JP4760753B2 - 薄型複合素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜サーミスタと薄膜バリスタを有する薄型複合素子及びその製造方法に関するものである。
従来、負特性サーミスタでは、人体モデル(直列抵抗1.5kΩを介しての100pFからの放電)において15kVを超えるESD(Electro Static Discharge)が加わった場合、数%〜数十%の抵抗値の変動が生じる場合があり、必ずしも信頼性が十分ではなかった。この点を改善するために、負特性を有する半導体セラミックスからなる負特性サーミスタ素子と、バリスタ特性を有する半導体セラミックスからなるバリスタ素子とが、内部電極を介して積層一体化された積層複合素子を備え、負特性サーミスタ素子とバリスタ素子とが電気的に並列に接続されるように積層複合素子に外部電極を配設した、負特性サーミスタ装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
この負特性サーミスタ装置の積層複合素子は、負特性を有する半導体セラミックス原料をシート状に成形した負特性サーミスタ素子形成用の所定枚数のグリーンシートであって、所定のものには内部電極パターンが配設されたグリーンシートと、バリスタ特性を有する半導体セラミックスをシート状に成形したバリスタ素子形成用の所定枚数のグリーンシートであって、所定のものには内部電極パターンが配設されたグリーンシートを一体に積層して積層体を形成した後、この積層体を焼成して、負特性サーミスタ素子とバリスタ素子が、内部電極を介して積層一体化して形成される。この負特性サーミスタ装置によれば、製造コストの増大を招くことなく、携帯機器の小型化に対応することが可能で、ESDに強く、小型で信頼性が高くなる。
特開2002−252103(請求項1、[0004]、要約)
特許文献1に示される負特性サーミスタ装置は、セラミックグリーンシートの積層体を一体的に焼結したバルク構造であるため、サーミスタ素子の熱容量が大きく、熱応答性が低い欠点があった。またこの装置は小型化したとは言え、バルク構造であるため、小型化の程度は未だ十分ではない。
本発明の目的は、サーミスタ及びバリスタをそれぞれ薄膜で構成して1チップ化することにより、ESDに強く、薄くて小型の高速熱応答性の高い薄型複合素子及びその製造方法を提供することにある。
本願請求項1に係る発明は、図1及び図2に示すように、絶縁基板11上に形成された薄膜バリスタ12と、この薄膜バリスタ12上に形成された導電層からなる相対向する一対の櫛型電極13,14と、この一対の櫛型電極13,14を跨いでかつ一対の櫛型電極の各基部が露出するように上記薄膜バリスタ12及び電極13,14を被覆する薄膜サーミスタ16と、この一対の櫛型電極13,14の一方の露出した基部と電気的に接続するように上記薄膜バリスタ12の形成されていない絶縁基板11上に形成された第1引出電極17と、一対の櫛型電極13,14の他方の露出した基部と電気的に接続するように上記薄膜バリスタ12の形成されていない絶縁基板11上に形成された第2引出電極18と、これらの第1及び第2引出電極17,18における引出線を接続するためのパッド部17c,18cを除いた基板上のすべての素子12,13,14,16を被覆する保護膜19とを備えた薄型複合素子10である。
本願請求項5に係る発明は、図4に示すように、絶縁基板21上に形成された薄膜サーミスタ22と、この薄膜サーミスタ22上に形成された導電層からなる相対向する一対の櫛型電極23,24と、この一対の櫛型電極23,24を跨いでかつ一対の櫛型電極の各基部が露出するように上記薄膜サーミスタ22及び電極23,24を被覆する薄膜バリスタ26と、この一対の櫛型電極23,24の一方の露出した基部と電気的に接続するように上記薄膜サーミスタ22の形成されていない絶縁基板21上に形成された第3引出電極27と、一対の櫛型電極23,24の他方の露出した基部と電気的に接続するように上記薄膜サーミスタ22の形成されていない絶縁基板21上に形成された第4引出電極28と、これらの第3及び第4引出電極27,28における引出線を接続するためのパッド部27c,28cを除いた基板上のすべての素子22,23,24,26を被覆する保護膜29とを備えた薄型複合素子20である。
本願請求項9に係る発明は、図1及び図2に示すように、絶縁基板11上に所定のパターンで薄膜バリスタ12を形成する工程と、この薄膜バリスタ12上に導電層からなる相対向する一対の櫛型電極13,14を形成する工程と、この一対の櫛型電極13,14を跨いでかつ一対の櫛型電極の各基部が露出するように上記薄膜バリスタ12及び電極13,14を薄膜サーミスタ16で被覆する工程と、この一対の櫛型電極13,14の一方の露出した基部と電気的に接続するように上記薄膜バリスタ12の形成されていない絶縁基板11上に第1引出電極17を形成する工程と、この一対の櫛型電極13,14の他方の露出した基部と電気的に接続するように上記薄膜バリスタ12の形成されていない絶縁基板11上に第2引出電極18を形成する工程と、これらの第1及び第2引出電極17,18における引出線を接続するためのパッド部17c,18cを除いた基板上のすべての素子12,13,14,16を保護膜19により被覆する工程とを含む薄型複合素子10の製造方法である。
本願請求項13に係る発明は、図4に示すように、絶縁基板21上に所定のパターンで薄膜サーミスタ22を形成する工程と、この薄膜サーミスタ22上に導電層からなる相対向する一対の櫛型電極23,24を形成する工程と、この一対の櫛型電極23,24を跨いでかつ一対の櫛型電極の各基部が露出するように上記薄膜サーミスタ22及び電極23,24を薄膜バリスタ26で被覆する工程と、この一対の櫛型電極23,24の一方の露出した基部と電気的に接続するように上記薄膜サーミスタ22の形成されていない絶縁基板21上に第3引出電極27を形成する工程と、この一対の櫛型電極23,24の他方の露出した基部と電気的に接続するように上記薄膜サーミスタ22の形成されていない絶縁基板21上に第4引出電極28を形成する工程と、これらの第3及び第4引出電極27,28における引出線を接続するためのパッド部27c,28cを除いた基板上のすべての素子22,23,24,26を保護膜29により被覆する工程とを含む薄型複合素子20の製造方法である。
本願請求項3又は7に係る発明は、請求項1又は5に係る発明であって、絶縁基板11,21が基板上面に絶縁膜11b,21bを有するシリコン基板11a,21aであり、薄膜バリスタ12又は薄膜サーミスタ22の下方に絶縁膜11b、21bを残してシリコン基板11a,21aの空洞又は凹部11c,21cが形成された薄型複合素子10,20である。
本願請求項11又は15に係る発明は、請求項9又は13に係る発明であって、絶縁基板11,21が基板上面に絶縁膜11b,21bを有するシリコン基板11a,21aであって、薄膜バリスタ12又は薄膜サーミスタ22の下方に絶縁膜11b,21bをエッチングストッパとしてエッチングによりシリコン基板11a,21aの空洞又は凹部11c,21cを形成する薄型複合素子10,20の製造方法である。
本願請求項1又は5に係る薄型複合素子では、サーミスタとバリスタとがそれぞれ薄膜であって、薄膜サーミスタと薄膜バリスタとが一対の櫛型電極を共通に利用するため、複合素子を薄型にすることができ、また薄膜サーミスタと薄膜バリスタが櫛型電極を共用しかつ並列接続されるため、この薄型複合素子はESDに強く、かつ高速熱応答性が高い。また薄膜サーミスタと薄膜バリスタとにより櫛型電極を挟む構造であるため両薄膜の電極との接合性が向上する。更に引出線を接続するためのパッド部を除いた基板上のすべての素子を保護膜で被覆するため、サーミスタが直接外部雰囲気に触れない。これにより複合素子が使用される雰囲気の湿度の影響を受けにくく、耐湿性に優れる。
また本願請求項9又は13に係る薄型複合素子の製造方法によれば、上記特長のある薄型複合素子を製造できる。
また本願請求項3又は7に係る薄型複合素子は薄膜バリスタ又は薄膜サーミスタの下方に絶縁膜を残してシリコン基板の空洞又は凹部が形成されるため、薄膜サーミスタがメンブレン構造になり、高速熱応答性が更に高くなる。
更に本願請求項11又は15に係る薄型複合素子の製造方法では、シリコン基板上の絶縁膜をエッチングストッパとして、エッチングによりシリコン基板に空洞又は凹部を容易に形成することができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、本発明の第1実施形態の薄型複合素子10は、絶縁基板11上に薄膜バリスタ12と一対の櫛型電極13,14と薄膜サーミスタ16と第1引出電極17と第2引出電極18と保護膜19を備える。絶縁基板11としては、シリコン基板11aとこの基板上面に形成された絶縁膜11bとを有するものが例示される。絶縁膜付きシリコン基板11は、後述する空洞又は凹部(図5及び図6参照)を絶縁膜の下にエッチングにより形成し易いため、好ましい。その他の絶縁基板としては、ガラス基板、セラミック基板等が挙げられる。基板は厚さ0.1〜0.5mmの範囲から決められる。絶縁膜付きシリコン基板は、シリコン基板を熱酸化することにより、またシリコン基板表面に化学気相成長法により、基板表面に厚さ100〜1000nmのSiO2膜を有するように形成される。
絶縁基板11上に形成される薄膜バリスタ12は、ZnOを主成分としてBi又はPrを含み、更にCo、Sb、Mn、Ni、Cr、Ti、Al等を添加した複合金属酸化物膜であって、ウルツ鉱型の結晶構造を有している。ZnOに対するBi、Pr、Co、Sb、Mn、Ni、Cr、Ti、Al等の添加含有量は所望のバリスタ特性に応じて決められる。薄膜バリスタ12は絶縁基板11の基板上面中心部にスパッタリング法により形成される。この薄膜バリスタ12の厚さは所望の特性に応じて100〜1000nmの範囲から決められる。この薄膜バリスタ12上には、薄膜バリスタより小面積で、Au、Pt等の導電層からなる相対向する一対の櫛型電極13,14が形成される。
薄膜バリスタ12及び一対の櫛型電極13,14上には薄膜サーミスタ16が形成される。薄膜サーミスタ16は薄膜バリスタ12より小面積であって、一対の櫛型電極13,14を跨いでかつ一対の櫛型電極の各基部が露出するように薄膜バリスタ12及び電極13,14を被覆する。薄膜サーミスタは、Mn−Co系複合金属酸化物(MnxCo1-x)34、又はMn−Co系複合金属酸化物にNi、Fe、Cu及びAlからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む複合金属酸化物(例えば、(MnxCoyNi1-x-y)34からなる複合金属酸化物である。この複合金属酸化物はスピネル型結晶構造を有し、膜厚方向に延在する柱状結晶構造を有している。Mn、Co、Ni、Fe、Cu、Al等の組成比はサーミスタの所望の特性に応じて決められる。この薄膜サーミスタ16の厚さは所望の特性に応じて100〜1000nmの範囲から決められる。
薄膜サーミスタで被覆されていない櫛型電極13,14の各基部と薄膜バリスタ12の部分には第1及び第2引出電極17,18の各一端が電気的に接続される。これらの引出電極17,18の各他端は薄膜バリスタ12の形成されていない絶縁基板11上に形成される。第1及び第2引出電極17,18は、絶縁基板上に成膜されたCr、Ti等の接合層17a,18aと、この接合層上に接合層と同形同大に成膜されたAu、Pt等の導電層17b,18bとにより構成される。接合層は導電層の下地電極として導電層の櫛型電極等への接合度を高める機能を有する。更にこれらの第1及び第2引出電極17,18におけるリード線等の引出線(図示せず)を接続するためのパッド部17c,18cを除いた基板上のすべての素子、即ち薄膜バリスタ12,櫛型電極13,14,及び薄膜サーミスタ16は、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(Si34)等の保護膜19により被覆される。これにより総厚0.1〜0.5mmのたて0.4〜1mm、よこ0.2〜0.5mmの薄型複合素子10が得られる。
<第2の実施の形態>
図4に示すように、本発明の第2実施形態の薄型複合素子20は、絶縁基板21上に薄膜サーミスタ22と一対の櫛型電極23,24と薄膜バリスタ26と第3引出電極27と第4引出電極28と保護膜29を備える。絶縁基板21としては、シリコン基板21aとこの基板上面に形成された絶縁膜21bとを有するものが例示される。絶縁膜付きシリコン基板21は、後述する空洞又は凹部(図5及び図6参照)を絶縁膜の下にエッチングにより形成し易いため、好ましい。絶縁基板の厚さ、種類及び絶縁膜付きシリコン基板の製造方法は第1の実施形態と同じである。
絶縁基板21上に形成される薄膜サーミスタ22の組成は、第1の実施形態の薄膜サーミスタ16の組成と同じであり、薄膜サーミスタ22の形状、大きさ、配置は、第1の実施形態の薄膜バリスタ12の形状、大きさ、配置と同じである。同様に一対の櫛型電極23,24の組成、形状、大きさ、配置は一対の櫛型電極13,14の組成、形状、大きさ、配置と同じである。薄膜バリスタ26の組成は、第1の実施形態の薄膜バリスタ12の組成と同じであり、薄膜バリスタ26の形状、大きさ、配置は、第1の実施形態の薄膜サーミスタ16の形状、大きさ、配置と同じである。第3及び第4引出電極27,28の組成、形状、大きさ、配置は、第1の実施形態の第1及び第2引出電極17,18の形状、大きさ、配置と同じである。更に保護膜29の組成、形状、大きさ、配置は、第1の実施形態の保護膜19の形状、大きさ、配置と同じである。これにより総厚0.1〜0.5mmのたて0.4〜1mm、よこ0.2〜0.5mmの薄型複合素子20が得られる。
<第3の実施の形態>
図5に示すように、本発明の第3実施形態の薄型複合素子10は、第1の実施形態の薄型複合素子10の薄膜バリスタ12の下方に絶縁膜11bを残してシリコン基板11aの凹部11cが形成される。図示しないが、凹部11cの代わりに空洞でもよい。
<第4の実施の形態>
図6に示すように、本発明の第4実施形態の薄型複合素子20は、第2の実施形態の薄型複合素子20の薄膜サーミスタ22の下方に絶縁膜21bを残してシリコン基板21aの凹部21cが形成される。図示しないが、凹部21cの代わりに空洞でもよい。
次に本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
図1及び図2に示される薄型複合素子の製造方法を説明する。先ず図3(a)に示すように、熱酸化法により、厚さ0.25mmのシリコン基板11aに層厚500nmのSiO2層11bを形成する。このSiO2層11bの上面全体にZnO:98.6mol%、Bi23:0.2mol%、Sb25:0.1mol%、CoO:0.5mol%、MnO2:0.2mol%、Cr23:0.2mol%、NiO:0.2mol%を含む薄膜を膜厚が500nmとなるようにスパッタリング法によって形成する。この薄膜の全面に感光性樹脂を形成し、所定のフォトマスクを用いて、露光し、現像処理を行い、感光性樹脂をパターニングする。その感光性樹脂をマスクとし、リフトオフ法により薄膜を所望の形状にパターニングする。この基板を900℃で2時間熱処理することにより、図3(b)に示すように、バリスタ電圧が安定した信頼性の高い薄膜バリスタ12を得る。
次いで薄膜バリスタ12及びSiO2層11bの全面に電極を形成するためのAu薄膜を、膜厚が200nmとなるようにスパッタリング法によって形成する。Au薄膜の全面に感光性樹脂を形成し、所定のフォトマスクを用いて、露光し、現像処理を行い、感光性樹脂をパターニングする。その感光性樹脂をマスクとし、ヨウ素ヨウ化カリウム溶液を用いたウエットエッチングによりAu薄膜をパターニングし、図3(c)に示すように、導電膜からなる所望の一対の櫛型電極13,14を得る。
次に櫛型電極の形成された基板上面全体に(Mn0.4Co0.6)34のスピネル構造の薄膜を膜厚が500nmとなるようにスパッタリング法によって形成する。この薄膜の全面に感光性樹脂を形成し、所定のフォトマスクを用いて、露光し、現像処理を行い、感光性樹脂をパターニングする。その感光性樹脂をマスクとし、希塩酸溶液を用いたウエットエッチングによりこの薄膜を所望の形状にパターニングする。この基板を600℃で1時間熱処理し、図3(d)に示すように、抵抗値及びB定数の信頼性の高い薄膜サーミスタ16を得る。
次に薄膜サーミスタ16及びSiO2層11bの全面に接合層となる下地電極を形成するためのCr薄膜を膜厚が100nmとなるようにスパッタリング法によって形成する。続けてこのCr薄膜全面に導電層となるAu薄膜を膜厚が200nmとなるようにスパッタリング法により形成する。Au薄膜の全面に感光性樹脂を形成し、所定のフォトマスクを用いて、露光し、現像処理を行い、感光性樹脂をパターニングする。その感光性樹脂をマスクとし、ヨウ素ヨウ化カリウム溶液を用いたウエットエッチングによりAu薄膜をパターニングし、所望の形状の導電層を得る。続けて、硝酸セリウムアンモニウム溶液を用いたウエットエッチングにより、下地電極となるCr薄膜をAu薄膜と同構造にパターニングし、薄膜バリスタ上にて、図3(e)に示すように、一対の櫛型電極13,14の基部と電気的に接続した引出電極17,18を得る。
更に基板全面にSiO2薄膜を膜厚が600nmとなるようにスパッタリング法により形成する。SiO2薄膜の全面に感光性樹脂を形成し、所定のフォトマスクを用いて、露光し、現像処理を行い、感光性樹脂をパターニングする。その感光性樹脂をマスクとし、フッ酸を用いたウエットエッチングによりSiO2薄膜をパターニングし、図3(f)に示すように、リード線等の引出し線を接続するパッド部17c,18cのみを露出させる。これにより総厚0.25mmのたて1.0mm、よこ0.5mmの薄型複合素子10が得られる。
以上、単一の複合素子の製造方法について述べたが、複合素子を量産するときには、1枚のシリコン基板上に多数のバリスタ機能付き薄膜サーミスタを形成し、その基板を切断により個々のバリスタ機能付き薄膜サーミスタの薄型複合素子を得る。
<実施例2>
図5に示される薄型複合素子の製造方法を説明する。図3(f)に示される複合素子を裏返した後、図7(a)に示すように基板中心部にSiO2層11dを取り除いた四角形の窓31を形成する。このシリコン基板11aには上面にSiO2層11bが下面にSiO2層11dが形成されている。この窓31は、窓となる部分以外のSiO2層11dを感光性樹脂でマスクし、フッ酸を用いたウエットエッチングによりSiO2層11dをパターニングすることにより、形成される。続いて、上記感光性樹脂をマスクとし、水酸化テトラメチルアンモニア水溶液(TMAH)を用いたウエットエッチングにより薄膜バリスタの下部(図7では上部)に相当するシリコン基板11aの一部をエッチングし、図7(b)に示すようにメンブレン構造にしたバリスタ機能付き薄膜サーミスタの薄型複合素子を得る。
本発明第1実施形態の薄型複合素子の図3(f)のA−A線断面図である。 本発明第1実施形態の薄型複合素子の分解斜視図である。 本発明第1実施形態の薄型複合素子の製造工程を示す斜視図である。 本発明第2実施形態の図1に対応する薄型複合素子の断面図である。 本発明第3実施形態の図1に対応する薄型複合素子の断面図である。 本発明第4実施形態の図1に対応する薄型複合素子の断面図である。 本発明第3実施形態の薄型複合素子の製造工程を示す斜視図である。
符号の説明
10: 薄型複合素子
11: 絶縁基板
12: 薄膜バリスタ
13,14: 一対の櫛型電極
16: 薄膜サーミスタ
17: 第1引出電極
17a: 接合層
17b: 導電層
17c: パッド部
18: 第2引出電極
18a: 接合層
18b: 導電層
18c: パッド部
19: 保護膜
20: 薄型複合素子
21: 絶縁基板
22: 薄膜サーミスタ
23,24: 一対の櫛型電極
26: 薄膜バリスタ
27: 第3引出電極
27a: 接合層
27b: 導電層
27c: パッド部
28: 第4引出電極
28a: 接合層
28b: 導電層
28c: パッド部
29: 保護膜

Claims (16)

  1. 絶縁基板上に形成された薄膜バリスタと、
    前記薄膜バリスタ上に形成された導電層からなる相対向する一対の櫛型電極と、
    前記一対の櫛型電極を跨いでかつ一対の櫛型電極の各基部が露出するように前記薄膜バリスタ及び前記電極を被覆する薄膜サーミスタと、
    前記一対の櫛型電極の一方の露出した基部と電気的に接続するように前記薄膜バリスタの形成されていない前記絶縁基板上に形成された第1引出電極と、
    前記一対の櫛型電極の他方の露出した基部と電気的に接続するように前記薄膜バリスタの形成されていない前記絶縁基板上に形成された第2引出電極と、
    前記第1及び第2引出電極における引出線を接続するためのパッド部を除いた前記基板上のすべての素子を被覆する保護膜と
    を備えた薄型複合素子。
  2. 絶縁基板が、セラミック基板、ガラス基板又は基板上面に絶縁膜を有するシリコン基板である請求項1記載の薄型複合素子。
  3. 絶縁基板が基板上面に絶縁膜を有するシリコン基板であって、薄膜バリスタの下方に前記絶縁膜を残して前記シリコン基板の空洞又は凹部が形成された請求項1又は2記載の薄型複合素子。
  4. 第1及び第2引出電極が、絶縁基板上に成膜された接合層と前記接合層上に前記接合層と同形同大に成膜された導電層とにより構成された請求項1ないし3いずれか1項に記載の薄型複合素子。
  5. 絶縁基板上に形成された薄膜サーミスタと、
    前記薄膜サーミスタ上に形成された導電層からなる相対向する一対の櫛型電極と、
    前記一対の櫛型電極を跨いでかつ一対の櫛型電極の各基部が露出するように前記薄膜サーミスタ及び前記電極を被覆する薄膜バリスタと、
    前記一対の櫛型電極の一方の露出した基部と電気的に接続するように前記薄膜サーミスタの形成されていない前記絶縁基板上に形成された第3引出電極と、
    前記一対の櫛型電極の他方の露出した基部と電気的に接続するように前記薄膜サーミスタの形成されていない前記絶縁基板上に形成された第4引出電極と、
    前記第3及び第4引出電極における引出線を接続するためのパッド部を除いた前記基板上のすべての素子を被覆する保護膜と
    を備えた薄型複合素子。
  6. 絶縁基板が、セラミック基板、ガラス基板又は基板上面に絶縁膜を有するシリコン基板である請求項5記載の薄型複合素子。
  7. 絶縁基板が基板上面に絶縁膜を有するシリコン基板であって、薄膜サーミスタの下方に前記絶縁膜を残して前記シリコン基板の空洞又は凹部が形成された請求項5又は6記載の薄型複合素子。
  8. 第3及び第4引出電極が、絶縁基板上に成膜された接合層と前記接合層上に前記接合層と同形同大に成膜された導電層とにより構成された請求項5ないし7いずれか1項に記載の薄型複合素子。
  9. 絶縁基板上に所定のパターンで薄膜バリスタを形成する工程と、
    前記薄膜バリスタ上に導電層からなる相対向する一対の櫛型電極を形成する工程と、
    前記一対の櫛型電極を跨いでかつ一対の櫛型電極の各基部が露出するように前記薄膜バリスタ及び前記電極を薄膜サーミスタで被覆する工程と、
    前記一対の櫛型電極の一方の露出した基部と電気的に接続するように前記薄膜バリスタの形成されていない前記絶縁基板上に第1引出電極を形成する工程と、
    前記一対の櫛型電極の他方の露出した基部と電気的に接続するように前記薄膜バリスタの形成されていない前記絶縁基板上に第2引出電極を形成する工程と、
    前記第1及び第2引出電極における引出線を接続するためのパッド部を除いた前記基板上のすべての素子を保護膜により被覆する工程と
    を含む薄型複合素子の製造方法。
  10. 絶縁基板が、セラミック基板、ガラス基板又は基板上面に絶縁膜を有するシリコン基板である請求項9記載の薄型複合素子の製造方法。
  11. 絶縁基板が基板上面に絶縁膜を有するシリコン基板であって、薄膜バリスタの下方に前記絶縁膜をエッチングストッパとしてエッチングにより前記シリコン基板の空洞又は凹部を形成する請求項9又は10記載の薄型複合素子の製造方法。
  12. 第1及び第2引出電極が、絶縁基板上に接合層を成膜した後、前記接合層上に前記接合層と同形同大に導電層を成膜することにより構成される請求項9ないし11いずれか1項に記載の薄型複合素子の製造方法。
  13. 絶縁基板上に所定のパターンで薄膜サーミスタを形成する工程と、
    前記薄膜サーミスタ上に導電層からなる相対向する一対の櫛型電極を形成する工程と、
    前記一対の櫛型電極を跨いでかつ一対の櫛型電極の各基部が露出するように前記薄膜サーミスタ及び前記電極を薄膜バリスタで被覆する工程と、
    前記一対の櫛型電極の一方の露出した基部と電気的に接続するように前記薄膜サーミスタの形成されていない前記絶縁基板上に第3引出電極を形成する工程と、
    前記一対の櫛型電極の他方の露出した基部と電気的に接続するように前記薄膜サーミスタの形成されていない前記絶縁基板上に第4引出電極を形成する工程と、
    前記第3及び第4引出電極における引出線を接続するためのパッド部を除いた前記基板上のすべての素子を保護膜により被覆する工程と
    を含む薄型複合素子の製造方法。
  14. 絶縁基板が、セラミック基板、ガラス基板又は基板上面に絶縁膜を有するシリコン基板である請求項13記載の薄型複合素子の製造方法。
  15. 絶縁基板が基板上面に絶縁膜を有するシリコン基板であって、薄膜サーミスタの下方に前記絶縁膜をエッチングストッパとしてエッチングにより前記シリコン基板の空洞又は凹部を形成する請求項13又は14記載の薄型複合素子の製造方法。
  16. 第3及び第4引出電極が、絶縁基板上に接合層を成膜した後、前記接合層上に前記接合層と同形同大に導電層を成膜することにより構成される請求項13ないし15いずれか1項に記載の薄型複合素子の製造方法。
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