JP4924498B2 - 窒化物系半導体発光素子、エピタキシャルウエハ、及び窒化物系半導体発光素子を作製する方法 - Google Patents

窒化物系半導体発光素子、エピタキシャルウエハ、及び窒化物系半導体発光素子を作製する方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化物系半導体発光素子、エピタキシャルウエハ、及び窒化物系半導体発光素子を作製する方法に関する。
非特許文献1には、マイクロファセット上に作製されたInGaN多重量子井戸を含む構造が記載されている。GaNテンプレートは、(0001)面サファイア基板上に形成されている。サファイア基板に到達するように、GaNテンプレートをパターン形成した後に、GaNの再成長を行う。ついで、InGaN多重量子井戸が成長される。InGaN多重量子井戸は、[0001]、<11−22>、<11−20>に向きづけられている。
非特許文献2には、InGaN単一量子井戸を含む構造が記載されている。マイクロファセット構造は、非特許文献1と同様に(0001)面サファイア基板上に形成されている。ファセット面は、(0001)、{11−22}、{11−20}を有する。これらの面は、[1−200]方向に延びている。
非特許文献3には、窒化物半導体から成るマイクロファセットのGaN/InGaN量子井戸を含む構造が記載されている。マイクロファセット構造は、SiOストライプマスクを用いて(0001)面サファイア基板上に形成される。マイクロファセットは、(0001)、{11−22}、{11−20}を有する。
Nishizuka et al., Appl. Phys. Lett. 85, pp.3122-3124, (2004) Nishizuka et al., Appl. Phys. Lett. 87, 231901 (2005) Funato et al., Appl., Phys. Lett. 88, 261920 (2006)
非特許文献1〜3では、マスクを用いた再成長やサファイア基板のエッチングを利用している。このため、基板の表面の一部分がマスクに覆われる。したがって、発光領域が基板の表面の全面に形成できない。また、マスクを形成するために、絶縁膜の堆積、フォトリソグラフィ、エッチングといった工程を使用するので、作製の工程が煩雑になる。
そこで、本発明の目的は、上記の事項を鑑みて為されたものであり、基板の表面を有効に利用すると共に、極性面及び非極性面の両特性を兼ね備える窒化物系半導体発光素子を提供することを目的とし、またこの窒化物系半導体発光素子のためのエピタキシャルウエハを提供することを目的とし、さらに該窒化物系半導体発光素子を作製する方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、窒化物系半導体発光素子である。この窒化物系半導体発光素子は、(a)所定の基準平面に沿って延びる六方晶系窒化ガリウム系半導体の表面を有する支持基体と、(b)前記支持基体の前記表面上に設けられており、一又は複数の第1導電型窒化ガリウム系半導体層を含む窒化ガリウム系半導体領域と、(c)前記窒化ガリウム系半導体領域の表面上に設けられており、窒化ガリウム系半導体からなる活性層と、(d)前記活性層上に設けられた第2導電型窒化ガリウム系半導体層とを備える。前記支持基体の前記表面は、第1の方向に配列された複数の第1のステップを含み、前記第1のステップの各々は、前記所定の基準平面に直交する所定の軸に対して傾斜した第1及び第2の面を有しており、前記第1のステップの前記第1の面は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc面であると共に、前記第1のステップの前記第2の面は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のa面及びm面のいずれかであり、前記窒化ガリウム系半導体領域の前記表面は、前記第1の方向に配列された複数の第2のステップを有しており、前記第2のステップの各々は、前記所定の軸に対して傾斜した第1及び第2の面を有しており、前記活性層は、前記第2のステップの前記第1及び第2の面の各々上に成長される。
この窒化物系半導体発光素子によれば、窒化ガリウム系半導体領域の表面は、支持基体の六方晶系窒化ガリウム系半導体の表面に配列された複数の第1のステップに関係づけられた第2のステップの配列を有する。第2のステップの配列上に活性層が形成されるので、活性層は、第2のステップの第1及び第2の面上にそれぞれ成長された第1及び第2の部分を含む。活性層の第1及び第2の部分は、それぞれ、異なる発光波長の光を発生する。
本発明に係る窒化物系半導体発光素子では、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸と前記所定の軸との傾斜角度は、10度以上であり、80度以下であることができる。
この窒化物系半導体発光素子によれば、第1のステップの配列は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸の傾斜方向に関連している。第1のステップにおいて、第1及び第2の面の傾斜は、上記の傾斜角度に応じて変わる。
本発明に係る窒化物系半導体発光素子では、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸の前記傾斜方向は、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸からm軸への方向であることができる。この窒化物系半導体発光素子によれば、ステップはa軸の方向に延びる。
本発明に係る窒化物系半導体発光素子では、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸の前記傾斜方向は、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸からa軸への方向であることができる。この窒化物系半導体発光素子によれば、ステップはm軸の方向に延びる。
本発明に係る窒化物系半導体発光素子では、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸の方向は、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のa軸及びm軸の方向を中心に−15度から+15度の範囲であることができる。この窒化物系半導体発光素子によれば、ステップの形状は、m軸及びa軸の方向からの向き付けに依存する。
本発明に係る窒化物系半導体発光素子では、前記活性層の発光スペクトルは、波長範囲内に少なくとも2つのピーク波長を含み、前記波長範囲は、400nm以上550nm以下であることができる。
この窒化物系半導体発光素子によれば、発光スペクトルは、第2のステップの第1及び第2の面の各々上に成長された活性層からの光に対応したピークを有する。
本発明に係る窒化物系半導体発光素子では、前記第2のステップの幅は1マイクロメートル以上であることができる。この窒化物系半導体発光素子によれば、多数のステップからの発光によって、全体の発光スペクトルが規定される。
本発明に係る窒化物系半導体発光素子では、前記支持基体はGaNからなることができる。また、本発明に係る窒化物系半導体発光素子では、前記GaN支持基体はn導電性を有することができる。
本発明の別の側面は窒化物系半導体発光素子のためのエピタキシャルウエハである。このエピタキシャルウエハは、(a)所定の基準平面に沿って延びる六方晶系窒化ガリウム系半導体の表面を有する基板と、(b)前記基板の前記表面上に設けられており、一又は複数の第1導電型窒化ガリウム系半導体層を含む第1導電型窒化ガリウム系半導体領域と、(c)前記第1導電型窒化ガリウム系半導体領域の表面上に設けられており、窒化ガリウム系半導体からなる活性層とを備える。前記基板の前記表面は、第1の方向に配列された複数の第1のステップを含み、前記第1のステップの各々は、前記所定の基準平面に直交する所定の軸に対して傾斜した第1及び第2の面を有しており、前記第1のステップの前記第1の面は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc面であると共に、前記第2のステップの前記第2の面は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のa面及びm面のいずれかであり、前記第1導電型窒化ガリウム系半導体領域の前記表面は、前記第1の方向に配列された複数の第2のステップを有しており、前記第2のステップの各々は、前記所定の軸に対して傾斜した第1及び第2の面を有しており、前記活性層は、前記第2のステップの前記第1及び第2の面の各々上に成長される。
このエピタキシャルウエハによれば、窒化ガリウム系半導体領域の表面は、基板の六方晶系窒化ガリウム系半導体の表面に配列された複数の第1のステップに関連づけられた第2のステップの配列を有する。第2のステップの配列上に活性層が形成されるので、活性層は、第2のステップの第1及び第2の面上にそれぞれ成長された第1及び第2の部分を含む。活性層の第1及び第2の部分は、それぞれ、異なる発光波長の光を発生可能になる。
本発明に係るエピタキシャルウエハでは、前記活性層のフォトルミネッセンススペクトルは、波長範囲内に少なくとも2つのピーク波長を含み、前記波長範囲は、400nm以上550nm以下であることができる。
本発明に係るエピタキシャルウエハでは、前記第2のステップの幅は1マイクロメートル以上であることができる。このエピタキシャルウエハによれば、PLスペクトルは複数のステップからのフォトルミネッセンスによって規定される。
本発明に係るエピタキシャルウエハでは、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸と前記所定の軸との傾斜角度は、10度以上であり、80度以下であることができる。
このエピタキシャルウエハによれば、第1のステップの配列は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸の傾斜方向に関連している。第1のステップにおいて、第1及び第2の面の傾斜は、上記の傾斜角度に応じて変わる。
本発明に係るエピタキシャルウエハでは、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸の傾斜方向は、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸からm軸への方向であることができる。このエピタキシャルウエハによれば、ステップはa軸の方向に延びる。
本発明に係るエピタキシャルウエハでは、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸の傾斜方向は、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸からa軸への方向であることができる。このエピタキシャルウエハによれば、ステップはm軸の方向に延びる。
本発明に係るエピタキシャルウエハでは、前記所定の結晶軸方向は、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のa軸及びm軸の方向を中心に−15度から+15度の範囲であることができる。このエピタキシャルウエハによれば、ステップの形状は、m軸及びa軸の方向からの向き付けに依存する。
本発明に係るエピタキシャルウエハでは、前記第2のステップの幅は1マイクロメートル以上であることができる。この窒化物系半導体発光素子によれば、複数のステップからの発光によって、全体の発光スペクトルが決定される。
本発明に係るエピタキシャルウエハでは、前記基板はGaNからなることができる。本発明に係るエピタキシャルウエハでは、前記GaN基板はn導電性を有することができる。
本発明に係る更なる別の側面は、窒化物系半導体発光素子を作製する方法である。この方法は、(a)六方晶系窒化ガリウム系半導体の表面を有する基板を熱処理して、第1の方向に配列された複数の第1のステップを含む改質表面を形成する工程と、(b)前記改質表面上に、一又は複数の第1導電型窒化ガリウム系半導体層を含む窒化ガリウム系半導体領域を形成する工程と、(c)前記窒化ガリウム系半導体領域の表面上に、窒化ガリウム系半導体からなる活性層を形成する工程と、(d)前記活性層上に第2導電型窒化ガリウム系半導体層を形成する工程とを備える。前記第1のステップの各々は、第1及び第2の面を有しており、前記第1のステップの前記第1の面は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc面であると共に、前記第1のステップの前記第2の面は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のa面及びm面のいずれかであり、前記窒化ガリウム系半導体領域の前記表面は、前記第1の方向に配列された複数の第2のステップを有しており、前記第2のステップの各々は、第1及び第2の面を有しており、前記活性層は、前記第2のステップの前記第1及び第2の面の各々上に成長される。
この方法によれば、基板の改質表面が、基板の六方晶系窒化ガリウム系半導体の表面を熱処理することによって形成される。この改質表面の第1のステップの第1の面は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc面であると共に、第1のステップの第2の面は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のa面及びm面のいずれかである。この改質表面上に成長された第1導電型窒化ガリウム系半導体領域には、第2のステップの配列が形成される。この表面上に活性層が成長されるので、活性層は、第2のステップの第1及び第2の面上にそれぞれ成長された第1及び第2の部分を含む。活性層の第1及び第2の部分は、それぞれ、異なる発光波長の光を発生可能な第1及び第2の構造を有する。
本発明の方法では、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体の前記表面は半極性を示す。この方法によれば、半極性を示す窒化ガリウム系半導体表面から、極性及び非極性をそれぞれ示す第1及び第2の面を含むステップが形成される。これらの第1及び第2の面は、半極性を示す窒化ガリウム系半導体表面の法線に対して形成している。
本発明の方法では、前記活性層の発光スペクトルは、波長範囲内に少なくとも2つのピーク波長を含み、前記波長範囲は、400nm以上550nm以下であることができる。この方法によれば、第2のステップの第1及び第2の面の各々上に成長された活性層からの光に応じて、発光スペクトルは少なくとも2つのピークを有する。
本発明の方法では、前記第2のステップの幅は1マイクロメートル以上であることができる。この方法によれば、全体のPLスペクトルは多数のステップの配列によってを規定される。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明の一側面によれば、基板の表面を有効に利用すると共に、極性面及び非極性面の両特性を兼ね備える窒化物系半導体発光素子が提供される。また、本発明の別の側面によれば、この窒化物系半導体発光素子のためのエピタキシャルウエハが提供される。さらに、本発明の更なる別の側面によれば、この窒化物系半導体発光素子及びエピタキシャルウエハを作製する方法が提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の窒化物系半導体発光素子、エピタキシャルウエハ、並びにエピタキシャルウエハ及び窒化物系半導体発光素子を作製する方法に係わる実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1は、本実施の形態に係る窒化物系半導体発光素子を模式的に示す図面である。窒化物系半導体発光素子11は、支持基体13と、第1の窒化ガリウム系半導体領域15と、活性層17と、第2の窒化ガリウム系半導体領域19とを備える。活性層17は、第1の窒化ガリウム系半導体領域15と第2の窒化ガリウム系半導体領域19との間に設けられており、第1及び第2の窒化ガリウム系半導体領域15、19のそれぞれから供給される2種のキャリア(電子及び正孔)の再結合によって光を発生する。支持基体13は、六方晶系窒化ガリウム系半導体からなる表面13aを有しており、この表面13aと反対側に裏面13bを有する。表面13aは、図1に示された直交座標系SのX軸及びY軸によって規定される基準平面に沿って延びている。窒化ガリウム系半導体領域15は、支持基体13の表面13a上に設けられており、また一又は複数の第1導電型窒化ガリウム系半導体層を含む。活性層17は、窒化ガリウム系半導体領域15の表面15a上に設けられており、窒化ガリウム系半導体からなる。図1に示される実施例では、活性層17は、例えば井戸層23a及び障壁層23bを含み、井戸層23a及び障壁層23bは交互に配列されている。窒化ガリウム系半導体領域19は、活性層17上に設けられており、また一又は複数の第2導電型窒化ガリウム系半導体層を含む。支持基体13上において、第1導電型窒化ガリウム系半導体層、活性層及び第2導電型窒化ガリウム系半導体層が所定の軸(例えば、図1に示される座標系SのZ軸)の方向に配列されている。第1導電型窒化ガリウム系半導体層は、例えばn導電性を示し、第2導電型窒化ガリウム系半導体層は、例えばp導電性を示す。
表面13aは、X軸の方向に配列された複数の第1のステップ21を有する。第1のステップ21の各々は、六方晶系窒化ガリウム系半導体からなる。第1のステップ21は、主要な構成面して第1の面21a及び第2の面21bを有する。第1及び第2の面21a、21bは、Z軸に対して傾斜しており、また互いに異なる結晶面からなる。例えば、第1のステップ21の第1の面21aは、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc面であると共に、第2の面21bは、六方晶系窒化ガリウム系半導体のa面及びm面のいずれかである。
窒化ガリウム系半導体領域15の表面15aは、X軸の方向に配列された複数の第2のステップ25を有しており、第2のステップ25の各々は、主要な構成面して第1の面25a及び第2の面25bを有する。第1及び第2の面25a、25bは、Z軸に対して傾斜しており、また互いに異なる結晶面からなる。例えば、第2のステップ25において、第1の面25aは六方晶系窒化ガリウム系半導体のc面であると共に、第2の面25bは六方晶系窒化ガリウム系半導体のa面及びm面のいずれかである。窒化ガリウム系半導体領域15の厚さは、例えば5マイクロメートル以上であることが好ましく、所定の条件でその厚さだけ窒化ガリウム系半導体領域15を成長すると、十分なステップ幅を持ったマクロステップを形成できるからである。窒化ガリウム系半導体領域15の厚さは、例えば30マイクロメートル以下であることが好ましく、これ以上に厚く成長しても、成長に時間もかかる一方で、本実施形態における効果の向上は大きくならない。
この窒化物系半導体発光素子11では、活性層17は、第2のステップ25の第1及び第2の面25a、25b上に成長される。窒化ガリウム系半導体領域15の表面15aは、支持基体13の六方晶系窒化ガリウム系半導体の表面13aに配列された第1のステップ21と関連した第2のステップ25の配列を有する。第2のステップ25の配列上に活性層17が形成されるので、活性層17は、第2のステップ25の第1及び第2の面25a、25b上にそれぞれ成長された第1及び第2の部分17a、17bを含む。これら第1及び第2の部分17a、17bは、それぞれ、異なる発光波長の光を発生する。また、第1及び第2の部分17a、17bは、互いに異なるブルーシフトを示す。
窒化物系半導体発光素子11では、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸と所定の軸との傾斜角度は、10度以上であることができ、10度未満であると、c面の特徴が支配的であるからである。また、この傾斜角度は、80度以下であることができ、80度以上であると、m面及びa面の特徴が支配的であるからである。この窒化物系半導体発光素子11によれば、第1のステップ21の配列は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸の傾斜方向に関連している。第1のステップ21において、第1及び第2の面21a、21bの傾斜は、上記の傾斜角度(「オフ角」と呼ばれる)に応じて変わる。図1には、ステップ21の個々の形状は同じに描かれているけれども、ステップ21の形状、長さ、幅等は、全く同じではない。支持基体13は、例えば窒化ガリウムからなることができる。図1に示された矢印Cは、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸の方向を示している。第1のステップ21の形状及び配列はオフ角に応じて変わるので、上記の範囲内においてオフ角を変更することによって、ステップの構成面やこれらの面積比が調整される。
窒化物系半導体発光素子11では、第1の窒化ガリウム系半導体領域15は、例えばバッファ層、クラッド層と呼ばれるn型窒化ガリウム系半導体層を含むことができる。このために、第1の窒化ガリウム系半導体領域15は、例えば、n型AlGaN、n型GaN、n型InGaN等からなる半導体層を含む。第2の窒化ガリウム系半導体領域19は、例えば電子ブロック層、クラッド層及びコンタクト層と呼ばれるp型窒化ガリウム系半導体層を含むことができる。このために、第2の窒化ガリウム系半導体領域19は、例えば、p型AlGaN、p型GaN等からなる半導体層を含む。支持基体13はGaNからなることができる。また、GaN支持基体はn導電性を有することができる。第2の窒化ガリウム系半導体領域19うえには、第1の電極(例えばアノード)27が設けられる。また、導電性の支持基体13の裏面13bには、第2の電極(例えばカソード)29が設けられる。
窒化物系半導体発光素子11では、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸は、以下のような方向に傾斜していることができる。c軸の傾斜方向は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のm軸への方向であることができる。基板の加工精度に起因して、傾斜方向はm軸を基準に、例えば−1度から+1度の角度範囲にばらつく。この窒化物系半導体発光素子によれば、ステップはa軸の方向に延びる。また、c軸の傾斜方向は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のa軸への方向であることができる。基板の加工精度に起因して、傾斜方向はa軸を基準に、例えば−1度から+1度の角度範囲にばらつく。この窒化物系半導体発光素子によれば、ステップはm軸の方向に延びる。
窒化物系半導体発光素子11では、c軸の傾斜方向は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸からa軸及びm軸への方向を中心に−15度から+15度の角度範囲であることができる。支持基体13のステップの方向は、m軸及びa軸の方向からの向き付けに依存する。活性層17の発光波長は、400nm以上550nm以下の範囲であることができ、活性層17の発光スペクトルは、少なくとも2つのピーク波長を含む。これらのピークは、互いに異なる発光特性を有する活性層内の個々の部分からの波長成分に対応する。井戸層23aは、例えばInGa1−XNからなることができ、井戸層のインジウム組成Xの範囲は、例えば0.1以上であることが好ましい。また、井戸層のインジウム組成Xの範囲0.4以下であることが好ましい。また、障壁層23bは、例えばGaN、InGaNからなることができる。発光スペクトルは、第2のステップの第1及び第2の面の各々上に成長された活性層からの光に応じてピークを有する。
窒化物系半導体発光素子11では、第2のステップ25の幅は1マイクロメートル以上であることができる。多数のステップからの発光によって、全体の発光スペクトルが決定される。図1に示されたシンボル△W21、△W25は、代表的なステップ21、25の幅を示す。図示された代表的なステップ21、25では、△W21<△W25である。第1のステップ21の幅の平均値は第2のステップ25の幅の平均値より小さい。また、第1のステップ21の幅の最大値は第2のステップ25の幅の最小値より小さい。
図2は、一実施例の発光素子のためのエピタキシャルウエハにおいて測定されたフォトルミネッセンススペクトルを示す図面である。測定は以下の構造のエピタキシャルウエハを用いて行われた。
(実施例1)
c面からm面方向及びa面方向に10度から80度オフした半極性面を有するGaNウエハをリアクタ内に設置した。GaNウエハのサイズは例えば2インチである。この半極性基板に、摂氏1050度の温度及び27kPaの炉内圧力で、アンモニア及び水素を流しながら10分間の熱処理を施した。その後、30マイクロメートルの厚さのSiドープGaN層を摂氏1150度、炉内圧力10kPaで成長させた。リアクタからエピタキシャルウエハを取り出し、ノマルスキー微分干渉顕微鏡による観察、及び原子間力顕微鏡(AFM)による表面測定により、ステップ幅10マイクロメートル以上のマクロステップを観測した。
有機金属気相成長法により青色発光ダイオード構造を作製した。c面からm面方向及びa面方向に10度から80度オフした半極性面のGaNウエハをリアクタ内に設置した。上記と同様の熱処理及びSiドープGaNの成長を行った。この後に、摂氏800度の基板温度で下げて、TMG及びTMIを導入して、厚さ50nm及びIn組成5%のInGaN緩衝層を成長した。次に、発光層を成長した。発光層は、15nmのGaN障壁層及び3nmのIn0.20Ga0.80N井戸層からなる6周期の多重量子井戸構造からなるその後、TMGとTMIの供給を停止し、摂氏1000度の基板温度に上昇させ、TMG、TMA、NH及びCPMgを導入して、厚さ20nmのMgドープp型AlGaNを成長した。この後、TMAの供給を停止して、厚さ50nmのp型GaN層を成長した。その後、室温まで降温してエピタキシャルウエハを取り出した。
上記ウエハのフォトルミネッセンス測定を行なった。図2(a)を参照すると、参照符合P1は、470nm付近の波長の発光を示し、参照符合P2は、510nm付近の波長の発光を示し。参照符合P3は、活性層の下地のInGaN緩衝層からの390nm付近の波長の発光を示す。図2(b)を参照すると、フォトルミネッセンススペクトルの励起光強度依存性が示されている。参照符合I1は、20mWの励起光強度による信号を示し、参照符合I2は、6mWの励起光強度による信号を示し、参照符合I3は、1mWの励起光強度による信号を示す。図2(b)に示された各スペクトルは、高い方の発光波長520nmにおけるピーク値により規格化されている。励起光強度が大きくなるにつれて、低い方の発光波長470nmにおけるピーク値が大きくなり、また、ブルーシフトも大きくなる。
発光スペクトルではダブルピークが観測されており、励起強度を上げるとピークの強度比が変化する。また、低エネルギ励起におけるピークが高エネルギ励起におけるピークに比べて大きくブルーシフトしている。この理由は、短波長側のピークがピエゾ電界の大きい結晶面上の活性層からの発光であり、これはc面と考えられる。励起強度を上げることでピエゾ電界がスクリーニングされ、発光にブルーシフトが生じた。また、スクリーニングによりバンドの傾きが低減されるので、電子と正孔の結合が強くなり、発光の効率が上がって発光強度が大きくなったと考えられる。逆に、長波長側のピークは、非極性面あるいは半極性面上の活性層からの発光であると考えられる。こちらは元々ピエゾ効果が小さいので、励起光強度を上昇に伴うブルーシフト量が小さくまた発光効率の向上も小さい。
この結果から以下の事項が理解される。低い方の発光波長は、第2のステップの一方の面、例えばc面上に形成された活性層の部分からの光であり、高い方の発光波長は、第2のステップの別の面上に、例えば非極性面または半極性面上に形成された活性層の部分からの光である。
図3は、本実施の形態に係る窒化物系半導体発光素子を作製する方法における主要な工程を示す図面である。図3には、工程フロー100が示されている。工程S101では、半極性面からなる窒化ガリウム系半導体からなる表面を有する基板を準備する。この窒化ガリウム系半導体のc軸は、基板の表面に対して10度以上の角度であることができる。また、この傾斜角度は、80度以下であることができる。基板は、例えばn型GaNからなることができる。
工程S102では、窒化ガリウム系半導体の成長に先立って、基板41の熱処理を行って基板表面の改質を行う。このために基板41を、例えば成長炉43aに配置する。熱処理の雰囲気G0は、例えばアンモニア及び水素を含む。また、熱処理の温度T0は、例えば摂氏1000度以上摂氏1100度以下の範囲である。六方晶系窒化ガリウム系半導体の半極性表面を有する基板41の熱処理によって、改質表面41aを形成する。
この熱処理によって基板表面を再構築し、基板加工時のスクラッチ傷等を埋め、ミクロステップを出現させる。この熱処理の後に、熱処理された基板表面にn型GaN層を成長する。この成長は、c軸方向の成長が促進されるような高温・減圧の条件で行われる。これにより、所望のステップ幅のマクロステップを成長できる。ステップ幅は、成長温度や圧力と、成長時間或いは成長膜厚とによって、ある程度制御できる。
改質表面41aは、図4(a)に模式的に示されるように、複数のステップ45を含み、ステップ45は配列されている。ステップ45の代表的な幅はシンボルL1で示される。第1のステップ45の各々は、熱処理の前の表面の法線(図4(a)におけるベクトルNの方向)に対して傾斜した第1及び第2の面45a、45bを有する。第1及び第2の面45a、45bは異なる結晶面からなる。
工程S103では、改質表面41a上に、窒化ガリウム系半導体領域を成長する。この成長は、改質のための熱処理に引き続いて、成長炉43aを用いて行われる。この成長は、例えば有機金属気相成長法等である。原料には、例えばトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)、アンモニア(NH)、シラン(SiH)、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CPMg)を用いることができる。窒化ガリウム系半導体領域の形成のために、一又は複数の第1導電型窒化ガリウム系半導体層が成長される。窒化ガリウム系半導体領域は、例えば以下のように行われる。引き続く説明では、改質表面のミクロステップからステップサイズが成長してマクロステップが形成される様子を示すために、窒化ガリウム系半導体領域の成長をいくつかのサブ工程によって行われるように説明するけれども、既に説明された実施例1からも明らかなように、活性層に先立つ窒化ガリウム系半導体領域の成長を単一の成長工程で行うことができる。なお、所望の回数の窒化ガリウム系半導体堆積を行って、改質表面上のステップの配列を成長させて、所望の幅のステップを形成することもできる。
まず、原料ガスG1を成長炉43aに供給して、窒化ガリウム系半導体領域の堆積を行う。この堆積によって、改質表面のミクロステップが、窒化ガリウム系半導体領域の表面のマクロステップに成長させる。窒化ガリウム系半導体層は例えばn型GaNから成る。原料ガスG1は、例えばTMG、アンモニア及びシランを含む。成長温度T1は、例えば摂氏1150度以上であることが好ましい。また成長温度T1は、例えば摂氏1250度以下であることが好ましい。炉内圧力は、例えば5kPa以上であることが好ましい。また、炉内圧力は、例えば80kPa以下であることが好ましい。
本工程の条件は、これまでに比べて、成長温度T1が高温であること、また炉内圧力が低圧であることである。これにより、c軸方向の成長が促進されてc面のステップが次第に大きくなるので、所望の幅のステップを形成できる。また、本工程における窒化ガリウム系半導体層の成長時間は長く、その膜厚が大きい。成長時間または膜厚は、十分なステップ幅を持ったマクロステップを形成できるように調整される。また、その成長時間によりステップ幅を制御できる。
窒化ガリウム系半導体47の堆積によって、図4(b)に模式的に示されるように、窒化ガリウム系半導体47の表面にもステップ49が形成される。ステップ49の各々は、熱処理の前の表面の法線に対して傾斜した第1及び第2の面49a、49bを有する。第1及び第2の面49a、49bは、異なる結晶面からなる。ステップ49の代表的な幅はシンボルL2で示されており、幅L2は幅L1より大きい。
窒化ガリウム系半導体51の堆積によって、図5(a)に模式的に示されるように、窒化ガリウム系半導体51の表面にもステップ53が形成される。ステップ53の各々は、熱処理の前の表面の法線に対して傾斜した第1及び第2の面53a、53bを有する。第1及び第2の面53a、53bは、異なる結晶面からなる。ステップ53の代表的な幅はシンボルL3で示されており、幅L3は幅L2より大きい。
窒化ガリウム系半導体55の堆積によって、図5(b)に模式的に示されるように、窒化ガリウム系半導体55の表面にもステップ57が形成される。ステップ57の各々は、熱処理の前の表面の法線に対して傾斜した第1及び第2の面57a、57bを有する。第1及び第2の面57a、57bは、異なる結晶面からなる。ステップ57の代表的な幅はシンボルL4で示されており、幅L4は幅L3より大きい。
窒化ガリウム系半導体59の堆積によって、図6に模式的に示されるように、窒化ガリウム系半導体59の表面にマクロステップ61が形成される。マクロステップ61の各々は、熱処理の前の表面の法線に対して傾斜した第1及び第2の面61a、61bを有する。第1及び第2の面61a、61bは、異なる結晶面からなる。ステップ61の代表的な幅はシンボルL5で示されており、幅L5は幅L4より大きい。
以上説明したように、改質した窒化ガリウム系半導体表面上に、厚く窒化ガリウム系半導体堆積を行って、改質表面上のステップの配列及びサイズを成長させて、所望の幅のステップを形成する。隣接するステップのファセット面から、窒化ガリウム系半導体堆積によって、より大きなサイズのファセット面が生成される。なお、理解を容易にするために、図4(a)〜図6の各々では同じ幅のステップの配列が描かれているが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。さらに、各マクロステップは、代表的な面として、a面及びm面の少なくともいずれかの面とc面とを含んでおり、本実施の形態はこれに限定されるものではない。さらに、各マクロステップは、別の高指数面からなるステップ面を含むことができる。
図6に示されるマクロステップ61では、第1及び第2の面61a、61bは、改質処理前の基板表面に対する法線ベクトルNに対して傾斜しており、また互いに異なる結晶面からなる。例えば、第1の面61aは、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc面であると共に、第2の面61bは、六方晶系窒化ガリウム系半導体のa面及びm面のいずれかであることができる。マクロステップ61の幅は1マイクロメートル以上であることができる。発明者らの様々な実験によれば、マクロステップの幅として、1〜10マイクロメートル程度のものが得られた。全体のPLスペクトルは多数のマクロステップの配列によって規定される。
本実施例では、工程S103によって、改質表面41a上に、窒化ガリウム系半導体領域63が形成された。続けて、工程S104において、図7に示されるように、窒化ガリウム系半導体領域63の表面のステップ上に、活性層65を成長する。活性層65は、窒化ガリウム系半導体領域63のステップ面61a、61bの各々の上に成長される。ステップ面61a、61bの面方位に応じて、成長される活性層内の構造も変わる。故に、既に説明されたように、フォトルミネッセンススペクトルに複数のピークが現れる。
本実施の形態の作製方法によれば、基板41の改質表面41aが、六方晶系窒化ガリウム系半導体の半極性表面を熱処理することによって形成される。この改質表面41aのステップの一方の面は六方晶系窒化ガリウム系半導体のc面であると共に、他方の面は六方晶系窒化ガリウム系半導体のa面及びm面のいずれかである。この改質表面41a上に成長された第1導電型窒化ガリウム系半導体領域63の表面にはステップの配列が形成される。この表面上に活性層65が成長されるので、活性層65は下地のステップの第1及び第2の面61a、61b上にそれぞれ成長された第1及び第2の部分65a、65bを含む。活性層の第1及び第2の部分65a、65bは、それぞれ、異なる発光波長の光を発生可能な第1及び第2の構造を有する。活性層65の発光波長は、400nm以上550nm以下の範囲であり、その発光スペクトルは、この波長範囲において少なくとも2つのピーク波長を含む。フォトルミネッセンススペクトルは、第1及び第2の面61a、61b上にそれぞれ成長された活性層部分からの光に応じた複数のピークを有する。
工程S105では、活性層65上に、第2導電型窒化ガリウム系半導体領域67を形成する。窒化ガリウム系半導体領域67は、例えば電子ブロック層、クラッド層及びコンタクト層を含むことができる。これらの工程により、図8に示されるように、エピタキシャルウエハE1が形成された。エピタキシャルウエハE1は、基板41と、第1導電型窒化ガリウム系半導体領域63と、活性層65と、第2導電型窒化ガリウム系半導体領域67とを備える。
工程S106では、第2導電型窒化ガリウム系半導体領域67上にアノードを形成する共に、基板41の裏面にカソードを形成する。
(実施例2)
図9は、GaN基板の改質処理を説明するための図面である。オフ角0.3度、m軸方向にオフ角18度、及びm軸方向にオフ角28度を有するGaN基板を準備した。これらの基板を有機金属気相成長炉に設置した後に、改質処理を行った。改質処理の条件として
改質温度:摂氏1050度
改質ガス:TMG、NH,H,N
改質時間:10分
を用いた。
基板熱処理後の改質基板にRHEED測定を行った。測定において、<11−20>方向及び<1−100>方向に電子線を入射させた。図9に示されるように、m軸方向にオフ角18度のGaN基板では、GaNのc軸方向の格子定数の10倍の周期構造P18が改質表面に観測された。また、m軸方向にオフ角28度のGaN基板では、GaNのc軸方向の格子定数の7倍の周期構造P28が改質表面に観測された。いずれの場合にも、基板熱処理後には、GaNの格子定数の10倍前後(数nm)のミクロステップが形成された。RHEED測定の測定エリアの概略面積は10−4cm程度である。
以上説明したように、活性層の下地として用いられる窒化ガリウム系半導体領域表面のマクロステップの両側には、それぞれ、GaNとInGaNの格子定数の差による圧電効果の大きいc面と、圧電効果の無い非極性面とが成長されている。故に、単一のウエハ上でc面と非極性面の特徴を両立させることができる。
c面基板を用いたGaN成長では、GaNはc軸方向に成長し、m面及びa面基板を用いたGaN成長では、それぞれ、GaNはm軸方向及びa軸方向に成長する。このため、GaN結晶の表面は、基板の面方位によって特定される特徴のみを有する。また、小さいオフ角(1度から10度)の基板では、c面の特徴が支配的である。大きいオフ角(80度から90度)の基板では、a面またはm面の特徴が支配的である。しかしながら、本実施の形態では、所定のオフ角の範囲の半極性面の基板上に、例えば極性面及び非極性面の特徴を併せ持ったエピタキシャル成長が可能となる。また、極性面及び非極性面の面積割合は基板表面のオフ角によって制御可能である。したがって、応用上では、青から緑系の様々な色味を実現できる発光素子の作成が可能となる。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1は、本実施の形態に係る窒化物系半導体発光素子を模式的に示す図面である。 図2は、一実施例の発光素子のためのエピタキシャルウエハにおいて測定されたフォトルミネッセンススペクトルを示す図面である。 図3は、本実施の形態に係る窒化物系半導体発光素子を作製する方法における主要な工程を示す図面である。 図4は、ミクロステップの形成を示す図面である。 図5は、ステップサイズの変化を示す図面である。 図6は、マクロステップの形成を示す図面である。 図7は、活性層の形成を示す図面である。 図8は、エピタキシャルウエハの構造を示す図面である。 図9は、実施例におけるGaN基板の改質処理を説明するための図面である。
符号の説明
11…窒化物系半導体発光素子、13…支持基体、13a…六方晶系窒化ガリウム系半導体表面、13b…支持基体裏面、15…第1の窒化ガリウム系半導体領域、17…活性層、17a、17b…活性層の部分、19…第2の窒化ガリウム系半導体領域、21…第1のステップ、21a…第1の面、21b…第2の面、23a…井戸層、23b…障壁層、25…第2のステップ、25a…第1の面、25b…第2の面、41…基板、41a…改質表面、43a…成長炉、45…第1のステップ、45a、45b…第1のステップの第1及び第2の面、47…窒化ガリウム系半導体、49…ステップ、49a、49b…ステップの第1及び第2の面、51…窒化ガリウム系半導体、53…ステップ、53a、53b…ステップの第1及び第2の面、55…窒化ガリウム系半導体、57…ステップ、57a、57b…ステップの第1及び第2の面、59…窒化ガリウム系半導体、61…マクロステップ、61a、61b…マクロステップの第1及び第2の面、63…窒化ガリウム系半導体領域、65…活性層、65a、65b…活性層の第1及び第2の部分、67…第2導電型窒化ガリウム系半導体領域、E1…エピタキシャルウエハ

Claims (9)

  1. 窒化物系半導体発光素子を作製する方法であって、
    所定の基準平面に沿って延びる六方晶系窒化ガリウム系半導体の表面を有する基板を熱処理して、第1の方向に配列された複数の第1のステップを含む改質表面を形成する工程と、
    前記改質表面上に、一又は複数の第1導電型窒化ガリウム系半導体層を含む窒化ガリウム系半導体領域を形成する工程と、
    前記窒化ガリウム系半導体領域の表面上に、窒化ガリウム系半導体からなる活性層を形成する工程と、
    前記活性層上に第2導電型窒化ガリウム系半導体層を形成する工程と
    を備え、
    前記第1のステップの各々は、第1及び第2の面を有しており、
    前記第1のステップの前記第1の面は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のc面であると共に、前記第1のステップの前記第2の面は、六方晶系窒化ガリウム系半導体のa面及びm面のいずれかであり、
    前記窒化ガリウム系半導体領域の前記表面は、前記第1の方向に配列された複数の第2のステップを有しており、
    前記第2のステップの各々は、第1及び第2の面を有しており、
    前記活性層は、前記第2のステップの前記第1及び第2の面の各々上に成長され、
    前記活性層の発光スペクトルは、波長範囲内に少なくとも2つのピーク波長を含み、
    前記波長範囲は、400nm以上550nm以下である、ことを特徴とする方法。
  2. 前記六方晶系窒化ガリウム系半導体の前記表面は半極性を示す、ことを特徴とする請求項1に記載された方法。
  3. 前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸と前記所定の基準平面に直交する所定の軸との傾斜角度は、10度以上であり、80度以下である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された方法。
  4. 前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸の傾斜方向は、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸からm軸への方向である、ことを特徴とする請求項3に記載された方法。
  5. 前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸の傾斜方向は、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸からa軸への方向である、ことを特徴とする請求項3に記載された方法。
  6. 前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸の傾斜方向は、前記六方晶系窒化ガリウム系半導体のa軸及びm軸いずれかの方向を中心に−15度から+15度の範囲である、ことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載された方法。
  7. 前記第2のステップの幅は1マイクロメートル以上である、ことを特徴とする請求項1請求項6のいずれか一項に記載された方法。
  8. 前記窒化ガリウム系半導体領域を成長する際の炉内圧力は、5kPa以上80kPa以下の範囲内である、ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載された方法。
  9. 前記窒化ガリウム系半導体領域を成長する際の成長温度は、摂氏1150度以上摂氏1250度以下の範囲内である、ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載された方法。
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