JP4760821B2 - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、光情報処理分野への利用が可能な窒化物半導体を用いたレーザ素子、紫外から赤色領域までの発光が可能な発光ダイオード素子、紫外線の検知が可能なフォトディテクター、高周波高出力通信分野への利用が可能な電界効果トランジスタや高電子移動度トランジスタ等の窒化物光電子素子に関する。
V族元素に窒素(N)を有する化合物半導体は、そのバンドギャップの大きさから、短波長発光素子の材料として有望視されている。中でも一般式AlxGayInzN(但し、0≦x,y,z≦1,x+y+z=1であるで表わされる窒化物半導体は研究が盛んに行われ、青色、青緑色、緑色、黄橙色、紫色、紫外線等、さまざまな波長域の発光ダイオード(LED)素子が既に実用化されている。
また、光ディスク装置の大容量化を目指して開発が進められているHD−DVD(High Definition Degital Versatile Disk)等の次世代高密度光ディスク用光源として、400nm帯に発振波長を有する半導体レーザ素子が熱望されており、窒化物半導体を材料とする半導体レーザ素子が注目され現在では実用レベルに達しつつある。
上記GaN系半導体レーザ構造は、従来例(非特許文献1)によれば、有機金属気相エピタキシャル成長法(MOVPE法)を用いて作製されている。基板にはMOVPE法もしくはハイドライド気相エピタキシャル成長法(HVPE法)を用いてサファイア基板上に形成された厚膜GaN層から基板を剥離して作製したGaN基板が用いられる。
例えば、図1はレーザ発振が達成されているGaN系半導体レーザの構造断面図である。主面を(0001)面とするGaN基板101、n型GaNコンタクト層102、n型In0.1Ga0.9N層103、n型Al0.14Ga0.86N/GaN超格子クラッド層104、n型GaN光ガイド層105、InGaNから成る多重量子井戸(MQW)活性層106、p型Al0.2Ga0.8N電流ブロック層107、p型GaN光ガイド層108、p型Al0.14Ga0.86N/GaN超格子クラッド層109、p型GaNコンタクト層110が順次成長される。続いてドライエッチングによりリッジストライプ構造を形成し、酸化シリコン(SiO2)112により素子分離を行った後、p型GaNコンタクト層110上にp電極111、n型GaNコンタクト層102上にn電極113を形成する。
上記素子構造の特徴は従来までのサファイア基板にかわりGaN基板101上に素子構造を形成していることである。GaN基板の作製においては、その成長初期に選択横方向成長(ELO成長:Epitaxial Lateral Overgrowth成長)技術を使用すること、十分に膜厚成長することで、サファイア基板とGaN層の物性定数差に起因して発生した結晶欠陥を低減し、従来1010から109cm-2程度存在した貫通転位密度を約106cm-2まで減少させ、高品質な結晶を実現することが可能となっている。このGaN基板上へ素子構造を作製することで、高品質な窒化物半導体レーザ素子の作製が実現可能となる。
このレーザ素子では、ガリウム砒素(GaAs)系レーザ素子、インジウムリン(InP)系レーザ素子と同様に、共振器端面を窒化物半導体の壁開面である(1−100)面での壁開によって容易に形成することが可能である。サファイア基板上に作製した窒化物半導体レーザ素子では、その共振器端面の形成をドライエッチングにより実施(非特許文献2を参照)するか、もしくは、サファイア基板の壁開面を使用して行っていたため、表面平坦度が悪く、また歩留まりも低かった。これに対してGaN基板の壁開によって形成した共振器端面は非常に平坦であり、端面反射率が向上するために光閉じ込め係数が増大し、レーザ発振閾値電流密度はある程度の低減が実現できた。また、構造作製の再現性が非常に高いため歩留まりも向上した。
しかしながら、レーザ素子としての実用化においては、依然としてレーザ発振閾値電流密度は高く、注入された電流の多くは熱として放出されるためにレーザ素子寿命に影響を及ぼし、その信頼性は高くない。
ところで、特許文献1には、活性層に等方的でない歪みが入っている窒化物半導体発光素子が記載されている。活性層に等方的でない歪みを印加することで、六方晶化合物半導体固有の電子帯構造の変形を用いて、窒化物半導体発光素子の閾値電流密度の低減をはかり、高性能な窒化物半導体発光素子を実現するものである。
具体的な実現方法として、半導体基板の一主面にストライプ状溝を形成して熱膨張係数が前記半導体基板と異なる材料で溝を埋め込む方法、半導体基板の他の主面上に前記半導体基板とは熱膨張係数の異なるストライプ状の材料を形成する方法、表面形状が円柱表面の曲面である物体上に半導体基板を密着させる方法、熱膨張係数が主面内で等方的でない基板上に発光素子構造を作製する方法、発光素子上にストライプ状の歪み導入層を形成する方法、発光素子を主面内で熱膨張係数が等方的でない結晶上もしくはバイメタル上に配置し固定する方法、発光素子をサブマウントに固定する際に外部から応力を印加する方法、半導体発光素子にメサ構造、ストライプ溝構造を設けることで部分的に歪みを開放する方法、凹部を有する基体の凹部内に半導体発光素子を設置する方法、半導体発光素子に周期的にエピタキシャル成長層とアモルファス成長層を形成することで部分的に歪みを開放する方法が挙げられている。
特開平8−255932号公報 APPLIED PHYSICS LETTERS、VOLUME72、NUMBER16、p2014、1998 Japanese Journal of Applied Physics、Volume35、L74、1996
しかしながら、前記公報に係る方法により形成した窒化物半導体発光素子は作製手順が複雑であり、生産性、再現性が悪い。
また、窒化物半導体レーザ素子の実現にあたって、その応用例のひとつが次世代高密度光ディスク用光源である。この応用において発光出力、素子寿命等のデバイス特性向上は言うまでもなく、その普及において低コスト化を実現することは重要ある。
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、信頼性の高い窒化物半導体素子を高歩留まりで作製する方法を提供するとともに、窒化物半導体を用いたレーザ素子、発光ダイオード素子やフォトディテクター等の窒化物半導体光素子の応用において、その特性向上に極めて有用な技術を提供するものである。
第2の化合物半導体からなる素子層が(0001)面でエピタキシャル成長できる第1の化合物半導体からなる基板を用い、基板上に複数からなる選択マスク列を周期的、部分的に形成し、複数からなる選択マスク間の基板上に、素子層を、三角形状のファセット面を有するように形成し、ファセット面に(0001)面からなる素子層を形成する。
なお、本願発明書において、面方位又は結晶軸の指数に付した負符号“−”は該負符号に続く一の指数の反転を便宜的に表している。
また、本発明は、レーザ素子、発光ダイオード素子やフォトディテクター等の窒化物半導体光素子や、電界効果トランジスタや高電子移動度トランジスタといった窒化物半導体電子素子に限るものではなく、窒化物半導体を使用した素子全般にあてはまるものである。
本発明の第一の手段によれば、基板内に周期的に結晶欠陥を配列することで、(0001)結晶面内における格子定数が等方的でない窒化物半導体基板の作製が可能となった。この基板上に窒化物半導体光素子を作製することで活性層に等方的でない歪みを印加することができ、低閾値電流密度化が実現される。
本発明の第二の手段によれば、等方性の格子定数を持つ基板上において、基板上の素子構造内部に周期的に結晶欠陥を配列することで、素子構造の(0001)結晶面内における格子定数が等方的でない窒化物半導体層から構成される素子構造を作製することが可能となった。この素子構造を用いることで、窒化物半導体光素子の活性層に等方的でない歪みを印加することができ、低閾値電流密度化が可能となる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について図面を参照しながら説明する。図2は本発明の実施の形態1に係る窒化物半導体からなる基板を部分的に拡大した斜視図である。図2に示すように、実施の形態1に係る窒化物半導体からなる基板は、結晶系が六方晶系に属し、その主面が(0001)面であるGaNからなる基板201である。このGaN基板201においては、互いに交差する<11−20>軸方向の格子定数のうちでa1軸方向の格子定数202は0.31835nm、a2軸方向の格子定数203及びa3軸方向の格子定数204は0.31889nmである。
次に図3を用いて、少なくとも一つの<11−20>軸格子定数の値が他と異なる互いに交差する結晶軸を持つGaN基板の作製方法について説明する。図3(a)に示すように初期基板としてSi基板301を用い、SiO2からなる選択マスク302を周期的、部分的に堆積する。Si基板301は主面として(111)面を持ち、SiO2マスク302はSi基板301の<−1−12>軸方向に平行になるように形成する。Si(111)面上に形成されたGaN結晶は(0001)面でエピタキシャル成長し、Si基板301の<−1−12>方向とGaN結晶303の<1−100>方向が平行になることが一般に知られている。SiO2マスク302の幅は5から20μm、SiO2マスク302同士の間隔は50から500μmとする。ここで、基板にはGaAs、GaP等を用いても良い。またSiO2マスク302ではなく、窒化シリコン(SiNx)やアルミナ(Al23)等の絶縁物、タングステン(W)、チタン(Ti)やニッケル(Ni)等の金属膜、及びこれら金属膜の酸化物、窒化物を選択マスクとして形成しても良い。
次に、図3(a)で作製した基板上にGaN結晶303を形成する。GaN結晶303の結晶成長においては、成長圧力を減圧状態である400Torr(1Torr=133.322Pa)としたMOVPE法を用いる。III族原料には、トリメチルガリウム(TMGa:(CH33Ga)、V族源にはアンモニア(NH3)ガスを、n型の不純物原料には、例えばモノシラン(SiH4)や酸素(O2)ガスを用いる。これらの原料ガスのキャリアガスには、水素(H2)ガス及び窒素(N2)ガスを用いる。
図3(b)で示すように、GaN結晶303はその表面が{11−22}面もしくは{11−24}面からなるファセット面304が形成される三角形状の構造をとるような条件で結晶成長を行う。本実施例で使用しているMOVPE成長装置においては、このような三角形状の構造を形成するためには成長温度を900℃から920℃とすることが必要である。このような条件で結晶成長を行うと、Si基板301とGaN結晶303の界面から発生した貫通転位等の結晶欠陥305は、はじめはSi基板301の主面である(111)面、すなわちGaN結晶303の(0001)面と垂直にGaN結晶303中を伝播していくが、ファセット面まで到達したところで、Si基板301とGaN結晶303の界面と平行方向にSiO2マスク302が形成されている方向に屈曲する。この結晶欠陥の屈曲は周期構造を形成したことで結晶中に不均一な応力分布が形成されていることに由来する現象である。さらに結晶成長を進めていき、隣り合う三角形状の構造が合体した後には、平行方向に屈曲した結晶欠陥305はSiO2マスク302の上方まで到達する。ここで結晶欠陥同士が衝突した場合、ハーフループを形成して結晶欠陥305は消滅する。また、衝突しなかった場合、GaN結晶303中に存在する不均一な応力分布により再び結晶欠陥305は屈曲し、Si基板301とは垂直方向に伝搬する。
図3(c)に示すように、三角形状の構造の底点が、SiO2マスク302同士の間隔よりも2倍程度の膜厚となるまでGaN結晶を形成することで、三角形状の構造の頂点からファセット面には結晶欠陥305がほとんど無く、底点近傍に多くの結晶欠陥305が集中した構造を形成することができる。この後、成長温度を970℃と変更して{11−22}面もしくは{11−24}面からなるファセット面304ではなく、(0001)面306からなるGaN結晶303を形成する。
その後、Si基板301を研磨処理とフッ酸系の薬液でウェットエッチングすることで除去し、図3dに示すような周期的に結晶欠陥305が存在する領域と欠陥がほとんど存在しない領域とを持ったGaN基板307を形成することができる。このGaN基板307において、周期的に結晶欠陥305が存在する領域には約108cm-2の貫通転位が存在しており、欠陥がほとんど存在しない領域では104から105cm-2程度の貫通転位が存在している。このように結晶欠陥の分布に周期性を持たせ、かつ、その比が少なくとも100倍以上と成るようにすることができる。
これについて詳細に説明する。Si基板上に作製したGaN基板の平面図である図9に示すように、GaN基板901には周期的な結晶欠陥列905が形成されている。このとき、周期的な結晶欠陥列905に平行方向では、初期基板とGaN基板901の物性定数差に起因してGaN基板901に印加されていた応力が、膜厚の増加に伴い緩和していく。一方、周期的な結晶欠陥列905に垂直方向では、初期基板とGaN基板901の物性定数差に起因して印加されていた応力は、膜厚の増加とともに緩和するが、次に述べる機構により新たに応力が印加される。これは、周期的な結晶欠陥列905の作製による貫通転位の粗密、言い換えれば、GaN基板901内の結晶性の周期的な分布という特殊な結晶構造に由来した理由であり、また、図3(b)におけるSiO2選択マスク302上において隣り合うGaN結晶同士が合体した時に発生する応力という、特殊な結晶成長に由来した理由である。このようにGaN基板901においては周期的な結晶欠陥列905に平行方向では、応力の緩和が、垂直方向では新たな印加が発生し、結果としてGaN基板901の<11−20>軸方向の格子定数に異方性が生じることとなる。応力の緩和には影響されないa1軸方向の格子定数は、応力の印加により0.31835nmとなるが、それと互いに約60°の角度を有するa2軸方向の格子定数及びa3軸方向の格子定数は、応力の緩和の影響を受けるため、0.31889nmとなり、GaN基板901の(0001)結晶面内で格子定数が等方的でないGaN基板901が形成できる。
ここで、(0001)結晶面を主面とする基板において、格子定数が等方的でないとは、互いに交差する<11−20>軸方向の格子定数の格子定数差が±0.02%以上0.25%以下のものを指す。
なお、実施の形態1においては、GaN基板307を形成するエピタキシャル成長法としてMOVPE法を用いたが、これに限られず、他のエピタキシャル成長法、例えばHVPE法又は分子線エピタキシ(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法や昇華法を用いても、本発明を実現できることはいうまでもない。
また、本実施の形態においては、成長圧力を減圧状態である400Torrとしたが、大気圧状態の760Torr、もしくはそれ以上の加圧状態で結晶成長を行っても良く、各成長方法で最適な成長圧力を用いれば良いことはいうまでもない。
また、本実施の形態においては、GaN基板307を作製したが同様の方法を用いてAlGaN基板、AlGaInN基板を作製してももちろん良い。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図面を参照しながら説明する。図2は本発明の実施の形態2に係る窒化物半導体からなる基板を部分的に拡大した斜視図である。図2に示すように、実施の形態1に係る窒化物半導体からなる基板は、結晶系が六方晶系に属し、その主面が(0001)面であるGaNからなる基板201である。このGaN基板201においては、互いに交差する<11−20>軸方向の格子定数のうちでa1軸方向の格子定数202は0.31838nm、a2軸方向の格子定数203及びa3軸方向の格子定数204は0.31889nmである。
次に図4を用いて、少なくとも一つの<11−20>軸格子定数の値が他と異なる互いに交差する結晶軸を持つGaN基板の作製方法について説明する。図4(a)に示すように初期基板としてサファイア基板401を用いる。はじめにMOVPE法によってGaN低温バッファ層408を介して2μm厚のGaNテンプレート409を形成する。次にGaNテンプレート409上にSiNxからなる選択マスク402を周期的、部分的に堆積する。GaNテンプレート409は主面として(0001)面を持ち、SiNxマスク402はGaNテンプレート409の<1−100>軸方向に平行になるように形成する。SiNxマスク402の幅は20から50μm、SiNxマスク402が形成されていない開口部410の幅は5から10μmとする。ここで、基板にはSi、GaAs、GaP等を用いても良い。また選択マスクとしてSiNxマスク402ではなく、SiO2等の絶縁物、金属膜であるW、TiやNi、及びこれら金属膜の酸化物、窒化物を使用しても良い。
次に、図4(a)で作製したテンプレート上にGaN結晶403を形成する。GaN結晶403の結晶成長においては、大気圧のHVPE法を用いる。III族原料には、金属ガリウム(Ga)と塩化水素ガス(HCl)を反応させて形成した塩化ガリウム(GaCl)、V族源にはNH3ガスを、n型の不純物原料には、例えばジシラン(Si26)や水蒸気(H2O)ガスを用いる。これらの原料ガスのキャリアガスには、H2ガス及びN2ガスを用いる。
図4(b)で示すように、GaN結晶403はその上面が(0001)面、側面が{11−20}面から形成される矩形状の構造をとるような条件で結晶成長を行う。成長温度1020℃付近でこのような矩形状の構造が形成されている。このような条件で結晶成長を行うと、GaNテンプレート409とサファイア基板401の界面から発生した貫通転位等の結晶欠陥405は、開口部410上方領域に垂直にGaN結晶403中を伝播していき、表面にまで到達している。
図4(c)に示すように、隣り合う矩形状の構造同士が合体し、表面が(0001)面から成るGaN結晶403形成後、50μm以上の膜厚となるまでGaN結晶403を形成することで、SiNxマスク402上方の領域には結晶欠陥405がほとんど無く、開口部410上方の領域には多くの結晶欠陥405が伝播した構造を形成することができる。
その後、サファイア基板401を研磨処理もしくはエキシマレーザを用いたレーザリフトオフ法によって除去することで、図4(d)に示すような周期的に結晶欠陥405が存在する領域と欠陥がほとんど存在しない領域とを持ったGaN基板407を形成することができる。このGaN基板407において、周期的に結晶欠陥405が存在する領域には約108cm-2の貫通転位が存在しており、欠陥がほとんど存在しない領域では104から105cm-2程度の貫通転位が存在している。このように結晶欠陥の分布に周期性を持たせ、かつ、その比が少なくとも100倍以上と成るようにすることで、結晶面内において部分的な応力の緩和が生じ、結果としてGaN基板407の<11−20>軸方向の格子定数は、周期的な結晶欠陥列と垂直方向のa1軸方向の格子定数が0.31838nm、それと互いに約60°の角度を有するa2軸方向の格子定数及びa3軸方向の格子定数は0.31889nmとなり、GaN基板407の(0001)結晶面内で格子定数が等方的でないGaN基板407が形成できる。
なお、本実施の形態においては、GaN基板407を形成するエピタキシャル成長法としてHVPE法を用いたが、これに限られず、他のエピタキシャル成長法、例えばMOVPE法又はMBE法や昇華法を用いても、本発明を実現できることはいうまでもない。
また、本実施の形態においては、成長圧力を大気圧状態としたが、大気圧以下の減圧状態、もしくは大気圧以上の加圧状態で結晶成長を行っても良く、各成長方法で最適な成長圧力を用いれば良いことはいうまでもない。
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3に係る窒化物半導体素子の部分的な断面構成を示している。図5において、実施の形態3に係る窒化物半導体素子は、紫色を呈する波長領域での発光可能な窒化物半導体レーザ素子構造である。
図5に示すように、窒化物半導体レーザ素子は、実施の形態1もしくは実施の形態2で説明した方法で作製した主面が(0001)面からなり、少なくとも一つの<11−20>軸格子定数の値が他と異なる互いに交差する結晶軸を持つGaN基板501である。窒化物半導体レーザ素子の作製にはMOVPE法を用いている。もちろん窒化物半導体レーザ素子の作製が可能であれば、MBE法等、他の成長方法を用いても良いことはいうまでもない。
このGaN基板501の主面上に、n型GaNコンタクト層502と、n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層503と、n型GaN光ガイド層504と、InGaN井戸層及びGaNバリア層が複数層積層されてなる多重量子井戸(MQW)活性層505と、p型Al0.2Ga0.8Nキャップ層506と、p型GaN光ガイド層507と、p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層508と、p型GaN第2コンタクト層509とp型GaN第1コンタクト層510が順次エピタキシャル成長により積層された構造を有している。
その後、p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層508と、p型GaN第2コンタクト層509とp型GaN第1コンタクト層510を<1−100>軸方向に沿ってリッジストライプ状に加工し、リッジの両脇をSiO2絶縁膜513で覆い、電流注入領域を形成する。ストライプ幅は2〜4μm程度である。また、もちろんリッジストライプは結晶欠陥の少ない領域上を選択して形成する。共振器端面はGaN基板501の{1−100}面を用いた壁開によって形成する。
絶縁膜の開口部のp型GaN第1コンタクト層510と、絶縁膜の一部にはp電極511が設けられている。また、n型GaNコンタクト層502の一部が露出するまでエッチングを行った表面には、n電極512が形成されている。p型GaN第1コンタクト層510は、p電極511とのコンタクト抵抗低減のためp型GaN第2コンタクト層509よりもp型不純物をより多く含むことを特徴とする。このようにして図5に示される窒化物半導体レーザ素子を作製する。
本素子においてn電極512とp電極511の間に電圧を印加すると、MQW活性層505に向かってp電極511から正孔がn電極512から電子が注入され、MQW活性層505で利得を生じ、405nmの波長でレーザ発振を起こす。MQW活性層505は厚さ4nmのIn0.1Ga0.9N井戸層505aと厚さ10nmのGaNバリア層505bから構成されている。また、p型Al0.2Ga0.8Nキャップ層506は、n型GaNコンタクト層502から注入される電子がMQW活性層505に注入されずにp型GaN光ガイド層507にリークしてしまうことを防止する電流ブロック層として機能する。
本実施例で示す窒化物半導体レーザ素子は、少なくとも一つの<11−20>軸格子定数の値が他と異なる互いに交差する結晶軸を持つGaN基板501上に、各層がコヒーレント成長している。したがって窒化物半導体レーザ素子を構成する各層の格子定数も、GaN基板に由来して少なくとも一つの<11−20>軸格子定数の値が他と異なる互いに交差する結晶軸を持つ層となっている。また、フリースタンディングの窒化物半導体の(0001)面内に置ける格子定数は、GaNのよりもAlGaNが小さく、GaNよりもInGaNが大きい。このためにコヒーレント成長している窒化物半導体レーザ素子を構成する各層においては、AlGaNクラッド層では面内に引っ張り歪みが、InGaN井戸層には圧縮歪みが印加されている。また、<11−20>軸格子定数の値が他と異なる互いに交差する結晶軸を持つ層となっているために、各層に作用している歪みは等方的でなく、異方性となっている。
窒化物半導体のような六方晶化合物半導体の(0001)面内に等方的でない歪みを印加された場合、価電子帯上端付近の正孔の有効質量が小さくなる。これは価電子帯上端付近の状態密度が減少していることを意味しており、この性質を利用することで、レーザ発振させるために必要な注入電流密度が少なくてすむため、発振閾値電流密度の低減が実現できる。
本実施例で示す窒化物半導体レーザ素子においても、レーザ発振閾値電流密度の大幅な低減が実現でき、レーザ素子の信頼性が飛躍的に向上した。
また、本実施の形態ではMQW活性層505は、井戸層をInGaNとし且つバリア層をGaNとしたが、これに代えて、井戸層をInGaNとし且つバリア層をそれよりもIn組成の小さいInGaNとしても、また、井戸層をGaNとし且つバリア層をAlGaNとしてもよい。
また、本実施の形態においては、MQW活性層505の井戸層及びバリア層のいずれにもn型不純物をドープしてはいないが、成長時のn型GaN光ガイド層504からの拡散によりn型の導電性を示すことがある。ただし、MQW活性層504の成長時に、井戸層及びバリア層の少なくとも一方に不純物を積極的にドープしてもよい。
また、本実施の形態ではn型Al0.07Ga0.93Nクラッド層503及びp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層508は、Al0.07Ga0.93Nの単層構造とする代わりに、Al0.14Ga0.86N層とGaN層との積層体からなる超格子クラッド層としても良い。ここで、超格子クラッド層を用いる場合には、n型ドーパントであるシリコン(Si)又はp型ドーパントであるマグネシウム(Mg)等の不純物ドーピングは、Al0.14Ga0.86N層及びGaN層のうちの少なく一方に対して行えば良い。
(実施の形態4)
図6は本発明の実施の形態4に係る窒化物半導体素子の部分的な断面構成を示している。図6において、実施の形態4に係る窒化物半導体素子は、青色を呈する波長領域での発光可能な発光ダイオード素子構造である。以下、本発明の実施の形態4について図面を参照しながら説明する。
図6に示すように、発光ダイオード素子は、実施の形態1もしくは実施の形態2で説明した方法で作製した主面が(0001)面からなり、少なくとも一つの<11−20>軸格子定数の値が他と異なる互いに交差する結晶軸を持つn型GaN基板601である。
このn型GaN基板601の主面上に、n型GaNコンタクト層602と、n型Al0.05Ga0.95Nクラッド層603と、InGaN井戸層及びGaNバリア層が複数層積層されてなる多重量子井戸(MQW)活性層604と、p型Al0.2Ga0.8Nキャップ層605と、p型GaNコンタクト層606が順次エピタキシャル成長により積層された構造を有している。
まず、図6に示した発光ダイオード素子の作製プロセスの一例を説明する。
n型GaN基板601をMOVPE装置の反応室に投入した後、該基板601を発光ダイオード素子の成長温度である約1050℃にまで基板温度を加熱する。ここで、n型GaN基板601の表面に熱による変成が生じないように、基板温度が室温の時点から、NH3の供給を開始しておく。基板温度が約1050℃にまで到達し、1分間熱処理をした後に、TMGaとSiH4との供給を開始して、n型GaN基板601主面上に、厚さが約4μmのn型GaNコンタクト層602を成長する。続いて、トリメチルアルミニウム(TMAl:(CH33Al)の供給を開始して、n型GaNコンタクト層602の上に、厚さが約0.1μmのn型Al0.05Ga0.95Nクラッド層603を成長する。
その後、いったんTMGa、TMAlの供給を停止して結晶成長を中断し、成長温度を約740℃にまで降温した後、MQW活性層604を成長する。具体的には、NH3が供給されている雰囲気中に、TMGa及びトリメチルインジウム(TMIn:(CH33In)を供給することにより、膜厚が約3nmのIn0.3Ga0.7Nからなる井戸層を成長し、TMGa、SiH4及びNH3を供給することにより、厚さが約5nmのGaNからなるn型バリア層を成長し、これら井戸層及びバリア層を交互に積層して3対のMQW活性層604を得る。
引き続いて、TMAl、TMGa及びビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg:(C552Mg)を供給することにより、MQW活性層604の上に、厚さが約0.1μmのp型Al0.2Ga0.8Nキャップ層605を成長する。次にTMGa、Cp2Mg及びNH3を供給しながら成長温度を1000℃にまで昇温し、厚さが約0.2μmのp型GaNコンタクト層606を成長する。
さらに、p型コンタクト層606を成長した後、原料ガスであるTMGa、CP2Mg及びNH3の供給を停止して、N2及びH2からなるキャリアガスをN2のみに切り替え、すみやかに700℃まで降温する。その後、700℃で20分間保持した後、キャリアガスとしてN2のみを供給しながら室温まで冷却し、発光ダイオード素子のエピタキシャル成長が終了したn型GaN基板601を反応室から取り出す。
次に、p型GaNコンタクト層の上にp側電極607を形成し、n型GaN基板601裏面にn側電極608を形成し、その後、n型GaN基板601を所望の大きさのチップに分割する。
MQW活性層604は、バリア層であるGaN層にのみ不純物をドープしたが、バリア層及び井戸層のうち少なくとも一方にドープすればよく、また、バリア層及び井戸層の両方をアンドープとしてもよい。
なお、MQW活性層604におけるIn0.3Ga0.7N井戸層は、結晶成長時には不純物を実質的にドーピングしていない。しかしながら、これらのアンドープ層と隣接し且つ不純物がドーピングされた半導体層から、結晶成長時又は成長後に不純物が拡散することにより、該不純物がアンドープ層に含まれることがある。従って、本願明細書においては、アンドープ層とは、結晶成長時に不純物を実質的にドープしていない半導体層に限らず、隣接する半導体層に含まれる不純物を拡散の結果として有している半導体層をもいう。
(実施の形態5)
図7は本発明の実施の形態5に係る窒化物半導体素子の部分的な断面構成を示している。図7において、実施の形態5に係る窒化物半導体素子は、紫色を呈する波長領域での発光可能な窒化物半導体レーザ素子構造である。
図7に示すように、窒化物半導体レーザ素子は、主面が(0001)面からなるn型GaN基板701上に作製する。ここでn型GaN基板701は実施の形態1もしくは実施の形態2で説明した方法で作製した少なくとも一つの<11−20>軸格子定数の値が他と異なる互いに交差する結晶軸を持つGaN基板でも、<11−20>軸格子定数の値が全て等しい、つまり等方的な格子定数を持つGaN基板でもよい。
窒化物半導体レーザ素子の作製にはMOVPE法を用いている。もちろん窒化物半導体レーザ素子の作製が可能であれば、MBE法等、他の成長方法を用いても良い。
このn型GaN基板701の主面上に、まず、フォトリソグラフィー法を用いて、それぞれの幅が約3μmでかつ互いに約15μmの間隔をおいて平行に延びるレジストパターン(図示せず)を形成し、形成したレジストパターンをマスクとしてn型GaN基板701に対してドライエッチングを行うことにより、n型GaN基板701上部に、複数のリセス部と該リセス部同士に挟まれた領域からなる複数のストライプ状の凸部を形成する。続いて、例えばECRスパッタ法を用いて、リセス部が形成されたn型GaN基板701上にレジストパターン及び凸部を含む全面にわたって、SiNxからなるマスク膜714を堆積する。その後、レジストパターンをリフトオフして凸部上のマスク膜を除去することにより、該凸部の上面を露出する。
次に、n型GaN基板701の凸部の露出面を種結晶として厚さが約5μmのエアギャップ716を有するn型GaN選択成長層715からなる構造を作製する。もちろん、n型GaN基板701のドライエッチングを行わず、エアギャップ716を形成しないでn型GaN選択成長層715を成長しても良い。また、マスク膜にはSiNxマスク膜714に代わりSiO2やAl23等の絶縁膜、WやTi等の金属膜及びこれらの酸化物、窒化物等を用いても良い。また、SiNxマスク膜814の堆積には、スパッタ法ではなくCVD法等を用いてももちろん良い。
n型GaN選択成長層715に続いてn型GaN層702と、n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層703と、n型GaN光ガイド層704と、InGaN井戸層及びバリア層が複数層積層されてなる多重量子井戸(MQW)活性層705と、p型Al0.2Ga0.8Nキャップ層706と、p型GaN光ガイド層707と、p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層708と、p型GaN第2コンタクト層709とp型GaN第1コンタクト層710が順次エピタキシャル成長により積層された構造を有している。
その後、p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層708と、p型GaN第2コンタクト層709とp型GaN第1コンタクト層710を<1−100>軸方向に沿ってリッジストライプ状に加工し、リッジの両脇をSiO2絶縁膜713で覆い、電流注入領域を形成する。ストライプ幅は2〜4μm程度である。共振器端面はn型GaN基板701の{1−100}面を用いた壁開によって形成する。
絶縁膜の開口部のp型GaN第1コンタクト層710と、絶縁膜の一部にはp電極711が設けられている。また、n型GaN基板701裏面上にn側電極708が形成されている。p型GaN第1コンタクト層710は、p電極811とのコンタクト抵抗低減のためp型GaN第2コンタクト層709よりもp型不純物をより多く含むことを特徴とする。このようにして図7に示される窒化物半導体レーザ素子を作製する。
本素子においてn電極712とp電極711の間に電圧を印加すると、MQW活性層705に向かってp電極711から正孔がn電極712から電子が注入され、MQW活性層705で利得を生じ、405nmの波長でレーザ発振を起こす。MQW活性層705は厚さ4nmのIn0.1Ga0.9N井戸層705aと厚さ8nmのIn0.02Ga0.98Nバリア層705bから構成されている。また、p型Al0.2Ga0.8Nキャップ層706は、n型GaN基板801から注入される電子がMQW活性層705に注入されずにp型GaN光ガイド層707にリークしてしまうことを防止する電流ブロック層として機能する。
本実施例で示す窒化物半導体レーザ素子では、n型GaN基板701上に、n型GaN選択成長層715を含んでいる。このn型GaN選択成長層715の作製について図8を用いて示す。
図8aに示すようにn型GaN基板801の主面上に、<1−100>軸方向に平行に、複数のリセス部と該リセス部同士に挟まれた領域からなる複数のストライプ状の凸部が形成されている。凸部の上面を除いては、全てSiNxからなるマスク膜814が形成されており、成長圧力76Torr、成長温度1000℃で選択横方向成長を行うことで、その上面が(0001)面、側面が{11−20}面から形成される矩形状のGaN結晶となるような結晶成長を行うことができる。
さらに結晶成長を進めることで、隣り合う矩形状のGaN結晶は合体し、図8bで示す厚さ約5μmでエアギャップ816を有するn型GaN選択成長層815からなる構造を作製する。このときエアギャップ816上方の領域には結晶欠陥817がほとんど無く、凸部上方の領域にのみGaN基板801から結晶欠陥817が伝播した構造を形成することができる。このn型GaN選択成長層815において、凸部上方の領域には約106cm-2の貫通転位が存在しており、エアギャップ816上方の領域には103から104cm-2程度の貫通転位が存在している。このように結晶欠陥の分布に周期性を持たせ、かつ、その比が少なくとも100倍以上と成るようにすることで、結晶面内において部分的な応力の緩和と印加が生じ、結果としてn型GaN選択成長層815の(0001)結晶面内における<11−20>軸方向の格子定数が等方的ではなくなり、異方性を持たせることができる。
このときの周期的な結晶欠陥列と垂直方向のa1軸方向の格子定数が0.31825nm、それと互いに60°の角度を有するa2軸方向の格子定数及びa3軸方向の格子定数は0.31889nmである。
図7において、このように結晶面内で格子定数が等方的でないn型GaN選択成長層715上にコヒーレントに成長した窒化物半導体レーザ素子における各層では、n型GaN選択成長層715に由来して等方的でない歪みが印加されている。(0001)面内に等方的でない、すなわち異方性の歪みが印加されることで、価電子帯上端付近の状態密度が減少し、レーザ発振させるために必要な注入電流密度が少なくてすむため、発振閾値電流密度の低減が実現できる。
本実施例で示す窒化物半導体レーザ素子では、レーザ発振閾値電流密度の大幅な低減が実現でき、レーザ素子の素子寿命が飛躍的に向上し、信頼性の高い窒化物半導体によるレーザ素子作製の実現が可能となった。
また、本実施の形態ではMQW活性層705は、井戸層をIn0.1Ga0.9Nとバリア層をIn0.02Ga0.98Nとしたが、これに代えて、井戸層をInGaNとし且つバリア層をGaNとしても、また、井戸層をGaNとし且つバリア層をAlGaNとしてもよい。
また、本実施の形態ではn型Al0.07Ga0.93Nクラッド層703及びp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層708は、Al0.07Ga0.93Nの単層構造とする代わりに、Al0.14Ga0.86N層とGaN層との積層体からなる超格子クラッド層としても良い。ここで、超格子クラッド層を用いる場合には、n型ドーパントであるシリコン(Si)又はp型ドーパントであるマグネシウム(Mg)等の不純物ドーピングは、Al0.14Ga0.86N層及びGaN層のうちの少なく一方に対して行えば良い。
なお、本実施の形態においては、n型GaN選択成長層715の作製と、その上の窒化物半導体レーザ素子構造の形成を、MOVPE法を用いて連続で行ったが、n型GaN選択成長層715の作製をMOVPE法で行い、その後、窒化物半導体レーザ素子構造の形成をMBE法等、他の成長方法を用いてももちろん良い。
おける格子定数が等方的でない窒化物半導体基板の作製が可能となった。この基板上に窒化物半導体光素子を作製することで活性層に等方的でない歪みを印加することができ、低閾値電流密度化が実現される。
本発明は、半導体レーザ素子、発光ダイオード素子の製造方法として有用である。
従来報告されているGaN基板上に作製された窒化物半導体レーザ素子の断面構造図 GaN基板の斜視図と結晶方位の関係を示す図 本発明の一実施の形態に係るSi基板上に作製したGaN基板の断面構造図 本発明の一実施の形態に係るGaNテンプレート上に作製したGaN基板の断面構造図 本発明の一実施の形態に係る等方的でない歪みを有するGaN基板上に作製された窒化物半導体レーザ素子の断面構造図 本発明の一実施の形態に係る等方的でない歪みを有するGaN基板上に作製された窒化物半導体発光ダイオード素子の断面構造図 本発明の一実施の形態に係るGaN基板上に作製された等方的でない歪みを有する活性層を持つ窒化物半導体レーザ素子の断面構造図 本発明の一実施の形態に係るGaN基板上に作製した等方的でない歪みを有するGaN層の断面構造図 本発明の一実施の形態に係る周期的な結晶欠陥列を持つGaN基板において等方的でない歪みが誘起される機構を示すモデル図
符号の説明
101 GaN基板
102 n-GaNコンタクト層
103 n-Ga0.9In0.1N層
104 n-Al0.14Ga0.86N/GaN超格子クラッド層
105 n-GaN光ガイド層
106 InGaN-MQW活性層
107 p-Al0.2Ga0.8N電流ブロック層
108 p-GaN光ガイド層
109 p-Al0.14Ga0.86N/GaN超格子クラッド層
110 p-GaNコンタクト層
111 p電極
112 SiO2
113 n電極
201 GaN基板
202 GaN基板のa1軸
203 GaN基板のa2軸
204 GaN基板のa3軸
301 Si基板
302 SiO2選択マスク
303 GaN結晶
304 ファセット面
305 結晶欠陥
306 (0001)面
307 GaN基板
401 サファイア基板
402 SiNx選択マスク
403 GaN結晶
405 結晶欠陥
407 GaN基板
408 GaN低温バッファ層
409 GaNテンプレート
410 開口部
501 GaN基板
502 n-GaNコンタクト層
503 n-Al0.07Ga0.93Nクラッド層
504 n-GaN光ガイド層
505 InGaN/GaN-MQW活性層
505a In0.1Ga0.9N井戸層
505b GaNバリア層
506 p-Al0.2Ga0.8Nキャップ層
507 p-GaN光ガイド層
508 p-Al0.07Ga0.93Nクラッド層
509 p-GaN第2コンタクト層
510 p-GaN第1コンタクト層
511 p電極
512 n電極
513 SiO2
601 GaN基板
602 n-GaN層
603 n-Al0.05Ga0.95Nクラッド層
604 InGaN/GaN-MQW活性層
605 p-Al0.2Ga0.8Nクラッド層
606 p-GaNコンタクト層
607 p電極
608 n電極
701 n-GaN基板
702 n-GaN層
703 n-Al0.07Ga0.93Nクラッド層
704 n-GaN光ガイド層
705 InGaN/GaN-MQW活性層
706 p-Al0.2Ga0.8Nキャップ層
707 p-GaN光ガイド層
708 p-Al0.07Ga0.93Nクラッド層
709 p-GaN第2コンタクト層
710 p-GaN第1コンタクト層
711 p電極
712 n電極
713 SiO2
714 SiNx
715 n-GaN選択成長層
716 エアギャップ
801 n-GaN基板
814 SiNx選択マスク
815 n-GaN選択成長層
816 エアギャップ
817 結晶欠陥
901 GaN基板
902 GaN基板のa1軸
903 GaN基板のa2軸
904 GaN基板のa3軸
905 周期的な結晶欠陥列

Claims (8)

  1. シリコン基板の(111)面の表面上に、<−1−12>軸方向に平行な複数のマスクを選択的に形成する工程と、前記シリコン基板上に、表面がファセット面を持ちその断面が三角形状となる第1のGaN層を形成する工程と、前記第1のGaN層上に、表面が(0001)面となる第2のGaN層を形成する工程と、前記シリコン基板を除去する工程と、を備え、
    前記マスク上の前記第2のGaN層には結晶欠陥が相対的に多い領域が形成されるとともに、前記マスク間の前記第2のGaN層には結晶欠陥が相対的に少ない領域が形成され、<11−20>軸方向の格子定数は(0001)面内で等方的でない、GaN基板の製造方法。
  2. サファイア基板の表面上に、主面が(0001)面である第1のGaN層を形成する工程と、前記第1のGaN層の上に、<1―100>軸方向に平行な複数のマスクを形成する工程と、前記第1のGaN層上および前記マスク上に、その表面が(0001)面、かつその側面が{11−20}面となる第2のGaN層を形成する工程と、前記サファイア基板を除去する工程と、を備え、
    前記マスク上の前記第2のGaN層は結晶欠陥が相対的に少ない領域が形成されるとともに、前記マスク間の前記第2のGaN層は結晶欠陥が相対的に多い領域が形成され、<11−20>軸方向の格子定数は(0001)面内で等方的でない、GaN基板の製造方法。
  3. 前記結晶欠陥が少ない領域に対する前記結晶欠陥が多い領域の結晶欠陥は、その比が100倍以上である、請求項2に記載のGaN基板の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の方法により製造されたGaN基板上に、第1導電型のクラッド層と、活性層と、第2導電型のキャップ層とを形成する工程を備えた、発光ダイオードの製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の方法により製造されたGaN基板の相対的に結晶欠陥が少ない領域表面上に、リッジストライプ状の第1導電型のクラッド層と、活性層と、第2導電型のクラッド層とを形成する工程を備え、前記活性層には等方的でない歪が加わっている、半導体レーザの製造方法。
  6. 前記GaN基板の{1−100}面を用いたへき開により、共振器端面を形成する、請求項5に記載の半導体レーザの製造方法。
  7. GaN基板の(0001)面の表面上に、<1−100>軸方向に平行な複数のリセス部と、前記リセス部にはさまれた領域からなる複数のストライプ状の凸部とを形成する工程と、前記凸部表面には成長するが、前記リセス部表面には成長しない選択横方向成長を行うことにより、上面が(0001)面、側面が{11−20}面から形成されるGaN層を形成する工程と、を備え、
    前記凸部上の前記GaN層には結晶欠陥が相対的に多い領域が形成されるとともに、前記リセス部上の前記GaN層には結晶欠陥が相対的に少ない領域が形成され、<11−20>軸方向の格子定数は(0001)面内で等方的でない、GaN層の形成方法。
  8. 請求項7に記載の方法により形成したGaN層上に、第1導電型のクラッド層と、活性層と、第2導電型のクラッド層とを形成する工程を備えた、半導体レーザの製造方法。
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