JP4761296B2 - 変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、自動車等の変速装置に組み込まれる2個の摩擦係合要素(例えば、クラッチ、ブレーキ)の同時係合を回避するようにした変速機の油圧制御装置に関する。
自動車等に搭載される変速装置では、油圧サーボに供給する係合圧に基づいて係脱するクラッチやブレーキを複数備えており、同時係合を回避すべきクラッチやブレーキにはフェールセーフ機能を有する変速機の油圧制御装置が設けられている。
このような変速機の油圧制御装置において、例えば2つのブレーキの油圧サーボにそれぞれ2つのリニアソレノイドバルブによって制御される制御圧をそれぞれ供給して、それら2つのブレーキの係合状態を制御するものでありながら、それら2つのブレーキの油圧サーボと2つのリニアソレノイドバルブとの間のそれぞれの油路に、互いの他方のリニアソレノイドバルブが油圧を出力している状態で各油路を遮断する切換えバルブを備えたもの、つまり相手方の油圧サーボの供給圧が出力されると自動的に油圧サーボへの供給油路が遮断されるものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特願2003−371354号(出願時未公開)
ところで、上述した変速機の油圧制御装置においては、油圧サーボにリニアソレノイドバルブから出力される制御圧を直接的に供給しているので、当該油圧サーボによって係合される摩擦係合要素(例えばブレーキ)が担持するトルク容量を大きくするためには、該リニアソレノイドバルブを大型化して、出力可能な油圧を高める必要があり、コンパクト化の妨げになるという問題があった。
そこで本発明は、コンパクト化が可能であるものでありながら、第1摩擦係合要素と第2摩擦係合要素との同時係合を回避することが可能な変速機の油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は(例えば図1、及び図2参照)、第1油圧サーボ(45)によって係脱される第1摩擦係合要素(B1)と第2油圧サーボ(47)によって係脱される第2摩擦係合要素(B2)との同時係合を回避する変速機の油圧制御装置(1)において、
ライン圧(P)を生成するライン圧生成手段(40,S1)と、
前記ライン圧(P)に基づき第1制御圧(PSLB1)を電気的に調圧出力し、かつ非通電時に前記第1制御圧(PSLB1)が最大圧となるように構成された第1ソレノイドバルブ(SLB1)と、
前記ライン圧(P)に基づき第2制御圧(PSLB2)を電気的に調圧出力し、かつ非通電時に前記第2制御圧(PSLB2)が最小圧となるように構成された第2ソレノイドバルブ(SLB2)と、
前記第1制御圧(PSLB1)に応じて前記ライン圧に基づく入力油圧(例えばP)を前記第1油圧サーボ(45)に供給する第1供給圧(PB1)に調圧すると共に、前記第1制御圧(PSLB1)が高くなるに連れて前記第1供給圧(PB1)が高くなるように調圧する第1調圧バルブ(81)と、
前記第2制御圧(PSLB2)に応じて前記ライン圧に基づく入力油圧(例えばP)を前記第2油圧サーボ(47)に供給する第2供給圧(PB2)に調圧すると共に、前記第2制御圧(PSLB2)が高くなるに連れて前記第2供給圧(PB2)が高くなるように調圧する第2調圧バルブ(83)と、
前記第2調圧バルブ(83)と前記第2油圧サーボ(47)との間に介在し、前記第1供給圧(P B1 )を入力した際に前記第2供給圧(P B2 )を遮断する第1切換えバルブ(43)と、を備えた、
ことを特徴とする変速機の油圧制御装置(1)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図1、及び図2参照)、前記第1調圧バルブ(81)と前記第1油圧サーボ(45)との間に介在し、前記第2供給圧(PB2)を入力した際に前記第1供給圧(PB1)を遮断する第2切換えバルブ(42)を備えてなる、
請求項1記載の変速機の油圧制御装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図2参照)、前記ライン圧生成手段(40,S1)は、前記ライン圧(P)を少なくとも低圧状態又は高圧状態の2段階に変圧制御してなる、
請求項1または2記載の変速機の油圧制御装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図2参照)、前記ライン圧生成手段は、信号圧(PS1)の出力を電気的に制御する第3ソレノイドバルブ(S1)と、該第3ソレノイドバルブ(S1)からの信号圧(PS1)に基づき、油圧発生源(30,31)からの油圧を一部出力する状態と、前記油圧発生源(30,31)からの油圧をそのまま出力する状態と、を切換えるレギュレータバルブ(40)と、を有してなり、前記第3ソレノイドバルブ(S1)を制御することにより前記変圧制御してなる、
請求項記載の変速機の油圧制御装置(1)にある。
請求項5に係る本発明は(例えば図1及び図2参照)、第1のモータ(11)と、エンジンからの動力を前記第1のモータ(11)と出力軸(16)とに分配する動力分配用プラネタリギヤ(12)と、前記変速機(14)を介して前記出力軸(16)に接続される第2のモータ(13)と、を備えたハイブリッド駆動装置(10)に用いられ、
前記変速機(14)はハイのギヤ段とローのギヤ段との2段の変速段に切換えられるように構成され、
前記第1油圧サーボ(45)に前記第1供給圧(P B1 )が供給された際に前記ハイのギヤ段を形成してなり、
前記第2油圧サーボ(47)に前記第2供給圧(P B2 )が供給された際に前記ローのギヤ段を形成してなる、
請求項1ないし4のいずれか記載の変速機の油圧制御装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、第1及び第2ソレノイドバルブの第1及び第2制御圧によりそれぞれ第1及び第2調圧バルブを制御し、それら第1及び第2調圧バルブがライン圧に基づく入力油圧を調圧して第1及び第2油圧サーボに供給するので、第1及び第2ソレノイドバルブから直接的に第1及び第2油圧サーボに油圧を供給する必要をなくし、それによって変速機の油圧制御装置のコンパクト化を図ることができるものでありながら、非通電時に第1制御圧が最大圧になると共に第2制御圧が最小圧となり、かつ第1及び第2調圧バルブがそれぞれ第1及び第2制御圧が高くなるに連れて第1及び第2供給圧が高くなるように構成したので、例えば電気が供給されなくなったとしても、第1摩擦係合要素だけが係合するようにすることができ、つまり第1及び第2摩擦係合要素の同時係合を回避することができる。また、第2調圧バルブと第2油圧サーボとの間に介在し、第1供給圧を入力した際に第2供給圧を遮断する第1切換えバルブを備えているので、例えば第2調圧バルブより第2供給圧が出力されていたとしても、第1供給圧が出力されている際には、第2供給圧が第2油圧サーボに供給されないように遮断することができ、より確実に第1及び第2摩擦係合要素の同時係合を回避することができる。
請求項2に係る本発明によると、第1調圧バルブと第1油圧サーボとの間に介在し、第2供給圧を入力した際に第1供給圧を遮断する第2切換えバルブを備えているので、例えば第1調圧バルブより第1供給圧が出力されていたとしても、第2供給圧が出力されている際には、第1供給圧が第1油圧サーボに供給されないように遮断することができ、より確実に第1及び第2摩擦係合要素の同時係合を回避することができる。
請求項に係る本発明によると、ライン圧生成手段は、ライン圧を少なくとも低圧状態又は高圧状態の2段階に変圧制御するので、ライン圧を低圧状態に制御して無駄なエネルギを消費することを防ぐことができ、変速機の油圧制御装置を備える車両の燃費向上を図ることができる。また、ライン圧が変圧制御されて第1及び第2制御圧が変圧しても、第2油圧サーボを係合する際は第1ソレノイドバルブにより第1制御圧を遮断し、第1油圧サーボを係合する際は第2ソレノイドバルブにより第2制御圧を遮断することができるので、つまり第1及び第2摩擦係合要素の同時係合を回避することができる。
請求項に係る本発明によると、ライン圧生成手段は、信号圧の出力を電気的に制御する第3ソレノイドバルブと、該第3ソレノイドバルブからの信号圧に基づき、油圧発生源からの油圧を一部出力する状態と、油圧発生源からの油圧をそのまま出力する状態と、を切換えるレギュレータバルブとを有しているので、第3ソレノイドバルブを制御することによりライン圧の変圧制御を可能とすることができる。
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図1及び図2に沿って説明する。図1は本発明に係る変速機の油圧制御装置が適用されるハイブリッド駆動装置の概略構成を示すスケルトン図、図2は本発明の第1の実施の形態に係る変速機の油圧制御装置を示す図である。
まず、本発明に係る変速機の油圧制御装置1(図2参照)を適用し得るハイブリッド駆動装置について図1に沿って説明する。なお、以下に説明するハイブリッド駆動装置10は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)タイプの車両に用いて好適であり、図1中の矢印F方向が車両の前側(エンジン側)、また矢印R方向が車両の後側(ディファレンシャル装置側)となっている。
図1に示すように、ハイブリッド駆動装置10は、前側から後側にかけて順に第1の電気モータ11、動力分配用プラネタリギヤ12、第2の電気モータ13、変速装置14が配設されている。これらは、いずれもケース15の内側に収納されるとともに、軸16(入力軸17及び出力軸18の軸心)の周囲に配設されている。なお、ケース15は、複数の分割ケースを軸方向(軸16に沿った方向)に前後に接合させることで一体に構成されている。なお、以下の説明で単に「軸方向」といった場合には、軸16に沿った方向のことをいうものとする。この軸方向は、入力軸17、出力軸18の軸方向とも一致する。
第1の電気モータ11は、ケース15に固定されたステータ20と、このステータ20の内径側(なお、以下の説明では、ケース15の径方向の位置について、軸16に近い側を内径側、遠い側を外径側という。)において回転自在に支持されたロータ21と、を有している。この第1の電気モータ11は、そのロータ21が、後述の動力分配用プラネタリギヤ12のサンギヤS0に連結されている。このような第1の電気モータ11は、主に、サンギヤS0を介して入力される動力に基づいて発電を行い、インバータ(不図示)を介して第2の電気モータ13を駆動したり、HVバッテリ(ハイブリッド駆動用バッテリ:不図示)に対して充電を行ったりするものである。
動力分配用プラネタリギヤ12は、入力軸17に対して同軸状に配置されたシングルピニオンプラネタリギヤによって構成されている。動力分配用プラネタリギヤ12は、複数のピニオンP0を支持するキャリヤCR0と、このピニオンP0に噛合するサンギヤS0と、ピニオンP0に噛合するリングギヤR0と、を有している。この動力分配用プラネタリギヤ12は、そのキャリヤCR0が入力軸17に連結され、またサンギヤS0が第1の電気モータ11のロータ21に連結され、さらにリングギヤR0が出力軸18に連結されている。このような動力分配用プラネタリギヤ12は、入力軸17を介してキャリヤCR0に入力された動力を、第1の電気モータ11の回転制御に基づいて、サンギヤS0を介して第1の電気モータ11側と、リングギヤR0を介して出力軸18側とに分配するものである。なお、第1の電気モータ11に分配された動力は発電用に、一方、出力軸18に分配された動力は自動車の駆動用に供される。
第2の電気モータ13は、ケース15に固定されたステータ22と、このステータ22の内径側において回転自在に支持されたロータ23と、を有している。この第2の電気モータ13は、そのロータ23が、後述の変速装置14のサンギヤS1に連結されている。この第2の電気モータ13は、前述の第1の電気モータ11と同様、インバータを介してHVバッテリに接続されている。しかし、その主たる機能は異なる。すなわち、第2の電気モータ13は、第1の電気モータ11が主に発電用に使用されるのとは異なり、主に自動車の動力(駆動力)をアシストするように駆動モータとして機能する。ただし、ブレーキ時等にはジェネレータとして機能して、車輌慣性力を電気エネルギとして回生するようになっている。
変速装置14は、1個のダブルピニオンプラネタリギヤと、その1個のピニオンを共通とするシングルピニオンプラネタリギヤとからなる、いわゆるラビニョタイプのプラネタリギヤユニット24を有しており、さらに第1のブレーキB1と、第2のブレーキB2とを有している。
このうちプラネタリギヤユニット24は、2個のサンギヤS1,S2と、ピニオンP1及び共通のロングピニオンであるピニオンP2を支持するキャリヤCR1と、リングギヤR1とによって構成されており、2個のピニオンP1,P2のうち、ピニオンP1はサンギヤS1とリングギヤR1とに噛合し、またピニオンP2はサンギヤS2とピニオンP1とに噛合している。このプラネタリギヤユニット24は、そのリングギヤR1が第2のブレーキB2に連結され、またサンギヤS2が第1のブレーキB1に連結されている。変速装置14全体としては、入力部材となるサンギヤS1が、上述の第2の電気モータ13のロータ23に連結され、また出力部材となるキャリヤCR1が、出力軸18に連結されている。この変速装置14は、後述のように、第1,第2のブレーキB1,B2のうちの一方を係合しかつ他方を開放し、またこの逆に一方を開放しかつ他方を係合することにより、減速比の異なる2段の減速段に切換えられるようになっている。つまり、変速装置14は、上述の第2の電気モータ13からサンギヤS1を介して入力された動力の大きさを変更して、キャリヤCR1,リングギヤR0を介して出力軸18に伝達するようになっている。本実施の形態では、第1のブレーキB1を係合し、第2のブレーキB2を開放したときにハイ(Hi)のギヤ段となり、この逆に第2のブレーキB2を係合し、第1のブレーキB1を開放することでロー(Lo)のギヤ段となる。
上述構成のハイブリッド駆動装置10においては、エンジンから入力軸17に入力された動力は、動力分配用プラネタリギヤ12によって第1の電気モータ11と、出力軸18とに分配される。そして、出力軸18には、変速装置14を介して第2の電気モータ13からの駆動力が伝達される。すなわち出力軸18には、エンジンからの駆動力と、第2の電気モータ13の駆動力とが合成されて出力されるようになっている。
また、エンジンを停止して走行する、いわゆるEV走行時においては、主に第2の電気モータ13からの駆動力が変速装置14を介して出力軸18に伝達されて出力されるようになっている。この際は、エンジンが停止しており、即ち入力軸17及びキャリヤCR0の回転が停止しているので、出力軸18及びリングギヤR0の回転が、回転が停止しているキャリヤCRを介してサンギヤS0に伝達されるが、第1の電気モータ11が空転回転することになる。
本発明の第1の実施の形態に係る変速機の油圧制御装置1は、図1中の変速装置14の第1のブレーキ(第1摩擦係合要素)B1、及び第2のブレーキ(第2摩擦係合要素)B2を係脱させている。この際、変速機の油圧制御装置1は、第1摩擦係合要素B1と第2摩擦係合要素B2の同時係合を回避するように構成されている。
つづいて、本発明に係る変速機の油圧制御装置1について、図2に沿って詳細説明する。なお、本明細書中において、各種ソレノイドバルブの「ノーマルオープン」とは、非通電時に入力ポートと出力ポートとが連通されて入力された油圧が略そのまま出力ポートより出力されることを意味し、反対に「ノーマルクローズ」とは、非通電時に入力ポートと出力ポートとが遮断されて入力された油圧が出力ポートより出力されないことを意味するものである。
図2に示すように、変速機の油圧制御装置1は、エンジンの回転に連動して駆動される機械式オイルポンプ31と、電動モータ35によりエンジンの駆動状態に拘らず駆動される電動オイルポンプ30とを備えており、それら機械式オイルポンプ31と電動オイルポンプ30とにより不図示のオイルパンからストレーナ37を介してオイルを吸上げる形で油圧を発生させている。また、それら機械式オイルポンプ31と電動オイルポンプ30とには、それぞれチェックバルブ33,32が接続されて備えられており、発生させた油圧をチェックバルブ33,32に接続された油路a1,a2よりそれぞれ供給すると共に、それらチェックバルブ33,32によって、互いに他方のオイルポンプが停止している際にオイルが逆流することを防止している。
上記機械式オイルポンプ31と電動オイルポンプ30とにより発生された油圧は、油路a1,a2を介して油路a3,a4,a5,a6,a7に供給される。油路a4に供給された油圧は、チェックバルブ36に供給されており、発生された油圧が高過ぎる際に、ドレーン(排出)して調圧するようになっている。油路a5に供給された油圧は、ソレノイドバルブS2(ノーマルオープン)の入力ポートS2aに供給されており、該ソレノイドバルブS2の非通電時には出力ポートS2bより油路c1,c2,c3,c4に略そのまま油圧が供給される。油路c3,c4は、それぞれ変速機構前部の潤滑油路53とモータの潤滑油路52とに接続されており、油路c3,c4に供給された油圧に基づき潤滑油がそれら変速機構前部の潤滑油路53とモータの潤滑油路52とに供給される。油路a6,a7に供給された油圧は、後述するプレッシャレギュレータバルブ40の油室40a及び入力ポート40dに供給されている。
プレッシャレギュレータバルブ(ライン圧生成手段、レギュレータバルブ)40は、スプール40pと、該スプール40pを上方に付勢するスプリング40sとを備えていると共に、該スプール40pの上方に油室40aと、該スプール40pの下方に油室40bと、入力ポート40dと、出力ポート40cと、出力ポート40eと、出力ポート40fとを備えている。該プレッシャレギュレータバルブ40は、スプール40pが左半分で示す状態(以下、「左半位置」という)となると、入力ポート40dと出力ポート40fとだけが連通し、油路a7に供給される油圧を油路e1にそのまま出力する。これによりライン圧Pは、後述の低圧状態に比して油圧が高い高圧状態となる。
一方、スプール40pが右半分で示す状態(以下、「右半位置」という)となると、入力ポート40dと、3つの出力ポート40c、出力ポート40e、及び出力ポート40fとが連通し、油路a7に供給される油圧を40f、40c、40eへ分配する。これによりライン圧Pは、上述の高圧状態に比して油圧が低い低圧状態となる。該出力ポート40cより出力された油圧は、油路b1を介して上記機械式オイルポンプ31及び電動オイルポンプ30に戻され、それら機械式オイルポンプ31及び電動オイルポンプ30の元圧となるため、結果的にそれら機械式オイルポンプ31及び電動オイルポンプ30が必要な駆動力を下げることとになり、無駄なエネルギを消費することを防ぐことができ、変速機の油圧制御装置1を備える車両の燃費向上に寄与することが可能となる。
また、出力ポート40eより出力された油圧は、油路d1,d2,d3,d4,d5,d6,d7に供給される。油路d2に供給された油圧は、上記ソレノイドバルブS2の出力ポートS2bより油路c1に出力される油圧と合流し、上述の変速機構前部の潤滑油路53とモータの潤滑油路52とに潤滑油として供給される。なお、変速機構前部の潤滑油路53とモータの潤滑油路52とが潤滑過多となる場合は、該ソレノイドバルブS2を電気的に制御して出力ポートS2bを遮断し、潤滑油量を減少させる。
油路d1,d3,d4,d5,d6,d7に供給された油圧は、それぞれ変速機構後部の潤滑油路51と、オイルクーラ50と、チェックバルブ54とに供給され、該変速機構後部の潤滑油路51に潤滑油として供給されると共に、油温を冷やすオイルクーラ50に供給され、かつ油圧が高過ぎる際にチェックバルブ54によりドレーンして調圧するようになっている。
一方、プレッシャレギュレータバルブ40の出力ポート40fより油路e1に出力されたライン圧Pは、油路e2,e3,e4,e5,e6、及びオイルストレーナ64を介して油路e7に供給される。そのうち油路e3,e5に供給されたライン圧Pは、詳しくは後述する第1調圧バルブ81の入力ポート81cと第2調圧バルブ83の入力ポート83cに供給される。油路e2に供給されたライン圧Pは、油温センサ70に供給されて油温が検出され、また、油路e4に供給されたライン圧Pは、プレッシャスイッチ63によりライン圧Pが供給されていることが検出される。油路e6、及びオイルストレーナ64を介して油路e7に供給されたライン圧Pは、モジュレータバルブ41の入力ポート41cに供給される。
モジュレータバルブ41は、スプール41pと、該スプール41pを下方に付勢するスプリング41sとを備えていると共に、該スプール41pの下方にフィードバック油室41aと、入力ポート41cと、出力ポート41dと、入力ポート41cの上方にドレーンポートEXとを備えている。モジュレータバルブ41が左半位置の際に、上述のようにライン圧Pが入力ポート41cに供給されると、出力ポート41dより略そのままライン圧Pが出力され、油路f1に供給される。油路f1に供給されたライン圧Pは、油路f2を介してフィードバック油室41aに入力される。ここで、油室41aに入力されるライン圧Pがスプリング41sの付勢力より大きな圧になると、モジュレータバルブ41のスプール41pが右半位置となり、入力ポート41cと出力ポート41dとの間が連通状態が半開となって出力油圧を減圧すると共に、更にフィードバック油室41aの油圧が高い場合は出力ポート41cとドレーンポートEXと連通して出力油圧を減圧し、これによって入力されるライン圧Pが減圧される形で調圧されたモジュレータ圧PMODとして出力ポート41dより出力される。
このモジュレータ圧PMODは、油路f1,f2,f3,f4,f5,f6,f7,f8にそれぞれ供給される。このうち油路f8,f7に供給されたモジュレータ圧PMODは、詳しくは後述するリニアソレノイドバルブSLB1の入力ポート80aとリニアソレノイドバルブSLB2の入力ポート82aにそれぞれ供給され、また、油路f6,f5に供給されたモジュレータ圧PMODは、詳しくは後述するB1アプライコントロールバルブ42の油室42aとB2アプライコントロールバルブ43の油室43bに供給される。
また、油路f3を介して油路f4に供給されたモジュレータ圧PMODは、ソレノイドバルブ(ライン圧生成手段、第3ソレノイドバルブ)S1(ノーマルオープン)の入力ポートS1aに供給され、出力ポートS1bより油路f9を介して上述のプレッシャレギュレータバルブ40の油室40bに供給される。すると、プレッシャレギュレータバルブ40のスプール40pは、スプリング40sの付勢力と油室40bに供給されたモジュレータ圧PMODとが相俟って油室40aに供給される油圧が大きくなる。これにより、上述したようにライン圧Pは高圧状態に制御される。また、ソレノイドバルブS1が電気的に制御され、出力ポートS1bを遮断すると、油室40aに供給される油圧が小さくなり、これによって、上述したようにライン圧Pは低圧状態に制御される。
なお、このライン圧Pは高圧状態に制御される場合とは、第1のブレーキB1と第2のブレーキB2との掴み換えにより変速制御を行う場合や、加速中など変速機への入力トルクが大きな走行状態の場合等であり、それ以外の場合、つまり第1のブレーキB1又は第2のブレーキB2を係合して車両を走行している場合には、ソレノイドバルブS1が遮断するように電気的に制御され、ライン圧Pが低圧状態に制御されて、つまり変速中以外は無駄なエネルギを消費することを防ぐことになる。
ついで、本発明の要部となる第1のブレーキB1と第2のブレーキB2との同時係合を回避するための油圧回路構成について説明する。ノーマルオープンであるリニアソレノイドバルブ(第1ソレノイドバルブ)SLB1は、リニア駆動部80Aと調圧バルブ部80Bとにより構成されている。リニア駆動部80Aは、供給(通電)される電流に応じて下方に駆動されるスプール80Apを有して構成されており、一方の調圧バルブ部80Bは、スプール80Bpと、該スプール80Bpを上方に付勢するスプリング80sとを備えていると共に、入力ポート80aと出力ポート80bと入力ポート80aの下方にドレーンポートEXとを備えて構成されている。
即ち、リニアソレノイドバルブSLB1は、供給される電流に応じてスプール80Ap及びスプール80Bpを下方に駆動するように構成されており、非通電時において該スプール80Ap及びスプール80Bpは、スプリング80sにより上方に駆動される。これにより、リニアソレノイドバルブSLB1のリニア駆動部80Aに電流が供給されない非通電時には、スプール80Bpが上方の位置に制御されて、入力ポート80aと出力ポート80bとの間が最も開いた連通状態となって、入力ポート80aに供給されるモジュレータ圧PMODに基づきSLB1圧(第1制御圧)PSLB1を最も高い圧で出力する。
また、リニアソレノイドバルブSLB1のリニア駆動部80Aに徐々に電流が供給されていくと、スプール80Ap及びスプール80Bpが徐々に下方に駆動制御されて、入力ポート80aと出力ポート80bとの間を徐々に遮断して閉じていくと共に出力ポート80bとドレーンポートEXとが開いていく状態となり、出力するSLB1圧PSLB1が徐々に低圧に減圧されていき、最終的にリニア駆動部80Aに最大電流が供給されると、リニアソレノイドバルブSLB1はSLB1圧PSLB1を略出力しない状態あるいは僅かに出力される状態となる。
第1調圧バルブ81は、上記リニアソレノイドバルブSLB1の直下に接続される形で配置されており、スプール81pと、該スプール81pを上方に付勢するスプリング81sと、該スプール81pの上方に上記SLB1圧PSLB1を入力する油室81aと、該スプール81pの下方にフィードバック油室81bと、入力ポート81cと、出力ポート81dと、入力ポート81cの上方にドレーンポートEXとを備えている。なお、該第1調圧バルブ81は、特にリニアソレノイドバルブSLB1の直下に接続されて配置される必要はなく、別体に他の位置に配置されていても構わない。
該第1調圧バルブ81は、上記ノーマルオープンのリニアソレノイドバルブSLB1から油室81aにSLB1圧PSLB1を最も高い圧で入力すると、スプール81pがスプリング81sの付勢力に反して右半位置となり、入力ポート81cと出力ポート81dとの間が最も開いた連通状態となって、入力ポート81cに入力されているライン圧Pが最も高い圧のB1供給圧(第1供給圧)PB1として出力ポート81dより油路i1に出力される。
また、上記リニアソレノイドバルブSLB1に電流が徐々に供給され、油室81aに入力されるSLB1圧PSLB1が徐々に低圧に調圧されると、該第1調圧バルブ81は、スプリング81sの付勢力によってスプール81pが徐々に右半位置から左半位置に制御されて入力ポート81cと出力ポート81dとの間を徐々に遮断して閉じていく状態となり、B1供給圧PB1を低圧に調圧していき、最終的に入力ポート81cと出力ポート81dとの間を遮断すると共に、出力ポート81dとドレーンポートEXとを連通し、B1供給圧PB1をドレーンする。
なお、油路i1に出力されたB1供給圧PB1の一部は、油路i2を介してフィードバック81bに供給されており、例えばB1供給圧PB1が急激に大きな圧を出力した場合にスプール81pを上方に押し戻してB1供給圧PB1を低下させたり、B1供給圧PB1が脈動した場合に該B1供給圧PB1を安定させたりするようになっている。
一方、ノーマルクローズであるリニアソレノイドバルブ(第2ソレノイドバルブ)SLB2は、リニア駆動部82Aと調圧バルブ部82Bとにより構成されている。リニア駆動部82Aは、供給(通電)される電流に応じて下方に駆動されるスプール82Apを有して構成されており、一方の調圧バルブ部82Bは、スプール82Bpと、該スプール82Bpを上方に付勢するスプリング82sとを備えていると共に、入力ポート82aと出力ポート82bと入力ポート82aの上方にドレーンポートEXとを備えて構成されている。
即ち、リニアソレノイドバルブSLB2は、供給される電流に応じてスプール82Ap及びスプール82Bpを下方に駆動するように構成されており、非通電時において該スプール82Ap及びスプール82Bpは、スプリング82sにより上方に駆動される。これにより、リニアソレノイドバルブSLB2のリニア駆動部82Aに電流が供給されない非通電時には、スプール82Bpが上方の位置に制御されて、入力ポート82aと出力ポート82bとの間が遮断されると共に出力ポート82bとドレーンポートEXとが開いた状態となって、SLB2圧(第2制御圧)PSLB2が出力されない。
また、リニアソレノイドバルブSLB2のリニア駆動部82Aに徐々に電流が供給されていくと、スプール82Ap及びスプール82Bpが徐々に下方に駆動制御されて、入力ポート82aと出力ポート82bとの間を徐々に連通して開いていくと共に出力ポート82bとドレーンポートEXとが徐々に閉じていく状態となり、出力するSLB2圧PSLB2が徐々に高圧に増圧されていき、最終的にリニア駆動部82Aに最大電流が供給されると、リニアソレノイドバルブSLB2はSLB2圧PSLB2を最も高い圧で出力する。
第2調圧バルブ83は、上記リニアソレノイドバルブSLB2の直下に接続される形で配置されており、スプール83pと、該スプール83pを上方に付勢するスプリング83sと、該スプール83pの上方に上記SLB2圧PSLB2を入力する油室83aと、該スプール83pの下方にフィードバック油室83bと、入力ポート83cと、出力ポート83dと、入力ポート81cの上方にドレーンポートEXとを備えている。なお、該第2調圧バルブ83は、特にリニアソレノイドバルブSLB2の直下に接続されて配置される必要はなく、別体に他の位置に配置されていても構わない。
該第2調圧バルブ83は、上記ノーマルクローズのリニアソレノイドバルブSLB2によってSLB2圧PSLB2が0圧にされ、即ち油室83aに油圧が入力されていないとスプール83pがスプリング83sの付勢力により右半位置となり、入力ポート83cと出力ポート83dとの間が遮断された状態になると共に出力ポート83dとドレーンポートEXとが連通し、B2供給圧(第2供給圧)PB2をドレーンする。
また、上記リニアソレノイドバルブSLB2に電流が徐々に供給され、油室82aに入力されるSLB2圧PSLB2が徐々に高圧に調圧されると、該第2調圧バルブ83は、スプリング83sの付勢力に反してスプール83pが徐々に右半位置から左半位置に制御されて入力ポート83cと出力ポート83dとの間を徐々に連通して開いていく状態なると共に出力ポート83dとドレーンポートEXとが徐々に遮断されていく状態となって、B2供給圧PB2を高圧に調圧していき、最終的に入力ポート83cと出力ポート83dとの間を連通する状態にすると共に、出力ポート83dとドレーンポートEXとを遮断し、入力ポート83cに入力されているライン圧Pが最も高い圧のB2供給圧PB2として出力ポート83dより油路j1に出力される。
なお、油路j1に出力されたB2供給圧PB2の一部は、油路j2及びj3を介してフィードバック83bに供給されており、例えばB2供給圧PB2が急激に大きな圧を出力した場合にスプール83pを上方に押し戻してB2供給圧PB2を低下させたり、B2供給圧PB2が脈動した場合に該B2供給圧PB2を安定させたりするようになっている。
B1アプライコントロールバルブ(第2切換えバルブ)42は、スプール42pと、該スプール42pを下方に付勢するスプリング42sと、該スプール42pの下方に上記モジュレータ圧PMODを入力する油室42aと、該スプール42pの上方に上記B2供給圧PB2を入力する油室42bと、上記B1供給圧PB1を入力する入力ポート42cと、出力ポート42eと、入力ポート42cの下方にドレーンポートEXと、詳しくは後述する入力ポート42dと、出力ポート42fとを備えている。
該B1アプライコントロールバルブ42は、上記油室42aにモジュレータ圧PMODを入力しており、上記リニアソレノイドバルブSLB2よりB2供給圧PB2が出力されていない際は、スプリング42sの付勢力に反してスプール42pが右半位置となり、入力ポート42cと出力ポート42eとが連通して、第1調圧バルブ81から出力されたB1供給圧PB1をそのまま油路k1,k2,k3,k4に供給し、つまり第1調圧バルブ81から出力されたB1供給圧PB1を第1のブレーキB1の(第1)油圧サーボ45にそのまま供給して、第1のブレーキB1が係合される。
また、上記B1供給圧PB1の一部は、油路k2を介して後述するB2アプライコントロールバルブ43の入力ポート43dに供給されており、更に、油路k3を介してアキュムレータ46の入力ポート46aに供給される。なお、アキュムレータ46は、油圧サーボ45に給排されるB1供給圧PB1の脈動の防止、サージ圧(急激な変動圧)の吸収等を行っている。また、油路k1にはチェックボール65が配設されており、B1供給圧PB1を油圧サーボ45に供給する際は比較的緩やかに油圧を供給し、かつ油圧サーボ45からB1供給圧PB1を排出する際は比較的急に油圧を排出するようになっている。
上記リニアソレノイドバルブSLB2が制御され、上述のように第2調圧バルブ83の出力ポート83dよりB2供給圧PB2が出力されると、該B1アプライコントロールバルブ42は、油路j4を介して油室42bに該B2供給圧PB2を入力し、スプリング42sの付勢力と油室42bのB2供給圧PB2とが相俟って油室42aのモジュレータ圧PMODに打勝ち、スプール42pが左半位置に切換えられる。
すると、入力ポート42cと出力ポート42eとの間が遮断されると共に、出力ポート42eとドレーンポートEXとが連通し、油圧サーボ45のB1供給圧PB1が排出されて、第1のブレーキB1は解放される。またこの際、後述するB2アプライコントロールバルブ43よりB2供給圧PB2が出力されていると、油路l2を介して入力ポート42dにB2供給圧PB2の一部を入力し、該入力ポート42dと出力ポート42fとが連通しているので、プレッシャスイッチ62にB2供給圧PB2の一部が供給されて、該プレッシャスイッチ62により第2のブレーキB2の(第2)油圧サーボ47にB2供給圧PB2が供給されていることが検出される。
一方、B2アプライコントロールバルブ(第1切換えバルブ)43は、スプール43pと、該スプール43pを下方に付勢するスプリング43sと、該スプール43pの下方に上記モジュレータ圧PMODを入力する油室43aと、該スプール43pの上方に上記B1供給圧PB1を入力する油室43bと、上記B2供給圧PB2を入力する入力ポート43cと、出力ポート43eと、入力ポート43cの下方にドレーンポートEXと、上記B1アプライコントロールバルブ42からのB1供給圧PB1を入力する入力ポート43dと、出力ポート43fとを備えている。
該B2アプライコントロールバルブ43は、上記油室43aにモジュレータ圧PMODを入力しており、上記リニアソレノイドバルブSLB1よりB1供給圧PB1が出力されていない際は、スプリング43sの付勢力に反してスプール43pが右半位置となり、入力ポート43eと出力ポート43dとが連通して、第2調圧バルブ83から出力されたB2供給圧PB2をそのまま油路l1,l2,l3,l4に供給し、つまり第2調圧バルブ83から出力されたB2供給圧PB2を第2のブレーキB2の(第2)油圧サーボ47にそのまま供給して、第2のブレーキB2が係合される。
また、上記B2供給圧PB2の一部は、油路l2を介して上記B1アプライコントロールバルブ42の入力ポート42dに供給されており、更に、油路l3を介してアキュムレータ48の入力ポート48aに供給される。なお、アキュムレータ48は、油圧サーボ47に給排されるB2供給圧PB2の脈動の防止、サージ圧(急激な変動圧)の吸収等を行っている。また、油路l1にはチェックボール66が配設されており、B2供給圧PB2を油圧サーボ47に供給する際は比較的緩やかに油圧を供給し、かつ油圧サーボ47からB2供給圧PB2を排出する際は比較的急に油圧を排出するようになっている。
上記リニアソレノイドバルブSLB1が制御され、上述のように第1調圧バルブ81の出力ポート81dよりB1供給圧PB1が出力されると、該B2アプライコントロールバルブ43は、油路i4を介して油室43bに該B1供給圧PB1を入力し、スプリング43sの付勢力と油室43bのB1供給圧PB1とが相俟って油室43aのモジュレータ圧PMODに打勝ち、スプール43pが左半位置に切換えられる。
すると、入力ポート43cと出力ポート43eとの間が遮断されると共に、出力ポート43eとドレーンポートEXとが連通し、油圧サーボ47のB2供給圧PB2が排出されて第2のブレーキB2は解放される。またこの際、上記B1アプライコントロールバルブ42よりB1供給圧PB1が出力されていると、油路k2を介して入力ポート43dにB1供給圧PB1の一部を入力し、該入力ポート43dと出力ポート43fとが連通しているので、プレッシャスイッチ61にB1供給圧PB1の一部が供給されて、該プレッシャスイッチ61により第1のブレーキB1の油圧サーボ45にB1供給圧PB1が供給されていることが検出される。
本発明の第1の実施の形態に係る変速機の油圧制御装置1は、以上に説明したように構成されているので、リニアソレノイドバルブSLB1によって出力制御されるSLB1圧PSLB1により第1調圧バルブ81を制御し、第1調圧バルブ81がライン圧Pを調圧してB1供給圧PB1として油圧サーボ45に供給し、また、リニアソレノイドバルブSLB2によって出力制御されるSLB2圧PSLB2により第2調圧バルブ83を制御し、第2調圧バルブ83がライン圧Pを調圧してB2供給圧PB2として油圧サーボ47に供給するので、それらリニアソレノイドバルブSLB1及びリニアソレノイドバルブSLB2により直接的に油圧サーボ45,47に油圧を供給する必要をなくし、即ちそれらリニアソレノイドバルブSLB1及びリニアソレノイドバルブSLB2をコンパクト化することができるため、それによって変速機の油圧制御装置1のコンパクト化を図ることができるものでありながら、リニアソレノイドバルブSLB1がノーマルオープンで構成され、リニアソレノイドバルブSLB2がノーマルクローズで構成されているため、非通電時にSLB1圧PSLB1が最大圧になると共にSLB2圧PSLB2が最小圧となり、かつ第1調圧バルブ81及び第2調圧バルブ83がそれぞれSLB1圧PSLB1、又はSLB2圧PSLB2が高くなるに連れてB1供給圧PB1又はB2供給圧PB2が高くなるように構成したので、例えば電気回路の断線などが発生して、リニアソレノイドバルブSLB1,SLB2に電気が供給されなくなったとしても、第1のブレーキB1だけが係合するようにすることができ、つまり第1のブレーキB1と第2のブレーキB2との同時係合を回避することができる。
また、第1調圧バルブ81と油圧サーボ45との間に介在し、B2供給圧PB2を入力した際に左半位置となってB1供給圧PB1を遮断するB1アプライコントロールバルブ42を備えているので、例えば第1調圧バルブ81よりB1供給圧PB1が出力されていたとしても、B2供給圧PB2が出力されている際には、B1供給圧PB1が油圧サーボ45に供給されないように遮断することができ、これによって、より確実に第1のブレーキB1と第2のブレーキB2との同時係合を回避することができる。
更に、第2調圧バルブ83と油圧サーボ47との間に介在し、B1供給圧PB1を入力した際に左半位置となってB2供給圧PB2を遮断するB2アプライコントロールバルブ43を備えているので、例えば第2調圧バルブ83よりB2供給圧PB2が出力されていたとしても、B1供給圧PB1が出力されている際には、B2供給圧PB2が油圧サーボ47に供給されないように遮断することができ、これによって、より確実に第1のブレーキB1と第2のブレーキB2との同時係合を回避することができる。
<第2の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第2の実施の形態について、図3及び図4に沿って説明する。図3は本発明の第2の実施の形態に係る変速機の油圧制御装置の一部を示す図、図4は低速段から高速段に変速する際におけるB2供給圧とSLB2’圧との関係を示す説明図で、(a)は本発明に係る図、(b)はアプライリレーバルブが無い場合を示す図である。なお、本第2の実施の形態においては、一部の変更部分を除き、上記第1の実施の形態と同様の部分に同符号を付して、その説明を省略する。
本第2の実施の形態に係る変速機の油圧制御装置1’は、上記第1の実施の形態に係る変速機の油圧制御装置1に備えられているノーマルクローズのリニアソレノイドバルブSLB2、第2調圧バルブ83、及びB2アプライコントロールバルブ43の代わりに(図2参照)、図3に示すように、ノーマルオープンのリニアソレノイドバルブ(第4ソレノイドバルブ)SLB2’、B2コントロールバルブ(第3調圧バルブ)92、及びアプライリレーバルブ(第3切換えバルブ)93を備えたものである。
ノーマルオープンであるリニアソレノイドバルブSLB2’は、リニア駆動部91Aと調圧バルブ部91Bとにより構成されている。リニア駆動部91Aは、供給(通電)される電流に応じて下方に駆動されるスプール91Apを有して構成されており、一方の調圧バルブ部91Bは、スプール91Bpと、該スプール91Bpを上方に付勢するスプリング91sとを備えていると共に、入力ポート91aと出力ポート91bと入力ポート91aの下方にドレーンポートEXとを備えて構成されている。
即ち、リニアソレノイドバルブSLB2’は、供給される電流に応じてスプール91Ap及びスプール91Bpを下方に駆動するように構成されており、非通電時において該スプール91Ap及びスプール91Bpは、スプリング91sにより上方に駆動される。これにより、リニアソレノイドバルブSLB2’のリニア駆動部91Aに電流が供給されない非通電時には、スプール91Bpが上方の位置に制御されて、入力ポート91aと出力ポート91bとの間が最も開いた連通状態となって、入力ポート91aに供給されるモジュレータ圧PMODに基づきSLB2’圧(第3制御圧)P’SLB2を最も高い圧で出力する。
また、リニアソレノイドバルブSLB2’のリニア駆動部91Aに徐々に電流が供給されていくと、スプール91Ap及びスプール91Bpが徐々に下方に駆動制御されて、入力ポート91aと出力ポート91bとの間を徐々に遮断して閉じていくと共に出力ポート91bとドレーンポートEXとが開いていく状態となり、出力するSLB2’圧P’SLB2が徐々に低圧に減圧されていき、最終的にリニア駆動部91Aに最大電流が供給されると、リニアソレノイドバルブSLB2’はSLB2’圧P’SLB2を略出力しない状態あるいは僅かに出力される状態となる。
B2コントロールバルブ92は、スプール92pと、該スプール92pを下方に付勢するスプリング92sと、該スプール92pの下方に上記SLB2圧P’SLB2を入力する油室92aと、入力ポート92cと、出力ポート92bと、出力ポート92bのスプール92pを介して反対側の上方にドレーンポートEXと、入力ポート92cの下方にフィードバック油室92dとを備えている。
なお、フィードバック油室92は、スプール92pの上下のランド径サイズの違いにより上下の受圧面積が異なるようになっており、該フィードバック油室92dに入力された油圧はスプール92pに対して上方に作用するように構成されている。
該B2コントロールバルブ92は、上記ノーマルオープンのリニアソレノイドバルブSLB2’から油室92aにSLB2’圧P’SLB2を最も高い圧で入力すると、スプール92pがスプリング92sの付勢力に反して左半位置となり、入力ポート92cと出力ポート92bとの間を遮断すると共に、出力ポート92bとドレーンポートEXとを連通して、油圧サーボ47のB2供給圧PB2をドレーンし、つまり第2のブレーキB2が解放される。
また、上記リニアソレノイドバルブSLB2’に電流が徐々に供給され、油室92aに入力されるSLB’2圧P’SLB2が徐々に低圧に調圧されると、該B2コントロールバルブ92は、スプリング92sの付勢力によってスプール92pが徐々に左半位置から右半位置に制御されて、後述するアプライリレーバルブ93を介してライン圧Pが入力される入力ポート92cと出力ポート92bとの間を徐々に連通して開いていく状態となり、B2供給圧PB2を徐々に高圧に調圧していき、最終的に入力ポート92cと出力ポート92bとの間を連通すると共に、出力ポート92bとドレーンポートEXとを遮断して、入力ポート92cに入力されているライン圧Pが最も高い圧のB2供給圧PB2として出力ポート92bより油路r3に出力される。これにより、油圧サーボ47にB2供給圧PB2が供給され、第2のブレーキB2が係合される。なお、油路r3には、上述のアキュムレータ48が接続されていると共に上述のチェックボール66が配設されているが、説明の便宜上、図示を省略する。
また、油路r1に出力されたB2供給圧PB2の一部は、油路r2を介してフィードバック92dに供給されており、例えばB2供給圧PB2が急激に大きな圧を出力した場合にスプール92pを上方に押し戻してB2供給圧PB2を低下させたり、B2供給圧PB2が脈動した場合に該B2供給圧PB2を安定させたりするようになっている。
アプライリレーバルブ93は、スプール93pと、該スプール93pを下方に付勢するスプリング93sと、該スプール93pの下方に上記モジュレータ圧PMODを入力する油室93aと、該スプール93pの上方に上記SLB2’圧P’SLB2を入力する油室93bと、ライン圧Pを入力する入力ポート93cと、出力ポート93dと、入力ポート93cの下方にドレーンポートEXとを備えている。
該アプライリレーバルブ93は、上記油室93aにモジュレータ圧PMODを入力しているが、上記ノーマルオープンのリニアソレノイドバルブSLB2’よりSLB2’圧P’SLB2が所定圧以上で出力されている際は、スプリング93sの付勢力と油路p3を介して油室93bに入力されるSLB2’圧P’SLB2とが相俟って、スプール93pを右半位置とし、入力ポート93cと出力ポート93dとが遮断されると共に出力ポート93dとドレーンポートEXとが連通して、上記B2コントロールバルブ92の入力ポート92cにライン圧Pを供給しない。
なお、ブレーキB2は、一般的な多板式ブレーキであって、即ち油圧サーボ47は、図示を省略したシリンダと、ピストンと、該シリンダとピストンとの間に形成され、B2供給圧PB2を入力し得る油室と、キャンセルプレートと、該キャンセルプレートとピストンとの間に縮設されたリターンスプリングとを有して構成されている。つまりアプライリレーバルブ93は、上述のように油室93bに所定圧以上のSLB2’圧P’SLB2が入力されるとB2供給圧PB2の元圧である油路q1のライン圧Pを遮断するが、この所定圧は、ライン圧Pが低圧状態に制御されている際、同じSLB2’圧P’SLB2に基づきライン圧PをB2供給圧PB2として調圧しているB2コントロールバルブ92によって、該B2供給圧PB2がブレーキB2を係合させてしまわない圧となるように設定されている。詳細には、該所定圧は、B2コントロールバルブ92によって調圧されるはずのB2供給圧PB2が上記リターンスプリングの付勢力よりも低くなる圧であって、つまりピストンを移動させずにブレーキB2を係合させないような圧に設定されている。
一方、上記リニアソレノイドバルブSLB2’に電流が徐々に供給され、油室93bに入力されるSLB’2圧P’SLB2が所定圧未満の低圧に調圧されると、上記油室93aに入力されるモジュレータ圧PMODがスプリング93sの付勢力及びSLB2’圧P’SLB2の和に打勝ち、スプール93pが左半位置に切換わって、入力ポート93cと出力ポート93dとが連通されて、上記B2コントロールバルブ92の入力ポート92cにライン圧Pを供給する。
ここで、上述したライン圧Pの変圧制御によって生じる動作について説明する。まず、例えば上記プレッシャレギュレータバルブ40とB2コントロールバルブ92とのライン圧Pを供給する油路の間にアプライリレーバルブ93を備えてない場合、つまりライン圧Pが直接B2コントロールバルブ92の入力ポート92cに入力されている場合であって、第2のブレーキB2から第1のブレーキB1への掴み換え変速制御(ローのギヤ段からハイのギヤ段への変速制御)を行った際について説明する。
ローのギヤ段で走行中の状態にあっては、上述したようにソレノイドバルブS1の制御に基づきプレッシャレギュレータバルブ40が右半位置に制御され(図2参照)、図4(b)に示すように、ライン圧Pが低圧状態に制御されていると共に、ノーマルオープンのリニアソレノイドバルブSLB2’には最大電流が通電されてSLB’2圧P’SLB2が低圧に制御されている(X1)。
次に、変速制御が開始され、ソレノイドバルブS1の制御に基づきプレッシャレギュレータバルブ40が左半位置に制御されると、つまりプレッシャレギュレータバルブ40の油室40bへモジュレータ圧PMODが供給されると、ライン圧Pが高圧状態に制御され、矢印Aに示すように、ライン圧Pに基づきB2供給圧PB2も高圧にされる(X2)。つづいて上記リニアソレノイドバルブSLB2’の電流が徐々に増加され、SLB’2圧P’SLB2が徐々に高圧に調圧されると、B2コントロールバルブ92が徐々に右半位置から左半位置に制御され、矢印B,Fに示すように、B2供給圧PB2が低圧に調圧されて、最終的に0圧にされる(X7)。また、上記リニアソレノイドバルブSLB2’に電流が最小になる(非通電時のノーマルオープン状態となると)、矢印Gに示すように、SLB’2圧P’SLB2が最大となる(X8)。これにより第2のブレーキB2の油圧サーボ47はドレーンされ、即ち第2のブレーキB2は解放される。
しかしながら、変速が終了し、再びソレノイドバルブS1の制御に基づきプレッシャレギュレータバルブ40が右半位置に制御されると、ライン圧Pが低圧状態に制御され、それに伴いモジュレータ圧PMODも低圧となり、矢印H,Iに示すようにSLB’2圧P’SLB2も低圧となってしまうため、B2コントロールバルブ92の油室92aが減圧され、スプリング92sの付勢力によってスプール92pが徐々に左半位置から右半位置の状態となってしまい、B2供給圧PB2が油圧サーボ47に供給されてしまう(X9)。
なお、B2コントロールバルブ92のスプリング92sを付勢力の弱いもので構成し、油室92aが減圧されてもスプール92pが移動しないようにすることは可能だが、SLB’2圧P’SLB2が低い状態の範囲(図4(b)中の左半分の範囲)でB2供給圧PB2を調圧しなければならず、第2のブレーキB2の制御性に欠いてしまう。
一方、本第2の実施の形態のようにアプライリレーバルブ93を備えていると、上述と同様に変速が開始され、ライン圧Pが高圧状態に制御された後、SLB’2圧P’SLB2を徐々に増圧していくと(X3)、アプライリレーバルブ93の油室93bに入力される油圧も増圧され、スプール93pが左半位置から右半位置に切換えられて、B2コントロールバルブ92の入力ポート92cに供給するライン圧Pが遮断され、B2供給圧PB2も0圧にされる(X4)。
その後、矢印Dに示すようにリニアソレノイドバルブSLB2’の電流が最小となり、SLB’2圧P’SLB2が高圧に調圧され(X5)、更にライン圧Pが低圧状態に制御されて、SLB’2圧P’SLB2も低圧となっても(X6)、アプライリレーバルブ93のスプール93pは右半位置のままであり、つまりB2コントロールバルブ92の入力ポート92cに供給するライン圧Pが遮断されたままで、B2供給圧PB2も0圧のままである。これにより、B2供給圧PB2が油圧サーボ47に供給されてしまうことはなく、第2のブレーキB2が係合することはない。
なお、以上説明したライン圧Pが高圧状態に制御されている際、即ち掴み換え変速を行う間は、同じSLB2’圧P’SLB2であってもライン圧Pが高圧になるため、B2供給圧PB2も高圧になる。そのため、ブレーキB2の係脱状態を幅広く制御することが可能となっている。
本発明の第2の実施の形態に係る変速機の油圧制御装置1’は、以上に説明したように構成されているので、リニアソレノイドバルブSLB1によって出力制御されるSLB1圧PSLB1により第1調圧バルブ81を制御し、第1調圧バルブ81がライン圧Pを調圧してB1供給圧PB1として油圧サーボ45に供給し、また、リニアソレノイドバルブSLB2’によって出力制御されるSLB2’圧P’SLB2によりB2コントロールバルブ92を制御し、B2コントロールバルブ92がライン圧Pを調圧してB2供給圧PB2として油圧サーボ47に供給するので、それらリニアソレノイドバルブSLB1及びリニアソレノイドバルブSLB2’により直接的に油圧サーボ45,47に油圧を供給する必要をなくし、即ちそれらリニアソレノイドバルブSLB1及びリニアソレノイドバルブSLB2’をコンパクト化することができるため、それによって変速機の油圧制御装置1’のコンパクト化を図ることができるものでありながら、リニアソレノイドバルブSLB1及びリニアソレノイドバルブSLB2’が共にノーマルオープンで構成されているため、非通電時にSLB1圧PSLB1及びSLB2’圧P’SLB2が最大圧となり、かつ第1調圧バルブ81をSLB1圧PSLB1が高くなるに連れてB1供給圧PB1が高くなるように構成すると共に、B2コントロールバルブ92をSLB2’圧P’SLB2が高くなるに連れてB2供給圧PB2が小さくなるように構成したので、例えば電気回路の断線などが発生して、リニアソレノイドバルブSLB1,SLB2’に電気が供給されなくなったとしても、第1のブレーキB1だけが係合するようにすることができ、つまり第1のブレーキB1と第2のブレーキB2との同時係合を回避することができる。
また、SLB2’圧P’SLB2が所定圧以上の大きさで油室93bに入力された際に、B2コントロールバルブ92の入力ポート92cに入力されるライン圧Pを遮断するアプライリレーバルブ93を備えているので、第2のブレーキB2を係合するために、リニアソレノイドバルブSLB2’によりSLB2’圧P’SLB2を所定圧未満に制御した場合にのみ、B2コントロールバルブ92の入力ポート92cにライン圧Pが入力されてB2コントロールバルブ92よりB2供給圧PB2が出力されるようにすることができる。これにより、ライン圧Pが高圧状態又は低圧状態のどちらであっても、B2供給圧PB2をゼロにすることができる。
また、特にリニアソレノイドバルブSLB2’のSLB2’圧P’SLB2を出力するポートが大きく開いた状態であって(電流最小に制御して第2のブレーキB2を解放しようとした状態であって)、かつライン圧Pが低くなることに基づきSLB2’圧P’SLB2が低くなるような場合であっても(即ち第2のブレーキB2の係合を意図しない場合であっても)、SLB2’圧P’SLB2が所定圧以上であれば、B2コントロールバルブ92からB2供給圧PB2が出力されてしまうことを防ぐことができる。それによって、より確実に第1のブレーキB1と第2のブレーキB2との同時係合を回避することができる。
更に、上記SLB2’圧P’SLB2の所定圧の大きさは、ライン圧Pが低圧状態である際に、該SLB2’圧P’SLB2に基づきB2コントロールバルブ92によって調圧され、油圧サーボ47に供給されるB2供給圧PB2が、ブレーキB2を係合しなくなる圧となるような大きさに設定されているので、ライン圧Pが低圧状態に変圧制御されている際であっても、ブレーキB2が係合しないようにB2供給圧PB2を遮断することができるものでありながら、掴み換え変速中にあっては、ライン圧Pが高圧状態に変圧制御されて、同じ(同圧の)SLB2’圧P’SLB2であってもB2供給圧PB2が高圧状態になるため、B2供給圧PB2を幅広く調圧することができる。
なお、以上説明した実施の形態では、同時係合を避けるべき摩擦回転要素が、第1のブレーキB1,第2のブレーキB2である場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、同時係合を避けるべき摩擦回転要素が、2個のクラッチである場合、一方がクラッチで他方がブレーキである場合等についても同様に適用することができ、この場合にも、上述と同様の効果を奏することができる。
また、第3ソレノイドバルブS1の制御により、ライン圧Pを低圧状態と高圧状態の2段階に切換える場合を一例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3段階、4段階のような多段、または無段階に可変制御する場合についても、同様に適用することができ、この場合にも、上述と同様の効果を奏することができる。
本発明に係る変速機の油圧制御装置が適用されるハイブリッド駆動装置の概略構成を示すスケルトン図である。 本発明の第1の実施の形態に係る変速機の油圧制御装置を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る変速機の油圧制御装置の一部を示す図である。 低速段から高速段に変速する際におけるB2供給圧とSLB2’圧との関係を示す説明図で、(a)は本発明に係る図、(b)はアプライリレーバルブが無い場合を示す図である。
符号の説明
1 変速機の油圧制御装置
40 ライン圧生成手段、レギュレータバルブ(プレッシャレギュレータバルブ)
42 第2切換えバルブ(B1アプライコントロールバルブ)
43 第1切換えバルブ(B2アプライコントロールバルブ)
45 第1油圧サーボ
47 第2油圧サーボ
81 第1調圧バルブ
83 第2調圧バルブ
92 第3調圧バルブ(B2コントロールバルブ)
93 第3切換えバルブ(アプライリレーバルブ)
B1 第1摩擦係合要素(第1ブレーキ)
B2 第2摩擦係合要素(第2ブレーキ)
B1 第1供給圧(B1供給圧)
B2 第2供給圧(B2供給圧)
ライン圧
S1 信号圧
SLB1 第1制御圧(SLB1圧)
SLB2 第2制御圧(SLB2圧)
P’SLB2 第3制御圧(SLB2’圧)
S1 ライン圧生成手段、第3ソレノイドバルブ(ソレノイドバルブ)
SLB1 第1ソレノイドバルブ(リニアソレノイドバルブ)
SLB2 第2ソレノイドバルブ(リニアソレノイドバルブ)
SLB2’ 第4ソレノイドバルブ(リニアソレノイドバルブ)

Claims (5)

  1. 第1油圧サーボによって係脱される第1摩擦係合要素と第2油圧サーボによって係脱される第2摩擦係合要素との同時係合を回避する変速機の油圧制御装置において、
    ライン圧を生成するライン圧生成手段と、
    前記ライン圧に基づき第1制御圧を電気的に調圧出力し、かつ非通電時に前記第1制御圧が最大圧となるように構成された第1ソレノイドバルブと、
    前記ライン圧に基づき第2制御圧を電気的に調圧出力し、かつ非通電時に前記第2制御圧が最小圧となるように構成された第2ソレノイドバルブと、
    前記第1制御圧に応じて前記ライン圧に基づく入力油圧を前記第1油圧サーボに供給する第1供給圧に調圧すると共に、前記第1制御圧が高くなるに連れて前記第1供給圧が高くなるように調圧する第1調圧バルブと、
    前記第2制御圧に応じて前記ライン圧に基づく入力油圧を前記第2油圧サーボに供給する第2供給圧に調圧すると共に、前記第2制御圧が高くなるに連れて前記第2供給圧が高くなるように調圧する第2調圧バルブと
    前記第2調圧バルブと前記第2油圧サーボとの間に介在し、前記第1供給圧を入力した際に前記第2供給圧を遮断する第1切換えバルブと、を備えた、
    ことを特徴とする変速機の油圧制御装置。
  2. 前記第1調圧バルブと前記第1油圧サーボとの間に介在し、前記第2供給圧を入力した際に前記第1供給圧を遮断する第2切換えバルブを備えてなる、
    請求項1記載の変速機の油圧制御装置。
  3. 前記ライン圧生成手段は、前記ライン圧を少なくとも低圧状態又は高圧状態の2段階に変圧制御してなる、
    請求項1または2記載の変速機の油圧制御装置。
  4. 前記ライン圧生成手段は、信号圧の出力を電気的に制御する第3ソレノイドバルブと、該第3ソレノイドバルブからの信号圧に基づき、油圧発生源からの油圧を一部出力する状態と前記油圧発生源からの油圧をそのまま出力する状態とを切換えるレギュレータバルブと、を有してなり、前記第3ソレノイドバルブを制御することにより前記変圧制御してなる、
    請求項記載の変速機の油圧制御装置。
  5. 第1のモータと、エンジンからの動力を前記第1のモータと出力軸とに分配する動力分配用プラネタリギヤと、前記変速機を介して前記出力軸に接続される第2のモータと、を備えたハイブリッド駆動装置に用いられ、
    前記変速機はハイのギヤ段とローのギヤ段との2段の変速段に切換えられるように構成され、
    前記第1油圧サーボに前記第1供給圧が供給された際に前記ハイのギヤ段を形成してなり、
    前記第2油圧サーボに前記第2供給圧が供給された際に前記ローのギヤ段を形成してなる、
    請求項1ないし4のいずれか記載の変速機の油圧制御装置。
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