JP4764027B2 - ワーク搬送装置およびプレス機械 - Google Patents
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Description
一方、固定バーが移動バーに対し、その長手方向に移動して、それぞれの端面同士を当接して連結する連結装置の場合、フィード駆動機構あるいはディスコネクタ装置を設けなければならず、特にバー全体をフィード方向に動かさないタイプのワーク搬送装置の場合には、両側の固定バーにそれぞれディスコネクタ装置を設けなければならない。このため、バー分割位置近傍の構成が複雑になる。また、固定バーをフィード方向に移動させる分、金型交換時間がかかり、生産性低下の要因になる。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明のワーク搬送装置において、前記固定側連結部および前記移動側連結部は、それぞれ板状に形成され、その平面が略水平方向に沿って配置されることを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれかのワーク搬送装置において、固定側連結部および移動側連結部のいずれか一方には、いずれか他方に向かって突出するガイドピンが設けられ、固定側連結部および移動側連結部のいずれか他方には、ガイドピンが挿通されるガイド孔が形成されることを特徴とする。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明のいずれかのワーク搬送装置において、駆動手段は、空圧によって駆動されることを特徴とする。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明のいずれかのワーク搬送装置を備えたことを特徴とするプレス機械である。
また、挟持部材の駆動手段が固定バー内部に収納されているので、ワーク搬送装置のスペース効率が向上し、ワーク搬送装置の小型化が促進される。
図1には、本発明の一実施形態に係るトランスファプレス(プレス機械)1の全体図が示されている。この図1においてトランスファプレス1は、ベッド23、アプライト21、クラウン20、およびスライド22よりなるプレス本体1Aと、上金型12および下金型13を備えた金型11と、ムービングボルスタ30と、トランスファフィーダ(ワーク搬送装置)41とで構成されている。
このムービングボルスタ30は、加工済みの金型11(上金型12、下金型13)を次に使用する金型11と交換するためベッド23の上面に対して搬出入自在に設けられている。
フロア上及びベッド23上には図示しないレールが敷設されており、ムービングボルスタ30は、レール上を自走可能とする駆動装置を備えている。この駆動装置により、ムービングボルスタ30が自走すると、ムービングボルスタ30はワーク搬送方向に平行に立設する一対のアプライト21間をクランプ方向に通過し、トランスファプレス1内(またはトランスファプレス1外)から搬出(または搬入)される。
なお、ムービングボルスタ30は通常2セット準備されており、金型11を迅速に段取換えするため、使用済みの金型11を載置した一方のムービングボルスタ30を、前もってトランスファプレス1外で次に使用する金型11が外段取で装着された他方のムービングボルスタ30と自動交換する。
図2には、トランスファフィーダ41の一部斜視図が示されている。この図2において、トランスファフィーダ41は、ワーク搬送方向に対して左右に設けられた一対のバー14と、このバー14上をフィード方向に移動可能に設けられるフィードキャリア52と、フィードキャリア52をフィード方向に移動させるフィード用リニアモータ53と、バー14を上下方向(フィード方向およびクランプ方向に直交する方向、リフト方向)及びクランプ方向に移動させるリフト・クランプ装置80とを備えて構成されている。
ムービングボルスタ30のワーク搬送方向両側の、上流側の2本のアプライト21間および下流側の2本のアプライト21間のベッド23上には、それぞれフレーム33A(図2では上流側のフレーム33Aのみを図示)が設けられている。そして、これらのフレーム33Aにリフト・クランプ装置80が設けられている。一対のバー14上には、それぞれ対をなす複数のフィードキャリア52と各フィードキャリア52をフィード方向に移動させるフィード用リニアモータ53とがそれぞれ装備されている。各フィードキャリア52は、それぞれに設置されたガイドレール57がバー14の側面に設けられたリニアガイドレール51と係合することによってバー14上をフィード方向に沿って移動可能になっている。
なお、リニアモータのマグネット板は固定側、コイル板は移動側で説明したが、マグネット板を移動側、コイル板を固定側としても良い。
リフト装置81は、その上端部がバー14に取り付けられた2本のリフトバー83を備え、図示しないリフト駆動モータでスクリュー(図示せず)を回転させることによりリフトバー83を上下動(リフト動)させる。
クランプ装置91は、クランプ駆動モータ(図示せず)でスクリュー(図示せず)を回転させることにより、2本のリフトバー83をクランプ方向に移動させ、バー14をクランプ方向に移動させる。なおこのクランプ方向の移動の際、一対のバー14は、互いに逆方向に移動するように構成されている。つまり、一対のバー14は、互いに近接する方向または離間する方向に移動するように構成されている。
連結装置15は、固定バー141側に形成される固定側連結部151と、移動バー142側に形成される移動側連結部152と、移動側連結部152と固定側連結部151とを位置決めする位置決め機構153と、移動側連結部152を固定側連結部151に固定するエアクランプ(挟持手段)16と、エアクランプ16にエアを供給する図示しないエア供給装置とを備えている。
移動側連結部152は、移動バー142の端部から固定バー141に向かって、バー14の長手方向に沿って突出して形成されている。移動側連結部152は、板状に形成されており、その平面が略水平方向に沿って配置されている。また、移動側連結部152の上面には、移動側連結部152を補強するための移動側リブ152Aが形成されている。移動側リブ152Aは複数箇所(本実施形態では二箇所)に形成され、それぞれがバー14の長手方向に沿って、移動バー142端部から移動側連結部152の端部近傍まで形成されている。これらの移動側リブ152Aによって、移動側連結部152のリフト方向の強度を向上させることができる。
このような構成の位置決め機構153では、ガイドピン153Aがガイド孔153Bに挿通されることにより固定側連結部151と移動側連結部152とのフィード方向およびクランプ方向の位置決めが行われる。また、位置決め機構153、つまりガイドピン153Aおよびガイド孔153Bは、バー14がクランプ方向に移動する時にかかるクランプ方向の負荷を受ける役割を果たす。ここで、ガイド孔153Bの内周にはブシュ153Cが設けられているので、ガイドピン153Aが繰り返し挿通されることによってガイド孔153Bが摩耗するのを防止できる。このため、ブシュ153Cは摩耗を効果的に防止できるように比較的高硬度な材料で構成されることが望ましい。また、ブシュ153Cがガイド孔153Bとは別部材で構成されているので、長期間の使用に伴ってブシュ153Cの内周が摩耗した場合でも、ブシュ153Cのみを交換すればよいから、交換作業を容易にできる。
このように、筐体161が固定バー141内部に収納されているので、エアクランプ16が固定バー141端部から大きく突出しない。したがって、固定側連結部151および移動側連結部152のバー14の長手方向に沿った寸法を短くでき、バー14の連結部分の強度低下を防止できる。
エア室162は、ピストン163によって二つに分割されており、一方のエア室162A内部には、ピストン163と筐体161内壁との間に圧縮ばね163Aが設けられている。この圧縮ばね163Aによってピストン163は、他方のエア室162B側に付勢可能とされている。また、二つのエア室162(162A,162B)には、図示しないエア供給装置が接続されており、それぞれのエア室162(162A,162B)内に所定圧力のエアが供給可能となっている。
くさび状部材164Aの下面は、筐体161に対してピストンロッド164の軸方向に摺動可能に配置されている。またくさび状部材164Aの上面は、ピストンロッド164の先端側に向かって下面との距離が小さくなる傾斜面として形成され、この傾斜面により、くさび状部材164Aは、全体として先端側に向かって尖ったテーパー状に形成されている。また、鈎状部材164Bは、上方に向かって突出する鈎状に形成されている。
また、動作部165Bにおいてフォロア168よりも固定バー141の端部側には、段差部169が形成されており、この段差部169は、ピストンロッド164の鈎状部材164Bに係合可能となっている。
ばね取付部165Cは、回動軸165Dの下方に延出して設けられており、ばね取付部165Cの延出方向は、動作部165Bの延出方向に対して回動軸165Dを中心にして略直交している。ばね取付部165Cにおいて固定バー141の端部側とは反対側の面には、筐体161との間にばね167が取り付けられている。このばね167によって、クランプ部材165は、回動軸165Dを中心に回動する方向に付勢され、この付勢力によって動作部165Bのフォロア168がくさび状部材164Aに対して所定の付勢力で押しつけられている。この付勢力により、ピストンロッド164の動作に従ってフォロア168が良好にくさび状部材164Aに追従し、クランプ部材165を確実に動作させることができる。
また、エアクランプ16には、クランプ部材165の過剰な動作を検出するためのリミットスイッチ161Bが設けられている。
このような回動動作および進退動作により、クランプ部材165は、バー14の長手方向に移動しながら下方に回動する。これにより、クランプ部165Aが移動側連結部152に所定力で当接され、移動側連結部152が固定側連結部151との間に挟持される。
ここで、移動側連結部152においてクランプ部165Aが当接される部分には、当接部材152Cが設けられている。この当接部材152Cは、移動側連結部152とは別部材で構成されている。この当接部材152Cは、比較的高硬度な材料で構成されており、当接部材152Cにより、クランプ部165Aが繰り返し当接されることで移動側連結部152が摩耗するのを防止できる。また、当接部材152Cが移動側連結部152とは別部材で構成されているので、長期間の使用に伴って当接部材152Cが摩耗した場合には、当接部材152Cのみを交換すればよいから、交換作業を容易にできる。
また、何らかの不具合でエアの供給が停止してしまった場合でも、圧縮ばね163Aの付勢力によって移動側連結部152を保持できるので、連結が外れるなどの不具合を確実に防止できる。
さらに、エア圧によってピストン163を動作させてクランプ力を得ているので、油圧によって動作させる場合に較べて短時間で動作させることができ、金型交換時間を短縮できる。
図6には、移動側連結部152の挟持を解除した状態のエアクランプ16の側断面図が示されている。この図6において、他方のエア室162Bにエアを供給すると、ピストン163が圧縮ばね163Aの付勢力に抗して一方のエア室162A側に移動する。ピストン163の移動に伴ってピストンロッド164が移動すると、くさび状部材164Aが退避する。すると、ピストンロッド164の動作に伴ってクランプ部材165が退避しながら回動軸165Dを中心に回動し、クランプ部165Aが筐体161内に収納される。
ワーク2を搬送する場合には、トランスファフィーダ41は、バー14上でフィードキャリア52をワーク搬送方向に往復するフィード・リターン動と、バー14を昇降(リフト)させる昇降動(リフト・ダウン動)と、同じくバー14をワーク搬送方向に水平直交する方向に往復動するクランプ・アンクランプ動との3次元動作を行っている。そして、フィードキャリア52に保持されたワーク保持具をフィード方向、リフト方向、及びクランプ方向に適宜往復動させることにより、ワーク2を上流側(図1の左方向)の下金型13上から下流側の(図1の右方向)の下金型13上に順次移送する。
そこで、バー14の移動バー142を固定バー141から分割して取り外し、移動バー142をムービングボルスタ30のバー受台(図示せず)に載置する。
まず、バー14をバー受台に載置した状態で、エアクランプ16の他方のエア室162Bにエアを供給し、クランプ部材165を回動させながら退避させる。図7には、エアクランプ16のクランプ部材165を退避させた状態が示されている。この図7に示されるように、クランプ部材165が退避した状態では、クランプ部材165は、筐体161内に収納されるので、移動側連結部152上部にクランプ部材165が突出しない。この状態で図7のように固定バー141を下方に移動させると、ガイドピン153Aがガイド孔153Bから外れ、移動バー142と固定バー141との連結が外れる。その後、ムービングボルスタ30を移動させてトランスファプレス1の外に搬出する。
そして、一方のエア室162Aにエアを供給することにより、ピストン163を固定バー141の端部側に移動させる。すると、クランプ部材165が筐体161から突出し、かつ回動軸165Dを中心に回動してクランプ部165Aが下方に移動することにより、クランプ部165Aと固定側連結部151との間に、移動側連結部152を挟持する。
挟持手段は、進退可能に駆動する挟持部材を有するものであればよく、必ずしも固定側連結部に対して近接離間する方向に移動可能に設けられていなくてもよい。また、挟持手段は、進退動作と同時に固定側連結部に対する近接離間動作が実現されるがこれに限らず、近接離間動作と進退動作を別々に行うものであってもよい。
移動側連結部は固定側連結部に対して上側に配置されているものに限らず、例えば移動側連結部が固定側連結部に対して下側に配置されていてもよい。また、移動側連結部と固定側連結部とは、互いに上下方向に重なっているものに限らず、例えば鉛直方向を接触面として重なっていてもよい。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (7)
- プレス機械(1)でプレス加工されるワーク(2)を搬送するワーク搬送装置(41)であって、
前記ワーク(2)の搬送方向にほぼ平行に配置されるとともに、前記ワーク(2)を保持するワーク保持具を有するバー(14)を備え、
前記バー(14)は、前記プレス機械(1)内に固設される固定バー(141)と、前記固定バー(141)に対して着脱可能な移動バー(142)と、前記固定バー(141)と前記移動バー(142)とを連結する連結装置(15)とを備え、
前記連結装置(15)は、前記固定バー(141)端部から前記移動バー(142)に向かって突出する固定側連結部(151)と、前記移動バー(142)端部から前記固定バー(141)に向かって突出するとともに前記固定側連結部(151)の上側に配置されて前記固定側連結部(151)に重なる移動側連結部(152)と、前記移動側連結部(152)を挟持する挟持手段(16)とを備え、
前記挟持手段は、前記固定バー(141)の長手方向に進退可能で、前記移動バー(142)側へ前進したときに下方へ移動して前記移動側連結部(152)の上面に当接し、前記移動側連結部(152)を下方に押圧して前記固定側連結部(151)との間で前記移動側連結部(152)を挟持する挟持部材(165)と、前記固定バー(141)内部に配置され、前記挟持部材(165)を駆動する駆動手段(166)とを備える
ことを特徴とするワーク搬送装置(41)。 - 請求項1に記載のワーク搬送装置(41)において、
前記挟持部材(165)は、前記移動バー(142)に対して後退するときに上方へ移動して前記移動側連結部(152)の挟持を解除するとともに、最も後退したときには前記移動側連結部(152)の端部よりも前記固定バー(141)側に位置する
ことを特徴とするワーク搬送装置(41)。 - 請求項1または請求項2に記載のワーク搬送装置(41)において、
前記固定側連結部(151)および前記移動側連結部(152)は、それぞれ板状に形成され、その平面が略水平方向に沿って配置される
ことを特徴とするワーク搬送装置(41)。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のワーク搬送装置(41)において、
前記固定側連結部(151)および前記移動側連結部(152)のいずれか一方には、いずれか他方に向かって突出するガイドピン(153A)が設けられ、
前記固定側連結部(151)および前記移動側連結部(152)のいずれか他方には、前記ガイドピン(153A)が挿通されるガイド孔(153B)が形成される
ことを特徴とするワーク搬送装置(41)。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のワーク搬送装置(41)において、
前記挟持部材(165)は、前記移動バー(142)が移動するとき、前記固定バー(14
1)側に位置し、前記移動バー(142)が前記固定バー(141)と連結するとき、前記駆
動手段(166)によって前記固定バー(141)の長手方向に移動して前記移動バー(14
2)側に位置する
ことを特徴とするワーク搬送装置(41)。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のワーク搬送装置(41)において、
前記駆動手段(166)は、空圧によって駆動される
ことを特徴とするワーク搬送装置(41)。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のワーク搬送装置(41)を備えたことを特徴とするプレス機械(1)。
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