
【0067】
排版工程と並行して、原稿読取装置が作動してシート108、109及び原稿110の読み取りが連続して行なわれ、読み取ったデータは画像メモリ107に記録される。読み取り動作に続き、粗密度及び面積率を指定すると、画像処理部106において各製版装置41a、41bにおいてどのような製版を行うかに関するデータが生成され、両製版装置41a,41bにおいて製版・給版工程が行なわれる。マスタ33aが、製版装置41aに配設されている平面型のサーマルヘッドに押し付けられているプラテンローラ(共に図示せず)および送り出しローラ対(図示せず)の回転により、b方向(副走査方向)に搬送され、マスタ搬送路の下流側に搬送される。このように搬送されるマスタ33aに対して、上記サーマルヘッドの主走査方向に一列に配列された多数の微小な発熱素子が、上記製版に関するデータに応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱素子に接触しているマスタ33aの熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このようにして、画像情報に応じたマスタ33aの位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0068】
画像情報が書き込まれて製版された製版済みのマスタ33aの先端は、上記送り出しローラ対の回転により版胴1aの外周部側へ向かって送り出され、給版ガイド板(図示せず)により進行方向を変えられ、クランパ5aが図1における略右横に位置する給版位置状態にある版胴1aの拡開したクランパ5aへ向かって垂れ下がる。このとき版胴1aは、排版工程により使用済みのマスタ33aを既に除去されている。一方、版胴1b側における製版済みのマスタ33bの先端は、送り出しローラ対の回転により版胴1b外周部側へ向かって送り出され、給版ガイド板(図示せず)により略水平方向に案内されつつ、クランパ5bが図1における略直上に位置する給版位置状態にある版胴1bの拡開したクランパ5bへ向かって挿入される。
【0069】
製版済みのマスタ33aの先端部が、一定のタイミングでクランパ5aによりクランプされると、版胴1aは図における時計回り方向に回転しつつ外周面に製版済みのマスタ33aを徐々に巻き付けていく。製版済みのマスタ33aの後端部は、製版完了後に製版装置41aに配設されている可動刃および固定刃等からなる切断手段の作動により一定の長さに切断されて、一版のマスタ33aが版胴1aの外周面に完全に巻装されると、いわゆる給版工程が終了する。
【0070】
版胴1aの拡開したクランパ5aへ向かって搬送されてきた製版済みのマスタ33aの先端部がクランパ5aでクランプされるときに、製版済みのマスタ33aの先端の搬送がクランパ5aにおける所定のクランプ位置で停止してクランパ5aでクランプされればよいが、この製版済みのマスタ33aの先端の搬送停止位置がばらつくと、版胴1a上で巻装すべき製版済みのマスタ33aの位置もばらつくことになる。このばらつきは良好な印刷を妨げるので、図示しない移動調整手段によって画像位置ずれが修正される。
【0071】
一版の各製版済みのマスタ33a,33bが各版胴1a,1bの外周面にそれぞれ巻装されると製版・給版工程が終了し、印刷工程が開始される。この時、各版胴1a,1bは一度、図1に示す位置状態、すなわち版胴1aはホームポジションに、版胴1bはそのクランパ5bが略真下近傍に位置する状態になるまで回転してそれぞれ停止する。このように、本実施形態では、各版胴1a,1bが本体フレーム501内にあるとき、版胴1aと版胴1bとの間には、予め初期位相差が設けられている。
【0072】
次に印刷工程が始まる。給紙トレイ21上に積載された最上位の印刷用紙22は、図示しない給紙台昇降モータの適切な駆動により、呼び出しコロ23に接触するまで上昇されている。呼び出しコロ23が回転駆動されるとこれに接触している最上位の印刷用紙22が、呼び出しコロ23の回転動作により給紙台25上から良好に送り出されると共に、分離搬送ローラ24、分離パッドの協働作用により、1枚の印刷用紙22のみが上下一対のガイド板上28およびガイド板下27に案内されつつレジストローラ対29,30に向けて用紙搬送方向Xに給送される。この時、搬送された印刷用紙22の先端は、レジストローラ対29,30のニップ部直前部位に当接し、ガイド板上28に沿って撓んだ状態で停止している。
【0073】
一方、1色目の版胴1aは、印刷動作が始まると印刷の回転速度で回転され始める。版胴1aの内周側では、インキローラ3aとドクタローラ4aとの間に形成されたインキ溜りIaに黄色のインキが供給され、その黄色のインキはインキローラ3aとドクタローラ4aとが回転することによって混練され伸ばされると共に、インキローラ3aの外周面に均一に付着するようになる。インキの残量は、上記したインキ検知手段によって検知され、インキが少なくなったときにはインキ供給管2aから補給される。こうして版胴1aの回転方向と同一方向に、かつ、版胴1aの回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ3aにより、インキが版胴1aの内周側に供給される。
【0074】
印刷用紙22が、レジストローラ対29,30の回転作動により版胴1aの回転と同期した所定のタイミングで印圧装置32aにおける版胴1aとプレスローラ9aとの間に給送されてくると、これに同期して版胴1aの外周面下方に離間していたプレスローラ9aが揺動・上昇されることにより、印圧スプリング13aの付勢力によって印圧が加えられ、版胴1aの外周面に巻装されている製版済みのマスタ33aに押し付けられる。これにより、版胴1aの開孔部から滲み出たインキの粘性による付着力によって、製版済みのマスタ33aが版胴1aの外周面上に密着すると同時に、さらに製版済みのマスタ33aの穿孔パターン部からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙22の表面に転移されて、1色目の所望の黄色の印刷画像が形成される。
【0075】
上流位版胴1aにおける印刷動作を詳述する。レジストローラ対29,30の回転作動により、印刷用紙22が版胴1aの回転と同期した所定のタイミングで用紙搬送方向Xの下流側におけるレジストガイド板対31,31内に給送されて来た時、版胴1aの時計回り方向の回転により、版胴1aのクランパ5aが図1における真下を過ぎた回転位置に合わせて、印圧カム12aの小径部がカムフォロア58aと係合することとなる。これにより、印圧スプリング13aの付勢力によって印圧脱着レバー55aが揺動されると共に、プレスローラ9aが時計回り方向に揺動・上昇されるので、印刷用紙22が版胴1aの外周面に巻装されている製版済みのマスタ33aに押し付けられると共に所定の印圧が与えられて印刷がなされる。
【0076】
黄色の印刷画像を形成された印刷用紙22は、その先端がエアーナイフ7aの先端近傍の所までくると、エアーナイフ7aが版胴1aの回転動作と同期してエアーナイフ軸8aを中心に回転して版胴1aの外周面に接近し、エアーナイフ7aの先端から吹き出る圧縮空気流によって、印刷用紙22の先端が版胴1aから分離・剥離される。エアーナイフ7aにより分離・剥離された印刷用紙22は、中間搬送装置17によって用紙搬送方向Xの下流側へとさらに搬送される。
【0077】
搬送ベルト16aは図1の矢印方向へ回転し、ファン18aの作動によるケーシング19内の負圧作用により、印刷用紙22の先端は容易に搬送ベルト16aの上面に吸引され、この搬送ベルト16aの反時計回り方向の回転により、次の印圧装置32b部位へ向かって搬送される。搬送ベルト16aの搬送速度すなわち回転線速度は、版胴1aの周速度すなわち回転線速度と同じかまたは速く設定されているが、印刷用紙22の上流側は未だ版胴1aとプレスローラ9aとの印刷部で押さえられているので、印刷用紙22の左方向への進行速度は版胴1aの周速度と同じである。したがって、印刷用紙22は左方向へテンションが掛かった状態で搬送されることになる。なお厳密には、搬送ベルト16aの搬送速度の方が印刷用紙22の進行速度より速いので、搬送ベルト16aと印刷用紙22とは滑りを生じていることになる。
【0078】
この時、2色目の版胴1bは、版胴1aと同期して印刷動作を始める。版胴1bの内周側では、版胴1aと同様の構成および動作内容で版胴1bの回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ3bにより、2色目の青色インキが版胴1bの内周側に供給される。版胴1aと版胴1bとは、黄と青の画像が同じ位置基準で印刷されるように予め初期位相差が設けられている。版胴1aと版胴1bとの間に予め上記初期位相差を設けた理由は、次のようなことによる。版胴1aと版胴1bとは、同じ周速度で回転するように図示しないプレスローラ変位駆動手段を含む駆動経路によって連結されているため、黄と青の画像位置が印刷用紙22上で同じになるように予め初期位相差が設けられているのである。すなわち、図1に示すように、版胴1aと版胴1bのクランパ5a,5bの位置が異なっていて、その角度は、版胴1aの印刷部から版胴1bの印刷部までの印刷用紙22の搬送経路長さを、版胴1bの外周面上に取った場合に得られる中心角度に相当する。印刷用紙22の搬送経路長さとは、おおよそ、版胴1aと版胴1bの回転中心軸の間の距離に相当する。
【0079】
印刷用紙22の先端部分が、搬送ベルト16aによって進行方向に牽引力を与えられながら、版胴1bの回転と同期した所定のタイミングで印圧装置32bにおける版胴1bとプレスローラ9bとの間に給送されてくると、これに同期して版胴1bの外周面下方に離間していたプレスローラ9bが揺動・上昇されることにより、印圧スプリング13bの付勢力によって印圧が加えられ、版胴1bの外周面に巻装されている製版済みのマスタ33bに押し付けられる。これにより、版胴1bの開孔部から滲み出たインキの粘性による付着力によって、製版済みのマスタ33bが版胴1bの外周面上に密着すると同時に、さらに製版済みのマスタ33bの穿孔パターン部からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙22の表面に転移されて、2色目の青色インキによる青色の印刷画像が形成される。
【0080】
下流位版胴1bにおける上記印刷時前後の動作を詳述する。版胴1aの回転角度すなわち位相がそのクランパ5aが真下となる180°を少し過ぎた200°付近において、搬送ベルト16a上の印刷用紙22の先端が印刷用紙巻き上り検知センサ50により検知され、版胴1bの時計回り方向の回転が続行される。版胴1bのクランパ5bが図1における真下を過ぎた回転位置を占めると、印圧カム12bの小径部がカムフォロア58bと係合することとなる。これにより、印圧スプリング13bの付勢力によって印圧脱着レバー55bが揺動されると共に、プレスローラ9bが図1に示す時計回り方向に揺動・上昇されるので、黄色の印刷画像が形成された印刷用紙22が版胴1bの外周面に巻装されている製版済みのマスタ33bに押し付けられると共に、所定の印圧が与えられて青色の印刷画像の印刷がなされる。
【0081】
版胴1a、1b間の距離、印刷用紙22の縦方向サイズの違い等にもよるが、黄色および青色の2色印刷画像が形成された印刷用紙22が中間搬送装置17の搬送ベルト16aにより搬送され、その印刷用紙22の後端が印刷用紙巻き上り検知センサ50により検知されなくなる版胴1aの回転角度(位相)に対応した約300°を過ぎた時点において、印刷用紙巻き上り検知センサ50がオフする。版胴1bの時計回り方向の回転は続行される。
【0082】
以上の印刷動作により、版胴1bとプレスローラ9bとの接触部では、先に黄色の印刷された画像位置と同じ位置関係で青色の印刷がされることになる。プレスローラ9bは、版胴1bの外周面上から突出しているクランパ5bとの干渉を避けるために、印刷中に版胴1bの外周面から離間するようになっているが、印刷用紙22の先端が印刷部へ進入する前には版胴1bの外周面に接触して押圧している状態となっている。
【0083】
2色目の青色の印刷画像を形成された印刷用紙22は、その先端がエアーナイフ7bの先端近傍の所までくると、エアーナイフ7bが版胴1bの回転動作と同期してエアーナイフ軸8bを中心に回転して版胴1bの外周面に接近すると同時に、エアーナイフ7bの先端から吹き出る圧縮空気流によって、印刷用紙22の先端が版胴1bから分離・剥離される。エアーナイフ7bにより分離・剥離された印刷済みの印刷用紙22は、排紙装置35によってさらに用紙搬送方向Xの下流側に位置する排紙トレイ37へ搬送される。
【0084】
送風ファン34の回転により送られる空気は、エアーナイフ7bの左上方から印刷済みの印刷用紙22の表面へと吹き付けられる。これは、印刷済みの印刷用紙22の搬送ベルト40からの浮き上がり防止のためと印刷画像のインキ乾燥の促進のためでもある。ジャンプ台40Aは、印刷済みの印刷用紙22の中央部位を略U字状に撓ませて、いわゆる排紙の腰付けをして排紙トレイ37上に整然と排出積載する機能を有する。
【0085】
エアーナイフ7bにより分離・剥離された印刷済みの印刷用紙22は、吸引用ファン36の作動により吸引されつつ、また送風ファン34の回転により送られる空気によって印刷済みの印刷用紙22の搬送ベルト40からの浮き上がり防止が図られながら搬送ベルト40に吸着され、この搬送ベルト40の反時計回り方向の回転により、またジャンプ台40Aによる排紙の腰付けがされながら排紙トレイ37上に順次整然と排出積載される。このようにしていわゆる「版付け」、あるいは「試し刷り」が終了する。なお、版胴1aと版胴1bとの間に配設されている中間搬送装置17の上部に、送風ファン34と同様の装置を配設してもよい。これにより、搬送ベルト16aの上での印刷用紙22の浮き上がり防止を図ることができる。
【0086】
その後、操作パネル101のテンキー118で印刷枚数を設定し、スタートキー100を押下すると上記版付けと同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程が設定した印刷枚数分繰り返して行なわれ、所望の印刷物111を得て孔版印刷の全工程が終了する。
【0087】
以上の実施形態においては、領域指定に関し、第1の指定領域108Yと第2の指定領域109Bとの重複領域を混色領域110cとして指定し、混色領域110cを除く第1の指定領域108Yを第1の単色領域110a、混色領域110cを除く第2の指定領域109Bを第2の単色領域110bとして指定する場合を示したが、図12に示す、黄色のみで印刷された領域111Yと、青色のみで印刷された領域111Bと、領域111YBとを有する印刷物111を得るべく、第1の単色領域110aに対応する領域111Yと第1の指定領域108Yとを一致させるとともに、第2の単色領域110bに対応する領域111Bと第2の指定領域109Bとを一致させ、第1の指定領域108Yと第2の指定領域109Bとを除く領域を混色領域110cとして指定するようにしても良い。
【0088】
また、上述の実施形態においては、混色領域が1つのみの場合を示したが、領域指定手段105は、図13に示すように、原稿110における混色領域110cが第1の混色領域110d、第2の混色領域110eの2つの混色領域を有する場合にも適用できる。この場合には、図14に示すように、第1の指定領域108Yと第2の指定領域109Bとの重複領域を第1の混色領域110dとして指定し、第1の指定領域108Yと第2の指定領域109Bとを除く領域を第2の混色領域110eとして指定し、第1の混色領域110dを除く第1の指定領域108Yを第1の単色領域110a、第1の混色領域110dを除く第2の指定領域109Bを第2の単色領域110bとして指定する。
【0089】
これにより、図15に示すように、黄色のみで印刷された領域111Yと、青色のみで印刷された領域111Bと、領域121YB及び領域122YBを有する領域111YBとを有する印刷物111を得る。そして、領域121YBについては図7に示すようにして粗密度を設定するとともに図8に示すように第1エリアとして面積率を設定することができ、また領域122YBについては図7における「網点エリア1」を「網点エリア2」として粗密度を設定するとともに図16に示すように第2エリアとして面積率を設定することができる。例えば面積率に関し、領域121YBは黄色の面積率を40%、青色の面積率を20%にして黄色に近い緑色にて印刷し、領域122YBは黄色の面積率を20%、青色の面積率を40%にして青色に近い緑色にて印刷するといったようなことが可能である。
【0090】
原稿110における混色領域110cが第1の混色領域110d、第2の混色領域110eの2つの混色領域を有する場合には、図17、18に示すように、第1の指定シート108、第2の指定シート109の他に、第3の指定シート119を用い、このシート119により領域119YBを指定して第1の混色領域110dを指定することで、第2の混色領域110eを指定することができる。
【0091】
図17に示す場合は、第1の指定領域108Yと第2の指定領域109Bとの重複領域を第2の混色領域110eとして指定し、第2の混色領域110eを除く第1の指定領域108Yを第1の単色領域110a、第2の混色領域110eを除く第2の指定領域109Bを第2の単色領域110bとして指定する。図18に示す場合は、第1の指定領域108Yと第2の指定領域109Bと第1の混色領域110dとを除く領域を第2の混色領域110eとして指定し、第1の指定領域108Yを第1の単色領域110a、第2の指定領域109Bを第2の単色領域110bとして指定する。
【0092】
これにより、図15に示すように、黄色のみで印刷された領域111Yと、青色のみで印刷された領域111Bと、領域121YB及び領域122YBを有する領域111YBとを有する印刷物111を得る。第1の単色領域110a、第2の単色領域110bについての粗密度及び面積率の設定に関しては、図14における領域指定の場合と同様に行うことができる。また第3の指定シート119を用いる場合には、第1の指定シート108、第2の指定シート109に続けて第3の指定シートを読み取る等、上述の実施形態におけると同様にその読み取り、画像処理等を行うことができる。
【0093】
以上は第1、第2の単色領域、第1、第2の混色領域を含む混色領域といった複数の領域の数よりも少ない枚数の指定シートを用いて各領域の指定を行う場合を説明したが、指定シートの枚数をかかる領域の数と同じ枚数として一対一の関係で各領域を指定するようにしても良い。また、指定シートを読み取る代わりに、例えば特開平5−252382号公報に記載されているような周知のデジタイザを用いて、第1、第2の単色領域、第1、第2の混色領域を含む混色領域といった各領域の指定を行うようにしても良い。色の組合せは黄色と緑に限らず種々変更できる。版胴が3つ以上あるときには各々の版胴にて異なる色のインキを用いることにより、指定領域の数を増加し、単色領域及び混色領域の数、混色領域におけるインキの組合せを種々変更でき、より多彩な印刷を行うことが可能となる。この場合における指定領域、単色領域、混色領域の指定は上述したものを適宜組合せにより行うことができる。
【0094】
版胴は複数でなく、印刷装置500本体に対して着脱自在であれば1つであっても良く、この場合には同一の印刷用紙22に対し、色数に応じた回数だけ版胴を交換しつつ印刷を行い、各単色領域、各混色領域の印刷を行うようにすることができる。また版胴が複数の場合であっても、これが印刷装置500本体に対して着脱可能であれば、同一の印刷用紙22に対し上述と同様の複数回の繰り替えし印刷を行うことで、さらに多彩な印刷を行うことができる。その他、印刷装置500を構成する上記各装置等の構成およびその配置状態は、あくまでもその一例を示したものであり、他の周知の装置および種々の配置状態をもって構成してもよいことはいうまでもない。例えば、エアーナイフ7a,7bの他に、各版胴1a,1bの外周面近傍に揺動自在な周知の排紙剥離爪のみを用いた装置もある。
【0095】
印刷装置500は、上記したような感熱デジタル製版一体型孔版印刷装置を構成するものに限らず、例えば本体フレーム501と別体に配設された製版給版装置あるいは排版装置によってマスタを製版し給版し、あるいは使用済みのマスタを各版胴1a,1bの外周面から剥離し排版したりしてもよく、各製版装置41a,41bおよび各排版装置42a,42bを本体フレーム501に必ずしも具備していなくてもよいといえる。また、製版するためのデータは、上記したように原稿読取装置で読み取ったデータ、デジタイザを用いて読み取ったデータの他に、コンピュータ等で作成されたデータであってもよい。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の版胴と、複数の前記版胴に巻装されるマスタを製版する製版装置と、原稿の画像を読み取るための原稿読取手段と、複数の前記版胴において互いに異なる組合せの色により印刷すべき領域を前記原稿読取手段によって読み取られた原稿の画像に対して指定する領域指定手段とを有し、上記領域指定手段により指定された、第1色により印刷すべき第1の指定領域と第2色により印刷すべき第2の指定領域とに基づいて、所定の第1色のみにより印刷すべき第1の単色領域と、第1色と異なる所定の第2色のみにより印刷すべき第2の単色領域と、第1色と第2色とにより印刷すべき混色領域とが決定され、上記混色領域は、第1色の網点画像の領域と第2色の網点画像の領域との重ね合わせにより印刷すべき領域であり、第1色の網点画像と第2色の網点画像とによって上記混色領域が形成されるように上記製版装置によってマスタが製版され印刷装置にあるので、2つの色のインキを用いて擬似的に3色の印刷を行うことができ、装置の大型化や印刷作業の煩雑さを抑制しつつより多くの色の組み合わせで印刷を行うことができる、色の指定が容易でユーザーの使い勝手の良い印刷装置を提供することができる。
【0100】
上記領域指定手段が、原稿読取手段を有し、この原稿読取手段により第1の指定領域を指定するための第1の指定シートと第2の指定領域を指定するための第2のシートとが読み取られ、第1の指定領域と第2の指定領域とが指定されて、第1の単色領域と第2の単色領域と上記混色領域とが決定されることとすれば、比較的容易に各領域の指定を行うことができユーザーの使い勝手の良い印刷装置を提供することができる。
【0101】
原稿読取手段に原稿を自動的に送るためのADFを有し、ADFにより連続して送られた第1の指定シートと第2の指定シートと原稿読取手段で読み取られ、第1の指定領域と第2の指定領域とが指定されて、第1の単色領域と第2の単色領域と混色領域とが決定されることとすれば、より容易に各領域の指定を行うことができユーザーの使い勝手がより良い印刷装置を提供することができる。
【0108】
第1色及び第2色のそれぞれの網点画像の網点の粗密度を指定するための粗密度指定手段を有することとすれば、ユーザーが好みに応じて混色領域の色合いや画質を変化させることができる使い勝手の良い印刷装置を提供することができる。
【0110】
第1色及び第2色のそれぞれの網点画像の網点の面積率を指定するための面積率指定手段を有することとすれば、ユーザーが好みに応じて混色領域の色合いを大きく変化させることができる使い勝手の良い印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す印刷装置の概略的な正面図である。
【図2】図1に示した印刷装置のブロック図である。
【図3】第1、第2の指定シート、原稿、第1、第2の指定領域、第1、第2の単色領域、混色領域を示す平面図である。
【図4】各色を印刷するためのマスタにおける製版の態様を示した平面図である。
【図5】印刷物における印刷の態様を示した平面図である。
【図6】印刷物における各インキの塗布の態様の概略を示す平面図である。
【図7】図2に示した操作パネルの要部を示す平面図である。
【図8】図7に示した操作パネルにおいて面積率を指定している状態を示す要部の平面図である。
【図9】粗密度を変えたときの比較を示す概略平面図である。
【図10】面積率を変えたときの比較を示す概略平面図である。
【図11】図9、図10に示した各ドットと、マスタに形成された孔との関係を示す概略拡大平面図である。
【図12】図3に示した方法と異なる方法により混色領域を指定する場合の、印刷物、第1、第2の指定シート、第1、第2の指定領域、印刷の態様を示す平面図である。
【図13】第1、第2の混色領域を有する原稿を示す平面図である。
【図14】図13に示した原稿を印刷するための第1、第2の指定シートを示す平面図である。
【図15】図13に示した原稿を印刷した印刷物を及びその印刷態様を示す平面図である。
【図16】第2の混色領域の面積率を指定している状態を示す操作パネルの要部の平面図である。
【図17】図13に示した原稿を第1、第2、第3の指定シートを用いて印刷するための、各シートにおける領域指定の態様を示す平面図である。
【図18】図13に示した原稿を第1、第2、第3の指定シートを用いて印刷するための、各シートにおける領域指定の別の態様を示す平面図である。
【符号の説明】
1a、1b 版胴
22 シート、印刷用紙
101 操作パネル
101、104、106 粗密度指定手段、面積率指定手段
102 原稿読取手段
103 ADF
105 領域指定手段
108 第1の指定シート
108Y 第1の指定領域
109 第2の指定シート
109B 第2の指定領域
110a 第1の単色領域
110b 第2の単色領域
110c 混色領域
110d 第1の混色領域
110e 第2の混色領域
119 第3の指定シート
500 印刷装置
Y 第1色
B 第2色

Claims (5)

  1. 複数の版胴と、複数の前記版胴に巻装されるマスタを製版する製版装置と、原稿の画像を読み取るための原稿読取手段と、複数の前記版胴において互いに異なる組合せの色により印刷すべき領域を前記原稿読取手段によって読み取られた原稿の画像に対して指定する領域指定手段とを有し、
    上記領域指定手段により指定された、第1色により印刷すべき第1の指定領域と第2色により印刷すべき第2の指定領域とに基づいて、所定の第1色のみにより印刷すべき第1の単色領域と、第1色と異なる所定の第2色のみにより印刷すべき第2の単色領域と、第1色と第2色とにより印刷すべき混色領域とが決定され、
    上記混色領域は、第1色の網点画像の領域と第2色の網点画像の領域との重ね合わせにより印刷すべき領域であり、
    第1色の網点画像と第2色の網点画像とによって上記混色領域が形成されるように上記製版装置によってマスタが製版される印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置において、上記領域指定手段が、上記原稿読取手段を有し、この原稿読取手段により第1の指定領域を指定するための第1の指定シートと第2の指定領域を指定するための第2のシートとが読み取られ、第1の指定領域と第2の指定領域とが指定されて、第1の単色領域と第2の単色領域と上記混色領域とが決定されることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項記載の印刷装置において、上記原稿読取手段に原稿を自動的に送るためのADFを有し、上記ADFにより連続して送られた第1の指定シートと第2の指定シートとが上記原稿読取手段で読み取られ、第1の指定領域と第2の指定領域とが指定されて、第1の単色領域と第2の単色領域と上記混色領域とが決定されることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の印刷装置において、第1色及び第2色のそれぞれの網点画像の網点の粗密度を指定するための粗密度指定手段を有することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項ないし4の何れか1つに記載の印刷装置において、第1色及び第2色のそれぞれの網点画像の網点の面積率を指定するための面積率指定手段を有することを特徴とする印刷装置。
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