JP5420220B2 - ダブルダンパー型連続吸引式空気輸送装置 - Google Patents
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Description
このように2つの排出ダンパーを交互に作動させれば、1台の空気輸送機を用いながらも途切れなく連続的に粉粒体を空気輸送することができる。
このように、排出ダンパーがサイクロン分離室から粉粒体を排出する能力が律速段階となるので、排出ダンパーの開閉1サイクル当たりの所要時間が長い(即ち、開閉サイクルの周期が長い)場合には、折角の高真空・高濃度モードによる高能率の空気輸送能力が頭打ちとなる。
本発明の他の目的は、小型でコンパクトなダブルダンパー型連続吸引式空気輸送装置を用い、それを高真空・高濃度モードで作動させることを可能にすることにより、高能率の空気輸送を保障することである。
図1を参照するに、空気輸送装置10は、粉粒体源としての容器12に収容された粉粒体を他の容器(輸送先容器)14に空気輸送するために使用することができる。容器12および14はホッパーその他任意の形状・種類の容器であり得る。
吸引・分離室34内で固気分離された粉粒体は本体24の円形の下部開口38から第1排出ダンパー・モジュール18に向けて落下する。
逆洗弁40としては従来型の急速排気弁を使用することができ、夫々の逆洗弁40はフィルタエレメント28の上部開口と相対峙させてある。
図示したように、夫々の逆洗弁40は、一方において、エアコンプレッサ44に接続されたアキュムレータ46に継手45および配管を介して接続されると共に、他方において、管継手47およびエア信号管48を介して制御装置50に接続される。
エア信号管48から急速排気弁40に印加される信号圧力が高い間はエアコンプレッサ44からの圧縮空気はアキュムレータ46に蓄積される。制御装置50が信号圧力を低下させると急速排気弁40はアキュムレータ46を開放して圧縮空気をフィルタエレメント28の入口開口に向かって噴射させ、フィルタエレメント28の逆洗を行う。制御装置50はフィルタエレメント28の逆洗を交互かつ周期的に行うように構成することができる。
ブロワー54を作動させた状態で遮断弁56を開けると、空気と粉粒体との混合物は空気入口管36から吸引・分離室34へと吸引され、含塵空気はフィルタエレメント28によって濾過され、吸引・分離室34内で空気から分離された粉粒体は第1排出ダンパー18に向かって落下する。
フラップ弁66は、例えば、左右一対の揺動アーム74に取付けてあり、これらの揺動アーム74の端部は溶接などによりホッパー60に固定した取付ブラケット76に枢軸78を介して枢着することができる。
ホッパー60の下縁にはエラストマー製のシールリング80が装着してあり、ホッパー60とフラップ弁66との間をシールするようになっている。シールリング80にヘタリや摩耗が生じてもシールが確実に行われるようにするため、揺動アーム74の枢軸78は上下方向に多少の空動きが出来るように取付ブラケット76の長穴(図示せず)に装着されている。
第2ダンパーモジュール20の本体97には大気圧取出管98が設けてあり、この大気圧取出管98は第2バイパス導管100によって第1ダンパーモジュール18の圧力導入管86に接続されている(図1)。第2バイパス導管100には制御装置50により制御される遮断弁102が設けてあり、遮断弁102を開けることにより第2ダンパーモジュール20内の大気圧を第1ダンパーモジュール18の中間室64に導入するようになっている。
図4の円5Aおよび5B内の部分の拡大断面を示す図5(A)および(B)を参照するに、このエアレーション機構110は、ホッパー93の内側に配置された微多孔性で自己支持性の流動化用隔膜112を備えている。流動化用隔膜112の形状はホッパー93の形状と相似であるが、サイズはホッパーよりやゝ小さい。従って、ホッパー93と流動化用隔膜112との間には環状円錐形の空間114が形成される。
この空間114の上部は、流動化用隔膜112の上部フランジ116をホッパー93の上部フランジ118とシールリング120との間に挟持することによってシールされる(図5(A))。
空間114の下部は、流動化用隔膜112の下部円筒部122の外周に装着したリップ型シールリング124(図5(B))によってホッパー93に対してシールされる。
図1に示したように、空気輸送装置10を輸送先容器14の上に設置し、サイクロンモジュール16の空気入口管36を、空気輸送管104を介して、空気輸送すべき粉粒体を収容した供給元ホッパー12の下部出口106に差し込んだ吸引ノズル108に接続する。
吸引中は、サイクロンモジュール16の吸引・分離室34は高真空下にあり、第1ダンパーモジュール18の中間室64は後述するように大気圧下にある。従って、第1ダンパーモジュール18のフラップ弁66の上流側に作用する真空と下流側に作用する大気圧との差圧によってフラップ弁66はホッパー60のシールリング80に圧接されており、ホッパー60とフラップ弁66との間はピッタリとシールされている。
その結果、第1ダンパーモジュール18のフラップ弁66の前後の差圧は急速に消失する。
このように、フラップ弁66を前後の差圧に抗して強引に開ける必要もないし、排出ダンパー62はフラップ弁66の自重と粉粒体重量により開放する構造のものであるので、アクチュエータ72を小型化することができ、ダンパーモジュール18の小径の本体58内にコンパクトに配置格納することができる。このように可動部であるダンパー機構62がダンパーモジュール18の本体58内にコンパクトに格納されているので、安全が向上すると共に、装置の取扱いが容易になり、塵埃の堆積や汚損が低減する。
第1ダンパーモジュール18のホッパー60からの粉粒体の全量排出を許容するに必要な時間(例えば、2〜5秒)が経過したならば、遮断弁92を閉じて第1バイパス導管90を遮断する。
そして、アクチュエータ72を反対方向に揺動させて第1ダンパー62(即ち、フラップ弁66)を閉じる。
これにより、輸送先容器14内の大気圧下の空気が第2バイパス導管100を介して第1ダンパーモジュール18の中間室64に流入し、直前には高真空下にあった中間室64の圧力は大気圧に近づくであろう。
しかしながら、中間室64内の圧力が大気圧に近づくにつれて、中間室64内の圧力と輸送先容器14内の大気圧との圧力差はゼロに近づくので、第2バイパス導管100を介して中間室64に流入する空気の流量は次第に減少し、それにつれて中間室64内の圧力が大気圧まで回復するのが遅延するであろう。これは、第2ダンパー94を開放させるための所要時間を出来るだけ短縮することの障碍となる。
ホッパー93の内側に噴出する流動化用空気は大気圧より高い圧力(正圧)を有するので、粉粒体を流動化することに加えて、中間室64内の圧力を高める。その結果、流動化用空気は、第2バイパス導管100を介して中間室64に流入する空気が次第に減少するのを補い、第2ダンパー94のフラップ弁の前後の差圧を確実かつ迅速に消失させる。こうして、中間室64内の圧力は早期に大気圧になる。
以上の工程を反復することにより、ホッパー12から輸送先容器14へと粉粒体の空気輸送が途切れなく連続的に行われる。
本発明によれば、直径約40cmという極めて小型の空気輸送装置を使用しながらも、3,000リッター/時という高い輸送能力を保障することができる。これは、粉粒体の嵩密度が1の場合、3トン/時の能力に相当する。
16: サイクロン分離モジュール
18: 第1排出ダンパー・モジュール
20: 第2排出ダンパー・モジュール
34: 吸引・分離室
62: 第1排出ダンパー
64: 中間室
90: 第1バイパス通路
92: 第1バイパス制御弁
94: 第2排出ダンパー
100: 第2バイパス通路
102: 第2バイパス制御弁
110: エアレーション機構
特許出願人 株式会社 ワイ・エム・エス
代理人 弁理士 伊藤 宏
Claims (3)
- 空気と粉粒体との混合物をサイクロン分離室へ連続的に吸引しながら、固気分離された粉粒体を交互に開閉する第1および第2の排出ダンパーによりバッチ式に排出するように構成されたダブルダンパー型連続吸引式空気輸送装置において:
前記第2排出ダンパーにはそのホッパー上の粉粒体に対して当該第2排出ダンパーの下流に存在する圧力より高い圧力をもった流動化用空気を吹き込むエアレーション手段を設け、吹き込まれた流動化用空気を利用して第2排出ダンパーの開放直前に第2排出ダンパーの前後の差圧を能動的に消失させ、もって、第2排出ダンパーの開閉1サイクル当たりの所要時間を短縮するようにしたことを特徴とするダブルダンパー型連続吸引式空気輸送装置。
- 第1排出ダンパーの開放直前の所定のタイミングで第1排出ダンパーと第2排出ダンパーとの間の中間室に負圧を導入することにより第1排出ダンパーの前後の差圧を消失させる手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に基づくダブルダンパー型連続吸引式空気輸送装置。
- 第2排出ダンパーの開放直前の所定のタイミングで前記中間室に大気圧を導入することにより第2排出ダンパーの前後の差圧を消失させる手段を備えていることを特徴とする請求項2に基づくダブルダンパー型連続吸引式空気輸送装置。
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