JP4763944B2 - 延伸成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、延伸成形体およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂を含有する重合体組成物よりなる成形体を特定温度下で延伸して、強度、伸縮性、形態安定性、賦形性などの特性に優れる延伸成形体を製造する方法、およびそれにより得られる延伸成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレンなどの芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックと共役ジエン化合物からなる重合体ブロックを有するブロック共重合体またはその水素添加物からなる芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(典型的にはいわゆるポリスチレン系熱可塑性エラストマー)は、代表的な熱可塑性エラストマーの一つである。ポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、常温でゴム弾性を有し且つ加熱により可塑化・溶融して成形加工を容易に行うことができ、しかも柔軟性と力学的特性のバランスに優れていることから、近年種々の分野で広く用いられている。
【0003】
従来、加硫ゴムや軟質塩化ビニル樹脂が汎用されてきた分野において、加硫ゴムは熱可塑性に劣っており、また軟質塩化ビニル樹脂は焼却した際に有害なダイオキシンを発生するなどの問題があった。そこで、熱可塑性で取り扱い性に優れており、しかも焼却してもダイオキシンなどの発生の心配がないポリスチレン系熱可塑性エラストマーをポリオレフィン系樹脂の柔軟化改質剤として配合した重合体組成物が、加硫ゴムや軟質塩化ビニル樹脂の代替として用いられるようになっている。
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂およびポリスチレン系熱可塑性エラストマーを含む重合体組成物を用いて製造したフィルムなどの薄肉成形体は、例えば包装材などとして使用した場合に、十分な強度を有していないため破断が発生し易く、また引き伸ばした際に材料変形(永久歪み)を生じ易いことから、包装材として十分な機能を有していない。また、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系熱可塑性エラストマーを含む重合体組成物よりなる厚肉成形体においても、常温で引っ張るなどの変形を加えた場合に、最初と2回目以降とで、成形体の形や風合が異なったものとなり、弾性回復性や形態安定性に劣るという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系熱可塑性エラストマーに代表される芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーを含む重合体組成物からなり、強度が高く、弾性回復性および形態安定性に優れていて、引き伸ばしたり、圧縮するなどの外部応力を加えても、応力を除いたときに元の形状に良好に復元して永久変形の生じにくい延伸成形体を製造する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーとポリオレフィン系樹脂を含む重合体組成物から常法によって成形体を製造した後、その成形体を特定の温度で加熱・延伸すると、高い強度を有し、しかも高い弾性回復性を有していて、外部から引っ張ったり、圧縮するなどの応力を加えても、外部応力を除いたときに、元の形状に容易に復元する形態安定性に優れる成形体が得られることを見出した。そして、本発明者らは、その際に、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーとポリオレフィン系樹脂は特定の比率で用いることが好ましいこと、成形体を3倍以上の延伸倍率で延伸処理すると形態安定性(形態復元性)を良好に維持しながら強度のより高い成形体が得られること、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーとしては、スチレンから主としてなる重合体ブロックとイソプレンおよび/またはブタジエンから主としてなる重合体ブロックからなるブロック共重合体および/またはその水素添加物が好ましく用いられること、ポリオレフィン系樹脂としてはポリプロピレンを用いるかまたはポリプロピレンとポリエチレンの併用が好ましいことを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1) 芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)およびポリオレフィン系樹脂(II)を含有する重合体組成物からなる成形体を、100〜180℃に加熱して延伸することからなる延伸成形体の製造方法であって;
成形体を構成する重合体組成物における芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)とポリオレフィン系樹脂(II)の含有割合が、質量比で、(I):(II)=50:50〜86:14であり;
前記芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)が、スチレンから主としてなる重合体ブロック、並びにイソプレンおよび/またはブタジエンからなる重合体ブロックを有するブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種であり;且つ、
前記ポリオレフィン系樹脂(II)が、ポリプロピレン系樹脂であるか、またはポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂の併用である;
ことを特徴とする延伸成形体の製造方法である。
【0007】
そして、本発明は、
) 成形体を構成する重合体組成物が、プロセスオイルを更に含有する前記(1)の製造方法;
) 成形体を一軸、二軸または多軸方向に延伸する前記(1)または(2)の製造方法;および、
) 延伸倍率が3倍以上である前記(1)〜(3)のいずれかの製造方法;
である。
【0008】
さらに、本発明は、
) 前記(1)〜()のいずれかの製造方法により得られる延伸成形体である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明では、重合体組成物を構成する芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)として、芳香族ビニル化合物から主としてなる重合体ブロック[以下「芳香族ビニル重合体ブロック(A)」という]および共役ジエン化合物から主としてなる重合体ブロック[以下「共役ジエン重合体ブロック(B)」という]を有するブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。
【0010】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)における芳香族ビニル重合体ブロック(A)を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−、m−、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレンなどのビニル芳香族化合物を挙げることができる。
芳香族ビニル重合体ブロック(A)は、前記した芳香族ビニル化合物の1種からなる構造単位のみを有していても、または2種以上からなる構造単位を有していてもよい。そのうちでも、芳香族ビニル重合体ブロック(A)はスチレンに由来する構造単位から主としてなっていることが、単量体の入手のし易さ、重合反応の容易さ、コストなどの点から好ましい。
【0011】
芳香族ビニル重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル化合物からなる構造単位と共に必要に応じて他の共重合性単量体からなる構造単位を少量有していてもよい。その場合の他の共重合性単量体からなる構造単位の割合は、芳香族ビニル重合体ブロック(A)の質量に基づいて30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
他の共重合性単量体としては、例えば1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテルなどのイオン重合性単量体を挙げることができる。
【0012】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)における共役ジエン重合体ブロック(B)を構成する共役ジエン化合物としては、イソプレン、ブタジエン、ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどを挙げることができる。共役ジエン重合体ブロック(B)は、これらの共役ジエン化合物の1種から構成されていてもまたは2種以上から構成されていてもよい。共役ジエン重合体ブロック(B)が2種以上の共役ジエン化合物に由来する構造単位を有している場合は、それらの結合形態はランダム、テーパー、一部ブロック状、またはそれらの2種以上の組み合わせからなっていることができる。
【0013】
そのうちでも、共役ジエン重合体ブロック(B)は、ポリオレフィン系樹脂(II)との相容性の点から、イソプレン単位を主体とするモノマー単位からなるポリイソプレンブロックまたはその不飽和結合の一部または全部が水素添加された水添ポリイソプレンブロック;ブタジエン単位を主体とするモノマー単位からなるポリブタジエンブロックまたはその不飽和結合の一部または全部が水素添加された水添ポリブタジエンブロック;或いはイソプレン単位とブタジエン単位を主体とするモノマー単位からなるイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックまたはその不飽和結合の一部または全部が水素添加された水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックであることが好ましい。特に、共役ジエン重合体ブロック(B)は、ポリイソプレンブロック、イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック、またはそれらの一部または全部が水素添加されたブロックであることがより好ましい。
【0014】
共役ジエン重合体ブロック(B)がポリイソプレンブロックである場合は、その水素添加前には、イソプレンに由来する単位は、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基[−CH2−C(CH3)=CH−CH2−;1,4−結合のイソプレン単位]、イソプロペニルエチレン基[−CH(C(CH3)=CH2)−CH2−;3,4−結合のイソプレン単位]および1−メチル−1−ビニルエチレン基[−C(CH3)(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合のイソプレン単位]からなる群から選ばれる少なくとも1種の基からなっており、各単位の割合は特に限定されないが、3,4−結合および1,2−結合のイソプレン単位の合計(以下「ビニルイソプレン単位の合計」ということがある)が10〜75%であることが好ましく、15〜70モル%であることがより好ましい。ビニルイソプレン単位の合計が10〜75モル%の範囲内であるとそのゴム物性や透明性が良好になる。
【0015】
共役ジエン重合体ブロック(B)がポリブタジエンブロックである場合は、その水素添加前には、ブタジエン単位の55〜20モル%、特に50〜20モル%が2−ブテン−1,4−ジイル基(−CH2−CH=CH−CH2−;1,4−結合のブタジエン単位)であり、45〜80モル%、特に50〜80モル%がビニルエチレン基[−CH(CH=CH)−CH2−;1,2−結合のブタジエン単位]であることが好ましい。ポリブタジエンブロックにおける1,2−結合量が上記した45〜80モル%の範囲内であると、そのゴム物性や透明性が良好になる。
【0016】
共役ジエン重合体ブロック(B)がイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックである場合は、その水素添加前には、イソプレンに由来する単位は2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基(1,4−結合のイソプレン単位)、イソプロペニルエチレン基(3,4−結合のイソプレン単位)および1−メチル−1−ビニルエチレン基(1,2−結合のイソプレン単位)からなる群から選ばれる少なくとも1種の基からなっており、またブタジエンに由来する単位は2−ブテン−1,4−ジイル基(1,4−結合のブタジエン単位)および/またはビニルエチレン基(1,2−結合のブタジエン単位)からなっており、各単位の割合は特に制限されないが、3,4−結合および1,2−結合のイソプレン単位並びに1,2−結合のブタジエン単位の合計が20〜85モル%であることが好ましく、25〜75モル%であることがより好ましい。当該単位の割合が20〜85モル%の範囲内であると、そのゴム物性や透明性が良好になる。
イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックでは、イソプレン単位とブタジエン単位の配置は、ランダム状、ブロック状、テーパーブロック状のいずれの形態になっていてもよい。そして、イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックでは、柔軟性、透明性などの点から、イソプレン単位:ブタジエン単位の質量比が5:95〜95:5であることが好ましい。
【0017】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)では、耐熱性および耐候性が良好なものとなる点から、その共役ジエン重合体ブロック(B)における不飽和二重結合の一部または全部が水素添加されていることが好ましい。その際の共役ジエン重合体ブロック(B)の水素添加率は70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、85モル%以上であることがさらに好ましい。
【0018】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)における芳香族ビニル重合体ブロック(A)と共役ジエン重合体ブロック(B)との結合形態は特に制限されず、直鎖状、分岐状、放射状、またはそれらの2つ以上が組合わさった結合形態のいずれであってもよく、そのうちでも直鎖状の結合形態であることが好ましい。
【0019】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)が、芳香族ビニル重合体ブロック(A)および共役ジエン重合体ブロック(B)が直線状に結合したブロック共重合体である場合は、芳香族ビニル重合体ブロック(A)をAで、また共役ジエン重合体ブロック(B)をBで表したときに、A−Bで表されるジブロック構造、A−B−AまたはB−A−Bで表されるトリブロック構造、A−B−A−BまたはB−A−B−Aで表されるテトラブロック構造、またはAとBとが5個以上直鎖状に結合しているポリブロック構造を採ることができる。それらのうちでも、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)は、A−B−Aで表されるトリブロック共重合体であるか、A−Bで表されるジブロック共重合体であるか、またはA−B−Aで表されるトリブロック共重合体とA−Bで表されるジブロック共重合体の混合物であることが、弾力性、力学的特性、取り扱い性、製造の容易性などの点から好ましい。
【0020】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)がトリブロック以上のポリブロック共重合体である場合は、2個以上の芳香族ビニル重合体ブロックAは互いに同じ内容のブロックであってもまたは異なる内容のブロックであってもよく、また2個以上の共役ジエン重合体ブロックBは互いに同じ内容のブロックであってもまたは異なる内容のブロックであってもよい。例えば、A−B−Aで表されるトリブロック共重合体における2個の芳香族ビニル重合体ブロック(A)、或いはB−A−Bで表されるトリブロック共重合体における2個の共役ジエン重合体ブロック(B)は、それらを構成する芳香族ビニル化合物または共役ジエン化合物の種類、その結合形式、ブロックの数平均分子量などが同じであっても、または異なっていてもよい。
【0021】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)は、[芳香族ビニル重合体ブロック(A)]:[共役ジエン重合体ブロック(B)]の質量比が、10:90〜40:60であることが、機械的強度や成形加工性が良好となる点から好ましく、15:85〜30:70であることがより好ましい。
【0022】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)は、水素添加前の状態で、数平均分子量(Mn)が17,500〜500,000であることが好ましく、40,000〜400,000であることがより好ましい。芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)の数平均分子量(Mn)が17,500よりも小さいと機械的強度が低下し易く、一方500,000よりも大きいと溶融粘度が上昇し、溶融混合が困難になり易い。
また、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)では、水素添加前の状態で、芳香族ビニル重合体ブロック(A)の数平均分子量が2,500〜50,000の範囲内で、共役ジエン重合体ブロック(B)の数平均分子量が15,000〜400,000の範囲内であることが、機械的強度が向上し、溶融粘度が適切になる点から好ましい。
ここで、本明細書における芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)の数平均分子量(Mn)、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)を構成している芳香族ビニル重合体ブロック(A)および共役ジエン重合体ブロック(B)の数平均分子量(Mn)は、いずれも、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン検量線から求めた値をいう。
【0023】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)は、必要に応じて、分子末端に水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を有していてもよい。
【0024】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)の製法は特に制限されず、従来既知のいずれの方法で製造してもよく、また従来市販の芳香族ビニル重合体系熱可塑性エラストマーを使用してもよい。何ら限定されるものではないが、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)は、例えば、アルキルリチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル化合物、イソプレンおよび/またはブタジエンを逐次重合させる方法、芳香族ビニル化合物、イソプレンおよび/またはブタジエンをそれぞれ重合した後にカップリング剤によってカップリングする方法、ジリチウム系化合物を開始剤としてイソプレンおよび/またはブタジエン並びに芳香族ビニル化合物を逐次重合する方法等が挙げられる。
水素添加した芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)は、そのようにして得られる重合体を、従来既知の方法で水素添加することによって製造することができる。
【0025】
本発明で用いるポリオレフィン系樹脂(II)としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、オクテンなどのオレフィン系単量体の単独重合体樹脂または共重合体樹脂の1種または2種以上を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂(II)の具体例としては、ポリプロピレン単独重合体、ポリプロピレンランダム共重合体樹脂、ポリプロピレンブロック共重合体樹脂などのポリプロピレン系樹脂;低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂などのポリエチレン系樹脂;ポリブテン樹脂などを挙げることができ、これらのポリオレフィン系樹脂の1種または2種以上を用いることができる。
【0026】
そのうちでも、本発明では、ポリオレフィン系樹脂(II)として、ポリプロピレン系樹脂を単独で用いるか、またはポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を併用することが、成形加工性の点から好ましい。
【0027】
成形体を構成する重合体組成物は、柔軟性の点から、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)およびポリオレフィン系樹脂(II)を、質量比で、(I):(II)=40:60〜90:10の割合で含有していることが好ましく、50:50〜86:14の割合で含有していることがより好ましい。芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)とポリオレフィン系樹脂(II)の合計質量に基づいて、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)の含有量が40質量%未満であると[ポリオレフィン系樹脂(II)の含有量が60質量%を超えると]、成形体が柔軟性に劣ったものになり易く、一方芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)の含有量が90質量%を超えると[ポリオレフィン系樹脂(II)の含有量が10質量%未満であると]、成形体の力学的強度に異方性が生じ易い。
【0028】
また、成形体を構成する重合体組成物は、場合によりプロセスオイルを含有していてもよい。プロセスオイルを含有していることにより、成形体に柔軟性が付与され、さらに膠着が生じにくくなるという効果が得られる。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、それらの混合物などのいずれもが使用でき、そのうちでもパラフィン系プロセスオイルが本発明の効果を妨げない点から好ましく用いられる。
成形体を構成する重合体組成物中にプロセスオイルを含有させる場合は、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)とポリオレフィン系樹脂(II)の合計質量に対して、プロセスオイルの含有量が300質量%以下であることが、成形加工性、成形体の柔軟性、成形体からのブリードアウトの防止などの点から好ましく、100質量%以下であることがより好ましい。
【0029】
成形体を構成する重合体組成物は、必要に応じて種々の他の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、無機充填剤、滑剤、各種安定剤、ブロッキング防止剤、耐候性向上剤、顔料、加工助剤、上記プロセスオイル以外の可塑剤、防曇剤、難燃剤、帯電防止剤等が挙げられる。
【0030】
延伸処理を施す前の成形体(以下これを「中間成形体」ということがある)の種類や形状は特に制限されず、芳香族ビニル重合体系熱可塑性エラストマー(I)、ポリオレフィン系樹脂(II)および必要に応じてプロセスオイルや他の成分を含有する重合体組成物から製造された成形体であって、加熱下に延伸できる成形体であればいずれでもよい。
中間成形体としては、例えば、フィルム、シート、板状体、棒状体、帯状体、管(チューブ)、筒状体、中空体などを挙げることができる。また、中間成形体の製造方法は特に制限されず、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形、カレンダー成形、流延成形などの任意の成形法によって製造されたものであってよい。
【0031】
本発明では、延伸温度(100〜180℃)よりも低い温度状態にある中間成形体を100〜180℃に再加熱して延伸処理を行うことが必要である。延伸温度が100℃よりも低いと、延伸倍率を高くすることができず、強度などに優れる延伸成形体が得られなくなり、また賦形用の型を用いて延伸処理を行う場合は賦形が良好に行われなくなる。一方、延伸温度が180℃よりも高いと、延伸処理時に中間成形体のドローダウンが発生して中間成形体の形態が保持されず、延伸ができなくなる。延伸温度は110〜160℃であることが好ましい。特に、延伸時に賦形用の型を用いて延伸と賦形を同時に行う場合は、110〜160℃の延伸温度を採用することが好ましい。
【0032】
延伸処理を行う前(再加熱する前)の中間成形体の温度は、中間成形体の変形防止などの点から80℃以下であることが好ましく、常温であることがより好ましい。
延伸処理は、同じ製造ラインで中間成形体の製造に引き続いて行ってもよいし、または中間成形体の製造とは別に行ってもよい。
【0033】
延伸処理は、中間成形体の形状、目的とする延伸成形体(最終成形品)の形状や用途などに応じて、一軸延伸、二軸延伸または多軸延伸(多方向延伸)のいずれを採用して行ってもよい。また、必要に応じて、賦形用の型を用いて延伸処理を行ってもよい。一軸延伸の例としては、フィルム状、シート状、板状などの中間成形体を延伸ロールなどを用いて長さ方向に一軸延伸する方法、それらの中間成形体をテンターなどを用いて幅方向に一軸延伸する方法、棒状体、管状体、帯状体、筒状体などの中間成形体を延伸ロールなどを用いて長さ方向に一軸延伸する方法などを挙げることができる。二軸延伸の例としては、フィルム状、シート状、板状などの中間成形体を延伸ロールとテンターを用いて縦横方向に二軸延伸する方法、それらの中間成形体を二軸延伸用テンターを用いて縦横方向に二軸延伸する方法、筒状フィルムからなる中間成形体に空気を吹き込んで縦横方向に二軸延伸する方法などを挙げることができる。また、賦形用の型を用いる延伸処理としては、例えば、フィルム状、シート状、筒状、中空状などの中間成形体を賦形用の型内に配置し、100〜180℃の加熱下に圧縮空気を型内に吹き込んで中間成形体を延伸すると共に型内に押し付けて賦形を行う方法などを挙げることができる。
【0034】
延伸倍率は、延伸温度、中間成形体の形状や寸法、目的とする延伸成形体(最終成形体)の形状や寸法などに応じて異なり得るが、一般には、一軸延伸、二軸延伸または多軸延伸ともに、延伸方向に2倍以上、特に3倍以上とすることが、機械的強度などに優れる延伸成形体が得られることから好ましい。
延伸倍率は、中間成形体を構成する重合体組成物の材料特性に合わせて、100〜180℃の範囲内の適当な延伸温度で、適当な延伸倍率を採用するようにする。
【0035】
長期間にわたって寸法変化のより少ない成形体を得るためには、上記で得られる延伸成形体に対して、必要に応じて、電子線照射などによる架橋処理を施してもよい。
また、本発明により得られる延伸成形体に対しては、表面塗装やその他の表面処理を施すこともできる。
【0036】
本発明により得られる延伸成形体は、強度が高く、弾性回復性に優れていて、引き伸ばしや圧縮などの外部応力を加えても応力を除いたときに元の形状に良好に復元し永久変形が生じにくく、形態安定性に優れている。そのため、それらの特性を活かして、本発明の方法は、例えば、伸縮フィルムやシート、各種の伸縮性包装材料、伸縮ベルト、伸縮性筒状体などの種々の製品の製造に有効に採用することができる。
【0037】
【実施例】
以下に実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
以下の例で用いたポリスチレン系熱可塑性エラストマー(ポリスチレン系ブロック共重合体)におけるスチレン含有量、数平均分子量および水素添加率、並びに以下の例で得られた延伸成形体の引張強度および賦形率は以下の方法で測定した。
【0038】
[ポリスチレン系熱可塑性エラストマーにおけるスチレン単位含有量]
ポリスチレン系熱可塑性エラストマーの製造に使用した各単量体成分の質量から算出した。
【0039】
[ポリスチレン系熱可塑性エラストマーにおける数平均分子量]
GPC測定によりポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を求めた。
【0040】
[ポリスチレン系熱可塑性エラストマーにおける水素添加率]
水素添加前後におけるポリスチレン系熱可塑性エラストマーにおけるヨウ素価を測定し、その測定値より算出した。
【0041】
[延伸成形体の引張強度]
チューブ状の延伸成形体を切り開いて長さ40mm×巾3.0mmのフィルム状試験片を作成し、引張試験機(島津株式会社製オートグラフ「AG2000B型」)を使用して、引張り速度300mm/min.の条件下で延伸成形体を引っ張り、引っ張り率100%のときの引張強度を測定した。
【0042】
[延伸成形体の賦形率]
延伸処理を施す前の成形体(中間成形体)の室温(25℃)での寸法(長さ)(La)(cm)および延伸処理して得られた延伸成形体を室温(25℃)に3日間放置した後の寸法(長さ)(Lb)(cm)を測定し、延伸倍率をn(倍)とし、下記の数式から賦形率(%)を求めた。
下記の数式により求められる賦形率が100%に近いほど、延伸処理後に放置したときに収縮が少なく、目的寸法に合致する延伸倍率どおりの延伸成形体が得られたことを示す。
【0043】
【数1】
賦形率(%)={Lb/(La×n)}×100
【0044】
《参考例1》
[ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(水添ブロック共重合体▲1▼)の製造]
乾燥した窒素で置換された耐圧容器中、溶媒としてシクロヘキサンを用い、重合開始剤としてsec−ブチルリチウムを用いて、50℃でスチレンを重合した後、ルイス塩基としてテトラヒドロフランを加え、次いでイソプレンおよびスチレンを順次重合させてポリスチレン−ポリビニルイソプレン−ポリスチレン型のブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体をシクロヘキサン中、Pdカーボンを触媒として、2MPaの水素雰囲気下で水素添加して、水添ブロック共重合体▲1▼を得た。これにより得られた水添ブロック共重合体▲1▼における、ポリスチレンブロックの数平均分子量は7,000、水素添加前のブロック共重合体のスチレン単位含有量は20質量%および数平均分子量は100,000、ポリイソプレンブロックのビニルイソプレン単位含有量は55モル%、水素添加率は90モル%であった。
【0045】
《参考例2》
[ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(水添ブロック共重合体▲2▼)の製造]
テトラヒドロフランを使用せず、イソプレンの代わりにイソプレンとブタジエンの混合物[イソプレン/ブタジエン=50/50(質量比)]を使用したこと以外は、参考例1と同様に重合および水素添加を行って、水添ブロック共重合体▲2▼を得た。これにより得られた水添ブロック共重合体▲2▼における、ポリスチレンブロックの数平均分子量は25,000、水素添加前のブロック共重合体のスチレン単位含有量は30質量%および数平均分子量は200,000、イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックのビニルイソプレン単位とビニルエチレン単位の合計含有量は5モル%以下、水素添加率は90モル%であった。
【0046】
《実施例1〜8および比較例1〜6》
(1)重合体組成物の調製:
参考例1で得られた水添ブロック共重合体▲1▼75質量部、ポリプロピレン(モンテル・SKD・サンライズ株式会社製「HMS−PP−SD613」;ブロックタイプのポリプロピレン)25質量部、タルク(無機充填剤)(浅田製粉株式会社製「FFR」)5質量部およびステアリン酸モノグリセリド0.1質量部をタンブラーにて混合した後、二軸押出機(KRUPP WERNER & PFLEIDERER製「ZSK−25」)に供給し、200℃で混練した後にストランド状に押し出し、切断して、重合体組成物のペレットを調製した。
(2)中間成形体の製造:
上記(1)で得られた重合体組成物のペレットを、単軸押出機(株式会社プラエンジ製「PSV22」)に供給して200℃で押出成形を行って、外径8.0mmおよび内径6.8mm(肉厚0.6mm)のチューブ状の押出成形品(中間成形体)を製造した。
(3)延伸成形体の製造:
上記(2)で得られたチューブ状の中間成形体を長さ10cmに切断し、その両端をクランプにより把持し、一軸延伸装置を使用して、下記の表1に示す延伸温度(材料温度)で延伸倍率8倍で一軸延伸を行った。
これにより得られた延伸成形体の引張強度および賦形率を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
なお、下記の表1に示すように、延伸温度を200℃とした比較例6では、中間成形体のドローダウンが発生して延伸を行うことができなかった。
【0047】
【表1】
Figure 0004763944
【0048】
《実施例9〜12および比較例7〜12》
(1)重合体組成物の調製:
参考例2で得られた水添ブロック共重合体▲2▼100質量部、実施例1〜8および比較例1〜6で使用したのと同じポリプロピレン(「HMS−PP−SD613」)65質量部、パラフィン系プロセスオイル(出光興産株式会社製「PW−380」)80質量部、タルク(浅田製粉株式会社製「FFR」)5質量部およびステアリン酸モノグリセリド0.1質量部をタンブラーにて混合した後、実施例1〜8などで使用したのと同じ二軸押出機(「ZSK−25」)に供給し、200℃で混練してストランド状に押し出し、切断して、重合体組成物のペレットを調製した。
(2)中間成形体の製造:
上記(1)で得られた重合体組成物のペレットを、実施例1〜8などで使用したのと同じ単軸押出機(「PSV22」)に供給して200℃で押出成形を行って、外径8.0mmおよび内径6.8mm(肉厚0.6mm)のチューブ状の押出成形品(中間成形体)を製造した。
(3)延伸成形体の製造:
上記(2)で得られたチューブ状の中間成形体を長さ10cmに切断し、その両端をクランプにより把持し、一軸延伸装置を使用して、下記の表2に示す延伸温度(材料温度)で延伸倍率8倍で一軸延伸を行った。
これにより得られた延伸成形体の引張強度および賦形率を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
なお、下記の表2に示すように、延伸温度を200℃とした比較例12では、中間成形体のドローダウンが発生して延伸を行うことができなかった。
【0049】
【表2】
Figure 0004763944
【0050】
《実施例13〜28および比較例13〜16》
(1)重合体組成物の調製:
参考例1で得られた水添ブロック共重合体▲1▼75質量部、実施例1〜8と比較例1〜6で使用したのと同じポリプロピレン(「HMS−PP−SD613」)12.5質量部、低密度ポリエチレン(日本ポリケム株式会社製「HE−30」)12.5質量部、タルク(浅田製粉株式会社製「FFR」)5質量部およびステアリン酸モノグリセリド0.1質量部をタンブラーにて混合した後、実施例1〜8などで使用したのと同じ二軸押出機(「ZSK−25」)に供給し、200℃で混練してストランド状に押し出し、切断して、重合体組成物のペレットを調製した。
(2)中間成形体の製造:
上記(1)で得られた重合体組成物のペレットを、実施例1〜8などで使用したのと同じ単軸押出機(「PSV22」)に供給して200℃で押出成形を行って、外径8.0mmおよび内径6.8mm(肉厚0.6mm)のチューブ状の押出成形品(中間成形体)を製造した。
(3)延伸成形体の製造:
上記(2)で得られたチューブ状の中間成形体を長さ10cmに切断し、その両端をクランプにより把持し、一軸延伸装置を使用して、下記の表3に示す延伸温度(材料温度)および延伸倍率で一軸延伸を行った。
これにより得られた延伸成形体の引張強度および賦形率を上記した方法で測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
なお、下記の表3に示すように、延伸温度を200℃とした比較例16では、中間成形体のドローダウンが発生して延伸を行うことができなかった。
【0051】
【表3】
Figure 0004763944
【0052】
《実施例29〜35および比較例17〜19》
(1)重合体組成物の調製:
参考例1で得られた水添ブロック共重合体▲1▼45.5質量部、参考例2で得られた水添ブロック共重合体▲2▼17.5質量部、ポリプロピレン(グランドポリマー株式会社製「B101」;ブロックタイプのポリプロピレン)19.5質量部、パラフィン系プロセスオイル(出光興産株式会社製「PW−380」)17.5質量部、タルク(浅田製粉株式会社製「FFR」)5質量部およびステアリン酸モノグリセリド0.1質量部をタンブラーにて混合した後、実施例1〜8などで使用したのと同じ二軸押出機(「ZSK−25」)に供給し、200℃で混練してストランド状に押し出し、切断して、重合体組成物のペレットを調製した。
(2)中間成形体の製造:
上記(1)で得られた重合体組成物のペレットを、実施例1〜8などで使用したのと同じ単軸押出機(「PSV22」)に供給して200℃で押出成形を行って、外径8.0mmおよび内径6.8mm(肉厚0.6mm)のチューブ状の押出成形品(中間成形体)を製造した。
(3)延伸成形体の製造:
上記(2)で得られたチューブ状の中間成形体を長さ10cmに切断し、その両端をクランプにより把持し、一軸延伸装置を使用して、下記の表4に示す延伸温度(材料温度)および延伸倍率で一軸延伸を行った。
これにより得られた延伸成形体の引張強度および賦形率を上記した方法で測定したところ、下記の表4に示すとおりであった。
なお、下記の表4に示すように、延伸温度を200℃とした比較例19では、中間成形体のドローダウンが発生して延伸を行うことができなかった。
【0053】
【表4】
Figure 0004763944
【0054】
上記の表1〜4の結果から、処理温度が100〜180℃、特に110〜160℃のときに、引張強度が高く、且つ賦形率が高くて形態安定性に優れる延伸成形体が得られることがわかる。
【0055】
【発明の効果】
本発明による場合は、強度が高く、弾性回復性および形態安定性に優れる伸縮特性を有していて、引き伸ばしたり、圧縮するなどの外部応力を加えても、応力を除いたときに元の形状に良好に復元することができ永久変形の生じにくい成形体を円滑に製造することができる。
本発明により得られる延伸成形体は、ハロゲン原子を有していないので、焼却してもダイオキシンなどの有害物質を発生せず、また加熱溶融性であるので加熱溶融による廃棄処分や再利用を簡単に行うことができる。
そのため、上記した特性を活かして、本発明により得られる延伸成形体は、伸縮フィルムやシート、各種の伸縮性包装材料、伸縮ベルト、伸縮性筒状体などのような、食品、電気製品、雑貨用途などさまざまな分野において好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)およびポリオレフィン系樹脂(II)を含有する重合体組成物からなる成形体を、100〜180℃に加熱して延伸することからなる延伸成形体の製造方法であって;
    成形体を構成する重合体組成物における芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)とポリオレフィン系樹脂(II)の含有割合が、質量比で、(I):(II)=50:50〜86:14であり;
    前記芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー(I)が、スチレンから主としてなる重合体ブロック、並びにイソプレンおよび/またはブタジエンからなる重合体ブロックを有するブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種であり;且つ、
    前記ポリオレフィン系樹脂(II)が、ポリプロピレン系樹脂であるか、またはポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂の併用である;
    ことを特徴とする延伸成形体の製造方法。
  2. 成形体を構成する重合体組成物が、プロセスオイルを更に含有する請求項に記載の製造方法。
  3. 成形体を一軸、二軸または多軸方向に延伸する請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 延伸倍率が3倍以上である請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項の製造方法により得られる延伸成形体。
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