JP4759471B2 - 粉体の空気輸送方法 - Google Patents
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Description
吸引式空気輸送は輸送モードに応じてバッチ式と連続式とに分けることができ、使用される吸引式空気輸送機も輸送モードがバッチ式であるか連続式であるかに応じて構成が若干異なる。
本発明は、この排出ダンパー機構を備えた形式の吸引式空気輸送機(バッチ式吸引式空気輸送機という)を用いた空気輸送方法に関する。
空気輸送の吸引工程では輸送機の吸引室から外部に排出される空気は防塵・固気分離用フィルターによって濾過され、排出ダンパーの開放による粉体排出工程では逆洗機構によりフィルターの内側に圧縮空気パルスを噴射することによりフィルターは逆洗される。
空気輸送機は、更に、本体の吸引室内に配置され、前記吸込管の内側端部の開口を開閉制御する動力駆動フラップ弁機構と、前記出口の上流側において吸引室内に配置され、吸引室から出口へと流出する空気を濾過するためのフィルターと、前記フィルターの内側に配置され、所定のタイミングでフィルターの内側に圧縮空気パルスを噴射してフィルターを逆洗するための逆洗機構と、前記出口と真空源との間に接続され、真空源から吸引室へ印加される真空を遮断する遮断弁とを備えている。
(1)第2容器の上にバッチ式吸引式空気輸送機を配置して、当該空気輸送機の吸込管の外側端部を空気輸送管を介して第1容器からの共通の吸引管に接続すると共に、空気輸送機の遮断弁を真空配管を介して真空源に接続し、
(2)空気輸送機の排出ダンパーを閉じた状態で、遮断弁とフラップ弁を開くことにより、所定時間にわたり第1容器から空気輸送機の吸引室内へと粉体を空気輸送し、
(3)次に、フラップ弁を閉じることにより吸引室への粉体の吸引を停止すると共に、真空源の真空を吸引室に印加し続けることにより吸引室内に高真空を維持し、
(4)次に、遮断弁を閉じることにより吸引室内に高真空を閉じこめ、
(5)次に、逆洗機構を作動させて、高真空下の吸引室に対して圧縮空気パルスを噴射させることにより、フィルターの下流側の圧縮空気パルスの正圧とフィルターの上流側の高真空との間の圧力差を利用して効果的にフィルターを逆洗し、
(6)次に、排出ダンパーを開くことにより吸引室内の粉体を第2容器へと排出させ、
(7)上記(2)〜(6)の工程を繰り返すことを特徴とする。圧縮空気パルスの噴射は吸引室内の圧力が大気圧になるまで繰り返すことができる。
このようにすれば、吸引室内の圧力が大気圧まで回復すると排出ダンパーはその自重と粉体の重量により自動的に開いて粉体を排出する。
空気輸送システム全体を概念的に示す図1を参照するに、この空気輸送システムは一若しくは複数の容器(第1容器)20に収容された粉体22を他の容器(第2容器)24に空気輸送するべく構成されている。第1容器20および第2容器24は任意の容器であることができ、非限定的な例として、第1容器20は粉体製造プラントに配置された粉体製造タンクであり、第2容器24は粉体切り出し機構を備えたホッパーその他の貯蔵容器であり得る。
夫々の空気輸送機26は上側の吸引モジュール28と下側のダンパーモジュール30とで構成されており、両者は適宜数のバックル装置32によって分離可能に結合されている。
夫々の空気輸送機26の吸引モジュール28はその吸引室内に延長する吸込管34を備え、各吸込管34の外側端部は分岐配管36を介して2台の空気輸送機26に共通の空気輸送管38に接続されている。空気輸送管38の上流側端部は第1容器20内に配置した吸引ノズル40に接続することができる。第1容器20がホッパーからなる場合には、空気輸送管38の上流側端部はホッパーの出口に接続することができる。
夫々の空気輸送機26のダンパーモジュール30は図3を参照にしながら後述する排出ダンパー機構を備え、排出ダンパーを開いた時に内部の粉体が第2容器24内に落下するような関係で第2容器24上に設置されている。
吸込管34は本体50を貫通してその吸引室52内に突出しており、吸込管34の内側端部はエア駆動型フラップ弁機構54によって開閉されるようになっている。
フラップ弁機構54は、溶接又はボルト止めなどにより吸込管34に固定されたブラケット56と、このブラケットに固定した90度揺動型のエア駆動型ロータリアクチュエータ58と、このアクチュエータの出力軸に固定した揺動アーム60と、この揺動アームに装着したフラップ弁体62で構成することができる。フラップ弁体62の端面はゴムのライニングで被覆してあり、吸込管34の内側端部を密閉するようになっている。
エア駆動型ロータリアクチュエータ58は、エアコンプレッサのような圧縮空気源70からの圧縮空気によって駆動されるもので、圧縮空気の供給は2台の空気輸送機26に共通のプログラム可能な制御装置64により制御される電磁弁66によって制御される。
バッグフィルター72は吸引モジュール28の上蓋42に装着した穿孔板などからなるフレーム76によって支持されている。バッグフィルター72に代えて、ペーパフィルター、焼結金属フィルター、セラミックフィルター、その他任意の形式のフィルターを使用することができる。
逆洗機構74は、例えば、上蓋42に支持された圧縮空気タンク78とエアシリンダ装置80とで構成することができる。エアシリンダ装置80はシリンダに装着されたピストン82とチェック弁84を備え、ピストン82が下降した時には圧縮空気ホース86からの圧縮空気が圧縮空気タンク78に充填され、図4に示したようにピストン82が上昇した時には圧縮空気タンク78の入口が開放されて圧縮空気タンク78内の圧縮空気が矢印88で示したようにバッグフィルター72の内側に噴射され、バッグフィルター72を逆洗するようになっている。
エアシリンダ装置80への圧縮空気は制御装置64により制御される電磁弁90によって制御される。
図2および図3を参照するに、ダンパーモジュール30は従来型のもので、ホッパー92とその下部出口開口を開閉する排出ダンパー機構94を備えている。
図3から良く分かるように、排出ダンパー機構94は、ホッパー92の出口開口を密閉可能な排出ダンパー96と、排出ダンパー96を上方に揺動させるためのローラー付き揺動アーム98と、この揺動アーム98を駆動する揺動ベーン型の空気力式アクチュエータ100を有する。ホッパー92と排出ダンパー96との間はエラストマー製のシールリング102によってシールされる。アクチュエータ100も制御装置64によ電磁弁90を介してり制御される。
真空ポンプ48とエアコンプレッサ70を作動させ、#2輸送機の遮断弁44を閉、フラップ弁62を閉、排出ダンパー96を開にし、かつ、#1輸送機の排出ダンパー96を閉にした状態で、#1輸送機の遮断弁44とフラップ弁62を開く。これにより、第1容器20内の粉体は、吸引ノズル40および空気輸送管38を介して#1輸送機の吸引室52内へと吸引される(#1吸引工程、#2排出工程)。
粉体の吸引は、“プラグ輸送”又は“柱状輸送”と呼ばれる高真空・高濃度輸送が実現される高真空下、好ましくは平均約−30kPaよりも強い真空下、より好ましくは平均約−50kPaよりも強い真空下で行う。
#1輸送機へと空気輸送された粉体はダンパーモジュール30に溜まる。
エア駆動型ロータリアクチュエータ58によって駆動されるフラップ弁62は高真空下でも確実かつ迅速に開弁するので、#2輸送機のフラップ弁62を開弁させるにあたり空気輸送管38を真空破壊する必要がない。
#2輸送機のフラップ弁62を開に切り換えたことにより、#1輸送機および#2輸送機の双方の吸引室52に真空が印加され、#1輸送機および#2輸送機の双方が同時に第1容器20から粉体を吸引し始める(双方同時運転)。
真空ポンプ48は1つであるから、双方同時運転時には各輸送機の搬送量は半分になるが、輸送管38全体の流量や吸引ノズル40の流量は落ちることがない。従って、高濃度輸送のメリットは享受し続ける。
2台の輸送機26が同時に作動しているので、輸送管38内には高真空が維持され、双方の輸送機26の吸引室52内には高真空が維持される。
しかし、この時点では既に#2輸送機が作動しており、前述したように輸送管38全体はなお高真空下にあるので、#1輸送機のフラップ弁62が開いたまゝで#1輸送機の遮断弁44を閉じても、輸送管38内の高真空は#1輸送機の吸引室52内に反映され、#1輸送機の吸引室52は高真空下に維持される。
こうして、#1輸送機の吸引室52内には高真空が閉じ込められる。
エアパルスは高真空下の吸引室52に向かって発射されるので、バッグフィルター72の内外の圧力差(△P)が高い。従って、バッグフィルターの逆洗は極めて効果的に行われる。
エアパルスの発射は複数回(例えば、5回)行うことができる。エアパルスを発射する度に、#1輸送機の吸引室52内の圧力は次第に大気圧に近づく。
このようにして、輸送管38内の真空を実質的に破壊することなく、従って、プラグ輸送又は柱状輸送を持続させながら2台の空気輸送機26を交互に作動させるので、大きな輸送能力が発揮される。
この場合には、空気輸送機の作動のシーケンスは以下のようにすることができる。
−次に、フラップ弁62を閉じることにより吸引室52への粉体の吸引を停止すると共に、真空源48の真空を吸引室に印加し続けることにより吸引室52内に高真空を維持する。
−次に、遮断弁44を閉じることにより吸引室52内に高真空を閉じ込める。
−次に、逆洗機構74を作動させて、高真空下の吸引室52に対して圧縮空気パルスを噴射させることにより、フィルター72を逆洗する。
−次に、排出ダンパー96を開くことにより粉体を第2容器24へと排出させる。
−上記の操作を繰り返す。
34: 吸込管
38: 空気輸送管
44: 遮断弁
48: 真空源
50: 輸送機の本体
52: 吸引室
54: フラップ弁機構
68: 本体の空気出口
72: フィルター
74: 逆洗機構
94: 排出ダンパー機構
特許出願人 株式会社 ワイ・エム・エス
代理人 弁理士 伊藤 宏
Claims (1)
- 第1容器に収容された粉体をバッチ式吸引式空気輸送機を用いて第2容器へと空気輸送する方法であって、
前記空気輸送機は:吸引室を画成する本体であって、内側端部が前記吸引室内に延び外側端部に空気輸送管が接続される吸込管と、真空源に接続される空気出口と、吸引室内の圧力が大気圧に近づくと自重と粉体の重量により自動的に開いて吸引室内の粉体を所定のタイミングで排出する排出ダンパー機構とを備えた本体と;本体の前記吸引室内に配置され、前記吸込管の内側端部の開口を開閉制御する動力駆動フラップ弁機構と;前記出口の上流側において吸引室内に配置され、吸引室から出口へと流出する空気を濾過するためのフィルターと;前記フィルターの内側に配置され、所定のタイミングでフィルターの内側に圧縮空気パルスを噴射してフィルターを逆洗するための逆洗機構と;前記出口と真空源との間に接続され、真空源から吸引室へ印加される真空を遮断する遮断弁とを備え;
前記空気輸送方法は:
(1)第2容器の上に前記バッチ式吸引式空気輸送機を配置して、当該空気輸送機の吸込管の外側端部を空気輸送管を介して第1容器からの共通の吸引管に接続すると共に、空気輸送機の遮断弁を真空配管を介して真空源に接続し、
(2)空気輸送機の排出ダンパーを閉じた状態で、遮断弁とフラップ弁を開くことにより、所定時間にわたり第1容器から空気輸送機の吸引室内へと粉体を空気輸送し、
(3)次に、フラップ弁を閉じることにより吸引室への粉体の吸引を停止すると共に、真空源の真空を吸引室に印加し続けることにより吸引室内に高真空を維持し、
(4)次に、遮断弁を閉じることにより吸引室内に高真空を閉じこめ、
(5)次に、逆洗機構を作動させて、高真空下の吸引室に対して圧縮空気パルスを噴射させることにより、フィルターの下流側の圧縮空気パルスの正圧とフィルターの上流側の高真空との間の圧力差を利用して効果的にフィルターを逆洗し、
(6)次に、排出ダンパーを開くことにより吸引室内の粉体を第2容器へと排出させ、
(7)上記(2)〜(6)の工程を繰り返すことを特徴とし、
前記逆洗工程(5)においては吸引室内の圧力が大気圧になるまで圧縮空気パルスの噴射を繰り返すことを特徴とする空気輸送方法。
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